JP5860368B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
遊技盤(20)に形成された遊技領域(20a)を流下する遊技球が入賞可能な第1入賞口(101)および第2入賞口(102)と、前記第1入賞(101)および第2入賞口(102)への遊技球の入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段(60a)と、前記当り判定手段(60a)での判定結果が肯定の場合に、当り判定手段(60a)による判定結果が肯定となる確率が向上する確変状態を当り遊技終了後に付与する確変付与手段(60a)と、前記当り判定手段(60a)での判定結果が肯定の場合に、前記第2入賞口(102)へ遊技球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態を当り遊技終了後に付与する入賞率向上状態付与手段(60a)とを備え、前記第1入賞口(101)への入賞を契機として前記入賞率向上状態付与手段(60a)が入賞率向上状態を付与する割合よりも前記第2入賞口(102)への入賞を契機として前記入賞率向上状態付与手段(60a)が入賞率向上状態を付与する割合が高くなるよう構成された遊技機において、
前記遊技領域(20a)を流下する遊技球が通過可能な球流入口(103)と、
前記球流入口(103)を通過した遊技球が移動する分岐部(135)と、
前記分岐部(135)に接続すると共に前記第1入賞口(101)へ連通する第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)と、
前記分岐部(135)に接続すると共に前記第2入賞口(102)へ連通する第2入賞通路(201)と、
前記分岐部(135)に設けられ、前記球流入口(103)を通過した遊技球を前記第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)および第2入賞通路(201)へ振り分ける振分手段(140)とを備え、
前記第2入賞通路(201)の通路長より前記第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)の通路長が長くなるよう形成されて、前記振分手段(140)により第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)に振り分けられた遊技球が第1入賞口(101)まで移動する移動時間に比べて振分手段(140)により第2入賞通路(201)に振り分けられた遊技球が第2入賞口(102)まで移動する移動時間が短くなるよう構成され、
前記確変状態および入賞率向上状態の何れも付与されていない状態で前記第2入賞口(102)への遊技球の入賞を契機とする前記当り判定手段(60a)での判定結果が肯定となった場合において当り遊技終了後に前記入賞率向上状態付与手段(60a)が入賞率向上状態を付与する割合よりも、前記確変状態および入賞率向上状態の少なくとも何れかが付与された状態で前記第2入賞口(102)への遊技球の入賞を契機とする前記当り判定手段(60a)での判定結果が肯定となった場合において当り遊技終了後に前記入賞率向上状態付与手段(60a)が入賞率向上状態を付与する割合が高くなるよう構成したことを要旨とする。
遊技盤(20)に形成された遊技領域(20a)を流下する遊技球が入賞可能な第1入賞口(101)および第2入賞口(31,102)と、前記第1入賞(101)および第2入賞口(31,102)への遊技球の入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段(60a)と、前記当り判定手段(60a)での判定結果が肯定の場合に、当り判定手段(60a)による判定結果が肯定となる確率が向上する確変状態を当り遊技終了後に付与する確変付与手段(60a)とを備えた遊技機において、
前記第2入賞口(31,102)として、入賞口の大きさが可変する可変第2入賞口(31)と、入賞口の大きさが可変しない特定の第2入賞口(102)とを備えると共に、
前記当り判定手段(60a)での判定結果が肯定の場合に、前記可変第2入賞口(31)へ遊技球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態を当り遊技終了後に付与する入賞率向上状態付与手段(60a)を備え、前記第1入賞口(101)への入賞を契機として前記入賞率向上状態付与手段(60a)が入賞率向上状態を付与する割合よりも前記第2入賞口(31,102)への入賞を契機として前記入賞率向上状態付与手段(60a)が入賞率向上状態を付与する割合が高くなるよう構成され、
前記遊技領域(20a)を流下する遊技球が通過可能な球流入口(103)と、
前記球流入口(103)を通過した遊技球が移動する分岐部(135)と、
前記分岐部(135)に接続すると共に前記第1始動口(101)へ連通する第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)と、
前記分岐部(135)に接続すると共に前記特定の第2始動口(102)へ連通する第2入賞通路(201)と、
前記分岐部(135)に設けられ、前記球流入口(103)を通過した遊技球を前記第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)および第2入賞通路(201)へ振り分ける振分手段(140)とを備え、
前記第2入賞通路(201)の通路長より前記第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)の通路長が長くなるよう形成されて、前記振分手段(140)により第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)に振り分けられた遊技球が第1始動口(101)まで移動する移動時間に比べて振分手段(140)により第2入賞通路(201)に振り分けられた遊技球が前記特定の第2始動口(102)まで移動する移動時間が短くなるよう構成され、
前記確変状態および入賞率向上状態の何れも付与されていない状態で前記第2入賞口(31,102)への遊技球の入賞を契機とする前記当り判定手段(60a)での判定結果が肯定となった場合において当り遊技終了後に前記入賞率向上状態付与手段(60a)が入賞率向上状態を付与する割合よりも、前記確変状態および入賞率向上状態の少なくとも何れかが付与された状態で前記第2入賞口(31,102)への遊技球の入賞を契機とする前記当り判定手段(60a)での判定結果が肯定となった場合において当り遊技終了後に前記入賞率向上状態付与手段(60a)が入賞率向上状態を付与する割合が高くなるよう構成したことを要旨とする。
このように、第1入賞口へ連通する第1入賞通路の通路長を特定の第2入賞口へ連通する第2入賞通路の通路長よりも長くすることで、球流入口を通過した遊技球が短時間で第2入賞口まで移動することができることから、連続して球流入口を通過して第1入賞通路に振り分けられた遊技球が第1入賞口に移動するよりも速く第2入賞通路に振り分けられた遊技球を特定の第2入賞口まで移動させることが可能となる。これにより、第1入賞通路および第2入賞通路に振り分けられた遊技球を特定の第2入賞口へ連続して入賞させることができる。
遊技盤(20)に形成された遊技領域(20a)を流下する遊技球が入賞可能な第1始動口(101)および第2始動口(102)と、前記第1始動口(101)および第2始動口(102)の何れかへの遊技球の入賞を契機として所定の制御条件に従って制御を行う制御手段(60a)とを備え、前記制御手段(60a)は、前記第1始動口(101)への入賞に基づいて遊技者に付与される特典量よりも前記第2始動口(102)への入賞に基づいて遊技者に付与される特典量が高くなるよう構成された遊技機において、
前記遊技領域(20a)を流下する遊技球が通過可能な球流入口(103)と、
前記球流入口(103)を通過した遊技球が移動する分岐部(135)と、
前記分岐部(135)に接続すると共に前記第1始動口(101)へ連通する第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)と、
前記分岐部(135)に接続すると共に前記第2始動口(102)へ連通する第2入賞通路(201)と、
前記分岐部(135)に設けられ、前記球流入口(103)を通過した遊技球を前記第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)および第2入賞通路(201)へ振り分ける振分手段(140)とを備え、
