以下、図面に基づき本発明を代表する一実施の形態を説明する。
図1〜図17は本発明の一実施の形態を示している。
図1はLON(Local Operating Network)技術を応用した分散型ネットワーク管理システムを示すシステム構成図である。
図1に示すように、遊技場Aには複数の遊技機島1が設置されている。遊技機島1は、島フレーム枠の中段付近に複数の遊技機10を背中合わせに2列に並設して成る。遊技機10はスロットマシンである。
遊技機島1における各遊技機10間には、投入された現金やプリペイドカードの金額に応じた数量の遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置210が配設されている。
遊技機10にはそれぞれ個別の台番号が付されており、更に各遊技機10はそれぞれ幾つかの機種名に区分されている。また、遊技機島1にもそれぞれ個別の島番号が付されている。
遊技機島1内には、中継器としての台コントローラ100が複数設置され、各台コントローラ100に、遊技機10や遊技媒体貸出装置210等がLONチップを用いて接続されている。また、各台コントローラ100には、呼び出しランプ220が接続されている。台コントローラ100は、対応する遊技機10や遊技媒体貸出装置210等の各種動作や信号の送受信を検知、監視、制御するものである。
本実施の形態において、台コントローラ100が検知、監視、制御する遊技機10の出力情報には、特別入賞に当選したことを示す特別入賞当選情報、特別入賞が成立したことを示す特別入賞成立情報、ゲームが開始したことを示すスタート情報、賞として遊技媒体であるメダルが払い出されたことを示す出メダル情報、クレジットの利用もしくはメダルの投入を表す入メダル情報等が含まれる。
各台コントローラ100は、HALL−BUSを介して、ゲートウェイを兼ねた島コントローラ230に接続されている。島コントローラ230は、対応する遊技機島1内の設備機器である遊技機10、遊技媒体貸出装置210等からの各データを一時集積、記憶するものである。
島コントローラ230は、HALL情報ネットワーク(LAN:Local Area
Network )と接続され、該HALL情報ネットワークには、遊技機管理装置の中核をなすホール管理端末機300、ホール管理コンピュータ400、景品管理端末機500、POS装置600、情報表示端末機700がそれぞれ接続されている。これらの各種装置には、ディスプレイ(CRT)、プリンタ、モデム、インカム(音声出力装置)等が必要に応じて更に接続されている。なお、台コントローラ100等は、遊技機管理装置の一部を構成する。
図2は、管理対象の遊技機10としてのスロットマシンの一例を示している。スロットマシン10の箱体11の内部には、周面に多数の識別情報が配列された左リール20a、中リール20bおよび、右リール20cが並設されている。遊技盤面(正面)11aには、各リール20a〜20cの一部が遊技者から見えるように、各リール20a〜20cに対応する箇所に窓が設けられている。3個のリール20a,20b,20cは、表示される図柄をバックライトにより明るく輝いて見えるようになっている。
リール20a〜20cの上部には、各種の遊技情報を遊技者に通知するための遊技情報表示部70が設けてある。またリール20a〜20cの下方には、それぞれに対応して左ストップボタン25a、中ストップボタン25bおよび、右ストップボタン25cが設けられている。3個のストップボタン25a,25b,25cは、各リール20a,20b,20cの回転動作を停止させるタイミングを選択するための停止操作部である。
また、正面11aの操作パネルには、ゲーム媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口12と、ゲームを開始するための開始操作部であるスタートレバー13と、3枚賭けボタン26aと1枚賭けボタン26bから成るクレジット投入ボタンと、クレジット精算ボタン27とが配されている。
スロットマシン10の正面11aには、1枚賭けゲーム表示部28aと、3枚賭けゲーム表示部28bと、メダル(クレジット)の所有数を表示するためのクレジット数表示部27aとが設けられている。また正面11aの下部には、賞出皿39、メダル払出口39aおよび、メダルの賞出があったことを音で知らせるスピーカー37が設けられている。
メダル投入口12にメダルを投入するか、もしくはクレジット数表示部27aに表示されているメダル数(クレジット数)をクレジット投入ボタン(3枚賭けボタン26a、1枚賭けボタン26b)を押下して賭けることにより、有効ライン数を決定することができ、決定された有効ラインが有効ライン表示部35a〜35eに表示(点灯)される。
スロットマシン10では、メダル投入もしくはクレジット使用後にスタートレバー13を操作することで、リール(左リール20a、中リール20b、右リール20c)の回転が開始し、ストップボタン(左ストップボタン25a、中ストップボタン25b、右ストップボタン25c)を操作することにより、回転中の各リール20a,20b,20cが停止し、有効ライン上における停止時の表示態様に応じて遊技者に遊技価値が付与されるというゲームが展開される。
すなわち、有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが、特定図柄の組み合わせの場合は特別入賞の成立となる。また小当たり図柄の組み合わせが有効ライン上に停止した場合には小当たり役の成立となる。リプレイ図柄の場合にはリプレイ役の成立となり、いずれの役も成立しない場合は、ハズレとなる。
