JP2006129553A - 振動型駆動装置、その制御装置、その制御方法、及びプログラム - Google Patents

振動型駆動装置、その制御装置、その制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 低速領域での出力トルクの低下を防止するとともに、低速から高速までの広い速度領域で安定した制御を可能とする。
【解決手段】 振動体の少なくとも一部を形成する電気−機械エネルギー変換手段(圧電素子2)に該振動体の共振周波数近傍の交流電圧を印加して該振動体を所定の振動モードで励振し、該振動体に接触する移動体(ロータ4)を相対移動させる振動型駆動装置において、前記振動体に、複数の直交する振動モード対に起因する楕円振動を形成する。この楕円振動は、位相が前記振動体の仮想中心軸を中心とする周上の同一方向に連続して時間的に変化する進行性の振動である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動型駆動装置、その制御装置、その制御方法、及びプログラムに関し、特に、振動体の少なくとも一部を形成する電気−機械エネルギー変換手段に該振動体の共振周波数近傍の交流電圧を印加して該振動体を所定の振動モードで励振し、該振動体に接触する移動体を相対移動させる振動型駆動装置、該振動型駆動装置の制御装置、該振動型駆動装置に適用される制御方法、及び該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
一般に、振動型駆動装置は、弾性体上に励起した数ミクロン程度の振動の力によって移動体を移動させるように構成されている。この弾性体と移動体との接触部に働く力の方向を選択的に取り出すことで、効率良く移動体を移動させることが可能である。
振動型駆動装置にはいくつかの方式が提案されているが、振動の形態によって定在波型と進行波型とに大きく分類される。定在波型では、振動型駆動装置の形状の自由度が高く、小型化しやすい利点があり、進行波型では、常に弾性体と移動体とが接しているので、高トルクが比較的得やすい利点がある。
進行波型の振動型駆動装置では、円環または円盤型の弾性体が一般的に用いられ、円周にそって進行する曲げ振動により振動波の波頭の質点が楕円軌跡を描いて運動することを利用して、その楕円軌跡の一部の運動を取り出して移動体を駆動している。また駆動力としては、接触部の摩擦係数と接触部の加圧力とに比例したトルクが得られ、低速かつ高トルクのモータ性能が得られるのが特徴である。
従来、複数の振動モードの進行性振動波を用いた振動型駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうした振動型駆動装置では、円環状の弾性体に、面外方向(弾性体の回転軸方向)の曲げ振動による進行性振動波と、面内方向(弾性体の回転軸を法線とする回転面内の方向)の曲げ振動による進行性振動波とを選択的に形成し、これによって、弾性体に接触する移動体が、広い速度領域に亘って安定した駆動ができるようにしている。
特開平03−135382号公報
しかしながら、上記従来の進行波型の振動型駆動装置は、弾性体の振動振幅が大きい場合には、質点の楕円軌跡の上側の運動による力のみを移動体に伝達することができるが、移動体を低速で駆動するために弾性体の振動振幅を小さくすると、楕円軌跡が小さくなり、楕円軌跡の下側にも移動体が接するようになる。すると、移動方向と逆方向の質点運動とも移動体が接するようになるため、低速領域での出力トルクが小さくなってしまうという問題があった。
また、上記の特許文献1に示される振動型駆動装置において、振動モードを切り替えて、低速から高速までの広い速度領域で連続的な制御を行う場合、切り替えの際に速度が不安定になるという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、低速領域での出力トルクの低下を防止するとともに、低速から高速までの広い速度領域で安定した制御が可能な振動型駆動装置、その制御装置、その制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と振動体に接触する移動体とを有し、電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで振動体の表面に発生する振動により移動体を駆動する振動型駆動装置において、振動体は交番信号が供給されることによって、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の円運動と、変位方向の異なる複数の振動成分からなり第1の円運動とは変位方向の異なる第2の円運動の、合成からなる振動が形成されることを特徴とするものである。
また、請求項10記載の発明は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と振動体に接触する移動体とを有し、電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで振動体の表面に発生する振動により移動体を駆動する振動型駆動装置において、振動体は交番信号が供給されることによって、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の進行性振動波と、変位方向の異なる複数の振動成分からなり第1の進行性振動波とは振動変位方向の異なる第2の進行性振動波の、合成からなる進行性振動波が形成されることを特徴とするものである。
また、請求項16に記載の発明は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と振動体に接触する移動体とを有し、電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで振動体の表面に発生する振動により移動体を駆動する振動型駆動装置の制御装置において、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の円運動と、変位方向の異なる複数の振動成分からなり第1の円運動とは変位方向の異なる第2の円運動の、合成からなる振動を形成する交番信号を、電気−機械エネルギー変換素子に供給する信号供給手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項23に記載の発明は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と振動体に接触する移動体とを有し、電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで振動体の表面に発生する振動により移動体を駆動する振動型駆動装置の制御装置において、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の進行性振動波と、変位方向の異なる複数の振動成分からなり第1の進行性振動波とは変位方向の異なる第2の進行性振動波の、合成からなる振動を形成する交番信号を、電気−機械エネルギー変換素子に供給する信号供給手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項24に記載の発明は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と振動体に接触する移動体とを有し、電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで振動体の表面に発生する振動により移動体を駆動する振動型駆動装置の制御方法において、振動体に交番信号を供給し、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の円運動を発生させ、振動体に交番信号を供給し、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなり第1の円運動とは変位方向の異なる第2の円運動を発生させ、第1の円運動と第2の円運動の合成からなる振動を形成することを特徴とするものである。
