JP2006137020A - 空気入りラジアルタイヤの製造方法 - Google Patents
空気入りラジアルタイヤの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006137020A JP2006137020A JP2004326426A JP2004326426A JP2006137020A JP 2006137020 A JP2006137020 A JP 2006137020A JP 2004326426 A JP2004326426 A JP 2004326426A JP 2004326426 A JP2004326426 A JP 2004326426A JP 2006137020 A JP2006137020 A JP 2006137020A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt
- winding
- layer
- forming drum
- manufacturing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Tyre Moulding (AREA)
Abstract
【課題】 高速耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤを、タイヤサイズの如何に拘らず、同一構造のベルト成形ドラムで成形可能にした空気入りラジアルタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】 幅方向に同一半径を有すると共に、その半径を拡縮可能にしたベルト成形ドラム1を使用して、ベルト成形ドラム1に巻き付けたベルト層2a、2bの外周側にゴム被覆した繊維コードからなる帯状補強部材3aを周方向に巻回してベルトカバー層6を形成するに際し、帯状補強部材3aの巻回時におけるベルト成形ドラム1の半径を、ベルト層2a、2bの中央域における巻回時には大きく、端部域における巻回時には小さくなるように、連続的又は段階的に変化させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 幅方向に同一半径を有すると共に、その半径を拡縮可能にしたベルト成形ドラム1を使用して、ベルト成形ドラム1に巻き付けたベルト層2a、2bの外周側にゴム被覆した繊維コードからなる帯状補強部材3aを周方向に巻回してベルトカバー層6を形成するに際し、帯状補強部材3aの巻回時におけるベルト成形ドラム1の半径を、ベルト層2a、2bの中央域における巻回時には大きく、端部域における巻回時には小さくなるように、連続的又は段階的に変化させるようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は空気入りラジアルタイヤの製造方法に関し、さらに詳しくは、高速耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤをタイヤサイズの如何に拘らず、同一構造のベルト成形ドラムで成形可能にした空気入りラジアルタイヤの製造方法に関する。
従来、空気入りラジアルタイヤの高速耐久性を確保するために、ベルト層の外周側にベルトカバー層を配置し、このベルトカバー層により高速走行時におけるベルト層端部のせり上がりを抑制することが行なわれている。このベルトカバー層は、ベルト成形ドラムに巻き付けられたベルト層の外周側に、ゴム被覆したナイロン等の繊維コードからなる帯状補強部材を周方向に巻回することにより形成される。
このベルトカバー層の外周にはトレッドゴムが貼り合わされ、ベルト成形ドラムから取り外された後、別に成形されたカーカスを含むタイヤ胴体の外周側に配置される。その後、タイヤ胴体の膨径により合体されて未加硫タイヤに成形され、この未加硫タイヤが金型内に挿入されて、その内側からブラダーの膨径により金型内面に押し付けられた状態で加硫成形される。
したがって、ベルトカバー層はベルト成形ドラム上では一定の外径の円筒状に形成されていたものが、タイヤ胴体の膨径に伴い中央部が太鼓状に拡径されるため、膨径後のベルトカバー層を構成する繊維コードの張力は中央部で大きく、両端部で小さくなっている。このようにして成形された加硫後のタイヤは、高速走行したときのベルトカバー層の両端部における繊維コードが伸び易くなるために、ベルト層の両端部におけるせり上がりの抑制力が十分に得られず、高速耐久性が低下するという問題があった。
この対策として、特許文献1では、ベルト成形ドラムの外周面を軸方向の中央部で膨らませた太鼓状の形態に形成し、成形後のタイヤにおけるベルトカバー層を構成する繊維コードの張力をベルトカバー層の幅方向の全域において略均等になるようにすることを提案している。