特別入賞には、レギュラーボーナス(以下単に、RBと称する。)と、ビッグボーナス(以下、単にBBと称する。)とがある。RBは、例えば、高配当が付与される遊技(ジャックゲーム)を複数回(例えば、ジャックゲーム回数12回中に15枚のゲーム媒体が賞出される回数が8回発生するか、又は、12回分のジャックゲームを超えると終了する。)行い得る第1遊技(レギュラーボーナス)である。
BBは、所定回数(30回)小当たりが高確率で発生する第2遊技が発生し、その第2遊技中に、例えば、リプレイ図柄が停止することで、高配当が付与される遊技(ジャックゲーム)を複数回(例えば、ジャックゲーム回数12回中に15枚のゲーム媒体が賞出される回数が8回発生するか、又は、12回分のジャックゲームを超えると終了する。)行い得る第1遊技(レギュラーボーナス)に移行し、第1遊技が終了すると第2遊技に移行される。第1遊技への移行は第2遊技の所定回数以内(30回)に所定回数(3回)繰り返される。例えば、第2遊技中の30回以内に第1遊技への移行が3回繰り返されるか、または、第2遊技を30回行うとビッグボーナスは終了する。第2遊技では小当たりが発生する毎に、例えばメダル10枚が賞出される。
図3に示すように、スロットマシン10の内部には、CPU(Central
Processing Unit)が設けられている。CPUは、遊技制御手段82としての機能を果たす。遊技制御手段82は、入賞役抽選手段84と、特別入賞制御手段86と、特別入賞当選信号出力手段94と、特別入賞成立信号出力手段96等の機能を含んでいる。また特別入賞制御手段86は、当選権利記憶手段88と、放出ゲーム数抽選手段90と、当選権利放出手段92の機能を有している。
遊技制御手段82は、スロットマシン10全体の動作およびリール20a〜20cの回転および停止を統括制御するものである。入賞役抽選手段84は、ゲームの停止結果として出現し得る入賞役を定めるための乱数抽選を行うものである。入賞役抽選手段84は、投入されたメダルの真正をメダル識別部が識別し、かつ、スタートレバー13が操作されると、入賞役の抽選を行う。
特別入賞制御手段86は、入賞役抽選手段84の抽選により特別入賞が当選となっている場合でも所定の遊技条件が成立するまでは特別入賞が成立し得ないようにゲームを制御するとともに、遊技条件が成立するまでのゲームにおいて再度の特別入賞の当選を許容し、当該未成立となっている特別入賞の当選権利を複数記憶する機能を果たすものである。ここでは、後に説明する放出ゲーム回数分のゲームが当選後等に実行されることで遊技条件が成立するようになっている。
特別入賞制御手段86の有する当選権利記憶手段88は、入賞役抽選手段84の抽選結果が特別入賞の当選であるとき、その当選権利をRAMへ累積記憶するものである。放出ゲーム数抽選手段90は、当選権利記憶手段88に記憶される当選権利毎に、当該当選権利を放出するまでに行われるゲーム回数(放出ゲーム回数)を抽選するものである。放出ゲーム数抽選手段90は、当選権利記憶手段88に当選権利が蓄積されていない状態で特別入賞が当選となった場合には、その時点で放出ゲーム回数を抽選してこれを記憶する。
一方、当選権利記憶手段88に当選権利が蓄積されているときは、最初の当選権利の放出によって特別入賞が成立した際に次の当選権利があれば、その当選権利に対する放出ゲーム回数を抽選して記憶するようになっている。当選権利放出手段92は、放出ゲーム回数分のゲームが実行されたとき、当選権利記憶手段88に累積記憶されている当選権利の中の1つを放出する機能を果たす。
遊技制御手段82は、当選権利が放出されたとき、この当選権利に基づき特別入賞が成立し得るように遊技を実行する。遊技制御手段82は、メダルの投入およびスタートレバー13の操作に基づいて3個のリール20a,20b,20cの回転動作を開始させるとともに、ストップボタン25a,25b,25cの操作により選択された停止タイミングで、対応するリール20a,20b,20cの回転を停止させ、必要により、下方に最大で4コマ分の図柄を滑らせて(ずらして)、停止する図柄を、入賞役抽選手段84の抽選結果あるいは放出された当選権利に対応させるようになっている。
特別入賞当選信号出力手段94は、入賞役抽選手段84の抽選により特別入賞が当選となったとき、その旨を示す特別入賞当選信号(特別入賞当選情報)を外部へ出力する機能を果たす。また放出ゲーム回数が決定されたとき、その回数を外部へ出力する機能も備えている。特別入賞成立信号出力手段96は、特別入賞が成立したとき、その旨を示す特別入賞成立信号(特別入賞成立情報)を外部へ出力する機能を有している。このほかスロットマシン10は、ゲームが開始したことを示すスタート信号(スタート情報)、遊技媒体であるメダルが賞として払い出されたことを示す出メダル信号(出メダル情報)、クレジットの利用もしくはメダルの投入を表す入メダル信号(入メダル情報)等を外部へ出力する機能を有している。
図4は台コントローラ100のブロック図である。台コントローラ100には、種々のデータ処理を行う手段としてCPU110が設けられており、CPU110には主メモリーであるROM(Read Only Memory)120及びRAM(Random Access Memory)130が接続されている。
CPU110は、ROM120に記憶されているシステムプログラム及びデータと、RAM130にロードされたプログラム及びデータに従って動作する。RAM130にロードされるプログラム及びデータとしては、表示制御プログラム131、操作制御プログラム132、遊技機制御プログラム133、遊技機情報プログラム134、売上断線情報プログラム135、それに遊技媒体計数器情報プログラム136等がある。
