JP2006127872A - 電池用二硫化鉄およびその製造方法 - Google Patents

電池用二硫化鉄およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 二硫化鉄の天然鉱物を高純度に精製することにより、重金属の含有量が少なく、貯蔵性能に優れた高容量の電池用二硫化鉄およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 二硫化鉄の天然鉱物を、30℃以上、好ましくは50℃以上の温度に調整した0.05規定以上、好ましくは0.10規定以上の塩酸、硝酸または硫酸などの酸の水溶液で洗浄し、必要に応じてアルカリで洗浄し、ろ過して水で洗浄した後に、真空中で乾燥またはアルコールで洗浄して乾燥し、その後、必要に応じて分級により5μm以下の粉体を除去することにより、電池用二硫化鉄を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電池用二硫化鉄およびその製造方法に関し、特に、二硫化鉄の天然鉱物から製造した電池用二硫化鉄およびその製造方法に関する。
アルカリマンガン乾電池や酸化銀電池などのように電解液としてアルカリ塩などの水溶液を用いた水溶液系電池は、1.5V級の電池であり、非常に安く市販され、広く普及している。一方、電解液として有機電解液を用いた有機電解液系電池は、一般に3〜4V級の電池であり、自己放電が少なく、重負荷特性に優れ、低温における電圧降下が少なく、エネルギー密度を高くし易いなどの特性を有し、非常に有望な電池として期待されている。そのため、1.5V級の水溶液系電池と互換性のある1.5V級の有機電解液系電池を作製する試みがなされおり、このような有機電解液系電池の例として、負極に金属リチウム、正極に二硫化鉄を使用し、以下の電池反応を生じる電池がある。
正極 FeS+4e→Fe+2S2+
負極 Li→Li+e
全電池反応 4Li+FeS→Fe+2Li
この電池反応は、1個のFe原子に対して4個の電子を利用可能な反応であるため、放電容量が極めて高い。また、二硫化鉄は天然に存在する物質であるので、二硫化鉄を用いた電池は製造コストを安くする可能性があるが、二硫化鉄の天然鉱物である黄鉄鉱(pyrite)の多くは、As、Pb、Cdなどの有害な重金属を数百〜数千ppm程度含んでいる。
黄鉄鉱の鉱山には、大別して、二硫化鉄と一硫化鉄(硫化鉄(II))からなる鉱山と、銅、鉛および亜鉛鉱に随伴して選鉱段階で硫化鉄鉱(精鉱)を分ける鉱山がある。一硫化鉄は、磁硫鉄鉱およびトロイライトとして天然に産するが、いずれも通常の状態で安定な物質ではなく、湿気により空気中で容易に酸化されて硫黄を析出し、この際に多量の熱を発生して発火することもある。一方、二硫化鉄は、黄鉄鉱および白鉄鉱として天然に産し、立方晶系(等軸晶系)と斜方晶系の2変態があるが、電池として用いられるのは立方晶系である。なお、斜方晶系の二硫化鉄も加熱すれば立方晶系の二硫化鉄になる。立方晶系の二硫化鉄は、室温では不活性であり、比較的安定である。また、他の金属などに付随して得られる二硫化鉄は、亜鉛、銅および鉛を含むとともに、有害な重金属を少なからず含んでいる。一般的な二硫化鉄の精錬では、これらの不純物を分級、磁選、浮選などによって除去して二硫化鉄の純度を高めているが、一般に天然の黄鉄鉱は若干酸化されており、分級などによって酸素量を低減させることは困難であるため、分級などによって得られた二硫化鉄は、電池用二硫化鉄として使用するには不十分である。
また、二硫化鉄を合成する試みもなされている(例えば、特許文献1〜4参照)が、これらの方法では、高温・高圧の条件が必要であり、硫黄や硫化水素の腐食作用も影響して、合成するのが非常に困難であるため、工業的にはほとんど合成されていない。
さらに、二硫化鉄の天然鉱物を精製する試みもなされている(例えば、特許文献5〜7参照)が、いずれもの方法も重金属の除去が不十分であり、また、湿式処理において水分による二硫化鉄の酸化を防ぐことができない。
このように、二硫化鉄を用いた電池は、非常に有望な電池であるにもかかわらず、実際には、一部の熱電池や特殊産業用の電池として使用されている(例えば、特許文献8〜10参照)以外は、ほとんど使用されていない。
特開昭58−68871号公報(第2頁) 特開昭58−79829号公報(第2−3頁) 特開昭58−82473号公報(第1−2頁) 特開昭58−115031号公報(第2−4頁) 特開昭58−152376号公報(第1−2頁) 特開昭59−91670号公報(第2頁) 特開昭59−169067号公報(第2頁) 特開昭59−221973号公報(第2頁) 特開昭59−221975号公報(第1−2頁) 特開昭60−3868号公報(第1−2頁)
近年、重金属などの有害物質についての規制が厳しくなっており、特に、一次電池のように大半が一般の金属ゴミとして廃棄されている電池では、有害金属の使用を極力避ける必要がある。しかし、上述したように、天然鉱物の精製により得られた二硫化鉄を用いた電池では、二硫化鉄を用いた正極の一部に鉛やヒ素などの重金属が含まれており、これらの重金属の含有量をできるだけ少なくする必要がある。また、天然鉱物の精製により得られた二硫化鉄を用いた電池では、二硫化鉄の品位が鉱脈によって異なるため、安定した品質を得ることが難しい。さらに、二硫化鉄の天然鉱物には、数パーセントのアルミナ、シリカ、銅などが含まれているので、これらの含有量もできるだけ少なくする必要がある。