しかしながら、この提案では、あらかじめタイヤのサイズ毎に太鼓状の膨らみの異なる成形ドラム多数を用意しておく必要があり、さらには、タイヤの成形工程における段替え作業が増加して作業性が低下するという問題がある。
特開2003−225953号公報
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消するもので、高速耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤを、タイヤサイズの如何に拘らず、同一構造のベルト成形ドラムで成形可能にした空気入りラジアルタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤの製造方法は、幅方向に同一半径を有すると共に、その半径を拡縮可能にしたベルト成形ドラムを使用して、該ベルト成形ドラムに巻き付けたベルト層の外周側にゴム被覆した繊維コードからなる帯状補強部材を周方向に巻回してベルトカバー層を形成するに際し、前記帯状補強部材の巻回時における前記ベルト成形ドラムの半径を、前記ベルト層の中央域における巻回時調整するには大きく、前記ベルト層の端部域における巻回時には小さくなるように、連続的又は段階的に変化させるようにしたことを要旨とする。
本発明によれば、ベルト成形ドラムの半径を拡縮可能に構成し、このベルト成形ドラムに巻き付けたベルト層の外周側に帯状補強部材を巻回するに際し、帯状補強部材の巻回時におけるベルト成形ドラムの半径を、ベルト層の中央域における巻回時には大きく、端部域における巻回時には小さくなるように、連続的又は段階的に変化させるようにしたので、成形後の未加硫タイヤにおけるベルトカバー層を構成する繊維コードの張力を幅方向の全域において略均等に保持することができる。
これにより、加硫後のタイヤの高速走行時におけるベルト層の両端部のせり上がりを効率よく抑制し、高速耐久性を向上させることができる。しかも、ベルト成形ドラムの半径の拡縮を調整するだけで、如何なるタイヤサイズの成形にも対応することができるので、設備コストを著しく低減することができると共に、タイヤ製造工程における作業性を向上させることができる。
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の空気入りラジアルタイヤの製造方法は、ベルト層の外周側に配置するベルトカバー層の成形工程に特徴を有するもので、特にベルトカバー層を構成する帯状補強部材の巻回工程に特徴を有するものである。
本発明において使用するベルト成形ドラム(以下、単に成形ドラムという)は、幅方向に同一半径を有すると共に、その半径を拡縮可能に構成しており、この成形ドラムに巻き付けたベルト層の外周側にゴム被覆した繊維コードからなる帯状補強部材を周方向に巻回してベルトカバー層を形成するに際して、帯状補強部材の巻回時における成形ドラムの半径を、ベルト層の中央域における巻回時には大きく、ベルト層の端部域における巻回時には小さくなるように、連続的又は段階的に変化させるようにしている。
このように帯状補強部材の巻回時に成形ドラムの半径を拡縮するため、成形ドラム上でのベルトカバー層の形成が終了した段階では、ベルトカバー層を構成する繊維コードの張力はベルトカバー層の中央部において小さく、ベルトカバー層の両端部に向かうほど大きくなっている。
その後、ベルトカバー層の外周側にトレッドゴムが貼り合わされて踏面成形体が形成される。次いで、この踏面成形体が成形ドラムの縮径により成形ドラムから取り外される。この段階では、踏面成形体におけるベルト層及びベルトカバー層は、成形ドラムの拡径に伴う周方向の張力から開放されて、その両端部がベルト層及びベルトカバー層の収縮力によって収縮し、ベルトカバー層を構成する繊維コードの張力はベルトカバー層の幅方向の全域において略均等になっている。
その後、踏面成形体は、別に成形されたカーカスを含むタイヤ胴体の外周側に配置された後、タイヤ胴体の膨径により合体されて未加硫タイヤに成形される。その後、この未加硫タイヤは金型内に挿入されて、その内側からブラダーの膨径により金型内面に押し付けられた状態で加硫成形される。
上述するように、成形後の未加硫タイヤにおけるベルトカバー層を構成する繊維コードの張力は幅方向の全域において略均等に保持されているため、加硫後のタイヤにおいてもベルトカバー層を構成する繊維コードの張力は幅方向の全域において略均等に保持され、タイヤの高速走行時におけるベルト層の両端部のせり上がりを効率よく抑制し、高速耐久性を向上させることができる。
しかも、成形ドラムの半径の拡縮を調整するだけで、如何なるタイヤサイズの成形にも対応することができるので、設備コストを著しく低減することができると共に、タイヤ製造工程における作業性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する
