JP2019089663A - ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の製造方法 - Google Patents

ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を、効率よく製造する方法を提供する。【解決手段】ハロゲン化スルフリルに、有機塩基とアンモニアもしくはハロゲン化アンモニウムとを反応させることにより、「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」と、「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」とを含む混合物を得(第1工程)、得られた該混合物に対し水洗浄及び/又はろ別を行うことにより、「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」を得(第2工程)、得られた「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」に、溶媒中、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物を反応させることにより(第3工程)、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を含む混合液を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の工業的な製造方法に関する。
従来から広く知られているビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩は電池電解質溶媒やイオン液体、帯電防止剤としても有用な化合物である。
ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸化合物の製造方法として、特許文献1に尿素とフルオロスルホン酸とを反応させて、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸を得る方法が、非特許文献1には、ビス(クロロスルホニル)イミド酸に金属フッ化物を反応させて、ビス(フルオロスルホニル)イミド酸を得る製造方法が知られている。
ビス(クロロスルホニル)イミド酸化合物の製造方法として、特許文献2にクロロスルホン酸(ClSOH)とクロロスルホニルイソシアネート(ClSONCO)を反応させてビス(クロロスルホニル)イミド酸が、非特許文献2にクロロスルホン酸(ClSOH)とN−スルホニルトリクロロホスファゼン(ClSONPCl)を反応させてビス(クロロスルホニル)イミド酸を得る方法が報告されている。
また、本出願人らは、より大量規模製造に適した方法として、ハロゲン化スルフリルとアンモニアを反応させて、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を得る方法を提案している(特許文献3)。
米国特許第3379509号明細書 米国特許第4315935号明細書 特開2010−254554号公報
Inorganic Chemistry, 37(24), 6295−6303頁(1998年) Inorganic Syntheses, 11,138−143頁(1968年)
特許文献1に記載の方法では、毒性・腐食性の高いフルオロスルホン酸を使用しており、さらにこの反応で得られるビス(フルオロスルホニル)イミド酸と、フルオロスルホン酸との分離工程が必要となること、また、やや低収率ということもあり、工業的な製造法として採用するには幾分難があった。また、非特許文献1に記載の方法は、毒性が高く、高価である三フッ化砒素や三フッ化アンチモンを使用することから、工業的に量産を行うには不利である。さらに、特許文献2および非特許文献2に記載の方法では、比較的高価なクロロスルホニルイソシアネート(ClSONCO)やN−スルホニルトリクロロホスファゼン(ClSONPCl)を用いる点で不利であった。
特許文献3に記載の方法は、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を、高純度で得る有用な製法ではあるが、収率にばらつきがある(32%〜83%)こと、該金属塩を得る直前の工程で水を用いている為、元来、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸化合物自体、水に対し不安定であることも考慮すると、工業的な製造としてはいくぶん改善の余地があった。
本発明は、工業的に採用し得る条件で、不純物含有量が少ないビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸誘導体を、効率的かつ安定的に製造する方法を提供することを課題とする。
そこで本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討したところ、ハロゲン化スルフリルに、有機塩基の存在下、アンモニア(NH3)等を反応させて「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」を反応系内に形成させ、続いて水洗浄及び/又はろ別操作を行った後、金属ハロゲン化物とのカチオン交換反応を行うことで、従来の製造方法と比べて不純物の含有量が極めて低い、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の効率的な製造方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の[発明1]−[発明6]に記載する発明を提供する。
[発明1]
式[1]:
Figure 2019089663
[式中、Rはそれぞれ独立してハロスルホニル基(−SO;XはX2又はX3を表し、X2、X3は同一、又は異なるハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素))を表す。Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。nは該当する金属の価数と同数の整数を示す。]
で表されるビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の製造方法。
[第1工程]
ハロゲン化スルフリル(SO23;X2、X3は同一、又は異なるハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を表す。)に、有機塩基と、アンモニアもしくはハロゲン化アンモニウムとを反応させることにより、
「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」と、
「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」
とを含む混合物を得る工程。
[第2工程]