表示制御プログラム131は、表示手段170への表示を制御する機能を実現し、操作制御プログラム132は、操作手段180により操作された内容を実行する機能を実現し、遊技機制御プログラム133は、遊技機10に遊技媒体を補給する機能を実現するプログラムである。
また、遊技機情報プログラム134は、遊技機10の各種情報を収集し、収集した遊技機情報を遊技情報記憶部140に記憶させる機能を実現するプログラムである。売上断線情報プログラム135は、遊技媒体貸出装置210の売上情報及び断線情報を収集し、収集した遊技媒体貸出装置情報を遊技媒体貸出情報記憶部150に記憶させる機能を実現するプログラムである。遊技媒体計数器情報プログラム136は、遊技媒体計数器情報、エラー情報を収集し、遊技媒体計数器情報記憶部160に記憶させる機能を実現するプログラムである。
遊技情報記憶部140には、特別入賞当選情報、特別入賞成立情報、スタート情報、出メダル情報、入メダル情報、およびその他の遊技機情報が記憶される。また当選権利の放出に係る当選権利報知情報は、報知情報記憶部190に記憶される。
CPU110には周辺装置として異常を表示する表示手段170、異常を解除する操作手段180が接続されている。周辺装置としては更に通信インターフェイス102が接続されている。通信インターフェイス102は通信ケーブルを介してホール管理端末機300に接続されており、遊技情報記憶部140、遊技媒体貸出情報記憶部150、遊技媒体計数器情報記憶部160、報知情報記憶部190の各情報を送受信するようになっている。
図5はホール管理端末機300のブロック図である。
ホール管理端末機300は、遊技機管理装置として機能するものである。ホール管理端末機300には、種々のデータ処理を行う情報処理手段としてCPU310が設けられており、CPU310には主メモリであるROM320及びRAM330が接続されている。
CPU310は、ROM320に記憶されているシステムプログラム及びデータと、RAM330にロードされたプログラム及びデータに従って動作する。RAM330にロードされるプログラム及びデータとしては、表示制御処理プログラム331、遊技機制御処理プログラム332、遊技機情報処理プログラム333、売上断線処理プログラム334、遊技媒体計数器処理プログラム335等がある。
表示制御処理プログラム331は、表示手段350への表示を制御する機能を実現し、遊技機制御処理プログラム332は、遊技機10への遊技媒体の補給及び打止制御を行う機能を実現するプログラムである。遊技機情報処理プログラム333は、台コントローラ100の遊技情報記憶部140に記憶されている遊技機情報を収集し、固定ディスク装置340内の遊技機情報データベース343に蓄積記録したり、蓄積記録した遊技機情報データベース343を一部消去したりする機能を実現するプログラムである。
売上断線処理プログラム334は、台コントローラ100の遊技媒体貸出情報記憶部150に記憶されている売上情報、断線情報を収集し、固定ディスク装置340内の売上情報データベース341及び断線情報データベース342に蓄積記憶したり、蓄積記録した売上情報データベース341及び断線情報データベース342を一部消去したりする機能を実現する。遊技媒体計数器処理プログラム335は、台コントローラ100の遊技媒体計数器情報記憶部160に記憶されている情報を収集し固定ディスク装置340内の計数器情報データベース344に蓄積記憶したり、蓄積した計数器情報データベース344を一部消去したりする機能を実現するプログラムである。
CPU310にはバスを介して固定ディスク装置340が接続され、CPU310によって実行される種々のプログラムが固定ディスク装置340からRAM330にロードされる。また、ホール管理端末機300には、この他に周辺装置が接続されている。
周辺装置としては、遊技場Aの各種データを文字及び図形で表示する表示手段350、プリンタ360、操作者が操作する操作手段370が、それぞれインターフェイス回路を介して接続されている。更に通信インターフェイス390を介して台コントローラ100および情報表示端末機700がそれぞれ接続されている。
このほか、ホール管理端末機300(主としてCPU310および遊技機情報処理プログラム333、遊技機情報データベース343)は、特別入賞制御手段86に記憶されている当選権利に関するデータを、スロットマシン10から入力されるデータに基づいて管理するデータ管理手段と、特別入賞当選信号出力手段94からの特別入賞当選信号を入力する特別入賞当選信号入力手段と、特別入賞成立信号出力手段96からの特別入賞成立信号を入力する特別入賞成立信号入力手段としての機能を有する。また、未成立となっている特別入賞の当選権利数を特別入賞当選信号入力手段と特別入賞成立信号入力手段の各々による入力信号に基づいて算出する特別入賞当選権利数算出手段と、特別入賞当選権利数算出手段の算出結果に基づき、全ての特別入賞の当選権利数のうち所定種類の特別入賞の当選権利数の比率を算出する種類別当選権利比率算出手段と、特別入賞当選信号入力手段による特別入賞当選信号の入力に基づいて、特別入賞の当選数を計数する特別入賞当選数計数手段としての機能を有する。
さらにホール管理端末機300は、スロットマシン10から入力されたゲーム数に係わる情報と特別入賞の当選数とに基づいて特別入賞の当選率を算出する特別入賞当選率算出手段と、特別入賞当選数計数手段により計数された所定期間における特別入賞の当選数と、特別入賞当選権利数算出手段により算出された所定期間における特別入賞の当選権利数とに基づいて、所定期間において特別入賞の当選が当選権利として未成立となる割合を算出する特別入賞当選権利率算出手段と、データ管理手段が管理する特別入賞の当選権利に関する情報を遊技者に対して報知する報知手段と、スロットマシン10における遊技条件の成立に関する遊技性能を予め記憶する遊技性能記憶手段としての機能を有している。