また、請求項27に記載の発明は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と振動体に接触する移動体とを有し、電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで振動体の表面に発生する振動により移動体を駆動する振動型駆動装置の制御方法において、振動体に交番信号を供給し、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の進行性振動波を発生させ、振動体に交番信号を供給し、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなり第1の進行性振動波とは変位方向の異なる第2の進行性振動波を発生させ、第1の進行性振動波と第2の進行性振動波の合成からなる振動を形成することを特徴とするものである。
また、請求項28に記載の発明は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と振動体に接触する移動体とを有し、電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで振動体の表面に発生する振動により移動体を駆動する振動型駆動装置に適用される駆動制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、振動体に交番信号を供給し、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の円運動を発生させ、変位方向の異なる複数の振動成分からなり第1の円運動とは変位方向の異なる第2の円運動を発生させ、第1の円運動と第2の円運動の合成からなる振動を形成するステップとを有することを特徴とするものである。
さらに、請求項29に記載の発明は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と振動体に接触する移動体とを有し、電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで振動体の表面に発生する振動により移動体を駆動する振動型駆動装置の制御方法において、振動体に交番信号を供給し、振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の進行性振動波を発生させ、変位方向の異なる複数の振動成分からなり第1の円運動とは変位方向の異なる第2の進行性振動波を発生させ、第1の進行性振動波と第2の進行性振動波の合成からなる振動を形成するステップとを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、移動体を低速で駆動する際の出力トルクの停止を防止するとともに、移動体を低速から高速までの広い速度領域で安定して駆動させることを可能とする。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る振動型駆動装置の構成を示す側断面図である。
図1において、1は円環状の弾性体であり、2は、弾性体1に接着され、交流電圧が印加されることで、弾性体1を加振する圧電素子であり、3は、弾性体1に加圧接触する摩擦部材であり、4は、摩擦部材3が接着され、外部に回転出力を取り出すためのロータ(移動体)である。
図2は、圧電素子2に形成された電極と、該電極における分極の極性とを示す平面図である。
図2において、圧電素子2に形成される電極は、内周側と外周側とに分かれると共に、同一円周上の電極は4つ(外周は2−a,2−b,2−c,2−d、内周は2−e,2−f,2−g,2−h)で振動波1波長分の電極となっており、5波長分の20個の電極からなっている。また各電極は、同一円周上において円周に沿って1つ置きに接続しており、内外周の互いに接続された4組の電極群に、2相の交流駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdがそれぞれ印加される。
ここで、弾性体1では、面内(弾性体の回転軸を法線とする回転面内の方向)5次の振動モードでの共振周波数と、面外(弾性体の回転軸方向)5次の振動モードでの共振周波数とが、ロータ4が弾性体1に加圧接触した状態で、ほぼ同じ周波数となるようにする。圧電素子2の内外周の電極間に印加する電圧を同相にすると、弾性体1に面外曲げ振動を発生させることができ、圧電素子2の内外周の電極間に印加する電圧を逆相にすると、弾性体1に面内曲げ振動を発生させることができる。また、内外周の各2相の電極間に90°位相のずれた交流電圧を印加すると、弾性体1に面内または面外の進行性振動波を発生させることができる。また、内周のみ或いは外周のみに交流電圧を印加すると、面内の振動と面外の振動とを同時に発生させることができる。
第1の実施の形態では、駆動電圧Vaと駆動電圧Vcとを同相にするとともに、駆動電圧Vbと駆動電圧Vdとを同相にし、また、駆動電圧Vaと駆動電圧Vbとの位相差を90°にするとともに、駆動電圧Vcと駆動電圧Vdとの位相差を90°にして、面内及び面外の進行性振動波を発生させるようにする。
図3は、弾性体1を上面から見た平面図である。
弾性体1には外周部にスリット構造部1−aを設けており、このスリット構造部1−aには、面内曲げ振動が発生した際に形成される楕円振動における振幅のうち、弾性体1の円周方向成分の振幅を拡大する効果がある。ロータ4は、摩擦部材3を介して、このスリット構造部1−aに接するように構成されている。
第1の実施の形態においては、上記のような構成において面内曲げ振動による進行性振動波と面外曲げ振動による進行性振動波の位相を変えることで、ロータ4の回転方向を制御するようにしている。これを、以下に説明する。
図4及び図5は、第1の実施の形態において発生する面内及び面外の各進行性振動波の位相関係とロータ4の回転方向との関係を示す図である。
図4及び図5において、外周側グラフは面内5次の進行性振動波の波形を示しており、点線で示した中立線に対して外側部分が弾性体1の外側(外周側)の振幅を表し、中立線の内側部分が弾性体1の内側(内周側)の振幅を表している。一方、内周側グラフは、面外5次の進行性振動波の波形を示しており、点線で示した中立線に対して外側部分が弾性体1の上側(ロータ4側)の振幅を表し、中立線の内側部分が弾性体1の下側(圧電素子2側)の振幅を表している。また面内及び面外の進行性振動波は、反時計方向に弾性体1の周上に沿って移動している。ここで、図4と図5とではロータ4の回転方向が逆となる。これは、面内の進行性振動波の位相と面外の進行性振動波の位相とを異ならせることによって発生させることができるが、これを、図4及び図5を参照して、以下に詳述する。
ロータ4の回転方向を決めるのは、面外振動が摩擦部材3を介してロータ4に接する位置における、面内と面外の各楕円振動の円周方向成分を合成して得られる振動の方向である。図4および図5を参照すると、面外の楕円振動の円周方向成分が小さいことがわかるが、これは、この面外の楕円振動が生じている点が面外曲げ振動の中立面に近いためである。
このように、面外の楕円振動の円周方向成分が小さいため、面外曲げ振動が摩擦部材3を介してロータ4に接する位置での面内の楕円振動の円周方向成分が、ロータ4の回転方向をほとんど決めるようになっている。したがって、図4では、面外曲げ振動が、摩擦部材3を介してロータ4に接する弾性体1の上側に発生している時に、面内曲げ振動が弾性体1の外側に発生しているため、進行性振動波の進行方向と逆方向にロータ4が回転する。一方、図5では、面外曲げ振動が、摩擦部材3を介してロータ4に接する弾性体1の上側に発生している時に、面内曲げ振動が弾性体1の内側に発生しているため、進行性振動波の進行方向と同方向にロータ4が回転する。