第1工程で得られた「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」と「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」とを含む混合物に対し、水洗浄及び/又はろ別を行うことにより、
該混合物に含まれる「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」を分離除去し、
「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」を得る工程。
[第3工程]
第2工程で得られた「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」に、溶媒中、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物を反応させ、
式[1]で表されるビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を含む混合液を得る工程。
[発明2]
第1工程で用いる有機塩基が、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、含窒素芳香族複素環式化合物またはイミン系塩基である、発明1に記載の製造方法。
[発明3]
第1工程で有機溶媒を用いて反応を行い、続く第2工程において、水洗浄及び/又はろ別を行う前に濃縮して有機溶媒を留去する工程を更に含む、発明1または2に記載の製造方法。
[発明4]
第3工程で用いるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物が、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムである、発明1乃至3の何れかに記載の製造方法。
[発明5]
第3工程において、アルカリ金属のハロゲン化物を反応させる際に用いる溶媒が、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、カーボネート類、エステル類、アミド類、ニトリル類またはスルホキシド類である、発明1乃至4の何れかに記載の製造方法。
[発明6]
第3工程において、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を含む混合液中に含まれる「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」をろ別操作で分離除去する工程を更に含む、発明1乃至5の何れかに記載の製造方法。
本発明における製造方法は、各工程が良好に進行し、かつ、不純物含有量が極めて低いビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を、効率的に製造できるという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は以下の実施態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜実施することができる。
[第1工程]
まず、第1工程について説明する。第1工程は、ハロゲン化スルフリルに、有機塩基と、アンモニアもしくはハロゲン化アンモニウムとを反応させることにより、「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」と、「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」とを含む混合物を得る工程である(スキーム1;各反応試剤の定義は後述する)。
Figure 2019089663
本工程で用いるハロゲン化スルフリルとしては、フッ化スルフリル、塩化スルフリル、臭化スルフリル、ヨウ化スルフリル、塩化フッ化スルフリルが挙げられるが、これらの中で、フッ化スルフリル、塩化スルフリルは工業的規模での入手がしやすいため好ましく、特にフッ化スルフリルが好ましい。よって、式[1]におけるRの定義中、X(ハロゲン化スルフリルにおけるX、X)は、フッ素又は塩素である場合が好ましく、特にフッ素が好ましい。
また、本工程で用いるハロゲン化アンモニウムとしては、具体的にフッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム等が挙げられる。
本工程で使用するハロゲン化スルフリルはアンモニアもしくはハロゲン化アンモニウム1モルに対して、通常、1〜10モルで行い、好ましくは1〜8モル、より好ましくは1〜5モルで行う。本工程で用いる有機塩基は、下記式:
Figure 2019089663
[式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子(但し、R1、R2及びR3が水素原子の場合(有機塩基が「アンモニア」の場合を除く)、アルキル基、置換アルキル基、アリール基または置換アリール基を表す。]
で表される第1級アミン、第2級アミンまたは第3級アミン、
含窒素芳香族複素環式化合物、
または次のイミン骨格
−C=N−C−
を有するイミン系塩基である。
該アルキル基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜12の環状アルキル基を表す。アリール基はフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等を表す。
置換アルキル基における置換基は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ基、炭素数1〜12のアルキル基(環状アルキル基に置換する場合)、炭素数1〜12のハロアルキル基(環状アルキル基に置換する場合)、ニトロ基、アセチル基、シアノ基、アリール基またはヒドロキシル基であり、置換アリール基における置換基はハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロアルキル基、ニトロ基、アセチル基、シアノ基、アリール基またはヒドロキシル基である。
これらの有機塩基のうち、第1級アミン、第2級アミンまたは第3級アミンであり、該アミンにおけるR1、R2、R3が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基またはアリール基であるものが好ましい。さらに、これらの中でも、第3級アミンであり、該アミンにおけるR1、R2、R3が、それぞれ独立に、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であるものが特に好ましい。
