JP2006131095A - 航空機用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビード部背面の第2スティフナーと、カーカス最外側面との間のセパレーションの発生を低減させ、ビード部背面の故障を低減させる。
【解決手段】 フランジ高さFhとの比を用いて、フランジ高さのリム中心側基準点から半径方向外側に0.5Fh乃至1.5Fhの範囲におけるビード部の背面ゴム総厚さの上限及び下限を設定し、該背面ゴム総厚さのばらつきを限定して、背面ゴムの厚さの分布を適正化することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、航空機用空気入りラジアルタイヤに係り、特にビード部背面の第2スティフナーと、カーカス最外側面との間のセパレーションの発生を低減させ、ビード部背面の故障を低減させることが可能な航空機用空気入りラジアルタイヤに関する。
ビード部背面の第2スティフナーと、カーカス最外側面との間に発生するセパレーションを低減させる技術としては、第2スティフナーの100%伸長モジュラスとその断面積を、第1スティフナーとの関係で限定した技術(特許文献1参照)、タイヤの荷重時におけるリム離反点からビードコアの横までにおける背面ゴム分布を限定した技術(特許文献2参照)、サイドウォール部のタイヤ厚さによりタイヤの荷重時におけるリム離反点からサイドウォールまでのタイヤ厚さと第2スティフナーの厚さとを限定した技術(特許文献3参照)、第1スティフナー及び第2スティフナーの100%伸長モジュラスを限定し、更に荷重時におけるタイヤのリム接触部での第2スティフナーをカーカスの厚さとの関係で限定した技術(特許文献4参照)、リム離反点位置の外皮からインナーカーカス中心までの距離を、タイヤの荷重時におけるリム離反点位置からビードコア横までの距離で限定した技術(特許文献5参照)、そしてビード部のゴムの100%伸長モジュラスを限定した技術(特許文献6及び特許文献7参照)がある。
特開2001−30722号公報 特開2002−36829号公報 特開2002−293112号公報 特開2002−293113号公報 特開平2−11405号公報 特開平5−92709号公報 特開平7−144516号公報
しかしながら、近年のタイヤサイズの大型化や高プライレーティング化により、ビード部背面への入力が厳しくなっており、更なる技術開発が求められているところである。
研究の結果、ビード部背面の第2スティフナーとカーカス層群最外側面の間に発生するセパレーションは、チェーファー、第2スティフナー及びサイドウォールの各ゴムが適宜重なり合って構成される背面ゴムの総厚さと、そのばらつきの大きさに起因することが判明した。
従来の技術では、荷重時にリムと接触する範囲での背面ゴム総厚さの設定はあるものの、リムと接触しない範囲に存在する、実際にセパレーションが発生している部位における背面ゴム総厚さの設定は行われていなかった。
本発明は、上記事実を考慮して、リムと接触する範囲のみならず、実際にセパレーションが発生している部位までの範囲において、適正な背面ゴム総厚さを確保することによって、ビード部背面へのリム反力を緩和させ、リム接触部での背面ゴムの押上げ量を低減させ、該背面ゴムの押上げによって生ずる歪みを緩和させることを目的とし、またこれによってビード部背面の第2スティフナーとカーカス層群最外側面との間に発生するセパレーションを低減させることを目的とする。
請求項1の発明は、少なくとも一対のビードコアと、該ビードコア間に跨って配設されたカーカス本体部と該ビードコアに巻き回された折返し部とを有する少なくとも1層のカーカスと、前記ビードコアと前記カーカス本体部と前記折返し部との間に配置された第1スティフナーと、前記ビードコア下方域からリムフランジに沿う領域に配置されたチェーファーと、ビード部背面側の前記チェーファー及びサイドウォールと前記カーカスとの間に配置された第2スティフナーと、を備えた航空機用空気入りラジアルタイヤであって、規定リムに取り付け規定空気圧を充填した状態で、前記規定リムのフランジ高さをFhとし、前