JP2006128177A - 半導体装置の製造方法、半導体装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体装置の導電部間を接合する際に、加熱加圧による接着剤の漏れ出しを防止することができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 第1導電部12aと、これと対向する第2導電部12bとが接合されてなる半導体装置の製造方法であって、前記第1導電部12aと前記第2導電部12bとを、金属酸化物粒子を含む接着材5により接合させる接合工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 第1導電部12aと、これと対向する第2導電部12bとが接合されてなる半導体装置の製造方法であって、前記第1導電部12aと前記第2導電部12bとを、金属酸化物粒子を含む接着材5により接合させる接合工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体装置の製造方法、並びに半導体装置、電子機器に関する。
携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal data assistance)等の携帯性を有する電子機器の分野においては、機器の小型化・軽量化が進んでいる。これに伴って、上記電子機器に内蔵される配線基板への半導体部品等の高密度実装化が進められている。そこで、プラスチック、セラミック等の従来のパッケージ型の半導体部品に代えて、小型の半導体部品(半導体装置)を多く用いることによる、フリップチップ実装等の高密度実装方法が提案されている。
また最近では、更なる電子機器の薄型化、小型化が要求されており、上記の半導体部品を実装するスペースも極めて制限されている。このため、例えば半導体チップ(半導体装置)においては、そのパッケージング方法が工夫され、現在ではCSP(Chip Scale Package)といわれる超小型のパッケージングを施す技術や、3次元実装技術が案出されている。CSP技術を用いて製造された半導体チップは、実装面積が半導体チップの面積と同程度で良いため、高密度実装を図ることができる。
ここで、3次元実装とは、一対の半導体チップの電極端子にバンプを形成し、位置合わせして一方の半導体チップを他方の半導体チップ上に実装し、実装した半導体チップ上にさらに、層間絶縁膜を介して半導体チップを複数積層する技術である。積層された半導体チップ間の導電は、各半導体チップ間に貫通電極を形成することにより、積層間の半導体チップ間の導通を図っている。
ところで、上述した3次元実装では、半導体チップのバンプ上にはんだを形成し、熱によるハンダリフロー、又は超音波振動によって、上記はんだを溶融し、半導体チップ同士を電気的に接続している。このような3次元実装方法としては、相対向する半導体チップのはんだを活性化させ、この相対向する半導体チップを位置合わせし、加圧により相対向する半導体チップをはんだ接合層を形成することなく積層接合し、全ての半導体チップの積層接合が完了した後に、半導体チップ群を一括して加熱してはんだ接合層を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2002−170919号公報
上記特許文献1の半導体チップの積層方法では、半導体チップの接合電極端子上に形成されたバンプに接着剤としてはんだを用いている。そして、半導体チップ間の電気的接続を確実に確保するため、半導体チップを加熱加圧することによって実装している。このとき、半導体チップの加熱加圧時に、余剰な圧力が半導体チップに加わってしまい、はんだが接合部位より漏れ出してしまうという問題があった。これにより、半導体チップの隣接する電極間がショート等し、所望の電気的特性を有する半導体装置を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体装置の導電部間を接合する際に、加熱加圧による接着剤の漏れ出しを防止することができる半導体装置の製造方法、並びに半導体装置、電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の半導体装置の製造方法は、第1導電部と、前記第1導電部と対向する第2導電部とが接合されてなる半導体装置の製造方法であって、前記第1導電部と前記第2導電部とを、金属酸化物粒子を含む接着材により接合させる接合工程を含むことを特徴とする。このような製造方法によると、金属酸化物粒子を含む接着材を用いて第1導電部と第2導電部とを接合するため、接着時の加熱によって、接着材が完全に溶融することなく、部分的な溶融で接合を行うことができるようになる。これにより、接着時の加熱加圧による接合材料のはみ出しを防止ないし抑制することができ、確実な接合を実現することができるようになる。