有機塩基の具体的な例としては、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、N−ベンジルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリス(2−エチルへキシル)アミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、N−ブチルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−メチルピペコリン、N−メチルピロリドン、N−ビニル−ピロリドン、ビス(2−ジメチルアミノ−エチル)エーテル、N,N,N,N',N''−ペンタメチル−ジエチレントリアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N,N',N',N''−ペンタメチルジプロピレントリアミン、トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、テトラメチルイミノ−ビス(プロピルアミン)、N−ジエチル−エタノールアミン、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、3−(ジメチルアミノ)プロピルイミダゾール、ピラゾール,フラザン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、プリン、1H−インダゾール、キナゾリン、シンノリン、キノキサリン、フタラジン、プテリジン、フェナントリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,2'−ビピリジン、4,4'−ジメチル−2,2'−ビピリジル、4,4'−ジメチル−2,2'−ビピリジル、5,5'−ジメチル−2,2'−ビピリジル、6,6'−t−ブチル−2,2'−ジピリジル、4,4'−ジフェニル−2,2'−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、2,7−ジメチル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジメチル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンなどであるが、これらのうち、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、N−ブチルジメチルアミンまたはN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが好ましく、中でも、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−ブチルアミンが特に好ましい。なお、有機塩基は単独又は組み合わせて使用することができる。
本工程で用いる有機塩基の使用量は、ハロゲン化スルフリル1モルに対して、化学量論的にはアンモニアを使用した場合は3モル、ハロゲン化アンモニウムを使用した場合は4モル必要とし、通常3〜10モルであるが、好ましくは3〜5モルから適宜選択される。3モル(ハロゲン化アンモニウムの場合は4モル)より少ないと反応収率が低下する原因となる。また、10モルを超えて用いても反応の進行について問題は無いが、反応速度、収率、または経済性の点でも、メリットは多くない。
本工程で用いるアンモニアは、単体(例えば気体または液体アンモニアなど)であっても、液体状態(溶媒に溶解したもの等)であっても、いずれも用いることが可能である。
また、本工程は有機溶媒を共存させて反応を行うこともできる。ここで有機溶媒とは、本発明の反応に直接関与しない不活性な有機化合物のことを言う。反応溶媒としては、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類、アミド類、ニトリル類またはスルホキシド類等が挙げられる。
これらの中でもエステル類、アミド類、ニトリル類またはスルホキシド類が好ましく、ニトリル類がより好ましい。
有機溶媒の具体的な例としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリルまたはジメチルスルホキシド等が挙げられる。
その中でも酢酸エチル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリルまたはジメチルスルホキシドが好ましく、アセトニトリルまたはプロピオニトリルがより好ましい。これらの反応溶媒は単独又は組み合わせて使用することができる。
有機溶媒の使用量としては、特に制限はないが、アンモニアもしくはハロゲン化アンモニウム1モルに対して0.1L(リットル)以上を使用すればよく、通常は0.1〜20Lが好ましく、特に0.1〜10Lがより好ましい。
なお、本工程で有機溶媒を用いた場合、該有機溶媒が水溶性の有機溶媒である場合は、本工程の反応後、蒸留等の一般的な有機化学の操作で除去しておき、除去後に第2工程を行うことが、操作の観点からも特に好ましい態様の一つとして挙げられる。一方、有機溶媒を用いない場合もしくは非水溶性の有機溶媒を用いた場合、本工程の反応後、特に溶媒を取り除く操作を行うことなく、そのまま第2工程を行うことができる。
本工程の温度条件としては、特に制限はないが、通常、−50〜200℃の範囲で行えば良いが、0〜100℃が好ましく、特に0〜70℃がより好ましい。−50℃よりも低い温度であれば反応速度が遅くなり、200℃を超える温度であれば、生成物の分解等が生じることもある。
本工程で用いる反応容器としては、ステンレス鋼、モネルTM、ハステロイTM、ニッケル、又はこれらの金属やポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル樹脂などのフッ素樹脂でライニングされた耐圧反応容器などが挙げられる。
本工程の反応時間としては、特に制限はないが、0.1〜240時間の範囲で行えばよく、基質および反応条件により異なるため、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、NMR等の分析手段により、反応の進行状況を追跡して原料であるハロゲン化スルフリルが殆ど消失した時点を終点とすることが好ましい。
[第2工程]
次に第2工程について説明する。第2工程は、第1工程で得られた「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」と「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」とを含む混合物に対し、水洗浄及び/又はろ別を行うことにより、
該混合物に含まれる「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」を分離除去し、
「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」を得る工程である(スキーム2)。
Figure 2019089663
水洗浄及び/又はろ別を実施する実施態様としては、特に制限は無く、有機化学の通常の操作でもって行えば良い。前記水洗浄で用いられる水の量は特に限定されないが、通常、反応混合物中の「イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」に対して、50〜300質量%程度を用いることが好ましい。また、前記の量の水を数回に分けて洗浄・分離を繰り返すことも好ましい操作の一つである。また、反応混合物中の有機塩基の除去効率を上げるために、水洗浄前に塩酸で洗浄することも好ましい操作の一つである。