次に、遊技機10の動作について説明する。
図6は、ゲーム開始処理の流れを、図7は、遊技機10の動作全体の流れを示している。図6に示すように、メダルもしくはクレジットの投入が成された後(ステップS801:Y)、スタートレバー13が操作されると(ステップS802:Y)ゲームが開始する。この際、スタート情報および入メダル情報を外部出力端子より出力する(ステップS803、S804)。
全体動作としては、図7に示すように、ゲーム開始処理が行われると(ステップS901)、入賞役を決定するための乱数抽選を入賞役抽選手段84が行う(ステップS902)。その後、リール20a〜20cを回転させるリール回転処理を行う(ステップS903)。
ここで、当選権利記憶手段88に記憶されている当選権利テーブルに当選権利が登録されているか否かを調べる(ステップS904)。当選権利テーブルには、当選権利の有無と、放出ゲーム回数が登録される。当選権利が登録されている場合には(ステップS904:Y)、放出ゲーム回数を1だけ減算する(ステップS905)。先のゲーム開始処理で行われた入賞役の乱数抽選において特別入賞が当選していなければ(ステップS906;N)、はずれ処理を行い(ステップS907)、ゲーム終了でなければ(ステップS924;N)、ステップS901に戻る。はずれ処理では、特別入賞が成立しないようにリール20a〜20cの停止制御が行われる。ただし小当たり役やリプレイ役が当選している場合には、遊技者が適切なタイミングで停止操作を行うことでそれらの役が成立し得るようにリールの停止制御が行われる。
特別入賞に当選している場合には(ステップS906:Y)、特別入賞当選信号出力手段94は、特別入賞当選信号(情報)を外部出力端子から出力し、台コントローラ100を介してホール管理端末機300に通知する(ステップS908)。なお、当選権利テーブルに当選権利が登録されていない場合には、この時点で、放出ゲーム回数の抽選を行い、その回数を当選権利テーブルに登録するとともに、当選権利テーブルに当選権利の登録がある旨の登録を行う。また放出ゲーム回数を表す情報を外部出力端子から出力し、台コントローラ100を介してホール管理端末機300へ通知する。
当選権利テーブルに当選権利が登録されているが当選権利テーブルに登録されている放出ゲーム回数が0以下になっていない(放出ゲーム回数が残っている)場合には(ステップS909;N)、ステップS907と同様のはずれ処理を行う。そしてゲーム終了でなければ(ステップS924;N)、ステップS901に戻る。
当選権利テーブルに当選権利が登録されており、かつ放出ゲーム回数が0以下になった場合には(ステップS909:Y)、当選権利放出の遊技条件が成立する。これにより、当選権利テーブルの先頭に登録されている当選権利を放出し、当選権利の累積数を減算し、今回放出した当選権利に基づき、特別入賞が成立し得る状態を形成する。その後は、実際に遊技者が適切なタイミングで停止操作を行って特別入賞が成立するまで、特別入賞の成立し得る状態でゲームが行われる(ステップS910;N、S912、913)。
かかる状態で特別図柄が有効ライン上に揃って特別入賞が成立すると(ステップS910:Y)、次の当選権利が累積されていること(当選権利の累積数が0でないこと)を条件に、当選権利を次に放出するまでの放出ゲーム回数を乱数抽選で取得し、その値を当選権利テーブルの次の欄に登録する(ステップS914、S915、S916)。なお図7における「X」は、当選権利テーブルの配列番号を示すものであり、初期値は1になっている。放出ゲーム回数を決定した際には、その回数を示す情報が外部出力端子から出力され台コントローラ100を介してホール管理端末機300に通知される。
特別入賞が成立したので、メダルの払い出しおよびクレジットを行う(ステップS917)。また出メダル情報を外部出力端子から出力し(ステップS918)、さらに特別入賞成立情報を外部出力端子より出力する(ステップS919)。これらの情報は台コントローラ100を介してホール管理端末機300に通知される。その後、先に説明したボーナスゲーム(RBもしくはBB)が行われる(ステップS920)。ボーナスゲーム処理が終了すると、参照すべき当選権利テーブルの配列番号を示すXの値を1だけ減算し(ステップS922)、参照すべき箇所を当選権利テーブルの先頭にシフトする(ステップS923)。ゲーム終了でなければ(ステップS924;N)、S901に戻って処理を継続し、営業終了時刻の到来などによりゲーム終了ならば(ステップS924;Y)、処理を終了する。
このように、遊技機10は、特別入賞が当選しても、すぐにその当選権利に基づいて特別入賞の成立し得る状態(フラグが立った状態)にならず、抽選された放出ゲーム回数分のゲームが消化された時点で、当選権利が放出されて、特別入賞が成立可能な状態になる。また特別入賞が当選してから放出ゲーム回数が0になるまでの間にさらに特別入賞が当選した場合には、その権利が累積的に記憶されるようになっている。
遊技機10は、特別入賞に当選したことを示す特別入賞当選信号、特別入賞が成立したことを示す特別入賞成立信号、放出ゲーム回数を示す情報、スタート情報、出メダル情報、入メダル情報等を所定のタイミングで出力し台コントローラ100を介してホール管理端末機300にそれらの情報を通知する。なお、特別入賞にはRBとBBとがあり、特別入賞当選信号や特別入賞成立信号は、RBとBBのいずれが当選あるいは成立したかを示す情報を含んでいる。