本発明の製造方法において、前記接着材としてはんだを用いることができ、さらに具体的には無鉛はんだを用いることができる。はんだは融点が低いため上記のような金属酸化物の粒子を含有させて、接合材料のはみ出しを防止させることが好ましく、一方、はんだの中でも、特に人的被害を考慮すれば無鉛はんだを用いることが好ましい。
また、前記金属酸化物粒子として、粒径5μm〜10μmのものを用いることが好ましい。粒径が5μm未満の場合、加熱時にはんだボールとして発生する場合があり、粒径が10μmを超えると、導電部に確実に転写できない場合がある。
また、前記接合工程に先立って、前記金属酸化物粒子を分散媒に分散させてなる液状物を作成する工程と、前記液状物を液滴吐出法にて前記第1導電部及び/又は前記第2導電部上に配置する工程とを含むものとすることができる。このような液状物を作成し、液滴吐出法により金属酸化物粒子を配置させることで、任意の位置に該粒子を定点配置できるようになり、当該粒子の無駄な浪費を抑えることができるようになる。
前記第1導電部と前記第2導電部とはそれぞれ半導体チップ上に形成されてなり、前記接合工程では、第1導電部を含む第1半導体チップと、第2導電部を含む第2半導体チップとを積層する形にて接合することができる。このような工程により、半導体チップを積層させた積層型半導体装置を提供することができるようになる。
前記接合工程において、前記第1導電部と前記第2導電部との間隔を規制するスペーサーを介在させた状態で、当該接着材を加熱加圧することができる。この場合、第1導電部と第2導電部とを所定の間隔を保ちながら接合することができるようになる。そして、特に接合時に導電部間に押圧を付与しすぎた場合でも、介在させたスペーサーがストッパーとなり、所定間隔以下には導電部間を押圧することができない。従って、一対の導電部間の接着材が漏れ出さない最適な厚みを維持することができ、過剰な押圧があった場合でも、接着材の漏れ出しを回避することができる。
前記金属酸化物粒子を構成する金属酸化物の融点をA1、該金属酸化物を構成する金属の融点をA2とした場合に、前記接合工程においてA2〜A1の温度で加熱を行うことができる。このような温度で接合を行うと、金属酸化物を確実に部分溶融させることができ、一層良好な接合を行うことができる。
次に、上記課題を解決するために、本発明の半導体装置は、上述した本発明の製造方法により得られたことを特徴とする。このような半導体装置は導電部の接合性が良好で、信頼性の高いものとなり、これを備える電子機器も非常に信頼性の高いものとなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。また、図1中に示すXYZ直交座標系は、Y座標及びZ座標が紙面に対して平行となるように設定され、X軸が紙面に対して垂直となる方向に設定されている。
(半導体実装装置)
図1は、本実施形態の半導体装置の製造方法に用いる半導体実装装置の外観構成を模式的に示す図である。図2(a)、(b)は半導体実装装置に備えられたスペーサー機構の上面図である。図2(c)は、半導体チップの実装面を模式的に示す図である。
半導体実装装置50は、図1に示すように、上加圧板14(押圧手段)とこの上加圧板14に対向配置された下加圧板16(押圧手段)と、半導体チップ間を所定間隔に保持するスペーサー機構とを備えている。
図1は、本実施形態の半導体装置の製造方法に用いる半導体実装装置の外観構成を模式的に示す図である。図2(a)、(b)は半導体実装装置に備えられたスペーサー機構の上面図である。図2(c)は、半導体チップの実装面を模式的に示す図である。
半導体実装装置50は、図1に示すように、上加圧板14(押圧手段)とこの上加圧板14に対向配置された下加圧板16(押圧手段)と、半導体チップ間を所定間隔に保持するスペーサー機構とを備えている。
上加圧板14は、略直方体状に形成され、実装する半導体チップ30を吸着保持する吸着ツール(保持手段)と、吸着ツールによって吸着保持した半導体チップ30を加熱するヒータ等の加熱機構(図示省略)とを備えている。
