JP2005225398A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ユニフォミティを向上させる。
【解決手段】 カーカス6と、その半径方向外側に配されるベルト層7とを具えた空気入りタイヤ1である。カーカス6とベルト層7との間に、バンドコードをタイヤ赤道に対して略平行に配列した少なくとも1枚のバンドプライ9Aからなるバンド層9が設けられる。バンドプライ9Aは、1ないし複数本のバンドコードをトッピングゴムで被覆した帯状プライを前記カーカスプライの外側に螺旋状に巻き付けることによって形成される。またバンドコードは、クラウン部での中間伸度Ct(%)と、ショルダ部での中間伸度St(%)との差が10%以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高速耐久性を向上しつつユニフォミティに優れた空気入りタイヤに関する。
近年の高速道路網の拡大化や車両システムの高出力化に対応させるために、タイヤにおいても高速耐久性の向上が急務となっている。従来、高速耐久性を向上させるために、トレッド部の内部にバンド層が設けられた空気入りラジアルタイヤが種々提案されている。例えば乗用車用ラジアルタイヤの場合、バンド層は、有機繊維コードをタイヤ周方向に実質的に平行に配列した1ないし複数枚のバンドプライにより形成される。このようなバンド層は、高速走行時の遠心力に伴ったカーカスないしベルト層のせり出し変形を抑制し、トレッドセパレーションなどの損傷を抑制することができる。
また、バンド層は、通常、ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置されるのが一般的ではあるが、下記特許文献1ではカーカスとベルト層との間にベルト層を設ける技術が提案されている。
特開平8−216618号公報
特許文献1には、当該タイヤについての具体的な製造方法は記載されていない。しかし、出願当時の一般的な技術水準に基づいて試作されたこの種の空気入りタイヤでは、バンドコードにおいて、クラウン部での中間伸度と、ショルダ部での中間伸度との差が非常に大きいことが分かった。特に、ショルダ部での中間伸度が大きいために、高速走行時に最もせり出しやすいベルト層の端部に対する拘束力が不足し、高速耐久性についてはさらなる改善の余地があった。
また仕上がりタイヤにおいて、ショルダ部を中心としたカーカスコードのいわゆる蛇行が生じやすい。この不具合はユニフォミティの悪化として表れ、走行時の振動、騒音の原因にもなる。
ここで、従来の空気入りタイヤの製造方法について簡単に述べる。図8に仮想線で示されるように、先ず、ビードコアb、bと、両側がこのビードコアb、bで係止されたカーカスプライcとを含む筒状のカバー基体aが準備される。そして、実線で示されるように、カバー基体aは、ビードコアb、bを軸方向にかつ互いに近づけながらカーカスプライcをトロイド状に膨出させられる。このカバー基体aの膨出は、その内腔側に高圧空気を充填することにより行われる。
カバー基体aのタイヤ半径方向外側には、トレッド部材dが予め待機させられている。トレッド部材dは、未加硫のトレッドゴムeの他、ベルト層fと、その内側に配されたバンド層gとが予め円筒状表面のフラットデッキ上で積層されかつ一体化されたリング状で形成されている。そして、膨出させられたカバー基体aの外周面は、トレッド部材dの内周面に貼り付けられる(シェーピング工程)。
トレッド部材dとカバー基体aとの貼り付けに際し、トレッド部材dは、カバー基体aの膨張変形に合わせて伸び、かつ、断面が滑らかな円弧状へと湾曲する。特にカーカスプライは、クラウン部ほどその膨出量が大きい。このため、バンド層gのバンドコードは、クラウン部においてより大きな張力を受けて大きく伸びるが、ショルダー部では比較的小さな張力しか受けず、その伸び量も小さなものになる。このように、ショルダ部のバンドコードは、シェーピング時の予張力が不足しているため、仕上がりタイヤにおいて中間伸度が大きくなっていたと考えられる。
