JP2006142378A - アルミニウム材のろう付け方法およびそれに使用されるフラックス - Google Patents

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Abstract

【課題】 KZnFをベースとするフラックスを用いるものにおいて、加熱炉の加熱雰囲気が悪い場合でも、安定した亜鉛拡散層の形成を可能とするアルミニウム材のろう付け方法およびそれに使用されるフラックスを提供する。
【解決手段】 アルミニウムあるいはその合金から成る部材111、112同士を組付けて、組付けにより形成される組付け体100の接合すべき部位に亜鉛置換反応を示す非腐食性のフラックスを塗布し、不活性ガス雰囲気の加熱炉内で組付け体100を一体的にろう付けするアルミニウム材のろう付け方法であって、非腐食性のフラックスとして、KZnFにAlFを所定量添加したものを使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フルオロ亜鉛酸カリウム(KZnF)をベースとするフラックスを用いてアルミニウム材をろう付けするアルミニウム材のろう付け方法およびそのフラックスに関するものであり、例えば車両用空調装置のアルミニウム熱交換器に用いて好適である。
従来、アルミニウム材から成る熱交換器のろう付け方法として、例えば特許文献1に示されるものが知られている。即ち、このろう付け方法は、アルミニウム製の押出し多穴チューブに、ろう材を被覆したフィンを組付け、このチューブとフィンとの組立て体を亜鉛置換反応を示す非腐食性フラックスを用いて一体的に接合するものとしている。具体的には、予めチューブの表面にこの非腐食性フラックスを塗布しておき、チューブとフィンとを組付けて、窒素ガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)のろう付け用加熱炉内(600℃前後の温度条件)でろう付けを行うようにしている。非腐食性フラックスとしては、フッ化物系の物が用いられており、ここでは、KF/ZnF(KZnF)が提示されている。
これにより、フラックス中のZnがチューブのAlと置換反応し、Znはチューブの表面に亜鉛拡散層を形成する。亜鉛拡散層は、犠牲腐食層となって、Al母材の腐食(孔食)を防止する。また、亜鉛置換反応を起こした後のフラックスはKとAlとFとからなる非腐食性フラックスとなり、良好なろう付けを可能としている。
特開2003−225760号公報
しかしながら、このフラックス(KZnF)による亜鉛拡散層は、加熱炉内の加熱雰囲気の影響(Oや水分の量)によって、安定した形成がされにくいという欠点があった。
即ち、ろう付け時の予熱炉では大気加熱する場合があり、またろう付け加熱炉内の加熱は窒素ガス雰囲気中で風の循環により行われるが、雰囲気が悪い場合には風の当り易い部位では、Oや水分の量が多くなり、ろう付け後にアルミニウムの表面が黒色に変色する。この部分をX線回折で調査すると非腐食性フラックスの主成分となるべきKAlFはほとんど検出されず、KAlFとZn、ZnOとが多く検出される。このように、KZnFは加熱雰囲気が良くないと、アルミニウムとの反応でKAlFを生成せずにKAlFを生成してしまう。これは例えば以下の化学式1〜化学式3に示すように、アルミニウムとの反応で形成されるKAlFは雰囲気中のHOと反応し、KAlFとなってしまうものと推定される。
(化1)
6KZnF+4Al→3KAlF+KAlF+6Zn
(化2)
3KAlF+3HO→KAlF+Al+6HF
(化3)
2Zn+O→2ZnO
この結果、図8に示すKF−AlF系状態図から解るように、KAlFは単独では融点が高いので(AlF25モル%で約1000℃)、ろう付け時の温度条件(600℃前後)ではフラックス作用が不充分となり、Znのアルミニウムへの拡散が生じにくくなるものと考えられる。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、KZnFをベースとするフラックスを用いるものにおいて、加熱炉の加熱雰囲気が悪い場合でも、安定した亜鉛拡散層の形成を可能とするアルミニウム材のろう付け方法およびそれに使用されるフラックスを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、アルミニウムあるいはその合金から成る部材(111、112)同士を組付けて、組付けにより形成される組付け体(100)の接合すべき部位に亜鉛置換反応を示す非腐食性のフラックスを塗布し、不活性ガス雰囲気の加熱炉内で組付け体(100)を一体的にろう付けするアルミニウム材のろう付け方法であって、非腐食性のフラックスとして、KZnFにAlFを所定量添加したものを使用することを特徴としている。
