JP2018154075A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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尭輝 大澤
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Abstract

【課題】 ユニフォーミティの向上を図りながら高速耐久性の低下を抑制する。【解決手段】 加硫工程にS2おいて、タイヤ赤道面Coにおけるベルト層7の加硫ストレッチLcを2.8〜3.7%、ベルト層外端7Eにおけるベルト層7の加硫ストレッチLeを0.05〜0.19%、かつ前記加硫ストレッチの差(Lc−Le)を2.75〜3.51%とする。トレッド成形ドラム30上でバンドストリップ10を螺旋状に巻き付けるバンド形成段階S21において、内側領域Qiよりも外側領域Qoでバンドストリップ10を大きい張力で巻き付ける。【選択図】図4

Description

本発明は、ユニフォーミティの向上を図りながら高速耐久性の低下を抑制した空気入りタイヤの製造方法に関する。
従来より、ベルト層のタイヤ半径方向外側に、バンドコードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回させたジョイントレスプライからなるバンド層を設けた空気入りタイヤが多用されている。
他方、空気入りタイヤの製造工程では、未加硫の生タイヤを金型内で加硫することで仕上がりタイヤを形成している。生カバーは、仕上がりタイヤに比して小さい外径で成形されており、加硫成形時に、比較的大きな加硫ストレッチが与えられる。
しかし、加硫ストレッチが大きいと、加硫成形の前後でタイヤの形状変化やゴム流れが大きくなる。そのため、カーカスコードやベルトコードのコード配列がタイヤ周方向にバラ付きやすく、ユニフォーミティの低下傾向を招く。
そのため、近年、加硫ストレッチを小さくすることが望まれている。しかし、加硫ストレッチを小さくした場合、加硫時のバンドコードの伸びも小さくなる。即ち、バンドコードは、伸びが小さな低弾性側で機能するため、ベルト層への拘束力が低下する。その結果、高速走行時の遠心力によるトレッド部のリフティングを招き、高速耐久性を低下するという新たな問題が発生する。なお加硫ストレッチの大きさは、通常ベルト層における加硫ストレッチの大きさで示される。
加硫ストレッチに係わる先行技術文献として、例えば下記の特許文献1がある。
特開2008−162082号公報
本発明は、ユニフォーミティの向上を図りながら高速耐久性の低下を抑制した空気入りタイヤの製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されるベルト層と、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に配されるバンド層とを含み、
かつ前記バンド層が、タイヤ周方向に螺旋状に巻回するバンドコードを有するジョイントレスプライを具える空気入りタイヤの製造方法であって、
前記カーカスとベルト層とバンド層とを含む生タイヤを形成する生タイヤ形成工程と、
前記生タイヤを金型内で加硫する加硫工程とを具え、
前記加硫工程において、タイヤ赤道面におけるベルト層の加硫ストレッチLcを2.8〜3.7%、ベルト層外端におけるベルト層の加硫ストレッチLeを0.05〜0.19%、かつ前記加硫ストレッチの差(Lc−Le)を2.75〜3.51%とするとともに、
前記生タイヤ形成工程は、トレッド成形ドラム上に形成されたベルト層の外側に、前記バンドコードを含むバンドストリップを螺旋状に巻き付けて前記ジョイントレスプライを形成するバンド形成段階を含み、
前記バンド形成段階において、ジョイントレスプライのタイヤ軸方向内側領域よりも外側領域で、前記バンドストリップを大きい張力で巻き付けることを特徴としている。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記加硫工程は、開状態の金型内に生タイヤが投入された後、ブラダーを第1内圧にて膨張させて前記生タイヤを横置き状態で保持する生タイヤ保持段階と、