第1の実施の形態では、面外の進行性振動波を発生させつつ、面内の進行性振動波の位相を変えることによって、ロータ4の回転方向を切り替えるようにする。これによって、それぞれの進行性振動波の回転方向は切り替えることなく、それぞれの進行性振動波の間の位相を変化させることによってロータ4の回転方向を切り替えることができる。また、進行性振動波の波形をほとんど乱すことなく、高速にロータ4の回転方向を切り替えることができる。
また、第1の実施の形態では、所定以上の振幅の面外曲げ振動を常に発生させるようにする。これによって、振動の振幅が小さい領域における不感帯(所定以上の振幅でないとロータ4が回転しない現象が発生する領域)が小さくなる。したがって、面内曲げ振動の振幅を変えることで、ロータ4の回転速度を安定して制御することができ、特に極低速から安定して高トルクで駆動が可能となる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図6は、第2の実施の形態に係る振動型駆動装置の構成を示す側断面図である。
図6において5は圧電素子、6は弾性体であり、弾性体6は、弾性体6−aと弾性体6−bとからなっており、圧電素子5を弾性体6−aと弾性体6−bとで上下から挟持している。7はロータであり、ロータ7−aとロータ7−bとからなっていて、不図示の加圧手段によってロータ7−aとロータ7−bとが弾性体6を挟み込むように加圧され、これによって、ロータ7は弾性体6に励起される振動に応じて回転する。8は固定部材であり、固定部材8−aと固定部材8−bとからなり、弾性体6−aと弾性体6−bとを弾性体6の回転中心で上下から挟持する。9は、ロータ7の回転中心に固定された回転軸である。
図6に示す振動型駆動装置における圧電素子5、弾性体6、固定部材8からなる振動体に対して、詳しくは図9及び図10を参照して後述する方法により、面外倒れ振動と面内2次曲げ振動とを同時に発生させ、これによって、ロータ7の回転方向及び回転速度を制御するようにしている。ここではまず、面外倒れ振動と面内2次曲げ振動とについて説明する。
図7及び図8は、圧電素子5、弾性体6、固定部材8からなる振動体に励起される面外倒れ振動と面内2次曲げ振動とを示す図であり、図7と図8とでは、面内2次曲げ振動の位相の違いからロータ7の回転方向が逆となっている。図7及び図8においてそれぞれ、(A)は面外倒れ振動を、(B)は面内2次曲げ振動を示すとともに、上から下へ矢印に従って振動が時間的に変化する様子を表している。
まず図7を参照して、圧電素子5、弾性体6、固定部材8からなる振動体の振動の変化について説明する。
面外倒れ振動は、回転軸9の中心軸を法線とする平面に対して、本来同一平面上に位置する上記振動体が傾きをもつ振動である。図7(A)は、回転軸9の中心軸に垂直な方向から上記振動体を見た図であり、図7(A)に示すハッチングは振動体の裏面を示しており、振動体の倒れる方向(傾き方向)が回転中心軸を中心に回転する様子を示している。
面内2次曲げ振動は、上記振動体の外側円環部が面内2次曲げモードで振動する振動である。図7(B)は、回転軸9の中心軸方向から上記振動体の振動波形を見た図であり、該振動波形は、面外倒れ振動と同方向に回転中心軸を中心に回転している。なお、後述するように、面外倒れ振動の周波数に対して面内2次曲げ振動の周波数を2倍に設定するので、面内2次曲げ振動の振動波形は、面外倒れ振動が回転軸中心に半周する毎に同じ振動波形となる。
面外倒れ振動と面内2次曲げ振動とは、同時に上記振動体に励起される。その際、弾性体6とロータ7の接触部において、面外倒れ振動に起因する成分は上下に突き上げる成分がほとんどであるためロータ7がほとんど回転しないが、面内2次曲げ振動に起因する成分は、図7(B)に示したように面内2次曲げ振動の進行方向と逆方向に回転する楕円振動となっており、面外倒れ振動がロータ7を突き上げるタイミングで接する楕円振動の振動方向にロータ7が回転する。したがって、面内2次曲げ振動の回転方向と逆の方向にロータ7が回転する。
また、図6の構成図に示したようにロータ7は圧電素子5、弾性体6、固定部材8からなる振動体の上下から挟む構成となっているため、ロータ7−aとロータ7−bとが、振動体の同じ方向の楕円振動と接しなければロータ7が回転しないが、面内2次曲げ振動の場合、突き上げることになる振動体の回転中心軸を挟んだ両側の楕円振動は、上述のように2倍の周波数設定のために同じ回転方向であり、これらの楕円振動が同じタイミングでロータ7−a及びロータ7−bと接するため、ロータ7が回転する。
図8は、ロータ7が図7と逆方向に回転する場合の振動を示している。図8は、図7の表示形態と同じであるが、面外倒れ振動に対する面内2次曲げ振動の位相が図7とは異なっている。ただし、面外倒れ振動の回転方向と面内2次曲げ振動の回転方向は図7と同じである。
図7では、弾性体6がロータ7に接するタイミング、つまり面外倒れ振動がロータ7を突き上げるタイミングで、面内2次曲げ振動の長径方向の振動が弾性体6とロータ7の接触部に発生しており、弾性体6とロータ7の接触部が面内2次曲げ振動の進行方向と逆方向に運動しているタイミングで弾性体6とロータ7が接しており、ロータ7が面内2次曲げ振動の進行方向と逆方向に回転している。これに対し図8では、弾性体6がロータ7に接するタイミングで、面内2次曲げ振動の短径方向の振動が弾性体6とロータ7の接触部に発生しており、弾性体6とロータ7の接触部が面内2次曲げ振動の進行方向に運動しているタイミングで弾性体6とロータ7が接しており、ロータ7が面内2次曲げ振動の進行方向に回転している。
次に、振動体に面外倒れ振動及び面内2次曲げ振動をどのように励振するかについて、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、図6に示すロータ7と回転軸9とを除いた圧電素子5、弾性体6、固定部材8からなる振動体を示す側断面図であり、圧電素子5の内部構成を示すための図である。
圧電素子5は、4つの区画に分かけられた圧電素子5−a,5−b,5−c,5−dからなる。なお、図10を参照して後述するように、圧電素子5は回転方向にも分割されている。圧電素子5−a,5−b,5−c,5−dはそれぞれ、独立に伸縮するように構成されており、上下方向(回転軸方向)に分極処理されている。
ここで、圧電素子5−aと圧電素子5−dとに同相の交流電圧を印加するとともに、圧電素子5−bと圧電素子5−cとにも同相の交流電圧を印加し、圧電素子5−aと圧電素子5−bとの間に逆相の交流電圧を印加するとともに、圧電素子5−cと圧電素子5−dとの間にも逆相の交流電圧を印加する。これにより、振動体が図9の紙面上において時計回り方向または反時計回り方向に揺動する面外倒れ振動が発生する。
そして、回転中心軸に対して90°回転した方向、つまり図9の紙面と直交する方向にも同様の圧電素子区画を設けると共に、上記交流電圧と90°位相のずれた交流電圧を印加するようにする。これにより、図7(A)および図8(A)に示すように、面外倒れ振動が回転軸を中心に回転する。
図10は、圧電素子5を回転軸方向から見た平面図である。
圧電素子5の周上に8つの電極区画5−e〜5−lを設ける。圧電素子5の電極区画5−e〜5−lには、面内2次曲げ振動と上記面外倒れ振動の両方の振動を同時に励起する電圧を印加するが、まず面内2次曲げ振動を励起するための電圧について説明する。
面内2次曲げ振動モードの固有周波数は、上記面外倒れ振動の固有周波数の2倍の周波数にする。また、面内2次曲げ振動モードでは、弾性体6の円周上に2波の面内曲げ振動が形成されるので、面内曲げ振動の1波長分が4つの電極区画を占める。つまり電極区画5−e〜5−lの各々は、4分の1波長分を占める。そこで、電極区画5−e〜5−lに、90°ずつ位相のずれた交流電圧をそれぞれ印加するようにすれば、面内2次曲げ振動が、図9の回転中心軸を中心に面外倒れ振動と同じ方向に回転する。