前記第2入賞通路(201)の通路長より前記第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)の通路長が長くなるよう形成されて、前記振分手段(140)により第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)に振り分けられた遊技球が第1始動口(101)まで移動する移動時間に比べて振分手段(140)により第2入賞通路(201)に振り分けられた遊技球が第2始動口(102)まで移動する移動時間が短くなるよう構成されると共に、前記第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)を通過する遊技球の移動速度が、前記第2入賞通路(201)を通過する遊技球の移動速度より遅くなるよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1入賞口へ連通する第1入賞通路の通路長を第2入賞口へ連通する第2入賞通路の通路長よりも長くすることで、球流入口を通過した遊技球が短時間で第2入賞口まで移動することができることから、連続して球流入口を通過して第1入賞通路に振り分けられた遊技球が第1入賞口に移動するよりも速く第2入賞通路に振り分けられた遊技球を第2入賞口まで移動させることが可能となる。これにより、第1入賞通路および第2入賞通路に振り分けられた遊技球を第2入賞口へ連続して入賞させることができる。
また、第2入賞通路を通過する遊技球の移動速度より第1入賞通路を通過する遊技球の移動速度を遅くすることで、第1入賞通路および第2入賞通路に振り分けられた遊技球を第2始動口へ連続して入賞させ易くできる。
実施例1に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する入賞振分装置100の始動口101,102または始動入賞装置30の始動口31へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例1では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、入賞振分装置100、始動入賞装置30、特別入賞装置40、ゲート部材47等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
前記入賞振分装置100は、図3〜図7に示すように、パチンコ球が入賞可能な第1入賞口としての第1始動口101および第2入賞口としての第2始動口102と、前記遊技領域20a内に開口して遊技領域20aを流下するパチンコ球が通可能な球流入口103と、該球流入口103を通過したパチンコ球を第1始動口101および第2始動口102へ向けて振り分ける振分体140とを備えている。すなわち、実施例1のパチンコ機10は、第2入賞口として機能する始動口102,31が前記第1球流下経路および第2球流下経路の夫々に設けられて、前記球流入口103が設けられた第1球流下経路に位置する第2入賞口(第2始動口102)に対して前記振分体140がパチンコ球を振り分け得るよう構成される。また、前記入賞振分装置100には、前記第1始動口101へ連通する第1入賞通路161,165,180,195と、前記第2始動口102へ連通する第2入賞通路201とが設けられて、前記球流入口103を通過したパチンコ球が流入する分岐部135に、該第1入賞通路161,165,180,195および第2入賞通路201の夫々が連通するよう構成されており、該分岐部135に前記振分体140が配設されている。すなわち、実施例1に係る入賞振分装置100は、前記遊技盤20の遊技領域20aを流下して球流入口103を通過したパチンコ球が前記分岐部135に流入して前記振分体140により第1入賞通路161,165,180,195および第2入賞通路201の何れかに振り分けられて、振り分けられた第1入賞通路161,165,180,195および第2入賞通路201を通過したパチンコ球が対応した第1始動口101または第2始動口102へ案内されるよう構成されている。
前記ベース部105は、図5,図7に示すように、前記遊技盤20の装着口を覆う平板状に形成されて、前面および後面にパチンコ球の球通路(第1入賞通路161,165,180,195および第2入賞通路201)が形成されている。また、前記ベース部105には、適宜位置にパチンコ球が通過可能な大きさで前後に貫通する通孔が複数形成されており、該ベース部105の前面側に形成される球通路(具体的には、第1入賞通路の上流側誘導通路部161、下流側誘導通路部195、第2入賞通路201、上部アウト球通路部205)と、後面側に形成される球通路(遅延通路部165,180、球排出通路110a,111a)とがベース部105の通孔を介して連通するようになっている。具体的に、実施例1のベース部105には、上端部側に左右に離間して2つの通孔106が形成され、該2つの通孔106,106の下方位置に横並び状に3つの通孔107,108が形成され、該3つ通孔107,108の下方位置に1つの通孔102が形成されると共に、右下端部側に上下に離間して2つの通孔101,109が形成されている。実施例1において、前記ベース部105に形成された右下端部に位置する通孔が前記第1始動口101として機能し、3つの横並び状の通孔の右寄りの下方に位置する通孔が前記第2始動口102として機能する通孔とされている。
図7、図11に示すように、前記前カバー体115は、前記ベース部105の前面に対向すると共に該ベース部105の略全面を覆う前面板116と、該前面板116の外周縁から後方へ延出する外周壁117とから後方へ開口する箱状に形成されており、該外周壁117の後端部をベース部105の前面に当接した状態で固定されている。そして、前記外周壁117における前カバー体115の上端面に、パチンコ球が通過可能な大きさで上下に開口する開口が形成され、該外周壁117の開口が前記球流入口103として機能するようになっている。前記前カバー体115には、図11に示すように、前面板116の面方向にパチンコ球が通過可能な幅で離間した通路壁部118,119,120,121,122,123,124が後方へ突出するよう複数組設けられており、該前カバー体115をベース部105に組み付けた際に、対になる通路壁部118,119,120,121,122,123,124の間にパチンコ球が通過可能な球通路が画成されるようになっている。なお、前記前カバー体115に形成される球通路の構成は、後に詳述する。
次に、入賞振分装置100に形成されたパチンコ球の球通路構造について説明する。
前記入賞振分装置100には、前記前カバー体115の上面に上下に開口するよう前記球流入口103が形成されており、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が上方から入賞振分装置100の内部に流入するよう構成されている。前記球流入口103には、下方に延在する球流入通路部131が連通しており、該球流入口103を通過したパチンコ球を下方に案内するようになっている。そして、球流入通路部131の下端部が前記分岐部135に開口して、該球流入口103を通過したパチンコ球が分岐部135に流入するようになっている。なお、前記球流入通路部131は、前記球流入口103の開設位置に対応して前カバー体115に形成された一対の通路壁部119により上下に延在するよう画成されている。また、前記球流入通路部131には、後述するメイン制御基板60に配線接続された球センサ(球検出手段)210が臨むよう配設されており、球流入口103を介して入賞振分装置100の内部に通入したパチンコ球を該球センサで検出して検出信号をメイン制御基板60に出力するようになっている。実施例1に係る入賞振分装置100に配設される球センサは、矩形状のセンサ本体の前側に偏って、パチンコ球が通過可能な通過孔が形成された近接センサが採用されている。なお、球検出手段としては、近接センサに限られるものではなく、パチンコ球を検出可能なものであれば接触型のセンサ等従来公知のものを採用可能である。また、以下の説明では、前記球流入口103を通過したパチンコ球を検出するセンサを球流入口センサ210と指称する場合がある。
前記分岐部135は、図4〜図6、図8に示すように、前後方向に軸が延在する中空の略円筒状に形成されて、該分岐部135の内部に前記振分体140が回転可能に収容されている。実施例1では、前記分岐部135は、図5、図8、図11等に示すように、前記ベース部105に前方へ開口するよう凹設された後側収容部136と、前記球流入通路部131を形成する通路壁部119の下端部に連設するよう前カバー体115に形成された円弧状壁部138により後方へ開口するよう凹設された前側収容部137(図11参照)とから構成されている。そして、前記球流入通路部131の周面において、前記振分体140の回転軸141の鉛直上方位置に前記球流入通路部131の球出口が開口するよう構成されて、該球流入通路部131を通過したパチンコ球が分岐部135内に流入するようになっている。また、前記分岐部135の周面には、該分岐部135に流入したパチンコ球を排出する球出口135a,135bが左下部位置および右下部位置の2カ所に形成されており、該分岐部135の球出口135a,135bに前記第1入賞通路161,165,180,195および第2入賞通路201の上流端部が連通接続するようになっている。
