JP2006131806A - 架橋可能なシリル基含有重合体の製造方法 - Google Patents

架橋可能なシリル基含有重合体の製造方法 Download PDF

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弘司 福井
Yoriko Shimomura
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Abstract

【課題】
臭気、残留溶剤量が少なく、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するメタアクリル酸エステル系重合体(A)の重合に用いることができる溶媒を用いた製造方法の提供。
【解決手段】
架橋可能な加水分解性シリル基を含有するメタアクリル酸エステル系重合体(A)の製造方法であって、エチルアルコール系溶媒中で(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とする単量体を重合せしめる重合体(A)の製造方法である。

Description

本発明は重合溶媒としてエタノール系溶剤を使用する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法に関する。特に、架橋可能な加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の製造方法に関する。
単量体を共重合して得られる重合体の上記製造方法に関する。
シロキサン結合を形成することによって架橋し得る架橋可能な加水分解性シリル基を含有し、分子鎖として(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を有する重合体(以下、重合体(A)ともいう)は特許文献1、特許文献2等に記載され、シーリング材や接着剤等に用いられている。
重合体(A)を重合する際には、重合体を溶解する性質が大きく、安価であるため、一般的にトルエン、キシレン等の比較的沸点の高い芳香族系溶媒が用いられている。しかしながら、トルエンやキシレン等の芳香族溶媒は完全に除去するのが困難なため重合体中に残留しやすく、シックハウス問題、臭気、環境問題等から芳香族溶媒に代わる溶媒を用いることが望まれていた。
特許文献3には、非芳香族溶媒、特に炭素数が3〜4のアルコール及びジアルキルカーボネートを溶剤として用いる技術が開示されている。しかしながら、この場合でも、溶剤除去が不十分な場合があった。即ち、溶剤を極力除去する為に、減圧度を極限まで下げ、温度をできるだけ上げる必要があり、温度を200℃以上の温度まで加熱すると溶剤の除去は容易となるが、アクリル樹脂そのものが熱分解しやすくなるとい問題があった。
特開昭60−228517号公報 特開昭63−112642号公報 特開2003−96106号公報
本発明は、が解決しようとする課題は、臭気、残留溶剤量が少なく、重合体(A)の重合に用いることができる溶媒を用いた製造方法を提供することにある。
本発明は、架橋可能な加水分解性シリル基を含有するメタアクリル酸エステル系重合体(A)の製造方法であって、エチルアルコール系溶媒中で(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とする単量体を重合せしめる重合体(A)の製造方法である。
本発明者等は重合の際の溶媒としてエタノール系溶剤を用いることにより、従来用いられてきた芳香族系溶媒と同様に重合反応を進行させることができ、生成重合体は析出せずに溶媒中に溶解しており、脱溶剤が容易で、溶媒臭が少ない重合体(A)の製造が可能であることを見出した。
また、上記エタノール系溶媒を用いて得られた重合体(A)は、芳香族系溶剤を使用する従来品と比較して得られる重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が狭く、得られた組成物の力学的物性、耐候性を低下させることなく、粘度を低く抑えることが可能となり、その結果、該重合体(A)を用いた組成物を取り扱ったり、塗布等の施工をする場合の作業性を改善でき、更に、他の樹脂、例えば、ポリアルキレンオキサイド骨格を有する重合体等との相溶性が良好となり、耐候性を向上させることができ、また、貯蔵安定性をお高めることが出来ることを見出し、本発明に至った。
以下、本発明の詳細な説明をする。
本発明の重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とする重合体であり、(メタ)アクリル酸エステル単量体が50重量%以上含有されていれば、特に限定されないが、80重量%以上含有されているのが好ましい。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の数平均分子量は、凝集力と、接着性及び硬化物の伸びとのバランスに優れているため、数平均分子量が5000〜200000の範囲であることが望ましい。なお、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの双方を含む表現として用いられている。
上記(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、特に限定されず、下記の化合物を挙げることができる。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸、
[化合物1]
CH2=CH−C(O)O−CH2CH2O−
[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物2]
CH2=C(CH3)−C(O)O−CH2CH2O−
[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物3]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物4]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物5]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物6]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物7]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物8]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物9]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物10]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
(CH2CH2CH2CH2O)mH
(m,n=1〜12)
[化合物11]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜10)
[化合物12]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜30)
[化合物13]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物14]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物15]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物16]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−
[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物17]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n