放出ゲーム回数としてどのような値が抽選されるかにより、特別入賞の成立が連続的に出現したり、長い間出現しないようにすることができる。たとえば、放出ゲーム回数として5回や10回等が抽選されると、特別入賞が連続して出現し、600回などが抽選されると、特別入賞を成立し得ない状態が長い間継続することになる。したがって、放出ゲーム回数をどのような範囲で抽選するかや各放出ゲーム回数が抽選される確率分布をどのように設定するかを操作したり、切り換えたりすることにより、意図的に遊技の流れに波を形成することが可能になる。
次に、遊技機管理装置としての動作について説明する。
遊技機管理装置としてのホール管理端末機300は、台コントローラ100を通じて遊技機10から各種の情報を取得し、取得した情報に基づいて各種の管理処理を行う。図8は、スタート情報の取得にかかわる動作を示している。遊技機10から台コントローラ100へスタート情報が入力され(ステップS1001)、台コントローラ100がスタート情報を一時記憶し(ステップS1002)、これをさらに台コントローラ100がホール管理端末機300に送信する(ステップS1003)。ホール管理端末機300は台コントローラ100からスタート情報を受信し(ステップS1004)、受信したスタート情報を遊技機情報データベース343に記憶する(ステップS1005)。またスタートカウンタをインクリメントする(ステップS1006)。スタートカウンタは遊技機10毎に設けてあり、スタート回数を遊技機10毎に計数するようになっている。
図9は、特別入賞当選情報の取得にかかわる動作を示している。遊技機10から台コントローラ100へ特別入賞当選情報が入力され(ステップS1101)、台コントローラ100が特別入賞当選情報を一時記憶し(ステップS1102)、これをさらに台コントローラ100がホール管理端末機300に送信する(ステップS1103)。ホール管理端末機300は台コントローラ100から特別入賞当選情報を受信し(ステップS1104)、受信した特別入賞当選情報を遊技機情報データベース343に記憶する(ステップS1105)。また特別入賞当選権利カウンタと、特別入賞当選カウンタをそれぞれインクリメントする(ステップS1106、S1107)。特別入賞当選カウンタは遊技機10毎に設けてあり、特別入賞に当選した回数を遊技機10毎に計数するようになっている。
図10は、特別入賞成立情報の取得にかかわる動作を示している。遊技機10から台コントローラ100へ特別入賞成立情報が入力され(ステップS1201)、台コントローラ100が特別入賞成立情報を一時記憶し(ステップS1202)、これをさらに台コントローラ100がホール管理端末機300に送信する(ステップS1203)。ホール管理端末機300は台コントローラ100から特別入賞成立情報を受信し(ステップS1204)、受信した特別入賞成立情報を遊技機情報データベース343に記憶する(ステップS1205)。また特別入賞当選権利カウンタをデクリメントする(ステップS1206)。特別入賞当選権利カウンタは遊技機10毎に設けてあり、特別入賞当選情報の受信毎にインクリメントされ特別入賞当選権利情報の受信毎にデクリメントされることにより、遊技機10毎に特別入賞の当選権利のうち未成立となっているものの数を計数するようになっている。
なお、特別入賞当選カウンタ、特別入賞当選権利カウンタを、遊技機10毎かつ特別入賞の種類別に設け、特別入賞の種類別にこれらを計数する構成としてもよい。すなわち、遊技機10毎に特別入賞当選カウンタと特別入賞当選権利カウンタとをBB用とRB用に別個に設けて計数するようにしてもよい。そしてBB用の特別入賞当選権利カウンタの値とRB用の特別入賞当選権利カウンタの値の比を求めることで、ストックされた状態で残っているBBとRBの当選権利数の比率をさらに算出する。このほか、RBとBBの当選権利の発生数比率を求めたり、当選権利の発生数に対するストック数の比を、RBとBBとで個別に求めたり、個別に求めたもの同士の比率を求めるように構成してもよい。
図11は、出メダル情報の取得にかかわる動作を示している。遊技機10から台コントローラ100へ出メダル情報が入力され(ステップS1301)、台コントローラ100が出メダル情報を一時記憶し(ステップS1302)、これをさらに台コントローラ100がホール管理端末機300に送信する(ステップS1303)。ホール管理端末機300は台コントローラ100から出メダル情報を受信し(ステップS1304)、受信した出メダル情報を遊技機情報データベース343に記憶する(ステップS1305)。
図12は、入メダル情報の取得にかかわる動作を示している。遊技機10から台コントローラ100へ入メダル情報が入力され(ステップS1401)、台コントローラ100が入メダル情報を一時記憶し(ステップS1402)、これをさらに台コントローラ100がホール管理端末機300に送信する(ステップS1403)。ホール管理端末機300は台コントローラ100から入メダル情報を受信し(ステップS1404)、受信した入メダル情報を遊技機情報データベース343に記憶する(ステップS1405)。
図13は、特別入賞当選率の算出処理を示している。特別入賞当選率算出処理は、営業終了時等に係員が所定の操作をホール管理端末機300に対し行った際に実行される。特別入賞当選率は、特別入賞当選カウンタの値とスタートカウンタの値とに基づいて算出される(ステップS1501)。たとえば、特別入賞当選カウンタの値をスタートカウンタの値で除することによって特別入賞当選率を算出する。
図14は、特別入賞当選権利率の算出処理を示している。特別入賞当選権利率算出処理は、営業終了時等に係員が所定の操作をホール管理端末機300に対して行った際に実行される。特別入賞当選権利率は、特別入賞当選権利カウンタの値と特別入賞当選カウンタの値に基づいて算出される(ステップS1601)。より詳細には、特別入賞当選権利カウンタの値を特別入賞当選カウンタの値で除することによって特別入賞当選権利率を算出する。