また、二硫化鉄中に数パーセント程度の一硫化鉄が混入していると、放電容量の低下をもたらすだけでなく、電池用二硫化鉄に適した大きさの粒子にした場合に発火する危険性があり、電池の製造時の雰囲気を厳密に管理する必要がある。また、一硫化鉄は、硫黄の酸化により、粒子の表面ではFe、Fe、FeSOなどになり易い。特に、FeSOは、水和物として安定であり、この水和物の水分が電解液中のフッ素分と反応してフッ酸を生じ、このフッ酸が電池の他の構成部材を腐食し、電池の貯蔵性能を著しく低下させる原因になる。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、二硫化鉄の天然鉱物を高純度に精製することにより、重金属の含有量が少なく、貯蔵性能に優れた高容量の電池用二硫化鉄およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、二硫化鉄の天然鉱物を塩酸、硝酸または硫酸などの酸の水溶液で洗浄し、必要に応じてアルカリで洗浄し、水で洗浄した後に、真空中で乾燥またはアルコールで洗浄して乾燥することにより、二硫化鉄の天然鉱物を高純度に精製して、重金属の含有量が少なく、貯蔵性能に優れた高容量の電池用二硫化鉄を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による電池用二硫化鉄の製造方法は、二硫化鉄の天然鉱物を塩酸、硝酸または硫酸などの酸の水溶液で洗浄し、水で洗浄した後に、真空中で乾燥またはアルコールで洗浄して乾燥することを特徴とする。この電池用二硫化鉄の製造方法において、二硫化鉄の天然鉱物を酸の水溶液で洗浄した後、水で洗浄する前にアルカリで洗浄するのが好ましい。また、乾燥後に分級により所定の粒径より小さい粉体、好ましくは5μmより小さい粉体を除去してもよい。洗浄に使用する酸の規定度は、0.05規定以上であるのが好ましく、0.10規定以上であるのがさらに好ましい。また、酸の温度は、30℃以上であるのが好ましく、50℃以上であるのがさらに好ましい。なお、二硫化鉄へのダメージを考慮すると、酸の規定度は1規定以下、酸の温度は80℃以下であるのが好ましい。
また、本発明による電池用二硫化鉄は、塩酸可溶性Feの含有量が2重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下であり、Pb、AsおよびCdの含有量がいずれも0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下であることを特徴とする。この電池用二硫化鉄において、Siの含有量は1.0重量%以下であるのが好ましい。また、酸素の含有量は、好ましくは1.0重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.2重量%以下である。さらに、平均粒径が150μm以下、最大粒径が500μmであるのが好ましく、最小粒径が5μm以上であるのが好ましい。
本発明によれば、二硫化鉄の天然鉱物を高純度に精製することにより、重金属の含有量が少なく、貯蔵性能に優れた高容量の電池用二硫化鉄およびその製造方法を提供することができる。
以下、図1の工程図を参照して、本発明による電池用二硫化鉄の製造方法の実施の形態について説明する。
(粉砕工程)
まず、二硫化鉄の天然鉱石(黄鉄鉱)を所望の大きさに粉砕し、必要に応じて篩い分けして、電池用二硫化鉄に適した大きさにする。
(水分散・洗浄工程)
次に、この粉体を硝酸、塩酸または硫酸などの酸の水溶液に投入して、水溶液中に分散させるとともに酸で洗浄することにより、塩酸可溶性Feや、Pb、AsおよびCdなどの重金属元素の含有量を低下させる。この酸による洗浄では、酸の規定度を、好ましくは0.05規定以上、さらに好ましくは0.10規定以上にし、酸の温度を、好ましくは30℃以上、さらに好ましくは50℃以上にする。また、酸で洗浄した後に必要に応じてアルカリで洗浄することにより、AsやPbなどの不純物の含有量を大幅に低減させることができる。
(ろ過、洗浄工程)
次に、この洗浄後の二硫化鉄含有物をろ過し、純水で洗浄した後、エタノールなどのアルコールで洗浄する。このようにアルコールで洗浄することにより、水分の蒸発が早くなり、次の乾燥工程において酸化物の生成を抑制して、二硫化鉄含有物中の二硫化鉄の含有量を高くすることができる。なお、このアルコール洗浄を行わない場合には、次の乾燥工程において二硫化鉄含有物を真空中で乾燥することにより同様な効果を得ることができる。
(乾燥工程)
次に、このアルコール洗浄後の二硫化鉄含有物を真空中または大気中で加熱して乾燥する。アルコール洗浄を行った場合には大気中で乾燥してもよいが、アルコール洗浄を行わなかった場合には真空中で乾燥する必要がある。
(分級工程)
最後に、この乾燥後の粉体を必要に応じて分級して、粒径5μm以下の微粉を除去することにより、粉体中のSiの含有量を低減させ、重金属などの不純物の含有量が極めて少ない電池用二硫化鉄を得ることができる。この電池用二硫化鉄を使用して放電容量が高い電池を製造することができる。
なお、得られた電池用二硫化鉄をコイン電池などの小型電池に使用する場合には、電池用二硫化鉄がある程度の流動性を有するような粒径(最大粒径および平均粒径)を有するのが好ましいが、粒径が大き過ぎると小型電池に使用するには適しない。また、得られた電池用二硫化鉄を塗布型電極に使用する場合には、塗布層の厚さから粒径の上限が決定されるが、塗料の粘度を考慮すると、粒径が小さ過ぎても不具合が生じる。また、PbやSiなどの一部の不純物は、小さい粒子に偏在するため、上述した分級工程で小さい粒子をできるだけ除去するのが好ましい。