これにより、加熱炉内の加熱雰囲気が悪い場合でも、KZnFは、図8に示すKF−AlF系状態図のAlFモル比の大きい側となって、Alとの反応時においてKAlFの生成を抑えてKAlFをより多く生成するようになるので、ろう付け温度条件下でもKAlFが非腐食性フラックスとして有効に作用し、KZnF中のZnによってAl表面に安定した拡散層を形成することができる。
KZnFに添加するAlFの量は、請求項2に記載の発明のように、50mass%以下が良い。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、KZnFに添加するAlFの平均粒径を30μm以下としたことを特徴としている。
これにより、AlFの平均粒径が大きい場合に比べて平均粒径が小さいほど、一粒毎に未反応のまま残る事が無くなるので、AlFは有効にKAlFの生成を抑えるように作用し、少ない添加量でAl表面に安定したZnの拡散層を形成することができる。また、平均粒径が小さいことにより、KZnFとの混合性が向上するので、フラックスとしての取扱いが容易となる。
また、請求項3に記載の発明において、請求項4に記載の発明のように、KZnFに添加するAlFの量を、(平均粒径×0.125+3.25)mass%以上、(平均粒径×0.417+12.5)mass%以下とするのが良い。
これにより、添加するAlFの平均粒径が小さいほど、AlFの添加量を少なくして、ベースとなるKZnFの量(含有されるZn量)を減少させないようにすることができるので、Al表面に安定したZnの拡散層を形成することができる。
請求項5に記載の発明では、組付け体(100)は、部材(111、112)としてチューブ(111)、フィン(112)を含む熱交換器(100)であり、KZnFにAlFを所定量添加した非腐食性フラックスをチューブ(111)に塗布することを特徴としている。
これにより、チューブ(111)表面に確実に亜鉛拡散層を形成して、チューブ(111)の耐食性を向上させることができ、孔食による内部流体の漏れを防止することができる。
また、請求項6に記載の発明では、アルミニウムあるいはその合金から成る部材(111、112)同士を、不活性ガス雰囲気の加熱炉内で一体的にろう付けする際に使用される亜鉛置換反応を示す非腐食性のフラックスであって、このフラックスは、KZnFをベースとしてAlFが所定量添加されたことを特徴としており、これにより、請求項1に記載のろう付け方法に使用可能なフラックスとすることができる。
請求項7に記載の発明では、AlFの添加量は、50mass%以下であることを特徴としており、これにより、請求項2に記載のろう付け方法に使用可能なフラックスとすることができる。
請求項8に記載の発明では、AlFの平均粒径は、30μm以下であることを特徴としており、これにより、請求項3に記載のろう付け方法に使用可能なフラックスとすることができる。
請求項9に記載の発明では、AlFの添加量は、(平均粒径×0.125+3.25)mass%以上、(平均粒径×0.417+12.5)mass%以下であることを特徴としており、これにより、請求項4に記載のろう付け方法に使用可能なフラックスとすることができる。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。尚、図1は蒸発器100の全体構成を示す外観斜視図、図2は図1における上ヘッダタンク120近傍を示す断面図、図3はAlFの添加量を変化させた時のろう付け状況、亜鉛拡散状況結果を示す表、図4はAlFの添加量を変化させた時の表面の亜鉛濃度結果を示すグラフである。
まず、本発明のろう付け対象としている車両用空調装置に用いられる蒸発器100について説明する。蒸発器100は冷凍サイクル中に配設されるものであって、圧縮機で高温高圧に圧縮され、凝縮器で凝縮液化され、減圧装置(膨張弁)で低温低圧に減圧された後の冷媒を蒸発させる熱交換器である。尚、以下説明する各部材はアルミニウムあるいはアルミニウム合金より成り、各部材の表面に予めクラッド、あるいは塗布等により設けられたろう材によって蒸発器100として一体的にろう付けされている。
蒸発器100は、図1、図2に示すように、主にコア部110、上ヘッダタンク120、下ヘッダタンク130等より成る。コア部110は、複数のチューブ111と複数のフィン112とを交互に積層して、その積層方向の両最外方のフィン112の更に外方にサイドプレート113を配設したものである。
チューブ111は、ろう材のクラッドされないベア材から押出し加工により断面の外形が扁平状に成形されたもので、内部に複数の冷媒流路(図示せず)が形成されている。チューブ111の表面には予めフラックス(詳細後述)が塗布されている。そして、このチューブ111は、後述する上下ヘッダタンク120、130の2つの内部空間に対応させ、熱風(以下、送風空気)の流れ方向に2列並ぶものとしている。
フィン112は、両面に予めろう材がクラッドされた薄肉の帯板材を波状に加工したローラ成型品であり、表面に熱交換効率を高めるためのルーバ(図示せず)が形成されている。フィン112は、チューブ111にろう付けされている。