ここで、面外倒れ振動と面内2次曲げ振動とを同時に励起するには、面外倒れ振動の周波数をもつ交流電圧と、その2倍の周波数である面内2次曲げ振動の周波数をもつ交流電圧とを合成した交流電圧を、図10の電極区画5−e〜5−lに印加する必要がある。また、ロータ7の回転方向を定めるために、面外倒れ振動と面内2次曲げ振動との間の位相差を所定の位相とする必要がある。また電極区画5−e〜5−lの各々には、位相を所定量ずつずらした交流電圧を印加する必要がある。
なお、図9を参照した上記説明では、90°位相のずれた交流電圧を印加するとしており、これで面外倒れ振動を回転させるには十分であるのだが、圧電素子5の電極区画を円周に沿って8区画設けているので、面外倒れ振動を回転させるために45°ずつ位相のずれた交流電圧を印加するようにする。
図11及び図12は、圧電素子5の電極区画5−e〜5−lにそれぞれ印加すべき交流電圧の波形V1〜V8を示す図である。図11と図12とは、ロータ7の回転方向が逆の場合を示している。
図11及び図12において、各波形は、基本波である面外倒れ振動を発生するための周波数をもった交流波形と、基本波の2倍の周波数であって面内2次曲げ振動を発生するための周波数をもった交流波形とが合成されたものとなっている。
なお、図9を参照した上記の面外倒れ振動の説明では、圧電素子5の厚み方向を2つに分割して圧電素子5−a,5−b,5−c,5−dの4区画に分けて、圧電素子5−a,5−dに同相の交流電圧を、また圧電素子5−b,5−cにも同相の交流電圧を印加するとし、一方、圧電素子5−a,5−bに逆相の交流電圧を、また圧電素子5−c,5−dにも逆相の交流電圧を印加すると説明した。しかし実際には、圧電素子5の厚み方向に2分割された各々において、図10に示すように、円周方向に8つの電極区画に分割されるので、圧電素子5は16の領域に分割される。そして、圧電素子5の厚み方向に2分割された上側および下側における各領域にそれぞれ印加される交流電圧は、回転軸に対して180°回転対称となるように、圧電素子5内の配線がなされる。
図11は、図7に示す振動状態を発生させるための印加電圧波形の例を示しており、交流電圧波形V1(実線)と重ねて示した破線は面外倒れ振動を表し、一点鎖線は、面外倒れ振動の2倍の周波数をもつ面内2次曲げ振動を表している。
図7で示したように、面外倒れ振動がロータ7を突き上げる位相(面外倒れ振動の山)と面内2次曲げ振動の長径部(面内2次曲げ振動の山)の位相が一致するように、交流電圧V1〜V8の2次高調波成分の位相を設定する必要がある。そこで、面外倒れ振動及び面内2次曲げ振動がそれぞれの共振周波数で振動しているとすると、それぞれ印加電圧に対する振動の位相遅れは90°であるため、交流電圧波形V1〜V8では、基本波成分と面外倒れ振動との位相差を90°、基本波の2次高調波成分と面内2次曲げ振動との位相差を90°と設定する。図から分かるように倒れ振動と面内2次曲げ振動の周波数が異なるため、位相差が90°と同じでも時間的な遅れは異なるので印加電圧の波形は、単純に振動波形を合成したものとは異なる波形となっている。
図12は、図8に示す振動状態を発生させるための印加電圧波形の例を示しており、表示形態は図11と同じである。図11との相違は、図12での2次高調波が、図11の2次高調波と逆相となっている点である。すなわち、図8で示すように、面外倒れ振動がロータ7を突き上げる位相(面外倒れ振動の山)と面内2次曲げ振動の短径部(面内2次曲げ振動の谷)の位相とを一致させるべく、図12に示す交流電圧波形V1〜V8において2次高調波成分の位相を設定している。
なおここでは、面内方向の振動として、面内2次曲げモードを用いたが、偶数次の曲げモードでありさえすれば、他の次数の面内曲げモードであっても、本実施の形態のように上下から弾性体6をロータ7で挟む構成において、弾性体6から上下のロータ7に駆動力を働かせることは可能である。但しその場合、次数に応じた倍数の周波数(4次なら4倍の周波数)の高調波成分を印加電圧に重畳する必要がある。また面内曲げモードを3次以上の奇数次の曲げモードとする場合には、ロータ7の上下のロータ7−a,7−bのうち一方を削除して、弾性体6の一方の面からのみ駆動力を得る構成とする必要がある。この場合も、偶数次と同様に、次数に応じた倍数の周波数(3次なら3倍の周波数)の高調波成分を印加する必要がある。
また、面内振動の最低次として面内に揺動する振動モードを用いてもよい。その場合、上記面外倒れ振動と同じ周波数となるため、同じ圧電素子に駆動信号を重畳して駆動することができない。そのため面内振動生成用の専用の圧電素子(例えば面内方向に分極した圧電素子や、せん断変形する圧電素子等)で駆動する必要がある。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
第3の実施の形態は、図1に示す第1の実施の形態に係る振動型駆動装置と同一の構成をもつ振動型駆動装置を駆動するための駆動制御装置に関する。
図13は、第3の実施の形態における振動型駆動装置の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
図13において10は、図1に示す第1の実施の形態に係る振動型駆動装置と同一の構成をもつ振動型駆動装置であり、図2に示すような駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdが印加される。以下においては、第1の実施の形態に係る振動型駆動装置の構成を流用して説明する。
11はCPUであり、不図示の指令手段からの速度指令に従って振動型駆動装置10の速度を制御する。12は駆動電圧生成部であり、CPU11からの周波数指令と振幅指令1、及び振幅指令2とに従って振動型駆動装置10を駆動するための4相の交流電圧信号を出力する。13はインダクタ回路であり、振動型駆動装置10の圧電素子の制動容量とのマッチングをとるためのものであり、駆動電圧生成部12からの4相交流電圧信号を各相に対応したインダクタを介して駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdとして出力する。14は、振動型駆動装置10のロータ4の回転を検出するためのロータリーエンコーダであり、15は、ロータリーエンコーダ14の2相の出力信号PA,PBをカウントして回転角度を検出するためのカウンタである。
図14は、振動型駆動装置10の起動加速時の駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdとロータリーエンコーダ14の出力信号PA,PBとカウンタ15の出力信号とを示すタイミングチャートである。図15は、振動型駆動装置10の起動加速時において、CPU11によって振動型駆動装置10に対して行われる起動加速制御の手順を示すフローチャートである。
以下、図14及び図15を参照して、図13に示す振動型駆動装置の駆動制御装置の動作を説明する。
駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdは、振動型駆動装置10に印加される4相の駆動電圧であり、出力信号PA,PBは、振動型駆動装置10の回転速度に応じて周波数が変化する90°位相のずれたパルス信号であり、回転方向が切り替わると位相が反転する。カウンタ15は、このパルス信号をカウントして、振動型駆動装置10の回転位置を表す信号をCPU11へ出力する。
第1の実施の形態で説明したように、振動型駆動装置10は、面内曲げ振動の振幅及び面外曲げ振動と面内曲げ振動との位相差によって、その回転方向及び回転速度が制御されるように構成されている。振動型駆動装置10の停止時に、不図示の指令手段から回転速度指令がCPU11に入力されると、CPU11が、予め決められた所定周波数F1を指令する周波数指令信号と、それぞれ振幅0を指令する振幅指令1信号および振幅指令2信号とを駆動電圧生成部12へ出力する(図15のステップS1)。これを受けた駆動電圧生成部12は、周波数指令信号で指令された周波数をもち、振幅指令1信号で指令された振幅をもつ駆動電圧Va,Vbに相当する2相の交流電圧信号をインダクタ回路13に出力するとともに、周波数指令信号で指令された周波数をもち、振幅指令2信号で指令された振幅をもつ駆動電圧Vc,Vdに相当する2相の交流電圧信号をインダクタ回路13に出力する。