図1は第一の実施形態による空気入りラジアルタイヤの製造方法におけるベルトカバー層の巻回工程の一連の流れを説明する要部の断面図で、1は成形ドラム、2a及び2bはベルト層、3aはベルトカバー層を構成する帯状補強部材である。帯状補強部材3aは、ナイロン、ポリエステル等の熱収縮性材料からなる繊維コードの1本又は数本の周囲にゴムを被覆した帯状体により構成されている。
図1は第一の実施形態による空気入りラジアルタイヤの製造方法におけるベルトカバー層の巻回工程の一連の流れを説明する要部の断面図で、1は成形ドラム、2a及び2bはベルト層、3aはベルトカバー層を構成する帯状補強部材である。帯状補強部材3aは、ナイロン、ポリエステル等の熱収縮性材料からなる繊維コードの1本又は数本の周囲にゴムを被覆した帯状体により構成されている。
図1において、成形ドラム1上には、ベルト層2a及び2bが順次巻き付けられ、その後、(a)に示すようにベルト層2aの両端部域の位置から成形ドラム1に向かってそれぞれ帯状補強部材3a、3aが供給され、成形ドラム1の回転と共に、成形ドラム1の半径を連続的又は段階的に拡径させながら、帯状補強部材3a、3aがベルト層2a及び2bの中央域側に順次巻回される。
帯状補強部材3a、3aの供給位置は、(a)→(b)→(c)に示すように、巻回の進行に伴い図中のベルト層2a及び2bの端部位置から中央方向に少しずつ移動して行き、(c)に示すように帯状補強部材3a、3aがベルト層2a及び2bの外周側の全域を覆った時点で、成形ドラム1の回転と帯状補強部材3a、3aの供給とが停止される。
このような一連の帯状補強部材3a、3aの巻回工程において、本発明では、成形ドラム1の半径を、ベルト層の中央域における巻回時には大きく、端部域における巻回時には小さくなるように、連続的又は段階的に変化させている。したがって、図1の(a)の状態では成形ドラム1の半径が最も小さくなっており、図1の(c)の状態では成形ドラム1の半径が最も大きくなっている。
本実施形態では、帯状補強部材3aを巻回する(a)→(b)→(c)の一連の工程を通じて、互いに交差するベルト層2a及び2bを構成する各ベルトコードは、成形ドラム1の拡径に対応して、成形ドラム1上でコード角度を変更させている。また、図1の(c)に示す帯状補強部材3a、3aの巻回を終えた時点では、ベルトカバー層を構成する繊維コードの張力は、ベルトカバー層の両端部において大きく、中央部において小さくなっている。
帯状補強部材3a、3aのベルト層2a及び2bの外周側への巻回を終えた後、ベルトカバー層6の外周側にはトレッドゴム4(図4参照)が貼り合わされて踏面成形体5の形成が完了する。
その後、成形ドラム1の半径が図1の(a)の状態よりさらに縮径されて、踏面成形体5が成形ドラム1から取り外される。図4は成形ドラム1から取り外された後における踏面成形体5の形態を示し、この段階では踏面成形体5におけるベルト層2a、2b及びベルトカバー層6は成形ドラム1の拡径に伴う周方向の張力から開放されて、その両端部がベルト層2a、2b及び帯状補強部材3a、3aの収縮力により収縮し、加硫後のタイヤのトレッド部に近似した形態になる。この状態では、ベルトカバー層6を構成する繊維コードの張力は、ベルトカバー層の幅方向の全域において略均等になっている。ここで、ベルトカバー層6を構成する繊維コードの張力の大きさは、帯状補強部材3a、3aの巻回時における成形ドラム1の拡径の割合により調整される。
その後、踏面成形体5は、別に成形されたカーカスを含むタイヤ胴体の外周側に配置され、タイヤ胴体の膨径に伴い合体されて未加硫タイヤが成形される。このようにして成形された未加硫タイヤは、公知の方法により加硫金型内でさらに膨径されながら加硫されて、図5に示すような空気入りラジアルタイヤTが得られる。
図2は本発明の第二の実施形態による空気入りラジアルタイヤの製造方法におけるベルトカバー層5の巻回工程の流れを説明する図1と同様の断面図である。
本実施形態では、成形ドラム1にベルト層2a及び2bが順次巻き付けられた後、成形ドラム1の半径が一旦拡径される。その後(a)に示すように、ベルト層2aの中央域の位置から成形ドラム1に向かってそれぞれ帯状補強部材3a、3aが供給され、成形ドラム1の回転と共に、成形ドラム1の半径を連続的又は段階的に縮径させながら、帯状補強部材3a、3aがベルト層2a及び2bの両端部域側に順次巻回される。
