JP2006138944A - 定着部材及び定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明では、エンドレスベルトに端面クラックが万が一発生したとしても、その成長を抑制し、破損が広がるまでの時間的猶予を確保することを目的とした。
【解決手段】 少なくともエンドレスベルト状の基層を有するエンドレスベルト部材において、この基層は、ベルト長手方向端部の位置に、ベルト円周に沿って凹溝を有していることを特徴としたエンドレスベルト部材。
【選択図】 図 1
【解決手段】 少なくともエンドレスベルト状の基層を有するエンドレスベルト部材において、この基層は、ベルト長手方向端部の位置に、ベルト円周に沿って凹溝を有していることを特徴としたエンドレスベルト部材。
【選択図】 図 1
Description
本発明は、エンドレスベルト部材、特に、電子写真プロセスのトナー定着に用いられるエンドレス部材よりなる定着部材、およびそれを用いた定着装置に関するものである。
電子写真プロセスのトナー定着において、エンドレスベルト状の部材は、熱容量低減の観点から好んで用いられてきており、様々な工夫から発明提案がなされている。
このようなエンドレスベルト部材は、例えば、特許文献1にあるような、加熱体にセラミックヒータを用い、加圧ローラとの間にこのエンドレスベルト部材を狭持して加熱加圧ニップを形成し、エンドレスベルト部材と加圧ローラの間に記録材を導入し搬送して、トナー定着を行う方式や、例えば特許文献2にあるような、加熱源に電磁誘導方式を用いて同様にトナー定着を行う定着装置と組み合わせて用いられる。
特に、ベルト基材に薄い金属を採用した定着ベルトは、定着性の向上や高速化に対し、熱伝導性における優位性からメリットが大きく、また、電磁誘導加熱方式の場合には、金属の性質との組み合わせで発熱を生じさせるため好んで用いられる。
しかしながら、この金属からなる定着ベルトを、スラスト方向への寄り移動を規制するために定着ベルト端面を固定式のフランジにより受け止める構成にした場合、定着ベルト端面から亀裂(クラック)が生じる場合があることが知られている。例えば、特許文献3によれば、このような課題認識に基づき、端面クラックの発生しにくい装置構成を提案している。
特開昭63−313182号公報
特登録03387765号公報
特開2002−323821号公報
従来検討されてきた技術においては、端面クラックを未然に防ぐ、または発生を抑制するといった観点で対策が施されてきた。しかしながら、構造が複雑になり、加工コストの面で不利な場合もある。
一方で、万が一、端面クラックが発生した場合には、そのクラックを起点に、定着ベルト全体へ破損が広がる可能性が考えられる。(例えば特許文献3)
そこで、本発明は、端面クラックが万が一発生した場合においても、当該クラックの成長が抑制され、その結果として破損し難いエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、端面クラックが万が一発生した場合においても、当該クラックの成長が抑制され、その結果として破損し難いエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材を提供することを目的とする。
本出願に係る第1の発明においては、
少なくともエンドレスベルト状の基層を有するエンドレスベルト部材において、
この基層は、ベルト長手方向端部の位置に、ベルト円周に沿って基層厚みに対して10〜50%の深さである凹溝を有していることを特徴とするエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材とすることにより、本発明の課題解決手段を提供する。
少なくともエンドレスベルト状の基層を有するエンドレスベルト部材において、
この基層は、ベルト長手方向端部の位置に、ベルト円周に沿って基層厚みに対して10〜50%の深さである凹溝を有していることを特徴とするエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材とすることにより、本発明の課題解決手段を提供する。
また、本出願に係る第2の発明におけるエンドレスベルト状の基層が、金属から成るものであることを特徴とするエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材とすることにより、本発明の課題解決手段を提供する。
また、本出願に係る第3の発明においては、
少なくともベエンドレスルト状の基層と表層とを有し、かつ長手方向に通紙領域とする定着部材において、
この基層が、ベルト長手方向の通紙領域外の位置に、ベルト円周に沿って凹溝を有していることを特徴とするエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材とすることにより、本発明の課題解決手段を提供する。