吸着ツールは、上加圧板14の下面に円形状に開口された複数の開口部と、この開口部から上加圧板14内部を貫通する貫通孔とから構成されている。この貫通孔によって減圧ポンプ(図示省略)と開口部とが連通され、減圧ポンプを駆動することにより、貫通孔内部が真空引きされており、半導体チップ30を真空吸着することができるようになっている。ここで、吸着ツールを構成するノズル開口部は、直径が約6.5mmに形成されている。加熱機構を構成するヒータは、上加圧板14の内部に設けられ、200℃〜450℃程度の温度範囲で任意の温度設定が可能となっている。本実施形態においては、ヒータにより吸着ツールを260℃付近まで上昇させている。
また、上加圧板14は、上下移動機構(図示省略)に接続されており、上下移動機構を駆動することによってZ軸方向に昇降移動することができるようになっている。
さらに、上下移動機構は、X−Y移動機構(図示省略)に接続されており、X−Y移動機構を駆動することによってX軸方向、Y軸方向への移動が可能となっている。従って、上下移動機構に接続されている上加圧板14は、X−Y移動機構の移動に伴って、X軸方向及びY軸方向に移動が可能となっている。このように、上加圧板14は、XYZ軸方向に移動自在に構築されている。
さらに、上下移動機構は、X−Y移動機構(図示省略)に接続されており、X−Y移動機構を駆動することによってX軸方向、Y軸方向への移動が可能となっている。従って、上下移動機構に接続されている上加圧板14は、X−Y移動機構の移動に伴って、X軸方向及びY軸方向に移動が可能となっている。このように、上加圧板14は、XYZ軸方向に移動自在に構築されている。
下加圧板16は、上加圧板14と対向して設置され、略直方体状に形成されている。また上記上加圧板14と同様に、下加圧板16は、実装する半導体チップ30を吸着保持する吸着ツールと、吸着ツールによって吸着保持した半導体チップ30を加熱するヒータ等の加熱機構とを備えている。
吸着ツールは、下加圧板16の上面に円形状に開口された複数の開口部と、この開口部から上加圧板14内部を貫通する貫通孔とから構成されている。この貫通孔によって減圧ポンプ(図示省略)と開口部とが連通されており、減圧ポンプを駆動することにより、貫通孔内部が真空引きされ、半導体チップ30を真空吸着することができるようになっている。吸着ツールを構成するノズル開口部は、直径が約6.5μmに形成されている。
加熱機構を構成するヒータは、上加圧板14の内部に設けられ、200℃〜450℃程度の温度範囲で任意の温度設定が可能となっている。本実施形態においては、ヒータにより吸着ツールを260℃付近まで上昇させている。これにより、上加圧板14及び下加圧板16に挟持される一対の半導体チップを両(上下)方向から加熱することができるようになっている。
加熱機構を構成するヒータは、上加圧板14の内部に設けられ、200℃〜450℃程度の温度範囲で任意の温度設定が可能となっている。本実施形態においては、ヒータにより吸着ツールを260℃付近まで上昇させている。これにより、上加圧板14及び下加圧板16に挟持される一対の半導体チップを両(上下)方向から加熱することができるようになっている。
次に、スペーサー機構について図1、図2(a)〜(c)を参照して詳細に説明する。
スペーサー機構は、図1、図2(a)に示すように、略直方体状から形成される下加圧板16に隣接して設置されている。具体的には、スペーサー機構は、下加圧板16に載置される半導体チップの平面形状の辺の数に対応して設けられている。従って、本実施形態においては、半導体チップは4辺からなる矩形状で構成されているため、4つのスペーサー機構が、半導体チップ30,40を囲むようにして半導体チップの平面形状の辺と平行に設置されている。
スペーサー機構は、図1、図2(a)に示すように、略直方体状から形成される下加圧板16に隣接して設置されている。具体的には、スペーサー機構は、下加圧板16に載置される半導体チップの平面形状の辺の数に対応して設けられている。従って、本実施形態においては、半導体チップは4辺からなる矩形状で構成されているため、4つのスペーサー機構が、半導体チップ30,40を囲むようにして半導体チップの平面形状の辺と平行に設置されている。
スペーサー機構は、基台26と、スペーサー支持台34と、スペーサー支持台34上に設置されるスペーサー駆動モータ24とボールねじ28とスペーサー22(間隔規制手段)とを備えている。
基台26上には、基台26と同様の形状をしたスペーサー支持台34が載置されている。そして、基台26及びスペーサー支持台34の後方側面に、上下移動機構42が立設して取り付けられ、この上下移動機構42の駆動により、スペーサー支持台34のZ軸方向の昇降移動が可能となっている。
また、スペーサー支持台34上の後方には、スペーサー駆動モータ24が設置されている。そして、スペーサー駆動モータ24の前方には、ボールねじ28を介してスペーサー22が設置されている。