帯状補強部材3a、3aの供給位置は(a)→(b)→(c)に示すように、巻回の進行に伴い図中のベルト層2a及び2bの中央位置から両端部方向に少しずつ移動して行き、(c)に示すように帯状補強部材3a、3aの供給位置がベルト層2a及び2bの両端部の位置に達し、帯状補強部材3a、3aがベルト層2a及び2bの外周側の全域を覆った時点で、成形ドラム1の回転及び帯状補強部材3a、3aの供給が停止する。したがって、図2の一連の工程(a)→(b)→(c)において、(a)の状態では成形ドラム1の半径が最も大きくなっており、(c)の状態では成形ドラム1の半径が最も小さくなっている。
本実施形態では、成形ドラム1の半径を一旦大きくした後、小さく変化させながら帯状補強部材3aを巻回するため、(a)→(b)→(c)の一連の工程を通じて、互いに交差するベルト層2a及び2bを構成する各ベルトコードは、成形ドラム1の半径の変化に対応して、成形ドラム1上でコード角度の変更を繰り返すことになる。また、図2の(c)に示す帯状補強部材3a、3aの巻回を終えた時点では、ベルトカバー層を構成する繊維コードの張力は、ベルトカバー層の両端部において大きく、中央部において小さくなっている。
本実施形態による帯状補強部材3aを巻回した後の製造工程及びこの方法により得られる空気入りラジアルタイヤの構成については、第一の実施形態と同等であるため、重複した説明を省略する。
図3は本発明の第三の実施形態による空気入りラジアルタイヤの製造方法におけるベルトカバー層5の巻回工程の流れを説明する図1と同様の断面図である。
本実施形態では、成形ドラム1にベルト層2a及び2bが順次巻き付けられた後、(a)に示すように、ベルト層2aの一方の端部の位置から成形ドラム1に向かって帯状補強部材3aが供給され、成形ドラム1の回転と共に、成形ドラム1の半径を連続的又は段階的に変化させながら、帯状補強部材3aがベルト層2a及び2bの他方の端部側に順次巻回される。
帯状補強部材3aの供給位置は(a)→(b)→(c)に示すように、巻回の進行に伴い図中のベルト層2a及び2bの一方の端部位置から他方の端部方向に少しずつ移動して行き、帯状補強部材3aの供給位置がベルト層2a及び2bの他方の端部の位置に達し、(c)に示すように帯状補強部材3aがベルト層2a及び2bの外周側の全域を覆った時点で、成形ドラム1の回転及び帯状補強部材3aの供給が停止する。したがって、図3の一連の工程(a)→(b)→(c)において、(a)及び(c)の状態では成形ドラム1の半径が最も小さくなっており、(b)の状態では成形ドラム1の半径が最も大きくなっている。
本実施形態では、成形ドラム1の半径を、ベルト層2a及び2bの中央域の巻回時までは連続的又は段階的に拡径して行き、その後は連続的又は段階的に縮径させるので、(a)→(b)→(c)の一連の工程を通じて、互いに交差するベルト層2a及び2bを構成する各ベルトコードは、成形ドラム1の半径の拡縮に対応して、成形ドラム1上でコード角度をやや複雑に変化させるが、図2の(c)に示す帯状補強部材3a、3aの巻回を終えた時点では、ベルトカバー層を構成する繊維コードの張力は、ベルトカバー層の両端部において大きく、中央部において小さくなっている。
本実施形態による帯状補強部材3aを巻回した後の製造工程及びこの方法により得られた空気入りラジアルタイヤの構成については、第一の実施形態と同等であるため、重複した説明を省略する。
上述するように、本発明における成形ドラム1上での踏面成形体5の成形工程では、帯状補強部材3aの巻回時の成形ドラム1の半径の変化に伴い、ベルト層2a及び2bには周方向の力が作用することになるが、ベルト層2a及び2bを構成する各ベルトコードが互いにコード角度を変更させながら対応するため、このような成形ドラム1の半径の拡縮が加硫後のタイヤのユニフォミティーに与える影響は殆どない。
本発明の製造方法では、帯状補強部材3aの巻回時におけるベルト成形ドラム1の半径の変化の割合を調整することにより、加硫後のタイヤから抜き出したときのベルトカバー層6の幅方向中央部における帯状補強部材3aを構成する繊維コードの収縮率Bcとベルトカバー層6の幅方向両端部における収縮率Beとの差(Bc−Be)が−3%以上、2%以下となるようにするとよい。これにより、タイヤの高速走行時におけるベルト層2a及び2bのせり上がりを効率よく抑制し、高速耐久性を向上させることができる。上述する繊維コードの収縮率の差(Bc−Be)が上記の範囲を逸脱すると、高速走行時におけるベルト層2a及び2bのせり上がりを有効に抑制することが難しくなり、高速耐久性が低下するようになる。
上述するベルトカバー層6の幅方向中央部とは、ベルトカバー層6の総幅Wの1/3を占める中央部における領域をいい、幅方向両端部とはそれぞれベルトカバー層6の総幅Wの1/3を占める両端部における領域をいう。