記ビード部背面のうち前記フランジ高さのリム中心側基準点Gから半径方向外側に0.5Fhの位置をA点、1.5Fhの位置をB点とし、前記規定空気圧を充填すると共に規定荷重を加えた場合の荷重直下における前記ビード部背面での前記規定リムとの離反点をC点とすると、前記A点、B点及びC点から前記カーカスの最外側面に夫々下ろした垂線上の背面ゴム総厚さを夫々WA、WB及びWCとすると、該WA、WB及びWCについて、0.18<WA/Fh<0.3・・・(1)WA<WB・・・(2)WC/Fh−0.04<WB/Fh<0.35・・・(3)WA/Fh<WC/Fh<WA/Fh+0.08・・・(4)の関係を満たすと共に、前記A点から前記C点までの間の任意位置における前記背面ゴム総厚さWACについて、WA<WAC<WA+0.08Fh・・・(5)の関係を満たし、前記C点からB点までの任意の位置における前記背面ゴム総厚さWCBについて、WA<WCB<0.35Fh・・・(6)かつWC−0.04Fh<WCB<0.35Fh・・・(7)の関係を満たすことを特徴としている。
ここで、規定リム及び規定空気圧とは、THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.から2004年に発行されたAIR CRAFT YEAR BOOKに記載された規格におけるリム及び空気圧を指す。また、規定荷重については、同規格における最大荷重(Max. Load)を適用するものとする。
請求項1に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤでは、フランジ高さFhとの比を用いて、フランジ高さのリム中心側基準点から半径方向外側に0.5Fh乃至1.5Fhの範囲におけるビード部の背面ゴム総厚さの上限及び下限を設定し、該背面ゴム総厚さのばらつきを限定したので、背面ゴムの厚さの分布が適正化され、これによってビード部背面の第2スティフナーとカーカス最外側面との間に発生するセパレーションを低減させることができる。
A点におけるWA/Fhについて、式(1)に示すような上限値(0.3)を設けたのは、もしWA/Fhが式(1)の上限値を上回った場合には、タイヤ転動時のリムとの接触により背面ゴムの圧縮量が増加し、発熱量が増加すると共に、上方域へ押し上げられるゴムの量が増加し、第2スティフナーとダウンプライカーカスの最外側面との間のセパレーションが引き起こされると共に、本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤを装着した航空機(図示せず)の機体質量が増加し、これに伴って積載可能な貨物の減少や燃料消費の増大といった問題が生じるからである。
また、式(1)の下限値(0.18)を下回った場合には、リムフランジとの接触時に発生するリム反力を緩和する緩衝材としての効果が減少し、第2スティフナーとダウンプライカーカスの最外側面との間のセパレーションを引き起こすからである。
式(2)では、B点での背面ゴム総厚さWBは、少なくともA点での背面ゴム総厚さWAよりも多く確保することを示している。その理由は、リムとの接触によりA点からゴムが押し出されると、リムと接触しない範囲(C点からB点までの領域)でゴムに歪みが生じて、この範囲で第2スティフナーとカーカス層群最外側面との間のセパレーションが生じることになるので、B点での背面ゴム総厚さWBを、A点での背面ゴム総厚さWAよりも多く確保することで、押し出されたゴムがC点からB点までの領域に対して与える歪みの影響を少なくするためである。
C点におけるWC/Fhについて、式(4)に示すような上限値(WA/Fh+0.08)を設けたのは、もし該上限値を上回った場合には、背面ゴムの圧縮量の増加に伴って発熱量が増加すると共に、上方域へ押し上げられるゴムの量が増加し、第2スティフナーとダウンプライカーカスの最外側面との間のセパレーションが発生し、ビード部背面の耐久性が低下するからである。
また、式(4)の下限値(WA/Fh)を下回った場合、即ちC点での背面ゴム総厚さWCがA点よりも薄い場合には、押し出されたゴムによって生じる歪みにより第2スティフナーとダウンプライカーカスの最外側面との間のセパレーションを引き起こすからである。