サイドプレート113は、コア部110における補強部材を成すものであり、平板材(フィン112側に片面ろう材クラッド)からプレス加工により成形されている。サイドプレート113の長手方向端部側は、平板状に形成され、他の大半の部分はチューブ111、フィン112の積層方向外方に開口するコの字状断面となるように形成されており、フィン112にろう付けされている。
上ヘッダタンク120は、チューブ111の長手方向に2分割された反チューブ側のタンクヘッダ121とチューブ側のプレートヘッダ122とから成り、キャップ123が設けられている。
タンクヘッダ121およびプレートヘッダ122は、それぞれ2つの半円形状あるいは2つの半矩形形状が接続される断面形状を有し、平板材(両面ろう材クラッド)からプレス加工により成形されている。両ヘッダ121、122が互いに嵌合、ろう付けされ、送風空気の流れ方向に2つの内部空間が並ぶ筒状体を形成している。
そして、上ヘッダタンク120の長手方向端部の開口部には、平板材(両ヘッダ121、122側に片面ろう材クラッド)に下面からプレス加工により成形されたキャップ123がろう付けされ、この開口部を閉塞するようにしている。
更に、上ヘッダタンク120の略中央部には2つの内部空間を図1中、左右方向に分割する2つのセパレータ124がろう付けされている。また、上ヘッダタンク120の図1中、セパレータ124よりも右側の領域においては、上ヘッダタンク120の2つの内部空間同士が図示しない複数の連通路により互いに連通するようにしている。
下ヘッダタンク130は、上記の上ヘッダタンク120に準ずるものであり、長手方向両端部の開口部にキャップ133が設けられており、上ヘッダタンク120の構成として説明した、セパレータ124と連通路は廃止されている。
そして、上下ヘッダタンク120、130のコア部110側の壁面には、チューブ用挿入孔、サイドプレート用挿入孔が長手方向に同一ピッチで連続して設けられており、各チューブ111の長手方向端部側およびサイドプレート113の長手方向端部側がそれぞれ挿入され、ろう付けされている。これによってチューブ111は上下ヘッダタンク120、130の内部空間に連通し、また、サイドプレート113の長手方向端部側は上下ヘッダタンク120、130に支持される。
尚、上ヘッダタンク120の図1中、左側近傍には、冷媒が流入する流入口141および冷媒が流出する流出口142が設けられたブロック状のジョイント140がろう付けされており、流入口141は上ヘッダタンク120の内部空間のうち、図1中a部内と連通しており、また、流出口142は上ヘッダタンク120の内部空間のうち、図1中b部内と連通するようにしている。
上記のように形成された蒸発器100においては、冷媒が流入口141から上ヘッダタンク120のa部内に流入した後、送風空気流れ下流側のチューブ111群を上下にUターンして流れ、上ヘッダタンク120の図1中、右側において送風空気流れ上流側のチューブ111群に移り同様に上下にUターンして、流出口142から流出する。この間に蒸発器100は、冷媒を蒸発させその蒸発潜熱によって送風空気を冷却する。
次に、上記蒸発器100のろう付け方法について説明する。本発明のろう付けにおいては使用するフラックスに特徴を持たせている。フラックスは亜鉛置換反応を示す非腐食性のものであり、KZnF(フルオロ亜鉛酸カリウム)をベースとしている。KZnFは、KF(フッ化カリウム)とZnF(フッ化亜鉛)とから成るものであり、両者の混合比は、単体化合物表示でKF/ZnFのモル比を50/50としたものとしている。尚、このモル比は、35/65〜55/45の範囲とするのが好ましい。そして、このKZnFに、所定量のAlF(フッ化アルミニウム、ここでは平均粒径60μm、最大粒径120μmのもの)を添加している(所定量の詳細については後述)。
上記のようにKZnFにAlFを添加したものにバインダーと溶剤を加えてペースト状にして、ロールコータ等を用いてチューブ111の単品状態で表面に乾燥重量で塗布量が例えば12g/mとなるように予め塗布しておく。また、蒸発器100を構成する各部材を組付けた後に治具等で保持して(組付け体として)、KZnFにAlFを添加したものに溶剤を加えて液状にして(湿式フラックス)、上記チューブ111とフィン112との接合部を除く他の接合部に付着させる。
そして、蒸発器100の組付け体をろう付け用の加熱炉内に投入して、一体的にろう付けする。尚、加熱炉内雰囲気を窒素ガス雰囲気(不活性ガス雰囲気)とし、ろう付け温度を595〜605℃とし、ろう付け時間を約5分としている。
上記KZnFをベースとするフラックスを用いたアルミニウム材のろう付けにおいては、KZnF中のZnがアルミニウム(蒸発器100を構成する各部材)と置換して表面に亜鉛拡散層を形成する。亜鉛置換反応を起した後のフラックスは、KとAlとFとから成る非腐食性フラックス(フルオロアルミン酸カリウム(KAlF、KAlF))となって良好なろう付けを可能とする。