上述するように、本発明の空気入りラジアルタイヤの製造方法は、半径を拡縮可能にした成形ドラムを使用して、ベルト層の外周側に帯状補強部材を巻回するに際して、成形ドラムの半径を、ベルト層の中央域の巻回時において大きく、両端部域の巻回時において小さくなるように、連続的又は段階的に変化させることにより、成形後の未加硫タイヤにおけるベルトカバー層を構成する繊維コードの張力をベルトカバー層の幅方向の全域において略均等にするようにしたもので、これにより、高速耐久性に優れた空気入りラジアルタイヤをタイヤサイズの如何に拘らず、同一構造のベルト成形ドラムで成形可能にすることから、設備コストを著しく低減することができると共に、タイヤ製造工程における作業性を向上させるものである。
タイヤサイズを245/40ZR18として、ベルト層の外周側への帯状補強部材の巻回を、成形ドラムの半径を変化させずに成形した従来タイヤ(従来例)と、図1の実施形態により成形ドラムの半径を変化させて成形した本発明タイヤ(実施例1〜5)とをそれぞれ製作した。
ここで、加硫後の各タイヤからゴムが被覆された状態でベルトカバー層の繊維コードを取り出し、これら繊維コードのうち、ベルトカバー層の中央部から取り出した周方向長さが1番長い繊維コードにおける収縮率Bcと、両端部から取り出した周方向長さが1番短い繊維コードにおける収縮率Beとを測定したところ、その差(Bc−Be)が表1のようであった。
なお、繊維コードの収縮率の算定は、ゴムが被覆された状態の長さL1と、ゴムを剥離した後の状態の長さL2とを測定し、それぞれ(L1−L2)/L1の算定式により算出して表した。
これら6種類のタイヤを、それぞれ以下の試験方法により高速耐久性を評価し、その結果を従来例を100とする指数により表lに併記した。数値が大きいほど優れていることを示す。
〔高速耐久性〕
各タイヤに空気圧320kPaを充填し、室内ドラム耐久試験機(ドラム径:1707mm)により、最大負荷能力の68%に相当する負荷を与えて、初速度を40km/hとして、加速速度を10分毎に10km/hとして連続走行させ、タイヤが破壊するまでの時間を測定した。
各タイヤに空気圧320kPaを充填し、室内ドラム耐久試験機(ドラム径:1707mm)により、最大負荷能力の68%に相当する負荷を与えて、初速度を40km/hとして、加速速度を10分毎に10km/hとして連続走行させ、タイヤが破壊するまでの時間を測定した。
表1から実施例タイヤ1〜3は、従来タイヤと比較して高速耐久性が向上していることがわかる。実施例タイヤ4及び5は、繊維コード収縮率の差(Bc−Be)が大きすぎるため、従来タイヤと比較して高速耐久性が低下することを確認した。
l 成形ドラム
2a、2b ベルト層
3a 帯状補強部材
4 トレッドゴム
5 踏面成形体
6 ベルトカバー層
2a、2b ベルト層
3a 帯状補強部材
4 トレッドゴム
5 踏面成形体
6 ベルトカバー層
Claims (6)
- 幅方向に同一半径を有すると共に、その半径を拡縮可能にしたベルト成形ドラムを使用して、該ベルト成形ドラムに巻き付けたベルト層の外周側にゴム被覆した繊維コードからなる帯状補強部材を周方向に巻回してベルトカバー層を形成するに際し、
前記帯状補強部材の巻回時における前記ベルト成形ドラムの半径を、前記ベルト層の中央域における巻回時には大きく、前記ベルト層の端部域における巻回時には小さくなるように、連続的又は段階的に変化させるようにした空気入りラジアルタイヤの製造方法。 - 前記帯状補強部材の巻回を前記ベルト層の両端部域から開始し、前記ベルト成形ドラムの半径を連続的又は段階的に拡径させながら、前記ベルト層の中央域側への巻回に移行させる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
- 前記帯状補強部材の巻回を前記ベルト層の中央域から開始し、前記ベルト成形ドラムの半径を連続的又は段階的に縮径させながら、前記ベルト層の両端部域側への巻回に移行させる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
- 前記帯状補強部材の巻回を前記ベルト層の一方の端部域から開始し、前記ベルト成形ドラムの半径を連続的又は段階的に変化させながら、前記ベルト層の他方の端部域側への巻回に移行させる請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
