JP2006129718A - 新規なα−L−アラビノフラノシダーゼとその利用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アクレモニウム属微生物に由来する新規なα−L−アラビノフラノシダーゼ、該酵素活性を示すタンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子並びに核酸構成物、該核酸構成物を含む発現ベクター、宿主細胞;α−L−アラビノフラノシダーゼ又は該酵素活性を示すタンパク質の製造法;α−L−アラビノフラノシダーゼ、又は該酵素活性を示すタンパク質の各種用途。
【選択図】 なし
Description
α−L−アラビノフラノシダーゼは、アラビノキシラン、アラビノガラクタン、アラビナン等の多糖に含まれるα−1,5、1,3又は1,2−L−アラビノシド結合に作用し、L−アラビノフラノースを遊離させる反応を触媒すると考えられ、植物又は植物由来物中のヘミセルロース分解酵素、食品加工用酵素、又は木材パルプの脱リグニン化剤として近年注目されている。
α−L−アラビノフラノシダーゼの各分野への応用例を挙げると、まず飼料用途では、飼料に添加することにより、家畜の増体及び/又は飼料効率を改善できる。食品分野では、ジュース生産における生産収量の増加、麦汁生産における濾過性の改善及び/又は収率の増加、ワイン醸造等における芳香成分の増加、食品の粘度またはゲル強度の増加に用いることができる。また、木材パルプを本酵素で処理することにより、パルプの脱リグニン化に利用できることが開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、α−L−アラビノフラノシダーゼに関しては未だ詳細な報告は無く、該宿主由来の酵素又は酵素組成物を産業上さらに有効利用するためにも、α−L−アラビノフラノシダーゼの詳細な酵素的、タンパク質的諸性質の解明、及び該酵素をコードする遺伝子の単離が待ち望まれていた。
しかし、これらの製造方法は、強酸、強アルカリ等の厳しい条件が要求されるため、反応装置、取り扱い操作上の問題は避けられない。さらに、これらの製造法ではコストがかかるため、L−アラビノースを製造する上での問題点となっていた。
しかし、その製造方法では分解産物の分離・精製作業が複雑化して効率的にL−アラビノースを得難いという問題があった。
また、飼料添加用酵素としては、低いpH、好ましくはpH3以下、より好ましくはpH2以下で安定でなくてはならない。
さらに、上述の通りL−アラビノースは高い機能性を有しながらも、従来のL−アラビノースの製造方法は、コストが高い問題があった。
本発明は、L−アラビノースを安価に製造する方法の提供を目的とするものである。
さらに、種々の植物又は植物由来物に対するα−L−アラビノフラノシダーゼの作用効果を検討し、本発明を完成するに至った。
請求の範囲第1項:アクレモニウム属微生物に由来し、下記の特性を有するα−L−アラビノフラノシダーゼ。
(a)基質特異性及び作用特性:α−L−アラビノフラノシル残基を加水分解する。
(b)分子量:57,000(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による)
(c)等電点:5.3〜5.5(等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳動による)
(d)至適pH:pH3〜4である。
(e)安定pH範囲:pH2〜7.5の範囲で安定であり、pH1.5〜2の範囲においても高い活性を保持している。
(f)作用最適温度:50℃である。
(g)温度安定性:50℃以下の範囲で安定である。
請求の範囲第2項:アクレモニウム属微生物が、アクレモニウム・セルロリティカスである請求項1記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ。
(a)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち1〜481番目の配列部分の一部又は全部を含んでなるタンパク質。
(b)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち1〜481番目の配列部分の一部又は全部を含んでなり、かつ、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち−26〜−1番目の配列部分の一部又は全部をN末端側に含んでなるタンパク質。
(c)上記(a)又は(b)のタンパク質を構成するアミノ酸配列の改変タンパク質であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質。
請求の範囲第4項:タンパク質が、糸状菌由来のものである請求項3記載のタンパク質。
請求の範囲第5項:糸状菌が、アクレモニウム属微生物である請求項4記載のタンパク質。
請求の範囲第6項:アクレモニウム属微生物が、アクレモニウム・セルロリティカスである請求項5記載のタンパク質。
(a)配列表の配列番号2で示される塩基配列からなるDNA。
(b)上記(a)の塩基配列の改変配列であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(c)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又はその改変タンパク質であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
請求の範囲第8項:遺伝子が、糸状菌由来のものである請求項7記載の遺伝子。
請求の範囲第9項:糸状菌が、アクレモニウム属微生物である請求項8記載の遺伝子。
請求の範囲第10項:アクレモニウム属微生物が、アクレモニウム・セルロリティカスである請求項9記載の遺伝子。
(a)配列表の配列番号2で示される塩基配列。
(b)上記(a)の塩基配列の改変配列であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列。
(c)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又はその改変タンパク質であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列。
請求の範囲第12項:請求項11記載の核酸構成物を含んでなる発現ベクター。
請求の範囲第14項:宿主が、大腸菌、酵母、放線菌又は糸状菌である請求項13記載の宿主細胞。
請求の範囲第15項:酵母が、サッカロミセス属、ハンゼヌラ属又はピキア属に属する微生物である請求項14記載の宿主細胞。
請求の範囲第16項:酵母が、サッカロミセス・セレビシエである請求項15記載の細胞。
請求の範囲第17項:糸状菌が、アクレモニウム属、フミコーラ属、アスペルギルス属、トリコデルマ属又はフザリウム属に属する糸状菌である請求項14記載の宿主細胞。
請求の範囲第18項:糸状菌が、アクレモニウム・セルロリティカス、フミコーラ・インソレンス、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・オリゼ、トリコデルマ・ビリデ、又はフザリウム・オキシスポーラスである請求項17記載の宿主細胞。