そしてCPU11は、振幅指令1信号および振幅指令2信号によってそれぞれ指令する各振幅を同じように序々に増加させ(ステップS2)、振幅指令1信号および振幅指令2信号によってそれぞれ指令する各振幅が所定振幅Voになるまで増加させ(ステップS3でNO)、各振幅が所定振幅Voになると(ステップS3でYES)、ステップS4へ進む。こうした各振幅を所定振幅Voまで増加させる過程では、図14に示すように、駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdの各振幅が所定振幅Voまで増加し、面外曲げ振動のみが弾性体1に発生する。面外曲げ振動による楕円振動ではロータ4の回転方向の振動振幅成分が、該回転方向に直交する振動振幅成分に比べて小さい(例えば1/10以下)ので、ロータ4はほとんど回転しない。
次に、振幅指令1信号及び振幅指令2信号によってそれぞれ指令する各振幅が所定の振幅VoになるタイミングT1(図14)を境に、ロータ4の回転を加速するために面内曲げ振動の振幅を序々に増加させていく。その方法は、駆動電圧Va,Vbの振幅を振幅指令1信号で増加させつつ、駆動電圧Vc,Vdの振幅を振幅指令2信号で減少させる(ステップS4、図14)。面内曲げ振動の振幅は、駆動電圧Va,Vbと駆動電圧Vc,Vdとの差に応じて励起されるので、これによって増加して行く。なお、ロータ4の回転の加速中であっても、カウンタ15の出力信号から得られるロータ4の回転位置情報の変化から算出した現在速度が、不図示の指令手段からの回転速度指令で指令された速度を超えたならば(ステップS5でYES)本起動加速制御を終了する。
そして次に、振幅指令1信号によって指令する駆動電圧Va,Vbの各振幅が所定の最大振幅Vmaxに達すると(ステップS6でYES、図14のタイミングT2)、振幅指令1信号による駆動電圧Va,Vbの振幅の増加を停止する。
更にロータ4の回転の加速を続けるために、振幅指令2信号によって指令する駆動電圧Vc,Vdの各振幅を減少させてゆき(ステップS7、図14)、振幅指令2信号によって指令する振幅が0となり、駆動電圧Vc,Vdの振幅が0になったら(図14のタイミングT3)、更に加速を続けるために、振幅指令2信号によって指令する振幅を負の値にし、これによって駆動電圧Vc,Vdの位相を反転して振幅を増加させて行き(図14)、振幅指令2信号によって指令する駆動電圧Vc,Vdの各振幅が所定値Vminまで減少させる(ステップS9でNO)。なお、ロータ4の回転の加速中に、ロータ4の現在速度が、不図示の指令手段からの回転速度指令で指令された速度を超えたならば(ステップS8でYES)本起動加速制御を終了する。また、図14からわかるように、加速を続けるために駆動電圧Vc,Vdの位相を反転させた場合であっても、駆動電圧Vcと駆動電圧Vdの間の位相差は変化していない。
このようにして、起動加速時には、まずロータ4の弾性体1への加圧方向の振動である面外曲げ振動の振幅を所定振幅以上にして、ロータ4を高い保持力でほぼ停止させつつ浮上させることで不感帯を小さくし、次に面内曲げ振動の振幅を符号を含んで制御することで、低速から高速までトルク性能の変化が少なく、ダイナミックレンジの広い速度制御を実現する。
図16は、振動型駆動装置10の減速停止時の駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdとロータリーエンコーダ14の出力信号PA,PBとカウンタ15の出力信号とを示すタイミングチャートである。図17は、振動型駆動装置10の減速停止時において、CPU11によって振動型駆動装置10に対して行われる減速停止制御の手順を示すフローチャートである。
図16に示すタイミングチャートは、図14に示す起動加速時のタイミングチャートとまったく逆の動作を示している。ここでまず振動型駆動装置10が高速で回転しており、駆動電圧Vaと駆動電圧Vbとの位相差及び駆動電圧Vcと駆動電圧Vdとの位相差が共に90°であり、駆動電圧Vaと駆動電圧Vc、駆動電圧Vbと駆動電圧Vdとが共に同相であるとする。ただし、タイミングT4より前では、駆動電圧Vcと駆動電圧Vdが共に負の値であるため、駆動電圧Vaと駆動電圧Vc、駆動電圧Vbと駆動電圧Vdとが共に逆相となる。この状態では、CPU11が、周波数指令信号として所定周波数F1を駆動電圧生成部12へ出力しているとともに、振幅指令1信号として所定の最大振幅Vmaxを、振幅指令2信号として負の最小振幅Vminを駆動電圧生成部12へ出力している(図17のステップS11)。
この状態において、不図示の指令手段から減速指令がCPU11に入力されると、CPU11は、振幅指令2信号が指令する振幅が正の所定振幅Vpとなるまで、徐々に増加させていく(ステップS12、S13でNO)。振幅指令2信号が指令する振幅が0となり(図16のタイミングT4)、更に正の所定振幅Vpに至ると(ステップS13でYES、図16のタイミングT5)、振幅指令2信号が指令する振幅の増加を継続する一方、振幅指令1信号が指令する振幅を減少させる(ステップS14)。
その結果、振幅指令1信号が指令する振幅がVoとなると(ステップS15でYES)、振動型駆動装置10は面外曲げ振動のみとなり、ほぼ停止する。そして最後に振幅指令1信号及び振幅指令2信号がそれぞれ指令する振幅を同じ値とし、且つ同時に減少させて行き(ステップS16)、双方の指令が0になるまでこれを続け(ステップS17でNO)、最終的に弾性体1の振動が停止する(ステップS17でYES)。
このように、起動加速時及び減速停止時には、加減速時における面内曲げ振動の制御と、振動停止時からの起動時及び振動の停止時における面外曲げ振動の制御とが必要になる。また、振動を停止せずに連続して位置を制御し続けることも可能である。それには面外曲げ振動を常に発生させておきながら、面内曲げ振動の符号を含んだ振幅制御を行い、ロータ4の回転停止、反転動作を含む速度制御を行う必要がある。
図18は、振動型駆動装置10の減速反転加速を連続的に行った場合の駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdとロータリーエンコーダ14の出力信号PA,PBとカウンタ15の出力信号とを示すタイミングチャートである。
図18のタイミングT7では、駆動電圧Vaと駆動電圧Vc及び駆動電圧Vbと駆動電圧Vdはともに、同振幅同位相であり、面内曲げ振動の振幅が0であるので、ロータ4はほとんど停止しており、タイミングT7から左右両端へ行くに従って、駆動電圧Va,Vbと駆動電圧Vc,Vdとの振幅差が大きくなって、ロータ4の回転速度が増加して行くと共に、右側と左側とでは振幅差の符号が異なるため、ロータ4の回転方向が逆転している。タイミングT7におけるカウンタ15の出力信号には減速停止加速の様子が示されている。
なお、第3の実施の形態では、面外曲げ振動による進行性振動波の振幅を大きくしてもほとんどロータ4が回転しないように構成されているが、これに代わって、ロータ4が所定の速度で回転する場合には、面内曲げ振動の振幅によって、この所定の速度を中心にして速度を制御するようにしてもよい。ここで、面内曲げ振動による進行性振動波の振幅を、ロータ4が少なくとも正逆転する範囲で変化させることが可能であれば、常に同じ方向の回転で速度を制御する場合には、低速から高速まで制御することができる。またこの場合、ロータ4の回転方向を切り替えるには、進行性振動波の回転方向を切り替えることで行うことになる。
また、第3の実施の形態では、面外曲げ振動による進行性振動波においてロータ4がほぼ停止するとしたが、実際には回転してしまう場合もある。その際には、面内振動の振幅を0とせずに、ロータ4が停止するように面内曲げ振動による進行性振動波の振幅を制御するようにしてもよい。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。