またカーカスプライcは、シェーピングに際して、同図に仮想線で示されるように、円弧状に膨出しようとするが、平坦なバンド層gによってより直線状に拘束されるため、その差分だけカーカスコードが長さ方向に圧縮されて前記蛇行が生じていたと考えられる。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、バンド層において、ショルダ部とクラウン部とでバンドコードの中間伸度の差を一定範囲に規制することを基本として、高速耐久性を向上しつつもユニフォミティを向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内部かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト層とを具えた空気入りタイヤであって、前記カーカスと前記ベルト層との間に、バンドコードをタイヤ赤道に対して略平行に配列した少なくとも1枚のバンドプライからなるバンド層が設けられ、かつ、前記バンドプライは、1ないし複数本のバンドコードをトッピングゴムで被覆した帯状プライを前記カーカスプライの外側に螺旋状に巻き付けることによって形成され、しかも前記バンドコードは、クラウン部での中間伸度Ct(%)と、ショルダ部での中間伸度St(%)との下記式(1)で求まる差が10%以下であることを特徴としている。
中間伸度の差(%)=|(St/Ct)−1|×100 …(1)
また請求項2記載の発明は、前記バンドコードは、その全域において中間伸度が10%以下であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記ベルト層は、クラウン部でのコード角度θcと、ショルダ部でのコード角度θsとの差|θc−θs|が5゜以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記バンドプライは、そのタイヤ軸方向の幅がベルト層のタイヤ軸方向の幅の70〜130%であり、かつ、タイヤ最大幅の60〜90%である請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、カーカスとベルト層との間に配されたバンド層において、ショルダ部とクラウン部とでバンドコードの中間伸度の差を一定範囲に規制している。このため、バンドプライによる拘束力が均一化し、高速走行時の耐久性を向上できる。またバンドコードの中間伸度が均一化することによって、カーカスプライやベルト層への張力が最適化されやすい。これは、カーカスコードの蛇行を防止し、またベルト層においてコード角度を安定化させるのに役立つ。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1には本実施形態の空気入りタイヤ1のタイヤ軸を含む正規状態におけるタイヤ子午線断面図、図2はその内部構造を展開した展開図がそれぞれ示されている。本明細書において「正規状態」とは、タイヤ1を正規リムJにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の状態とし、特に断り等が無い場合、タイヤ各部の寸法はこの正規状態で測定された値とする。
また「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7と、前記カーカス6とベルト層7との間に配されたバンド層9とを具えた乗用車用のラジアルタイヤが例示される。
前記カーカス6は、1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成されている。該カーカスプライ6Aは、図2に示されるように、カーカスコード6Cをタイヤ赤道Cに対して例えば75゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造のプライで形成される。カーカスコードは、本例ではポリエステルコードが採用されるが、例えばナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや必要によりスチールコード等も採用しても良い。
本実施形態のカーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのび前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有して構成される。本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配され、ビード部4が適宜補強される。ビードエーペックスゴム8のゴム硬さは、特に限定はされないが、例えばJISデュロメータA硬さで75〜98度、より好ましくは80〜96度程度が好適である。