基台26上には、基台26と同様の形状をしたスペーサー支持台34が載置されている。そして、基台26及びスペーサー支持台34の後方側面に、上下移動機構42が立設して取り付けられ、この上下移動機構42の駆動により、スペーサー支持台34のZ軸方向の昇降移動が可能となっている。
また、スペーサー支持台34上の後方には、スペーサー駆動モータ24が設置されている。そして、スペーサー駆動モータ24の前方には、ボールねじ28を介してスペーサー22が設置されている。
スペーサー22は、熱伝導性金属若しくはセラミックス又はこれらを含有する材料から形成されている。熱伝導性金属としては、例えば、Au,Ag,Cu等の金属が挙げられる。
また、スペーサー22の各々は、図2(a)に示すように、台形形状に形成されるとともに、台形形状の平行に設けられる挿入側の一辺は、半導体チップ30の平面形状の辺よりも若干短く形成されている。一方、台形形状の平行でない対向する2辺は、挿入側に向かってテーパー状に形成されている。このように、スペーサー22の挿入側の一辺を半導体チップの挿入する領域に対応する辺より短く設定することにより、4つのスペーサを同時に半導体チップ30の挿入領域32に挿入した場合に、隣接するスペーサー22と接触させずに挿入領域32まで挿入することができるようになっている。また、スペーサー22の平行ではない対向する2辺をテーパー状とすることにより、平行に形成した場合と比較して、スペーサー22と挿入領域32との接触面積を大きくすることができるようになっている。
また、スペーサー22の各々は、図2(a)に示すように、台形形状に形成されるとともに、台形形状の平行に設けられる挿入側の一辺は、半導体チップ30の平面形状の辺よりも若干短く形成されている。一方、台形形状の平行でない対向する2辺は、挿入側に向かってテーパー状に形成されている。このように、スペーサー22の挿入側の一辺を半導体チップの挿入する領域に対応する辺より短く設定することにより、4つのスペーサを同時に半導体チップ30の挿入領域32に挿入した場合に、隣接するスペーサー22と接触させずに挿入領域32まで挿入することができるようになっている。また、スペーサー22の平行ではない対向する2辺をテーパー状とすることにより、平行に形成した場合と比較して、スペーサー22と挿入領域32との接触面積を大きくすることができるようになっている。
続けて、スぺーサー機構の動作について説明する。
まず、スペーサー機構のスぺーサー支持台に設置されるスペーサー駆動モータ24を駆動させ、スぺーサー駆動モータに接続されるボールねじ28を伸長させる。これにより、ボールねじ28の先端に接続されるスペーサー22は、Y軸方向に移動可能となる。具体的には、図2(b)、(c)に示すように、スペーサーは、半導体チップ30に設けられる貫通電極36と半導体チップ30の外周との間の挿入領域32に移動可能となる。これにより、実装される1段目の半導体チップ30と半導体チップ40との間を所定間隔に維持できるようになっている。
まず、スペーサー機構のスぺーサー支持台に設置されるスペーサー駆動モータ24を駆動させ、スぺーサー駆動モータに接続されるボールねじ28を伸長させる。これにより、ボールねじ28の先端に接続されるスペーサー22は、Y軸方向に移動可能となる。具体的には、図2(b)、(c)に示すように、スペーサーは、半導体チップ30に設けられる貫通電極36と半導体チップ30の外周との間の挿入領域32に移動可能となる。これにより、実装される1段目の半導体チップ30と半導体チップ40との間を所定間隔に維持できるようになっている。
このときに挿入するスペーサー22は、半導体チップ30の貫通電極36とは直接接触しない領域まで挿入することが好ましい。また、スペーサー支持台には、ヒータが内設されており、スペーサーが半導体チップ30,40間の挿入領域32に挿入した段階で、スペーサー22の先端部から、半導体チップ30の貫通電極12aの先端部に形成される接着材(はんだ)5に熱が伝導するようになっている。これにより、上加圧板14及び下加圧板16のヒータによるZ軸方向の熱伝導だけでなく、スペーサー22のヒータ46によるY軸方向からの熱伝導により上記接着材5を溶融することが可能となっている。なお、接着材5には後述する金属酸化物粒子が含有されている。
一方、上記スペーサー駆動モータを反転駆動させ、ボールねじ28を伸縮させることによって、スペーサーはY軸方向に移動可能となる。これにより、半導体チップ30,40間に挿入したスペーサー22をスペーサー支持台34に収納することができるようになっている。