- 加硫後のタイヤから抜き出したときの前記ベルトカバー層の幅方向中央部における前記帯状補強部材を構成する繊維コードの収縮率Bcと前記ベルトカバー層の幅方向両端部における収縮率Beとの差(Bc−Be)が−3%以上、2%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法から得られた空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004326426A JP2006137020A (ja) | 2004-11-10 | 2004-11-10 | 空気入りラジアルタイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004326426A JP2006137020A (ja) | 2004-11-10 | 2004-11-10 | 空気入りラジアルタイヤの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006137020A true JP2006137020A (ja) | 2006-06-01 |
Family
ID=36618139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004326426A Pending JP2006137020A (ja) | 2004-11-10 | 2004-11-10 | 空気入りラジアルタイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006137020A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009113583A1 (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-17 | 本田技研工業株式会社 | 車両用ラジアルタイヤ及びその製造方法 |
-
2004
- 2004-11-10 JP JP2004326426A patent/JP2006137020A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009113583A1 (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-17 | 本田技研工業株式会社 | 車両用ラジアルタイヤ及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4294803B2 (ja) | 自動車用タイヤのカーカス構造体の製造方法及び自動車の車輪用タイヤのカーカス構造体 | |
CN103587134B (zh) | 无套筒的轮胎成型鼓 | |
JP2006160236A (ja) | 空気入りタイヤ及びその製造方法 | |
JPH11254906A (ja) | 車両の車輪用タイヤ | |
JPH11314284A (ja) | タイヤの製造方法 | |
EP2018977A1 (en) | Pneumatic tire and method for producing the same | |
KR20120053942A (ko) | 공기 타이어의 제조방법 | |
JP2007069408A (ja) | 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ | |
EP2923827B1 (en) | Method for manufacturing a motorcycle tire | |
JP2006298238A (ja) | 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 | |
KR100454523B1 (ko) | 공기 타이어 예비형성품의 제조 방법 | |
JP4411928B2 (ja) | タイヤ成形方法 | |
JP2007076182A (ja) | 自動二輪車用ラジアルタイヤの製造方法 | |
JP2006137020A (ja) | 空気入りラジアルタイヤの製造方法 | |
JP7314555B2 (ja) | 自動二輪車用タイヤの製造方法及びプロファイルデッキ | |
JP2008093952A (ja) | 空気入りタイヤの製造方法 | |
JP2018154075A (ja) | 空気入りタイヤの製造方法 | |
JP2011020350A (ja) | 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ | |
JP2007022045A (ja) | タイヤ製造用シェーピングブラダー及びタイヤ製造方法 | |
JP2003225953A (ja) | 空気入りタイヤの製造方法 | |
CN111716961B (zh) | 自动二轮车用轮胎 | |
JP2005225398A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP7467964B2 (ja) | 自動二輪車用タイヤ | |
JP2002067612A (ja) | 空気入りタイヤおよびその製造方法 | |
JP2005212278A (ja) | タイヤの製造方法 |