JP2006144976A - 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リンク2の前貫通孔9には、第1のピン3が遊嵌されると共に第2のピン4が圧入嵌合されている。リンク2の後貫通孔10には、第1のピン3が圧入嵌合されると共に、第2のピン4が遊嵌されている。直交方向Vに関する第1のピン3の一端部18は、その曲率半径が、一端部18の裾から頂部に向かうにしたがって、段階的に大きくされている部分を含んでいる。同様に、直交方向Vに関する第2のピン4の一端部21は、その曲率半径が、一端部21の裾から頂部に向かうにしたがって、段階的に大きくされている部分を含んでいる。
【選択図】 図4
Description
また、一対のピン孔を有するリンク同士を、前記ピン孔内に挿入した連結ピンにより連結してなる動力伝達チェーンにおいて、連結ピンとして、ピン孔内の中央に配置されるセンターピンと、センターピンの両側方に配置される一対のロッカーピンとを備えるものがある(例えば、特許文献2参照)。
具体的には、本発明は、貫通孔を含む複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数の動力伝達部材とを備え、プーリに挟持されて当該プーリとの間で動力の伝達を行う動力伝達チェーンにおいて、上記動力伝達部材は、チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向に関する一対の端部の表面にそれぞれ上記貫通孔に圧入される圧入部を含み、動力伝達部材の少なくとも一方の端部の表面の圧入部は頂部を有する曲面部を含み、上記曲面部の曲率半径は、頂部に向かうにしたがって連続的または段階的に大きくなることを特徴とするものである。
この場合、最大の曲率半径を、動力伝達部材の板厚の55%以上にすることで、動力伝達部材の圧入部の頂部を十分に扁平にでき、動力伝達部材の圧入に起因してリンクに生じる応力を確実に低減することができる。また、最大の曲率半径を、動力伝達部材の板厚の150%以下にすることで、動力伝達部材の圧入部における曲率の変化量が大きくなり過ぎることを防止でき、その結果、リンクの貫通孔の周縁部に与える負荷をより均一なものにできる。
また、本発明において、相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する上記の動力伝達チェーンとを備える場合がある。この場合、耐久性に優れ、且つコンパクトな動力伝達装置を実現できる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、無段変速機100は、自動車等の車両に搭載されるものであり、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これらの両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン1(以下では、単にチェーンともいう)とを備えている。なお、図1中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図3および図4を参照して、チェーン1は、複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに連結する複数対の第1および第2のピン3,4とを備えており、対をなす第1および第2のピン3,4は、互いに転がり摺動接触するようになっている。なお、転がり摺動接触とは、転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触のことをいう。
具体的には、第1の列51のリンク2の前貫通孔9と、第2の列52のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する第1および第2のピン3,4によって、第1および第2の列51,52のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
図3において、第1〜第3の列51〜53は、それぞれ1つしか図示されていないが、チェーン進行方向Xに沿って第1〜第3の列51〜53が繰り返すように配置されている。そして、チェーン進行方向Xに互いに隣接する2つの列のリンク2同士が、対応する第1および第2のピン3,4によって順次に連結され、無端状をなすチェーン1が形成されている。
具体的には、第1のピン3は、第1の列51のリンク2の前貫通孔9に遊嵌されて、第1の列51のリンク2に対する相対回転が可能とされると共に、第2の列52のリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合されて、第2の列52のリンク2に対する相対回転が規制されている。同様に、第1のピン3は、第2の列52のリンク2の前貫通孔9に遊嵌されると共に、第3の列53のリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合されている。
具体的には、第2のピン4は、第1の列51のリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合されて、第1の列51のリンク2に対する相対回転が規制されると共に、第2の列52のリンク2の後貫通孔10に遊嵌されて、第2の列52のリンク2に対する相対移動(回転)が可能とされている。同様に、第2のピン4は、第2の列52のリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合されると共に、第3の列53のリンク2の後貫通孔10に遊嵌されている。
