JP2006130689A - メタルマスクおよびスクリーン印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外形サイズの異なるFPCを共通の搬送ボードに固定して印刷することが可能な「メタルマスクおよびスクリーン印刷装置」を提供すること。
【解決手段】 メタルマスク1は、多数の印刷用開口4が設けられた印刷領域2aの周囲を非印刷領域2bとするマスク判2と、マスク判2の外縁部を支持する枠体3とで構成されており、非印刷領域2bの裏面にフッ素系樹脂からなる剥離層6を塗布形成する。そして、搬送ボード5の上面ほぼ全域に設けた粘着層8の一部にFPC9を貼着し、このFPC9に印刷領域2aの裏面を接触させると共に、FPC9の周囲に露出する粘着層8に剥離層6を対向させた状態で、上記メタルマスク1を用いてFPC9にクリーム半田11をスクリーン印刷するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メタルマスクおよびそれを用いたスクリーン印刷装置に係り、特に、被印刷物であるフレキシブルプリント基板にスクリーン印刷法によりクリーム半田を転写する技術に関するものである。
スクリーン印刷は、プリント基板等の被印刷物上にマスク判を重ね、このマスク判の上面でスキージを摺動させてクリーム半田等のインクを被印刷物の上面に転写する印刷法であり、マスク判としてはステンレス鋼板等にエッチングやレーザ加工で多数の印刷用開口を設けたメタルマスクと呼ばれるものが使用されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、被印刷物がセラミック基板やガラス入りエポキシ樹脂基板等の高い剛性を有するリジッド基板である場合、コンベア上に載置したリジッド基板にクリーム半田を転写した後、そのままリジッド基板を部品実装ステージとリフロー炉までコンベア搬送してクリーム半田を固化することができるが、被印刷物が可撓性のあるフレキシブルプリント基板(以下、FPCと呼ぶ)である場合、FPCを直接コンベア搬送することが困難となる。
そこで従来、このようにFPCにクリーム半田を印刷するスクリーン印刷装置において、FPCを支持可能な搬送ボードを使用し、この搬送ボード上に粘着層を介してFPCを固定した状態で該搬送ボードをコンベア搬送するようにした技術が知られている。この搬送ボードは剛性の高い基材の上面に粘着層を設けて構成されており、粘着層はFPCが貼着される部分のみに設けられ、FPCの周囲には粘着層のない基材が露出するようになっている。したがって、このような搬送ボードを用いてFPCにクリーム半田をスクリーン印刷すると、可撓性のあるFPCを剛性の高い搬送ボード上に密着させた状態でメタルマスクを用いてクリーム半田を転写した後、そのまま搬送ボードごとFPCをコンベア搬送することができるため、FPCに対する印刷工程と部品実装およびリフローを連続して行うことができる。
特開平11−321146号公報(第3−4頁、図1)
前述したように、従来のスクリーン印刷装置においては、搬送ボード上に設けられた粘着層にFPCが貼着されているが、FPCの周囲には粘着層のない基材が露出するようになっているため、メタルマスクの上面でスキージを摺動させてFPCにクリーム半田を転写する際に、スキージの押込み力によってメタルマスクと搬送ボードが密着することはなく、クリーム半田の転写後にメタルマスクを搬送ボードとFPCから確実に引き離すことができる。しかしながら、被印刷物であるFPCの外形サイズに合わせて搬送ボードに部分的に粘着層を設ける必要があるため、FPCの外形サイズ毎に専用の搬送ボードを準備しなければならず、このことがスクリーン印刷装置のトータルコストを上昇させる大きな要因となっていた。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、被印刷物を支持する搬送ボードに対して剥離性の良いメタルマスクを提供することにあり、その第2の目的は、外形サイズの異なるFPCを共通の搬送ボードに固定することが可能なスクリーン印刷装置を提供することにある。
本発明は、メタルマスクの印刷領域の周囲に位置する非印刷領域の裏面の一部または全域にフッ素系樹脂からなる剥離層を設け、このメタルマスクを用いて搬送ボードの粘着層に貼着された被印刷物にスクリーン印刷するときに、被印刷物の周囲に位置する搬送ボードの粘着層とメタルマスクの剥離層とを対向させることにより、スキージの押込み力に起因するメタルマスクと搬送ボードの密着を防止するようにした。