前記ベルト層7は、少なくとも2枚、本例ではタイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bで構成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコード7Cをタイヤ赤道に対して例えば10〜45°の小角度で傾けて配列したプライからなり、各ベルトコード7Cは互いに交差する向きに重ね合わされている。ベルトコード7Cは、本例ではスチールコードが採用されるが、アラミド、レーヨン等の高弾性の有機繊維コードなども必要に応じて用いられる。内側のベルトプライ7Aは、外側のベルトプライ7Bに比べ巾広に形成されており、ベルト層7の幅W1(図1に示す)は内側のベルトプライ7Aの幅として定められる。
前記バンド層9は、カーカス6とベルト層7との間に設けられており、バンドコード9Cをタイヤ赤道Cに対して略平行に配列した少なくとも1枚のバンドプライ9Aから構成される。
バンドプライ9Aは、図2に示されるように、1ないし複数本(この例では複数本)のバンドコード9Cをトッピングゴムで被覆した小巾の帯状プライ10を前記カーカスプライ6Aの外側に螺旋状に巻き付けることにより形成される。前記「略平行」とは完全に平行である必要はないが、バンドコード9Cとタイヤ赤道C(タイヤ周方向)とのなす角度が5゜以下であることが望ましい。本実施形態では、バンドコード9Cがタイヤ赤道Cに対して0°よりも大かつ5°以下の角度で傾くとともに、その傾斜の向きをベルトプライ7Aのベルトコード7Cの傾斜の向きと逆にしている。これにより、新たなタガ効果が生じ、カーカス6への拘束力を高めることができる。バンドコード9Cは、例えば有機繊維コード、とりわけナイロン、レーヨン、ポリエチレン−2,6−ナフタレート又はアラミド等が望ましい。また帯状プライ10は、特に限定はされないが、複数本のバンドコード10Cを被覆する場合、その上限を10本程度とした小巾のテープ状が好適である。
バンドプライ9Aのタイヤ軸方向の幅BW(図1に示す)は、ベルト層7の幅W1の70〜130%であるのが望ましい。バンドプライ9Aの幅BWが、ベルト層7の幅W1の70%未満であると、トレッド領域を十分にカバーすることができず高速耐久性の向上効果が低下する傾向にあり、逆に130%を超えるとバンドプライ9Aの端部9eが走行時に歪の大きいバットレス部へと接近しルースなどの損傷を誘発しやすくなる。特に好ましくは、バンドプライ9Aの幅BWがベルト層の幅W1の80〜110%であるのが望ましい。また同様の観点より、バンドプライ9Aの幅BWは、タイヤ最大幅SWの60〜90%が望ましい。本実施形態では、バンドプライ9Aの幅BWはベルト層7の幅W1と実質的に等しく、タイヤ最大幅SWの74%である態様が例示される。
本発明の空気入りタイヤ1は、バンドコード9Cにおいて、クラウン部Crでの中間伸度Ct(%)と、ショルダ部での中間伸度St(%)との差が10%以下に限定されている。即ち、クラウン部Crとショルダ部Shとで中間伸度の差が非常に小さい。
中間伸度の差(%)=|(St/Ct)−1|×100 …(1)
このように、バンドコード9Cにおいて、前記中間伸度Ct(%)とSt(%)との差を10%以下とすることにより、バンド層9の拘束力がタイヤ軸方向で均一化し、ひいては従来のようにショルダ部Shでの拘束力の低下が生じるのを効果的に防止しうる。また、高速走行時の接地形状や接地圧分布を均一化し、直進安定性やレーンチェンジ時のリニアリティ等の操縦安定性を向上しうる。特に好ましくは、前記差は8%以下、さらに好ましくは0〜5%とするのが望ましいである。また{(St/Ct)−1}の値がマイナス値であっても構わない。この場合、バンドコード9Cにおいてショルダ部Shの中間伸度St(%)がクラウン部Crの中間伸度Ct(%)よりも小さくなることを意味するから、ショルダ部Shの拘束力は相対的に向上しうる。
またクラウン部Crとショルダ部Shとの間のミドル部Mdにおけるバンドコードの中間伸度をMt(%)とするとき、下記式(2)で計算される中間伸度の差も10%以下であることが望ましい。
中間伸度の差(%)=|(Mt/Ct)−1|×100 …(2)
これにより、バンドコードの中間伸度をタイヤ軸方向でより均一化することができるから、さらに高速耐久性を向上しうる。