式(5)は、A点からC点までの間の任意位置における背面ゴム総厚さWACの範囲を設定するものである。A点からC点までの範囲は、荷重時にリムと接触し、この際上方域へ背面ゴムが押し出される領域である。
式(6)及び式(7)は、C点からB点までの間の任意位置における背面ゴム総厚さWCBの範囲を設定するものであるが、C点からB点までの範囲は、実際に第2スティフナーとダウンプライカーカスの最外側面との間のセパレーションが発生する領域である。この領域では、外表面がリムと接触することはないため、背面ゴム総厚さが若干少なくてもよい。
しかし、B点は、荷重時にリムフランジ回りに発生する曲げによって、背面ゴムが圧縮される領域に位置する。B点においてWB/Fhが式(3)の下限値(WC/Fh−0.04)を下回った場合には、リムとの接触によって押し出されたゴムによる歪みを緩和する機能が低下し、第2スティフナーとダウンプライカーカスの最外側面との間のセパレーションを引き起こすので、該下限値を上回るようにする必要がある。
また、B点におけるWB/Fhが式(3)の上限値(0.35)を上回った場合には、荷重時にリムフランジ回りに発生する曲げによって、ゴムの圧縮量が増加し、これに伴って発熱量が増加し、ビード部背面のセパレーションが引き起こされるので、該上限値を下回るようにする必要がある。式(6)及び式(7)の上限値(0.35Fh)についても同様である。
式(6)及び式(7)は、何れをも満たす必要があるので、WCBの下限値は、WAとWC/Fh−0.04のうち、より大きい方で規定される。
請求項2の発明は、請求項1に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記チェーファーの100%伸長モジュラスは、2.4乃至3.6MPaであり、前記第2スティフナーの100%伸長モジュラスは、3.1乃至4.5MPaであることを特徴としている。
請求項2に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤでは、チェーファー及び第2スティフナーの100%伸長モジュラスが夫々適正範囲に設定され、チェーファーについては、脆化及び疲労による耐久性の低下や、リムとの接触による摩滅又はへたりが発生せず、第2スティフナーについては、背面ゴムがリムと接触する際の緩衝材としての機能とビード部の耐久性を両立させることができる。
チェーファーの100%伸長モジュラスを、2.4乃至3.6MPaとしたのは、もしチェーファーの100%伸長モジュラスがこの上限値を上回った場合には、脆化及び疲労により、ビード部背面の耐久性が低下してしまい、また、下限値を下回った場合には、リムと繰返し接触することにより、ビード部背面の摩滅やへたりが発生するからである。
また、第2スティフナーの100%伸長モジュラスを、3.1乃至4.5MPaとしたのは、もし第2スティフナーの100%伸長モジュラスがこの上限値を上回った場合には、リムとの接触による反力を緩和する緩衝材としての機能が低下してしまい、また下限値を下回った場合には、リムとの接触によって背面ゴムの動きが大きくなることにより、発熱量が増加し、ビード部の耐久性が低下するからである。
以上説明したように、本発明の航空機用空気入りラジアルタイヤによれば、リムと接触する範囲のみならず、実際にセパレーションが発生している部位までの範囲において、適正な背面ゴム総厚さを確保したので、ビード部背面へのリム反力の緩和、リム接触部での背面ゴムの押上げ量の低減、該背面ゴムの押上げによって生ずる歪みの緩和を行うことができ、またこの結果、ビード部背面の第2スティフナーとカーカス層群最外側面との間に発生するセパレーションを低減させることができる、という優れた効果を有する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤ10は、図1において、ビードコア12と、カーカスの一例たるアッププライカーカス14及びダウンプライカーカス16と、第1スティフナー18と、チェーファー20と、第2スティフナー22とを備えている。