少なくともベエンドレスルト状の基層と表層とを有し、かつ長手方向に通紙領域とする定着部材において、
この基層が、ベルト長手方向の通紙領域外の位置に、ベルト円周に沿って凹溝を有していることを特徴とするエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材とすることにより、本発明の課題解決手段を提供する。
また、本出願に係る第4の発明においては、
第1〜3の発明の定着部材を少なくとも1つ配し、
かつ、この定着部材の少なくとも一方の端面と接するように配された規制部材を有することを特徴とする電子写真用定着装置とすることにより、本発明の課題解決手段を提供する。
第1〜3の発明の定着部材を少なくとも1つ配し、
かつ、この定着部材の少なくとも一方の端面と接するように配された規制部材を有することを特徴とする電子写真用定着装置とすることにより、本発明の課題解決手段を提供する。
本発明によって、エンドレスベルト部材に端面クラックが一発生したとしても、その成長を抑制し、破損が広がるまでの時間的猶予を確保することができ、これにより、ユーザー側が定着ベルトの破損を発見するまでの時間的猶予を確保することとなり、結果、加圧ローラやヒータなどの他部品への破損被害を最小限に留めることができる。上記定着ベルト部材により発揮される本発明の効果をより好適に、定着装置として実施できる。
図1は本発明の効果を示す図である。シートベルト部材端部に発生したクラックは図に示されているように凹溝部分で止まり、それ以上成長しないので本発明の効果を発現することができる。
本発明を実施するにあたり、以下に最良の形態を示す。
本願発明のエンドレスベルト部材は電子写真用定着部材として特に有用である。
定着装置例図2は本発明に従うベルト(フィルム)加熱方式の定着装置の一例の横断面模型図である。
1)全体的装置構成
本例の定着装置は、円筒状のシームレスベルトを用いた、加圧ローラ駆動方式の定着装置である。
1)全体的装置構成
本例の定着装置は、円筒状のシームレスベルトを用いた、加圧ローラ駆動方式の定着装置である。
21は加熱体(ヒータ)、22は該加熱体を固定支持させたヒータホルダー(加熱体保持部材)、23は円筒状のシームレスベルトであり、上記の加熱体21・ヒータホルダー22の組立体に対してルーズに外嵌させて加熱アセンブリとしてある。24は加圧部材としての弾性加圧ローラである。
弾性加圧ローラ24はその両端軸部を回転自在に軸受支持させてあり、この加圧ローラ24の上に上記の加熱アセンブリを加熱体21側を下向きにして並行に配置し、ヒータホルダー22を不図示の加圧ステーにより上部から加圧ローラ24の弾性に抗して所定の押圧力で加圧して、加熱体21と弾性加圧ローラ24との間にベルト23を挟ませて所定幅のニップ部(加熱ニップ部,定着ニップ部)N(図不示)を形成させてある。
加圧ローラ24は駆動手段Mにより矢印bの反時計方向に回転駆動される。ベルト23は加圧ローラ24の回転に伴い内面が加熱体21の表面に摺動しながらヒータホルダー22の外回りを矢印aの時計方向に従動回転する。ヒータホルダー22は回転するベルト23のガイド部材としても機能する。
加熱体21は本例装置ではセラミックヒータであり、通電により迅速に昇温し、所定の定着温度に温調される。
そして、加圧ローラ24が回転駆動され、これに伴いベルト23が従動回転し、加熱体21に通電がなされて所定の定着温度に立ち上がり温調された状態において、ニップ部Nに,不図示の作像機構部から搬送された被加熱材としての、未定着トナー画像tを形成した記録材Pが導入され、ニップ部Nすなわちベルト23と加圧ローラ24との間で挟持搬送されていく。cは被加熱材(記録材)搬送方向である。
記録材Pがニップ部Nを挟持搬送されていく過程において、ベルト23を介した加熱体21からの熱により記録材P上の未定着トナー画像tが記録材P面に加熱定着される。ニップ部Nニップ(例えば(図2断面図で見たときの幅)は、約9mm程度)を出た記録材Pはベルト23の面から分離されて排出搬送される。
a)加熱体21
加熱体は、公知の様々な加熱手段を利用でき、より具体的には、抵抗発熱体を発熱源とした加熱体や、ハロゲンランプを発熱源とした加熱体や、電磁誘導加熱を発熱源とした加熱体などを利用することが出来る。
a)加熱体21
加熱体は、公知の様々な加熱手段を利用でき、より具体的には、抵抗発熱体を発熱源とした加熱体や、ハロゲンランプを発熱源とした加熱体や、電磁誘導加熱を発熱源とした加熱体などを利用することが出来る。
抵抗発熱体を内部に有するセラミックで形成された加熱体(セラミックヒータ)における課題の解決を目的とした場合には、加熱体としては、例えば、耐熱性・絶縁性・良熱伝導性のセラミック基板に、被加熱材搬送方向に対し直交する方向を長手として、銀−パラジウムからなる抵抗発熱体パターンをセラミック基板の長手方向にスクリーン印刷などの公知の手法で形成し、抵抗発熱体パターンを耐熱性のガラスでコートし保護層として形成したものを利用することが出来る。