ここで、本発明のろう付けにおいては、ベースとなるKZnFにAlFを所定量添加したものとしているので、加熱炉内の加熱雰囲気が悪い場合でも、KZnFは、図8に示すKF−AlF系状態図のAlFモル比の大きい側となって、Alとの反応時においてKAlFの生成を抑えてKAlFをより多く生成するようになる。よって、ろう付け温度条件下(595〜605℃)でもKAlF(融点562〜590℃)が非腐食性フラックスとして有効に作用し、KZnF中のZnによってAl表面に安定した拡散層を形成することができる。
AlFの添加量の最適値については、図3、図4に示す確認結果から決定するようにした。即ち、図8から、KAlFはAlFのモル濃度で示すと50モル%であり、KAlFはAlFのモル濃度で示すと25モル%であることから、KAlFをKAlFにするためには25モル%のAlFを増加すれば良いと考えられる。しかしながら、実際のろう付けにおいては、加熱炉の加熱雰囲気が良ければAlFを添加せずともKZnFからKAlFが生成され、良好なろう付けが成されることから、加熱炉内のO、水分をわざと増加させて加熱雰囲気を悪くした条件で、AlFの添加量に水準を取って、ろう付け状況および亜鉛拡散層の形成状況を定量的に確認した。AlFを添加しない従来のものでは、ろう付け部に約4割の変色部が見られ、この変色部では表面の亜鉛濃度が0.45%レベル、残り6割の変色なし部では亜鉛濃度が3.2%レベルであったが、AlFを添加することで、良好な亜鉛拡散層が得られることが確認できた。ただし、AlFの添加量を増加していくと、KZnFの量が減ってZn量自身が減少することから形成される亜鉛拡散層もAlFの添加量20%を超える点から減少していった。よって、従来のものに対して、充分な亜鉛拡散層を得るために、AlFの添加量としては、50mass%以下が良く、更には10〜30mass%の間が良いと決定した。
また、内部を冷媒(内部流体)が流通する蒸発器100のような熱交換器においては、チューブ111の腐食(孔食)による冷媒漏れは、品質上致命傷となるが、ここでは本発明のフラックスをチューブ111の表面に予め塗布するようにしているので、チューブ111表面に確実に亜鉛拡散層を形成して、チューブ111の耐食性を向上させることができ、孔食による冷媒の漏れを防止することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、KZnFに添加するAlFの粒径を考慮したものである。尚、第2実施形態ではろう付けの対象となる蒸発器100は、上記第1実施形態のものに対して、大型(コア部110の前面面積で約4倍)のものを用いており、ろう付け時の蒸発器100自身の昇温時間が長くなること、蒸発器100に対する炉内熱風の当り方の均一性が低下すること等が加わり、ろう付け条件としてはより厳しいものとしている。
AlFの粒径としては、上記第1実施形態で説明した平均粒径60μm(最大粒径150μm)に対して、平均粒径30μm(最大粒径70μm)、平均粒径6μm(最大粒径30μm)のもので確認をした。
図5に示すように、AlFの各平均粒径とも、その添加量(mass%)を増加していくと、ろう付け部における黒変色の割合が低下していき、黒変色の割合が10%以下となるようにするには、平均粒径60μmで添加量10%以上、平均粒径30μmで添加量7%以上、平均粒径6μmで添加量4%以上が必要であった。また、更にAlFの添加量を増加していくと、ろう付け時の接合率(チューブ111に対するフィン112の接合率)が低下していき、接合率が95%以上となるようにするには、平均粒径60μmで添加量35%以下、平均粒径30μmで添加量25%以下、平均粒径6μmで添加量15%以下が必要であった。
更に、図6、図7に示すように、AlFの各平均粒径が小さいほど、チューブ111表面へのZn拡散層のZn拡散量、拡散深さは大きく得られ、AlFの平均粒径としては、30μm(添加量7〜25%)以下が好ましく、更には、6μm(添加量4〜15%)が好適であることが分かった。
これは、AlFの平均粒径が大きい場合に比べて平均粒径が小さいほど、一粒毎に未反応のまま残る事が無くなるので、AlFは有効にKAlFの生成を抑えるように作用し、少ない添加量でAl表面に安定したZnの拡散層を形成するためと考えられる。更に、添加するAlFの平均粒径が小さいほど、AlFの添加量を少なくして、ベースとなるKZnFの量(含有されるZn量)を減少させないようにすることができるので、Al表面に安定したZnの拡散層を形成することができることとなる。
AlFの平均粒径が小さいことにより、KZnFとの混合性が向上するので、フラックスとしての取扱いが容易となる。つまり、KZnFとAlFとの調合が容易となり、また、チューブ111へのフラックス塗布時にも常に攪拌をし続ける手間を少なくすることができる。更には、塗布時にこぼれたフラックスも均一に攪拌されていることから、再利用も容易となる。