図4を参照して、第1のピン3を基準とした、第1のピン3と隣り合う第2のピン4との接触線Tの軌跡が、概ねインボリュート曲面となるようにされている。
具体的には、第1のピン3の周面11(外周面)のうち、隣り合う第2のピン4と接触し得る接触部12が、断面インボリュート形状に形成されている。この接触部12は、チェーン進行方向Xの前方を向いている。また、第2のピン4の周面13(外周面)のうち、隣り合う第1のピン3と接触し得る接触部14が、チェーン進行方向Xと直交する平坦面(断面直線形状)に形成されている。この接触部14は、チェーン進行方向Xの後方を向いている。
一端部18は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン外周側(直交方向Vの一方)の端部を構成しており、接触部12および背部17のチェーン外周側端部間に配置されている。この一端部18は、チェーン外周側に向けて凸湾曲する曲面に形成され、曲面部とされている。一端部18の周方向の略中間部が、第1のピン3のチェーン外周側を向く頂部31となっている。
背部20は、チェーン進行方向Xの前方を向き、且つチェーン進行方向Xと直交する平坦面に形成されている。
他端部22は、第2のピン4の周面13のうち、チェーン内周側の端部を構成しており、接触部14および背部20のチェーン内周側端部間に配置されている。この他端部22は、チェーン内周側に向けて凸湾曲する曲面に形成され、曲面部とされている。他端部22の周方向の略中間部が、第2のピン4のチェーン内周側の頂部32となっている。
被圧入部24は、第2のピン4の背部20ならびに一端部21および他端部22の形状に対応する形状に形成されている。この被圧入部24は、上記一端部21および他端部22を受けている。被圧入部24のうち、第2のピン4の一端部21を受けている部分は、第2のピン4によって、チェーン外周側向きに押圧力が負荷されている。また、被圧入部24のうち、第2のピン4の他端部22を受けている部分は、第2のピン4によって、チェーン内周側向きに押圧力が負荷されている。
被遊嵌部25は、チェーン進行方向Xに関して、被圧入部24の後方に配置されており、第1のピン3の断面形状より大きな形状に形成されている。
リンク2の後貫通孔10における、第1のピン3の圧入嵌合および第2のピン4の遊嵌は、以下のようにされている。すなわち、リンク2の後貫通孔10の周縁部28は、第1のピン3の後述する圧入部36,37が圧入嵌合される被圧入部29と、第2のピン4が遊嵌される遊嵌部30とを含んでいる。
遊嵌部30は、チェーン進行方向Xに関して、被圧入部29の前方に配置されており、第2のピン4の断面形状より大きな形状に形成されている。
上記の構成により、リンク2に圧入嵌合される対応する第1および第2のピン3,4は、リンク2に遊嵌される対応する第1および第2のピン3,4よりも、リンク2の長手方向外側寄りに配置されている。
図5は、図4の第1のピン3を単品で示す断面側面図である。図5を参照して、第1のピン3の一端部18は、前述した頂部31と、頂部31に隣接して当該頂部31よりもチェーン進行方向Xの後方に配置される第1の裾部38と、第1の裾部38に隣接して当該第1の裾部38よりもチェーン進行方向Xの後方に配置され、背部17に連なる第2の裾部39とを含んでいる。
第1の平面C1は、基準平面CBに対して所定の角度D1をなしている。なお、基準平面CBとは、第1のピン3の頂部31の頂線(図において、頂点)を含み、且つ背部17(平坦面)と平行な平面である。基準平面CBは、上記軸線S1を含み、且つ背部17(平坦面)と平行な平面ともいえる。
第2の平面C2は、第1の平面C1に対して、30°以上の角度D2(挟角)をなしてチェーン進行方向Xの反対側(図の反時計回り方向)に傾斜しており、本実施の形態では、当該なす角D2は、例えば30°に設定されている。
再び図5を参照して、頂部31の曲率半径r1maxは、第1のピン3の板厚Eの55〜150%(0.55E≦r1max≦1.5E)の範囲に設定されている。なお、第1のピン3の板厚Eとは、背部17に直交する方向に関する第1のピン3の厚みをいう。この厚みEは、例えば2.7mmに設定されており、r1maxの範囲は、1.485mm〜4.05mm(1.485≦r1max≦4.05)となる。このうち、頂部31の曲率半径r1maxは、例えば1.6mmに設定される。
第1の裾部38の曲率半径r1midは、例えば、1.4mmに設定されており、頂部31の曲率半径r1maxよりも小さく(r1mid<r1max)されている。
また、第1のピン3の他端部19は、上記頂部31と同様の頂部31、および上記第1の裾部38と同様の第1の裾部38を有している。
第1の平面J1は、基準平面JBに対して所定の角度K1をなしている。なお、基準平面JBとは、第2のピン4の頂部32の頂線(図において、頂点)を含み、且つ背部20(平坦面)と平行な平面である。基準平面JBは、上記軸線S2を含み、且つ背部20(平坦面)と平行な平面ともいえる。
第2の平面J2は、第1の平面J1に対して30°以上の角度K2(挟角)をなしてチェーン進行方向X側(図の時計回り方向)に傾斜しており、本実施の形態では、当該なす角K2は、例えば30°に設定されている。
再び図6を参照して、頂部32の曲率半径r2maxは、第2のピン4の板厚Lの55〜150%(0.55L≦r2max≦1.5L)の範囲に設定されている。なお、第2のピン4の板厚Lとは、背部20に直交する方向(チェーン進行方向X)に関する第2のピン4の厚みをいう。この厚みLは、例えば1.7mmに設定されており、r2maxの範囲は、0.935mm〜2.55mm(0.935≦r2max≦2.55)となる。このうち、頂部32の曲率半径r2maxは、1.5mmに設定される。
