JP2006144976A - 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リンクの前貫通孔および後貫通孔の一方に圧入嵌合されるピンと、当該前貫通孔および後貫通孔の他方に遊嵌されるピンとを含む動力伝達チェーンにおいて、耐久性の向上および小型化を達成すること。
【解決手段】リンク2の前貫通孔9には、第1のピン3が遊嵌されると共に第2のピン4が圧入嵌合されている。リンク2の後貫通孔10には、第1のピン3が圧入嵌合されると共に、第2のピン4が遊嵌されている。直交方向Vに関する第1のピン3の一端部18は、その曲率半径が、一端部18の裾から頂部に向かうにしたがって、段階的に大きくされている部分を含んでいる。同様に、直交方向Vに関する第2のピン4の一端部21は、その曲率半径が、一端部21の裾から頂部に向かうにしたがって、段階的に大きくされている部分を含んでいる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置に関する。
自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置には、一対のプーリ間に巻き回される無端状の動力伝達チェーンを備えるものがある。上記の動力伝達チェーンとして、一対のピン孔を有するリンクと、これらのリンクを互いに連結する連結ピンとを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、一対のピン孔を有するリンク同士を、前記ピン孔内に挿入した連結ピンにより連結してなる動力伝達チェーンにおいて、連結ピンとして、ピン孔内の中央に配置されるセンターピンと、センターピンの両側方に配置される一対のロッカーピンとを備えるものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2では、センターピンの両側面が、凸状湾曲面に形成されている。また、一対のロッカーピンには、センターピンの対応する凸状湾曲面に当接する凸状湾曲面がそれぞれ形成されている。これにより、各ロッカーピンが所定の角度ずつ、センターピンに対して転がり接触すると、隣り合うリンクが前記所定の角度の2倍の屈曲角で屈曲するようにされている。
特開2001−234983号公報 特開2001−234982号公報
ところで、上記の動力伝達チェーンとして、チェーン進行方向に並ぶ前貫通孔および後貫通孔をそれぞれ含む複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数のピンとを備え、上記複数のピンは、前貫通孔および後貫通孔の一方に圧入嵌合されるピンと、当該前貫通孔および後貫通孔の他方に遊嵌されるピンとを含むものがある。このような動力伝達チェーンにおいて、更なる耐久性の向上が求められている。本発明は、上記の課題を解決することを目的とする。
上記の課題を解決するため、ピンを大型化してピンとリンクとの圧入係合部の形状をより緩やかな曲線(曲面)にすることにより、ピンからの負荷によるリンクの応力を低減して、リンクの耐久性を向上し、動力伝達チェーン全体の耐久性を向上することも考えられる。しかしながら、この場合、動力伝達チェーン全体の大型化を招いてしまう。プーリ式動力伝達装置が搭載される自動車等では、装置の小型化の要求が強く、動力伝達チェーンの大型化は好ましくない。したがって、動力伝達チェーンにおいて、大型化を招くことなく耐久性の向上を図ることが求められている。
そこで、本願発明者は、リンクとピンとの係合状態を最適化することが、リンクに生じる応力の低減に寄与し、その結果、動力伝達チェーンに関して、大型化を招くことなく耐久性をより向上できるとの知見に基づき、本発明を想到するに至った。
具体的には、本発明は、貫通孔を含む複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数の動力伝達部材とを備え、プーリに挟持されて当該プーリとの間で動力の伝達を行う動力伝達チェーンにおいて、上記動力伝達部材は、チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向に関する一対の端部の表面にそれぞれ上記貫通孔に圧入される圧入部を含み、動力伝達部材の少なくとも一方の端部の表面の圧入部は頂部を有する曲面部を含み、上記曲面部の曲率半径は、頂部に向かうにしたがって連続的または段階的に大きくなることを特徴とするものである。
本発明によれば、動力伝達部材の圧入部の曲率半径を頂部に向かうにしたがって大きくすることで、当該頂部をより扁平な形状にできる。これにより、動力伝達部材の圧入部からリンクが負荷を受けた際に、リンクの貫通孔の周縁部に応力集中が生じることを低減できる。その結果、リンクの耐久性を向上でき、動力伝達チェーンの耐久性を格段に向上することができる。また、動力伝達部材の圧入に起因してリンクに生じる応力が低減されているので、動力伝達部材のチェーン進行方向の厚みを薄くすることが可能となり、貫通孔の形状を小型化して、チェーン進行方向に隣り合う貫通孔間のチェーン進行方向の距離(ピッチ)をより短くできる。これにより、プーリに一時に挟持される動力伝達部材の数をより多くでき、動力伝達チェーンの許容伝達容量の更なる向上を達成できる。しかも、動力伝達部材1個当たりの負荷を低減して更なる耐久性の向上を達成することができる。
また、本発明において、上記動力伝達部材はチェーン幅方向に延びる板状をなし、上記曲面部は当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径は、動力伝達部材の板厚の55〜150%に設定される場合がある。
この場合、最大の曲率半径を、動力伝達部材の板厚の55%以上にすることで、動力伝達部材の圧入部の頂部を十分に扁平にでき、動力伝達部材の圧入に起因してリンクに生じる応力を確実に低減することができる。また、最大の曲率半径を、動力伝達部材の板厚の150%以下にすることで、動力伝達部材の圧入部における曲率の変化量が大きくなり過ぎることを防止でき、その結果、リンクの貫通孔の周縁部に与える負荷をより均一なものにできる。