第4の実施の形態は、図6に示す第2の実施の形態に係る振動型駆動装置と同一の構成をもつ振動型駆動装置を駆動するための駆動制御装置に関する。
図19は、第4の実施の形態における振動型駆動装置の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。なお、第4の実施の形態における振動型駆動装置の駆動制御装置の構成は、図13に示す第3の実施の形態における振動型駆動装置の駆動制御装置の構成と基本的に同じであるので、第4の実施の形態の説明では、第3の実施の形態の構成を流用して、異なる部分だけを説明する。
図19において17は、図6に示す第2の実施の形態に係る振動型駆動装置と同一の構成をもつ振動型駆動装置であり、図11及び図12に示すような駆動電圧V1〜V8が印加される。以下においては、第2の実施の形態に係る振動型駆動装置の構成を流用して説明する。
18は、CPU11から送られる周波数指令信号と振幅指令1信号及び振幅指令2信号とに従って8相の交流電圧信号を出力する駆動電圧生成部であり、D級アンプを含み、振幅指令1信号によって基本波の振幅を設定するとともに、振幅指令2信号によって基本波と所定の位相関係を持つ2次高調波の振幅を設定し、これらを合成して数百kHzのPWM信号(パルス幅変調信号)として振動型駆動装置17を駆動するための8相の交流電圧信号を出力する。19は、振動型駆動装置17の圧電素子の制動容量とのマッチングをとるためのインダクタ回路であり、駆動電圧生成部18から送られた8相の交流信号を受けて、各相に対応したインダクタを介して駆動電圧V1〜V8を出力する。
図20は、振動型駆動装置17の起動加速時における駆動電圧波形V1〜V8を示すタイミングチャートである。図21は、振動型駆動装置17の起動加速時において、CPU11によって振動型駆動装置17に対して行われる起動加速制御の手順を示すフローチャートである。
以下、図20及び図21を参照して、図19に示す振動型駆動装置の駆動制御装置の動作を説明する。
振動型駆動装置17の停止時に、不図示の指令手段から回転速度指令がCPU11に入力されると、CPU11が、予め決められた所定周波数F1を指令する周波数指令信号と、それぞれ振幅0を指令する振幅指令1信号および振幅指令2信号とを駆動電圧生成部18へ出力する(図21のステップS21)。
そしてCPU11は、振幅指令2信号によって指令される振幅を0に保ったまま、振幅指令1信号によって指令される振幅を序々に所定振幅Vqまで増加させていく(ステップS22、S23でNO)。これにより、面外倒れ振動のみが弾性体1に発生し、該振動の振幅が増加していく。この面外倒れ振動による楕円振動ではロータ7の回転方向成分の振動振幅が小さいので、ロータ7はほとんど回転しない。
次に、振幅指令1信号によって指令される振幅が所定振幅Vqに至ると(ステップS23でYES、図20のタイミングT8)、ロータ7の回転を加速するために、振幅指令1信号によって指令される振幅を所定振幅Vqに固定し、振幅指令2信号によって指令される振幅を増加させる(ステップS24)。これにより、面内2次曲げ振動による進行性振動波の振幅が序々に増加する。図20に、タイミングT8を境にして高調波が増加していく様子が示されている。そして振幅指令2信号によって指令される振幅が最大振幅Vmaxに達すると(ステップS26でYES)、振幅指令2によって指令される振幅の増加を停止して加速動作を終了する。なお、加速中であっても、カウンタ15の出力信号から得られるロータ7の回転位置情報の変化を基に算出したロータ7の現在速度が、不図示の指令手段からの回転速度指令によって指令された速度を超えたならば(ステップS25でYES)、本起動加速制御を終了する。
図22は、振動型駆動装置17の減速反転加速を連続的に行った場合の駆動電圧波形V1〜V8を示すタイミングチャートである。
ここでは、振幅指令1信号によって指令される振幅を所定の振幅Vqに保ったまま、振幅指令2信号によって指令される振幅を−VmaxからVmaxまで変化させて、駆動電圧の2次高調波の符号を含む振幅を制御し、これによって、回転方向を含めたロータ7の速度制御を行う。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態では、ロータ4を弾性体1の面外方向から摩擦部材3を介して弾性体1に加圧接触させ、面内曲げ振動の振幅を変えることでロータ4の回転速度を制御するように構成したが、これに代わって、面内の曲げ振動と面外の曲げ振動とにおける役割を入れ替えるようにしてもよい。
図23は、第1の実施の形態における面内曲げ振動と面外曲げ振動とにおける役割を入れ替えた、第5の実施の形態における振動型駆動装置の構成を示す側断面図を示す。
図23に示す構成では、ロータ104が摩擦部材103を介して弾性体101に、面内方向から弾性体101の中心に向けて加圧接触している。この場合、面内曲げ振動による進行性振動波を常に発生させていても、面外曲げ振動が発生していなければロータ104がほとんど回転しないように、弾性体101を設計する。これにより、面内曲げ振動による進行性振動波の進行方向と面外曲げ振動による進行性振動波の進行方向とが同じ方向となるように、圧電素子102への印加電圧を調整しつつ、面外曲げ振動による進行性振動波の振幅を、符号を含めて制御することで、ロータ104の回転方向を含めた回転速度を制御することができる。
なお、上述した振動型駆動装置では、面内曲げ振動による進行性振動波と面外曲げ振動による進行性振動波との位相関係が、同相か逆相である場合について説明したが、これらの位相差が90°であってよく、この場合について以下に説明する。
図24は、図23に示す振動型駆動装置において、面内曲げ振動の進行性振動波と面外曲げ振動の進行性振動波との位相差が90°である場合における進行性振動波の振動の様子を示す図である。
図中16は円環状の弾性体を示しており、この位相差が90°である場合の進行性振動波は、弾性体16の円周上を、螺旋を描くように進行する。位相差が90°であるか−90°であるかによって螺旋の回転方向が反転し、もし弾性体16の内周または外周に移動体を加圧接触すれば、弾性体16の平面と直交する方向の駆動力を得ることが可能である。すなわち、面内曲げ振動と面外曲げ振動とによる進行性振動波の振幅及び位相差を制御することで、回転運動と直線運動との2自由度の運動を制御することが可能である。
〔他の実施の形態〕
なお、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPU、MPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体およびプログラムは本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。或いは、上記プログラムは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