以下、本発明による電池用二硫化鉄およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、二硫化鉄の天然鉱石(黄鉄鉱)Aを粉砕した後、73μmの篩を通過した粉体50gを、30℃に調整した0.05モル/Lの硝酸水溶液300cc中に投入して、1時間攪拌した。その後、5Cのろ紙を用いて吸引ろ過し、純水1Lで洗浄した後、純水をエタノールで置換するためにエタノール300ccを添加し、5分間吸引を続けた。得られた二硫化鉄含有ケーキを大気中において70℃で3時間乾燥することにより、電池用二硫化鉄を得た。このようにして得られた電池用二硫化鉄について、下記のように粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果を表1〜4に示す。
(粒径の測定)
粒径の測定は、レーザー粒径測定器(Sympatec社製のヘロス)を用いて行った。この測定方法は、乾式による粒径分析であり、高圧ガスで粒子を分散させ、レーザー回折を行うことにより粒径を測定する方法である。湿式による測定方法では、測定される粒径が試料と溶媒の親和性に大きく影響を受けるのに対して、乾式による測定方法では、そのような影響を全く受けることなく粒径を測定することができるので、粒径の測定の再現性に優れている。また、分散圧を自由に変えて測定できるので、分散圧と粒径の関係を調べることにより、粒子が良好に分散されているか否かを確認することできるという利点がある。本実施例では、分散圧を1.00bar、2.00bar、3.00barおよび4.00barに変えて粒径を調べた結果、3.00bar付近で分散がほぼ飽和に達したので、それよりも高い4.00barで粒径の測定を行った。なお、吸引圧は135mbarとした。この粒径の測定の結果、本実施例では、平均粒径が30μmであり、30μmより大きい粒子の割合が49%、5μm未満の粒子の割合が5%であった。
(X線回折分析)
X線回折分析は、株式会社リガク製のX線回折装置を使用し、X線源としてCuKαを用いて、管電圧50KV、電流100mAで行った。その結果、本実施例では、SiOのピークを若干含むものの、ほとんどがFeS(二硫化鉄)のピークであった。また、以下の実施例2〜14および比較例1〜5でも同様の結果であった。
(塩酸可溶性Feの化学分析)
電池の容量の低下につながるFeやFeなどの鉄酸化物と、電解液に悪影響を及ぼすFeSO・HOは、塩酸に可溶であるのに対して、二硫化鉄は希塩酸に溶解しない。この性質を利用して、これらの不純物(塩酸可溶性Fe)の総量を求めた。この塩酸可溶性Feの分析方法について説明する。
得られた電池用二硫化鉄2gを塩酸(1+1)に添加し、100℃で1時間加熱した後、純水40mLを添加してろ過した。このろ液にH1mLを添加し、Hが完全に分解するようにホットプレート上で15〜20分間程度加熱した。その後、100mLに定容し、50mLだけ分取して、これにNaOH(2%)20mLを添加した。この溶液を酢酸ソーダ(20%)溶液と酢酸(1+2)によりpH=2.5に調整した。この溶液をN/100EDTA(エチレンジアミン四酢酸)で滴定し、赤色から黄色に変わった点を滴定点(XmL)とし、溶出したFeの量を以下の式により求めた。
Fe(重量%)=X×0.559×100/試料の重量(mg)
その結果、本実施例では、塩酸可溶性Feの含有量は1.13重量%であった。
(Siの化学分析)
Siは難溶性であるため、以下の2つの分析方法を併用してSiの含有量を算出した。すなわち、可溶性Siの含有量は、得られた電池用二硫化鉄(試料)を硝酸に溶解した後の浸出液をろ過し、ICP分析により求めた。また、難溶性Siの含有量については、上記の溶解後の不溶残分として残った残渣を白金ルツボ中で乾燥し、900℃で1時間強熱した後、秤量してA(g)とし、この試料に数滴のHSOとHF1mLを加え、ガスコンロ上で蒸発させて乾固させ、白煙が出なくなるまで強熱し、冷却した後、秤量してB(g)とし、以下の式により算出した。なお、可溶性Siの含有量に難溶性Siの含有量を加えた量がSiの全含有量である。
Si(重量%)={(A−B)(g)×0.4675×100}/試料の重量(g)
その結果、本実施例では、Siの含有量は1.05重量%であった。
(Pb、AsおよびCdの化学分析)
Pb、AsおよびCdの含有量については、得られた電池用二硫化鉄を硝酸に溶解した後、ICP分析により求めた。その結果、本実施例では、Pb、AsおよびCdの含有量は、それぞれ0.130重量%、0.022重量%および0.0003重量%であった。
(酸素分析)
酸素分析は、得られた電池用二硫化鉄1gを試料として使用し、酸素窒素同時分析装置(LECO社製のTC−436)を使用し、測定雰囲気をHe、焼成温度を2000℃として行った。その結果、本実施例では、Oの含有量は0.1重量%未満であった。
(BET比表面積)
得られた電池用二硫化鉄5gを試料として使用し、予備処理として100℃で10分間乾燥した後、比表面積計(カンタクロム社製のカンタソーブJr.)を使用して、BET1点法によりBET比表面積を求めた。その結果、本実施例では、BET比表面積は0.10m/gであった。
(タップ密度)
得られた電池用二硫化鉄15gを試料としてタップ比重測定器(柴山科学製DA−2型)のメモリ付き試験管へ装入し、この試験管を落差20mm、タップ速度48回/分、タップ回数1000回としてタップを行った後、試験管の目盛から試料の体積を求め、タップ密度を以下の式から計算した。
タップ密度(g/mL)=試料の重量(g)/タップ後の試験管の目盛(mL)
その結果、本実施例では、タップ密度は1.8g/mLであった。
(電池の評価)