尚、平均粒径30μm以下のAlFの添加量としては、図5における下限ラインおよび上限ラインを添加量と平均粒径との一次式と見て、(平均粒径×0.125+3.25)mass%以上、(平均粒径×0.417+12.5)mass%以下とすることができる。
AlFの平均粒径は、製品に要求される品質の観点から、30μm以下に設定することができ、AlFの取扱いなどに配慮した下限の平均粒径以上に設定することができる。AlFの平均粒径は、製品に要求される品質に応じて、25μm以下、20μm以下、15μm以下もしくは10μm以下に設定することができる。また、AlFの平均粒径は、その入手可能性、取扱い性などに配慮して、6μm前後の値とすることができる。
(その他の実施形態)
上記第1、第2実施形態では、フラックスをチューブ111の単品状態において予め塗布するものとして説明したが、これに限らず、蒸発器100の組付け体を形成した後に、塗布するようにしても良い。
また、ろう付けの対象物としては蒸発器100に限らず、他のコンデンサ、ラジエータ、インタークーラ、オイルクーラ等に適用しても良い。更に、ろう付けの対象物をコア部110としても良い。尚、この場合は、例えば樹脂材から成る上下ヘッダタンク120、130をコア部110に機械的に接合して熱交換器とすれば良い。
蒸発器の全体構成を示す外観斜視図である。 図1における上ヘッダタンク近傍を示す断面図である。 第1実施形態におけるAlFの添加量を変化させた時のろう付け状況、亜鉛拡散状況結果を示す表である。 第1実施形態におけるAlFの添加量を変化させた時の表面の亜鉛濃度結果を示すグラフである。 第2実施形態におけるAlFの平均粒径、添加量を変化させた時の黒変色割合、フィン接合率結果を示すグラフである。 第2実施形態におけるAlFの平均粒径毎の添加量を変化させた時のZn拡散量結果を示すグラフである。 第2実施形態におけるAlFの平均粒径、添加量を変化させた時のZn拡散量、拡散深さ結果を示す表である。 KF−AlF系の状態図である。
符号の説明
100 蒸発器(熱交換器、組立て体)
111 チューブ
112 フィン

Claims (9)

  1. アルミニウムあるいはその合金から成る部材(111、112)同士を組付けて、
    前記組付けにより形成される組付け体(100)の接合すべき部位に亜鉛置換反応を示す非腐食性のフラックスを塗布し、
    不活性ガス雰囲気の加熱炉内で前記組付け体(100)を一体的にろう付けするアルミニウム材のろう付け方法であって、
    前記非腐食性のフラックスとして、KZnFにAlFを所定量添加したものを使用することを特徴とするアルミニウム材のろう付け方法。
  2. 前記KZnFに添加するAlFの量を50mass%以下としたことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材のろう付け方法。
  3. 前記KZnFに添加するAlFの平均粒径を30μm以下としたことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウムのろう付け方法。
  4. 前記KZnFに添加するAlFの量を、(前記平均粒径×0.125+3.25)mass%以上、(前記平均粒径×0.417+12.5)mass%以下としたことを特徴とする請求項3に記載のアルミニウムのろう付け方法。
  5. 前記組付け体(100)は、前記部材(111、112)としてチューブ(111)、フィン(112)を含む熱交換器(100)であり、
    前記KZnFにAlFを所定量添加した前記非腐食性フラックスを前記チューブ(111)に塗布することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のアルミニウム材のろう付け方法。
  6. アルミニウムあるいはその合金から成る部材(111、112)同士を、不活性ガス雰囲気の加熱炉内で一体的にろう付けする際に使用される亜鉛置換反応を示す非腐食性のフラックスであって
    KZnFをベースとしてAlFが所定量添加されたことを特徴とするフラックス。
  7. 前記AlFの添加量は、50mass%以下であることを特徴とする請求項6に記載のフラックス。
  8. 前記AlFの平均粒径は、30μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のフラックス。
  9. 前記AlFの添加量は、(前記平均粒径×0.125+3.25)mass%以上、(前記平均粒径×0.417+12.5)mass%以下であることを特徴とする請求項8に記載のフラックス。
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