また、本発明において、上記曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分と最小の曲率半径を持つ部分とを含み、上記最大の曲率半径は上記最小の曲率半径の125%以上に設定される場合がある。この場合、最大の曲率半径を、最小の曲率半径の125%以上に設定することで、動力伝達部材の圧入部の頂部を十分に扁平にして、動力伝達部材の圧入によってリンクに生じる応力を確実に低減することができる。
また、本発明において、上記動力伝達部材は、その一対の端部にプーリ係合用の動力伝達面を有する長尺の動力伝達部材を含み、その動力伝達部材は、チェーン進行方向の後方に向き且つチェーン進行方向と直交する平面に対して所定の迎え角を有する平坦面を含み、その動力伝達部材の曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径を持つ部分は第1の平面と第2の平面との間に区画され、これら第1および第2の平面は、上記最大の曲率半径を持つ部分の曲率中心を貫き動力伝達部材の長手方向に延びる軸線をそれぞれ含み、上記第1の平面と第2の平面との挟角は、30°以上である場合がある。
この場合、動力伝達部材に所定の迎え角を設けることで、動力伝達部材の配置を最適化して、プーリとの係合をより滑らかなものにすることができる。また、動力伝達部材の曲面部の最大の曲率半径を持つ部分を、30°以上の挟角をなす第1および第2の平面によって区画することにより、当該最大の曲率半径を持つ部分を十分に確保して、リンクに生じる応力を低減する効果を確実に発揮することができる。
また、本発明において、上記動力伝達部材は、一対の端部にプーリ係合用の動力伝達面を有する長尺の第1の動力伝達部材と、第1の動力伝達部材に転がり摺動接触する長尺の第2の動力伝達部材とを含み、第2の動力伝達部材は、チェーン進行方向の前方に向き且つチェーン進行方向と直交する平坦面を含み、第2の動力伝達部材の曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径を持つ部分は第1の平面と第2の平面との間に区画され、これら第1および第2の平面は、上記最大の曲率半径を持つ部分の曲率中心を貫き第2の動力伝達部材の長手方向に延びる軸線をそれぞれ含み、上記第1の平面と第2の平面との挟角は、30°以上である場合がある。
この場合、第2の動力伝達部材の曲面部の最大の曲率半径を持つ部分を、30°以上の挟角をなす第1および第2の平面によって区画することにより、当該最大の曲率半径を持つ部分を十分に確保して、リンクに生じる応力を低減する効果を確実に発揮することができる。
また、本発明において、相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する上記の動力伝達チェーンとを備える場合がある。この場合、耐久性に優れ、且つコンパクトな動力伝達装置を実現できる。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、無段変速機100は、自動車等の車両に搭載されるものであり、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これらの両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン1(以下では、単にチェーンともいう)とを備えている。なお、図1中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図2は、図1のドライブプーリ60(ドリブンプーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図1および図2を参照して、ドライブプーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸61に取り付けられるものであり、固定シーブ62と可動シーブ63とを備えている。固定シーブ62および可動シーブ63は、相対向する一対のシーブ面62a,63aをそれぞれ有している。シーブ面62a,63aは円錐面状の傾斜面を含む。これらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ63には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、入力軸61の軸方向(図2の左右方向)に可動シーブ63を移動させることにより、溝幅を変化させるようになっている。それにより、入力軸61の径方向(図2の上下方向)にチェーン1を移動させて、入力軸61(プーリ60)に対するチェーン1の巻き掛け半径(有効半径)を変化できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ70は、図1および図2に示すように、駆動輪(図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸71に一体回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ60と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するための相対向する一対のシーブ面73a,72aをそれぞれ有する固定シーブ73および可動シーブ72を備えている。ドリブンプーリ70の可動シーブ72には、ドライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、この可動シーブ72を移動させることにより溝幅を変化させるようになっている。それにより、チェーン1を移動させて、出力軸71(プーリ70)に対するチェーン1の巻き掛け半径を変化できるようになっている。
図3は、チェーン1の要部の断面平面図である。図4は、図3のII−II線に沿う断面図であり、チェーン直線部分を示している。なお、以下では、チェーン直線部分における構成を基準として説明する。
図3および図4を参照して、チェーン1は、複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに連結する複数対の第1および第2のピン3,4とを備えており、対をなす第1および第2のピン3,4は、互いに転がり摺動接触するようになっている。なお、転がり摺動接触とは、転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触のことをいう。