前記金型を閉じて閉状態とする金型閉段階とを含み、
前記金型閉段階は、金型が閉状態となる前に、前記ブラダーの内圧を前記第1内圧よりも低い第2内圧に減圧する減圧ステップを含むことが好ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記バンドコードは、ナイロン繊維コード、又はナイロン繊維のストランドと、アラミド繊維のストランドとを撚合わせたハイブリッドコードであることが好ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記バンドコードは、ナイロン繊維コードであり、かつ前記バンド形成段階は、前記内側領域におけるバンドコード1本当たりの張力Tcを1〜5N、前記外側領域におけるバンドコード1本当たりの張力Tsを5〜22Nとしたことが好ましい。
本発明に係る前記空気入りタイヤの製造方法では、前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続してのびる周方向溝を有し、かつ前記周方向溝を15〜22mmとしたことが好ましい。
本明細書において、トレッド巾とは、トレッド端間のタイヤ軸方向の距離を意味する。又トレッド端は、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した状態のタイヤに正規荷重を負荷した時に接地するトレッド接地面のタイヤ軸方向最外位置を意味する。又「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
本発明は叙上の如く、加硫工程におけるベルト層の加硫ストレッチを、従来よりも低く設定している。具体的には、タイヤ赤道面における加硫ストレッチLcを3.7%以下、ベルト層外端における加硫ストレッチLeを0.19%以下に設定している。これにより、加硫前後でのタイヤの形状変化やゴム流れが小さくなる。その結果、カーカスコードやベルトコードのコード配列のタイヤ周方向のバラ付きを抑えて、ユニフォーミティを向上しうる。又加硫ストレッチの差(Lc−Le)を3.51%以下に減じることで、ベルトコードの目開きが小さくなり、ベルトコードの蛇行が小さくなる。このユニフォーミティの向上に貢献しうる。
他方、生タイヤ形成工程のバンド形成段階において、トレッド成形ドラム上で、バンドストリップを、張力を有して螺旋状に巻回している。しかもジョイントレスプライの外側領域での張力を、内側領域での張力に比して大としている。
これにより、加硫ストレッチを小さくしたことに起因するバンドコードの拘束力の低下を抑制しうる。特にベルト層の外端側では、タイヤ赤道側に比して加硫ストレッチが小さいため拘束力が低くなるが、その分、外側領域での張力を大としている。従って、ベルト層の巾全体に亘って、ジョイントレスプライの拘束力を高く確保でき、高速耐久性を維持しうる。
本発明の製造方法で形成された空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。 加硫工程における生タイヤ保持段階を示す断面図である。 (A)〜(C)は加硫工程における金型閉段階を示す断面図である。 (A)、(B)は、ベルト層の加硫ストレッチを説明する概念図である。 生タイヤ形成工程におけるバンド形成段階を示す断面図である。 バンドストリップを示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法及によって製造された空気入りタイヤ1の断面図である。図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7と、ベルト層7のタイヤ半径方向外側に配されるバンド層9とを含む。本例では、空気入りタイヤ1が、例えば扁平率を50%以下とした高速走行用の乗用車用タイヤとして形成される場合示される。