本発明のメタルマスクは、被印刷物に接触しない非印刷領域の裏面の一部または全域にフッ素系樹脂からなる剥離層を設け、スクリーン印刷時にこの剥離層が被印刷物の周囲に位置する搬送ボードの粘着層と対向するようにしたので、各種サイズの被印刷物を貼着できるように搬送ボードの上面ほぼ全域に粘着層を設けたのにも拘わらず、スキージの押込み力でメタルマスクの非印刷領域が粘着層に密着してしまうことを確実に防止できる。
また、本発明のスクリーン印刷装置は、上記したようなメタルマスクを用いて搬送ボードの粘着層に貼着されたFPCにクリーム半田を転写するようにしたので、搬送ボードの上面ほぼ全域に粘着層を設けることにより、外形サイズの異なるFPCを共通の搬送ボードに固定することが可能となり、その分、トータルコストを低減することができる。
上述した第1の目的を達成するために、本発明は、搬送ボードの上面ほぼ全域に設けられた粘着層に貼着された被印刷物にインクを転写するスクリーン印刷に用いられ、前記被印刷物の上面に接触する印刷領域と該被印刷物の周囲に位置する前記粘着層に対向する非印刷領域とを有するメタルマスクにおいて、前記非印刷領域の裏面の一部または全域にフッ素系樹脂からなる剥離層を設ける構成とした。
このように構成されたメタルマスクでは、各種サイズの被印刷物を貼着できるように搬送ボードの上面ほぼ全域に粘着層を設けたのにも拘わらず、スキージの押込み力でメタルマスクの非印刷領域が粘着層に密着してしまうことを防止できるので、インクの転写後にメタルマスクを搬送ボードと被印刷物から確実に引き離すことができる。
上記の構成において、前記剥離層は均一厚の面状に設けられていても良いが、この剥離層がドット状に点在された多数の半球状体からなると、粘着層との接触面積が低下して剥離性を高めることができて好ましい。
また、上記の構成において、前記剥離層はメタルマスクの非印刷領域の裏面に直接設けても良いが、前記印刷領域と前記非印刷領域が同一厚のステンレス鋼板からなると共に、前記非印刷領域に別のステンレス鋼板を積層・一体化して該非印刷領域を前記印刷領域よりも厚肉な厚肉部となし、この厚肉部の裏面に前記剥離層を設けると、搬送ボード上に貼着された被印刷物の厚み相当分の段差が厚肉部によって埋められるため、スキージ圧が印刷領域と非印刷領域で不均一になることを防止できて好ましい。
また、上述した第2の目的を達成するために、本発明は、上面のほぼ全域に粘着層が設けられた搬送ボードと、印刷用開口を有する印刷領域が周囲の非印刷領域を介して枠体に支持されているメタルマスクとを備え、フレキシブルプリント基板を前記粘着層に貼着した状態で前記搬送ボードに前記メタルマスクを重ね、このメタルマスクの上面でクリーム半田をスキージングして前記フレキシブルプリント基板に転写するスクリーン印刷装置において、前記非印刷領域の裏面の一部または全域にフッ素系樹脂からなる剥離層を設け、前記メタルマスクを前記搬送ボードに重ねたときに、前記剥離層が前記フレキシブルプリント基板の周囲に位置する前記粘着層と対向するように構成した。
このように構成されたスクリーン印刷装置では、上記したように非印刷領域の裏面に剥離層を設けたメタルマスクを用いて搬送ボードの粘着層に貼着されたFPCにクリーム半田を転写するようにし、このときのスキージの押込み力でメタルマスクの非印刷領域が粘着層に密着してしまうことを剥離層によって防止できるので、各種サイズのFPCを搬送ボードの上面ほぼ全域に設けた粘着層の任意部位に貼着することにより、外形サイズの異なるFPCを共通の搬送ボードに固定することが可能となり、その分、トータルコストを低減することができる。
上記の構成において、前記メタルマスクは印刷領域と非印刷領域が同一厚のステンレス鋼板等からなるものでも良いが、非印刷領域の一部または全部を印刷領域よりも厚肉な厚肉部となし、この厚肉部の裏面に前記剥離層を設けると、搬送ボード上に貼着されたFPCの厚み相当分の段差が厚肉部によって埋められるため、スキージ圧が印刷領域と非印刷領域で不均一になることを防止できて好ましい。
実施例について図面を参照して説明すると、図1は第1実施例に係るメタルマスクの裏面図、図2は該メタルマスクの要部断面図、図3は該メタルマスクを用いたスクリーン印刷装置の要部断面図である。
