JP2006131009A - エアバッグの膨張展開方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エアバッグの膨張展開時間を短縮できるエアバッグ装置の提供。
【解決手段】 モジュールケース11内に折り畳まれたエアバッグ20は、第1ガス供給手段31、32の作動によりケースから放出、展開される。その後、第2ガス供給手段40の作動により、展開状態のエアバッグ20は完全膨張される。この2段階の動作により、膨張展開時間が短縮される。
【選択図】 図2
【解決手段】 モジュールケース11内に折り畳まれたエアバッグ20は、第1ガス供給手段31、32の作動によりケースから放出、展開される。その後、第2ガス供給手段40の作動により、展開状態のエアバッグ20は完全膨張される。この2段階の動作により、膨張展開時間が短縮される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、乗員保護のためのエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張展開方法、及びそれに用いる特にカーテン用エアバッグ装置及び側面衝突用エアバッグ装置に適したエアバッグ装置に関する。
車両には、車両の側面からの衝突に備えて、又は車両横転時に乗員が車両外へ飛び出さすのを防ぐためのカーテン用エアバッグ装置や側面衝突用エアバッグ装置が取り付けられている。
しかし、乗員と車両の側面構造物(ドア等)との間隔は、乗員と車両前面との間と比べると狭いため、カーテン用エアバッグ装置や側面衝突用エアバッグは、運転席用エアバッグや助手席用エアバッグと比べると、エアバッグの膨張開始及び膨張終了がより迅速になされることが求められている。
一般的なカーテン用エアバッグ装置や側面衝突用のエアバッグ装置は、一端部にガス発生器を取り付け、そこから発生させたガスを供給することでエアバッグを膨張展開させながら、乗員と車両側面との間にエアバッグを存在させるようにするものである。
そして、カーテンインフレータでは、車両のピラー(特にCピラー)にガス発生器を配置して、前席と後席共通のカーテンエアバッグを展開させる方法が一般的であるが、このような展開形態では、膨張展開の開始及び膨張展開の完了には時間が掛かかることになるほか、車両の衝突状況に応じた乗員の保護性能を更に高める観点から、改善する余地がある。
特開平10−217895号公報
特許文献1を含む従来技術では、モジュール内に折り畳んで収容されたエアバッグを、1つのガス発生源からのガスにより、展開させながら膨張させていた。
しかし、このような方式であると、展開開始時間のこれ以上の短縮が困難であり、カーテン用エアバッグ装置や側面衝突用のエアバッグに求められている更なるエアバッグの展開時間短縮の要求に応えられないという課題がある。その他、1つのガス発生源からのガスにより、エアバッグを展開させながら膨張させた場合には、モジュール内に折り畳まれたエアバッグ生地に加えられる摩擦力等の力も大きくなり、生地を傷めることにもなる。
本発明は、エアバッグ装置において、より迅速にエアバッグを膨張展開できるエアバッグの膨張展開方法、及びそのためのエアバッグ装置を提供することを課題とする。
本発明者は、エアバッグを展開させた後に膨張させるか、又は展開させながら膨張させ、このような展開と膨張を別個のメカニズムで行うことにより、エアバッグの膨張展開速度を高めると共に、膨張展開時におけるエアバッグ生地への悪影響も低減できることを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明は、課題の解決手段として、
乗員保護のためのエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張展開方法であり、
第1段階において、エアバッグに対して、エアバッグの展開方向にガスを供給して、エアバッグを展開させた後、
第2段階において、エアバッグに対して、エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向にガスを供給して完全膨張させる、エアバッグの膨張展開方法を提供する。
乗員保護のためのエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張展開方法であり、
第1段階において、エアバッグに対して、エアバッグの展開方向にガスを供給して、エアバッグを展開させた後、
第2段階において、エアバッグに対して、エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向にガスを供給して完全膨張させる、エアバッグの膨張展開方法を提供する。