本例装置において、加熱体21はセラミックヒータであり、長手方向長さ220mm、幅9mm、厚み1mmのアルミナ焼結体基板表面に、長手方向に銀−パラジウムの抵抗発熱体ラインパターンを形成し、その表面をガラスコートしたものを用いた。
ベルト23のニップ下流位置表面及び、ローラに対向する側とは反対側の面である加熱体裏面には、温度検知手段(不図示)を設け、温度検知信号に基づいて電圧制御装置(不図示)で加熱体の抵抗発熱体にかかる電圧を制御することにより温度制御を可能な構成とした。
b)ヒータホルダー22
本例装置において、ヒータホルダー22の素材は液晶ポリマーであり、断面形状は半円弧樋型をしており、ヒータホルダー22の下面部には長手に沿って加熱体21を嵌合させる溝を形成し、その溝内に加熱体21を嵌め入れて接着して固定支持させた。
b)ヒータホルダー22
本例装置において、ヒータホルダー22の素材は液晶ポリマーであり、断面形状は半円弧樋型をしており、ヒータホルダー22の下面部には長手に沿って加熱体21を嵌合させる溝を形成し、その溝内に加熱体21を嵌め入れて接着して固定支持させた。
本例装置においてはこのヒータホルダー22を不図示の加圧ステーにより上部から加圧ローラ24の弾性に抗して総圧で約10kgの荷重で加圧して、加熱体21と弾性加圧ローラ24との間にベルト23を挟ませて所定幅のニップ部Nを形成させてある。
c)ベルト23
ベルト23は、公知の様々なベルト部材を利用でき、より具体的には、金属の基体上にフッ素樹脂やシリコーンゴムなどの耐熱性・離型性の良い材料を表層として積層したもの、基体と表層の間に耐熱性のシリコーンゴムやフッ素ゴムを弾性層として積層したもの、表層のみで形成したものなどを利用することが出来る。
c)ベルト23
ベルト23は、公知の様々なベルト部材を利用でき、より具体的には、金属の基体上にフッ素樹脂やシリコーンゴムなどの耐熱性・離型性の良い材料を表層として積層したもの、基体と表層の間に耐熱性のシリコーンゴムやフッ素ゴムを弾性層として積層したもの、表層のみで形成したものなどを利用することが出来る。
一例としては、Ni、SUS等の金属ベルト表面に、PTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂を表層として形成したものを利用することが出来る。
耐熱性の弾性体層を有したベルトにおける課題の解決を目的とした場合には、ベルト23としては、例えば、ベルト基層としてのNi、SUS等の金属ベルトの表面に、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムを主体とした弾性体層を形成し、この弾性体層の表面にPTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂を表層として形成したものを利用することが出来る。
この弾性体層は、弾性体として有効に機能させるために、0.01mm以上の厚みを有する必要がある。より好ましくは0.1mm以上の厚みがあればよい。また、厚みの上限は特に限定されないが、現実的には3mm以下の厚みが取り扱い上好ましく、さらに熱容量増加によるスタートアップ時間増加とのバランスを考慮した場合には、1.0mm以下の厚みが好ましい。
本例装置において、ベルト23は、内径24mm、長手方向長さ230mmのシームレスベルトである。
ベルト基層について更に詳細に説明する。基層の厚みは、機械的強度とベルトとしての柔軟性の観点から、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは、20〜50μmであると良い。本実施例においては、ベルト基層のベルト長手方向端部の位置に、ベルト円周に沿って凹溝を設けた。凹溝の位置は、表面でも裏面でも良い。この凹溝は、基層厚みに対して、10〜50%の深さにすることで、本発明の効果をより良く発揮できる。10%より深く凹溝を設けたれば、効果の十分な発揮できる、また、50%より浅く凹溝を設けた場合には、部材としての強度を十分に保つことができ、好ましくは、20〜40%の深さに凹溝を設けると良い。
凹溝の幅は特に限定されないが、狭い幅で充分であり、幅50μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下とすると良い。なお、凹溝を設ける手段との兼ね合いで、現実的には、凹溝の幅は、1μm以上となる。凹溝の断面形状は特に限定されず、矩形、台形、V形などが例示できる。凹溝を設ける手段は、特に限定されるものではないが、旋盤等の切削により形成できる。より具体的には、例えば、ベルト基材を固定する中子を用意し、この中子にベルトを装着固定し、旋盤に取り付けて回転させ、表面所望の位置にバイトを押しつけ凹溝を形成する。このとき、バイトの形状、押しつけ程度によって凹溝の幅や深さや形状を所望に形成することができる。