本発明の第1の実施の形態に係る振動型駆動装置の構成を示す側断面図である。 圧電素子に形成された電極と、該電極における分極の極性とを示す平面図である。 弾性体を上面から見た平面図である。 第1の実施の形態において発生する面内及び面外の各進行性振動波の第1の位相関係とロータの回転方向との関係を示す図である。 第1の実施の形態において発生する面内及び面外の各進行性振動波の第2の位相関係とロータの回転方向との関係を示す図である。 第2の実施の形態に係る振動型駆動装置の構成を示す側断面図である。 圧電素子、弾性体、固定部材からなる振動体に励起される面外倒れ振動と第1の位相をもつ面内2次曲げ振動とを示す図である。 圧電素子、弾性体、固定部材からなる振動体に励起される面外倒れ振動と第2の位相をもつ面内2次曲げ振動とを示す図である。 図6に示すロータと回転軸とを除いた圧電素子、弾性体、固定部材からなる振動体を示す側断面図である。 圧電素子を回転軸方向から見た平面図である。 圧電素子の電極区画にそれぞれ印加すべき、第1の位相関係にある交流電圧の波形V1〜V8を示す図である。 圧電素子の電極区画にそれぞれ印加すべき、第2の位相関係にある交流電圧の波形V1〜V8を示す図である。 第3の実施の形態における振動型駆動装置の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 振動型駆動装置の起動加速時の駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdとロータリーエンコーダの出力信号PA,PBとカウンタの出力信号とを示すタイミングチャートである。 振動型駆動装置の起動加速時において、CPUによって振動型駆動装置に対して行われる起動加速制御の手順を示すフローチャートである。 振動型駆動装置の減速停止時の駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdとロータリーエンコーダの出力信号PA,PBとカウンタの出力信号とを示すタイミングチャートである。 振動型駆動装置の減速停止時において、CPUによって振動型駆動装置に対して行われる減速停止制御の手順を示すフローチャートである。 振動型駆動装置の減速反転加速を連続的に行った場合の駆動電圧Va,Vb,Vc,Vdとロータリーエンコーダの出力信号PA,PBとカウンタの出力信号とを示すタイミングチャートである。 第4の実施の形態における振動型駆動装置の駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 振動型駆動装置の起動加速時における駆動電圧波形V1〜V8を示すタイミングチャートである。 振動型駆動装置の起動加速時において、CPUによって振動型駆動装置に対して行われる起動加速制御の手順を示すフローチャートである。 振動型駆動装置の減速反転加速を連続的に行った場合の駆動電圧波形V1〜V8を示すタイミングチャートである。 第1の実施の形態における面内曲げ振動と面外曲げ振動とにおける役割を入れ替えた、第5の実施の形態における振動型駆動装置の構成を示す側断面図を示す。 図23に示す振動型駆動装置において、面内曲げ振動の進行性振動波と面外曲げ振動の進行性振動波との位相差が90°である場合における進行性振動波の振動の様子を示す図である。
符号の説明
1,6 弾性体
2,5 圧電素子
3 摩擦部材
4,7 ロータ(移動体)
8 固定部材(振動体)
9 回転軸
10,17 振動型駆動装置
11 CPU
12,18 駆動電圧生成部
13,19 インダクタ回路
14 ロータリーエンコーダ
15 カウンタ

Claims (29)

  1. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と該振動体に接触する移動体とを有し、該電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで該振動体の表面に発生する振動により該移動体を駆動する振動型駆動装置において、
    前記振動体は交番信号が供給されることによって、該振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の円運動と、変位方向の異なる複数の振動成分からなり該第1の円運動とは変位方向の異なる第2の円運動の、合成からなる振動が形成されることを特徴とする振動型駆動装置。
  2. 前記第1の円運動と前記第2の円運動の合成により、前記振動体の表面に円運動が形成されることを特徴とする請求項1記載の振動型駆動装置。
  3. 前記第1の円運動と前記第2の円運動の合成により、前記振動体の表面に進行性振動波が形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の振動型駆動装置。
  4. 前記第1の円運動と前記第2の円運動の少なくとも一方は、前記移動体との加圧力に寄与する方向の変位を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  5. 前記第1の円運動と前記第2の円運動の時間的位相を変化させることにより、前記移動体の駆動速度を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  6. 前記第1の円運動と前記第2の円運動の時間的位相を変化させることにより、前記移動体の駆動方向を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  7. 前記第1の円運動は前記振動体と前記移動体の加圧方向の変位を含み、前記第2の円運動は前記移動体の駆動方向の変位を含み、前記第2の円運動の変位量を変化させることにより、前記移動体の駆動速度を変化させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  8. 前記第1の円運動と前記第2の円運動の一方が前記振動体の表面における面内振動であり、他方が面外振動であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  9. 前記電気−機械エネルギー変換素子には複数の電極が形成されており、前記複数の電極の少なくとも一部が、前記第1の円運動を形成するための交番信号が供給される電極と、前記第2の円運動を形成するための交番信号が供給される電極を、兼用していることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  10. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と該振動体に接触する移動体とを有し、該電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで該振動体の表面に発生する振動により該移動体を駆動する振動型駆動装置において、
    前記振動体は交番信号が供給されることによって、該振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の進行性振動波と、変位方向の異なる複数の振動成分からなり該第1の進行性振動波とは振動変位方向の異なる第2の進行性振動波の、合成からなる進行性振動波が形成されることを特徴とする振動型駆動装置。
  11. 前記第1の進行性振動波と前記第2の進行性振動波の少なくとも一方は、前記移動体との加圧力に寄与する方向の変位を有することを特徴とする請求項10記載の振動型駆動装置。
  12. 前記第1の進行性振動波と前記第2の進行性振動波の時間的位相を変化させることにより、前記移動体の駆動速度を変化させることを特徴とする請求項10または請求項11記載の振動型駆動装置。
  13. 前記第1の進行性振動波と前記第2の進行性振動波の時間的位相を変化させることにより、前記移動体の駆動方向を変化させることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  14. 前記第1の進行性振動波は前記振動体と前記移動体の加圧方向の変位を含み、前記第2の進行性振動波は前記移動体の駆動方向の変位を含み、前記第2の進行性振動波の振動振幅を変化させることにより、前記移動体の駆動速度を変化させることを特徴とする請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  15. 前記第1の進行性振動波と前記第2の進行性振動波の一方が前記振動体の表面における面内振動であり、他方が面外振動であることを特徴とする請求項10乃至請求項14のいずれかに記載の振動型駆動装置。
