JP2006126539A - 熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂被覆層の表面平滑度が高く、高品質で長寿命の熱可塑性樹脂被膜形成部材を製造でき、芯金の肉厚が薄い場合であっても、芯金を塑性変形させることなく、熱可塑性樹脂被膜形成部材の表面を均一で平滑にすることができる熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置を提供する。
【解決手段】最外層に樹脂被覆層が形成された筒状の芯金12を自転させながら、内部に挿入された熱源14により最外層の樹脂被覆層を熱し、加熱停止直後に樹脂被覆層を外部から強制的に冷やし、最外層の樹脂被覆層を非晶質の平坦面にする。樹脂被覆層を融点より高く熱分解温度より低い温度に熱し、樹脂被覆層に冷風を吹き付けることによって強制的に冷やす。このとき冷風の噴出口を芯金の軸方向に揺動させ冷風が均一に当るようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備わる定着装置に好適に用いられる定着ローラおよび加圧ローラ等の熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置に関するものである。
複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備わる定着装置には、熱ローラ定着方式が広く適用されている。熱ローラ定着方式は、表面が非粘着性の定着ローラと、この定着ローラに対向する加圧ローラとの間に、トナー画像が転写された記録紙(記録媒体)を通過させて、定着ローラにより記録紙を加熱・加圧することで、トナー画像を定着(融着)させるものである。
図7は、熱ローラ定着方式の画像形成プロセスを模式的に示したものである(例えば、特許文献1。)。図示するように、画像形成プロセスは、静電潜像形成プロセスと定着画像形成プロセスとからなっている。静電潜像形成プロセスは、感光体ドラム51を帯電ローラ52によって帯電し、原画像をレーザ光53によって露光し、感光体ドラム51に潜像を形成し、潜像にトナーを吸着させてトナー画像を形成するプロセスである。定着画像形成プロセスは、記録紙54を帯電させた後、記録紙54にトナー画像を転写し、熱可塑性樹脂のトナーを加熱・加圧しながら定着画像を形成するプロセスである。
ところで、この定着装置50には、円筒体からなる芯金の表面にトナーが粘着するのを防止するため、フッ素系樹脂からなる離型層を形成した定着ローラ55が使用されている。定着ローラ55には、筒内にハロゲンランプなどの熱源が配設され、熱源の輻射熱によって定着ローラ55が加熱されるようになっている。
加圧ローラ56は、定着ローラ55と対向する位置に配設されていて、ばねなどの弾性部材により定着ローラ55側に付勢されている。定着ローラ55は、芯金と、芯金上に被覆された多層構造の樹脂被覆層を有している。樹脂被覆層は、プライマ層や離型層などからなっている。プライマ層は、離型層の下地となって離型層の密着性を向上させるための中間層である。離型層は、トナーに対する離型性が要求される最外層である。離型層には、離型性が要求される他に、平滑性や耐久性などの表面性状に優れることも要求されている。
芯金に対する樹脂被覆層の被覆方法(定着ローラの製造方法)には各種の方法があり、樹脂被覆層の表面を平滑に仕上げる方法としては、一例として図8に示される被覆方法が知られている(特許文献2)。この方法は、樹脂被覆層(離型層)62を押し潰すことによって(バニシ加工)、樹脂被覆層62の表面平滑性を高めるものである。芯金60の表面には、芯金60と樹脂被覆層62の接着力を高めるために、ブラスト処理や電界エッチング等による粗面化処理を施された基材61が形成されている。基材61の凹凸面には、樹脂被覆層62が形成されている。樹脂被覆層62が芯金60とともに連れ回り回転する押圧ローラ63により加熱・押圧されることで、樹脂被覆層62の凸部が軟化しながら押し潰され、凹部が埋められて平滑面が得られるようになっている。