本明細書において、クラウン部Crは、図1に示されるように、タイヤ赤道Cを中心としたベルト層7の幅W1の30%の領域とする。同様に、ショルダ部Shはベルト層7の外端7eから前記幅W1の15%の領域とする。ミドル部Mdは、これらの間の領域とする。またクラウン部Crのバンドコードの中間伸度Ct(%)は、仕上がりタイヤを解体し、前記クラウン部Crから無作為にバンドコード試料を8本抽出し、それらから測定された中間伸度の平均値とする。ショルダ部Shのバンドコードは、仕上がりタイヤを解体して両側のショルダ部Shからそれぞれ無作為にバンドコード試料を8本づつ抽出し、それらから測定された中間伸度を測定するとともに合計16本の平均値とする。ミドル部Mdのバンドコードもショルダ部のそれに準じる。また各バンドコードの中間伸度は、JIS L1017の8.7項の「標準時試験」に準じて測定された一定荷重時伸び率とする。なおバンドコードの周囲に付着しているゴムは、注意深く取り除かれる。
また、バンド層9は、その全域においてバンドコードの中間伸度が10%以下であることが望ましい。これにより、バンドプライ9Aによる拘束力がタイヤ軸方向で均一化されるのみならず、伸び量がより一層小さくなるため、高速走行時の耐久性をさらに向上できる。
上述のようなバンド層9を有する空気入りタイヤを得るためには、タイヤ製造過程において、バンドコード9Cへ作用する張力をタイヤ軸方向において均一化しかつコントロールすることが重要である。
図3〜図5には、このような空気入りタイヤの製造方法の一例が示されており、以下順に説明する。先ず図3(A)に示されるように、円筒状のフォーマ11の基体部11aにカーカスプライ6Aが巻き付けられる。この例では、カーカスプライ6Aは、その両側が基体部11aからはみ出し、該基体部11aの両側に設けられた副部11bにも巻き付けられている。
次に、図3(B)に示されるように、フォーマ11の副部11bを縮径し、そこからビードコア5とビードエーペックス8とがカーカスプライ6Aの両外側へ装着される。しかる後、図3(C)のように、カーカスプライ6Aの両端部は、ビードコア5、5の周りで折り返される。これにより、カーカスプライ6Aと、ビードコア5とを含む略円筒状のカバー基体14が形成される。このカバー基体14には、必要に応じてインナーライナゴムやサイドウォールゴム、クリンチゴムなどをこの段階で含ませることができる。
次に図4(A)に示されるように、カバー基体14は、例えばフォーマ11から成形装置15に移送される。成形装置15は、カバー基体14のビードコア5、5をクランプできかつ軸方向に接離移動が可能な一対のクランプリング16、16と、該クランプリング16、16の間に配されかつカバー基体14をビードコア5、5間で膨出させるプロファイルデッキ17とを含んで構成される。
図5にはプロファイルデッキ17の側面略図が示される。該プロファイルデッキ17は、タイヤ周方向に交互に配された第1のセグメント18と、第2のセグメント19とを組み合わせて構成される。各セグメント18、19は、この例では金属又は樹脂といった容易に変形しない硬質の材料からなり、いずれも図示しない駆動機構を用いてタイヤ半径方向で内、外に移動できる。各セグメント18、19の移動量を違えることにより、プロファイルデッキ17の外径は、図5の仮想線で示される小径の状態S1と、実線で示される大径の状態S2との間で拡縮できる。
プロファイルデッキ17は、前記大径の状態S1において、実質的に各セグメント18ないし19の外周面をタイヤ周方向に連続させることができる。またプロファイルデッキ17は、その軸方向の中心線が前記カバー基体14の軸方向の中心線に揃えて配置されている。なおプロファイルデッキ17の外周面20は、初期状態において、前記移し替えされたカバー基体14と当接することなくその内側に位置する。またプロファイルデッキ17の各セグメント18、19は、図4に示されるように、タイヤ回転軸を含む断面形状において、タイヤ半径方向外側に凸となる略円弧状の外周面20を持っている。この外周面20の断面形状は、目的とするタイヤ形状に応じて種々定めることができる。これについては後で述べる。
図4(B)に示されるように、成形装置15は、クランプリング16、16を互いに近接する向きで軸方向に移動させるとともにプロファイルデッキ17を徐々に拡径させる。これにより、カバー基体14は、プロファイルデッキ17に沿う形状でタイヤ半径方向外側に押し上げられることにより膨出する。特にプロファイルデッキ17のタイヤ半径方向の移動とクランプリング16の接近移動とをタイミング良く連動させることにより、カバー基体14のカーカスコードは、常時適度な張力を受けながらトロイド状に膨出することができる。