このようにして、1段目の半導体チップの実装が終了すると、2段目の半導体チップの実装行程に移行する。まず、スペーサー機構の後方側面に立設される上下移動機構42を駆動させることによって、上下移動機構42に取り付けられているスペーサー支持台34をZ軸方向に上昇させる。具体的には、既に実装された1段目の半導体チップ30の実装面30a(図4(a)参照)と、挿入するスペーサー22の下面との高さが略同じとなる高さまでスペーサー22を上昇させる。これにより、2段目、3段目…とZ軸方向に半導体チップを実装する場合にも、実装する半導体チップの高さに合わせて、スペーサー22を挿入することができるようになっている。続けて、1段目の半導体チップの実装時のスペーサー22の動作と同様の動作により、2段目の半導体チップ間にスペーサー22を挿入する。スペーサー機構がこのような動作を繰り返すことにより、3段目、4段目…に実装される半導体チップとの間隔を所定間隔に維持した状態で実装することができる。
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。本実施形態では、接合工程に先立ち、各半導体チップを接合するための接着材5を塗布する工程が行われる。具体的には、図6に示すように、転写技術を用いて接着材5を貫通電極(導電部)12aの表面に塗布するものとしている。つまり、図6(a)のように基材74上にフラックス5aを全面塗布し、該基材74と半導体チップ30とを接近させ、貫通電極12aとフラックス5aとを接触させることで、当該フラックス5aの塗布工程が行われる。
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。本実施形態では、接合工程に先立ち、各半導体チップを接合するための接着材5を塗布する工程が行われる。具体的には、図6に示すように、転写技術を用いて接着材5を貫通電極(導電部)12aの表面に塗布するものとしている。つまり、図6(a)のように基材74上にフラックス5aを全面塗布し、該基材74と半導体チップ30とを接近させ、貫通電極12aとフラックス5aとを接触させることで、当該フラックス5aの塗布工程が行われる。
フラックス5aの塗布後、錫系の金属粉末5bを付着させる。ここでは、図6(b)に示すように、基材73上に金属粉末5bを全面配置した後、該基材73とフラックス5aが形成された貫通電極12aとを接近させることで、該金属粉末5bを貫通電極12aに付着させることができる(図7参照)。ここで、金属粉末5bは、錫と酸化亜鉛を主体として構成されたはんだ材で、図3に示した半導体チップ30の貫通電極12aと半導体チップ40の貫通電極12bを接着させるためのものである。なお、用いる酸化亜鉛は粒径5μm〜10μm程度の粉末粒子である。
以上のような工程により、図7に示すようにフラックス5aと金属粉末5bとからなる接着材5が半導体チップ30の貫通電極12aに形成されることとなる。接着材5は、上述したように錫及び酸化亜鉛を主体として構成される鉛フリーはんだである。なお、ここでは接着材5を転写により形成するものとしているが、例えば図8に示すようなインクジェットヘッド75を有するインクジェット装置により、フラックス5aを貫通電極12aに対して選択吐出させ、接着材5を転写させるものとしても良い。
このように接着材5を形成した半導体チップ30と半導体チップ40とを接合する工程について、以下、図3及び図4を参照して説明する。なお、図3、図4においては、下加圧板16にはインターポーザ1が配置され、このインターポーザ1上に半導体チップ40が実装されているが、かかる形成工程については省略している。また、本実施形態においては、一対の半導体チップ30,40に、4方からスペーサー22を挿入しているが、4つのスペーサー22は同様の動作等をするため、以下の説明においては1つのスペーサー22のみの動作等を説明している。
まず、X−Y移動機構により半導体実装装置50に設けられている半導体チップ供給部に上加圧板14を移動させ、半導体チップ供給部に載置されている複数の半導体チップ30を吸着ツールによって吸着保持する(図示省略)。そして、図3(a)に示すように、半導体チップ30を吸着保持した状態で実装位置まで上加圧板14を移動させ、位置合わせを行う。ここで、実装位置とは、インターポーザ1に実装された半導体チップ40の貫通電極12bの各々に、上記吸着保持した半導体チップ40の貫通電極12bの各々を対応させた位置である。