請求の範囲第20項:請求項13〜18のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養し、培養後の宿主細胞及び/又はその培養液から請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質を単離する工程を含んでなる請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質の製造法。
請求の範囲第22項:セルラーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、ガラクトシダーゼ、アラビナナーゼ、マンナナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ、及びポリガラクツロン酸リアーゼのうち、いずれか一若しくは二以上の成分をさらに含有することを特徴とする請求項21記載の酵素組成物。
請求の範囲第24項:請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項4〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を含有する飼料添加物。
請求の範囲第25項:請求項24記載の飼料添加物を飼料に添加することを特徴とする消化能に優れる飼料の製造法。
請求の範囲第27項:請求項26記載の食品加工用酵素剤を用いる食品の製造法。
請求の範囲第28項:請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を含有する木材パルプ処理剤。
請求の範囲第29項:請求項28記載の木材パルプ処理剤を用いることを特徴とする木材パルプの処理法。
請求の範囲第31項:請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を、α−L−アラビノフラノシル残基を含有するオレンジファイバー、みかんジュース粕、アップルファイバー、リンゴジュース粕、ビートファイバー、ビートパルプ、米糖、大豆粕、落花生及びとうもろこし粕から選ばれる天然物に作用させてL−アラビノースを得ることを特徴とするL−アラビノースの製造法。
さらに、このα−L−アラビノフラノシダーゼまたは該酵素を包含する酵素組成物を植物又は植物由来物の加工などに利用する技術も提供され、飼料分野や食品分野、L−アラビノースの製造など様々な用途での利用が期待される。
これらの微生物によるα−L−アラビノフラノシダーゼの製造については、既知の方法、例えば、特公昭60−43954号公報又は特公昭63−63197号公報に記載された方法に従って行えば良く、上記微生物の培養終了後の培養物からα−L−アラビノフラノシダーゼを採取することができる。ここで、培養物を遠心分離等により除去して得た上清液を粗酵素として用いることもできるが、通常は、この上清液を限外濾過法などにより濃縮し、防腐剤などを加えて濃縮酵素とするか、或いは濃縮後スプレードライ法によって粉末酵素とする。
精製方法としては、常法、即ち硫安などによる塩析法;アルコールなどによる有機溶媒沈殿法;膜分離法;イオン交換体、疎水クロマトグラフ用担体、ゲル濾過用担体などを用いるクロマト分離法などを、単独又は適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の第1の態様によれば、アクレモニウム属由来の、前記請求項1に記載の特性を有するα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を示す新規酵素が提供される。より詳細な本酵素の特性は、次の通りである。
(a)基質特異性及び作用特性
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼは、α−L−アラビノフラノシル残基を加水分解する。
すなわち、本発明の酵素は、上記したように、α−L−アラビノフラノシダーゼ活性を示す酵素、すなわちα−L−Arabinofuranoside arabinofuranohydrolase EC3.2.1.55であり、具体的にはα−L−アラビノフラノシド又はアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン等のα−L−アラビノフラノシル残基を加水分解するものである。
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼは、アラビナン、アラビノキシランに対して高い活性を示し、アラビノガラクタンに対しては相対的に低い活性を示す。また、側鎖をもたないリニアアラビナンにも作用し、L−アラビノフラノースを遊離する。
尚、本発明の酵素のα−L−アラビノフラノシダーゼ活性は、DNS法(Borel et al,1952)等により、アラビナン、アラビノガラクタン、アラビノキシラン等に対するアラビノース遊離活性を測定することにより調べることができる。
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼの分子量は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による測定の結果、57,000である。
(c)等電点
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼの等電点は、等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳動による測定の結果、5.3〜5.5である。
(d)至適pH
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼの至適pHは、温度37℃の処理条件下、アラビナン分解活性においてpH3〜4であるが、約pH1.5〜5.5の範囲で高い活性を有している(図1)。
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼは、室温(22℃)、24時間処理において、pH2〜7.5の範囲で安定であり、pH1.5〜2の範囲においても高い活性を保持している(図2)。
(f)作用最適温度
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼの作用最適温度は、pH3.5の処理条件下、アラビナン分解活性において約50℃であるが、約40〜60℃の範囲においても高い活性を有している(図3)。
(g)温度安定性
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼは、pH3.5、24時間処理において、50℃以下の範囲で安定である(図4)。
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼのアラビナン分解活性における比活性は、約29単位/mgタンパク質である。
ここで、当該酵素の活性測定法と1単位の定義については以下の通りとした。
・アラビナン分解活性
pH3.5、37℃で、5mg/mlアラビナン溶液に酵素を作用させ、1分間に1μmolの還元L−アラビノフラノースを生成する酵素量を1単位と定義した。
本発明の第2の態様によれば、以下の(a)、(b)又は(c)で表されるタンパク質が提供される。
(a)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち1〜481番目の配列部分の一部又は全部を含んでなるタンパク質。