カーカス6は、タイヤ周方向に対して例えば75〜90゜の角度で配列するカーカスコードを有する1枚以上、本例では2枚のカーカスプライ6A、6Bから形成される。各カーカスプライ6A、6Bは、ビードコア5、5間を跨るトロイド状のプライ本体部6aの両端に、ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを有する。又プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配される。カーカスコードとして、例えばナイロン、レーヨン、ポリエステル又はアラミド等の有機繊維のコード好適に採用できる。
ベルト層7は、タイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列するベルトコードを有する1枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。ベルトコードがプライ間相互で交差するように、ベルトプライ7Aとベルトプライ7Bとは、ベルトコードの傾斜の向きが互いに相違する。ベルトコードとして、本例ではスチールコードが採用される。ベルト層7の最大巾WBは、トレッド巾TWの90〜104%の範囲が好ましい。
バンド層9は、ベルト層7の略全巾を覆う少なくとも1枚、本例では1枚のジョイントレスプライ9Aを具える。このジョイントレスプライ9Aは、タイヤ周方向に螺旋状に巻回するバンドコード9cを具える。具体的には、図6に示すように、バンドコード9cを含むテープ状のバンドストリップ10を螺旋状に巻回した巻回体として形成される。なおバンドストリップ10には、ゴム中に、長さ方向に沿ってのびる1本以上、本例では4本のバンドコード9cが埋設されている。
バンドコード9cとして、ナイロン繊維コード、又はナイロン繊維のストランドと、アラミド繊維のストランドとを撚合わせたハイブリッドコードが好適に採用しうる。このうち、ナイロン繊維コードは、ハイブリッドコードに比して低モジュラスであるため、加硫ストレッチを小さくした場合、ベルト層7への拘束力が小となり、ハイブリッドコードに比して高速耐久性の低下がより顕著となる。従って本発明では、このようなナイロン繊維コードを用いたタイヤに対してより高い効果が発揮される。
図1に示すように、トレッド部2には、ウエット性能の確保のために、タイヤ周方向に連続してのびる周方向溝Gが形成される。しかし周方向溝Gの溝巾Wgが大きい場合、加硫成形時、周方向溝G近くのゴム流れが大きくなって、ベルト層7に波打ちが発生しやすくなる。このベルト層7の波打ちは、歪となってタイヤの耐久性能の低下原因となりうる。しかし、加硫ストレッチを小さくした場合、ゴムの流れが小さくなって波打ちの抑制効果が得られる。従って、前記波打ちの抑制効果は、溝巾Wgが大きいタイヤに対してより高く発揮される。しかし溝巾Wgが22mmを越えると、加硫ストレッチを小さくしたとしても波打ちを十分に抑えることは難しい。逆に溝巾Wgが15mmを下回る場合、波打ち自体が小さいため、加硫ストレッチを小さくしたことによる効果が少なくなる。従って、溝巾Wgが15〜22mmの範囲で、波打ちの抑制がより効果的に発揮される。
次に、空気入りタイヤ1の製造方法を説明する。この製造方法では、生タイヤ1Nを形成する生タイヤ形成工程S1(図示省略)と、前記生タイヤ1Nを金型20内で加硫する加硫工程S2(図2、3に示す)とを具える。金型20としては、上下の金型部20U、20Lと、ブラダー21とを有する周知構造のものが使用できる。
加硫工程S2は、生タイヤ保持段階S2と、金型閉段階S2とを含む。図2に示すように、生タイヤ保持段階S2では開状態Y1の金型20内に生タイヤ1Nが投入された後、ブラダー21を第1内圧P1にて膨張させる。これにより生タイヤ1Nの内面をブラダー21によって押圧し、生タイヤ1Nを内側から支えて横置き状態で保持する。前記第1内圧P1は、通常40〜70kPa(ゲージ圧)程度であり、この第1内圧P1により、生タイヤ1Nも、やや膨張状態となる。
図3(A)〜(C)に示すように、金型閉段階S2では、例えば上の金型部20Uを下降させることにより、上下の金型部20U、20L間を閉じて閉状態Y2とする。この金型閉段階S2では、金型20が閉状態Y2となる前に、ブラダー21の内圧を前記第1内圧P1よりも低い第2内圧P2に減圧する減圧ステップS2Aを含む。減圧ステップS2Aでは、減圧による生タイヤ1Nの倒れを防止するために、上の金型部20Uのサイドモールド20sが生タイヤ1Nに接触し始めたとき(図3(A)に示す)、減圧を開始するのが好ましい。第2内圧P2は、例えば0〜25kPa(ゲージ圧)が好ましい。