次に、スペーサー駆動モータ24の駆動により、図3(b)に示すように、半導体チップ40上の挿入領域32までスペーサー22を移動する。このとき、スペーサー22は、半導体チップ40に形成される貫通電極12bと接触しないように挿入領域32まで挿入させる。また、半導体チップ30の貫通電極12aが形成されていない辺に対応するスペーサー22は、上記挿入領域32を超えて、半導体チップ30の中央部まで挿入することも可能である。なお、スペーサー22は、半導体チップ30,40の平面形状の各辺に対して、略垂直方向からスペーサー22を挿入し、さらには、半導体チップ30,40の平面に対して水平となるように挿入することが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、上下移動機構の駆動により、実装位置に設定された上加圧板14を下加圧板16に載置される半導体チップ40に向かって下降させる。
次に、図3(b)に示すように、上下移動機構の駆動により、実装位置に設定された上加圧板14を下加圧板16に載置される半導体チップ40に向かって下降させる。
次に、図3(c)に示すように、半導体チップ30の貫通電極12aの先端部に形成された接着材5を、下加圧板16に載置された半導体チップ40の対応する貫通電極12bの各々に当接させる。そして、さらに上記上加圧板14を降下させて、つまり半導体チップ30をZ軸方向に加圧して、半導体チップ30の貫通電極12aの先端部に形成される接着材5と半導体チップ40の貫通電極12bとを圧着させる。このときに、スペーサー22は、図3(c)に示すように、半導体チップ30と半導体チップ40とに挟持された状態となっている。なお、加圧方法は、一括して押圧力を加える加圧方法や、段階的に押圧力を上げる加圧方法、連続的に押圧力を上げる加圧方法、押圧してその押圧力を一時保持しその後押圧力を上げるS字加圧など、さまざまな加圧方法で加圧することも好ましい。
加圧と同時に、上加圧板14及び下加圧板16に内設されたヒータにより、半導体チップ30,40の貫通電極12a,12bを加熱し、これにより、貫通電極12a上に形成された接着材5を溶融する。さらに、本実施形態では、スペーサー機構にもヒータ46が内設されており、半導体チップ40の挿入領域32挿入時に、スペーサー22によって半導体チップ30の貫通電極12aの先端に形成された鉛フリーはんだを加熱し、溶融する。このようにして、加圧、加熱工程により、一対の半導体チップ30,40を固着させる。なお、ここでは亜鉛の融点よりも高く、酸化亜鉛の融点よりも低い温度に加熱を行うものとしている。
次に、図3(d)に示すように、一対の半導体チップを加圧、加熱し、実装が終了した後、まず、上加圧板14は、吸着保持している半導体チップ30を離脱させる。そして、上下移動機構の駆動により、上加圧板14を上昇させて、上加圧板14から半導体チップ30を離反させる。
続けて、上加圧板14の上昇により、半導体チップ30,40の加圧状態が解除された後、スペーサー駆動モータ24の駆動により、スペーサー22をY軸方向に移動させる。
即ち、半導体チップ30,40とに挟持されていたスペーサー22を離反させ、スペーサー機構に収納させる。なお、半導体チップ30,40間からスペーサー機構までスペーサー22を退避させるタイミングとしては、上加圧板14が上昇する前に、即ちスペーサー22が半導体チップ30,40とに挟持された状態において行うことも可能である。
続けて、上加圧板14の上昇により、半導体チップ30,40の加圧状態が解除された後、スペーサー駆動モータ24の駆動により、スペーサー22をY軸方向に移動させる。
即ち、半導体チップ30,40とに挟持されていたスペーサー22を離反させ、スペーサー機構に収納させる。なお、半導体チップ30,40間からスペーサー機構までスペーサー22を退避させるタイミングとしては、上加圧板14が上昇する前に、即ちスペーサー22が半導体チップ30,40とに挟持された状態において行うことも可能である。
次に、別の半導体チップを半導体チップ30上に積層するために、半導体チップを補充する。図4(a)に示すように、半導体チップ供給部に載置されている半導体チップ20を上加圧板14の吸着ツールによって吸着保持(図示省略)し、実装位置まで上加圧板14を移動させる。
続けて、スペーサー機構に設けられた上下移動機構42により、スペーサー支持台34を所定の高さまで上昇させる。ここで所定の高さとは、半導体チップ40に積層された半導体チップ30の実装面30aと同じになるような高さである。
次に、スペーサー駆動モータ24の駆動により、図4(a)に示すように、半導体チップ30上の挿入領域32までスペーサー22を移動させる。
続けて、スペーサー機構に設けられた上下移動機構42により、スペーサー支持台34を所定の高さまで上昇させる。ここで所定の高さとは、半導体チップ40に積層された半導体チップ30の実装面30aと同じになるような高さである。
次に、スペーサー駆動モータ24の駆動により、図4(a)に示すように、半導体チップ30上の挿入領域32までスペーサー22を移動させる。