各リンク2は板状に形成されており、チェーン進行方向Xの前後に並ぶ一対の端部としての前端部7および後端部8を含んでいる。これら前端部7および後端部8には、第1の貫通孔としての前貫通孔9および第2の貫通孔としての後貫通孔10がそれぞれ形成されている。また、各リンク2における周縁部は、滑らかな曲線に形成されており、応力集中の生じ難い形状とされている。
リンク2を用いて、第1〜第3の列51〜53が形成されている。具体的には、第1の列51、第2の列52および第3の列53はそれぞれ、チェーン幅方向Wに並ぶ複数のリンク2を含んでいる。第1〜第3の列51〜53のそれぞれにおいて、同一列のリンク2は、チェーン進行方向Xの位置が互いに同じとなるように揃えられている。第1〜第3の列51〜53は、チェーン進行方向Xに沿って並んで配置されている。
第1〜第3の列51〜53のリンク2はそれぞれ、対応する第1および第2のピン3,4を用いて、対応する第1〜第3の列51〜53のリンク2と相互に屈曲可能に連結されている。
具体的には、第1の列51のリンク2の前貫通孔9と、第2の列52のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する第1および第2のピン3,4によって、第1および第2の列51,52のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
同様に、第2の列52のリンク2の前貫通孔9と、第3の列53のリンク2の後貫通孔10とは、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応しており、これらの貫通孔9,10を挿通する第1および第2のピン3,4によって、第2および第3の列52,53のリンク2同士がチェーン進行方向Xに屈曲可能に連結されている。
図3において、第1〜第3の列51〜53は、それぞれ1つしか図示されていないが、チェーン進行方向Xに沿って第1〜第3の列51〜53が繰り返すように配置されている。そして、チェーン進行方向Xに互いに隣接する2つの列のリンク2同士が、対応する第1および第2のピン3,4によって順次に連結され、無端状をなすチェーン1が形成されている。
第1のピン3は、チェーン幅方向Wに延びる長尺の(板状の)第1の動力伝達部材であり、リンク2の各貫通孔9,10内のチェーン進行方向Xの後側領域を挿通している。第1のピン3の長手方向(チェーン幅方向W)の一対の端部が、チェーン幅方向Wの一対の端部に配置されるリンク2からチェーン幅方向Wにそれぞれ突出している。これら一対の端部には、動力伝達面5,6がそれぞれ設けられている。
図2を参照して、動力伝達面5,6は、各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに摩擦接触(係合)するためのものである。第1のピン3は、上記対応するシーブ面62a,63a,72a,73a間に挟持され、これにより、第1のピン3と各プーリ60,70との間で動力が伝達される。第1のピン3は、その動力伝達面5,6によって直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の高強度耐摩耗材料で形成されている。
再び図3および図4を参照して、第2のピン4(ストリップ、またはインターピースともいう)は、第1のピン3と同様の材料により形成された、チェーン幅方向Wに延びる長尺の(板状の)第2の動力伝達部材である。第2のピン4は、リンク2の各貫通孔9,10内のチェーン進行方向Xの前側領域を挿通しており、隣り合う第1のピン3のチェーン進行方向Xの前方に配置されている。第2のピン4は、上記各プーリのシーブ面に接触しないように、第1のピン3よりも短く形成されている。チェーン進行方向X関して、第2のピン4は、第1のピン3よりも薄肉に形成されている。
第1のピン3は、対応する一のリンク2の前貫通孔9に遊嵌されてこのリンク2に対する相対移動が可能とされると共に、対応する他のリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合されてこのリンク2に対する相対移動が規制されている。
具体的には、第1のピン3は、第1の列51のリンク2の前貫通孔9に遊嵌されて、第1の列51のリンク2に対する相対回転が可能とされると共に、第2の列52のリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合されて、第2の列52のリンク2に対する相対回転が規制されている。同様に、第1のピン3は、第2の列52のリンク2の前貫通孔9に遊嵌されると共に、第3の列53のリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合されている。
また、第2のピン4は、対応する一のリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合されてこのリンク2に対する相対移動が規制されると共に、対応する他のリンク2の後貫通孔10に遊嵌されてこのリンク2に対する相対移動が可能とされている。
具体的には、第2のピン4は、第1の列51のリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合されて、第1の列51のリンク2に対する相対回転が規制されると共に、第2の列52のリンク2の後貫通孔10に遊嵌されて、第2の列52のリンク2に対する相対移動(回転)が可能とされている。同様に、第2のピン4は、第2の列52のリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合されると共に、第3の列53のリンク2の後貫通孔10に遊嵌されている。
上記の構成により、チェーン進行方向Xに隣接するリンク2が相互に屈曲する際、第1のピン3は、隣り合う第2のピン4に対して転がり摺動接触する。
図4を参照して、第1のピン3を基準とした、第1のピン3と隣り合う第2のピン4との接触線Tの軌跡が、概ねインボリュート曲面となるようにされている。
