JP2006143647A - 第四級アンモニウム塩の製造法 - Google Patents

第四級アンモニウム塩の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、低着色の第四級アンモニウム=ハライドを工業的に簡便な操作で製造できる、工業的に優位な低着色の第四級アンモニウム=ハライドを製造する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 第三級アミンとアルキルハライドとを反応させて第四級アンモニウム=ハライドを製造する方法において、活性炭又は活性白土等に代表される脱色剤の存在下で反応させることを特徴とする低着色の第四級アンモニウム=ハライドを製造する方法に関する。
【選択図】 無し

Description

本発明は、第四級アンモニウム=ハライドの製造法に関する。
第四級アンモニウム=ハライドは界面活性剤又は電子デバイス用電解質の中間体等として利用されている。界面活性剤は化粧料や洗浄剤中の主成分であるが、近年、市販の化粧品や身体洗浄剤では安全性の問題から無着色を志向することが多くなっており、着色が少ない界面活性剤が求められている。一方、電子デバイス用電解質の中間体用途では、ごく微量の不純物が電子デバイスの製品品質に大きく関わってくるため、高品位で着色の少ない材料が求められている。そこで、低着色の第四級アンモニウム=ハライドの工業的に安価かつ簡便な製造法の開発が望まれている。
第四級アンモニウム=ハライドの製造法としては、通常第三級アミンとアルキルハライドとを反応させることで実施され、第四級アンモニウム=ハライドを主成分とする有色の反応混合物が得られる。かかる反応混合物の色調は、通常APHAが高く、この反応混合物を濃縮して得られる第四級アンモニウム=ハライドの色調も同等程度である。
従来、低着色の第四級アンモニウム=ハライドを製造する方法としては、前述の有色の第四級アンモニウム=ハライドを水に溶かし、活性炭等の脱色剤で処理する方法が知られている(例えば、特許文献1又は2参照)。しかし、この方法は、通常第四級アンモニウム=ハライドは水溶性が高いため、水中で脱色剤を用いて処理した後の処理液から第四級アンモニウム=ハライドを単離するために煩雑な操作が必要となる。また、電子デバイス用電解質の中間体用途では微量の水分が問題となる場合があるため、水を溶媒とする従来製法は好ましくない。
特開平10−297913 特開平11−171521
本発明は、低着色の第四級アンモニウム=ハライドを簡便な操作で製造できる、工業的に優位な低着色の第四級アンモニウム=ハライドの製造法を提供することを課題とする。
本発明は、第三級アミンとアルキルハライドとを反応させて第四級アンモニウム=ハライドを製造する方法において、脱色剤の存在下で反応させることを特徴とする第四級アンモニウム=ハライドの製造法に関する。
本発明方法によれば、水を溶媒として用いる従来方法に比べて、工業的に簡便な操作で低着色の第四級アンモニウム=ハライドを製造できるため、本発明は工業的価値大なるものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の第四級アンモニウム=ハライドのカチオン成分としては、例えば式(1):
Figure 2006143647
(式中、R〜Rはそれぞれ互いに同じであっても異なっていても良く、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を示す。それらは水酸基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、アリル基、アリール基、エステル基、カルボキシル基又はアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。)で表されるカチオン、式(2):
Figure 2006143647
(式中、Qは窒素原子と共に5又は6員環の脂環式アンモニウムカチオンを形成する原子団を示し、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる原子により構成される。R及びRは前記に同じ。)で表されるカチオン又は式(3):
Figure 2006143647
(式中、Qは窒素原子と共に5又は6員環の芳香族カチオンを形成する原子団を示し、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる原子により構成される。Rは前記に同じ。)で表されるカチオンが挙げられるがそれらに限定されない。
式(2)においてQと窒素原子が形成する5又は6員環としては、例えばピロリジン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、チアゾリジン環、イソキサゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環又はモルフォリン環等が挙げられる。
式(3)においてQと窒素原子が形成する5又は6員環としては、例えばピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、イソキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環又はトリアジン環等が挙げられる。