前記水洗浄は通常は常温で行うことが好ましいが、温度条件に特に制限はなく、加温してもよい。また、水洗浄に使われる反応容器としては特に制限は無く、ステンレス鋼、モネルTM、ハステロイTM、ニッケル、又はこれらの金属やポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル樹脂などのフッ素樹脂でライニングされた反応容器などが挙げられる。
第2工程において、水洗浄した後の分離操作とは、有機相と水相とを分けられる方法であれば特に限定はない。一般的には簡便な分液やろ過、遠心分離等で行うことが出来る。第1工程から引き続き、非水溶性の有機溶媒を使用した場合、分液後、蒸留等の一般的な有機化学の操作で除去することが好ましいが、そのまま第3工程で使用することも可能である。
[第3工程]
次に、第3工程について説明する。第2工程で得られた「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」に、溶媒中、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物を反応させ、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を含む混合液を得る工程である。
アルカリ金属のハロゲン化物としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化ルビジウム(RbF)、フッ化セシウム(CsF)、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化ルビジウム(RbCl)、塩化セシウム(CsCl)、臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化ルビジウム(RbBr)、臭化セシウム(CsBr)、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ルビジウム(RbI)、ヨウ化セシウム(CsI)が、アルカリ土類金属のハロゲン化物としては、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化バリウム(BaCl2)、塩化ストロンチウム(SrCl2)、臭化マグネシウム(MgBr2)、臭化カルシウム(CaBr2)、臭化バリウム(BaBr2)、臭化ストロンチウム(SrBr2)、ヨウ化マグネシウム(MgI2)、ヨウ化カルシウム(CaI2)、ヨウ化バリウム(BaI2)、ヨウ化ストロンチウム(SrI2)が挙げられ、好ましくは塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化ルビジウム(RbCl)、塩化セシウム(CsCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化バリウム(BaCl2)、塩化ストロンチウム(SrCl2)が挙げられる。
これらのうち、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましく、アルカリ金属のハロゲン化物としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)または塩化カリウム(KCl)が、アルカリ土類金属のハロゲン化物としては、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、塩化マグネシウム(MgCl2)または塩化カルシウム(CaCl2)が、安価かつ入手の容易性の点で好ましく用いられる。
また、これらの化合物は1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物の使用量は、「イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」1モルに対し1〜10モルであり、1〜5モルが好ましく、より好ましくは1〜3モルである。10モルを超える量、すなわち過剰量の塩基を反応させた場合、反応は進行するが、「イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」が分解してしまい、収率が低下してしまうことがある為、過剰量の塩基を用いることは好ましくない。また、1モルよりも少ないと、変換率が低下することからも、好ましくない。
本工程は、有機溶媒を溶媒として用いて反応させることができる。有機溶媒としては、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、カーボネート類、エステル類、アミド類、ニトリル類またはスルホキシド類等が挙げられる。これらの中でもエステル類、アミド類、カーボネート類、ニトリル類またはスルホキシド類が好ましく、カーボネート類またはニトリル類がより好ましい。
有機溶媒の具体的な例としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリルまたはジメチルスルホキシド等が挙げられる。
その中でも酢酸エチル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、プロピオニトリルまたはジメチルスルホキシドが好ましく、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトニトリルまたはプロピオニトリルがより好ましい。これらの反応溶媒は単独又は組み合わせて使用することができる。
反応温度に特別に制限はないが、通常−10℃〜+110℃、好ましくは+25〜+80℃である。−10℃未満であると反応が充分に進行せず、収率低下の原因となり、経済的に不利となる、あるいは、反応速度が低下して反応終了までに長時間を要するなどの問題を生ずる場合がある。一方、+110℃を超えると、副生物が生じやすく、また過剰な加熱はエネルギー効率が悪い。
反応時間としては、特に制限はないが、通常は24時間以内の範囲で行えばよく、イオンクロマトグラフィー、NMR等の分析手段により反応の進行状況を追跡し、原料基質が殆ど消失した時点を終点とするのが好ましい。
本工程に用いられる反応器は、ステンレス鋼、ハステロイTM、モネルTMなどの金属製容器や、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、そしてガラスなどを内部にライニングしたもの等、常圧又は加圧下で十分反応を行うことができる反応器を使用することができる。
なお、本工程では、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を含む混合液中に「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」が固体として生成する為、該混合液に対しろ別操作を行うことで「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」を分離除去することが好ましい。なお、ろ別操作を実施する実施態様としては、特に制限は無く、有機化学の通常の操作でもって行えば良い。