ここで、定着ローラ65の消費電力を低減するために、芯金60の肉厚を薄肉に形成すると、押圧ローラ63の押圧力によって定着ローラ65が塑性変形してしまうため、特許文献3にあるように樹脂被覆層の表面温度が溶融温度以上に加熱後、芯金全長以上の長さを有する冷風ブローノズルにて圧縮エアをスリットより、加熱溶融した樹脂被覆層表面に吐出させ、エアブロー開始と同時に芯金の加熱を停止することで、樹脂被覆層表面が50〜60℃/secの冷却速度を得る。つまり粉体の樹脂被覆層が溶融し前記冷却速度を確保し急冷するという方法により、結晶化度が低くなり、非晶質構造になることで、残留結晶による表面粗さやウネリが低減し、芯金60を薄肉に形成した場合でも平滑性を向上させていた。
特開2002−221865号公報(第2頁、第1図) 特開平8−118561号公報(第5頁、第3図) 特開2004−245880号公報
しかしながら、上記従来の樹脂被覆層の冷却方法では、冷風による冷風ブローノズルを固定しているため、樹脂被覆層表面の冷却速度のバラツキや冷風吐出時の風速や風向の芯金軸方向への微小なバラツキが生じ十分に均一な平滑面が得られないことがあるという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑み、樹脂被覆層の表面平滑度が高く、高品質で長寿命の熱可塑性樹脂被膜形成部材を製造でき、芯金の肉厚が薄い場合であっても、芯金を塑性変形させることなく、熱可塑性樹脂被膜形成部材の表面を均一で平滑にすることができる熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、中空円筒状の芯金上の最外層に樹脂被覆層を有する熱可塑性樹脂被膜形成部材の内部に配設され、該樹脂被覆層を熱する熱源と、該樹脂被覆層に冷風を吹き付ける冷却ノズルとを備え、該樹脂被覆層を平滑面に形成する熱可塑性樹脂被膜形成部材製造装置において、前記冷却ノズルを芯金軸方向に往復運動する揺動手段を有していることを特徴とする。上記構成によれば、樹脂被覆層表面の冷却速度のバラツキや冷風吐出時の風速や風向の芯金軸方向への微小なバラツキを平均化し低減することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置において、前記揺動手段は、前記揺動手段を前記製造装置内に固定する揺動手段取り付け部材と、前記揺動手段取り付け部材に固定されたモータと、モータの回転軸に固定した偏心カムと、前記冷却ノズル側に固定された偏心カムに当接する当接部材と、偏心カムの回転による駆動時に前記冷却ノズルを芯金軸方向にガイドするガイドとを備えていることを特徴とする。上記構成によれば、特殊な要素部品を用いることがなく揺動手段を構築できる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置において、前記揺動手段は、前記揺動手段を前記製造装置内に固定する揺動手段取り付け部材と、前記冷却ノズル側に固定された磁性体と、前記揺動手段取り付け部材上に前記磁性体を挟んで揺動ストローク離れた場所にそれぞれ固定した電磁石と、前記電磁石へ印加する電圧を切り換える電磁開閉器と、前記冷却ノズル揺動時に前記冷却ノズルを芯金軸方向にガイドするガイドとを備えていることを特徴とする。上記構成によれば、特殊な要素部品を用いることがなく揺動手段を構築できる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置において、前記揺動手段は、熱可塑性樹脂被膜形成部材の形状、樹脂被覆層の種類等の変化に対応できるように、往復運動の振動数を調整可能な機能を有していることを特徴とする。上記構成によれば、溶融温度の異なる熱可塑性樹脂にも対応可能であり、対応機種が増加し、設備の共有化が図れる。
請求項1に記載の発明によれば、樹脂被覆層表面の冷却速度のバラツキや冷風吐出時の風速や風向きの芯金軸方向への微小なバラツキを平均化し低減することが可能となり、樹脂被覆層表面が均一な非晶質構造となり、平滑性がさらに向上する。
また、請求項2に記載の発明によれば、揺動手段を製造装置内に固定する揺動手段取り付け部材と、揺動手段取り付け部材に固定されたモータと、その回転軸に固定した偏心カムと、冷却ノズル側に固定された偏心カムに当接する当接部材と、偏心カムの回転による駆動時に冷却ノズルを芯金軸方向にガイドするガイドとによって構成したので、特殊な要素部品を用いることなく樹脂被覆層が均一な非晶質面を具現化できる。