またアニオン成分としては、クロロイオン、ブロモイオン又はヨードイオン等が挙げられる。
式(1)、(2)及び(3)において、R〜Rで示されるアルキル基としては、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基又はネオヘキシル基等を例示できる。シクロアルキル基としては、炭素数5〜8のシクロアルキル基が挙げられ、例えば、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基等を例示できる。アラルキル基としてはそれぞれベンゼン環にメチル基、エチル基等の低級アルキル基を1個以上有していてもよいベンジル基、1−フェネチル基又は2−フェネチル基が挙げられ、好ましくはベンジル基である。
かかる第四級アンモニウム=ハライドとしては、例えばテトラメチルアンモニウム=クロリド、テトラエチルアンモニウム=クロリド、テトラプロピルアンモニウム=クロリド、テトラブチルアンモニウム=クロリド、テトラペンチルアンモニウム=クロリド、テトラヘキシルアンモニウム=クロリド、N,N,N−トリメチル−N−(メトキシエトキシエチル)アンモニウム=クロリド、N,N,N−トリメチル−N−(エトキシエトキシエチル)アンモニウム=クロリド、N,N,N−トリメチル−N−(メトキシエチル)アンモニウム=クロリド、N,N,N−トリメチル−N−(エトキシエチル)アンモニウム=クロリド、N,N−ジメチルピロリジニウム=クロリド、N,N−ジエチルピロリジニウム=クロリド、N,N−ジプロピルピロリジニウム=クロリド、N,N−ジブチルピロリジニウム=クロリド、N,N−ジペンチルピロリジニウム=クロリド、N,N−ジヘキシルピロリジニウム=クロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニウム=クロリド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム=クロリド、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウム=クロリド、N,N−ジメチルピペリジニウム=クロリド、N,N−ジエチルピペリジニウム=クロリド、N,N−ジプロピルピペリジニウム=クロリド、N,N−ジブチルピペリジニウム=クロリド、N,N−ジペンチルピペリジニウム=クロリド、N,N−ジヘキシルピペリジニウム=クロリド、N−エチル−N−メチルピペリジニウム=クロリド、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム=クロリド、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウム=クロリド、N,N−ジメチルモルフォリニウム=クロリド、N,N−ジエチルモルフォリニウム=クロリド、N,N−ジプロピルモルフォリニウム=クロリド、N,N−ジブチルモルフォリニウム=クロリド、N,N−ジペンチルモルフォリニウム=クロリド、N,N−ジヘキシルモルフォリニウム=クロリド、N−エチル−N−メチルモルフォリニウム=クロリド、N−ブチル−N−メチルモルフォリニウム=クロリド、N−ヘキシル−N−メチルモルフォリニウム=クロリド、1,3−ジメチルイミダゾリウム=クロリド、1,3−ジエチルイミダゾリウム=クロリド、1,3−ジプロピルイミダゾリウム=クロリド、1,3−ジブチルイミダゾリウム=クロリド、1,3−ジペンチルイミダゾリウム=クロリド、1,3−ジヘキシルイミダゾリウム=クロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=クロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=クロリド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム=クロリド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム=クロリド、N−メチルピリジニウム=クロリド、N−エチルピリジニウム=クロリド、N−プロピルピリジニウム=クロリド、N−ブチルピリジニウム=クロリド、N−ヘプチルピリジニウム=クロリド、N−ヘキシルピリジニウム=クロリド、
テトラメチルアンモニウム=ブロミド、テトラエチルアンモニウム=ブロミド、テトラプロピルアンモニウム=ブロミド、テトラブチルアンモニウム=ブロミド、テトラペンチルアンモニウム=ブロミド、テトラヘキシルアンモニウム=ブロミド、N,N,N−トリメチル−N−(メトキシエトキシエチル)アンモニウム=ブロミド、N,N,N−トリメチル−N−(エトキシエトキシエチル)アンモニウム=ブロミド、N,N,N−トリメチル−N−(メトキシエチル)アンモニウム=ブロミド、N,N,N−トリメチル−N−(エトキシエチル)アンモニウム=ブロミド、N,N−ジメチルピロリジニウム=ブロミド、N,N−ジエチルピロリジニウム=ブロミド、N,N−ジプロピルピロリジニウム=ブロミド、N,N−ジブチルピロリジニウム=ブロミド、N,N−ジペンチルピロリジニウム=ブロミド、N,N−ジヘキシルピロリジニウム=ブロミド、N−エチル−N−メチルピロリジニウム=ブロミド