得られた電池用二硫化鉄75%とケッチェンブラック20%とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)5%を混合して底面積1.77cmの円形に成形した成形物をSUSメッシュの集電体上に圧着したものを正極合材として使用し、Li金属を負極として使用し、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)を1:1で混合した電解液を使用し、LiPFを電解質として使用して2電極セルを作製し、電流密度0.5mA/cmで放電し、1.1Vを終止電圧として、活物質の重量当たりの放電容量を求めた。その結果、本実施例では、放電容量は801mAh/gであった。
Figure 2006127872
Figure 2006127872
Figure 2006127872
Figure 2006127872
[実施例2]
硝酸水溶液の濃度を0.24モル/Lとした以外は実施例1と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が50%、5μm未満の粒子の割合が5%であり、塩酸可溶性Feの含有量が1.02重量%、Siの含有量が1.02重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.095重量%、0.021重量%および0.0002重量%、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.10m/g、タップ密度が1.7g/mL、放電容量は804mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例3]
硝酸水溶液に代えて0.05モル/Lの塩酸水溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が50%、5μm未満の粒子の割合が5%であり、塩酸可溶性Feの含有量が1.55重量%、Siの含有量が1.05重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.140重量%、0.022重量%および0.0003重量%、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.07m/g、タップ密度が1.7g/mL、放電容量は804mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例4]
塩酸水溶液の濃度を0.24モル/Lとした以外は実施例3と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が50%、5μm未満の粒子の割合が5%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.99重量%、Siの含有量が1.03重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.087重量%、0.022重量%および0.0003重量%、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.09m/g、タップ密度が1.7g/mL、放電容量は802mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例5]
硝酸水溶液に代えて0.025モル/Lの硫酸水溶液を用いた以外は実施例1と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が50%、5μm未満の粒子の割合が4%であり、塩酸可溶性Feの含有量が1.78重量%、Siの含有量が1.06重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.140重量%、0.023重量%および0.0004重量%、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.11m/g、タップ密度が1.7g/mL、放電容量は798mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例6]
硫酸水溶液の濃度を0.12モル/Lとした以外は実施例5と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が50%、5μm未満の粒子の割合が5%であり、塩酸可溶性Feの含有量が1.59重量%、Siの含有量が1.01重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.130重量%、0.022重量%および0.0003重量%、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.10m/g、タップ密度が1.8g/mL、放電容量は800mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例7]
硝酸水溶液の温度を55℃に調整した以外は実施例2と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が24μm、30μmより大きい粒子の割合が65%、5μm未満の粒子の割合が3%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.70重量%、Siの含有量が1.02重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.110重量%、0.003重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が0.2重量%、BET比表面積が0.48m/g、タップ密度が1.7g/mL、放電容量は795mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。なお、この実施例では、洗浄ろ液の色が赤褐色であり、かなりの量の鉄が溶出していた。