また図4(C)に示されるように、カバー基体14のトレッド領域14tは、プロファイルデッキ17の外周面20と接触することでそれに沿った断面形状に形付けられる。一つの実施態様として、プロファイルデッキ17の外周面20の形状は、目的とするバンド層9の断面輪郭形状に合わせたものとすることができる。具体的には、プロファイルデッキ17の外周面20は、バンドプライ9Aの内周面の曲率半径RB(図1に示す)からカバー基体14の厚さを差し引いた曲率半径の円弧面として形成することができる。しかし、実際には、さらに種々のパラメータを考慮してそれよりもこの円弧面を修正することができる。このように、プロファイルデッキ17の外周面20の断面形状は、種々の変更が可能である。
そして、図6に示されるように、プロファイルデッキ17によって膨出されたカバー基体14のトレッド領域14tの外周面に、前記帯状プライ10を螺旋状に巻き付ける工程が行われる。この際、帯状プライ10は、そのバンドコードがタイヤ赤道Cに対して略平行となる向きで螺旋状に巻き付けられる。カバー基体14のトレッド領域14tは、硬い外周面20を持つプロファイルデッキ17によって内側から支持されているため、帯状プライ10を螺旋巻きされてもその形状を維持できる。従って、帯状プライ10の巻き付けに際してカーカスコードの乱れを生じることがない。他方、図8に示した製造方法では、エアーによってカーカスプライが膨出保持されているから、このような状態で、そのトレッド領域に帯状プライ10を螺旋状に巻き付けると、カーカスプライの形状を歪ませ、ひいてはカーカスコードに乱れを生じさせることになる。
帯状プライ10を螺旋状に巻き付ける方法は、特に制限されるものではない。即ち、各帯状プライ10の側縁が互いに接する態様、オーバラップする態様(これは図6に示される)、さらには離間させる態様のいずれでも良い。また帯状プライ10は、適宜の張力を受けながら巻き付けられるのが望ましい。これにより、バンドコード9Cに予張力を与えることができる。勿論、その張力は、タイヤ軸方向に亘って均一とし、しかも、仕上がりタイヤのバンドコード9Cの中間伸度が10%以下となるような伸びを与えるものとして調節されるのが望ましい。
また、帯状プライ10を巻き付けた後、さらにプロファイルデッキ17を拡径することでも良い。プロファイルデッキ17の外周面は円弧状である。このため、該プロファイルデッキ17を拡径した場合、クラウン部とショルダ部との各バンドコードには、拡径量と、各々の位置におけるプロファイルデッキ17の外径とに応じた伸びが生じ、これは僅かに異なる。しかし、前記伸びの差を規制すること等により実質的にバンドコードの中間伸度をタイヤ軸方向で均一化することは可能である。
また図6に示されるように、バンド層9の外側には、ベルトプライ7A、7Bやトレッドゴム21が順次巻き付けられて生カバー22が形成される。この際、カバー基体14のバンドプライ9Aと、ベルトプライ7Aとの間の曲率差が生じる場合には、適宜クッションゴム等を介在させることができる。そして、この生カバー22を、タイヤ加硫金型で加硫成形され、図1に示したような空気入りタイヤ1を得ることができる。
また上記のような工程を経てバンドプライを形成することにより、加硫時等においても、カーカス6、ベルト層7へ安定した張力が作用するため、仕上がりタイヤにおいて、タイヤ周方向に対するクラウン部でのコード角度θcと、ショルダ部でのコード角度θsとの差|θc−θs|を5゜以下とすることができる。これにより、ベルト層7においてもコード角度の均一化が図れ、ユニフォミティが向上する。なおクラウン部Crでのコード角度θcは、前記クラウン部Crにおいて8カ所のコード角度を測定し、その平均値を採用する。またクラウン部Crでのコード角度θsは、各ショルダ部Shにおいてそれぞれ8カ所のコード角度を測定し、その平均値を採用する。