特別入賞当選率、特別入賞当選権利率および先に説明した種類別当選権利比率の算出は、その期間として、たとえば1日や所定ゲーム数等を単位に行われる。また算出の対象は、遊技機10を単位として行われる。このほか、機種毎、島毎、遊技場A全体を単位として特別入賞当選率を算出する構成としてもよい。さらに、遊技機10毎、機種毎、島毎、遊技場A全体のそれぞれについて特別入賞の種類毎に算出してもよい。どのような単位で算出するかは、係員の操作によって設定変更可能にすると良い。また2以上の求め方を同時に指定し得るように構成するとよい。
たとえば、機種毎の場合には、特別入賞当選カウンタの値を機種別に合計した値を、スタートカウンタの値を機種別に合計した値で除することによって求める。島毎の場合には、特別入賞当選カウンタの値を島別に合計した値を、スタートカウンタの値を島別に合計した値で除することによって求める。遊技場A全体の場合には、遊技場Aに配置されたすべてのスロットマシン10についての特別入賞当選カウンタの合計値を、遊技場Aに配置されたすべてのスロットマシン10についてのスタートカウンタの合計値で除することによって求める。
さらに確率設定値毎に算出してもよい。これは、放出ゲーム数の抽選率が確率設定毎に異なるように設定されているスロットマシン10においては、低い確率設定値であると比較的大きい放出ゲーム数を抽選し易いように設定されると考えられるので、このようなスロットマシン10においては、確率設定により特別入賞当選権利率に影響がでると思われるからである。
またホール管理端末機300は、遊技機10の出力する放出ゲーム回数を示す情報を台コントローラ100を通じて受信するようになっている。受信した放出ゲーム回数は、遊技機10毎にホール管理端末機300の遊技機情報データベース343に記憶されるとともに、放出ゲーム残回数カウンタに設定される。放出ゲーム残回数カウンタは、スタート情報が入力されるごとに1ずつデクリメントされ、次に特別入賞の当選権利が放出されるまでに実行されるゲームの残り回数が算出される。放出ゲーム残回数カウンタは、ボーナスゲーム処理中のスタート情報や当選権利の放出時期が到来してから特別入賞が成立するまでの間におけるスタート情報の入力によっては減算されないようになっている。
遊技場Aの係員は、営業終了時等にホール管理端末機300に対して所定の操作を行うことで、ホール管理端末機300に本日の営業にかかわるデータを表示させ、これに基づいて、各遊技機10の設定を変更したり、各遊技機10に記憶されている特別入賞の当選権利(未成立のもの)をクリアするか否か等の判断を行い、設定変更や遊技機10が記憶している当選権利にかかわる情報をクリアするための操作をスロットマシン10にて行う。
ホール管理端末機300の表示手段350には本日の営業にかかわるデータとして、特別入賞当選数、特別入賞成立数、特別入賞当選率、特別入賞当選権利率、総スタート回数、入メダル数、出メダル数、稼動時間等が表示される。また選択により、これらのデータを、遊技機10毎、機種毎、島毎、遊技場A全体、およびこれらのそれぞれについて特別入賞の種類毎に表示可能な項目については、特別入賞の種類毎に表示し得るようになっている。さらに放出ゲーム残回数カウンタの値も表示される。
遊技場Aの係員は、営業終了時に上述のデータを参照し、クリアするか否かを判断する。たとえば、放出ゲーム回数の残り回数が多い(数百回〜千数百回など)台に対してクリア操作を行えば(当選権利放出までの残り放出ゲーム回数は0にリセットされるが当選権利自体はクリアされない)、翌日の営業開始時にすぐに特別入賞が成立するので、遊技客へのサービスとなる。一方、クリア操作を行わない場合には、残っている放出ゲーム回数だけ、翌日の営業開始後、特別入賞の成立しない状態でゲームが行われるので、その分、遊技店側にとって利益となる。そして、上記した多様なデータに基づいてストックデータをクリアするか否かの判断を行うことが可能となり、遊技店のストックに関する管理が容易となり、作業効率を向上することができる。
なお、各スロットマシン10における遊技条件の成立に関する遊技性能を予め記憶しておき、これと各スロットマシン10でのゲーム進行状態とを比較して、遊技条件が成立するまでのデータを管理するように構成してもよい。すなわち、各台、もしくは機種において、ストック放出までに実行されるゲームの上限回数が何回に設定されているかを遊技性能として予めホール管理端末機300に記憶する。そして、営業終了時に、当選権利の放出が前回行われてからのゲームの実行回数と先の上限回数とを比較し、遊技条件が成立するまでのデータが管理される。遊技条件が成立するまでのデータとは、ストック放出までの残りゲーム回数を示すデータであり、実行されたゲーム回数と上限回数とを対比することにより、どの台のデータをクリアすべきか否かの遊技店側の判断を支援することができる。
次に、当選権利放出の報知について説明する。
遊技機10の特別入賞制御手段86に記憶されている、特別入賞の当選権利の放出に関する情報は、所定の報知条件が成立した際に報知される。報知条件は、ホール管理端末機300において図15に示す報知条件設定画面1700を通じて設定変更可能になっている。機種、台番号、残りゲーム数は必須の設定項目になっている。機種設定の欄1710では、報知対象とするスロットマシンの機種を選択し設定する。台番号設定の欄1720では、選択した機種のうち何番台〜何番台を報知対象とするかが入力され設定される。残りゲーム数設定の欄1730では、ストック放出(当選権利放出)の何ゲーム前で報知するかが選択され設定される。