第1段階において「展開する」とは、エアバッグがそれを収納したモジュールケースから放出され、伸張された状態を指す。上記のような発明は、乗員と車両側面構造物との間に迅速にエアバッグを存在させるものであり、少なくともエアバッグの完全膨張の段階後にエアバッグが放出され、伸張を完了する(展開を完了する)ものではない。
また力を「作用させる」とは、エアバッグの外側に作用させて、又はエアバッグの内側に作用させてエアバッグをモジュールケースから放出させ、伸張させるものでない。
よって、第1段階における力の供給手段は、電気式点火器とガス発生剤を組み合わせたガス発生器を用いることができるほか、通常はガス発生剤を着火燃焼させる着火エネルギー(高温ガスを含む衝撃波)を生じる電気式点火器を用い、その高温ガスを含む衝撃波等により、エアバッグを展開させるものであってもよい。
なお、第2段階における「ガスを供給する」は、文言どおりの意味であり、乗員保護のため、エアバッグを完全膨張させるに必要な量のガスを送り込むものであり、ガスの供給手段として公知のエアバッグ用ガス発生器を用いることができる。
第1段階における「展開」は、エアバッグが展開している(モジュールケースから放出され、伸張している)か又は展開途中であり、未だ完全膨張ではない状態をいい、エアバッグは第2段階において完全膨張する。
即ち、従来の展開方法では、ガス発生器からのガスがエアバッグの乗員拘束部分に供給される途中にモジュールケースから展開するものであるのに対して、本発明の展開方法におけるモジュールケースからエアバッグを放出・伸張させる力とは、エアバッグのうち乗員を拘束する部分以外の部分に力が作用してモジュールケースから放出することを指す。そして、第2段階での乗員拘束部分を膨張させる行程とは独立して行われる。
このようにして、第1段階にて、エアバッグに対してエアバッグの展開方向に力を作用させることで、エアバッグの展開時間を短縮すると共に、第2段階にて、エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向にガスを供給することで、完全膨張までの時間(完全膨張の終了時間)も短縮することができる。
そして、エアバッグを展開させた状態で実質的に膨張させるため、一気に膨張展開させた場合に比べると、モジュール内に折り畳んで収容されたエアバッグに加えられる力も小さくなるので生地を傷めることがない。
なお、第2段階におけるガスの供給方向において、「エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向」とは、ガス供給手段から排出されるガス流の方向を意味するものであり、エアバッグ内に供給されるガス流の方向を意味するものではない。
本発明は、課題の他の解決手段として、第1段階と第2段階の動作が連続的であり、エアバッグが展開しながら膨張する、請求項1記載のエアバッグの膨張展開方法を提供する。
第1段階においてエアバッグを完全に展開させた後、第2段階においてガスを供給してエアバッグを完全膨張させる方法でもよいし、前記発明のとおり、まず第1段階でエアバッグを展開させながら(展開が終了していない状態)、続く第2段階でガスを供給してエアバッグを完全に展開させると共に、完全膨張させる方法でもよい。
本発明は、課題の他の解決手段として、第1段階におけるエアバッグの展開が、エアバッグの乗員保護部分ではない、展開時において展開方向に縦長に存在するリブ状空間にガスが供給されるものである、請求項1記載のエアバッグの膨張展開方法を提供する。
エアバッグ装置に用いるエアバッグには様々なものがあり、例えば、カーテン用エアバッグ装置に用いるエアバッグの場合には、展開時において、車両の後方から前方の間の所定長さで、車両の天井付近から床との間の所定幅となるような横長形状のエアバッグを使用する。このような横長形状のエアバッグの場合、乗員がいない部分までも展開膨張させる必要はなく、無駄にもなる。そこで、一つのエアバッグ中に、膨張部分(乗員保護に関与する部分)と非膨張部分(乗員保護に関与しない部分)を設け、膨張部分のみを膨張展開させると、展開時間が短縮され、全体のガス量も抑制できる。
前記発明は、このような乗員保護に関与しない非膨張部分の展開方向に縦長のリブ状空間を設けて、このリブ状空間にガスを供給することで、膨張部の膨張に関与することなく、エアバッグを展開させるものである。これは、ガスが充填された縦長のリブ状空間が補強部材のような役目をして、即ちリブ状空間にガスを供給することで、エアバッグ全体が展開方向に伸張する力が作用し、エアバッグを展開させるものである。なお、リブ状空間自体は乗員の保護には関与せず、エアバッグを展開できる程度でよいので、膨張部分と比べるとごく少量のガスを供給するだけでよい。