この減圧ステップS2Aにより、生タイヤ1Nの膨張が除去される。そのため、金型20が閉じるとき、トレッドセグメント20t、20t間、及びトレッドセグメント20tとサイドモールド20s間で、ゴム噛みが生じるのを防止できる。
又加硫工程S2では、閉状態Y2において生タイヤ1Nを膨張させ、生タイヤ1Nを金型内面に押し付けた状態で加硫される。その時のベルト層7の加硫ストレッチを、従来よりも低い値に規制している。具体的には、タイヤ赤道面Coにおける加硫ストレッチLcを2.8〜3.7%の範囲、ベルト層7外端における加硫ストレッチLeを0.05〜0.19%の範囲に規制している。又前記加硫ストレッチの差(Lc−Le)を2.75〜3.51%の範囲に規制している。
図4(A)、(B)に概念的に示すように、加硫ストレッチLc、Leは、トレッド成形ドラム30上におけるベルト層7のタイヤ赤道面Coの位置での直径をD1c、ベルト層外端7Eの位置での直径をD1s、金型20内の加硫済みタイヤ1におけるベルト層7のタイヤ赤道面Coの位置での直径をD2c、ベルト層7外端の位置での直径をD2sとしたとき、次式(1)、(2)にて示される。
Lc=(1−D1c/D2c)×100 −−−(1)
Le=(1−D1s/D2s)×100 −−−(2)
加硫ストレッチLc、Leは、直径の大きいトレッド成形ドラム30を使用することで、加硫済みタイヤ1の形状を同じとしながら、加硫ストレッチLc、Leを減らすことができる。又加硫ストレッチの差(Lc−Le)は、トレッド成形ドラム30として、フラットデッキ(直円筒状のドラム)を使用する、或いは凸円弧状のプロファイルを有するプロファイルデッキ(太鼓状のドラム)を使用する、さらには凸円弧状のプロファイル形状を変化させることなどにより調整できる。
本発明では、加硫ストレッチLcを3.7%以下、かつ加硫ストレッチLeを0.19%以下に設定している。これにより、加硫前後でのタイヤの形状変化やゴム流れが小さくなる。その結果、カーカスコードやベルトコードのコード配列のタイヤ周方向のバラ付きを抑えて、ユニフォーミティを向上しうる。又加硫ストレッチの差(Lc−Le)を3.51%以下に減じることで、ベルトコードの目開きが小となり、ベルトコードの蛇行が小さくなることで、ユニフォーミティをさらに向上しうる。
又加硫ストレッチLc、Leを上記範囲とすることで、前述の如く、周方向溝Gの溝巾Wgを15〜22mmとした場合にも、ベルト層7の波打ちを抑えてタイヤの耐久性の低下を抑えうる。
加硫ストレッチLc、Leは、ユニフォーミティ向上のためには、小さいほど好ましい。しかし加硫ストレッチLc、Leを小さく設定すると、金型20を閉じる際にゴム噛みが生じ傾向となる。そのため加硫ストレッチLeの下限は、0.19%が限界であった。しかし、金型閉段階S2にて前記減圧ステップS2Aを行うことで、ゴム噛みを抑制でき、加硫ストレッチLeの下限を0.05%まで下げることが可能となった。他方、トレッド成形ドラム30としてフラットデッキを用いる場合、加硫ストレッチLcを2.8%より小に減じること、及び加硫ストレッチの差(Lc−Le)を2.75%より小に減じることは、所望のトレッドプロファイルを得るために難しい。
又加硫ストレッチLc、Leを下げることで、高速耐久性の低下を招く。特に、バンドコード9cにナイロン繊維コードを用いた場合、高速耐久性の低下はより顕著に発生する。そのために、本発明では、生タイヤ形成工程S1において、バンドコード9cに張力を付与している。
具体的には、生タイヤ形成工程S1は、図5に示すように、トレッド成形ドラム30上に形成されたベルト層7の外側に、前記バンドストリップ10を螺旋状に巻き付けてジョイントレスプライ9Aを形成するバンド形成段階S1を含む。
このバンド形成段階S1において、ジョイントレスプライ9Aのタイヤ軸方向内側領域Qiよりも外側領域Qoで、バンドストリップ10を大きい張力で巻き付けている。