具体的には、第1のピン3の周面11(外周面)のうち、隣り合う第2のピン4と接触し得る接触部12が、断面インボリュート形状に形成されている。この接触部12は、チェーン進行方向Xの前方を向いている。また、第2のピン4の周面13(外周面)のうち、隣り合う第1のピン3と接触し得る接触部14が、チェーン進行方向Xと直交する平坦面(断面直線形状)に形成されている。この接触部14は、チェーン進行方向Xの後方を向いている。
第1のピン3の周面11は、チェーン幅方向W(図4の紙面に垂直な方向)に延びている。この周面11は、上記した接触部12と、接触部12に対向する背部17と、直交方向Vに関する一対の端部の表面としての一端部18および他端部19とを有している。なお、直交方向Vとは、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wの双方に直交する方向をいう。
背部17は、チェーン進行方向Xの後方を向く平坦面とされている。この平坦面は、チェーン進行方向Xと直交する平面A(図4において、紙面に直交する平面)に対して、所定の迎え角B(例えば、10°)を有している。すなわち、背部17は、平面Aに対して、図の反時計回り方向に10°傾いており、チェーン内周側を向いている。
一端部18は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン外周側(直交方向Vの一方)の端部を構成しており、接触部12および背部17のチェーン外周側端部間に配置されている。この一端部18は、チェーン外周側に向けて凸湾曲する曲面に形成され、曲面部とされている。一端部18の周方向の略中間部が、第1のピン3のチェーン外周側を向く頂部31となっている。
他端部19は、第1のピン3の周面11のうち、チェーン内周側(直交方向Vの他方)の端部を構成しており、接触部12および背部17のチェーン内周側端部間に配置されている。この他端部19は、チェーン内周側に向けて凸湾曲する曲面に形成され、曲面部とされている。他端部19の周方向の中間部が、第1のピン3のチェーン内周側を向いている。
第2のピン4の周面13は、チェーン幅方向Wに延びている。この周面13は、上記した接触部14と、接触部14に対向する背部20と、直交方向Vに関する一対の端部の表面としての一端部21および他端部22とを有している。
背部20は、チェーン進行方向Xの前方を向き、且つチェーン進行方向Xと直交する平坦面に形成されている。
一端部21は、第2のピン4の周面13のうち、チェーン外周側の端部を構成しており、接触部14および背部20のチェーン外周側端部間に配置されている。この一端部21は、チェーン外周側に向けて凸湾曲する曲面に形成され、曲面部とされている。一端部21の周方向の略中間部が、第2のピン4のチェーン外周側の頂部32となっている。
他端部22は、第2のピン4の周面13のうち、チェーン内周側の端部を構成しており、接触部14および背部20のチェーン内周側端部間に配置されている。この他端部22は、チェーン内周側に向けて凸湾曲する曲面に形成され、曲面部とされている。他端部22の周方向の略中間部が、第2のピン4のチェーン内周側の頂部32となっている。
リンク2の前貫通孔9における、第1のピン3の遊嵌および第2のピン4の圧入嵌合は、以下のようにされている。すなわち、リンク2の前貫通孔9の周縁部23は、第2のピン4の後述する圧入部34,35が圧入嵌合される被圧入部24と、第1のピン3が遊嵌される被遊嵌部25とを含んでいる。
被圧入部24は、第2のピン4の背部20ならびに一端部21および他端部22の形状に対応する形状に形成されている。この被圧入部24は、上記一端部21および他端部22を受けている。被圧入部24のうち、第2のピン4の一端部21を受けている部分は、第2のピン4によって、チェーン外周側向きに押圧力が負荷されている。また、被圧入部24のうち、第2のピン4の他端部22を受けている部分は、第2のピン4によって、チェーン内周側向きに押圧力が負荷されている。
第2のピン4の一端部21および他端部22のうち、被圧入部24に係合している部分が、それぞれ圧入部34,35とされている。
被遊嵌部25は、チェーン進行方向Xに関して、被圧入部24の後方に配置されており、第1のピン3の断面形状より大きな形状に形成されている。
リンク2の後貫通孔10における、第1のピン3の圧入嵌合および第2のピン4の遊嵌は、以下のようにされている。すなわち、リンク2の後貫通孔10の周縁部28は、第1のピン3の後述する圧入部36,37が圧入嵌合される被圧入部29と、第2のピン4が遊嵌される遊嵌部30とを含んでいる。
被圧入部29は、第1のピン3の背部17ならびに一端部18および他端部19の形状に対応する形状に形成されている。この被圧入部29は、上記背部17ならびに第1および第2の接触面18,19を受けている。被圧入部29のうち、第1のピン3の一端部18を受けている部分は、第1のピン3によって、チェーン外周側向きに押圧力が負荷されている。また、被圧入部29のうち、第1のピン3の他端部19を受けている部分は、第1のピン3によって、チェーン内周側向きに押圧力が負荷されている。
第1のピン3の一端部18および他端部19のうち、被圧入部29に係合している部分が、それぞれ圧入部36,37とされている。
遊嵌部30は、チェーン進行方向Xに関して、被圧入部29の前方に配置されており、第2のピン4の断面形状より大きな形状に形成されている。
上記の構成により、リンク2に圧入嵌合される対応する第1および第2のピン3,4は、リンク2に遊嵌される対応する第1および第2のピン3,4よりも、リンク2の長手方向外側寄りに配置されている。
本実施の形態の特徴とするところは、第1のピン3の一端部18および他端部19、ならびに第2のピン4の一端部21および第2の他端部22において、それぞれの曲率半径が、それぞれの裾から頂部に向かうにしたがって、段階的に大きくされている部分を含んでいる点にある。
図5は、図4の第1のピン3を単品で示す断面側面図である。図5を参照して、第1のピン3の一端部18は、前述した頂部31と、頂部31に隣接して当該頂部31よりもチェーン進行方向Xの後方に配置される第1の裾部38と、第1の裾部38に隣接して当該第1の裾部38よりもチェーン進行方向Xの後方に配置され、背部17に連なる第2の裾部39とを含んでいる。