ビードコア12は、航空機用空気入りラジアルタイヤ10内に少なくとも一対配設されている。
アッププライカーカス14は、例えば一対のビードコア12間に跨って配設されたカーカス本体部14Aと、該ビードコア12に巻き回された折返し部14Bとを有するものであり、その末端は、例えば第2スティフナー22の上部が位置する高さまで延びている。
ダウンプライカーカス16は、例えば一対のビードコア12間に跨るように、かつアッププライカーカス14の外側に配設されており、ビードコア12間に跨ったカーカス本体部16Aを有するが、アッププライカーカス14を覆いつつも、ビードコア12の下側まで延びるに留まり、折返し部は有していない。なお、カーカス層群は、上記構成及び図面に記載した構成に限られるものではない。
第1スティフナー18は、ビードコア12とカーカス本体部14Aと折返し部14Bとの間に配置された、例えば硬質のゴムである。
チェーファー20は、ビードコア下方域からリムフランジ24Aに沿う領域に配置されている。チェーファー20には、十分な耐リム擦れ性対策のために、例えば硬質ゴムが使用される。
タイヤ内面には、チェーファー20に連続して、例えばインナーライナー32が配設されている。
第2スティフナー22は、ビード部背面28側のチェーファー20及びサイドウォール26とダウンプライカーカス16との間に配置された、例えばゴムであり、ビード部背面28を補強すると共に、チェーファー20、第2スティフナー22及びサイドウォール26の各ゴムが適宜重なり合って構成される背面ゴム30が規定リム24と接触する際の緩衝材としての機能を有するものである。
ここで、本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤ10は、更に下記の式(1)乃至式(7)の関係を満たすものである。
まず、リム24に取り付け規定空気圧を充填した状態で、規定リム24のフランジ高さをFhとし、ビード部背面28のうちフランジ高さFhのリム中心側基準点Gから半径方向外側に0.5Fhの位置をA点、1.5Fhの位置をB点とし、規定空気圧を充填すると共に規定荷重を加えた場合の荷重直下におけるビード部背面28での規定リム24(以下、単に「リム24」という。)との離反点をC点とする。
A点、B点及びC点からカーカスの最外側面(本実施形態では、ダウンプライカーカス16)に夫々下ろした垂線上の背面ゴム総厚さを夫々WA、WB及びWCとすると、該WA、WB及びWCについて、
0.18<WA/Fh<0.3・・・(1)
A<WB・・・(2)
C/Fh−0.04<WB/Fh<0.35・・・(3)
A/Fh<WC/Fh<WA/Fh+0.08・・・(4)
である。
また、A点からC点までの間の任意位置における背面ゴム総厚さWACについては、
A<WAC<WA+0.08Fh・・・(5)
であり、C点からB点までの任意の位置における背面ゴム総厚さWCBについては、
A<WCB<0.35Fh・・・(6)
かつ
C−0.04Fh<WCB<0.35Fh・・・(7)
である。
A点におけるWA/Fhについて、式(1)に示すような上限値(0.3)を設けたのは、もしWA/Fhが式(1)の上限値を上回った場合には、タイヤ転動時のリム24との接触により背面ゴム30の圧縮量が増加し、発熱量が増加すると共に、上方域へ押し上げられるゴムの量が増加し、第2スティフナー22とダウンプライカーカス16の最外側面との間のセパレーションが引き起こされると共に、本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤを装着した航空機(図示せず)の機体質量が増加し、これに伴って積載可能な貨物の減少や燃料消費の増大といった問題が生じるからである。
また、式(1)の下限値(0.18)を下回った場合には、リムフランジ24Aとの接触時に発生するリム反力を緩和する緩衝材としての効果が減少し、第2スティフナー22とダウンプライカーカス16の最外側面との間のセパレーションを引き起こすからである。