ここで、「配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち1〜481番目の配列部分の一部」とは、例えばプローブとして利用可能な程度の長さ、さらには、その一部の配列であっても依然としてα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を維持するその部分配列を意味するものとする。
このタンパク質(b)は、言い換えれば、前記タンパク質(a)において、上記タンパク質のN末端に、さらに配列番号1に記載の−26〜−1番目の配列部分の一部又は全部を有するタンパク質を意味する。従って、「配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち1〜481番目の配列部分の一部」については、前記タンパク質(a)について説明したのと同様である。
ここで、「配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち−26〜−1番目の配列部分」は、シグナルペプチドと考えられることから、「配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち−26〜−1番目の配列部分の一部」とは、シグナルペプチド活性を保持する配列であって、発現宿主の種類によってプロセッシングされる位置に相違が生じた結果としてN末端に残る配列をも意味するものとする。
本発明において改変タンパク質とは、上記のタンパク質のアミノ酸配列において、複数(例えば、1〜数個)のアミノ酸の付加、挿入、削除、欠失、又は置換などの改変が生じたタンパク質であって、依然としてα−L−アラビノフラノシダーゼ活性、すなわち本発明の第1の態様にて説明した各種特性を保持するものを意味する。
本発明の第2の態様により、α−L−アラビノフラノシダーゼを構成するタンパク質のアミノ酸配列が与えられるので、それをコードする遺伝子の塩基配列は容易に定まり、よって、配列番号1に記載のアミノ酸配列及びその改変タンパク質をコードする種々の塩基配列を選択することができる。
そこで、本発明の第3の態様によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列及びその改変タンパク質をコードする塩基配列からなる遺伝子として、以下の(a)、(b)又は(c)で表されるDNAからなる遺伝子が提供される。
配列表の配列番号2に記載の塩基配列からなるDNAは、α−L−アラビノフラノシダーゼのアミノ酸配列をコードする典型的配列である。配列表の配列番号2に記載の塩基配列は、1〜3番目のATGで始まり、1522〜1524番目のTGAで終了するオープンリーディングフレームを有する。また、同塩基配列の79〜81番目の塩基部分は、481残基からなる前記成熟タンパク質のN末端アミノ酸に対応する。
本発明において改変配列とは、上記(a)の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列を意味する。
ストリンジェントな条件とは、プローブとして標識化した配列番号2に記載のDNA配列の全長を有するものを用い、ECL ダイレクト DNA/RNA ラベリング検出システム(アマシャム社製)の方法に従って、1時間のプレハイブリダイゼーション(42℃)の後、前記プローブを添加し、15時間(42℃)ハイブリダイゼーションを行った後、0.4% SDS、6M 尿素添加1倍濃度SSC(SSC;15mM クエン酸三ナトリウム、150 mM 塩化ナトリウム)で42℃、20分間の洗浄を2回繰り返し、次に5倍濃度SSCで室温、10分間の洗浄を2回行うような条件である。
すなわち、本DNA(c)は、本発明の第2の態様のタンパク質をコードするDNAであって、上記DNA(a)及び(b)に含まれないものを全て含む趣旨である。ここで、改変タンパク質については、上記本発明の第2の態様のタンパク質の(c)タンパク質の説明で述べたとおりである。
宿主アクレモニウム・セルロリティカス中で多量に発現しているα−L−アラビノフラノシダーゼをコードする遺伝子(abf)は、例えば以下の方法によりアクレモニウム・セルロリティカスから単離することができる。
すなわち、アクレモニウム・セルロリティカス由来の染色体ライブラリー又はcDNAライブラリーから、遺伝子工学の分野で慣用されている方法、例えば、部分アミノ酸配列の情報を基にして作成した適当なDNAプローブを用いてスクリーニングを行う方法などが挙げられる。
したがって、本発明の遺伝子は、本発明の第2の態様のタンパク質及び本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼの効率的な製造に寄与するものである。
また、本発明の第3の態様として示した遺伝子は、DNA構成物やRNA構成物などの核酸構成物として各種遺伝子関連技術に利用することもでき、このような核酸構成物を提供するのが本発明の第4の態様である。
すなわち、本発明の第4の態様は、以下の(a)、(b)又は(c)で表される塩基配列からなる核酸構成物である。
(a)配列表の配列番号2で示される塩基配列。
(b)上記(a)の塩基配列の改変配列であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列。
(c)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又はその改変タンパク質であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列。
上記(a)、(b)及び(c)の詳細については、本発明の第3の態様の(a)、(b)および(c)の各DNAを構成する塩基配列に関し説明した通りである。
したがって、本発明の核酸構成物は、本発明の第2の態様のタンパク質及び本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼの効率的な製造に寄与するものである。
そして、本発明の核酸構成物は、DNA構成物やRNA構成物として、各種遺伝子関連技術に利用することができ、例えば、細胞内に導入し、ターゲットとする遺伝子の発現を抑制することができる。
本発明の第5の態様によれば、本発明の第4の態様である核酸構成物を含んでなる発現ベクターが提供される。
この本発明の発現ベクターは、宿主微生物内で複製可能で、かつ、上記本発明の核酸構成物を、その塩基配列がコードするタンパク質を発現可能な状態で含んでなるものである。
プロモーターは、宿主微生物において転写活性を示すものであれば特に限定されず、宿主微生物と同種若しくは異種のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子の発現を制御するDNA配列として得ることができる。また、シグナルペプチドは、宿主微生物において、タンパク質の分泌に寄与するものであれば特に限定されず、宿主微生物と同種もしくは異種のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子から誘導されるDNA配列より得ることができる。
また、本発明における遺伝子マーカーは、形質転換体の選択の方法に応じて適宜選択されてよいが、例えば薬剤耐性をコードする遺伝子、栄養要求性を相補する遺伝子を利用することができる。