図1と図2に示すように、本実施例に係るメタルマスク1は、約150μm厚のステンレス鋼板からなるマスク判2と、このマスク判2の外縁部を支持する枠体3とで構成されている。マスク判2の中央部は印刷領域2aとなっており、この印刷領域2aの周囲は非印刷領域2bとなっている。印刷領域2aにはエッチングやレーザ加工により多数の印刷用開口4が穿設されており、後述するように、スクリーン印刷時にメタルマスク1は搬送ボード5(図1の2点鎖線で示す)に重ねられ、印刷領域2aの裏面が搬送ボード5上に貼着されたFPCに接触するようになっている。また、非印刷領域2bのうち、搬送ボード5に重ねられる部分の裏面にはフッ素系樹脂からなる剥離層6が塗布されている。本実施例では、フッ素系樹脂としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を用いているが、PFAやFEP、ETFE、PVDF、PCTFE等の他のフッ素系樹脂を用いることも可能である。この剥離層6はドット状に点在された多数の半球状体6aで構成されているが、他の形状のものをドット状に点在させたり、帯状形状のものをマトリクス状や平行に配列させても良い。
図3に示すように、前記搬送ボード5は、ガラス入りエポキシ樹脂やアルミニウム等の剛性の高い基材7と、この基材7の上面ほぼ全域に設けられたシリコン系樹脂からなる粘着層8とで構成されており、この粘着層8の一部に被印刷物であるFPC9が貼着されるようになっている。FPC9は数100μm厚のポリイミドに配線パターンを設けたものであるが、その大きさは用途に応じて種々のものが準備される。ただし、粘着層8の形成領域がいずれのFPC9よりも十分に大きく設定されているため、この搬送ボード5は外形サイズの異なる種々のFPC9に適用可能な汎用タイプとなっている。
次に、前記メタルマスク1を用いて搬送ボード5上に貼着されたFPC9にクリーム半田をスクリーン印刷する印刷工程について説明する。
まず、図示せぬコンベア上に載置された搬送ボード5の粘着層8の所定位置にFPC9を貼着した後、搬送ボード5にメタルマスク1を重ね合わせてマスク判2の印刷領域2aの裏面をFPC9の上面に接触させる。この場合、FPC9の貼着部分を除いて粘着層8が大きく露出することになり、この露出した粘着層8に非印刷領域2bの裏面に塗布された剥離層6が対向する。しかる後、マスク判2の上面でスキージ10を図3の矢印A方向へ摺動させることにより、クリーム半田11を印刷領域2aの各印刷用開口4内に充填させる。その際、スキージ10の押込み力で非印刷領域2bが下方の剥離層6に向けて押圧されるが、剥離層6に対向する非印刷領域2bの裏面にフッ素系樹脂からなる剥離層6が塗布されているため、この剥離層6によって非印刷領域2bが剥離層6に密着してしまうことを防止できる。しかる後、メタルマスク1を搬送ボード5から引き離すと、各印刷用開口4内に充填されたクリーム半田11がFPC9の上面に転写され、FPC9の図示せぬランドにクリーム半田11がスクリーン印刷される。そして、かかる印刷工程後に搬送ボード5を部品実装ステージへコンベア搬送し、この部品実装ステージで搬送ボード5に貼着されたFPC9のクリーム半田11にチップ部品をマウントし、その後に搬送ボード5をリフロー炉へコンベア搬送してクリーム半田11を溶融・固化させる。
このように本実施例では、搬送ボード5の上面ほぼ全域に設けられた粘着層8の一部に被印刷物であるFPC9を貼着すると共に、メタルマスク1の非印刷領域2bの裏面にはフッ素系樹脂からなる剥離層6を塗布し、このメタルマスク1を用いてFPC9にクリーム半田11をスクリーン印刷するようにしたので、印刷時のスキージ10の押込み力で非印刷領域2bが粘着層6に密着してしまうことを剥離層6によって防止でき、メタルマスク1を搬送ボード5から確実に引き離すことができる。特に、剥離層6がドット状に点在された多数の半球状体6aからなるため、非印刷領域2bと剥離層6の接触面積を大幅に低減して両者の密着を確実に防止することができる。そして、各種サイズのFPC9を粘着層9の一部に貼着するようにしたので、外形サイズの異なるFPCを共通の搬送ボード5に固定することが可能となり、その分、スクリーン印刷装置のトータルコストを低減することができる。