前記振分体140は、図8〜図10に示すように、前記分岐部135(ベース部105および前カバー体115)に前後に延在するよう支持された回転軸141に回転自在に枢支されて、前記球流入通路部131から分岐部135に移動したパチンコ球を受け容れて第1入賞通路161,165,180,195へ案内する第1姿勢、および該球流入通路部131から分岐部135に移動したパチンコ球を受け容れて第2入賞通路201へ案内する第2姿勢に回転変位し得るよう構成されている。すなわち、振分体140が第1姿勢にある状態で前記球流入通路部131から分岐部135に移動したパチンコ球が、該振分体140により第1振分口135aへ振り分けられ、振分体140が第2姿勢にある状態で球流入通路部131から分岐部135に移動したパチンコ球が、該振分体140により第2振分口135bへ振り分けられるようになっている。すなわち、前記球流入口103を通過したパチンコ球は、前記振分体140により、第1入賞通路161,165,180,195および第2入賞通路201の夫々に同じ割合で振り分けられるよう構成されている。
また、前記入賞振分装置100には、図8〜図10に示すように、前記第1球受け部140aおよび第2球受け部140bにパチンコ球を受け容れていない振分体140を、第1姿勢および第2姿勢で保持する姿勢保持手段148,149を備えている。すなわち、第1姿勢および第2姿勢で振分体140を保持することで、球流入口103を通過したパチンコ球が正確に第1入賞通路161,165,180,195および第2入賞通路201へ交互に振り分けられるようになっている。具体的に、前記姿勢保持手段は、前記分岐部135側に配設された第1磁石148と、前記振分体140に配設されて回転変位に伴い第1磁石148と反発する第2磁石149とから構成されている。前記第1磁石148は、前記ベース部105における分岐部135(後側収容部136)の後面に配設された磁石ホルダ151に取り付けられており、該分岐部135(後側収容部136)の後面を画成する後壁136bを挟んで分岐部135の後方に位置するようになっている。ここで、前記磁石ホルダ151は、前記分岐部135(後側収容部136)の後壁136bに形成された固定部136cに固定される支持板152と、該支持板152から前方へ突出するよう設けられて前端部に第1磁石148が取り付けられる第1磁石取付部153とから構成されており、該磁石ホルダ151をベース部105に取り付けた状態で、前記振分体140を支持する回転軸141の鉛直上方側に第1磁石148が位置するよう構成されている(図9参照)。
図4、図7に示すように、前記第1入賞通路161,165,180,195は、前記振分部の第1振分口135aに連通する上流側誘導通路部161と、該上流側誘導通路部161の下流端部に連通する遅延通路部165,180と、該遅延通路部165,180の下流端部に連通すると共に前記第2始動口102に連通する下流側誘導通路部195とから、該第1入賞通路161,165,180,195の延在長を長大化するよう構成されて、前記振分体140により第1入賞通路161,165,180,195(第1振分口135a)へ案内されたパチンコ球が第1始動口101まで至る時間を遅延させ得るよう構成されている。
ここで、前記上流側誘導通路部161は、図4、図11に示すように、前記ベース部105の前面側に設けられて前記第1振分口135aを上部連通孔108に連通する球通路であり、前記振分体140により第1振分口135aへ振り分けられたパチンコ球を上部連通孔108へ誘導するよう構成されている。そして、前記上部連通孔108まで移動したパチンコ球が、該上部連通孔108を介してベース部105の後面側へ移動するよう構成されている。このように、実施例1の第1入賞通路161,165,180,195は、前記第1振分口135aへ振り分けられたパチンコ球の転動方向を、上流側誘導通路部161から遅延通路部165,180へ移動する過程で転向することで、パチンコ球の流下速度を低下させるようになっている。なお、前記上流側誘導通路部161は、前記第1振分口135aおよび上部連通孔108の開設位置に対応して前カバー体115に形成された一対の通路壁部120により略上下方向に延在するよう画成されている。
前記遅延通路部165,180は、図7、図12〜図16に示すように、前記ベース部105の後面側に設けられて前記上部連通孔108を下部連通孔109に連通する球通路であり、パチンコ球の転動速度を遅らせる複数(実施例1では3つ)の速度調整部を備えている。具体的に、実施例1の前記遅延通路部165,180は、1つの速度調整部としての第1周回転動部175が設けられた第1遅延通路部165と、2つの速度調整部としての蛇行通路部181および第2周回転動部191が設けられた第2遅延通路部180とから構成されている。なお、遅延通路部165,180に設けられる速度調整部は、3つである必要はなく、少なくとも1つの速度調整部を設けることで、パチンコ球の流下速度を低下させることができる。また、前記遅延通路部165,180は、透明な部材により形成されており、パチンコ球の転動形態を前側から目視し得るようになっている。
前記第1遅延通路部165は、図7、図12〜図14に示すように、前記ベース部105の上部連通孔108に連通して、パチンコ球を下方へ誘導する縦通路部166と、該縦通路部166の下流端部に接続してパチンコ球を横方向(右方向)へ誘導する横通路部171と、該横通路部171の下流端部に接続する第1周回転動部175とを備えている。前記縦通路部166は、前記ベース部105の後面側に取り付けられ、後方に開口すると共に上下に延在する樋状に形成された樋部材167と、該樋部材167の後方開口を塞ぐ樋蓋部材168とから内部に画成された球通路であって、当該樋部材167の前面上部に、前記上部連通孔108に連通する通入口167aが開設されている。また、前記樋部材167および樋蓋部材168により画成される縦通路部166は、樋部材167および樋蓋部材168の下方で開口するよう構成されている。ここで、前記縦通路部166は、前記ベース部105に形成された前記第2始動口102より下方まで延在するよう形成されており、該縦通路部166の下流端部に接続する前記横通路部171が第2始動口102に干渉しないよう構成されている。すなわち、前記縦通路部166は、前記上部連通孔108および第2始動口102の上下方向の位置関係に応じて延在長が調整され、該上部連通孔108を第2始動口102より下側に形成する形態であれば、縦通路部166を省略することも可能である。
前記横通路部171は、図13、図14に示すように、左右方向に球転動面172aが延在する第1球転動部材172と、該第1球転動部材172の上部をパチンコ球が通過可能な間隔で覆う上カバー部169とから内部に画成された球通路であって、該球転動面172aの左端部が前記縦通路部166の下流端部に位置するよう前記樋部材167および樋蓋部材168の間に配設されている。なお、前記上カバー部169は、前記樋部材167および樋蓋部材168の右下部位置に右方向へ延在するよう一体的に設けられている。前記横通路部171(具体的には球転動面172a)は、緩やかな傾斜角度で右方向へ下方傾斜するよう直線的に形成されており、該横通路部171を転動するパチンコ球が第1周回転動部175に至るまでの時間を長くするよう構成されている。前記横通路部171の傾斜角度としては、数°〜10°程度の範囲に設定することで、パチンコ球を停滞させることなく移動速度を顕著に遅くするのに好適である。なお、実施例1では、4°の傾斜角度に設定してある。また、前記第1球転動部材172には、前記縦通路部166の下流端部に臨む左端部に、上方へ突出する円弧状の球誘導片173が形成されており、該縦通路部166を流下したパチンコ球を横通路部171の延在方向へ誘導するようになっている。
前記第1周回転動部175は、図14に示すように、前記第1球転動部材172における球転動面172aの傾斜下端部(すなわち横通路部171の下流端部)に上方へ開口すると共に球面状に凹むよう設けられて、パチンコ球が円を描くよう周回させるよう構成されている。また、前記第1球転動部材172には、前記第1周回転動部175の底部に、1個のパチンコ球が通過可能な大きさで第1落下口176が上下に貫通するよう形成されている。また、前記第1周回転動部175は、該第1周回転動部175の上方開口部の接線方向に前記横通路部171が接続するよう第1球転動部材172に形成されており、該横通路部171を通過したパチンコ球が接線方向から第1周回転動部175に流入するようになっている。これにより、前記横通路部171から第1周回転動部175に流入したパチンコ球は、該第1周回転動部175の内面を周回するよう転動して減勢されることで、第1落下口176から下方へ落下するようになっている。このように、第1周回転動部175では、該第1周回転動部175に流入したパチンコ球が球面状の内面に沿って揺れ動くことで、当該第1周回転動部175を転動するパチンコ球が第1落下口176から落下するまでの時間が長くなるよう構成されている。また、第1周回転動部175に流入するパチンコ球の勢いに応じて、該第1周回転動部175にパチンコ球が留まる時間を可変させることができる。