また、請求項3に記載の発明によれば、揺動手段を、冷却ノズル側に固定された磁性体と、揺動手段を製造装置内に固定する揺動手段取り付け部材と、揺動手段取り付け部材上に磁性体を挟んで揺動ストローク離れた場所にそれぞれ固定した電磁石と、電磁石へ印加する電圧を切り換える電磁開閉器と、前記冷却ノズル揺動時に冷却ノズルを芯金軸方向にガイドするガイドとによって構成したので、特殊な要素部品を用いることなく樹脂被覆層が均一な非晶質面を具現化できる。
また、請求項4に記載の発明によれば、揺動手段が振動数を調整可能な機能を有しているので、熱可塑性樹脂被膜形成部材の形状、樹脂被覆層の種類等の変化に対応可能となる。
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1には、本発明に係る定着ローラ(熱可塑性樹脂被膜形成部材)の製造装置の第1の実施形態が示されている。図2には、定着ローラの斜視図および被覆層の拡大図が示されている。
図1に示されるように、定着ローラの製造装置は、定着ローラ10の離型層(樹脂被覆層)11dを赤外線ヒータ(熱源)13で加熱し、その後に冷風ブローノズル14から冷風を吹き付けて冷却し、離型層11dであるフッ素樹脂を非晶質相に相転移させて、離型層11dを平滑面(凹凸のない滑らかな面)にする製造装置である。
離型層11dは、フッ素樹脂の融点より高い温度、好ましくは310℃以上の温度で、熱分解温度より低い温度に加熱され、加熱停止直後に冷風が強制的に吹き付けられ、好ましくは50〜60℃/secの冷却速度で急冷されて、最外層の離型層11dが非晶質相に相転移されるようになっている。
離型層11dは、熱分解温度より高い温度に加熱されることはないから、樹脂が重量減少を生じたり、分解生成物が発生したりすることはない。定着ローラ10は、一対のハウジング15,18に回転自在に両端支持されていて、回転しながら加熱・冷却されるようになっているから、定着ローラ10は、均一に加熱・冷却されて、ムラの無い平滑面が形成されるようになっている。
このような定着ローラの製造方法によれば、消費電力の低減を図るために、肉厚1mm以下に形成された芯金12(図2)であっても、芯金12の塑性変形などによる寸法安定性が損なわれることなく、表面粗さやうねりが低減された非晶質の平滑面を得ることが可能となる。また、離型層11dの表面が平滑化されることに加え、離型層11dの強度や硬度が高くなり、離型層11dの耐久性や耐摩耗性が向上し、定着ローラ10の長寿命を得ることもできる。
次に、第1の実施形態における定着ローラ10および定着ローラの製造装置の主要構成部分とその作用について詳細に説明する。図2に示されるように、定着ローラ10は、円筒状をなし、芯金12表面に4層構造の被覆層11が形成されたものである。被覆層11は4層構造に制約されるものではなく、2層、3層又は5層以上の多層構造とすることもできる。基材としての芯金12は、特に制約を受けるものではないが、熱伝導性に優れ、軽量であるアルミニウム合金などを構成材料としている。
芯金12の肉厚は、定着ローラ10の熱容量を小さくして消費電力を低減するために、薄肉に形成されている。従来は芯金の肉厚が1〜2mm程度のものが主流であったが、本実施形態の芯金12は1mm未満に形成されている。芯金12の肉厚を1mm未満にすると、芯金12表面に形成された被覆層11を従来の加工方法で平滑にする際に、芯金12が塑性変形する心配があったが、本発明による熱的な処理方法によれば、芯金12を塑性変形させることなく、被覆層11を容易く平滑にできるようになっている。