図4は第2実施例に係るメタルマスクの裏面図、図5は該メタルマスクの要部断面図、図6は該メタルマスクを用いたスクリーン印刷装置の要部断面図であり、図1〜図3に対応する部分には同一符号を付してある。
本実施例が前述した第1実施例と相違する点は、メタルマスク1の非印刷領域2bの一部または全部を印刷領域2aよりも厚肉な厚肉部12となし、この厚肉部12の裏面にフッ素系樹脂からなる剥離層6を塗布したことにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。厚肉部12はマスク判2と同じステンレス鋼板からなり、非印刷領域2bの下面に熱圧着等により積層・一体化されている。図4に示すように、厚肉部12は複数の帯状体を印刷領域2aの周囲に点在させたものからなるが、非印刷領域2bの下面全体に設けても良い。図5に示すように、剥離層6は厚肉部12の裏面全体に塗布形成された数μm厚のPTFEからなるが、第1実施例と同様に、剥離層6をドット状に点在された多数の半球状体で構成しても良い。そして、被印刷物であるFPC9の厚みに対して厚肉部12と剥離層6を総和した厚みがほぼ同じになるように設定されている。
このように構成された第2実施例によれば、図6に示すように、搬送ボード5にメタルマスク1を重ね合わせてFPC9にクリーム半田11をスクリーン印刷する際、搬送ボード5の粘着層8に貼着されたFPC9の厚み相当分の段差内に厚肉部12が入り込み、この厚肉部12によって印刷領域2aと非印刷領域2bが同一平面で支持されることになるので、マスク判2の上面でスキージ10を摺動させたときのスキージ圧が印刷領域2aと非印刷領域2bとで均一になり、クリーム半田11をより高精度でFPC9に転写することができる。また、非印刷領域2bの下面に積層・一体化した厚肉部12によってFPC9の厚みのほとんどがカバーされるため、剥離層6は厚肉部12の裏面に数μm厚程度で塗布するだけで済み、剥離層6を簡単に形成することができる。
第1実施例に係るメタルマスクの裏面図である。 該メタルマスクの要部断面図である。 該メタルマスクを用いたスクリーン印刷装置の断面図である。 第2実施例に係るメタルマスクの裏面図である。 該メタルマスクの要部断面図である。 該メタルマスクを用いたスクリーン印刷装置の要部断面図である。
符号の説明
1 メタルマスク
2 マスク判
2a 印刷領域
2b 非印刷領域
3 枠体
4 印刷用開口
5 搬送ボード5
6 剥離層
7 基材
8 粘着層
9 FPC(被印刷物)
10 スキージ
11 クリーム半田

Claims (5)

  1. 搬送ボードの上面ほぼ全域に設けられた粘着層に貼着された被印刷物にインクを転写するスクリーン印刷に用いられ、前記被印刷物の上面に接触する印刷領域と該被印刷物の周囲に位置する前記粘着層に対向する非印刷領域とを有するメタルマスクであって、前記非印刷領域の裏面の一部または全域にフッ素系樹脂からなる剥離層を設けたことを特徴とするメタルマスク。
  2. 請求項1の記載において、前記剥離層がドット状に点在された多数の半球状体からなることを特徴とするメタルマスク。
  3. 請求項1または2の記載において、前記印刷領域と前記非印刷領域が同一厚のステンレス鋼板からなると共に、前記非印刷領域に別のステンレス鋼板を積層・一体化して該非印刷領域を前記印刷領域よりも厚肉な厚肉部となし、この厚肉部の裏面に前記剥離層を設けたことを特徴とするメタルマスク。
  4. 上面のほぼ全域に粘着層が設けられた搬送ボードと、印刷用開口を有する印刷領域が周囲の非印刷領域を介して枠体に支持されているメタルマスクとを備え、フレキシブルプリント基板を前記粘着層に貼着した状態で前記搬送ボードに前記メタルマスクを重ね、このメタルマスクの上面でクリーム半田をスキージングして前記フレキシブルプリント基板に転写するスクリーン印刷装置において、
    前記非印刷領域の裏面の一部または全域にフッ素系樹脂からなる剥離層を設け、前記メタルマスクを前記搬送ボードに重ねたときに、前記剥離層が前記フレキシブルプリント基板の周囲に位置する前記粘着層と対向するように構成したことを特徴とするスクリーン印刷装置。
  5. 請求項4の記載において、前記メタルマスクの前記非印刷領域の一部または全部を前記印刷領域よりも厚肉な厚肉部となし、この厚肉部の裏面に前記剥離層を設けたことを特徴とするスクリーン印刷装置。
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