−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物18]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n
−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
[化合物19]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物20]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n
−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)などを挙げることができる。
また、本発明に係る(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)には他の共重合性モノマーが使用されて良く、共重合性モノマ−としては、特に限定されず、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニルなどのビニルエステル基を持つ化合物;n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシル、ビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテルなどのビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
重合体を得る重合方法としては、水系媒体中で重合を行う乳化重合や懸濁重合、芳香族系溶剤や酢酸エチル等の有機溶媒中で行う溶液重合等が挙げられ、溶液重合の場合、各種溶媒中で重合が行われているが、本発明において、重合体(A)を得る重合方法は、エタノール系中で行う溶液重合法である。
溶液重合法で重合することにより、水系媒体中で重合する際に通常使用すされる分散剤や乳化剤等を使用する必要がなく、重合体(A)の精製、乾燥が容易である。また、芳香族系溶剤に比べて、沸点が低く脱溶剤が容易なので重合体中に残留し難く、該重合体が使用される際に、臭気や環境負荷が軽減される。また、酢酸エチルに比べて分子量の制御が容易であり、Mw/Mnを小さくすることができ、該重合体(A)を用いる組成物の力学的物性、耐候性を低下させることなく、粘度を低くおさえることができるので作業性が優れた組成物として使用することができる。
更に、エタノール系溶剤を使用することにより、プロパノール等の炭素数が3以上のアルコールに比べて脱溶剤が容易であり、メタノールのような毒性が無く、沸点が低すぎるために乾燥が早すぎて取り扱い性が悪いということもない。
上記エタノール系溶剤とはエタノールを主成分とする溶剤であり、本発明においては、エタノールが70重量%以上含有されている必要があり、好ましくは85重量%以上である。エタノール量が70重量%未満で、例えば沸点がエタノールより高い溶剤が含有されている場合には、残留溶剤が多くなり本発明の効果が阻害される場合がある。上記エタノール形容剤に含有されていて良いエタノール以外の溶剤としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、酢酸エチル等を挙げられ好適に用いられ、沸点100℃以下のものが特に好適に用いられる。
本発明においては、ラジカル重合開始剤として、従来から用いられているアゾ系ラジカル重合開始剤、有機過酸化物系ラジカル重合開始剤が用いられてよいが、アゾ系ラジカル重合開始剤は、重合体(A)や該重合体が用いられた組成物等が黄変し易いので好ましくなく、有機過酸化物系ラジカル重合開始剤が好ましい。上記重合開始剤の量は、単量体100重量部に対し、0.001〜5重量部の割合で添加されることが好ましい。
上記有機過酸化物系ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、イソノナノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどのジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルパージカーボネート、ジ−sec−ブチルパージカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパージカーボネート、ジ−1−メチルヘプチルパージカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパージカーボネート、ジシクロヘキシルパージカーボネートなどのパーオキシジカーボネート類;tert−ブチルパーベンゾエート、tert−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパー−2−エチルへキサノエート、tert−ブチルパーイソブチレート、tert−ブチルパーピバレート、tert−ブチルジパーアジペート、キュミルパーネオデカノエートなどのパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのジアルキルパーオキサイド類;キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類が挙げられる。
本発明における架橋可能な加水分解性シリル基とは、加水分解によりシロキサン結合を形成することにより架橋しうる加水分解性シリル基であり、このシロキサン結合は、例えば、珪素原子に結合した水酸基もしくは加水分解性基により形成され、架橋可能な加水分解性シリル基は下記一般式(1)で表される。
−[Si(R3)2−b(Y)bO]m−Si(R4)3−a(Y)a (1)
(式中、R1およびR2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3Si−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。)
上記Yで示される珪素原子に結合した加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、水素、ハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが好ましい例として挙げられ、取り扱いが容易で反応の際に有害な副生成物を生成しないアルコキシ基が特に好ましい。上記水酸基や加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、式(1)中における水酸基及び加水分解性基の総個数、すなわち、a+mb、は1〜5の範囲であるのが好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性ケイ素基中に2個以上結合するときは、それらは同一であっても、異なっていてもよい。架橋性ケイ素化合物を構成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合により連結されたケイ素原子の場合は20個程度まであってもよい。
上記アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジメトキシシリル基;メトキシジメトキシシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシシリル基を挙げることができる。これらの各アルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