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム=ブロミド、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウム=ブロミド、N,N−ジメチルピペリジニウム=ブロミド、N,N−ジエチルピペリジニウム=ブロミド、N,N−ジプロピルピペリジニウム=ブロミド、N,N−ジブチルピペリジニウム=ブロミド、N,N−ジペンチルピペリジニウム=ブロミド、N,N−ジヘキシルピペリジニウム=ブロミド、N−エチル−N−メチルピペリジニウム=ブロミド、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム=ブロミド、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウム=ブロミド、N,N−ジメチルモルフォリニウム=ブロミド、N,N−ジエチルモルフォリニウム=ブロミド、N,N−ジプロピルモルフォリニウム=ブロミド、N,N−ジブチルモルフォリニウム=ブロミド、N,N−ジペンチルモルフォリニウム=ブロミド、N,N−ジヘキシルモルフォリニウム=ブロミド、N−エチル−N−メチルモルフォリニウム=ブロミド、N−ブチル−N−メチルモルフォリニウム=ブロミド、N−ヘキシル−N−メチルモルフォリニウム=ブロミド、1,3−ジメチルイミダゾリウム=ブロミド、1,3−ジエチルイミダゾリウム=ブロミド、1,3−ジプロピルイミダゾリウム=ブロミド、1,3−ジブチルイミダゾリウム=ブロミド、1,3−ジペンチルイミダゾリウム=ブロミド、1,3−ジヘキシルイミダゾリウム=ブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=ブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=ブロミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム=ブロミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム=ブロミド、N−メチルピリジニウム=ブロミド、N−エチルピリジニウム=ブロミド、N−プロピルピリジニウム=ブロミド、N−ブチルピリジニウム=ブロミド、N−ヘプチルピリジニウム=ブロミド、N−ヘキシルピリジニウム=ブロミド、
テトラメチルアンモニウム=ヨージド、テトラエチルアンモニウム=ヨージド、テトラプロピルアンモニウム=ヨージド、テトラブチルアンモニウム=ヨージド、テトラペンチルアンモニウム=ヨージド、テトラヘキシルアンモニウム=ヨージド、N,N,N−トリメチル−N−(メトキシエトキシエチル)アンモニウム=ヨージド、N,N,N−トリメチル−N−(エトキシエトキシエチル)アンモニウム=ヨージド、N,N,N−トリメチル−N−(メトキシエチル)アンモニウム=ヨージド、N,N,N−トリメチル−N−(エトキシエチル)アンモニウム=ヨージド、N,N−ジメチルピロリジニウム=ヨージド、N,N−ジエチルピロリジニウム=ヨージド、N,N−ジプロピルピロリジニウム=ヨージド、N,N−ジブチルピロリジニウム=ヨージド、N,N−ジペンチルピロリジニウム=ヨージド、N,N−ジヘキシルピロリジニウム=ヨージド、N−エチル−N−メチルピロリジニウム=ヨージド、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム=ヨージド、N−ヘキシル−N−メチルピロリジニウム=ヨージド、N,N−ジメチルピペリジニウム=ヨージド、N,N−ジエチルピペリジニウム=ヨージド、N,N−ジプロピルピペリジニウム=ヨージド、N,N−ジブチルピペリジニウム=ヨージド、N,N−ジペンチルピペリジニウム=ヨージド、N,N−ジヘキシルピペリジニウム=ヨージド、N−エチル−N−メチルピペリジニウム=ヨージド、N−ブチル−N−メチルピペリジニウム=ヨージド、N−ヘキシル−N−メチルピペリジニウム=ヨージド、N,N−ジメチルモルフォリニウム=ヨージド、N,N−ジエチルモルフォリニウム=ヨージド、N,N−ジプロピルモルフォリニウム=ヨージド、N,N−ジブチルモルフォリニウム=ヨージド、N,N−ジペンチルモルフォリニウム=ヨージド、N,N−ジヘキシルモルフォリニウム=ヨージド、N−エチル−N−メチルモルフォリニウム=ヨージド、N−ブチル−N−メチルモルフォリニウム=ヨージド、N−ヘキシル−N−メチルモルフォリニウム=ヨージド、1,3−ジメチルイミダゾリウム=ヨージド、1,3−ジエチルイミダゾリウム=ヨージド、1,3−ジプロピルイミダゾリウム=ヨージド、1,3−ジブチルイミダゾリウム=ヨージド、1,3−ジペンチルイミダゾリウム=ヨージド、1,3−ジヘキシルイミダゾリウム=ヨージド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム=ヨージド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム=ヨージド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム=ヨージド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム=ヨージド、N−メチルピリジニウム=ヨージド、N−エチルピリジニウム=ヨージド、N−プロピルピリジニウム=ヨージド、N−ブチルピリジニウム=ヨージド、N−ヘプチルピリジニウム=ヨージド又はN−ヘキシルピリジニウム=ヨージド等が挙げられる。