前記第2遅延通路部180は、図15〜図16に示すように、前記第1周回転動部175の第1落下口176に連通する蛇行通路部181と、該蛇行通路部181の下流端部に接続する第2周回転動部191とを備えている。ここで、前記第2遅延通路部180は、パチンコ球が通過可能な球通路が上方開口するよう形成されると共に前記ベース部105の後面に取り付けられる第2球転動部材185と、該第2球転動部材185の上方開口を塞ぐ蓋体186とから構成されている。前記第2球転動部材185の上方開口を蓋体186で塞いだ状態で、前記蛇行通路部181の上流端部が上方に開口するようになっており、該上方に開口する蛇行通路部181の上流端部に、前記第1周回転動部175の第1落下口176が臨んで、該第1落下口176から落下するパチンコ球が蛇行通路部181に流入し得るよう構成されている。また、前記第2球転動部材185には、前記第1球転動部材172を支持する支持台部187が設けられると共に、上方へ開口する位置決め孔188が支持台部187に形成されて、前記第1球転動部材172の対応位置に下方へ突出するよう形成された位置決め軸部174を位置決め孔188に上方から挿入することで、該支持台部187に第1球転動部材172が支持されるようになっている。更に、前記第2球転動部材185には、前記第1球転動部材172の後端面に倣って延在する倣い壁部189が設けられており、前記位置決め軸部174を位置決め孔188に挿入すると共に、倣い壁部189を第1球転動部材172の後端面に当接することで、前記蛇行通路部181の上流端部に第1落下口176が臨む位置で第1球転動部材172が位置決めされるようになっている、
前記第2周回転動部191は、図16に示すように、基本的には前述した第1周回転動部175と同じ構造で形成されている。前記第2球転動部材185における球転動面172aの傾斜下端部(すなわち蛇行通路部181の下流端部)に上方へ開口すると共に球面状に凹むよう設けられて、パチンコ球が円を描くよう周回させ得るよう構成されている。また、前記第2球転動部材185には、前記第2周回転動部191の底部に、1個のパチンコ球が通過可能な大きさで第2落下口192が上下に貫通するよう形成されている。また、前記第2周回転動部191は、該第2周回転動部191の上方開口部の接線方向に前記蛇行通路部181が接続するよう第2球転動部材185に形成されており、該蛇行通路部181を通過したパチンコ球が接線方向から第2周回転動部191に流入するようになっている。これにより、前記蛇行通路部181から第2周回転動部191に流入したパチンコ球は、該第2周回転動部191の内面を周回するよう転動して減勢されることで、第2落下口192から下方へ落下するようになっている。このように、第2周回転動部191では、該第2周回転動部191に流入したパチンコ球が球面状の内面に沿って揺れ動くことで、当該第2周回転動部191を転動するパチンコ球が第2落下口192から落下するまでの時間が長くなるよう構成されている。また、第2周回転動部191に流入するパチンコ球の勢いに応じて、該第2周回転動部191にパチンコ球が留まる時間を可変させることができる。なお、前記ベース部105の後面には、前記第2落下口192の下方に、前記下部連通孔109に連通する球受け樋193が形成されており、該第2落下口192から落下したパチンコ球を、ベース部105の前面側に誘導するよう構成されている。
前記下流側誘導通路部195は、図4,図11に示すように、前記ベース部105の前面側に設けられて前記下部連通孔109を第1始動口101に連通する球通路であり、前記遅延通路部165,180を通過して下部連通孔109に移動したパチンコ球を第1始動口101へ誘導するよう構成されている。なお、前記下流側誘導通路部195は、前記下部連通孔109および第1始動口101の開設位置に対応して前カバー体115に形成された一対の通路壁部121により上下方向に直線的に延在するよう形成されている。そして、前記第1始動口101まで移動したパチンコ球が、該第1始動口101を介してベース部105の後面側へ移動するよう構成されている。前記第1始動口101は、前記ベース部105の後面側において前記第2排出通路部材111の下端部側に設けられた排出口111bに連通するよう構成されており、該第1始動口101を通過したパチンコ球が第2排出通路部材111の球排出通路111aを介して遊技盤20の下方へ排出されるようになっている。
図4、図11に示すように、前記第2入賞通路201は、前記ベース部105の前面側に設けられて前記第2振分口135bを第2始動口102に連通する球通路であり、前記振分体140により第2振分口135bへ振り分けられたパチンコ球を第2始動口102へ誘導するよう構成されている。なお、前記第2入賞通路201は、前記第2振分口135bおよび第1始動口101の開設位置に対応して前カバー体115に形成された一対の通路壁部123により上下方向に直線的に延在するよう形成されている。そして、前記第2始動口102まで移動したパチンコ球が、該第2始動口102を介してベース部105の後面側へ移動するよう構成されている。前記第2始動口102は、前記ベース部105の後面側において前記第2排出通路部材111の上端部側に設けられた排出口111cに連通するよう構成されており、該第2始動口102を通過したパチンコ球が第2排出通路部材111の球排出通路111aを介して遊技盤20の下方へ排出されるようになっている。
前記始動入賞装置30は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する第2入賞口としての第3始動口31を備えると共に、該第3始動口31を開閉可能に構成された開閉部材33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(図17参照)の駆動に伴って開閉部材33が第3始動口31を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、実施例1において、第2入賞口としての第2始動口102は、前記遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能な前記入賞振分装置100の球流入口103を通過し、前記振分体140により第2入賞通路201へ振り分けられたパチンコ球が入賞し得るよう構成されると共に、前記第2入賞口としての第3始動口31は、始動入賞ソレノイド32を駆動して遊技領域20a(第2球流下経路)に開口させることで、パチンコ球が入賞し得るようになっている。ここで、前記開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第3始動口31へのパチンコ球の入賞が阻止されて、該第3始動口31へパチンコ球が入賞しないよう構成されている(入賞確率0%)。また、前記始動入賞装置30は、前記第3始動口31に入賞したパチンコ球を検出する球検出手段としての第3始動口センサ213(図17参照)が設けられて、該第3始動口センサ213がパチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(図17参照)に配線接続されている。
前記特別入賞装置(入賞手段)40は、図2に示すように、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉手段)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図17参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例1では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(図17参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ44からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例1では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記始動入賞装置30へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置40を開放する大当り遊技が付与される場合に、大当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