上記架橋可能な加水分解性シリル基を(メタ)アクリル酸エステル系重合体に導入する方法としては、架橋可能な加水分解性シリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合させる方法、架橋可能な加水分解性シリル基を有する他のモノマーを共重合させる方法、架橋可能な加水分解性シリル基を有する重合開始剤を用いる方法、架橋可能な加水分解性シリル基を有する連鎖移動剤を添加せしめて重合する方法等が挙げられ、特に限定されるものではない。
上記架橋可能な加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、N−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン等が挙げられる。
上記架橋可能な加水分解性シリル基を含有する他のモノマーとしては、例えば、アルコキシシリル基を含有するアリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビンルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルジメチルイソペンテニルオキシシラン、ビニルジメチル−2−((2−エトキシエトキシ)エトキシ)シラン、ビニルトリス(1−メチルビニルオキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルビニルジエトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、オクタ−7−エニルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記架橋可能な加水分解性シリル基を含有する連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトメチルトリメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシランなどの連鎖移動性の高い官能基を有するアルコキシシランが挙げられる。
本発明の架橋可能な加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体(A)は上述の如く、重合媒体としてエタノール系溶剤が用いられてなるので、臭気、残留溶剤が少なく環境負荷が小さい。また、芳香族系溶剤を使用する従来品と比較して得られる重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が狭く、得られた組成物の力学的物性、耐候性を低下させることなく、粘度を低く抑えることが可能となる。さらに、有機過酸化物系ラジカル重合開始剤を用いるとアクリル重合体(A)が着色することがない。その結果、該重合体(A)を用いた組成物を取り扱ったり、塗布等の施工をする場合の作業性を改善でき、更に、他の樹脂、例えば、ポリアルキレンオキサイド骨格を有する重合体等との相溶性が良好となり、耐候性を向上させることができ、さらに貯蔵安定性を高めることが出来る。
本発明をより一層明らかにするために、以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lのセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート100g、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、品番:KBM−503)0.5g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、品番:KBM−803)0.2g、ラウリルメルカプタン(和光純薬社製)0.1g及びエタノール100gを投入して、混合した。モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、撹拌しながら環流に達するまで昇温し、環流開始後、重合開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.024gを1gの酢酸エチルで希釈した溶液を、重合系に投入し重合を行った。重合開始剤投入から7時間後、室温まで冷却し重合を終了させた。
得られた重合体溶液を、圧力0.1MPa、温度130℃で1時間脱溶剤を行って、重合体を得た。
(臭気)
得られた重合体の臭気について官能的検査を行い、下記の基準で評価を行った。結果を表1に示した。
○:全く臭気は感じられなかった。
△:ごくわずか臭気が感じられた。
×:臭気が感じられた。
(残留溶剤の測定)
得られた重合体約50mgを精秤し、150℃で20分間加熱し、加熱ガス中のエタノールをガスクロマトグラフィーで定量し、残留エタノール濃度を測定した。結果を表1に示した。
(分子量の測定)
得られた重合体の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、スチレン換算の分子量を測定し、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。結果を表1に示した。
(加熱安定性試験)
得られた重合体溶液160gをロータリーエバポレーターを用いて溶剤を除去し、粘調な樹脂を得た。得られた樹脂に重質炭酸カルシウム70g、脂肪酸処理した炭酸カルシウム30gを加え、密封した攪拌機で均一になるまで混合し、10分間減圧下で脱泡し、白色上のペースト状の硬化性組成物を得た。
得られた組成物について、レオメーター(DAR−200粘弾性装置、REOLOGICA社製)を用いて、温度105℃、周波数1.0、歪み一定で時間掃引での粘度測定を行い、0時間と3時間後の粘度を求め、粘度増加率を算出した。結果を表1に示した。
粘度増加率(%)=(3時間後の粘度)/(0時間の粘度) × 100
(実施例2)
実施例1において、溶剤をエタノール100gの替わりにエタノール80g、プロピルアルコール20gとする以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
得られた重合体の臭気は○、残留溶剤量は850ppm、Mnは21,000、Mw/Mnは2.1であった。
(比較例1)
実施例1において、溶剤を酢酸エチルとする以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1において、溶剤をトルエンとする以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1において、溶剤をメタノールとする以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
(比較例4)
実施例1において、溶剤をプロパノールとする以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示した。
Figure 2006131806
本発明の重合体(A)は、他の樹脂や、種々の硬化促進剤、充填剤、可塑剤、添加剤などが添加されて組成物とされ、接着剤やシーリング材等として使用される。例えば、架橋可能な加水分解性シリル基を含有し、アルキレンオキサイド骨格を有する樹脂が添加された組成物は、耐候性、柔軟性等が優れた組成物として接着剤やシーリング材等として使用されうる。


Claims (2)

  1. 架橋可能な加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の製造方法であって、エチルアルコール系溶媒中で(メタ)アクリル酸エステル単量体を重合せしめることを特徴とする重合体(A)の製造方法。
  2. 架橋可能な加水分解性シリル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の製造方法であって、エチルアルコール系溶媒中で有機過酸化物系ラジカル重合開始剤を用いて、(メタ)アクリル酸エステル単量体を重合せしめることを特徴とする重合体(A)の製造方法。
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