例えば、導入する宿主細胞として、糸状菌の一種であるアクレモニウム・セルロリティカスを用いる場合は、特開2001−17180号公報に記載の方法で行うことができる。すなわち、アクレモニウム・セルロリティカスにおいて最も高発現しているcbh1遺伝子のプロモーターの下流に、前記した本発明の核酸構成物を連結させて遺伝子発現用の組換えベクターを作製する。この発現ベクターを、アクレモニウム・セルロリティカスに導入することにより、α−L−アラビノフラノシダーゼタンパク質を大量に発現させることができる。
さらに、本発明の第6の態様によれば、上記発現ベクターによって形質転換された宿主細胞が提供される。
この宿主−ベクター系は、特に限定されず、例えば、大腸菌、酵母、放線菌、糸状菌などを用いた系、および、それらを用いた他のタンパク質との融合タンパク質発現系などを用いることができる。
本発明における好ましい態様によれば、酵母(酵母細胞)を用いることにより、本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ又は本発明の第2の態様のタンパク質を効率的に発現させ得る。酵母細胞としては、例えばサッカロミセス(Saccharomyces)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、またはピキア(Pichia)属に属する微生物、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が挙げられる。さらに、それらの好ましい例としては、サッカロミセス・セレビシエを挙げることができる。
本発明の発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を得る際の手順及び方法も、この分野で慣用されている方法に従い実施することができる。
本発明によれば、上記本発明の第6の態様の宿主細胞を適当な培地で培養し、培養後の宿主細胞及び/又はその培養液から、上記の本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は本発明の第2の態様のタンパク質を単離して得ることができ、このような製造法を提供するのが本発明の第7の態様である。
すなわち、本発明の第7の態様は、上記本発明の第6の態様の宿主細胞を適当な培地で培養し、培養後の宿主細胞及び/又はその培養液から、上記の本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は本発明の第2の態様のタンパク質を単離する工程を含んでなるα−L−アラビノフラノシダーゼ又はタンパク質の製造法に関する。
本発明の第8の態様によれば、上記本発明の第1の態様α−L−アラビノフラノシダーゼ又は第2の態様のタンパク質を含んでなる酵素組成物が提供される。
ここで、本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は第2の態様のタンパク質は、本発明の第7の態様の製造法により製造されることが好ましい。
本発明の酵素組成物は、本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は第2の態様のタンパク質を含むものであれば、その他に酵素組成物に一般的に含まれる成分、例えば賦形剤(例えば、乳糖、塩化ナトリウム、ソルビトール等)、界面活性剤、防腐剤等とともに混合され製造されるものであって良い。また、本発明における酵素組成物は、適当な形状、例えば粉末または液体状に成形し調製することができる。
本発明の、第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、及び第8の態様の酵素組成物は、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン等のα−L−アラビノフラノシル残基の分解性能に優れており、よって、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン等のα−L−アラビノフラノシル残基を含有する植物又は植物由来物の加工や利用性(利用効率)の向上に適している。このような植物又は植物由来加工物の加工及び/又は利用効率向上用酵素剤を提供するのが、本発明の第9の態様である。
すなわち、本発明の第9の態様は、本発明の第1の態様の又は第7の態様において得られるα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、若しくは第8の態様の酵素組成物を含有する植物又は植物由来物加工及び/又は利用効率向上用酵素剤を提供する。
ここで、本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は第2の態様のタンパク質は、本発明の第7の態様の製造法により製造されることが好ましい。
本発明の植物又は植物由来物の対象となる植物又は植物由来物の植物品種は特に限定されず全ての植物組織に適用可能である。また、その用途も限定されず、飼料分野(例えば牧草)、食品分野(例えば、野菜、果実)等に広く応用可能である。植物由来物の具体例を挙げると、加工した果汁、ピューレ、ペースト、絞り粕、抽出粕にも適用することができる。
本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、及び第8の態様の酵素組成物は、動物飼料中で用いることにより、飼料中のアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン等のα−L−アラビノフラノシル残基を分解し、又は酵素組成物中に含まれる種々の酵素との相乗作用により飼料中の繊維質を効率的に分解し、これら飼料中の繊維質の消化能を改善することができ、このような飼料添加物を提供するのが、本発明の第10の態様である。
すなわち、本発明の第10の態様は、本発明の第1の態様の、又は第7の態様において得られるα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、若しくは第8の態様の酵素組成物を含有する飼料添加物を提供する。
ここで、本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は第2の態様のタンパク質は、本発明の第7の態様の製造法により製造されることが好ましい。
本発明の飼料添加物は、飼料に添加されることにより、α−L−アラビノフラノシダーゼが、動物飼料中のアラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン等に含まれるα−L−アラビノフラノシド結合を加水分解することにより、飼料中の繊維質を効率的に分解する。特に、酵素組成物として、各種酵素を含有するものを用いる場合は、α−L−アラビノフラノシダーゼと各種酵素の相乗作用により、飼料中の繊維質を効率的に分解し、飼料作物の細胞内に蓄積されているタンパク質の利用をより促進させることができる。
特に、本発明の飼料添加物に含まれるα−L−アラビノフラノシダーゼは、pH2〜7.5の範囲で安定であり、pH1.5〜2の範囲においても高い活性を保持していることから、特に飼料添加物(飼料添加用酵素)として飼料に添加されることにより、各種家畜の消化管内においても失活することなく高い活性を保持し、有効に作用できるものと考えられる。
本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、及び第8の態様の酵素組成物は、食品の加工に用いることにより、ジュース、ワイン等の芳香成分の増加、果汁の清澄化、粘度低下、色味の改善、苦味除去、醸造、製パンにおける醗酵歩合の向上などの効果を得ることができ、このような食品加工用酵素剤を提供するのが、本発明の第11の態様である。