なおバンド層9を、ベルト層7のタイヤ半径方向外側に配置した場合、シェーピング時ないし加硫成形時には、バンド層9によってベルト層7の伸びが制限され、上記ベルトコードの角度にバラツキが生じ前記角度差は5゜よりも大きいものとなっている。本実施形態では、バンド層9がクラウン部Crとショルダ部Shとで中間伸度差が小さく、かつベルト層7の内側に配されているため、このようなベルトコード角度のバラツキを抑制できる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、例えばシングルステージ成形方法に準じ、カバー基体14をフォーマ11から成形装置15に移し換えることなく成形しても良いし、また図7に略示されるように、バンドプライ9Aを、クラウン部Crを覆うクラウンバンドプライ9aと、ショルダ部Shを覆う一対のショルダバンドプライ9b、9bとに分けて構成し、中抜き状とすることも勿論構わない。このように、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1かつ表1に示された乗用車用の空気入りラジアルタイヤ(タイヤサイズ:225/60R16 98H)について、高速耐久性、ユニフォミティー、タイヤの仕上がり状態が測定された。評価方法は、次の通りである。
<高速耐久性>
JIS D4230に準じ、リム(16×6.5JJ)、内圧(200kPa)、負荷荷重4.61KNの条件に基づいて、初速度200km/hから10分毎に、速度を10km/hづつステップアップし、タイヤに損傷が生じた時の速度と時間(分)を記録した。
<ユニフォミティー>
ユニフォミティー試験機を用いて各供試タイヤのラジアルフォースバリエーション(RFV)、ラテラルフォースバリエーション(LFV)及びコニシティ(CON)が測定された。それぞれ20本づつの平均値で示されており、数値が小さいほど良好である。またコニシティについては標準偏差で表されている。
<タイヤの仕上がり状態>
加硫前、加硫後のタイヤを解体し、カーカスコードの蛇行の有無、及びタイヤ半径方向内側のベルトプライのコード角度をショルダ部とクラウン部とで測定した。
テストの結果などを表1に示す。
Figure 2005225398
テストの結果、実施例のタイヤは、高速耐久性を向上しつつユニフォミティにも優れることが確認できる。また結果として、カーカスコードやベルトコード仕上がり精度が向上する。
本発明の実施形態を示す空気入りタイヤの右半分断面図である。 その内部構造を展開して示す展開図である。 (A)〜(C)はカバー基体の成形工程を示す断面略図である。 (A)〜(C)はカバー基体の膨出工程を示す断面略図である。 プロファイルデッキの側面図である。 生カバーの断面図である。 本発明の他の実施形態を示すトレッド部の部分断面図である。 従来のタイヤの製造方法を説明する断面略図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
7 ベルト層
7A、7B ベルトプライ
9 バンド層
9A バンドプライ

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、トレッド部の内部かつ前記カーカスの半径方向外側に配されるベルト層とを具えた空気入りタイヤであって、
    前記カーカスと前記ベルト層との間に、バンドコードをタイヤ赤道に対して略平行に配列した少なくとも1枚のバンドプライからなるバンド層が設けられ、
    かつ、前記バンドプライは、1ないし複数本のバンドコードをトッピングゴムで被覆した帯状プライを前記カーカスプライの外側に螺旋状に巻き付けることによって形成され、
    しかも前記バンドコードは、クラウン部での中間伸度Ct(%)と、ショルダ部での中間伸度St(%)との下記式(1)で求まる差が10%以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
    中間伸度の差(%)=|(St/Ct)−1|×100 …(1)
  2. 前記バンドコードは、その全域において中間伸度が10%以下であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト層は、クラウン部でのコード角度θcと、ショルダ部でのコード角度θsとの差|θc−θs|が5゜以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記バンドプライは、そのタイヤ軸方向の幅がベルト層のタイヤ軸方向の幅の70〜130%であり、かつ、タイヤ最大幅の60〜90%である請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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