本発明は、課題の他の解決手段として、第1段階における力の供給源と第2段階におけるガス供給源がそれぞれ独立したものである、請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグの膨張展開方法を提供する。
第1段階におけるガス供給源は、1つでも、2つ以上の独立したものでもよいし、1つの供給源から複数箇所に力を供給するようにしてもよい。
本発明のエアバッグの膨張展開方法は、エアバッグ装置がカーテン用エアバッグ装置や側面衝突用エアバッグ装置における膨張展開方法として適している。
本発明は、他の課題の解決手段として、
乗員保護のためのエアバッグ装置であり、
エアバッグに対して、エアバッグの展開方向に力を作用させて、エアバッグを展開させるための展開手段、
エアバッグに対して、エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向にガスを供給して、エアバッグを完全膨張させるガス供給手段を有しており、
展開手段とガス供給手段の作動順序が、展開手段が先であるか、又は2つの手段が同時である、エアバッグ装置を提供する。
乗員保護のためのエアバッグ装置であり、
エアバッグに対して、エアバッグの展開方向に力を作用させて、エアバッグを展開させるための展開手段、
エアバッグに対して、エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向にガスを供給して、エアバッグを完全膨張させるガス供給手段を有しており、
展開手段とガス供給手段の作動順序が、展開手段が先であるか、又は2つの手段が同時である、エアバッグ装置を提供する。
エアバッグを「展開させる」とは、エアバッグがそれを収納したモジュールケースから放出され、伸張されることで、少なくともエアバッグの完全膨張の段階後にエアバッグが放出され、伸張を完了する(展開を完了する)ものではない。
また「力を作用させる」とは、エアバッグの外側に作用させて、又はエアバッグの内側に作用させて、エアバッグをモジュールケースから放出・伸張させるものである。
即ち、従来のエアバッグ装置では、ガス発生器からのガスがエアバッグの乗員拘束部分に供給される途中にモジュールケースから展開するものであるのに対して、本発明のエアバッグ装置では、エアバッグのうち乗員を拘束する部分以外の部分に力を作用させてモジュールケースから放出させる「展開手段」と、乗員拘束部分を膨張させるための「ガス供給手段」の2つを有し、それぞれが独立して機能するものである。
本発明で用いる展開手段としては、公知のエアバッグ装置等に用いられる電気式点火器(上記したとおり、実質的に圧力供給手段として作用する)やガス発生器を用いることができ、ガス供給手段としては、前記ガス発生器を用いることができる。
展開手段としてガス発生器を用いるときは、ガス発生剤の燃焼により発生するガスのみを供給源とするもの、アルゴン、ヘリウム、窒素ガス等を供給源とするもの、及びそれらを併用するものから選択して適用できる。
このようにして、第1ガス供給手段により、エアバッグに対して、エアバッグの展開方向に力を作用させることで、エアバッグの展開時間を短縮すると共に、第2ガス供給手段により、エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向にガスを供給することで、完全膨張までの時間(完全膨張の終了時間)も短縮することができる。
そして、エアバッグを展開させた状態で実質的に膨張させるため、一気に膨張展開させた場合に比べると、モジュール内に折り畳んで収容されたエアバッグに加えられる力も小さくなるので生地を傷めることがない。
本発明のエアバッグ装置によれば、展開手段とガス供給手段の作動順序の調整により、展開手段の作動により、エアバッグを完全に展開させた後、ガス供給手段の作動により、ガスを供給してエアバッグを完全膨張させる方法、或いは展開手段とガス供給手段を同時に作動させることにより、エアバッグを展開させながら膨張させる方法のいずれにも対応することができる。
なお、展開手段とガス供給手段の取付位置を最適位置に設定することにより、2つの手段を同時に作動させた場合でも、従来技術とは異なり、展開させながら膨張させる方法にも対応できる。
本発明は、他の課題の他の解決手段として、
エアバッグが、乗員保護部分となる膨張部と、乗員保護部分とならない非膨張部とを有しており、
前記非膨張部には、展開時において展開方向に縦長に存在するリブ状空間が設けられており、
前記リブ状空間には、展開手段によりガスを供給する、請求項6記載の側面衝突用エアバッグ装置を提供する。