図2に示すように、前記遊技盤20の所定位置(実施例1では、遊技領域20aの外側右下部位置)には、前記第1〜第3始動口101,102,31への入賞(第1〜第3始動口センサ211〜213による球検出)を契機として作動する特図表示器(特図表示手段)50A,50Bが設けられている。ここで、特図表示器50A,50Bは、前記第1始動口101への入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示器50Aと、第2始動口102および第3始動口31への入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示器50Bとからなり、各特図表示器50A,50Bの何れも複数個(実施例1では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動口101へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示器50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2始動口102および第3始動口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示器50Bの発光表示部が点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。なお、実施例1の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
また、前記第1始動口101にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)が機内部の記憶手段としてのメイン制御RAM60c(図17参照)に第1特図始動保留情報(第1始動保留球)として記憶されるようになっている。同様に、前記第2始動口102および第3始動口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)は機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)に第2特図始動保留情報(第2始動保留球)として記憶されるようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域20aの外側右下部に、この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例1では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例1では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、前記始動入賞装置30の上方位置に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材47が設けられている。前記ゲート部材47にはゲートセンサ48(図17参照)が配設されており、該ゲート部材47を通過するパチンコ球をゲートセンサ48で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ48は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ48からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ48のパチンコ球の検出(ゲート部材47のパチンコ球の通過))に伴って各種入賞情報(後述する普図当り判定用乱数)が取得され、この取得した入賞情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果、普図当りの場合に前記始動入賞装置30の始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例1のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ48によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第3始動口31を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、複数のLED(実施例1では2個)から発光表示部が構成された普図表示器55が配設されている。この普図表示器55では、ゲートセンサ48のパチンコ球の検出(ゲート部材47のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例1では、2つのLEDの発光態様にて普図抽選の結果を表示するようになっている。そして、前記普図表示器55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの外側右下部位置に、前記ゲート部材47をパチンコ球が通過した際に取得される入賞情報(後述する各種乱数情報)が機内部の記憶手段(メイン制御RAM60c)で始動保留情報として記憶された際に、該普図保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例1では2個)から発光表示部が構成された普図保留表示部56が配設されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例1では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示部56は、複数(実施例1では2つ)のLEDから構成されており、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が左から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が左から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
また、実施例1のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
また、実施例1のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、開閉部材33により開閉される前記第3始動口31へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第3始動口31を開放する開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第3始動口31へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての第3始動口31を開放する開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例1では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、第3始動口31へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
次に、実施例1のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50A,50Bに大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り図柄の種類に応じて特別入賞装置40の開閉扉43が開閉動作される。なお実施例1の大当り遊技では、特別入賞装置40の開閉扉43を開放するラウンド遊技を所定回数(15回)実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口に規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉扉43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。なお、実施例1では、長時間開放動作において開閉扉43が最大で25秒間開放するよう設定されると共に、短時間放動作において開閉扉43が最大で0.04秒間開放するよう設定される。
実施例1のパチンコ機では、図18に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例1において第1特図表示器50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄Dの4つのグループに分類されており、第1特図表示器50Aに確定停止表示された特図1に応じて何れかの種類の大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例1において第2特図表示器50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特図2は、図柄E、図柄F、図柄G、図柄H、図柄Iの5つのグループに分類されており、第2特図表示器50Bに確定停止表示された特図2に応じて5種類の大当り遊技の何れかが付与される。