ろ別することにより、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩が溶液として得られる。このまま溶液として用いることもできるが、溶媒を留去して当該金属塩の固体を得た後、有機溶媒を用いて再結晶操作を行い、高純度のビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を得ることも可能である。再結晶に用いる有機溶媒としては、例えばエーテル類、アルコール類、カーボネート類、脂肪族炭化水素類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類等が挙げられる。
これらの有機溶媒の具体的な化合物は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテルエチレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン等である。これらの有機溶媒はそれぞれ単独で用いてもよく、複数の有機溶媒を組み合わせてもよい。
再結晶によって、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩が析出する。これを単離するには、通常の有機化学の操作で行えばよく、例えばろ過操作を施すことで、さらに高純度のビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を得ることが出来る。
なお、得られたろ液には、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩が一部溶解していることから、得られたろ液を回収し、再結晶における溶媒として再利用することが可能である。再利用することにより、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の収率をさらに向上させること、また、廃液が大幅に削減できる。
[実施例]
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。ここで、生成物の定量については、反応混合物を核磁気共鳴分析装置(NMR)によって測定して得られた組成の「モル%」を基に算出した。
[第1工程]
500mlオートクレーブにアセトニトリルを140g、トリエチルアミンを128.5g(1.27mоl)仕込み、氷水で5℃に冷却し、フッ化スルフリルを96.9g(0.95mоl)導入した。フッ化スルフリルを導入した後、続いて、無水アンモニア7.2g(0.43mоl)を内温0℃〜5℃を保ちながら1時間掛けて導入した。無水アンモニアの導入が終了したら反応器を室温まで昇温させ、14時間攪拌した。14時間後、反応液を19F−NMRで定量した結果、出発原料のアンモニアに対するビス(フルオロスルホニル)イミドトリエチルアンモニウム塩の収率は88.0%(0.38mol)であった。
[第2工程]
上記反応工程で得られた反応液の溶媒を留去後、残渣を水洗浄し、乾燥することでビス(フルオロスルホニル)イミドトリエチルアンモニウム塩を102g得た。このビス(フルオロスルホニル)イミドトリエチルアンモニウム塩を19F−NMRにより定量を行ったところ、出発原料のアンモニアに対する収率は86.6%(0.37mol)、純度は98.1%であった。
[第3工程]
第2工程で得られたビス(フルオロスルホニル)イミドトリエチルアンモニウム塩102gを500ml四つ口フラスコに入れ、ジメチルカーボネートを360g加えた。塩化リチウム17.5g(0.41mol)を加えて、6時間攪拌した後、結晶をろ別することでビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム413gを溶液として得た。この溶液中のビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムを19F−NMRにより定量を行ったところ、出発原料のアンモニアに対する収率は84.7%(0.36mol)、純度99%以上であった。また、水分値はビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムに対して3ppmであった。更にこのビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム溶液の溶媒を減圧下、留去したところ、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムを結晶として67.3g(0.36mol)得た(フッ素イオン濃度:3ppm、スルファミン酸(NHSOH)濃度:24ppm)。
[第1工程]
500mlオートクレーブにアセトニトリルを140g、トリ−n−ブチルアミンを236g(1.27mоl)仕込み、氷水で5℃に冷却し、フッ化スルフリルを95.3g(0.93 mоl)導入した。フッ化スルフリルを導入した後、続いて、無水アンモニア7.0g(0.41mоl)を内温0℃〜5℃を保ちながら1時間掛けて導入した。無水アンモニアの導入が終了したら反応器を室温まで昇温させ、13時間攪拌した。13時間後、反応液を19F−NMRで定量した結果、出発原料のアンモニアに対するビス(フルオロスルホニル)イミドトリ−n−ブチルアンモニウム塩の収率は81.0%(0.33mol)であった。
[第2工程]
上記第1工程で得られた反応液の溶媒を留去後、残渣を水洗浄し得られた白色結晶に対し、桐山ロートを用いて減圧濾過後、乾燥することで、ビス(フルオロスルホニル)イミドトリ−n−ブチルアンモニウム塩を124g得た。このビス(フルオロスルホニル)イミドトリ−n−ブチルアンモニウム塩を19F−NMRにより定量を行ったところ、出発原料のアンモニアに対する収率は78.0%(0.32mol)、純度は98.4%であった。
[第3工程]
次に、500ml四つ口フラスコに、第2工程で得られたビス(フルオロスルホニル)イミドトリ−n−ブチルアンモニウム塩68.0g(0.18mol)と炭酸ジメチル174g、塩化リチウム8.5g(0.20mol)を加えて15時間、室温で攪拌し、その後結晶をろ別することでビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム205gを溶液として得た。この溶液中のビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムを19F−NMRにより定量を行ったところ、出発原料のアンモニアに対する収率は73.7%(0.17mol)、純度99%以上であった。また、水分値はビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムに対して18ppmであった。更にこのビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム溶液の溶媒を減圧下、留去したところビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムを結晶として31.8g(0.17mol)得た(フッ素イオン濃度:6ppm、スルファミン酸濃度:35ppm)。