d)加圧ローラ24
ベルト23を挟んで加熱体21とニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ24は、適度な弾性を有する耐熱性のローラであれば特に限定されるものではなく、例えば、鉄やアルミニウム等の芯金24aと、この芯金の外周に形成したシリコーンゴムなどの弾性体層24bと、この弾性体層の外周に形成したフッ素樹脂からなる表層24cからなる弾性加圧ローラを利用することが出来る。
凹溝の幅は特に限定されないが、狭い幅で充分であり、幅50μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下とすると良い。なお、凹溝を設ける手段との兼ね合いで、現実的には、凹溝の幅は、1μm以上となる。凹溝の断面形状は特に限定されず、矩形、台形、V形などが例示できる。凹溝を設ける手段は、特に限定されるものではないが、旋盤等の切削により形成できる。より具体的には、例えば、ベルト基材を固定する中子を用意し、この中子にベルトを装着固定し、旋盤に取り付けて回転させ、表面所望の位置にバイトを押しつけ凹溝を形成する。このとき、バイトの形状、押しつけ程度によって凹溝の幅や深さや形状を所望に形成することができる。
d)加圧ローラ24
ベルト23を挟んで加熱体21とニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ24は、適度な弾性を有する耐熱性のローラであれば特に限定されるものではなく、例えば、鉄やアルミニウム等の芯金24aと、この芯金の外周に形成したシリコーンゴムなどの弾性体層24bと、この弾性体層の外周に形成したフッ素樹脂からなる表層24cからなる弾性加圧ローラを利用することが出来る。
本例装置において、加圧ローラ24は、外径20mm、長手方向長さ220mmのローラであり、アルミの芯金24aに、JIS−A硬度25°のシリコーンゴム層24bを4mmの厚みで形成し、次いで、フッ素ゴム接着用プライマーでその表面をプライマー処理した後、表層(商品名:GLS−213、ダイキン工業株式会社製)24cを約30μm形成したものである。
また、摺動性の観点から、ヒータホルダー22と、ベルト23の内面との間には潤滑性液体を介在させることが好適である。
潤滑性液体には例えば、フッ素グリースやシリコーングリースなどの耐熱性グリースを用いることが出来る。
図3には別の角度から見た定着装置の例を示した。定着ベルト31の端部位置には、ベルトの寄り防止のための規制部材として、端部フランジ33が配置されている。テーパー形状の部位がベルト内面に挿入・固定されており、ベルトが軸方向にずれようとするとき、その動きを規制するように作用する。この規制部材は、このような端部フランジだけでなく、規制板やガイド等の形状であってもよい。
クラック発生試験機の説明
図4には、本発明実施の効果を明らかにするためのクラック発生試験機の概略図を示した。これは、定着装置の端部を模擬的に再現したものであり、簡易かつ簡便にクラック発生テストが行える。駆動ローラ41内にはヒータ(図示せず)が仕込まれており、ベルト表面の温度検出手段(図示せず)により温調可能となっている。ダミー規制部材は耐熱性樹脂であるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂の厚さ2mmの板を切り出し、ベルト端部に接するように固定配置した。ベルトは、定着ベルトを任意の幅で切り出し用いることができる。今回の試験では、幅50mmに切り出し、評価を行った。
クラック発生試験機の説明
図4には、本発明実施の効果を明らかにするためのクラック発生試験機の概略図を示した。これは、定着装置の端部を模擬的に再現したものであり、簡易かつ簡便にクラック発生テストが行える。駆動ローラ41内にはヒータ(図示せず)が仕込まれており、ベルト表面の温度検出手段(図示せず)により温調可能となっている。ダミー規制部材は耐熱性樹脂であるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂の厚さ2mmの板を切り出し、ベルト端部に接するように固定配置した。ベルトは、定着ベルトを任意の幅で切り出し用いることができる。今回の試験では、幅50mmに切り出し、評価を行った。
クラック発生試験は、180℃の温度で、ベルトの回転速度を100mm/secで動かすことで行った。クラック発生時に、そのクラックが、凹溝を超えるか否かにより、凹溝のクラック成長防止効果の有無を確認した。
[実施例1]