被覆層11は、3層構造の中間層と、最外層である離型層11dとからなっている。離型層11dは、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などのフッ素樹脂からなっており、例えば電子写真装置内の加圧ローラと圧接するニップ部において、トナーにより潜像が形成された記録紙からの離型性を確保する機能を有している。離型層11dは、特に制約を受けるものではなく、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン共重合体)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)などのフッ素樹脂を適用することもできる。さらには、離型層11dに、フッ素樹脂の混合物、耐熱性樹脂にこれらフッ素樹脂を分散させたものなどを用いることもできる。離型層11dの層厚は、弾性層11bの持つ弾性が失われないように、好ましくは10〜30μm程度の厚みに形成されている。
中間層は、最下層のプライマ層(樹脂被覆層)11a、第2層の弾性層(樹脂被覆層)11b、第3層のプライマ層(樹脂被覆層)11cが順次積層されている。最下層と第3層のプライマ層11a,11cは、密着性を向上させるための下地層である。第2層の弾性層11bは、膜厚のばらつきや当りの不均一さを吸収し、画像むらや光沢を生じないように記録紙に画像を定着させるためのものであり、シリコーンゴムなどの耐熱性のあるゴム部材を構成材料としている。弾性層11bとしてのシリコーンゴムは、200〜300μmの厚みに形成されている。
離型層11dは、プライマ層11c表面に静電塗装された後に、約390℃の雰囲気中にて約40分間焼成され、常温まで冷却されることで形成される。離型層11dとしてのフッ素樹脂は高温における溶融粘度が高いため、溶けて流れ出す心配はない。本発明に係る方法で、離型層11dを平滑にするための再加熱温度は、310℃以上の温度で焼成温度より低い温度が好ましい。
定着ローラの製造装置は、定着ローラ10の内部に配置されて、離型層11dを加熱する赤外線ヒータ13と、赤外線ヒータ13に対向して位置し、定着ローラ10の離型層11dの冷却手段として冷風ブローノズル14とを備えている。赤外線ヒータ13と冷風ブローノズル14の両者を備えることで、離型層11dの加熱と冷却とを連続して行うことができ、離型層11dの加工処理性を向上することができる。
定着ローラ10は、芯金12の両端が中空チャック16,19を媒介として一対のハウジング15,18に回転自在に支持され、ベルト伝動による回転駆動力で中空チャック16,19とともに回転するようになっている。
一方の固定側ハウジング15は、ベッド22に固定されている主軸側のハウジングであり、この固定側ハウジング15には、駆動ベルト20が巻き掛けられるベルト車17が設けられている。他方の可動側ハウジング18は、ベッド22に敷設されたガイドレール23に沿って往復移動自在な心押し側のハウジングである。可動側ハウジング18は、ベッド22に設けられたエアシリンダ24のシリンダロッド25に連結されていて、上死点と下死点との間を往復移動できるようになっている。
定着ローラ10の取り付けは、次のようにして行われる。先ず、可動側ハウジング18を後方に移動させ、定着ローラ10の一方の端部を固定側ハウジング15の中空チャック16に取り付ける。このとき、定着ローラ10は片持ち梁状態となり、他方の端部が下がるため、他方の端部に手などを宛って支持する。次に、可動側ハウジング18をエアシリンダ24の空気圧により前方に移動させ、定着ローラ10の他方の端部と中空チャック19とを連結させる。これにより、定着ローラ10は、一対のハウジング15,18に回転自在に両端支持されて、取り付けが終了する。
このように、一対のハウジング15,18が固定側ハウジング15と可動側ハウジング18とからなっているため、両端支持される定着ローラ10の取り付け/取り外しが容易となり、作業性が向上する。また、定着ローラ10が振れ回ることなく、スムーズに自転する。
熱源としての2本の赤外線ヒータ13,13は、定着ローラ10の筒内に配設されている。この2本の赤外線ヒータ13,13は、レール27とガイドブロック28とからなるガイド機構により筒内に正しく挿入され、各々の両端がヒータ支持体29で支持されている。赤外線ヒータ13には、電極30を介して電力が供給されるようになっている。