[比較例1]
[第1工程]
500mlオートクレーブにアセトニトリルを140g、トリエチルアミンを128g(1.26mоl)仕込み、氷水で5℃に冷却し、フッ化スルフリルを102g(1.00 mоl)導入した。フッ化スルフリルを導入した後、続いて、無水アンモニア7.2g(0.43mоl)を内温0℃〜5℃を保ちながら1時間掛けて導入した。無水アンモニアの導入が終了したら反応器を室温まで昇温させ、14時間攪拌した。14時間後、反応液を19F−NMRで定量した結果、出発原料のアンモニアに対するビス(フルオロスルホニル)イミドトリエチルアンモニウム塩の収率は91.0%(0.39mol)、純度は95.7%であった。
[第2工程]
上記第1工程で得られた反応液の溶媒を留去後、残渣を水洗浄し、ビス(フルオロスルホニル)イミドトリエチルアンモニウム塩を125g得た。このビス(フルオロスルホニル)イミドトリエチルアンモニウム塩を19F−NMRにより定量を行ったところ出発原料のアンモニアに対する収率は85.5%(0.37mol)であった(フッ素イオン濃度:95ppm、スルファミン酸濃度:N.D.、硫酸イオン濃度:5ppm)。
[カチオン交換工程]
次に、第2工程で得られたビス(フルオロスルホニル)イミドトリエチルアンモニウム塩125g(0.37mol)と水酸化リチウム一水和物18.0g(0.43mol)、水100gを500ml四つ口フラスコに入れ、1時間、室温で攪拌した。反応混合物のトリエチルアミンおよび留去して、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムを得た。さらにこれにアセトニトリルを加え未溶解分をろ別し、アセトニトリルを留去させて、純度99%以上のビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムを65.1g、収率81%で得た(フッ素イオン濃度:356ppm、スルファミン酸濃度:1653ppm、硫酸イオン濃度:3536ppm)。
比較例1では、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムの加水分解により乾燥工程でフッ素イオン、スルファミン酸、硫酸イオンが増加していることがわかる。
本発明で対象とするビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩は、医農薬の中間体、電池電解質、酸触媒、及びイオン性液体として利用できる。

Claims (6)

  1. 式[1]:
    Figure 2019089663
    [式中、Rはそれぞれ独立してハロスルホニル基(−SO;XはX2又はX3を表し、X2、X3は同一、又は異なるハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素))を表す。Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。nは該当する金属の価数と同数の整数を示す。]
    で表されるビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の製造方法において、以下の工程を含むことを特徴とする、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩の製造方法。
    [第1工程]
    ハロゲン化スルフリル(SO23;X2、X3は同一、又は異なるハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を表す。)に、有機塩基と、アンモニアもしくはハロゲン化アンモニウムとを反応させることにより、
    「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」と、
    「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」
    とを含む混合物を得る工程。
    [第2工程]
    第1工程で得られた「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」と「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」とを含む混合物に対し、水洗浄及び/又はろ別を行うことにより、
    該混合物に含まれる「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」を分離除去し、
    「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」を得る工程。
    [第3工程]
    第2工程で得られた「ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸と有機塩基からなる塩又は錯体」に、溶媒中、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物を反応させ、
    式[1]で表されるビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を含む混合液を得る工程。
  2. 第1工程で用いる有機塩基が、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、含窒素芳香族複素環式化合物またはイミン系塩基である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 第1工程で有機溶媒を用いて反応を行い、続く第2工程において、水洗浄及び/又はろ別を行う前に濃縮して有機溶媒を留去する工程を更に含む、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 第3工程で用いるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物が、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化ストロンチウム、塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムである、請求項1乃至3の何れかに記載の製造方法。
  5. 第3工程において、アルカリ金属のハロゲン化物を反応させる際に用いる溶媒が、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、カーボネート類、エステル類、アミド類、ニトリル類またはスルホキシド類である、請求項1乃至4の何れかに記載の製造方法。
  6. 第3工程において、ビス(ハロゲン化スルホニル)イミド酸金属塩を含む混合液中に含まれる「有機塩基とハロゲン化水素からなる塩または錯体」をろ別操作で分離除去する工程を更に含む、請求項1乃至5の何れかに記載の製造方法。
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