実施例1として、厚み50μmであり、長さ250mm、内径24mmのシームレスSUS円筒部材をベルト基層として用意し、固定用中子に装着し、両端部15mmの位置(端部からの距離)に、幅10μm、深さ25μm(厚みに対して50%)の凹溝を旋盤を用いて形成した。次いで、SUSベルト表面をシリコーン用プライマー(DY39−051、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)で処理した。次いで、弾性体層として、JIS−A硬度30°、熱伝導率約0.76W/m・Kのシリコーンゴムを、400μmの厚みでSUS上にコート後加熱架橋により成形した。次いで、フッ素用プライマー(GLP−103SR、ダイキン工業(株)製)でその表面をプライマー処理した後、表層(GLS−213、ダイキン工業株式会社)を約30μmコート後焼成し形成した。このようにして得られた円筒成形体を、まず、両端部を幅10mmで旋盤にて切断し、定着ベルトとして幅230mmのものを得た。このとき、端部から5mmの位置に凹溝は存在する。ついで、この定着ベルトをクラック発生試験にかけるため、端部から50mmの幅でベルトを切り出し、試験サンプルを得た。
実施例1として、厚み50μmであり、長さ250mm、内径24mmのシームレスSUS円筒部材をベルト基層として用意し、固定用中子に装着し、両端部15mmの位置(端部からの距離)に、幅10μm、深さ25μm(厚みに対して50%)の凹溝を旋盤を用いて形成した。次いで、SUSベルト表面をシリコーン用プライマー(DY39−051、東レダウコーニングシリコーン株式会社製)で処理した。次いで、弾性体層として、JIS−A硬度30°、熱伝導率約0.76W/m・Kのシリコーンゴムを、400μmの厚みでSUS上にコート後加熱架橋により成形した。次いで、フッ素用プライマー(GLP−103SR、ダイキン工業(株)製)でその表面をプライマー処理した後、表層(GLS−213、ダイキン工業株式会社)を約30μmコート後焼成し形成した。このようにして得られた円筒成形体を、まず、両端部を幅10mmで旋盤にて切断し、定着ベルトとして幅230mmのものを得た。このとき、端部から5mmの位置に凹溝は存在する。ついで、この定着ベルトをクラック発生試験にかけるため、端部から50mmの幅でベルトを切り出し、試験サンプルを得た。
この試験サンプルに対して、凹溝に近い方の端面がダミー規制部材に接するように配置し、クラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、凹溝位置で進行が止まり、凹溝を超えた位置にはクラックは進行しなかった。
[実施例2]
実施例1のうち、凹溝の幅を5μm、深さを5μm(厚みに対して10%)とした以外は実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、凹溝位置で進行が止まり、凹溝を超えた位置にはクラックは進行しなかった。
実施例1のうち、凹溝の幅を5μm、深さを5μm(厚みに対して10%)とした以外は実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、凹溝位置で進行が止まり、凹溝を超えた位置にはクラックは進行しなかった。
[実施例3]
実施例1のうち、厚みが20μmであるSUS円筒部材を用い、凹溝の幅を10μm、深さを10μm(厚みに対して50%)とした以外は実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、凹溝位置で進行が止まり、凹溝を超えた位置にはクラックは進行しなかった。
実施例1のうち、厚みが20μmであるSUS円筒部材を用い、凹溝の幅を10μm、深さを10μm(厚みに対して50%)とした以外は実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、凹溝位置で進行が止まり、凹溝を超えた位置にはクラックは進行しなかった。
[比較例1]
実施例1のうち、凹溝を設けずに実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、実施例1の凹溝がある位置を超えてクラックが成長し、最終的にはベルトが破断した。
実施例1のうち、凹溝を設けずに実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、実施例1の凹溝がある位置を超えてクラックが成長し、最終的にはベルトが破断した。
[比較例2]
実施例1のうち、凹溝の幅を5μm、深さを1μm(厚みに対して2%)とした以外は実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、凹溝位置で進行が止まる部分もあったが、凹溝を超えて成長するクラックもあり、最終的にはベルトが破断した。