エアバッグが、乗員保護部分となる膨張部と、乗員保護部分とならない非膨張部とを有しており、
前記非膨張部には、展開時において展開方向に縦長に存在するリブ状空間が設けられており、
前記リブ状空間には、展開手段によりガスを供給する、請求項6記載の側面衝突用エアバッグ装置を提供する。
本発明は、他の課題の他の解決手段として、
展開手段とガス供給手段が一つのガス供給手段であり、
エアバッグが、乗員保護部分となる膨張部と、乗員保護部分とならない非膨張部とを有しており、
前記非膨張部には、展開時において展開方向に縦長に存在するリブ状空間が設けられており、
前記膨張部と前記リブ状空間に対して、前記の1つのガス供給手段によりガスを供給する、請求項6記載のエアバッグ装置を提供する。
展開手段とガス供給手段が一つのガス供給手段であり、
エアバッグが、乗員保護部分となる膨張部と、乗員保護部分とならない非膨張部とを有しており、
前記非膨張部には、展開時において展開方向に縦長に存在するリブ状空間が設けられており、
前記膨張部と前記リブ状空間に対して、前記の1つのガス供給手段によりガスを供給する、請求項6記載のエアバッグ装置を提供する。
上記したとおり、エアバッグの種類によっては、膨張部分(乗員保護に関与する部分)と非膨張部分(乗員保護に関与しない部分)を有している。
上記各発明は、このような乗員保護に関与しない非膨張部分に展開方向に縦長のリブ状空間を設けて、このリブ状空間にガスを供給することで、膨張部の膨張に関与することなく、エアバッグを展開させるものである。これは、ガスが充填された縦長のリブ状空間が補強部材のような役目をして、即ち、リブ状空間にガスを供給することで、エアバッグ全体を展開方向に伸張させる力が作用して、エアバッグを展開させるものである。
なお、リブ状空間自体は乗員の保護には関与せず、エアバッグを展開できる程度でよいので、膨張部分と比べるとごく少量のガスを供給するだけでよい。このため、1つのガス供給手段(即ち、上記した発明における展開手段を廃し、ガス供給手段のみにする)からガスを供給した場合でも、リブ状空間が先に完全膨張してエアバッグを展開させ、遅れて膨張部が完全膨張するため、本発明の課題が解決できる。
本発明のエアバッグ装置は、カーテン用エアバッグ装置や側面衝突用エアバッグ装置に適している。なお、カーテン用エアバッグ装置の場合、車両天井面と側面窓の間から床面に向けて膨張展開され、側面衝突用エアバッグ装置の場合、エアバッグは乗員が座るシート内部から車両前面に向かって膨張展開される方式が一般的である。
本発明のエアバッグ装置は、エアバッグの膨張展開における開始時間を短縮することができるため、乗員の安全保護性能を高めることができる。
(1)第1の実施形態
図面により、本発明の第1実施形態を説明する。図1は本発明のエアバッグ装置(カーテン用エアバッグ装置)の車両における取り付け位置を示す概略図、図2は本発明のエアバッグ装置(カーテン用エアバッグ装置)の正面図(取り付け状態における正面図)、図3は図2の部分拡大図、図4は図2のエアバッグ装置においてエアバッグが展開した状態を示す図、図5は第1ガス供給手段となる第1ガス発生器の縦断面図である。なお、図2では、説明のためエアバッグ20の一部表示が略されている。
図面により、本発明の第1実施形態を説明する。図1は本発明のエアバッグ装置(カーテン用エアバッグ装置)の車両における取り付け位置を示す概略図、図2は本発明のエアバッグ装置(カーテン用エアバッグ装置)の正面図(取り付け状態における正面図)、図3は図2の部分拡大図、図4は図2のエアバッグ装置においてエアバッグが展開した状態を示す図、図5は第1ガス供給手段となる第1ガス発生器の縦断面図である。なお、図2では、説明のためエアバッグ20の一部表示が略されている。
図1に示すように、カーテン用エアバッグ装置(以下「エアバッグ装置」という)10は、車両1の一側面側の天井部に取り付けられる。2はAピラー、3はBピラー、4はCピラーを示し、5、6は窓であり、ドアは略している。なお、エアバッグ20は、図1中の白い矢印方向に膨張展開する。
布製のモジュールケース11(図中、破線で示す。)内には、筒状部12とエアバッグ20が収容されており、エアバッグ20は、折り畳まれた状態で所定方向に膨張展開可能なように取り付けられている。
エアバッグ20は、乗員の保護に関与する膨張部22a〜22d(図4中の斜線を付した部分。展開時、乗員の頭部に位置する。)と、乗員の保護に関与しない非膨張部23(図4中の斜線を付した部分以外)とを有している。
モジュールケース11には、2つの第1ガス発生器(エアバッグ20を展開させるための第1ガス供給手段)31、32が取り付けられており、それぞれリードワイヤ61、62を介して車両のバッテリーに接続されている。