[実施例8]
塩酸水溶液の温度を55℃に調整した以外は実施例4と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が50%、5μm未満の粒子の割合が5%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.24重量%、Siの含有量が1.04重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.020重量%、0.003重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.15m/g、タップ密度が1.7g/mL、放電容量は806mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例9]
硫酸水溶液の温度を55℃に調整した以外は実施例6と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が50%、5μm未満の粒子の割合が5%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.55重量%、Siの含有量が1.01重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.140重量%、0.003重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.11m/g、タップ密度が1.7g/mL、放電容量は806mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例10]
塩酸水溶液で洗浄した後に55℃に調整した0.24モル/LのNH300ccで洗浄した以外は実施例8と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が31μm、30μmより大きい粒子の割合が55%、5μm未満の粒子の割合が4%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.19重量%、Siの含有量が1.01重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.008重量%、0.002重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.22m/g、タップ密度が1.7g/mL、放電容量は803mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[比較例1]
実施例1と同様の二硫化鉄の天然鉱石(黄鉄鉱)Aを粉砕した後、73μmの篩を通過した粉体から風力分級により粒径5μm以下の粉体を除去して得られた粉体について、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本比較例では、平均粒径が20μm、30μmより大きい粒子の割合が10%、5μm未満の粒子の割合が0%であり、塩酸可溶性Feの含有量が1.02重量%、Siの含有量が0.61重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.099重量%、0.010重量%および0.0002重量%、Oの含有量が1.0重量%、BET比表面積が0.07m/g、タップ密度が1.8g/mL、放電容量は799mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[比較例2]
73μmの篩の代わりに150μmの篩を使用した以外は比較例1と同様の方法により得られた粉体について、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本比較例では、平均粒径が94μm、30μmより大きい粒子の割合が80%、5μm未満の粒子の割合が0%であり、塩酸可溶性Feの含有量が1.03重量%、Siの含有量が0.50重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.080重量%、0.010重量%および0.0020重量%、Oの含有量が0.9重量%、BET比表面積が0.05m/g、タップ密度が2.6g/mL、放電容量は800mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例11]
二硫化鉄含有ケーキの乾燥後に風力分級により粒径5μm以下の粉体を除去した以外は実施例10と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が20μm、30μmより大きい粒子の割合が10%、5μm未満の粒子の割合が0%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.15重量%、Siの含有量が0.53重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.005重量%、0.002重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.08m/g、タップ密度が1.8g/mL、放電容量は813mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。また、この実施例で作製した電池の放電曲線を図2に示す。