実施例1のうち、凹溝の幅を5μm、深さを1μm(厚みに対して2%)とした以外は実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部で発生したクラックは、凹溝位置で進行が止まる部分もあったが、凹溝を超えて成長するクラックもあり、最終的にはベルトが破断した。
[比較例3]
実施例1のうち、凹溝の幅を20μm、深さを40μm(厚みに対して80%)とした以外は実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部でのクラック発生よりも、凹溝部での亀裂が早く発生し、ベルト全体は破断しなかったものの、凹溝部の破壊が問題となった。
実施例1のうち、凹溝の幅を20μm、深さを40μm(厚みに対して80%)とした以外は実施例1と同じ方法で作成した定着ベルトに対し、実施例1と同様にクラック発生試験を行ったところ、ダミー規制部材との接触端部でのクラック発生よりも、凹溝部での亀裂が早く発生し、ベルト全体は破断しなかったものの、凹溝部の破壊が問題となった。
これら評価結果については、表1にまとめた。
なお、実施例1〜3で製作した定着ベルトを、図3に示した定着装置に組み込み、通紙テストを行ったところ、定着装置として問題なく使用することができた。
以上述べたように、本発明によれば、エンドレスベルトに端面クラックが万が一発生したとしても、その成長が抑制され、破損し難い電子写真用定着部材を得られるものである。そして、これにより、例え電子写真用定着部材の破損に伴う加圧ローラやヒータなどの他部品を破損してしまう可能性を低減することができる。
21:ヒータ 22:ヒータホルダー 23:定着ベルト
24:加圧ローラ 24a:芯金 24b:弾性体層 24c:表層
P:記録紙 t:トナー M:モータ
31:定着ベルト 32:ヒータホルダー 33:端部フランジ
34:加圧バネ 35:加圧ローラ 36:駆動ギヤ
41:ベルト駆動ローラ 42:試験ベルト 43:ダミー規制部材
44:駆動ギヤ 4a:ベルト駆動ローラ回転方向 4b:ベルト移動方向
24:加圧ローラ 24a:芯金 24b:弾性体層 24c:表層
P:記録紙 t:トナー M:モータ
31:定着ベルト 32:ヒータホルダー 33:端部フランジ
34:加圧バネ 35:加圧ローラ 36:駆動ギヤ
41:ベルト駆動ローラ 42:試験ベルト 43:ダミー規制部材
44:駆動ギヤ 4a:ベルト駆動ローラ回転方向 4b:ベルト移動方向
Claims (4)
- 少なくともエンドレスベルト状の基層を有するエンドレスベルト部材において、
この基層は、ベルト長手方向端部の位置に、ベルト円周に沿って基層厚みに対して10〜50%の深さである凹溝を有していることを特徴とするエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材。 - 請求項1記載のエンドレスベルト状の基層が、金属から成るものであることを特徴とするエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材。
- 少なくともベエンドレスルト状の基層と表層とを有し、かつ長手方向に通紙領域とする定着部材において、
この基層が、ベルト長手方向の通紙領域外の位置に、ベルト円周に沿って凹溝を有していることを特徴と請求項1または2記載のエンドレスベルト部材よりなる電子写真用定着部材。 - 請求項1〜3の何れかに記載の定着部材を少なくとも1つ配し、
かつ、この定着部材の少なくとも一方の端面と接するように配された規制部材を有することを特徴とする電子写真用定着装置。
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ID=36619834
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010078991A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置 |
JP2012163586A (ja) * | 2011-02-03 | 2012-08-30 | Canon Inc | 像加熱装置 |
-
2004
- 2004-11-10 JP JP2004326718A patent/JP2006138944A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010078991A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置 |
JP2012163586A (ja) * | 2011-02-03 | 2012-08-30 | Canon Inc | 像加熱装置 |
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