すなわち、本発明の第11の態様は、本発明の第1の態様の又は第7の態様において得られるα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、若しくは第8の態様の酵素組成物を含有する食品加工用酵素剤を提供する。
ここで、本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は第2の態様のタンパク質は、本発明の第7の態様の製造法により製造されることが好ましい。
本発明の第11の態様の食品加工用酵素剤は、食品の製造に用いることにより、上述したように製造上の効率向上を図ることができると共に、特性が改善されたジュース、ワイン、パン等の食品を効率良く得ることができる。
本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、及び第8の態様の酵素組成物は、木材パルプの処理に用いられることにより、塩素等の漂白化合物を用いずに脱リグニン化することができる。
すなわち、本発明の第12の態様は、本発明の第1の態様の又は第7の態様において得られるα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、若しくは第8の態様の酵素組成物を含有する木材パルプ処理剤を提供する。
ここで、本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は第2の態様のタンパク質は、本発明の第7の態様の製造法により製造されることが好ましい。
本発明の第12の態様の木材パルプ処理剤の対象となる木材パルプは、特に限定されず、あらゆる種類のリグノセルロース性材料を包含するものとする。
従って、本発明の第12の態様の木材パルプ処理剤は、木材パルプの処理に用いることにより、塩素等の漂白化合物を用いずに脱リグニン化することが可能である。
本発明の、第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、及び第8の態様の酵素組成物は、ビートパルプ等に作用させることにより、L−アラビノースを安価に製造することができ、このようなL−アラビノースの製造法を提供するのが本発明の第13の態様である。
すなわち、本発明の第13の態様は、本発明の、第1の態様の又は第7の態様において得られるα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、若しくは第8の態様の酵素組成物を用いることを特徴とするL−アラビノースの製造法を提供する。
ここで、本発明の第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、又は第2の態様のタンパク質は、本発明の第7の態様の製造法により製造されることが好ましい。
本発明のα−L−アラビノフラノシダーゼ等を作用させる対象としては、アラビナン、アラビノキシラン、アラビノガラクタン等のα−L−アラビノフラノシル残基を含有するオレンジファイバー、みかんジュース粕、アップルファイバー、リンゴジュース粕、ビートファイバー、ビートパルプ、米糖、大豆粕、落花生及びとうもろこし粕等の天然物を挙げることができる。特に、上記列挙されたうちから選ばれる一つ以上の天然物に対し作用させることにより、アラビノースのうち、その有用性が特に注目されるL−アラビノースを得ることができる。
まず、本発明において各種天然物に作用させる酵素の量は特に限定されず、原料中からL−アラビノースを遊離するのに必要な量であればよい。酵素分解は、ビートパルプ等を水性媒体に懸濁させ、ここへ第1の態様のα−L−アラビノフラノシダーゼ、第2の態様のタンパク質、及び第8の態様の酵素組成物を加えて、攪拌しながら若しくは静置して反応させればよい。反応の温度としては、45〜55℃、特に50℃が望ましい。反応液のpHは、1.5〜5が望ましい。反応時間は、使用するビートパルプ等と酵素の量に依存するが、通常5〜48時間に設定するのが好ましい。
反応終了後の溶液をそのまま、もしくはさらに100℃以上で熱処理して溶液を固液分離(遠心分離、ろ過、デカンテーションその他)して、L−アラビノース溶液を得る。得られたL−アラビノース溶液はケイソウ土ろ過、濾紙ろ過、精密ろ過その他のろ過処理を単用又は組み合せて行った後、加熱、減圧、減圧加熱、限外ろ過等の常法に従って濃縮し、濃縮液を得る。得られた濃縮液は、イオン交換樹脂や活性炭等を用いた各種クロマトグラフィーを用いて常法に促して精製してもよい。また、精製したL−アラビノース溶液を前記と同様に濃縮し、得られた濃縮液を冷却して(種晶を添加してもよい)結晶L−アラビノースを得てもよい。
(1)酵素原末の調製
アクレモニウム属微生物由来のα−L−アラビノフラノシダーゼ原末を得るため、下記の手法により微生物の培養を行った。培地は、すべて以下の組成からなる培地を常法により加熱滅菌したものを用いた。
綿実油粕2%、セルロース2%、リン酸水素二カリウム1.2%、バクトペプトン1%、硝酸カリウム0.6%、尿素0.2%、塩化カリウム0.16%、硫酸マグネシウム・七水塩0.001%、硫酸銅・五水塩0.001%(pH4.0)。
得られた培養液をフィルタープレスで濾過した後、限外濾過により15Lまで濃縮し、乳糖2kgを添加してスプレードライにより粉末化した。この方法で得られたα−L−アラビノフラノシダーゼ原末は5.0kgであった。
(1)で得られた原末を酢酸緩衝液(pH4.5)に溶解し、不純物を高速冷却遠心分離により除去した。得られた上清を酵素精製の出発材料として、以下に示した方法で精製した。
(1)基質特異性及び作用特性
実施例1で得た精製α−L−アラビノフラノシダーゼの各種基質に対する活性を調べた。すなわち、アラビナン、アラビノガラクタン、及びアラビノキシラン(いずれもMegazyme社製)のそれぞれに対するアラビノース遊離活性をDNS法(Borel et al,1952)により調べた。
その結果、アラビナン、次いでアラビノキシランからの遊離が高い一方、アラビノガラクタンからの遊離活性は相対的に低かった。
また、アラビナンとリニアアラビナンに対する作用を比較した結果、リニアアラビナンからも相当量のアラビノース(L−アラビノフラノース)を遊離することが明らかとなった。
実施例1で得たα−L−アラビノフラノシダーゼの至適pHを調べた。すなわち、グリシン−塩酸緩衝液(0.025M、pH1〜3.5)、酢酸緩衝液(0.025M、pH3.5〜6)及びリン酸緩衝液(0.025M、pH6〜8)にてpHを調整し、酵素を5mg/mlアラビナンと共に37℃で処理してアラビナン分解活性を測定し、相対酵素活性を算出した。相対酵素活性とpHとの関係を図1に示す。なお、図1中の◇はグリシン−塩酸緩衝液、□は酢酸緩衝液、△はリン酸緩衝液の各緩衝液中における結果を示す。
図1から明らかなように、本酵素は、pH3〜4のときに最大の活性を示すと共に、約pH1.5〜5.5においても高い活性を有していた。
実施例1で得たα−L−アラビノフラノシダーゼのpH安定性を調べた。すなわち、グリシン−塩酸緩衝液(0.05M、pH1〜3.5)、酢酸緩衝液(0.05M、pH3.5〜6)、リン酸緩衝液(0.05M、pH6〜8)、Tris−HCl緩衝液(0.05M、pH8〜9)、及びCHES緩衝液(0.05M、pH9〜10)にてpHを調整し、酵素を室温(22℃)にて24時間処理した後、これらを希釈し、酢酸緩衝液(0.05M、pH3.5)中にて5mg/mlアラビナンと共に37℃で処理してアラビナン分解活性を測定し、残存酵素活性を算出した。残存酵素活性とpHとの関係を図2に示す。なお、図2中の◇はグリシン−塩酸緩衝液、□は酢酸緩衝液、△はリン酸緩衝液、○はTris−HCl緩衝液、×はCHES緩衝液の各緩衝液中における結果を示す。