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例1のパチンコ機10には、図17に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
前記メイン制御基板60は、図17に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記第1始動口センサ201、第2始動口センサ202および第3始動口センサ203、特別入賞検出センサ44、ゲートセンサ48等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示器50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示器55、普図保留表示部56等の各表示器が接続されて、各球センサ201,202,203,48の検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50A,50B,55の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU(開放制御手段)60aには、前記始動入賞装置30および特別入賞装置40に設けられたソレノイド32,42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42の駆動制御が行われるようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、当り遊技の種類に応じて前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉扉43を開閉する開閉制御を実行するよう構成される。
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(特図当り抽選)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、第1始動口101、第2始動口102および第3始動口31の何れかにパチンコ球が入賞した際に取得した大当り判定用乱数が大当り判定値と一致した場合に、図柄変動演出の終了後に大当り遊技を付与することが決定される一方、大当り判定用乱数が大当り判定値と一致しない場合に、図柄変動演出の終了後に大当り遊技を付与しないことが決定される。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっており、非確変状態よりも確変状態の場合の大当り確率(大当り判定用乱数と大当り判定値との一致確率)が高くなるよう設定される。
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、図17に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
次に、実施例1に係るパチンコ機10に設定された大当り図柄と遊技状態との関係について説明する。実施例1のパチンコ機10では、前記第1〜第3始動口101,102,31へのパチンコ球に基づいて行われる大当り判定の判定結果が肯定の場合に、大当り図柄毎に定められた振分条件を満たすかに応じて、大当り遊技の終了後に変短状態が付与されるか否かが変化する。実施例1において、変短状態の振分条件は、大当り判定の判定結果が肯定判定であった時点における遊技状態とされており、大当りに当選した時点において、低確変短なし状態(確変状態および変短状態が何れも付与されていない通常遊技状態)、低確変短あり状態(変短状態のみが付与された変短遊技状態)、高確変短なし(確変状態のみが付与された特殊確変遊技状態)および高確変短あり状態(確変状態および変短状態が付与された確変遊技状態)の何れの遊技状態であるかに応じて、変短状態が付与されるか否かが大当り図柄毎に定まるように設定されている。以下の説明では、各大当り図柄において変短状態が付与されない振分条件となる遊技状態を通常振分条件と指称し、各大当り図柄において変短状態が付与される振分条件となる遊技状態を特殊振分条件と指称する。ここで、実施例1では、大当りに当選した時点において変短状態が付与されている遊技状態であれば、前記特殊振分条件を満たすよう設定されており、変短状態が付与されている遊技状態(すなわち低確変短なし状態および高確変短あり状態)を特殊振分状態と指称する。言い換えると、特殊振分条件を満たした大当り遊技の終了後には、特殊振分状態に移行するようになっている。以下、大当り図柄毎の変短状態の振分条件について詳細に説明する。
前記第1始動口101へのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例1では、第1始動口101へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、4種類の大当り図柄(図柄A〜図柄D)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例1のパチンコ機では、第1始動口101へのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、20%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、47%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、8%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択され、25%の割合で大当り図柄としての図柄Dが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
前記第2始動口102および第3始動口31へのパチンコ球の入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例1では、第2始動口102および第3始動口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、5種類の大当り図柄(図柄E〜図柄I)の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定される。更に、実施例1のパチンコ機では、20%の割合で大当り図柄としての図柄Eが選択され、30%の割合で大当り図柄としての図柄Fが選択され、25%の割合で大当り図柄としての図柄Gが選択され、20%の割合で大当り図柄としての図柄Hが選択され、5%の割合で大当り図柄としての図柄Iが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
次に、実施例1に係るパチンコ機10の作用について説明する。
実施例2に係る入賞振分装置300における第1入賞通路161,301,195は、図19、図20に示すように、前記分岐部135の第1振分口135aに連通する上流側誘導通路部161と、該上流側誘導通路部161の下流端部に連通する遅延通路部301と、該遅延通路部301の下流端部に連通すると共に前記第2始動口102に連通する下流側誘導通路部195とから構成されて、前記振分体140により第1入賞通路161,301,195(第1振分口135a)へ案内されたパチンコ球が第1始動口101まで至る時間を遅延させ得るよう構成されている。
前記遅延通路部301は、図20に示すように、前記ベース部105の後面側に設けられて前記上部連通孔108を下部連通孔109に連通する球通路であり、パチンコ球の移動速度を遅くする球送り装置(速度調節部)305を備えている。なお、前記上流側誘導通路部161の下流端部には、ベース部105の上部連通孔108に連通して、パチンコ球を下方へ誘導する縦通路部166が連通しており、縦通路部166の下流端部に前記球送り装置305が接続するよう構成されている。前記縦通路部166は、実施例1と同様に、前記ベース部105に形成された前記第2始動口102より下方まで延在するよう形成されており、該縦通路部166の下流端部に接続する前記球送り装置305が第2始動口102に干渉しないよう構成されている。すなわち、前記縦通路部166は、前記上部連通孔108および第2始動口102の上下方向の位置関係に応じて延在長が調整され、該上部連通孔108を第2始動口102より下側に形成する形態であれば、縦通路部166を省略することも可能である。