[実施例12]
73μmの篩の代わりに150μmの篩を使用した以外は実施例11と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が90μm、30μmより大きい粒子の割合が78%、5μm未満の粒子の割合が0%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.08重量%、Siの含有量が0.50重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.005重量%、0.002重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.08m/g、タップ密度が2.6g/mL、放電容量は811mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例13]
二硫化鉄含有ケーキの乾燥を真空中で行った以外は実施例12と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が90μm、30μmより大きい粒子の割合が78%、5μm未満の粒子の割合が0%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.08重量%、Siの含有量が0.51重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.006重量%、0.001重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が0.1重量%未満、BET比表面積が0.09m/g、タップ密度が2.5g/mL、放電容量は803mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[実施例14]
エタノールによる洗浄を行わなかった以外は実施例13と同様の方法により電池用二硫化鉄を製造し、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本実施例では、平均粒径が90μm、30μmより大きい粒子の割合が78%、5μm未満の粒子の割合が0%であり、塩酸可溶性Feの含有量が0.73重量%、Siの含有量が0.51重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.005重量%、0.002重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が0.2重量%未満、BET比表面積が0.08m/g、タップ密度が2.6g/mL、放電容量は799mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[比較例3]
実施例1と同様の二硫化鉄の天然鉱石(黄鉄鉱)Aを粉砕した後、73μmの篩を通過した粉体について、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本比較例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が48%、5μm未満の粒子の割合が7%であり、塩酸可溶性Feの含有量が2.03重量%、Siの含有量が1.07重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.140重量%、0.023重量%および0.0005重量%、Oの含有量が1.5重量%、BET比表面積が0.08m/g、タップ密度が1.6g/mL、放電容量は780mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[比較例4]
比較例3の二硫化鉄の天然鉱石(黄鉄鉱)Aとは異なる二硫化鉄の天然鉱石(黄鉄鉱)Bを粉砕した後、73μmの篩を通過した粉体について、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本比較例では、平均粒径が30μm、30μmより大きい粒子の割合が50%、5μm未満の粒子の割合が8%であり、塩酸可溶性Feの含有量が1.05重量%、Siの含有量が1.30重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.011重量%、0.115重量%および0.0001重量%、Oの含有量が1.2重量%、BET比表面積が0.15m/g、タップ密度が1.2g/mL、放電容量は784mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[比較例5]
30℃に調整した硝酸水溶液の代わりに50℃に調整した純水を使用し、乾燥時間を7時間とした以外は実施例1と同様の方法により得られた粉体について、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本比較例では、平均粒径が28μm、30μmより大きい粒子の割合が44%、5μm未満の粒子の割合が7%であり、塩酸可溶性Feの含有量が1.50重量%、Siの含有量が1.07重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.130重量%、0.023重量%および0.0005重量%、Oの含有量が1.3重量%、BET比表面積が0.76m/g、タップ密度が1.6g/mL、放電容量は783mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。