「無制限」を選択すると、特別入賞に当選した時点で、当選権利がストックされた旨の報知が行われるように設定される。「ランダム1」を選択すると、遊技機10から通知されてきた放出ゲーム回数を参照し、その範囲内で何ゲーム前に報知するかを抽選して報知するように設定される。なお、機種毎に設定された当選権利放出までのゲーム回数の中で、何ゲーム前で報知するかを抽選して報知するように構成してもよい。この場合、ホール管理端末機300には、機種毎に、その機種において選択され得る放出ゲーム回数の最大値を登録してあり、当該最大値の範囲内で何ゲーム前に報知するかがランダムに選択される。
「ランダム2」を選択すると、何ゲーム前で報知するかの最小値と最大値を遊技店側で入力するようになっている。そしてその範囲内で、何ゲーム前に報知するかが抽選され決定されるようになっている。この場合、実際に遊技機10から通知されてきた放出ゲーム回数を参照し、ランダム2において設定された範囲と重複する範囲の中で何ゲーム前に報知するかをランダムに選択するように構成してもよい。また重複する範囲がない場合には、報知しないように構成してもよいし、最も近い値に設定するように構成してもよい。
「固定」を選択した場合には、入力された回数により、何ゲーム前で報知するかが固定的に設定される。
サービスタイム、サービスデー、会員については任意設定項目になっている。サービスタイム設定の欄1740では、必須設定項目において設定された条件の下で、さらに何時から何時の間で報知を実行するかが設定される。サービスデー設定の欄1750では、必須設定項目において設定された条件で報知を行う日付が入力される。会員設定の欄1760では、必須設定項目で設定された条件で、会員にのみ報知するか否かを選択し設定するようになっている。またこの場合、会員カードのサービスポイントと引き換えに当選権利数や当選権利の有無を知らせることも可能になっている。
報知条件設定画面1700では、必須設定項目で指定した機種や台について一律に報知条件が設定されるが、個々の遊技機10、機種、島、もしくは遊技場A全体を単位に個別に報知条件を設定し得るように構成してもよい。
図16は、当選権利の放出が報知される際の動作の流れを示している。ホール管理端末機300は、報知条件設定画面1700において設定されている報知条件が成立するか否かを監視している。報知条件が成立した場合には(ステップS1801;Y)、ホール管理端末機300から台コントローラ100へ、台コントローラ100から呼び出しランプ220へ当選権利報知情報が送信される(ステップS1802〜S1805)。これを受けた呼び出しランプ220が当選権利報知情報を報知する(ステップS1806)。たとえば、ランプの点灯や点滅を通じて当選権利報知情報を報知する。
ここでは、報知条件の成立は、遊技機10毎に監視されている。すなわち、遊技機10から受信した放出ゲーム回数をスタート情報の受信毎に減算し、報知条件設定画面1700において設定したゲーム数(何ゲーム前に報知すべきかを定めたゲーム数)になり、かつその他の条件(サービスタイム等)を満たしている場合に報知条件が成立する。なお、あといくつ未成立の当選権利が有るか、あと何ゲームで次の当選権利が放出されるか等の具体的な情報を報知するように構成してもよい。
少なくとも島単位あるいは機種単位もしくは遊技場A全体を単位として報知を行う場合には、図17に示すように、報知対象となっている遊技機10が稼動中であることを条件に報知を行う(ステップS1902)。島単位あるいは機種単位もしくは遊技場A全体を単位として報知を行う場合には、遊技者はどの台が報知対象であるかを特定できないので、報知された島、機種、店と同一の島、機種あるいは店で遊技している者が、報知対象が自分の台かもしれないと期待することになる。
この場合、実際に遊技している遊技者に対して報知が行われなければ、その遊技者に対する適切なサービスとはならないし、報知が行われるまで遊技を行わない遊技者がいると、かえって稼働率を低下させてしまう。かかる事態が生じないように、遊技機10が稼動中であることを条件に報知するようになっている。なお稼動中か否かは、スタート情報、入メダル情報等が一定以上の時間間隔をあけずに到来しているか否かによって判定される。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。たとえば実施の形態では、リールをモータで回転駆動するように構成したが、リールを液晶ディスプレイ等に表示するように構成してもよい。
また実施の形態では、スロットマシン10からスタート信号が出力されるものとしたが、入メダル信号に基づいて台コントローラ100がスタート信号を生成するように構成してもよい。たとえば、入メダル信号の入力を検出したときから監視期間を開始し、監視期間中に発生した入メダル信号の数にかかわらず、監視期間毎に1つのスタート信号を生成する。また前の監視期間が終了してからでなければ次の監視期間が開始されないようにしておく。入メダル信号は、メダル投入後にスタートレバー13が操作されたとき、今回のメダル投入枚数に応じた数のパルスが連続して出力されるようになっているので、最大のかけ枚数(3枚)に相当する数のパルスが出力される期間よりもやや長い期間を監視期間に設定しておけば、かけ枚数にかかわりなく、ゲーム回数を計数することができる。
図18は、スロットマシン10から出力される入メダル信号に基づいてスタート信号が生成される際のタイミングチャートを示している。波形1810は、スロットマシン10の出力する入メダル信号を、波形1820は、台コントローラ100に入力された入メダル信号を、波形1830は、入りメダル信号監視期間を、波形1840は、台コントローラ100で生成されてホール管理端末機300に出力されるスタート信号(ゲーム回数)を示している。