前記球送り装置305は、図21に示すように、パチンコ球が通過可能な球通路(以下球移送通路306bという)を画成する移送ケース体306と、該移送ケース体306に収容されてパチンコ球を移送する球移送機構311と、該球移送機構311を駆動する駆動手段としての駆動モータ317とを備え、球移送機構311によるパチンコ球の移動速度が、自重によるパチンコ球の移動速度より低速になるよう駆動モータ317が球搬送機構を駆動するよう構成されている。前記移送ケース体306は、図21に示すように、半円筒状の上下の半体306aから天板307および底板309を有する中空の円筒状に形成されて、該移送ケース体306の中心軸が前記縦通路部166の下流端から右方向(第2始動口102の形成方向)に向けて下方傾斜する姿勢で、前記ベース部105の後面側に配設されている。また、前記移送ケース体306の上側の端面となる天板307には、内外に貫通する球入口307aが形成されると共に、該球入口307aに対応して上側球誘導部材308が取り付けられている。前記上側誘導部材308は、前記縦通路部166の下流端部と移送ケース体306の球入口上側球誘導部材とを連通接続するよう構成されており、該縦通路部166を通過したパチンコ球を受け止めて前記移送ケース体306の内部の球移送通路306b内へ送り込むようになっている。また、前記移送ケース体306の下側の端面となる底板309には、内外に貫通する球出口309aが形成されると共に、該球出口に対応して下側球誘導部材310が取り付けられている。前記下側誘導部材310は、前記移送ケース体306の球出口309aと前記ベース部105の球受け樋193とを連通接続するよう構成されており、該移送ケース体306の球移送通路306bを通過したパチンコ球を球受け樋193上に落下させて、当該球受け樋193を介して下部連通孔109からベース部105の前面側に誘導するよう構成されている。
前記球移送機構311は、図21、図22に示すように、前記移送ケース体306に回転可能に支持されてパチンコ球を球入口307aから球出口309aに向けてパチンコ球を移送する球移送体312と、該球移送体312を駆動モータ317に接続する連繋部315a〜315cとから構成されている。前記球移送体312は、前記移送ケース体306の天板307および底板309に回転可能に支持されたシャフト313と、該シャフト313が挿通されると共に当該シャフト313と一体回転するよう構成された軸状部314と、該軸状部314の外周面に形成されて螺旋状に延在する螺旋状突出片314aとを備えている。前記螺旋状突出片314aにおける軸方向のピッチは、螺旋状突出片314a間にパチンコ球が摺動可能な寸法に設定されると共に、前記軸状部314からの螺旋状突出片314aの突出寸法は、該螺旋状突出片314aの突出端部と移送ケース体306の内壁との間をパチンコ球が通過不能な間隔で離間するよう設定されている。すなわち、前記移送ケース体306の球入口から球移送通路306bに通入したパチンコ球は、前記螺旋状突出片314a間の溝部で拘束されて、前記球移送体312の回転に伴い軸方向に沿って球出口309aへ向けて移送されるようになっている。前記球移送通路306b内におけるパチンコ球の移動速度は、前記球移送体312の回転速度に依存し、球移送通路306bを自重で移動したパチンコ球が移動する移動速度よりも球移送体312により移送されるパチンコ球の移動速度が低速になるよう設定される。ここで、前記球移送体312によるパチンコ球の移動速度は一定である必要はなく、加速や減速するようにしてもよい。
なお、遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(2) 実施例では、入賞振分装置を遊技盤に左側方位置に配設したが、これに限られるものではなく、球流入口に遊技球が流入可能な位置であれば、任意の位置に配設することができる。
(3) 実施例では、球流入口を通過した遊技球を振分手段により第1入賞通路および第2入賞通路へ交互に振り分けて、該球流入口を通過した遊技球が同じ割合で第1入賞通路および第2入賞通路を通過するよう構成したが、これに限られるものではなく、球流入口を通過した遊技球を振分手段により第1入賞通路および第2入賞通路へランダムに振り分けるようにしてもよい。例えば、実施例の振分体において球受け片を十字状に形成すると共に、該振分体を自由回転し得るよう分岐部に枢支することで実現できる。
(4) また、球流入口を通過した遊技球を振分手段により第1入賞通路および第2入賞通路へ交互に振り分ける場合であっても、該球流入口を通過した遊技球を交互に振り分ける必要はなく、第1入賞通路および第2入賞通路の一方へ遊技球を所定数送り出した後に、第1入賞通路および第2入賞通路の他方へ遊技球を所定数送り出すよう構成することもできる。例えば、実施例の振分体において第1球受け片および第2球受け片のみを形成すると共に、該振分体をモータ等の駆動手段に接続し、球流入口センサが所定数の遊技球を検出する毎に振分体を、第1入賞通路へ遊技球を案内する第1姿勢および第2入賞通路へ遊技球を案内する第2姿勢へ姿勢変位することで容易に実現できる。
(5) また、振分手段を作動する駆動手段を設けて、入賞率向上状態が付与された状態において、球流入口を通過した遊技球が第2始動口へ入賞する確率が高確率となるよう振分手段を駆動手段で駆動するよう構成してもよい。具体的には、球流入口を通過した遊技球を第1始動口(第1入賞通路)へ振り分ける割合よりも、第2始動口(第2入賞通路)へ振り分ける割合が多くなるよう振分手段を駆動手段で駆動することで、球流入口を通過した遊技球が第2始動口へ入賞する確率を高確率にすることができる。
(6) 実施例では、第1入賞通路に遅延通路部を形成して、第2入賞通路の通路長より第1入賞通路の通路長が長くなるよう形成したが、該遅延通路部の構成は、実施例のものに限られず、第2入賞通路の通路長より第1入賞通路の通路長が長くなる範囲で任意に変更することができる。また、実施例2のように、遊技球の移動速度を遅くする速度調節部を備える構成にあっては、第1始動口への遊技球の到達時間と比べて、第2始動口への遊技球の到達時間が短時間になるようにすれば、第1入賞通路の通路長と第2入賞通路の通路長とが同じ長さであってもよく、また第1入賞通路の通路長より第2入賞通路の通路長を長くしてもよい。
(7) 実施例1では、第1入賞通路の遅延通路部に速度調整部を複数設けるようにしたが、少なくとも1つ備えること構成であればよく、また速度調整部の構成も、第1入賞通路を通過する遊技球の移動速度を低下させ得る構成であれば、従来公知の各種構成を採用し得る。
(8) また、実施例1に示した遊技球が自重により転動する過程で遊技球の移動速度を低下させる速度調整部と、実施例2に示した駆動手段により遊技球の移動速度を強制的に低下させる速度調整部を組み合わせることも可能である。具体的には、実施例1における周回転動部や蛇行通路部の上流或いは下流側に、実施例2における球送り装置を配設することも可能である。
(9) また、駆動手段により遊技球の移動速度を強制的に低下させる速度調整部の構成としては、実施例2に示したものに限られるものではなく、第1入賞通路を通過する遊技球の移動速度を遅くし得る構成であれば、各種従来公知の構造を採用することが可能である。
(10) 実施例では、第2入賞口としての第2始動口とは独立して、第2入賞口としての第3始動口を備えた始動入賞装置を配設し、駆動手段の作動により第3始動口を開閉部材で開閉するよう構成したが、該第2入賞口としての第2始動口を開閉部材で開閉することも可能である。例えば、前記第2始動口を遊技領域に直接開口させたり、または第2入賞通路とは別経路となる球通路で第2始動口が遊技領域に連通するよう構成して、該第2始動口における入賞領域側の開口部に開閉部材を設けることで実現し得る。この場合には、第2入賞口としての第3始動口を備えた始動入賞装置を省略した場合でも実施例と同様の作用効果を期待し得ると共に、遊技機の簡略化を実現し得る。
(11) 実施例では、第2入賞口としての第2始動口に入賞する遊技球を検出する球センサと、第2入賞口としての第3始動口に入賞する遊技球を検出する球センサとを個別に設けるようにしたが、該第2始動口と第3始動口と接続して単一の球センサで入賞した遊技球を検出するようにすることもできる。
(12) 実施例では、特殊振分状態に移行した状態(変短状態が付与された状態)で第2入賞口としての第2始動口または第3始動口へのパチンコ球の入賞を契機として大当りとなった場合には、大当り遊技の終了後に特殊振分状態に移行するよう構成してが、これに限られ得ものではなく、特殊振分状態に移行した状態(変短状態が付与された状態)で第1入賞口としての第1始動口へのパチンコ球の入賞を契機として大当りとなった場合に、大当り遊技の終了後に特殊振分状態に移行するよう構成することもできる。具体的には、前述した実施例において図柄G〜図柄Iに示した様に、第1始動口へのパチンコ球の入賞を契機として図柄B〜図柄Dが選択された時点(大当り判定の当選時)において遊技状態が低確変短なし状態または高確変短なし状態である場合には、大当り遊技の終了後に変短状態が付与されないように設定される一方で、遊技状態が低確変短あり状態または高確変短あり状態である場合には、大当り遊技の終了後に、所定の変短回数の変短状態が付与されるよう設定することで容易に実現できる。
(13) 実施例では、入賞振分装置と始動入賞装置とを、遊技領域において異なった球流下経路に配置するよう構成したが、同じ球流下経路に配置するようにしてもよい。