[比較例6]
エタノールによる洗浄を行わなかった以外は実施例12と同様の方法により得られた粉体について、実施例1と同様の方法により、粒径の測定、X線回折分析および化学分析を行うとともに、BET比表面積、タップ密度および放電容量を求めた。その結果、本比較例では、平均粒径が90μm、30μmより大きい粒子の割合が78%、5μm未満の粒子の割合が0%であり、塩酸可溶性Feの含有量が3.52重量%、Siの含有量が0.51重量%、Pb、AsおよびCdの含有量がそれぞれ0.005重量%、0.001重量%および0.0001重量%未満、Oの含有量が2.3重量%、BET比表面積が1.02m/g、タップ密度が2.6g/mL、放電容量は663mAh/gであった。これらの結果を表1〜4に示す。なお、この比較例では、X線回折分析において、FeS(二硫化鉄)のピークの他、多数の不純物のピークが観測され、放電容量も他の実施例および比較例と比較して80%程度に過ぎなかった。
上記の結果からわかるように、実施例1〜9では、粉砕した二硫化鉄の天然鉱石を酸で洗浄し、ろ過して純水で洗浄した後に、エタノールで洗浄することにより、塩酸可溶性Feや重金属元素の含有量を低下させて粉体中の二硫化鉄の含有量を増加させることができる。また、酸素の濃度も著しく低下させることができる。特に、実施例7〜9では、塩酸可溶性Fe、AsおよびCdの含有量を著しく低下させることができ、さらに実施例8では、Pbの含有量も著しく低下させることができる。また、実施例10では、粉砕した二硫化鉄の天然鉱石を酸で洗浄した後にアルカリで洗浄することにより、Si以外の不純物の含有量を著しく低下させることができる。
比較例1および2では、粉砕した二硫化鉄の天然鉱石から分級により粒径5μm以下の粉体を除去することにより、SiおよびPbの含有量を低下させることができるが、実施例11〜13では、粉砕した二硫化鉄の天然鉱石を酸、アルカリおよびエタノールで洗浄し、分級により粒径5μm以下の粉体を除去することにより、全ての不純物の含有量を著しく低下させることができる。エタノールによる洗浄を行わなかった以外は実施例13と同様の実施例14では、酸素の含有量が若干高いが、実用上影響する程度ではなく、エタノール処理を行わなくても真空中で乾燥しているので、他の全ての不純物の含有量を著しく低下させることができる。
比較例3および4のように二硫化鉄の天然鉱石(黄鉄鉱)を粉砕しただけの場合、比較例3では塩酸可溶性Feの含有量が高く、比較例4ではAsの含有量が非常に高くなっている。また、比較例5のように酸およびアルカリの代わりに純水で洗浄した場合には、天然鉱石と比較して不純物の含有量は変化していない。さらに、比較例6のようにエタノールによる洗浄を行わないで大気中で乾燥した場合には、酸素濃度が高くなっている。
本発明による電池用二硫化鉄の製造方法の実施の形態の工程図である。 実施例11で作製した電池の放電曲線を示すグラフである。

Claims (12)

  1. 二硫化鉄の天然鉱物を酸の水溶液で洗浄し、水で洗浄した後に、真空中で乾燥またはアルコールで洗浄して乾燥することを特徴とする、電池用二硫化鉄の製造方法。
  2. 前記二硫化鉄の天然鉱物を酸の水溶液で洗浄した後、水で洗浄する前にアルカリで洗浄することを特徴とする、請求項1に記載の電池用二硫化鉄の製造方法。
  3. 前記乾燥後に分級により所定の粒径より小さい粉体を除去することを特徴とする、請求項1または2に記載の電池用二硫化鉄の製造方法。
  4. 前記所定の粒径が5μmであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の電池用二硫化鉄の製造方法。
  5. 前記酸が塩酸、硝酸および硫酸からなる群から選ばれる1種以上の酸であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の電池用二硫化鉄の製造方法。
  6. 前記酸の規定度が0.05規定以上であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の電池用二硫化鉄の製造方法。
  7. 前記酸の温度が30℃以上であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の電池用二硫化鉄の製造方法。
  8. 塩酸可溶性Feの含有量が2重量%以下であり、Pb、AsおよびCdの含有量がいずれも0.1重量%以下であることを特徴とする、電池用二硫化鉄。
  9. Siの含有量が1.0重量%以下であることを特徴とする、請求項8に記載の電池用二硫化鉄。
  10. 酸素の含有量が1.0重量%以下であることを特徴とする、請求項8または9に記載の電池用二硫化鉄。
  11. 平均粒径が150μm以下であり、最大粒径が500μmであることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれかに記載の電池用二硫化鉄。
  12. 最小粒径が5μm以上であることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれかに記載の電池用二硫化鉄。
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