これにより、加硫ストレッチLc、Leを小さくしたことに起因するバンドコード9cの拘束力の低下を抑制する。特にベルト層7の外端側では、タイヤ赤道側に比して加硫ストレッチが小さいため拘束力が低くなるが、その分、外側領域Qoでの張力を大としている。従って、ベルト層7の巾全体に亘って、ジョイントレスプライ9Aの拘束力を高く確保でき、高速耐久性を向上しうる。
バンドコード9cにナイロン繊維コードを用いたとき、内側領域Qiにおけるバンドコード1本当たりの張力Tcは1〜5Nの範囲、外側領域Qoにおけるバンドコード1本当たりの張力Tsは5〜22Nの範囲が好ましい。又張力の差(Ts−Tc)は4〜17Nの範囲が好ましい。前記張力Tc、Ts及び張力の差(Ts−Tc)が上記範囲を下回ると、高速耐久性の向上効果が不充分となる。逆に上記範囲を越えると、接地形状が悪くなって耐偏摩耗性に悪影響を与える。
外側領域Qoの巾Woは、ジョイントレスプライ9Aの巾9Wの7.5〜20%が好ましい。なお前記巾9Wは、ベルト層7の最大巾WBの100〜104%程度である。前記巾Woが巾9Wの7.5%を下回ると、端部のみに張力差が生じるため、接地形状が悪くなって耐偏摩耗性に悪影響を与える。逆に20%を越えると、張力差による拘束力のアップの領域と、加硫ストレッチLc、Leに起因する拘束力の低下の分布とのズレが大きくなって、高速耐久性の向上効果が十分発揮できなくなる。
高速耐久性のためには、図1に示すように、ベルト層外端7Eにおけるベルト層7の外面からトレッド面2Sまでのトレッド厚さteを、タイヤ赤道面Coにおけるトレッド厚さtc以下とするのが好ましい。これにより、トレッド端側での接地圧を減少でき、発熱を抑えて高速耐久性の向上に貢献できる。なおトレッド厚さteは、ベルト層外端7Eにおけるベルトプライ数が1枚のとき、2枚と換算して求める。
また図1に示すように、トレッド部2のキャンバー量y2/y1は1.2〜4.4%の範囲が好ましい。キャンバー量は、トレッド面2Sのタイヤ赤道面Coでの位置をJc、トレッド面2Sのベルト層外端7Eでの位置をJeとしたとき、位置Jc、Je間のタイヤ軸方向距離y1に対する位置Jc、Je間のタイヤ半径方向距離y2の比y2/y1で示される。キャンバー量y2/y1が1.2%を下回ると、トレッド端側での接地圧が増加するため高速耐久性に不利となる。又加硫工程S2におけるゴム噛みにも不利を招く。逆にキャンバー量y2/y1が4.4%を越えると、接地形状が悪くなって耐偏摩耗性に不利を招く。
前記バンド層9として、前記ジョイントレスプライ9Aに加え、ベルト層7の外端部のみを被覆する所謂エッジバンドプライを設けることもできる。このエッジバンドプライは、前記外側領域Qoと同幅で形成するのが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の製造方法を用い、図1に示す構造を有する空気入りタイヤ(275/35ZR19)を、表1の仕様に基づいて試作した。各試作タイヤに対し、ユニフォミティ、ベルト層の波打ち、高速耐久性、耐摩耗性についてテストした。
共通仕様は以下の通りである。
・キャンバー量y2/y1: 3.6%
・トレッド厚さの差(tc−te): 0.6mm
・ベルト層の最大巾WB: TW×93%
・バンドコード: ナイロン(1400dtex)
・ジョイントレスプライの外側領域Qo: 9W×15%
(1)ユニフォミティ:
ユニフォミティ試験機を用い、JASO C607:2000のユニフォミティ試験条件に準拠して、ラジアルフォースバリエーション(RFV)を計測した。RFVの逆数に基づき、比較例1を100とした指数で評価した。指数値が大きいほど良好である。
(2)ベルト層の波打ち:
加硫後のタイヤを解体し、ベルト層の波打ち量を測定するとともに、その波打ち量の逆数に基づき、比較例1を100とした指数で評価した。指数値が大きいほど良好である。
(3)高速耐久性:
ドラム試験機を用い、リム(19×9.50J)、内圧(360kPa)、荷重(5.34kN)、室温(25℃)、キャンバー角(0゜)の条件下で、ステップスピード方式により高速耐久性がテストされた。テストは、速度230(km/h)から、10分走行毎に10(km/h)速度を増加させ、タイヤが破壊するまでの走行時間に基づき、比較例1を100とした指数で評価した。指数値が大きいほど良好である。