図2から明らかなように、本酵素はpH2〜7.5の範囲で安定であり、pH1.5〜2の範囲においても高い活性を有していた。
実施例1で得たα−L−アラビノフラノシダーゼの至適温度(作用最適温度)を調べた。すなわち、酢酸緩衝液(0.05M、pH3.5)中にて酵素を5mg/mlアラビナンと共に20〜60℃にて処理してアラビナン分解活性を測定し、相対酵素活性を算出した。相対酵素活性と温度との関係を図3に示す。
図3から明らかなように、本酵素の至適温度は50℃であったが、約40〜60℃の範囲において高い活性を有していた。
実施例1で得たα−L−アラビノフラノシダーゼの温度安定性を調べた。すなわち、酢酸緩衝液(0.05M、pH3.5)中にて酵素を20〜70℃にて24時間処理した後、これらを希釈し、酢酸緩衝液(0.05M、pH3.5)中にて5mg/mlアラビナンと共に37℃で処理してアラビナン分解活性を測定し、残存酵素活性を算出した。残存酵素活性と温度との関係を図4に示す。
図4から明らかなように、本酵素は、50℃以下の範囲で安定であった。
実施例1で得たα−L−アラビノフラノシダーゼの分子量を決定するために、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(12%ゲル)を行った。
その結果、α−L−アラビノフラノシダーゼの分子量は約57,000と算出された。
なお、この試験に用いた標準サンプルの分子量は、以下の第1表に示す通りである。
実施例1で得られたα−L−アラビノフラノシダーゼの等電点(pI)を決定するために、LKB両性等電点電気泳動装置を用いてポリアクリルアミドゲル等電点電気泳動を行った。なお、この試験に用いた標準サンプルの等電点は、以下の第2表に示す通りである。
その結果、α−L−アラビノフラノシダーゼの等電点はおよそ5.3〜5.5と算出された。
実施例1で得られたα−L−アラビノフラノシダーゼのアラビナン分解活性における比活性を調べた。すなわち、pH3.5、37℃で、5mg/mlアラビナン溶液に酵素を作用させ、1分間に1μmolの還元L−アラビノフラノースを生成する酵素量を1単位と定義した。
その結果、比活性は、約29単位/mgタンパク質であった。
(1)α−L−アラビノフラノシダーゼの部分アミノ酸配列の決定
実施例1で精製されたα−L−アラビノフラノシダーゼのタンパク質を、電気泳動システム(テフコ社製)と12%のポリアクリルアミドゲルを用い、電気泳動(Sodium Dodecyl sulfate−polyacrylamide gel electrophoresis(SDS−PAGE))した。SDS−PAGE後のポリアクリルアミドゲル中のタンパク質を、マルチフォーII(ファルマシアバイオテク社製)にて、添付のプロトコールに従い、ポリビニリデンジフルオライド膜(Immobilon−PSQ、ミリポア社製)に転写した。この膜をクーマシー・ブリリアント・ブルーR250(ナカライテスク社製)で染色した後、約50kDaのタンパク質がブロットされている部分を切り出した。
すなわち、まず、精製したタンパク質を凍結乾燥後、0.1M トリス塩酸緩衝液(pH9.0)に溶解した。タンパク質に対し1/100モル量のリシルエンドペプチダーゼ(和光純薬社製)を添加し、37℃にて48時間反応させた。同分解産物をModel172μプレパラティブHPLCシステム(PEアプライドバイオシステムズ社製)を用いてカラムクロマトグラフィー(カラム:C18 220×2.1mm、0.1%TFA、5% アセトニトリル〜0.085%TFA、35%アセトニトリルグラジェント)を行い、2種のペプチドを分取した。得られたペプチド断片のアミノ酸配列は、前述のプロテインシークエンサーにより決定した。
その結果、内部アミノ酸配列として、配列表の配列番号4及び配列番号5のそれぞれに示されるアミノ酸配列が含まれることが明らかとなった。
アクレモニウム・セルロリティカスY−94株(FERM BP−5826)を(S)培地(2%ブイヨン、0.5%イーストエキス、及び2%グルコース)で30℃にて2日間培養し、遠心分離により菌体を回収した。得られた菌体を液体窒素で凍結後、乳鉢と乳棒を用いて磨砕した。この磨砕された菌体からISOPLANT(ニッポンジーン社製)により、添付のプロトコールに従いゲノムDNAを単離した。
精製されたα−L−アラビノフラノシダーゼの、前記(1)で決定された部分アミノ酸配列をもとに、それぞれ配列表の配列番号6及び配列番号7に示される塩基配列からなる2つのプライマーを合成した。これらのプライマーを用い、アクレモニウム・セルロリティカスY−94株から単離したゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。
PCRは、50μlの反応液中、ゲノムDNA50ngを鋳型とし、1.25unitのExTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)、添付のバッファー、dNTP Mixture及び10μMの上記プライマーを用い、94℃−3分間、(94℃−1分間、42℃−1分間、72℃−45秒間)×30回、72℃−3分間の条件で反応を行った。この反応により約560bpのDNA断片が増幅し、このDNA断片をpT7 Blue(ストラタジーン社製)ベクターに挿入した。
このようにしてクローニングされたDNA断片の塩基配列の決定は、DNA Sequencing Kit dRhodamine Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction(パーキンエルマー社製)とABI PRISM 310 Genetic Analyzer(パーキンエルマー社製)を用いて、添付のプロトコールに従って行った。
その結果、単離したDNA断片の塩基配列は、糸状菌のα−L−アラビノフラノシダーゼ遺伝子と相同性を示し、目的とするα−L−アラビノフラノシダーゼをコードする遺伝子の一部であることが明らかとなった。
アクレモニウム・セルロリティカスY−94株を、セルラーゼ誘導培地(4%セルロース、1%バクトペプトン、0.6%硝酸カリウム、0.2%尿素、0.16%塩化カリウム、0.12%硫酸マグネシウム、1.2%燐酸一カリウム、0.001%硫酸亜鉛、0.001%硫酸マンガン及び0.001%硫酸銅(pH4.0))で32℃にて4日間培養し、遠心分離により菌体を回収した。得られた菌体を液体窒素で凍結後、乳鉢と乳棒を用いて磨砕した。この磨砕された菌体からISOGEN(ニッポンジーン社製)により、添付のプロトコールに従い全RNAを単離した。
さらに全RNAから、mRNA Purification Kit(ファルマシア社製)により、添付のプロトコールに従い、mRNAを精製した。
このようにして作製された組換えファージベクターについて、Gigapack III Gold Packaging Extract(ストラタジーン社製)により、添付のマニュアルに従ってin vitroパッケージングを行った。その後、この組換えファージを大腸菌XL1−Blue MRF´株に感染させ、プレートにて培養しプラークを形成させた。このようにして作製したcDNAライブラリーは、5.5×105plaque forming unitsであった。