式(2)では、B点での背面ゴム総厚さWBは、少なくともA点での背面ゴム総厚さWAよりも多く確保することを示している。その理由は、リム24との接触によりA点からゴムが押し出されると、リム24と接触しない範囲(C点からB点までの領域)でゴムに歪みが生じて、この範囲で第2スティフナー22とカーカス層群最外側面(本実施形態では、ダウンプライカーカス16)との間のセパレーションが生じることになるので、B点での背面ゴム総厚さWBを、A点での背面ゴム総厚さWAよりも多く確保することで、押し出されたゴムがC点からB点までの領域に対して与える歪みの影響を少なくするためである。
C点におけるWC/Fhについて、式(4)に示すような上限値(WA/Fh+0.08)を設けたのは、もし該上限値を上回った場合には、背面ゴム30の圧縮量の増加に伴って発熱量が増加すると共に、上方域へ押し上げられるゴムの量が増加し、第2スティフナー22とダウンプライカーカス16の最外側面との間のセパレーションが発生し、ビード部背面28の耐久性が低下するからである。
また、式(4)の下限値(WA/Fh)を下回った場合、即ちC点での背面ゴム総厚さWCがA点よりも薄い場合には、押し出されたゴムによって生じる歪みにより第2スティフナー22とダウンプライカーカス16の最外側面との間のセパレーションを引き起こすからである。
式(5)は、A点からC点までの間の任意位置における背面ゴム総厚さWACの範囲を設定するものである。A点からC点までの範囲は、荷重時にリム24と接触し、この際上方域へ背面ゴム30が押し出される領域である。
式(6)及び式(7)は、C点からB点までの間の任意位置における背面ゴム総厚さWCBの範囲を設定するものであるが、C点からB点までの範囲は、実際に第2スティフナー22とダウンプライカーカス16の最外側面との間のセパレーションが発生する領域である。この領域では、外表面がリムと接触することはないため、背面ゴム総厚さが若干少なくてもよい。
しかし、B点は、荷重時にリムフランジ24A回りに発生する曲げによって、背面ゴム30が圧縮される領域に位置する。B点においてWB/Fhが式(3)の下限値(WC/Fh−0.04)を下回った場合には、リム24との接触によって押し出されたゴムによる歪みを緩和する機能が低下し、第2スティフナー22とダウンプライカーカス16の最外側面との間のセパレーションを引き起こすので、該下限値を上回るようにする必要がある。
また、B点におけるWB/Fhが式(3)の上限値(0.35)を上回った場合には、荷重時にリムフランジ24A回りに発生する曲げによって、ゴムの圧縮量が増加し、これに伴って発熱量が増加し、ビード部背面28のセパレーションが引き起こされるので、該上限値を下回るようにする必要がある。式(6)又は式(7)上限値(0.35Fh)についても同様である。
式(6)及び式(7)は、何れをも満たす必要があるので、WCBの下限値は、WAとWC/Fh−0.04のうち、より大きい方で規定される。
本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤ10は、上記式(1)乃至式(7)の条件に加えて、チェーファー20及び第2スティフナー22について、以下の条件を満たすものである。
まず、チェーファー20の100%伸長モジュラスは、2.4乃至3.6MPaである。このような条件を設けたのは、もしチェーファー20の100%伸長モジュラスがこの上限値を上回った場合には、脆化及び疲労により、ビード部背面28の耐久性が低下してしまい、また、下限値を下回った場合には、リム24と繰返し接触することにより、ビード部背面の摩滅やへたりが発生するからである。
第2スティフナー22の100%伸長モジュラスは、3.1乃至4.5MPaである。このような条件を設けたのは、もし第2スティフナー22の100%伸長モジュラスがこの上限値を上回った場合には、リム24との接触による反力を緩和する緩衝材としての機能が低下してしまい、また下限値を下回った場合には、リム24との接触によって背面ゴム30の動きが大きくなることにより、発熱量が増加し、ビード部の耐久性が低下するからである。
(試験例)