(14) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(15) また、実施例において統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして実施例では、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(16) 実施例では、第1特典遊技状態が付与されている状態を確変状態としたが、これに限られるものではなく、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態を組み合わせた状態を確変状態とすることもできる。この場合に、第1特典遊技状態および第2特典遊技状態の何れも付与されていない状態を非確変状態とすることができる。
(17) 実施例では、演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(A) 請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技機に関し、
前記球流入口(103)、分岐部(135)、第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)、第2入賞通路(201)および振分手段(140)の夫々をケース体(105,115,129)に設けて、該ケース体(105,115,129)を前記遊技盤(20)に着脱可能に取り付けるよう構成する。
(B) 請求項1〜4および前記(A)の何れか一項に記載の遊技機に関し、
前記第1入賞通路(161,165,180,195/161,301,195)を通過する遊技球を検出する球検出手段(401〜405)を備えると共に、該球検出手段(401〜405)の検出に基づいて演出を実行する演出実行手段(65a)を備える。
20a 遊技領域
31 第3始動口(第2入賞口、可変第2入賞口)
60a メイン制御CPU(当り判定手段、確変付与手段、入賞率向上状態付与手段)
101 第1始動口(第1入賞口)
102 第2始動口(第2入賞口、特定の第2入賞口)
103 球流入口
135 分岐部
140 振分体(振分手段)
161,165,180,195 第1入賞通路
161,301,195 第1入賞通路
201 第2入賞通路
Claims (3)
- 遊技盤に形成された遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な第1入賞口および第2入賞口と、前記第1入賞口および第2入賞口への遊技球の入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段と、前記当り判定手段での判定結果が肯定の場合に、当り判定手段による判定結果が肯定となる確率が向上する確変状態を当り遊技終了後に付与する確変付与手段と、前記当り判定手段での判定結果が肯定の場合に、前記第2入賞口へ遊技球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態を当り遊技終了後に付与する入賞率向上状態付与手段とを備え、前記第1入賞口への入賞を契機として前記入賞率向上状態付与手段が入賞率向上状態を付与する割合よりも前記第2入賞口への入賞を契機として前記入賞率向上状態付与手段が入賞率向上状態を付与する割合が高くなるよう構成された遊技機において、
前記遊技領域を流下する遊技球が通過可能な球流入口と、
前記球流入口を通過した遊技球が移動する分岐部と、
前記分岐部に接続すると共に前記第1入賞口へ連通する第1入賞通路と、
前記分岐部に接続すると共に前記第2入賞口へ連通する第2入賞通路と、
前記分岐部に設けられ、前記球流入口を通過した遊技球を前記第1入賞通路および第2入賞通路へ振り分ける振分手段とを備え、
前記第2入賞通路の通路長より前記第1入賞通路の通路長が長くなるよう形成されて、前記振分手段により第1入賞通路に振り分けられた遊技球が第1入賞口まで移動する移動時間に比べて振分手段により第2入賞通路に振り分けられた遊技球が第2入賞口まで移動する移動時間が短くなるよう構成され、
前記確変状態および入賞率向上状態の何れも付与されていない状態で前記第2入賞口への遊技球の入賞を契機とする前記当り判定手段での判定結果が肯定となった場合において当り遊技終了後に前記入賞率向上状態付与手段が入賞率向上状態を付与する割合よりも、前記確変状態および入賞率向上状態の少なくとも何れかが付与された状態で前記第2入賞口への遊技球の入賞を契機とする前記当り判定手段での判定結果が肯定となった場合において当り遊技終了後に前記入賞率向上状態付与手段が入賞率向上状態を付与する割合が高くなるよう構成した
ことを特徴とする遊技機。 - 遊技盤に形成された遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な第1入賞口および第2入賞口と、前記第1入賞口および第2入賞口への遊技球の入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段と、前記当り判定手段での判定結果が肯定の場合に、当り判定手段による判定結果が肯定となる確率が向上する確変状態を当り遊技終了後に付与する確変付与手段とを備えた遊技機において、
前記第2入賞口として、入賞口の大きさが可変する可変第2入賞口と、入賞口の大きさが可変しない特定の第2入賞口とを備えると共に、
前記当り判定手段での判定結果が肯定の場合に、前記可変第2入賞口へ遊技球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態を当り遊技終了後に付与する入賞率向上状態付与手段を備え、前記第1入賞口への入賞を契機として前記入賞率向上状態付与手段が入賞率向上状態を付与する割合よりも前記第2入賞口への入賞を契機として前記入賞率向上状態付与手段が入賞率向上状態を付与する割合が高くなるよう構成され、
前記遊技領域を流下する遊技球が通過可能な球流入口と、
前記球流入口を通過した遊技球が移動する分岐部と、
前記分岐部に接続すると共に前記第1入賞口へ連通する第1入賞通路と、
前記分岐部に接続すると共に前記特定の第2入賞口へ連通する第2入賞通路と、
前記分岐部に設けられ、前記球流入口を通過した遊技球を前記第1入賞通路および第2入賞通路へ振り分ける振分手段とを備え、
前記第2入賞通路の通路長より前記第1入賞通路の通路長が長くなるよう形成されて、前記振分手段により第1入賞通路に振り分けられた遊技球が第1入賞口まで移動する移動時間に比べて振分手段により第2入賞通路に振り分けられた遊技球が前記特定の第2入賞口まで移動する移動時間が短くなるよう構成され、
前記確変状態および入賞率向上状態の何れも付与されていない状態で前記第2入賞口への遊技球の入賞を契機とする前記当り判定手段での判定結果が肯定となった場合において当り遊技終了後に前記入賞率向上状態付与手段が入賞率向上状態を付与する割合よりも、前記確変状態および入賞率向上状態の少なくとも何れかが付与された状態で前記第2入賞口への遊技球の入賞を契機とする前記当り判定手段での判定結果が肯定となった場合において当り遊技終了後に前記入賞率向上状態付与手段が入賞率向上状態を付与する割合が高くなるよう構成した
ことを特徴とする遊技機。 - 遊技盤に形成された遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な第1始動口および第2始動口と、前記第1始動口および第2始動口の何れかへの遊技球の入賞を契機として所定の制御条件に従って制御を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第1始動口への入賞に基づいて遊技者に付与される特典量よりも前記第2始動口への入賞に基づいて遊技者に付与される特典量が高くなるよう構成された遊技機において、
前記遊技領域を流下する遊技球が通過可能な球流入口と、
前記球流入口を通過した遊技球が移動する分岐部と、
前記分岐部に接続すると共に前記第1始動口へ連通する第1入賞通路と、
前記分岐部に接続すると共に前記第2始動口へ連通する第2入賞通路と、
前記分岐部に設けられ、前記球流入口を通過した遊技球を前記第1入賞通路および第2入賞通路へ振り分ける振分手段とを備え、
前記第2入賞通路の通路長より前記第1入賞通路の通路長が長くなるよう形成されて、前記振分手段により第1入賞通路に振り分けられた遊技球が第1始動口まで移動する移動時間に比べて振分手段により第2入賞通路に振り分けられた遊技球が第2始動口まで移動する移動時間が短くなるよう構成されると共に、前記第1入賞通路を通過する遊技球の移動速度が、前記第2入賞通路を通過する遊技球の移動速度より遅くなるよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
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