  16. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と該振動体に接触する移動体とを有し、該電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで該振動体の表面に発生する振動により該移動体を駆動する振動型駆動装置の制御装置において、
    前記振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の円運動と、変位方向の異なる複数の振動成分からなり該第1の円運動とは変位方向の異なる第2の円運動の、合成からなる振動を形成する交番信号を、前記電気−機械エネルギー変換素子に供給する信号供給手段を有することを特徴とする振動型駆動装置の制御装置。
  17. 前記信号供給装置は、前記第1の円運動と前記第2の円運動の合成により、前記振動体の表面に円運動を形成する交番信号を、前記電気−機械エネルギー変換素子に供給することを特徴とする請求項16記載の振動型駆動装置の制御装置。
  18. 前記信号供給手段は、前記第1の円運動と前記第2の円運動の合成により、前記振動体の表面に進行性振動波を形成する交番信号を、前記電気−機械エネルギー変換素子に供給することを特徴とする請求項17記載の振動型駆動装置の制御装置。
  19. 前記信号供給手段を制御して前記第1の円運動と前記第2の円運動の位相差を変化させることにより、前記移動体の駆動速度および駆動方向の少なくとも一方を制御する駆動制御装置を有することを特徴とする請求項16乃至請求項18のいずれかに記載の振動型駆動装置の制御装置。
  20. 前記第1の円運動は前記振動体と前記移動体の加圧方向の変位を含み、前記第2の円運動は前記移動体の駆動方向の変位を含み、前記信号供給手段を制御して前記第2の円運動の変位量を変化させることにより、前記移動体の駆動速度を制御する駆動制御装置を有することを特徴とする請求項16乃至請求項18のいずれかに記載の振動型駆動装置の制御装置。
  21. 前記第1の円運動は前記振動体と前記移動体の加圧方向の変位を含み、前記第2の円運動は前記移動体の駆動方向の変位を含み、前記駆動制御装置は、前記信号供給手段に該第1の円運動を形成する交番信号を供給させ、その後に該第1の円運動と該第2の円運動を形成する交番信号を供給させることを特徴とする請求項19または請求項20に記載の振動型駆動装置の制御装置。
  22. 前記第1の円運動は前記振動体と前記移動体の加圧方向の変位を含み、前記第2の円運動は前記移動体の駆動方向の変位を含み、前記駆動制御装置は、前記信号供給手段に該第1の円運動と該第2の円運動を形成する交番信号を供給させている状態から、該第2の円運動を形成する交番信号の供給を停止させ、その後に該第1の円運動を形成する交番信号の供給を停止させることを特徴とする請求項19または請求項20に記載の振動型駆動装置の制御装置。
  23. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と該振動体に接触する移動体とを有し、該電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで該振動体の表面に発生する振動により該移動体を駆動する振動型駆動装置の制御装置において、
    前記振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の進行性振動波と、変位方向の異なる複数の振動成分からなり該第1の進行性振動波とは変位方向の異なる第2の進行性振動波の、合成からなる振動を形成する交番信号を、前記電気−機械エネルギー変換素子に供給する信号供給手段を有することを特徴とする振動型駆動装置の制御装置。
  24. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と該振動体に接触する移動体とを有し、該電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで該振動体の表面に発生する振動により該移動体を駆動する振動型駆動装置の制御方法において、
    前記振動体に交番信号を供給し、該振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の円運動を発生させ、
    前記振動体に交番信号を供給し、該振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなり該第1の円運動とは変位方向の異なる第2の円運動を発生させ、
    前記第1の円運動と前記第2の円運動の合成からなる振動を形成することを特徴とする振動型駆動装置の制御方法。
  25. 前記第1の円運動と前記第2の円運動の位相差を変化させることにより、前記移動体の駆動速度および駆動方向の少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項24記載の振動型駆動装置の制御方法。
  26. 前記第1の円運動は前記振動体と前記移動体の加圧方向の変位を含み、前記第2の円運動は前記移動体の駆動方向の変位を含み、前記第2の円運動の変位量を変化させることにより、前記移動体の駆動速度を制御することを特徴とする請求項24記載の振動型駆動装置の制御方法。
  27. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と該振動体に接触する移動体とを有し、該電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで該振動体の表面に発生する振動により該移動体を駆動する振動型駆動装置の制御方法において、
    前記振動体に交番信号を供給し、該振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の進行性振動波を発生させ、
    前記振動体に交番信号を供給し、該振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなり該第1の進行性振動波とは変位方向の異なる第2の進行性振動波を発生させ、
    前記第1の進行性振動波と前記第2の進行性振動波の合成からなる振動を形成することを特徴とする振動型駆動装置の制御方法。
  28. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と該振動体に接触する移動体とを有し、該電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで該振動体の表面に発生する振動により該移動体を駆動する振動型駆動装置に適用される駆動制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
    前記振動体に交番信号を供給し、該振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の円運動を発生させ、変位方向の異なる複数の振動成分からなり該第1の円運動とは変位方向の異なる第2の円運動を発生させ、前記第1の円運動と前記第2の円運動の合成からなる振動を形成するステップとを有することを特徴とするプログラム。
  29. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体と該振動体に接触する移動体とを有し、該電気−機械エネルギー変換素子に交番信号を供給することで該振動体の表面に発生する振動により該移動体を駆動する振動型駆動装置の制御方法において、
    前記振動体に交番信号を供給し、該振動体の表面に、変位方向の異なる複数の振動成分からなる第1の進行性振動波を発生させ、変位方向の異なる複数の振動成分からなり該第1の円運動とは変位方向の異なる第2の進行性振動波を発生させ、前記第1の進行性振動波と前記第2の進行性振動波の合成からなる振動を形成するステップとを有することを特徴とするプログラム。
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