本発明方法を実施するには、出発原料の第三級アミン、アルキルハライド及び必要に応じて有機溶媒を加え、脱色剤の存在下で反応すればよい。このようにすれば、低着色の反応混合物が得られる。脱色剤の濾別後、反応混合物から有機溶媒を濃縮し、得られる第四級アンモニウム=ハライドを公知の処方で分離し、乾燥することで、容易に低着色の第四級アンモニウム=ハライドを得ることができる。
第三級アミンとしては、特に限定されないが、例えば式(4):
Figure 2006143647
(式中、R〜Rは前記に同じ。)で表される脂肪族アミン、式(5):
Figure 2006143647
(式中、Q及びRは前記に同じ。)で表される脂環式アミン又は式(6):
Figure 2006143647
(式中、Qは前記に同じ。)で表される芳香族アミンが挙げられるがそれらに限定されない。
第三級アミンの具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、N,N−ジメチル−N−(メトキシエチル)アミン、N,N−ジメチル−N−(エトキシエチル)アミン、N,N−ジメチル−N−(メトキシエトキシエチル)アミン、N,N−ジメチル−N−(エトキシエトキシエチル)アミン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−プロピルピロリジン、N−ブチルピロリジン、N−ペンチルピロリジン、N−ヘキシルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピペリジン、N−ペンチルピペリジン、N−ヘキシルピペリジン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−プロピルモルフォリン、N−ブチルモルフォリン、N−ペンチルモルフォリン、N−ヘキシルモルフォリン、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−ペンチルイミダゾール、1−ヘキシルイミダゾール、1−オクチルイミダゾール、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン又は4−メチルピリジン等が挙げられる。
アルキルハライドとしては、特に限定されないが、例えば式(7):
Figure 2006143647
(式中、R1は前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるアルキルハライドが挙げられ、具体的には、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化ペンチル、塩化ヘキシル、塩化ヘプチル、塩化オクチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、臭化ペンチル、臭化ヘキシル、臭化ヘプチル、臭化オクチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシル、ヨウ化ヘプチル又はヨウ化オクチル等が挙げられる。
かかるアルキルハライドの使用量としては、第三級アミン1モルに対して、通常0.8〜10モル、好ましくは1〜5モルである。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール又はイソプロパノール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ヘキサンニトリル又はベンゾニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル又は酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン又は1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、クロロホルム又はジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネート等のカーボネート類、ジメチルスルホキシド或いはN,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。溶媒は単独で用いても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。その使用量は特に限定されるものではないが、第三級アミン1重量部に対して、通常10重量部以下であり、好ましくは5重量部以下である。
反応温度は通常0〜300℃程度、好ましくは10℃〜200℃の範囲である。反応温度が0℃未満では第三級アミンとアルキルハライドとの反応速度が遅く、200℃を超えても、それに見合う当該反応速度の上昇効果が得られず、経済的に不利である。
本発明方法は所望により不活性ガス雰囲気下に実施する。不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