頂部31は、一端部18の中で最大の曲率半径r1maxを持つ部分とされており、第1および第2の平面C1,C2間に区画されている。第1および第2の平面C1,C2は、曲率半径r1max(頂部31)の曲率中心線を貫き第1のピン3の長手方向に延びる軸線S1(図5において、紙面に垂直に延びる軸線)をそれぞれ含む平面である。
第1の平面C1は、基準平面CBに対して所定の角度D1をなしている。なお、基準平面CBとは、第1のピン3の頂部31の頂線(図において、頂点)を含み、且つ背部17(平坦面)と平行な平面である。基準平面CBは、上記軸線S1を含み、且つ背部17(平坦面)と平行な平面ともいえる。
第1の平面C1は、基準平面CBに対して0〜10°の角度D1(挟角ともいう。0°を含む)をなしてチェーン進行方向X側(図の時計回り方向)に傾斜しており、これにより、頂部31は、基準平面CBよりもチェーン進行方向Xの前方に位置する部分を含んでいる。本実施の形態では、当該なす角D1は、例えば5°に設定されている。
第2の平面C2は、第1の平面C1に対して、30°以上の角度D2(挟角)をなしてチェーン進行方向Xの反対側(図の反時計回り方向)に傾斜しており、本実施の形態では、当該なす角D2は、例えば30°に設定されている。
頂部31は、その頂線よりもチェーン進行方向Xの後方に位置する部分が、上記頂線よりもチェーン進行方向Xの前方に位置する部分と比べて、より広くなっている。これにより、頂部31は、リンク2の後貫通孔10の被圧入部29(図4参照)のうち、チェーン進行方向Xの後端寄り(後貫通孔10の後端縁寄り)部分に受けられている。
再び図5を参照して、頂部31の曲率半径r1maxは、第1のピン3の板厚Eの55〜150%(0.55E≦r1max≦1.5E)の範囲に設定されている。なお、第1のピン3の板厚Eとは、背部17に直交する方向に関する第1のピン3の厚みをいう。この厚みEは、例えば2.7mmに設定されており、r1maxの範囲は、1.485mm〜4.05mm(1.485≦r1max≦4.05)となる。このうち、頂部31の曲率半径r1maxは、例えば1.6mmに設定される。
また、上記頂部31の曲率半径r1maxは、第1のピン3の一端部18のなかで最小の曲率半径を有する、後述の第2の裾部39の曲率半径r1minの125%以上(r1max≧1.25r1min)に設定されている。本実施の形態において、上記r1minに対するr1maxの割合は、例えば130%に設定されており、頂部31の曲率半径r1maxは、1.6mm、第2の裾部39の曲率半径r1minは、例えば1.23mmにそれぞれ設定されている。
第1の裾部38は、その周方向の一端が頂部31に連なり、他端が第2の裾部39に連なっている。第1の裾部38は、第2および第3の平面C2,C3間に区画されている。第3の平面C3は、軸線S1を含む平面である。第3の平面C3は、第2の平面C2に対して、例えば30°の角度D3をなしてチェーン進行方向Xの反対側に傾斜している。
第1の裾部38の曲率半径r1midは、例えば、1.4mmに設定されており、頂部31の曲率半径r1maxよりも小さく(r1mid<r1max)されている。
第2の裾部39は、一端部18の中で最小の曲率半径を持つ部分とされている。この第2の裾部39は、その周方向の一端が第1の裾部38に連なり、他端が背部17に連なっている。第2の裾部39は、第3および第4の平面C3,C4間に区画されている。第4の平面C4は、軸線S1を含む平面である。第4の平面C4は、第3の平面C3に対して、例えば25°の角度D4をなしてチェーン進行方向Xの反対側に傾斜している。
第2の裾部39の曲率半径rminは、前記したように、例えば、1.23mmに設定されており、頂部31の曲率半径r1maxおよび第1の裾部38の曲率半径r1midの双方よりも小さく(r1min<r1mid<r1max)されている。
また、第1のピン3の他端部19は、上記頂部31と同様の頂部31、および上記第1の裾部38と同様の第1の裾部38を有している。
図6は、図4の第2のピン4を単品で示す断面側面図である。図6を参照して、第2のピン4の一端部21は、前述した頂部32と、頂部32に隣接して当該頂部32よりもチェーン進行方向Xの前方に配置される第1の裾部40と、第1の裾部40に隣接して当該第1の裾部40よりもチェーン進行方向Xの前方に配置され、背部20に連なる第2の裾部41とを含んでいる。
頂部32は、一端部21の中で最大の曲率半径r2maxを持つ部分とされており、第1および第2の平面J1,J2間に区画されている。第1および第2の平面J1、J2は、曲率半径r2max(頂部32)の曲率中心線を貫き第2のピン4の長手方向に延びる軸線S2(図6において、紙面に垂直に延びる軸線)をそれぞれ含む平面である。
第1の平面J1は、基準平面JBに対して所定の角度K1をなしている。なお、基準平面JBとは、第2のピン4の頂部32の頂線(図において、頂点)を含み、且つ背部20(平坦面)と平行な平面である。基準平面JBは、上記軸線S2を含み、且つ背部20(平坦面)と平行な平面ともいえる。
第1の平面J1は、基準平面JBに対して0〜10°の角度K1(挟角ともいう。0°を含む)をなしてチェーン進行方向Xと反対側(図の反時計回り方向)に傾斜しており、頂部32は、基準平面JBよりもチェーン進行方向Xの後方に位置する部分を含んでいる。本実施の形態では、当該なす角K1は、例えば、5°に設定されている。
第2の平面J2は、第1の平面J1に対して30°以上の角度K2(挟角)をなしてチェーン進行方向X側(図の時計回り方向)に傾斜しており、本実施の形態では、当該なす角K2は、例えば30°に設定されている。
頂部32は、その頂線よりもチェーン進行方向Xの前方に位置する部分が、上記頂線よりもチェーン進行方向Xの後方に位置する部分と比べて、より広くなっている。これにより、頂部32は、リンク2の前貫通孔9の被圧入部24(図4参照)のうち、チェーン進行方向Xの前端寄り(前貫通孔9の前端縁寄り)部分に受けられている。