メダル投入またはクレジットをかけた後にスタートレバー13が操作されると、入メダル数に応じた数のパルス列からなる入メダル信号(波形1810)がスロットマシン10から出力される。図18では時刻T1、T4において、メダルまたはクレジットの3枚がけが行われ、その後の時刻T2、T5にスタートレバー13が操作されて3つのパルスが連続出力されている。また時刻T7には、メダルまたはクレジットの1枚がけが行われ、その後の時刻T8にスタートレバー13が操作されて1つのパルスが出力されている。
台コントローラ100は、スロットマシン10から入力された入メダル信号(波形1820)を監視し、1つ目のパルスを検知した際に、監視期間を開始し、監視期間中に入力される入メダル信号のパルス数にかかわらず、監視期間の終了後に、1つのスタート信号(ゲーム回数を示す信号)を出力する。図18に示す例では、入メダル信号の最初のパルスを検知した時刻T2、T5、T8のそれぞれから一定長さの監視期間が開始し、監視期間の終了した時刻T3、T6、T9にそれぞれスタート信号(波形1840)が出力されている。
また最後に入メダル信号を検出してから一定時間(待ち時間Tw)が経過しても次の入メダル信号が検出されないとき、1ゲームをカウントしてスタート信号を出力するように構成してもよい。複数枚のメダルやクレジットがかけられている場合には、パルスが短い時間間隔で連続して出力されるとともに、パルスの連続出力が終了した後は、次にスタートレバー13が操作されるまでの比較的長い間、入メダル信号としてのパルスは出力されないので、上記の方法によって、スタート信号を生成することができる。待ち時間Twは、連続出力される入メダル信号のパルス間隔よりも充分に長い時間で、次のスタートレバー13の操作までの時間よりも充分に短い時間であればよく、たとえば、パルス間隔の2倍〜3倍程度に設定すればよい。
図19は、上記方法により、スロットマシン10から出力される入メダル信号に基づいてスタート信号が生成される際のタイミングチャートを示している。波形1910は、スロットマシン10の出力する入メダル信号を、波形1920は、台コントローラ100に入力された入メダル信号を、波形1930は、スタート信号を示している。
図19では、時刻T10、T14において、メダルまたはクレジットの3枚がけが行われ、その後の時刻T11、T15にスタートレバー13が操作され、波形1910が示すように、3つのパルスが連続出力されている。また時刻T18には、メダルまたはクレジットの1枚がけが行われ、その後の時刻T19にスタートレバー13が操作されて1つのパルスが出力されている。
台コントローラ100は、スロットマシン10から入力された入メダル信号(波形1920)を監視し、最後に入メダル信号のパルスを検出してからTw時間が経過しても次のパルスが検出されないとき、1つのスタート信号(ゲーム回数を示す信号)を出力するようになっている。図19に示す例では、入メダル信号の最初のパルス1911を検知した時刻T11から、待ち時間として定めたTwが経過する前に次のパルス1912が検知され、パルス1912が検知されてからTwの経過前に次のパルス1913が検知されたので、パルス1911、1912に基づくスタート信号の出力は行われない。3枚がけの最後のパルス1913を検知した後は、次のスタートレバー13が操作されるまで入メダル信号のパルスが入力されないので、待ち時間のTwが経過しても次のパルスは検知されない。そこで、最後のパルスを検知してからTwの経過した時刻T13に、一群のパルス列の連続出力が終了したものと判定してスタート信号を出力している。1枚がけの場合には、1つ目の入メダル信号のパルス1914が検知されてから待ち時間Twが経過した時点(時刻T21)でスタート信号が出力される。
このほか、入メダル信号の入力とスタート信号の入力の双方を検出した場合を1ゲームとみなして、これをカウントすることでゲーム回数を計数するようにしてもよい。これにより、何枚がけでゲームを行ったかを把握することができる。また入メダル信号からスタート信号を生成する処理は、台コントローラ100で行うのが好ましい。しかしながら、台コントローラや島コントローラを中継した後も、入メダル信号のパルスが複数ゲーム分まとめて連続出力されないようになっていれば、島コントローラやホール管理端末機300などで入メダル信号からスタート信号を生成してもよい。
さらにこのほか、入メダル信号のパルス数の総計からボーナス期間中における入メダル信号のパルス数を減算したものを3(1ゲームあたりの最大パルス数)で除した値を、概ねのスタート回数として用いてもよい。
また、実施の形態では、遊技機管理装置であるホール管理端末機300から当選権利報知情報を出力し、外部の報知装置を通じて報知を行うようにしたが、ホール管理端末機300自体に報知装置を具備し、直接報知動作を行うように構成してもよい。さらに実施の形態では、遊技機管理装置であるホール管理端末機300で報知の実行を管理するようにしたが、報知条件の成立を遊技機10において判定し、遊技機10自体で報知動作を実行したり、台コントローラ100に対して報知を指示する情報を出力したりするように構成してもよい。
なお、遊技機10の当選権利記憶手段88は、当選した特別入賞の種類を先入れ先出し形式で当選順に記憶する。これによりBBとRBをその発生順に記憶することができ、ストックされた権利をその発生順にしたがって放出することが可能になる。またBBとRBの発生順を抽選してもよい。このほか、本発明は、パチンコ球を使用したスロットマシンの管理装置にも応用可能である。