脱色剤としては、活性アルミナ、モレキュラーシーブス、活性白土、活性炭等が挙げられ、好ましくは活性白土又は活性炭である。かかる脱色剤は単独で用いても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。
脱色剤の使用量は特に限定されるものではないが、第三級アミン1重量部に対して、通常0.0001〜0.5重量部であり、好ましくは0.01〜0.1重量部である。
脱色剤は、そのまま用いても良いが、脱色剤に含まれる微量の金属成分が反応混合物中に混入する可能性があるため、必要に応じて鉱酸で処理した後に用いても良い。このようにすれば、脱色剤中の微量の金属成分が除去され、反応混合物中への金属成分の混入を抑えることができる。
鉱酸としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸又は過塩素酸等が挙げられ、好ましくは塩酸である。鉱酸は通常水溶液で用いられ、それらは単独で用いても良いし、二種類以上を混合して用いても良い。鉱酸の使用量は特に限定されるものではないが、製造コスト等を鑑みると、脱色剤1重量部に対して10重量部以下であることが望ましい。
脱色剤の鉱酸処理は、例えば、脱色剤に鉱酸を添加し、通常0〜100℃程度、好ましくは10℃〜40℃の範囲で攪拌することで実施される。攪拌後、脱色剤を濾過し、水で洗浄後、得られた脱色剤を乾燥させることで、微量の金属成分を除去した脱色剤が得られる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限定されるものではない。なお、反応混合物中のナトリウム及びカルシウムの量は、原子吸光分析測定(セイコーインスツルメント株式会社製SPS1500)にて測定した。
製造例1(活性炭の鉱酸処理)
活性炭(武田薬品工業株式会社製)20gと3.5%塩酸水溶液100gとを混合し、25℃で1時間攪拌した。攪拌後、濾過し、濾残をイオン交換水で洗浄後、110℃で4時間乾燥して、塩酸処理した活性炭を得た。
実施例1
200mlの圧力容器に、N,N−ジメチル−N−(メトキシエトキシエチル)アミン40.0g(0.27モル)、34.0%塩化メチル/アセトニトリル溶液(1.5倍モル)60.6g、及び活性炭(武田薬品工業株式会社製)2.0gを仕込み、90℃で12時間反応した。反応終了後、濾過して活性炭を除去し、濾液として反応混合物を得た。硝酸銀滴定測定にて算出したN,N,N−トリメチル−N−(メトキシエトキシエチル)アンモニウム=クロリドの収率は91.0%であった。反応混合物の色調はAPHA50相当であり、反応混合物中のナトリウム及びカルシウムの量はそれぞれ6.3ppm、3.5ppmであった。
実施例2
実施例1の活性炭を、製造例1で得た塩酸処理した活性炭に代えた以外は実施例1と同様にして行い、反応混合物を得た。硝酸銀滴定測定にて算出したN,N,N−トリメチル−N−(メトキシエトキシエチル)アンモニウム=クロリドの収率は91.9%であった。反応混合物の色調はAPHA50相当であり、反応混合物中のナトリウム及びカルシウムの量は共に0.5ppm以下であった。
比較例1
実施例1における活性炭を使用しない以外は実施例1と同様にして行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物の色調はAPHA500相当以上であり、反応混合物中のナトリウム及びカルシウムの量は共に0.5ppm以下であった。
実施例3
200mlの圧力容器に、N−メチル−イミダゾール40.0g(0.49モル)、54.1%塩化エチル/アセトニトリル溶液(1.5倍モル)87.1g及び活性炭(武田薬品工業株式会社製)2.0gを仕込み、90℃で12時間反応した。反応終了後、濾過して活性炭を除去し、濾液として反応混合物を得た。硝酸銀滴定測定にて算出したN,N−ジメチルイミダゾリウム=クロリドの収率は86.8%であった。反応混合物の色調はAPHA90相当であり、反応混合物中のナトリウム及びカルシウムの量はそれぞれ6.3ppm、1.8ppmであった。
実施例4
実施例3の活性炭を、製造例1で得た塩酸処理した活性炭に代えた以外は実施例1と同様にして行い、反応混合物を得た。硝酸銀滴定測定にて算出したN,N−ジメチルイミダゾリウム=クロリドの収率は91.8%であった。反応混合物の色調はAPHA90相当であり、反応混合物中のナトリウム及びカルシウムの量は共に0.5ppm以下であった。
比較例2
実施例3における活性炭を使用しない以外は実施例1と同様にして行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物の色調はAPHA200相当であり、反応混合物中のナトリウム及びカルシウムの量は共に0.5ppm以下であった。

Claims (3)

  1. 第三級アミンとアルキルハライドとを反応させて第四級アンモニウム=ハライドを製造する方法において、脱色剤の存在下で反応させることを特徴とする第四級アンモニウム=ハライドの製造法。
  2. 脱色剤が活性炭であることを特徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 活性炭が鉱酸で処理されたものであることを特徴とする請求項2記載の製造法。
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