次に、図4(b)に示すように、実装位置に設置された上加圧板14を、上下移動機構の駆動することにより、半導体チップ30に向かって下降させる。
次に、図4(b)に示すように、半導体チップ20の貫通電極12cの先端部に形成された接着材5を、下加圧板16に載置された半導体チップ30の対応する貫通電極12aの各々に当接させる。そして、さらに上記上加圧板14を降下させて、つまり半導体チップ20をZ軸方向に加圧して、半導体チップ20の貫通電極12cの先端部に形成される接着材5と半導体チップ30の貫通電極12aとを圧着させる。このときに、スペーサー22は、図4(b)に示すように、半導体チップ20と半導体チップ30とに挟持された状態となっている。
その他の工程については、上記半導体チップ30を半導体チップ40に実装したときに説明した工程と同様であるため、説明を省略する。このように、上記工程を繰り返すことにより、複数層の半導体チップが積層された3次元実装の半導体装置を形成することができる。
次に、図4(b)に示すように、半導体チップ20の貫通電極12cの先端部に形成された接着材5を、下加圧板16に載置された半導体チップ30の対応する貫通電極12aの各々に当接させる。そして、さらに上記上加圧板14を降下させて、つまり半導体チップ20をZ軸方向に加圧して、半導体チップ20の貫通電極12cの先端部に形成される接着材5と半導体チップ30の貫通電極12aとを圧着させる。このときに、スペーサー22は、図4(b)に示すように、半導体チップ20と半導体チップ30とに挟持された状態となっている。
その他の工程については、上記半導体チップ30を半導体チップ40に実装したときに説明した工程と同様であるため、説明を省略する。このように、上記工程を繰り返すことにより、複数層の半導体チップが積層された3次元実装の半導体装置を形成することができる。
以上のような製造方法によると、接着材5について、錫と酸化亜鉛粒子とを主体としてなるものを用いているため、接合時の加熱によって、接着材5が完全に溶融することなく、部分的な溶融で接合を行うことができるようになる。これにより、接合時の加熱加圧による接着材5の貫通電極12a,12b,12cからのはみ出しを防止ないし抑制することができ、確実な接合を実現することができるようになる。
(半導体装置)
図5は、本実施形態における半導体装置を示す概略断面図である。
半導体装置60は、インターポーザ1と、このインターポーザ1上に積層された複数の半導体チップ40,30,20,10とを備えている。
半導体チップ40,30,20,10は、半導体チップ本体11と半導体チップ本体11に複数形成された貫通電極12とを有している。この複数の貫通電極12の各々は、半導体チップ本体11を貫通し、その先端部を半導体チップ40,30,20,10の能動面18側に突出するようにして形成されている。そして、能動面18側に突出して形成される貫通電極12の先端部には、金属酸化物粒子たる酸化亜鉛粒子を含む接着材5(はんだ)が形成されている。
このような構造を有する半導体チップ40,30,20,10の各々の能動面18側を下にして、上記接着材5を介して半導体チップ40,30,20,10の貫通電極12の各々に電気的に接続している。
なお、上記半導体装置60では、半導体チップを4層に積層した形態について説明したが、この積層は何層であってもよい。
図5は、本実施形態における半導体装置を示す概略断面図である。
半導体装置60は、インターポーザ1と、このインターポーザ1上に積層された複数の半導体チップ40,30,20,10とを備えている。
半導体チップ40,30,20,10は、半導体チップ本体11と半導体チップ本体11に複数形成された貫通電極12とを有している。この複数の貫通電極12の各々は、半導体チップ本体11を貫通し、その先端部を半導体チップ40,30,20,10の能動面18側に突出するようにして形成されている。そして、能動面18側に突出して形成される貫通電極12の先端部には、金属酸化物粒子たる酸化亜鉛粒子を含む接着材5(はんだ)が形成されている。
このような構造を有する半導体チップ40,30,20,10の各々の能動面18側を下にして、上記接着材5を介して半導体チップ40,30,20,10の貫通電極12の各々に電気的に接続している。
なお、上記半導体装置60では、半導体チップを4層に積層した形態について説明したが、この積層は何層であってもよい。
(電子機器)