再び図6を参照して、頂部32の曲率半径r2maxは、第2のピン4の板厚Lの55〜150%(0.55L≦r2max≦1.5L)の範囲に設定されている。なお、第2のピン4の板厚Lとは、背部20に直交する方向(チェーン進行方向X)に関する第2のピン4の厚みをいう。この厚みLは、例えば1.7mmに設定されており、r2maxの範囲は、0.935mm〜2.55mm(0.935≦r2max≦2.55)となる。このうち、頂部32の曲率半径r2maxは、1.5mmに設定される。
また、上記頂部32の曲率半径r2maxは、第2のピン4の一端部21のなかで最小の曲率半径r2minを有する、後述の第2の裾部41の曲率半径r2minの125%以上に設定されている。本実施の形態において、上記r2minに対するr2maxの割合は、例えば150%(r2max=1.5r2min)に設定されており、頂部32の曲率半径r2maxは、1.5mm、第2の裾部41の曲率半径r2minは、例えば1.0mmにそれぞれ設定されている。
第1の裾部40は、その周方向の一端が頂部32に連なり、他端が第2の裾部41に連なっている。第1の裾部40は、第2および第3の平面J2、J3間に区画されている。第3の平面J3は、軸線S2を含む平面である。第3の平面J3は、第2の平面J2に対して、例えば30°の角度K3をなしてチェーン進行方向X側に傾斜している。
第1の裾部40の曲率半径r2midは、例えば、1.3mmに設定されており、頂部32の曲率半径r2maxよりも小さく(r2mid<r2max)されている。
第2の裾部41は、一端部21の中で最小の曲率半径を持つ部分とされている。この第2の裾部41は、その周方向の一端が第1の裾部40に連なり、他端が背部20に連なっている。第2の裾部41は、第3および第4の平面J3,J4間に区画されている。第4の平面J4は、軸線S2を含む平面である。第4の平面J4は、第3の平面J3に対して、例えば25°の角度K4をなしてチェーン進行方向X側に傾斜している。
第2の裾部41の曲率半径r2minは、前記したように、例えば、1.0mmに設定されており、頂部32の曲率半径r2maxおよび第1の裾部40の曲率半径r2midの双方よりも小さく(r2min<r2mid<r2max)されている。
第2のピン4の他端部22の構成は、一端部21と同様の構成であるので、その説明を省略する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1のピン3の一端部18および他端部19、ならびに第2のピン4の一端部21および他端部22の圧入部34,35,36,37の曲率半径r1,r2を、それぞれの頂部31,32に向かうにしたがって大きくすることで、当該頂部31,32をより扁平な形状にできる。
これにより、第1のピン3の一端部18および他端部19、ならびに第2のピン4の一端部21および他端部22の圧入部34,35,36,37からリンク2が負荷を受けた際に、リンク2の各貫通孔9,10の周縁部23,28に応力集中が生じることを低減できる。その結果、リンク2の耐久性を向上でき、チェーン1の耐久性を格段に向上することができる。
また、対応する第1および第2のピン3,4の圧入に起因してリンク2に生じる応力が低減されているので、第1および第2のピン3,4のチェーン進行方向Xの厚みを薄くすることが可能となり、各貫通孔9,10の形状を小型化して、前貫通孔9と後貫通孔10との間のチェーン進行方向Xの距離(ピッチ)をより短くできる。これにより、各プーリ60,70に一時に噛み込まれる第1のピン3の数をより多くでき、チェーン1の許容伝達容量の更なる向上を達成できる。しかも、第1のピン3の一本当たりの負荷を低減して更なる耐久性の向上を達成することができる。
また、第1および第2のピン3,4の各頂部31,32の曲率半径r1max,r2maxを、対応する第1および第2のピン3,4の板厚E,Lの55%以上にすることで、圧入部34,35,36,37の各頂部31,32を十分に扁平にでき、第1および第2のピン3,4の圧入に起因してリンク2に生じる応力を確実に低減することができる。
また、各頂部31,32の曲率半径r1max,r2maxを、対応する第1および第2のピン3,4の板厚E,Lの150%以下にすることで、上記第1のピン3および第2のピン4の圧入部34,35,36,37における曲率の変化量が大きくなり過ぎることを防止でき、その結果、リンク2の各貫通孔9,10の周縁部23,28に与える負荷をより均一なものにできる。
さらに、各頂部31,32の曲率半径r1max,r2maxを、対応する第2の裾部38,41の曲率半径r1min,r2minの125%以上に設定しているので、第1および第2のピン3,4の対応する圧入部34,35,36,37の各頂部31,32を十分に扁平にして、第1および第2のピン3,4の圧入によってリンク2に生じる応力をより確実に低減することができる。
また、第1のピン3に迎え角Bを設けることで、第1のピン3の配置を最適化して各プーリ60,70との係合をより滑らかにすることができる。
さらに、第1のピン3の一端部18および他端部19のそれぞれの頂部31を、30°以上の挟角をなす第1および第2の平面C1,C2によって区画することにより、当該頂部31を十分に確保して、リンク2に生じる応力を低減する効果を確実に発揮することができる。
また、第2のピン4の一端部21および他端部22のそれぞれの頂部32を、30°以上の挟角をなす第1および第2の平面J1,J2によって区画することにより、当該頂部32を十分に確保して、リンク2に生じる応力を低減する効果を確実に発揮することができる。
また、第1のピン3を、対応するリンク2の前貫通孔9に遊嵌すると共に対応するリンク2の後貫通孔10に圧入嵌合し、第2のピン4を、対応するリンク2の前貫通孔9に圧入嵌合すると共に対応するリンク2の後貫通孔10に遊嵌している。これにより、第1のピン3の動力伝達面5,6が各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに接触する際、対応する第2のピン4が、上記第1のピン3に対して転がり摺動接触することにより、リンク2同士の屈曲が可能とされている。
この際、互いに接触する第1および第2のピン3,4間において、互いの転がり接触成分が多くてすべり接触成分が極めて少なく、するとその結果、第1のピン3が上記各シーブ面62a,63a,72a,73aに対してほとんど回転しないこととなり、摩擦損失を低減して高い伝動効率を確保することができる。