2本の赤外線ヒータ13,13のうち1本は、定着ローラ10の両端部の発光パワーが大きくなるように配光され、他の1本は、定着ローラ10の軸方向の中央部の発光パワーが大きくなるように配光されている。このように配光された赤外線ヒータ13を用いているので、熱輻射の効率が良くなり、定着ローラ10が長手方向に均一に加熱され、定着ローラ10の昇温時間が短縮されるようになっている。
電極30には、赤外線ヒータ13に供給される電力を適正値に制御する制御装置32を介し、電源33が接続されている。制御装置32は、2本の赤外線ヒータ13,13の各々を独立して制御することができるようになっている。
ベッド22の中間部には、定着ローラ10の軸方向両端部および中間部の外周面に対向して位置する非接触式の温度センサ34が3箇所に配置されている。温度センサ34により、定着ローラ10の3箇所の表面温度が測定され、温度の測定信号が制御装置32に送信されて、適正な電力に制御されるようになっている。
冷風ブローノズル14は、角柱状をなし、定着ローラ10に対向して位置し、定着ローラ10より長い寸法に形成されている。冷風ブローノズル14を定着ローラ10より長く形成することで、定着ローラ10の全長に亘って冷風を吹き付けることができる。
冷風ブローノズル14には定着ローラ10の軸方向に往復運動をさせるための揺動機構39が接続されている。この揺動機構39は図9(b)に示されるように、冷風ブローノズルを取り付ける取り付けベース79と、製造装置側に揺動機構を固定する揺動機構取り付け部材80と、モータ70と、冷風ブローノズルの取り付けベース79を定着ローラの軸方向へ揺動をガイドするガイド71と、ガイド71と冷風ブローノズルの取り付けベース79との連結部材72と、モータ70の回転軸に固定した偏心カム73と、偏心カム73の回転に連れ回りするベアリング(当接部材)74a、74bとから構成される。モータ70は制御装置78により回転数が制御できる。また、連結部材72とベアリング74a、74bは冷風ブローノズルの取り付けベース79に取り付けられる。モータ70と、ガイド71は揺動機構取り付け部材80に取り付けられる。
図3に示されるように、冷風ブローノズル14への図示しないボンベからの圧縮空気(圧縮気体)の供給口14aは、長手方向の一方の端部に設けられている。圧縮空気の吐出口としてのスリット14bは、冷風ブローノズル14の胴体部の稜線部分に細長く設けられている。スリット14bは、幅が0.1〜0.2mmに形成され、長さが定着ローラ10の長さ以上に長く形成されている。このようにすることにより、吹き出される冷風の圧力が高められ、離型層11dが効率良く冷やされるようになっている。風量は、特に制約されるものではないが、5m3/min以上の冷風が供給されるようになっている。
本実施形態の冷風は、冷たい圧縮空気であるが、本発明は圧縮空気に制約するものではなく、冷却能力の高い圧縮窒素や圧縮炭酸ガスであってもよい。冷風の温度は、室温から低温まで任意の温度に設定可能であり、冷却装置を備えれば−30〜−50℃の冷風を連続して供給することも可能である。
図4には、定着ローラ10と冷風ブローノズル14の位置関係を示した図が示されている。冷風ブローノズル14は、冷風吹き出し方向が定着ローラ10の軸心からずれた位置になるように配設されており、冷風が定着ローラ10の回転方向Nに沿う方向に吹き出されている。このため、冷風の吹き出し圧力によって定着ローラ10の自転が妨げられることが防止され、定着ローラ10がスムーズに回転し、また、離型層11d表面に冷風が纏わり付き、離型層11dが効率良く冷却されるようになっている。
本実施形態の定着ローラ製造装置の動作を説明する。離型層11dとしてのフッ素樹脂が焼成された定着ローラ10は、可動側ハウジング18を後方に移動させた状態で、一方の端部を固定側ハウジング15の中空チャック16に取り付け、可動側ハウジング18をエアシリンダ24で前方に移動させ、定着ローラ10の他方の端部を中空チャック19にチャッキングさせる。そして、赤外線ヒータ13を定着ローラ10の内部に挿入し、赤外線ヒータ10と電極30とを接続させる。定着ローラ10をベルト伝動による回転駆動力で回転させるとともに、赤外線ヒータ10に通電し、温度センサ34で定着ローラ10の表面温度を測定しながら、離型層11dを所定温度に加熱する。所定温度に達した後、赤外線ヒータ13の電源33を切断すると同時に、冷風ブローノズル14から冷風を吐出させ、揺動機構39を動作させる。