次に、上述した半導体装置60を備えた電子機器の例について、図9を用いて説明する。図9は、携帯電話2000の斜視図である。上述した半導体装置60は、操作部2001と、表示部2002とを有し、表示部2002の内部に回路基板2100が配置されている。回路基板2100上には上記の液晶装置100が実装されている。そして、表示部2002の表面において上記液晶パネル110を視認できるように構成されている。
次に、上述した半導体装置60を備えた電子機器の例について、図9を用いて説明する。図9は、携帯電話2000の斜視図である。上述した半導体装置60は、操作部2001と、表示部2002とを有し、表示部2002の内部に回路基板2100が配置されている。回路基板2100上には上記の液晶装置100が実装されている。そして、表示部2002の表面において上記液晶パネル110を視認できるように構成されている。
なお、上述した半導体装置60は、携帯電話2000以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などの電子機器に適用することが可能である。
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含むものである。例えば、本実施形態では、錫と酸化亜鉛を主体とするはんだ材を接着材として用いているが、その他にも錫と酸化銅、錫と酸化銀を主体とするものを用いることができる。
30,40…半導体チップ、12…貫通電極(導電部)、12a…貫通電極(第1導電部)、12b…貫通電極(第2導電部)、22…スペーサー、60…半導体装置
Claims (10)
- 第1導電部と、前記第1導電部と対向する第2導電部とが接合されてなる半導体装置の製造方法であって、
前記第1導電部と前記第2導電部とを、金属酸化物粒子を含む接着材により接合させる接合工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記接着材として、はんだを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記金属酸化物粒子として、粒径5μm〜10μmのものを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記接合工程に先立って、前記金属酸化物粒子を分散媒に分散させてなる液状物を作成する工程と、前記液状物を液滴吐出法にて前記第1導電部及び/又は前記第2導電部上に配置する工程とを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記金属酸化物粒子として、酸化亜鉛を用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1導電部と前記第2導電部とはそれぞれ半導体チップ上に形成されてなり、
前記接合工程では、第1導電部を含む第1半導体チップと、第2導電部を含む第2半導体チップとを積層する形にて接合することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記接合工程において、前記第1導電部と前記第2導電部との間隔を規制するスペーサーを介在させた状態で、前記接着材を加熱加圧することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記金属酸化物粒子を構成する金属酸化物の融点をA1、該金属酸化物を構成する金属の融点をA2とした場合に、前記接合工程においてA2〜A1の温度で加熱を行うことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法により製造されたことを特徴とする半導体装置。
- 請求項9に記載の半導体装置を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004310766A JP2006128177A (ja) | 2004-10-26 | 2004-10-26 | 半導体装置の製造方法、半導体装置、電子機器 |
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JP2004310766A Withdrawn JP2006128177A (ja) | 2004-10-26 | 2004-10-26 | 半導体装置の製造方法、半導体装置、電子機器 |
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- 2004-10-26 JP JP2004310766A patent/JP2006128177A/ja not_active Withdrawn
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