第1の裾部40の曲率半径r2midは、例えば、1.3mmに設定されており、頂部32の曲率半径r2maxよりも小さく(r2mid<r2max)されている。
第2のピン4の他端部22の構成は、一端部21と同様の構成であるので、その説明を省略する。
これにより、第1のピン3の一端部18および他端部19、ならびに第2のピン4の一端部21および他端部22の圧入部34,35,36,37からリンク2が負荷を受けた際に、リンク2の各貫通孔9,10の周縁部23,28に応力集中が生じることを低減できる。その結果、リンク2の耐久性を向上でき、チェーン1の耐久性を格段に向上することができる。
また、各頂部31,32の曲率半径r1max,r2maxを、対応する第1および第2のピン3,4の板厚E,Lの150%以下にすることで、上記第1のピン3および第2のピン4の圧入部34,35,36,37における曲率の変化量が大きくなり過ぎることを防止でき、その結果、リンク2の各貫通孔9,10の周縁部23,28に与える負荷をより均一なものにできる。
さらに、第1のピン3の一端部18および他端部19のそれぞれの頂部31を、30°以上の挟角をなす第1および第2の平面C1,C2によって区画することにより、当該頂部31を十分に確保して、リンク2に生じる応力を低減する効果を確実に発揮することができる。
また、第1のピン3を、対応するリンク2の前貫通孔9に遊嵌すると共に対応するリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合し、第2のピン4を、対応するリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合すると共に対応するリンク2の後貫通孔10に遊嵌している。これにより、第1のピン3の動力伝達面5,6が各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触する際、対応する第2のピン4が、上記第1のピン3に対して転がり摺動接触することにより、リンク2同士の屈曲が可能とされている。
さらに、隣り合う第1および第2のピン3,4の互いの接触線Tの軌跡が、概ねインボリュート形状を描くようにされていることにより、第1のピン3が各プーリ60,70に順次噛み込まれる際に、チェーン1に弦振動的な運動が生じることをより抑制できる。その結果、チェーン1の駆動時の騒音を十分に低減することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されない。例えば、第2のピン4を廃止して、図7に示すように、1本の(単一の)第1のピン3を用いて隣り合うリンク同士を互いに連結してもよい。図7では、図4に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については、図に同様の符号を付してその説明を省略する。
そして、前貫通孔9Aの周縁部23A(被遊嵌部25A)のチェーン進行方向Xの前端部42は、直交方向Vに延びている。前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3の接触部12は、リンク2Aの前端部42に対して転がり摺動接触する。
さらに、第2のピン4の頂部32の曲率半径r2maxの、第2のピン4の板厚Lに対する割合は、上記例示した値より大きくても小さくてもよい。また、第2のピン4の頂部32の曲率半径r2maxの、第2の裾部41の曲率半径r2minに対する割合は、上記例示した値より小さくてもよい。
また、第2のピン4の一端部21の曲率を、裾から頂部に向かうにしたがって連続的に大きくなるようにしてもよい。同様に、第2のピン4の他端部22の曲率を、裾から頂部に向かうにしたがって連続的に大きくなるようにしてもよい。
さらに、上記各実施の形態において、第1のピン3における角度D1,D3,D4はそれぞれ、上記例示した値より大きくてもよいし、小さくてもよい。また、角度D2の上限は、例えば、40°でもよいし、50°でもよいし、60°でもよいし、それ以上でもよい。
さらに、第1のピン3の一端部18において、曲率半径の相異なる裾部の数をより多くして、一端部18をより滑らかな曲面に形成してもよい。同様に、第1のピン3の他端部19において、曲率半径の相異なる裾部の数をより多くして、一端部19をより滑らかな曲面に形成してもよい。
さらに、第1のピン3の他端部19を、一端部18と同様の形状に形成してもよいし、一端部18および他端部19の何れか一方のみに、頂部を含む曲面部を設けてもよい。また、第1のピン3の接触部12の断面形状をインボリュート曲線に形成しなくてもよい。さらに、第1のピン3の迎え角Bの値は、上記例示した値より大きくてもよいし、小さくてもよい。
また、リンクの前貫通孔と後貫通孔の配置とを互いに入れ換えてもよい。さらに、リンクの前貫通孔と後貫通孔との間の柱部に連通溝(スリット)を設けてもよい。この場合、リンクの弾性変形量(可撓性)を増すことができ、リンクに生じる応力をより低減することができる。
2,2A リンク
3 第1のピン(第1の動力伝達部材、動力伝達部材)
4 第2のピン(第2の動力伝達部材、動力伝達部材)
5,6 動力伝達面
9,9A 前貫通孔
10,10A 後貫通孔
17 (第1のピンの)背部(平坦面)
18 (第1のピンの)一端部(一対の端部の表面の一方、曲面部)
19 (第1のピンの)他端部(一対の端部の表面の他方、曲面部)
20 (第2のピンの)背部(平坦面)
21 (第2のピンの)一端部(一対の端部の表面の一方、曲面部)