さらに、隣り合う第1および第2のピン3,4の互いの接触線Tの軌跡が、概ねインボリュート形状を描くようにされていることにより、第1のピン3が各プーリ60,70に順次噛み込まれる際に、チェーン1に弦振動的な運動が生じることをより抑制できる。その結果、チェーン1の駆動時の騒音を十分に低減することができる。
このように、伝動効率、静粛性および耐久性に優れ、且つコンパクトな動力伝達装置を実現できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されない。例えば、第2のピン4を廃止して、図7に示すように、1本の(単一の)第1のピン3を用いて隣り合うリンク同士を互いに連結してもよい。図7では、図4に示す実施の形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については、図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図4および図7を参照して、リンク2Aの前貫通孔9Aの周縁部23Aの形状は、リンク2の前貫通孔9の被圧入部24が閉塞された形状に相当する。また、リンク2Aの後貫通孔10Aの周縁部28Aの形状は、リンク2の後貫通孔10の被遊嵌部30が閉塞された形状に相当する。
そして、前貫通孔9Aの周縁部23A(被遊嵌部25A)のチェーン進行方向Xの前端部42は、直交方向Vに延びている。前貫通孔9Aに遊嵌された第1のピン3の接触部12は、リンク2Aの前端部42に対して転がり摺動接触する。
図7に示す実施の形態によれば、チェーン進行方向Xに隣り合う第1のピン3間の距離(ピッチ)をより短くできるので、チェーンをより小型化することができる。しかも各プーリに一時に噛み込まれる第1のピン3の数をより多くして、第1のピン3の一本当たりの負荷をより低減できるので、許容伝達容量の向上、および耐久性の向上を達成することができる。
図1〜図6に示す実施の形態において、第2のピン4における角度K1,K3,K4はそれぞれ、上記例示した値より大きくてもよいし、小さくてもよい。また、角度K2の上限は、例えば、40°でもよいし、50°でもよいし、60°でもよいし、それ以上でもよい。
さらに、第2のピン4の頂部32の曲率半径r2maxの、第2のピン4の板厚Lに対する割合は、上記例示した値より大きくても小さくてもよい。また、第2のピン4の頂部32の曲率半径r2maxの、第2の裾部41の曲率半径r2minに対する割合は、上記例示した値より小さくてもよい。
さらに、第2のピン4の一端部21において、曲率半径の相異なる裾部の数をより多くして、一端部21をより滑らかな曲面に形成してもよい。同様に、第2のピン4の他端部22において、曲率半径の相異なる裾部の数をより多くして、他端部22をより滑らかな曲面に形成してもよい。
また、第2のピン4の一端部21の曲率を、裾から頂部に向かうにしたがって連続的に大きくなるようにしてもよい。同様に、第2のピン4の他端部22の曲率を、裾から頂部に向かうにしたがって連続的に大きくなるようにしてもよい。
さらに、第2のピン4の一端部21および他端部22のうち、一端部21のみを曲面に形成して曲面部を設けてもよいし、他端部22のみを曲面に形成して曲面部を設けてもよい。また、第2のピン4の接触部14の断面形状を直線形状に形成しなくてもよい。さらに、第2のピン4の一対の端部が各プーリ60,70のシーブ面62a,63a,72a,73aに接触するようにしてもよい。
また、図7に示す実施の形態において、リンク2Aの前貫通孔9Aの前端部42の断面形状を直線形状に形成しなくてもよい。
さらに、上記各実施の形態において、第1のピン3における角度D1,D3,D4はそれぞれ、上記例示した値より大きくてもよいし、小さくてもよい。また、角度D2の上限は、例えば、40°でもよいし、50°でもよいし、60°でもよいし、それ以上でもよい。
さらに、第1のピン3の頂部31の曲率半径r1maxの、第1のピン3の板厚Eに対する割合は、上記例示した値より大きくても小さくてもよい。また、第1のピン3の頂部31の曲率半径r1maxの、第2の裾部39の曲率半径r1minに対する割合は、上記例示した値より小さくてもよい。
さらに、第1のピン3の一端部18において、曲率半径の相異なる裾部の数をより多くして、一端部18をより滑らかな曲面に形成してもよい。同様に、第1のピン3の他端部19において、曲率半径の相異なる裾部の数をより多くして、一端部19をより滑らかな曲面に形成してもよい。
また、第1のピン3の一端部18の曲率を、裾から頂部に向かうにしたがって連続的に大きくなるようにしてもよい。同様に、第1のピン3の他端部19の曲率を、裾から頂部に向かうにしたがって連続的に大きくなるようにしてもよい。
さらに、第1のピン3の他端部19を、一端部18と同様の形状に形成してもよいし、一端部18および他端部19の何れか一方のみに、頂部を含む曲面部を設けてもよい。また、第1のピン3の接触部12の断面形状をインボリュート曲線に形成しなくてもよい。さらに、第1のピン3の迎え角Bの値は、上記例示した値より大きくてもよいし、小さくてもよい。
また、第1のピン3の長手方向の一対の端部のそれぞれの近傍に、動力伝達面5,6と同様の動力伝達面を有する部材を配置し、第1のピン3と当該動力伝達面を有する部材とを含む動力伝達ブロックを設け、これを第1の動力伝達部材(動力伝達部材)としてもよい。
また、リンクの前貫通孔と後貫通孔の配置とを互いに入れ換えてもよい。さらに、リンクの前貫通孔と後貫通孔との間の柱部に連通溝(スリット)を設けてもよい。この場合、リンクの弾性変形量(可撓性)を増すことができ、リンクに生じる応力をより低減することができる。
さらに、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。
本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1のドライブプーリ(ドリブンプーリ)およびチェーンの部分的な拡大断面図である。 チェーンの要部の断面平面図である。 図3のII−II線に沿う断面図であり、チェーン直線部分を示している。 図4の第1のピンを単品で示す断面側面図である。 図4の第2のピンを単品で示す断面側面図である。 本発明の他の実施の形態の要部の断面側面図である。