図1に示すタイヤ構造をなし、タイヤサイズ46×17R20/30PRの航空機用空気入りタイヤを、表1に示す仕様に基づいて試作し、該試作タイヤ及び3種類の従来タイヤについて、ビード部背面のセパレーション耐久性を夫々測定した。
そして、本発明品と従来品との比較のため、表2に示す条件で、ビード部背面のセパレーション耐久試験を行った。表3に、ビード部背面のセパレーション耐久性を、本発明タイヤの耐久性を100として比較した指数により示す。数値は、値が大きいほど良好な結果であることを示している。
なお、耐久性は、表2に定める条件でドラム試験を繰り返し実施し、最終的に背面セパレーションが発生するまでのドラム試験の繰返し回数により評価した。
この試験例によれば、本発明に係る航空機用空気入りラジアルタイヤは、ビード部背面のセパレーション耐久性について、従来タイヤ(1)と比較して1.67倍、従来タイヤ(2)と比較して1.43倍、そして従来タイヤ(3)と比較して1.64倍と、いずれも大幅に向上していることが確認された。
Figure 2006131095
Figure 2006131095
Figure 2006131095
規定リムに取付けられた航空機用空気入りラジアルタイヤのビード部近傍を、タイヤ幅方向に沿って切断して示す断面図である。
符号の説明
10 航空機用空気入りラジアルタイヤ
12 ビードコア
14 アッププライカーカス(カーカス)
14A カーカス本体部
14B 折返し部
16 ダウンプライカーカス(カーカス)
16A カーカス本体部
18 第1スティフナー
20 チェーファー
22 第2スティフナー
24 規定リム
24A リムフランジ
26 サイドウォール
28 ビード部背面
30 背面ゴム

Claims (2)

  1. 少なくとも一対のビードコアと、該ビードコア間に跨って配設されたカーカス本体部と該ビードコアに巻き回された折返し部とを有する少なくとも1層のカーカスと、前記ビードコアと前記カーカス本体部と前記折返し部との間に配置された第1スティフナーと、前記ビードコア下方域からリムフランジに沿う領域に配置されたチェーファーと、ビード部背面側の前記チェーファー及びサイドウォールと前記カーカスとの間に配置された第2スティフナーと、を備えた航空機用空気入りラジアルタイヤであって、
    規定リムに取り付け規定空気圧を充填した状態で、前記規定リムのフランジ高さをFhとし、前記ビード部背面のうち前記フランジ高さのリム中心側基準点Gから半径方向外側に0.5Fhの位置をA点、1.5Fhの位置をB点とし、
    前記規定空気圧を充填すると共に規定荷重を加えた場合の荷重直下における前記ビード部背面での前記規定リムとの離反点をC点とすると、
    前記A点、B点及びC点から前記カーカスの最外側面に夫々下ろした垂線上の背面ゴム総厚さを夫々WA、WB及びWCとすると、該WA、WB及びWCについて、
    0.18<WA/Fh<0.3・・・(1)
    A<WB・・・(2)
    C/Fh−0.04<WB/Fh<0.35・・・(3)
    A/Fh<WC/Fh<WA/Fh+0.08・・・(4)
    の関係を満たすと共に、
    前記A点から前記C点までの間の任意位置における前記背面ゴム総厚さWACについて、
    A<WAC<WA+0.08Fh・・・(5)
    の関係を満たし、
    前記C点からB点までの任意の位置における前記背面ゴム総厚さWCBについて、
    A<WCB<0.35Fh・・・(6)
    かつ
    C−0.04Fh<WCB<0.35Fh・・・(7)
    の関係を満たすことを特徴とする航空機用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記チェーファーの100%伸長モジュラスは、2.4乃至3.6MPaであり、前記第2スティフナーの100%伸長モジュラスは、3.1乃至4.5MPaであることを特徴とする請求項1に記載の航空機用空気入りラジアルタイヤ。
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