22 (第2のピンの)他端部(一対の端部の表面の他方、曲面部)
31 (第1のピンの一端部の)頂部(最大の曲率半径を持つ部分)
32 (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの)頂部(最大の曲率半径を持つ部分)
34 (第2のピンの一端部の)圧入部
35 (第2のピンの他端部の)圧入部
36 (第1のピンの一端部の)圧入部
37 (第1のピンの他端部の)圧入部
39 (第1のピンの一端部の)第2の裾部(最小の曲率半径を持つ部分)
41 (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの)第2の裾部(最小の曲率半径を持つ部分)
60 ドライブプーリ(プーリ、第1のプーリ)
62a,63a シーブ面
70 ドリブンプーリ(プーリ、第2のプーリ)
72a,73a シーブ面
100 無段変速機(動力伝達装置)
A 平面(チェーン進行方向と直交する平面)
B 迎え角
C1 (第1のピンの)第1の平面
C2 (第1のピンの)第2の平面
D2 (第1および第2の平面のなす)角度(挟角)
E (第1のピンの)板厚
J1 (第2のピンの)第1の平面
J2 (第2のピンの)第2の平面
K2 (第1および第2の平面のなす)角度(挟角)
L (第2のピンの)板厚
r1 (第1のピンの一端部の)曲率半径
r1max (第1のピンの一端部の頂部の)曲率半径(最大の曲率半径)
r1min (第1のピンの一端部の第2の裾部の)曲率半径(最小の曲率半径)
r2 (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの)曲率半径
r2max (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの頂部の)曲率半径(最大の曲率半径)
r2min (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの第2の裾部の)曲率半径(最小の曲率半径)
S1 (第1のピンの)軸線
S2 (第2のピンの)軸線
V 直交方向(チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向)
W チェーン幅方向
X チェーン進行方向
Claims (6)
- 貫通孔を含む複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数の動力伝達部材とを備え、プーリに挟持されて当該プーリとの間で動力の伝達を行う動力伝達チェーンにおいて、
上記動力伝達部材は、チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向に関する一対の端部の表面にそれぞれ上記貫通孔に圧入される圧入部を含み、
動力伝達部材の少なくとも一方の端部の表面の圧入部は頂部を有する曲面部を含み、
上記曲面部の曲率半径は、頂部に向かうにしたがって連続的または段階的に大きくなることを特徴とする動力伝達チェーン。 - 請求項1において、上記動力伝達部材はチェーン幅方向に延びる板状をなし、上記曲面部は当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径は、動力伝達部材の板厚の55〜150%に設定されることを特徴とする動力伝達チェーン。
- 請求項1において、上記曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分と最小の曲率半径を持つ部分とを含み、上記最大の曲率半径は上記最小の曲率半径の125%以上に設定されることを特徴とする動力伝達チェーン。
- 請求項1,2または3において、上記動力伝達部材は、その一対の端部にプーリ係合用の動力伝達面を有する長尺の動力伝達部材を含み、
その動力伝達部材は、チェーン進行方向の後方に向き且つチェーン進行方向と直交する平面に対して所定の迎え角を有する平坦面を含み、
その動力伝達部材の曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径を持つ部分は第1の平面と第2の平面との間に区画され、これら第1および第2の平面は、上記最大の曲率半径を持つ部分の曲率中心を貫き動力伝達部材の長手方向に延びる軸線をそれぞれ含み、
上記第1の平面と第2の平面との挟角は、30°以上であることを特徴とする動力伝達チェーン。 - 請求項1,2または3において、上記動力伝達部材は、一対の端部にプーリ係合用の動力伝達面を有する長尺の第1の動力伝達部材と、第1の動力伝達部材に転がり摺動接触する長尺の第2の動力伝達部材とを含み、
第2の動力伝達部材は、チェーン進行方向の前方に向き且つチェーン進行方向と直交する平坦面を含み、
第2の動力伝達部材の曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径を持つ部分は第1の平面と第2の平面との間に区画され、これら第1および第2の平面は、上記最大の曲率半径を持つ部分の曲率中心を貫き第2の動力伝達部材の長手方向に延びる軸線をそれぞれ含み、
上記第1の平面と第2の平面との挟角は、30°以上であることを特徴とする動力伝達チェーン。 - 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項1〜5の何れかに記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
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