揺動機構39が動作すると揺動機構内のモータ70が回転し、モータ70の回転軸に固定した偏心カム73にその回転が伝達し偏心カム73も回転する。図9(a)において、例えば偏心カム73が時計回りに回転するとベアリング74a、74bは反時計方向に回転する。このときベアリング74aは偏心カム73によって右方向へ押される力が働く。ベアリング74aは冷風ブローノズル取り付けベース79に固定されているためベアリング74aが右方向へ押されると冷風ブローノズル取り付けベース79がガイド71に沿って右へ移動する。偏心カム73がさらに回転すると今度はベアリング74bを左方向へ押す。そのため冷風ブローノズル取り付けベース79はガイド71に沿って左へ移動する。このようにモータ70の回転により冷風ブローノズル14が往復運動を行うことができる。なお、このモータ70は回転数が可変にできるスピードコントロールモータを使用し、制御装置78に設定するモータ70の回転数を変更することで往復運動の振動数を可変にでき、定着ローラの形状、樹脂被覆層の種類等の変化に対応可能となる。
以上により離型層11dを強制的に冷却する。高温から急冷された離型層11dは、約200℃で固化し、その後は冷風が吹き付けられた状態のまま短時間で室温まで降温される。そして、定着ローラ10が取り外されて、新たな定着ローラ10が同じようにして取り付けられる。
揺動機構39は図9以外にも図10に示されるような構成にしても良い。図10(b)では、製造装置側に揺動機構を固定する揺動機構取り付け部材80と、揺動機構取り付け部材80に取り付けられた定着ローラの軸方向への揺動をガイドするガイド71と、冷風ブローノズルの取り付けベース79と、ガイド71と冷風ブローノズルを固定する取り付けベース79との連結部材72と、取り付けベース79に取り付けた磁性体76と、定着ローラの軸方向への揺動手段として図10(a)にあるように揺動機構39の定着ローラの軸方向に磁性体76を挟んで揺動ストローク分離して揺動機構取り付け部材80に向い合うようにそれぞれ取り付けた電磁石75a、75bと、電圧を電磁石75a、75bにそれぞれかけるための電磁開閉器77と、制御装置78とから構成される。
図10(a)において、制御装置78から電磁開閉器77へ例えば電磁石75aへ電圧かけるよう制御すると電磁石75aに電圧がかかることで電磁石75aが磁化され磁性体76が電磁石75aに引き寄せられる。同様に電磁石75bに電圧をかけるよう制御装置78から電磁開閉器77を切り換えると電磁石75bに電圧がかかり電磁石75aが磁化され磁性体76を電磁石75bが引き寄せられる。このように電磁石75a、75bに交互に電圧を与え、さらに周期的に繰返すことにより冷風ブローノズル14が往復運動を行うことができる。往復運動の振動数は制御装置78に設定する電磁開閉器77が電磁石75a、75bへの電圧印加の切り換え周期を変更することにより可変にでき、定着ローラの形状、樹脂被覆層の種類等の変化に対応可能となる。なお、本実施例では揺動機構取り付け部材80に1つずつ電磁石を配置したが、これは1つに限らず2つ以上でも良く、両側の電磁石の数が違っても良い。
次に、図5に基づいて、本発明に係る定着ローラ製造装置の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態と第1の実施形態の共通する構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の製造装置には、冷風ブローノズル35,37が2箇所に設けられている点が、第1の実施形態の製造装置と相違する点である。また、冷風ブローノズル35,37にはどちらにも第1の実施形態と同様の揺動機構39が付加されており、定着ローラ10に対して軸対称の位置に配設されている。冷風ブローノズル35,37の数は、2つに制約されるものではなく、4つでもよい。