第1ガス発生器31、32は、いずれも同一構造であり、図5に示すとおり、筒状ハウジング33内に、点火器34(35は着火部)、所要量のガス発生剤37が収容され、一端開口部側は蓋部36で閉塞されている。
蓋部36は、筒状ハウジング33の開口部周縁をかしめて固定されており、内部への湿気の侵入防止のため、シール部材(図示せず)が配置されている。なお、蓋部36は、作動時において筒状ハウジング33から容易に外れ、図1の白矢印方向に放出されるように固定されている。点火器34は、筒状ハウジング33の他端側開口部をかしめて固定されている。
第1ガス発生器31、32とエアバッグ20は、図3、図4に示すとおり、エアバッグ20の非膨張部23に設けられた複数の差込穴21の全てに第1ガス発生器31、32を通し、それらの蓋部36にエアバッグ20の先端部20aが固着されている。
モジュールケース11の筒状部12の一端は閉塞されており、他端には第2ガス発生器40(エアバッグ20を完全膨張させるための第2ガス供給手段)が接続されている。第2ガス発生器40は、周知のエアバッグ用のパイロインフレータやハイブリッドインフレータ等を適用することができる。第2ガス発生器40は、リードワイヤ41を介して車両のバッテリーに接続されている。
モジュールケース11の筒状部12内には、第2ガス発生器40のガス排出口と接続されたガス供給管14が配置され、ガス供給管14に設けられたガス供給口15a〜15dは、エアバッグ20の膨張部22a〜22dと接続されている。第2ガス発生器40で生じたガスは、ガス供給管14を通り、ガス供給口15a等からエアバッグ20の膨張部22a等に供給される。なお、ガス供給管14を設けずに、筒状部12自体に、ガス供給管の機能を持たせるようにしてもよい。
次に、図2、図4により、エアバッグ装置10の動作について説明する。車両1が側面衝突したとき、先に第1ガス発生器31、32が作動する。このとき、燃焼ガスは車両1の床面方向(図1の白矢印方向)に噴出され、蓋部36が飛び出すように車両1の床面方向に放出されると共に、折り畳まれたエアバッグ20が車両1の床方向に瞬時に展開される。
そして、僅かに遅れて第2ガス発生器40が作動し、所要量の燃焼ガスが供給されることでエアバッグ20が完全に膨張されるため、衝撃から乗員が保護される。このとき、既にエアバッグ20が床面方向に展開しているので、展開していない場合に比べて完全膨張は容易となる。
なお、本実施形態では、ガス発生器31、32がガス発生剤37を使用し、発生ガスの圧力により蓋部36を放出するものであるが、ガスの発生以外にも、熱、衝撃波を発生させ、利用するものでもよい。
(2)第2の実施形態
図6により、本発明の第2の実施形態(エアバッグ装置100)を説明する。図6は、図4とは異なる実施形態のエアバッグ装置が展開した状態を示す図である。なお、図6及び図4において、同一番号は同じものであることを示す。
図6により、本発明の第2の実施形態(エアバッグ装置100)を説明する。図6は、図4とは異なる実施形態のエアバッグ装置が展開した状態を示す図である。なお、図6及び図4において、同一番号は同じものであることを示す。
図6では、図4の差込穴21が設けられている辺りの非膨張部23に、リブ状空間51、52が設けられている。
リブ状空間51、52は、エアバッグ20が展開したときに、幅の狭い縦長の形状になるような空間(リブ状空間)であり、一端側がモジュール11の筒状部12内に配置されたガス供給管14のガス供給口と接続されており、他端側はエアバッグ20の先端部20a付近に位置している。
リブ状空間51、52は、図6では、例えば、膨張部22aと膨張部22bとの間に一つ設けられているが、2つ以上を平行して設けることもできる。また、本発明の課題を解決できるのであれば、図6に示した位置以外の非膨張部23にも設けることができる。
リブ状空間51、52は、エアバッグ装置100の作動時において、膨張部22a等よりも先にガスで満たされる必要があるため、それらの容積は、膨張部22a等の容積に比べて十分に小さくなるように設定されている。例えば、リブ状空間51(又は52)の容積は、膨張部22a等の一つの容積の20%以下になるように設定されている。
なお、図6に示す実施形態では、図2、図4におけるエアバッグ20を展開させるための第1ガス供給手段となる31、32はなく、ガス供給手段としては、ガス発生器40のみを備えている。