さらに、このcDNAライブラリーを、Lambda ZAP IIに添付のプロトコールに従い増幅した。この増幅したcDNAライブラリー中の組換えファージを大腸菌XL1−Blue MRF´株に感染させ、プレートにて培養しプラークを形成させた。
プラークの形成されたプレート上に、Hybond−N+メンブレン(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)をのせ、プラークを付着させた。このメンブレンをアルカリ処理し、メンブレン上の組換えファージDNAを1本鎖に変性しメンブレンに吸着させた。こうして作製したメンブレンとPCRにより増幅したα−L−アラビノフラノシダーゼ遺伝子のDNA断片をプローブとして用い、ECL direct nucleic acid labelling and detection systems(アマシャム ファルマシア バイオテク社製)により、添付のプロトコールに従って、スクリーニングを行った。このようにして選抜した陽性クローンからプラスミドベクターpBluescript SK(−)へのin vivo excisionは、Lambda ZAP IIに添付のプロトコールに従い実施した。
このようにしてアクレモニウム・セルロリティカスのα−L−アラビノフラノシダーゼcDNAの1685bpの塩基配列を決定した。本cDNAは1524bpの塩基配列(配列番号2)からなる1個のORFを含み、約50kDaのタンパク質(配列番号1)をコードすることが明らかとなった。
このORFから予測されるタンパク質に関してBLASTを用いてホモロジー検索を行ったところ、アクレモニウム・セルロリティカスのα−L−アラビノフラノシダーゼは、トリコデルマ・リーセイのα−L−α−L−アラビノフラノシダーゼ(Q92455)に最も高い相同性(79%)を示していた。
(1)α−L−アラビノフラノシダーゼ遺伝子発現用の組換えベクターの作製
α−L−アラビノフラノシダーゼcDNAの挿入されたプラスミドを鋳型とし、それぞれ配列表の配列番号8及び配列番号9記載の塩基配列からなる2つのプライマーを用いてPCRを行った。PCRは、50μlの反応液中、1.25unitのExTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造社製)、添付のバッファーとdNTP Mixture、100ngプラスミドDNA及び1μMの上記プライマーを用い、94℃−3分間、(94℃−30秒間、48℃−30秒間、72℃−1分間)×30回、72℃−3分間の条件で反応を行った。
こうして得られたDNA断片をpT7Blue(ストラタジーン社製)に挿入し、pABFを作製した。
pABFをStu IとSph Iで切断し、これを特開2001−17180号公報に記載されているpCBHEX/DtR2のHpa IとSph Iの間に挿入し、タンパク質発現用プラスミドpCBHEX/DtR2/ABFを作製した。
アクレモニウム・セルロリティカスY−94株を、(S)培地で30℃にて16時間培養し、3500rpm、10分間遠心することにより集菌した。得られた菌体を0.5M シュークロースで洗浄し、0.45μmのフィルターで濾過したプロトプラスト化酵素溶液(10mg/ml キチナーゼ、10mg/ml ザイモリアーゼ、30mg/ml β−グルクロニダーゼ及び0.5M シュークロース)に懸濁した。30℃で60分〜90分間振盪し、菌糸をプロトプラスト化させた。脱脂綿によりこの懸濁液を濾過した後、2500rpm、10分間遠心してプロトプラストを回収し、SUTCバッファー(0.5M シュークロース、10mM 塩化カルシウム及び10mM トリス−塩酸(pH7.5))で洗浄した。
以上のようにして調製したプロトプラストを1mlのSUTCバッファーに懸濁し、この100μlに対し10μgのDNA溶液(10μl)を加え、氷上に5分間静置した。次に、400μlのPEG溶液(60%PEG4000、10mM 塩化カルシウム及び10mM トリス−塩酸(pH7.5))を加え、氷中に20分間静置した後、10mlのSUTCバッファーを加え、2500rpm、10分間遠心した。遠心分離したプロトプラストを1mlのSUTCバッファーに懸濁した後、4000rpmで5分間遠心して、最終的に100μlのSUTCバッファーに懸濁した。
ハイグロマイシンBに対する耐性度の高いもの2株(形質転換体1(AA−1)及び形質転換体2(AA−5))をセルラーゼ誘導培地で培養した。培養上清をSDS−PAGEにより解析した。その結果を図5に示す。尚、図5中、上段のマーカーは、左側から分子量マーカー、親株の結果、形質転換体1の結果、形質転換体2の結果、及び分子量マーカーをそれぞれ示す。右側の数字は分子量を、左側の矢印はα−L−アラビノフラノシダーゼのバンド部分を示す。
図5から明らかなように、形質転換体は、親株よりもα−L−アラビノフラノシダーゼ分泌量が向上していた。
また、1mlの培養上清あたりのα−L−アラビノフラノシダーゼ活性(u/ml)を、表3に示す。
(1) ビートパルプの酵素分解
ビートパルプ750gを15Lの水に懸濁した後、酵素組成物7.5gを添加し、50℃で24時間攪拌しながら反応した。反応終了後、反応液を濾布遠心分離器(濾布400mesh)にて分離し、水溶性画分を得た。この水溶性画分をろ過することによりL−アラビノースを含む清澄な溶液12Lを得た。この溶液中の糖の分析を高速液体クロマトグラフィーにより行った。分析の条件としては、分析用カラムとしてShodex社製SUGAR SPO810(2本連結)を用い、カラム温度80℃、流速0.8mL/minとし、超純水で溶出を行った。糖の検出はエバポレイティブ光散乱検出法(SEDEX社)により行い、標準品の定量値からL−アラビノースの含量を求めた。上記の反応後の溶液を分析した結果、12L中に45.6gのL−アラビノースが蓄積していた。
上記溶液に粉末活性炭(武田薬品社製、商品名白鷺FA)1.5gを加えて55℃で1時間撹拌し、No.2ろ紙にてろ過した。ろ液を減圧下で加熱濃縮し、Brix37.6の濃縮液を得た。この溶液をクロマトグラフィーを用いて分離精製し、L−アラビノース画分を得た。クロマトグラフィーの条件としては、イオン交換樹脂(オルガノ社製FX1080、Ca2+型、ベッドボリューム1.8L)を用いて水で溶出した。精製したL−アラビノース画分はL−アラビノース13.7g(純度73.7%、固形分当たり)であった。
上記L−アラビノース画分を減圧下で加熱濃縮(70℃)しBrix60となるまで濃縮した。この濃縮液に少量の結晶L−アラビノースを添加し、70℃から4℃に冷却した。この溶液をろ過することにより、10.1gの結晶L−アラビノース(純度99.9%以上)を得た。
さらに、このα−L−アラビノフラノシダーゼまたは該酵素を包含する酵素組成物を植物又は植物由来物の加工などに利用する技術も提供され、飼料分野や食品分野、L−アラビノースの製造など様々な用途での利用が期待される。
Claims (31)
- アクレモニウム属微生物に由来し、下記の特性を有するα−L−アラビノフラノシダーゼ。
(a)基質特異性及び作用特性:α−L−アラビノフラノシル残基を加水分解する。
(b)分子量:57,000(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動による)
(c)等電点:5.3〜5.5(等電点ポリアクリルアミドゲル電気泳動による)