すなわち、図6に示されるように、一対の冷風ブローノズル35,37は、各冷風ブローノズル35,37からの冷風の吹き出し方向が定着ローラ10の回転方向Nに沿う方向となるように配設され、しかも定着ローラ10の軸心からの心ずれ量δ1,δ2が等しく成るように配設されている。吐出口としてのスリット35a,37aの形状や寸法は、第1の実施形態と同様であるが、形状や寸法を変えることで、冷風の噴射形態や圧力を変えることも可能である。また、2つの揺動機構39は冷風ブローノズル35,37とも同じ動作でも、それぞれ別の動作に制御しても良い。制御装置は1つで2つの揺動機構を制御しても、2つの揺動機構それぞれに制御装置を持っても良い。
このように冷風ブローノズル35,37を複数配設することで、冷却能力が向上して、離型層11dを短時間で冷やすことができるようになっている。また、冷風ブローノズル35,37を軸対象の位置に配設することで、自転する定着ローラ10の回転バランスが良くなり、離型層11d表面を等しく冷やすことが可能となる。
以上の実施例ではトナー定着ローラの製造装置について説明したが、トナー定着ローラ以外にも熱可塑性樹脂の被膜を形成する部材の製造装置に本発明を適用することができる。
本発明に係る定着ローラ製造装置の第1の実施形態を示す正面図である。 図1に示す定着ローラであり、(a)は定着ローラの斜視図、(b)は被覆層の断面図である。 図1に示す冷風ブローノズルの斜視図である。 図1に示す定着ローラと冷風ブローノズルの位置関係を示した図である。 本発明に係る定着ローラの製造装置の第2の実施形態を示す正面図である。 図5に示す定着ローラと一対の冷風ブローノズルの位置関係を示した図である。 熱ローラ定着方式の画像形成プロセスを模式的に示した説明図である。 従来の定着ローラの製造方法の一例を示す一部断面図である。 モータを用いた揺動機構の説明図であり、(a)は冷却ノズルを省略した底面図、(b)は側面図である。 電磁石を用いた揺動機構の説明図であり、(a)は冷却ノズルを省略した底面図、(b)は側面図である。
符号の説明
10 定着ローラ(熱可塑性樹脂被膜形成部材)
11 被覆層
11d 離型層(樹脂被覆層)
12 芯金
13 赤外線ヒータ(熱源)
14,35,37 冷風ブローノズル
14b,35a,37a スリット
39 揺動機構
70 モータ
71 ガイド
73 偏芯カム
74a,74b ベアリング(当接部材)
75a,75b 電磁石
76 磁性体
77 電磁開閉器
80 揺動機構取り付け部材

Claims (4)

  1. 中空円筒状の芯金上の最外層に樹脂被覆層を有する熱可塑性樹脂被膜形成部材の内部に配設され、該樹脂被覆層を熱する熱源と、該樹脂被覆層に冷風を吹き付ける冷却ノズルとを備え、該樹脂被覆層を平滑面に形成する熱可塑性樹脂被膜形成部材製造装置において、前記冷却ノズルを芯金軸方向に往復運動する揺動手段を有していることを特徴とする熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置。
  2. 前記揺動手段は、前記揺動手段を前記製造装置内に固定する揺動手段取り付け部材と、前記揺動手段取り付け部材に固定されたモータと、モータの回転軸に固定した偏心カムと、前記冷却ノズル側に固定された偏心カムに当接する当接部材と、偏心カムの回転による駆動時に前記冷却ノズルを芯金軸方向にガイドするガイドとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置。
  3. 前記揺動手段は、前記揺動手段を前記製造装置内に固定する揺動手段取り付け部材と、前記冷却ノズル側に固定された磁性体と、前記揺動手段取り付け部材上に前記磁性体を挟んで揺動ストローク離れた場所にそれぞれ固定した電磁石と、前記電磁石へ印加する電圧を切り換える電磁開閉器と、前記冷却ノズル揺動時に前記冷却ノズルを芯金軸方向にガイドするガイドとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置。
  4. 前記揺動手段は、熱可塑性樹脂被膜形成部材の形状、樹脂被覆層の種類等の変化に対応できるように、往復運動の振動数を調整可能な機能を有していることを特徴とする請求項2または3に記載の熱可塑性樹脂被膜形成部材の製造装置。
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