次に、図6のエアバッグ装置の動作について説明する。車両1が側面衝突したとき、ガス発生器40が作動し、燃焼ガスが発生する。燃焼ガスは、モジュールケース11内のガス供給管14を通って、ごく短い時間のことであるが、膨張部22d、リブ状空間52、膨張部22c、膨張部22b、リブ状空間51、膨張部22aの順に供給されることになる。
しかし、リブ状空間51、52の容積は、膨張部22a等の容積に比べると十分に小さいので、1つのガス供給手段から同じようにガスが供給されたにも拘わらず、先にリブ状空間51、52内にガスが満たされることになる。
そして、このようにしてリブ状空間51、52にガスが満たされリブ状に膨張することにより、エアバッグ20が展開され、展開されたエアバッグ20の膨張部22a等にガスが満たされ、完全膨張される。このように、リブ状空間51、52の作用により、エアバッグ20が展開されながら膨張部22a等にガスが満たされることから、エアバッグ20が全く展開していない場合に比べて完全膨張は容易となる。更に、第1の実施形態のものと比べると、第1ガス発生器31、32が不要となる点からは、製造コスト及び軽量化の点において有利である。勿論、第2の実施形態においても、リブ状空間51、52に対して独立したガス供給手段を設けることができる。
10、100 エアバッグ装置
11 モジュールケース
20 エアバッグ
31、32 第1ガス発生器
40 第2ガス発生器
51、52 リブ状空間
11 モジュールケース
20 エアバッグ
31、32 第1ガス発生器
40 第2ガス発生器
51、52 リブ状空間
Claims (9)
- 乗員保護のためのエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張展開方法であり、
第1段階において、エアバッグに対して、エアバッグの展開方向に力を作用させて、エアバッグを展開させた後、
第2段階において、エアバッグに対して、エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向にガスを供給して完全膨張させる、エアバッグの膨張展開方法。 - 第1段階と第2段階の動作が連続的であり、エアバッグが展開しながら膨張する、請求項1記載のエアバッグの膨張展開方法。
- 第1段階におけるエアバッグの展開が、エアバッグの乗員保護部分ではない、展開時において展開方向に縦長に存在するリブ状空間にガスが供給されるものである、請求項1記載のエアバッグの膨張展開方法。
- 第1段階における力の供給源と第2段階におけるガス供給源がそれぞれ独立したものである、請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグの膨張展開方法。
- エアバッグ装置がカーテン用エアバッグ装置又は側面衝突用エアバッグ装置である、請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグの膨張展開方法。
- 乗員保護のためのエアバッグ装置であり、
エアバッグに対して、エアバッグの展開方向に力を作用させて、エアバッグを展開させるための展開手段、
エアバッグに対して、エアバッグの展開方向と同一又は異なる方向にガスを供給して、エアバッグを完全膨張させるガス供給手段を有しており、
展開手段とガス供給手段の作動順序が、展開手段が先であるか、又は2つの手段が同時である、エアバッグ装置。 - エアバッグが、乗員保護部分となる膨張部と、乗員保護部分とならない非膨張部とを有しており、
前記非膨張部には、展開時において展開方向に縦長に存在するリブ状空間が設けられており、
前記リブ状空間には、展開手段によりガスを供給する、請求項6記載の側面衝突用エアバッグ装置。 - 展開手段とガス供給手段が一つのガス供給手段であり、
エアバッグが、乗員保護部分となる膨張部と、乗員保護部分とならない非膨張部とを有しており、
前記非膨張部には、展開時において展開方向に縦長に存在するリブ状空間が設けられており、
前記膨張部と前記リブ状空間に対して、前記の1つのガス供給手段によりガスを供給する、請求項6記載のエアバッグ装置。 - エアバッグ装置がカーテン用エアバッグ装置又は側面衝突用エアバッグ装置である、請求項6〜8のいずれかに記載のエアバッグ装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070926 |
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A977 | Report on retrieval |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091215 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100427 |