符号の説明
1 チェーン(動力伝達チェーン)
2,2A リンク
3 第1のピン(第1の動力伝達部材、動力伝達部材)
4 第2のピン(第2の動力伝達部材、動力伝達部材)
5,6 動力伝達面
9,9A 前貫通孔
10,10A 後貫通孔
17 (第1のピンの)背部(平坦面)
18 (第1のピンの)一端部(一対の端部の表面の一方、曲面部)
19 (第1のピンの)他端部(一対の端部の表面の他方、曲面部)
20 (第2のピンの)背部(平坦面)
21 (第2のピンの)一端部(一対の端部の表面の一方、曲面部)
22 (第2のピンの)他端部(一対の端部の表面の他方、曲面部)
31 (第1のピンの一端部の)頂部(最大の曲率半径を持つ部分)
32 (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの)頂部(最大の曲率半径を持つ部分)
34 (第2のピンの一端部の)圧入部
35 (第2のピンの他端部の)圧入部
36 (第1のピンの一端部の)圧入部
37 (第1のピンの他端部の)圧入部
39 (第1のピンの一端部の)第2の裾部(最小の曲率半径を持つ部分)
41 (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの)第2の裾部(最小の曲率半径を持つ部分)
60 ドライブプーリ(プーリ、第1のプーリ)
62a,63a シーブ面
70 ドリブンプーリ(プーリ、第2のプーリ)
72a,73a シーブ面
100 無段変速機(動力伝達装置)
A 平面(チェーン進行方向と直交する平面)
B 迎え角
C1 (第1のピンの)第1の平面
C2 (第1のピンの)第2の平面
D2 (第1および第2の平面のなす)角度(挟角)
E (第1のピンの)板厚
J1 (第2のピンの)第1の平面
J2 (第2のピンの)第2の平面
K2 (第1および第2の平面のなす)角度(挟角)
L (第2のピンの)板厚
r1 (第1のピンの一端部の)曲率半径
r1max (第1のピンの一端部の頂部の)曲率半径(最大の曲率半径)
r1min (第1のピンの一端部の第2の裾部の)曲率半径(最小の曲率半径)
r2 (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの)曲率半径
r2max (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの頂部の)曲率半径(最大の曲率半径)
r2min (第2のピンの一端部および他端部のそれぞれの第2の裾部の)曲率半径(最小の曲率半径)
S1 (第1のピンの)軸線
S2 (第2のピンの)軸線
V 直交方向(チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向)
W チェーン幅方向
X チェーン進行方向

Claims (6)

  1. 貫通孔を含む複数のリンクと、これらのリンクを互いに連結する複数の動力伝達部材とを備え、プーリに挟持されて当該プーリとの間で動力の伝達を行う動力伝達チェーンにおいて、
    上記動力伝達部材は、チェーン進行方向およびチェーン幅方向の双方に直交する方向に関する一対の端部の表面にそれぞれ上記貫通孔に圧入される圧入部を含み、
    動力伝達部材の少なくとも一方の端部の表面の圧入部は頂部を有する曲面部を含み、
    上記曲面部の曲率半径は、頂部に向かうにしたがって連続的または段階的に大きくなることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 請求項1において、上記動力伝達部材はチェーン幅方向に延びる板状をなし、上記曲面部は当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径は、動力伝達部材の板厚の55〜150%に設定されることを特徴とする動力伝達チェーン。
  3. 請求項1において、上記曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分と最小の曲率半径を持つ部分とを含み、上記最大の曲率半径は上記最小の曲率半径の125%以上に設定されることを特徴とする動力伝達チェーン。
  4. 請求項1,2または3において、上記動力伝達部材は、その一対の端部にプーリ係合用の動力伝達面を有する長尺の動力伝達部材を含み、
    その動力伝達部材は、チェーン進行方向の後方に向き且つチェーン進行方向と直交する平面に対して所定の迎え角を有する平坦面を含み、
    その動力伝達部材の曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径を持つ部分は第1の平面と第2の平面との間に区画され、これら第1および第2の平面は、上記最大の曲率半径を持つ部分の曲率中心を貫き動力伝達部材の長手方向に延びる軸線をそれぞれ含み、
    上記第1の平面と第2の平面との挟角は、30°以上であることを特徴とする動力伝達チェーン。
  5. 請求項1,2または3において、上記動力伝達部材は、一対の端部にプーリ係合用の動力伝達面を有する長尺の第1の動力伝達部材と、第1の動力伝達部材に転がり摺動接触する長尺の第2の動力伝達部材とを含み、
    第2の動力伝達部材は、チェーン進行方向の前方に向き且つチェーン進行方向と直交する平坦面を含み、
    第2の動力伝達部材の曲面部は、当該曲面部のなかで最大の曲率半径を持つ部分を含み、上記最大の曲率半径を持つ部分は第1の平面と第2の平面との間に区画され、これら第1および第2の平面は、上記最大の曲率半径を持つ部分の曲率中心を貫き第2の動力伝達部材の長手方向に延びる軸線をそれぞれ含み、
    上記第1の平面と第2の平面との挟角は、30°以上であることを特徴とする動力伝達チェーン。
  6. 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項1〜5の何れかに記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
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