(4)耐摩耗性:
タイヤを、リム(19×9.50J)、内圧(360kPa)の条件下で、車輌(排気量が2300cc)の全輪に装着し、ドライアスファルトのテストコースを20000km走行させたときのトレッド赤道面上での摩耗量を測定した。この摩耗量の逆数に基づき、比較例1を100とした指数で評価した。指数値が大きいほど良好である。
Figure 2018154075
Figure 2018154075
表に示すように、実施例は、ユニフォーミティの向上を図りながら高速耐久性の低下を抑制しうるのが確認できる。
1 空気入りタイヤ
1N 生タイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
6 カーカス
7E ベルト層外端
7 ベルト層
9c バンドコード
9A ジョイントレスプライ
9 バンド層
10 バンドストリップ
20 金型
21 ブラダー
30 トレッド成形ドラム
Co タイヤ赤道面
G 周方向溝
Qi 内側領域
Qo 外側領域
S11 バンド形成段階
S1 生タイヤ形成工程
S21 生タイヤ保持段階
S2 金型閉段階
S2A 減圧ステップ
S2 加硫工程
Y1 開状態
Y2 閉状態

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されるベルト層と、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側に配されるバンド層とを含み、
    かつ前記バンド層が、タイヤ周方向に螺旋状に巻回するバンドコードを有するジョイントレスプライを具える空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記カーカスとベルト層とバンド層とを含む生タイヤを形成する生タイヤ形成工程と、
    前記生タイヤを金型内で加硫する加硫工程とを具え、
    前記加硫工程において、タイヤ赤道面におけるベルト層の加硫ストレッチLcを2.8〜3.7%、ベルト層外端におけるベルト層の加硫ストレッチLeを0.05〜0.19%、かつ前記加硫ストレッチの差(Lc−Le)を2.75〜3.51%とするとともに、
    前記生タイヤ形成工程は、トレッド成形ドラム上に形成されたベルト層の外側に、前記バンドコードを含むバンドストリップを螺旋状に巻き付けて前記ジョイントレスプライを形成するバンド形成段階を含み、
    前記バンド形成段階において、ジョイントレスプライのタイヤ軸方向内側領域よりも外側領域で、前記バンドストリップを大きい張力で巻き付けることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記加硫工程は、開状態の金型内に生タイヤが投入された後、ブラダーを第1内圧にて膨張させて前記生タイヤを横置き状態で保持する生タイヤ保持段階と、
    前記金型を閉じて閉状態とする金型閉段階とを含み、
    前記金型閉段階は、金型が閉状態となる前に、前記ブラダーの内圧を前記第1内圧よりも低い第2内圧に減圧する減圧ステップを含むことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記バンドコードは、ナイロン繊維コード、又はナイロン繊維のストランドと、アラミド繊維のストランドとを撚合わせたハイブリッドコードであることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記バンドコードは、ナイロン繊維コードであり、かつ前記バンド形成段階は、前記内側領域におけるバンドコード1本当たりの張力Tcを1〜5N、前記外側領域におけるバンドコード1本当たりの張力Tsを5〜22Nとしたことを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記トレッド部は、タイヤ周方向に連続してのびる周方向溝を有し、かつ前記周方向溝を15〜22mmとしたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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