(d)至適pH:pH3〜4である。
(e)安定pH範囲:pH2〜7.5の範囲で安定であり、pH1.5〜2の範囲においても高い活性を保持している。
(f)作用最適温度:50℃である。
(g)温度安定性:50℃以下の範囲で安定である。 - アクレモニウム属微生物が、アクレモニウム・セルロリティカスである請求項1記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ。
- 以下の(a)、(b)又は(c)で表されるタンパク質。
(a)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち1〜481番目の配列部分の一部又は全部を含んでなるタンパク質。
(b)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち1〜481番目の配列部分の一部又は全部を含んでなり、かつ、配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列のうち−26〜−1番目の配列部分の一部又は全部をN末端側に含んでなるタンパク質。
(c)上記(a)又は(b)のタンパク質を構成するアミノ酸配列の改変タンパク質であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質。 - タンパク質が、糸状菌由来のものである請求項3記載のタンパク質。
- 糸状菌が、アクレモニウム属微生物である請求項4記載のタンパク質。
- アクレモニウム属微生物が、アクレモニウム・セルロリティカスである請求項5記載のタンパク質。
- 以下の(a)、(b)又は(c)で表されるDNAからなる遺伝子。
(a)配列表の配列番号2で示される塩基配列からなるDNA。
(b)上記(a)の塩基配列の改変配列であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(c)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又はその改変タンパク質であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - 遺伝子が、糸状菌由来のものである請求項7記載の遺伝子。
- 糸状菌が、アクレモニウム属微生物である請求項8記載の遺伝子。
- アクレモニウム属微生物が、アクレモニウム・セルロリティカスである請求項9記載の遺伝子。
- 以下の(a)、(b)又は(c)で表される塩基配列からなる核酸構成物。
(a)配列表の配列番号2で示される塩基配列。
(b)上記(a)の塩基配列の改変配列であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列。
(c)配列表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質、又はその改変タンパク質であり、かつα−L−アラビノフラノシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする塩基配列。 - 請求項11記載の核酸構成物を含んでなる発現ベクター。
- 請求項11記載の核酸構成物又は請求項12記載の発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
- 宿主が、大腸菌、酵母、放線菌又は糸状菌である請求項13記載の宿主細胞。
- 酵母が、サッカロミセス属、ハンゼヌラ属又はピキア属に属する微生物である請求項14記載の宿主細胞。
- 酵母が、サッカロミセス・セレビシエである請求項15記載の細胞。
- 糸状菌が、アクレモニウム属、フミコーラ属、アスペルギルス属、トリコデルマ属又はフザリウム属に属する糸状菌である請求項14記載の宿主細胞。
- 糸状菌が、アクレモニウム・セルロリティカス、フミコーラ・インソレンス、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・オリゼ、トリコデルマ・ビリデ、又はフザリウム・オキシスポーラスである請求項17記載の宿主細胞。
- 請求項13〜18のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養し、培養後の宿主細胞及び/又はその培養液から請求項1又は2記載のα−L−アラビノフラノシダーゼを単離する工程を含んでなる請求項1又は2記載のα−L−アラビノフラノシダーゼの製造法。
- 請求項13〜18のいずれか一項に記載の宿主細胞を培養し、培養後の宿主細胞及び/又はその培養液から請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質を単離する工程を含んでなる請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質の製造法。
- 請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ又は請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質を含んでなる酵素組成物。
- セルラーゼ、キシラナーゼ、プロテアーゼ、ガラクタナーゼ、ガラクトシダーゼ、アラビナナーゼ、マンナナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ペクチンリアーゼ、及びポリガラクツロン酸リアーゼのうち、いずれか一若しくは二以上の成分をさらに含有することを特徴とする請求項21記載の酵素組成物。
- 請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を含有する植物又は植物由来物加工及び/又は利用効率向上用酵素剤。
- 請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項4〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を含有する飼料添加物。
- 請求項24記載の飼料添加物を飼料に添加することを特徴とする消化能に優れる飼料の製造法。
- 請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を含有する食品加工用酵素剤。
- 請求項26記載の食品加工用酵素剤を用いる食品の製造法。
- 請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を含有する木材パルプ処理剤。
- 請求項28記載の木材パルプ処理剤を用いることを特徴とする木材パルプの処理法。
- 請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を用いることを特徴とするL−アラビノースの製造法。
- 請求項1又は2に記載のα−L−アラビノフラノシダーゼ、請求項3〜6のいずれか一項に記載のタンパク質、若しくは請求項21又は22のいずれか一項に記載の酵素組成物を、α−L−アラビノフラノシル残基を含有するオレンジファイバー、みかんジュース粕、アップルファイバー、リンゴジュース粕、ビートファイバー、ビートパルプ、米糖、大豆粕、落花生及びとうもろこし粕から選ばれる天然物に作用させてL−アラビノースを得ることを特徴とするL−アラビノースの製造法。
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