JP3958997B2 - 樹脂被覆ローラの製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置において、転写紙上の未定着像を定着するために用いられる表面の平滑な定着ローラに関し、また、表面が平滑な熱可塑性樹脂で被覆された樹脂被覆ローラ及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の電子写真方式の画像形成装置において用いられる加熱定着ローラの断面図及びその一部拡大図である。
図5は、樹脂被覆ローラの一例としての加熱定着ローラを示している。図5に示すように、従来の加熱定着ローラ4は、芯金3上にプライマ層2及び樹脂被覆層1を順次有している。前記樹脂被覆層1は、好ましくは、予め、プライマ層2を形成した芯金3に熱可塑性樹脂を被覆することにより形成される。このような熱可塑性樹脂としては、トナーに対する離型性、トナー定着温度(通常180〜200℃)での連続耐久性等が要求されるので、フッ素樹脂等の離型性樹脂が用いられている。前記フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレン共重合(PTFE)が用いられているが、最近では、テトラフルオロエチレン−ポリエチレンフルオロビニルエーレル共重合(PFA)の方が加工性がよいので、PFAが主に定着ロール用の離型層の材料として使用されている。
【0003】
このようなフッ素樹脂等の離型性樹脂で構成される樹脂被覆層1の表面は、トナーに対する離型性を有していなければならないので、十点平均粗さ(Rz):1〜3μm、及び、うねり:2〜4μm程度の平滑性が要求される。
【0004】
そこで、従来においては、加熱定着ローラ4の軸方向へ移動可能にすると共に、回転自在になるように構成した押圧ローラ(図示せず)を加熱定着ローラ4における樹脂被覆層1に押接し連れ回り回転させながら軸方向に移動して、樹脂被覆層1を押潰すことによって、樹脂被覆層1の表面の平滑性を向上させる方法(バニッシュ工法)が採用されていた。
【0005】
従来、このようなバニッシュ工法を適用して平滑な加熱定着ローラ4を製造するには、前記した押圧ローラに加える加圧力を20〜60kgfにする必要があった。加熱定着ローラ4における芯金3の肉厚が1〜2mm以上であれば、加熱定着ローラ4に前記20〜60kgfの加圧力を加えたとしても、加圧による加熱定着ローラ4の変形量は、芯金3の弾性変形範囲内にすることが可能であるので、何ら問題はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、加熱定着ローラ4の消費電力を低減する目的で、芯金3の肉厚を1mm未満に薄肉化すると、押圧ローラの加圧力によって、加熱定着ローラ4が塑性変形してしまうという問題があった。このような場合、押圧ローラの加圧力を小さくすることによって、加熱定着ローラ4の変形を抑制させることも可能であるが、押圧ローラの加圧力を小さくした場合、樹脂被覆層1の平滑性が加圧力に比例して低下してしまう、という問題があった。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、薄肉化した芯金表面の樹脂被覆層表面が平滑性に優れている樹脂被覆ローラの製造装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、前記樹脂被覆ローラの芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、
(イ)前記押し当て部材が、円柱形状に形成されているとともに、前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させるように構成され、そして、
(ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられている
ことを特徴とする樹脂被覆ローラの製造装置である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、前記樹脂被覆ローラの芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、
(イ)前記円柱形状の押し当て部材が、ローラ全長より幅狭であり、かつ、軸方向に曲率を有する形状であって、前記押し当て部材を前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させつつ、樹脂被覆ローラの軸方向に横送りさせるように構成され、そして、
(ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられている
ことを特徴とする樹脂被覆ローラの製造装置である。
【0010】
請求項3に記載された発明は、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、前記樹脂被覆ローラの芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、
(イ)前記押し当て部材が、円柱形状に形成されているとともに、前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させるようにしたものと、ローラ全長より幅狭であり、かつ、軸方向に曲率を有する形状であって、前記押し当て部材を前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させつつ、樹脂被覆ローラの軸方向に横送りさせるようにしたものと、で構成され、そして、
(ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられている
ことを特徴とする樹脂被覆ローラの製造装置である。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載された発明において、前記加熱部材が、前記円柱形状の押し当て部材を300℃〜400℃に熱するように構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載された発明において、前記加熱部材が、前記押し当て部材の回転軸の中空部内に設けた円柱形状の熱源で構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(A)は本発明に係る一実施形態の樹脂被覆ローラの製造装置を示す図、同図(B)はその製造装置に備える温度センサの配置例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、この樹脂被覆ローラの製造装置は、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラ11に押圧しながら樹脂被覆ローラ11の表面を平滑にする、樹脂被覆ローラ11の表面より表面粗さが小さい押し当て部材である平滑ローラ20と、樹脂被覆ローラ11の長さ方向に配置して樹脂被覆ローラ11に備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体である加熱ヒータ13とを備えている。
【0015】
前記樹脂被覆ローラ11の断面構造は、例えば図5に示した加熱定着ローラと同様である。また、樹脂被覆層が複数層あってもよく、この場合にも表面層が離型層であればよい。
【0016】
前記樹脂被覆ローラ11は、その芯金の両端が中空チャック12a、12bにより回転自在に支持されて回転駆動力が伝達される。
【0017】
前記加熱ヒータ13は樹脂被覆ローラ11の芯金の内部に設けられ、本実施形態では、2本の赤外線ヒータから構成されている。この2本の赤外線ヒータは各々の両端をヒータ支持体14,15で支持され、電極16を介して通電される。
【0018】
前記2本の赤外線ヒータのうち1本は、図4(A)に示すように、樹脂被覆ローラ11の軸方向の両端部の発光パワーが大きくなるように配光され、他の1本は、図4(B)に示すように、樹脂被覆ローラ11の軸方向の中央部の発光パワーが大きくなるように配光されている。このように配光された赤外線ヒータを用いているので、熱輻射の効率が良く、ローラの昇温時間を短縮することが可能になる。
【0019】
前記電極16には加熱ヒータ13へ供給する電力を適正値に制御する制御装置17を介して加熱ヒータ13に電力を供給するための電源18が接続されている。制御装置17は加熱ヒータ13の各々、即ち本実施形態では赤外線ヒータの各々を独立して制御することができる。
【0020】
また、樹脂被覆ローラ11の外周面の近くには、その軸方向両端部と中央部とにローラ表面温度を非接触で測定する温度センサ19が配置されている。
【0021】
樹脂被覆ローラ11にはその外周面に当接して樹脂被覆ローラ11より幅広の平滑ローラ20が配置され、この平滑ローラ20は平滑ローラ支持体22により回転自在に支持されている。そして、この平滑ローラ支持体22を介して平滑ローラ20に加圧力を与える加圧アクチュエータ24が設けられている。
【0022】
さらに、平滑ローラ20の中空部には平滑ローラ20の内面に接触しないように、好ましくは平滑ローラ20中心軸に沿って加熱ヒータ23、例えば赤外線ヒータが配置されている。この加熱ヒータ23はヒータ支持体21に支持され、加熱ヒータ23へ供給する電力を適正値、即ち平滑ローラ20の表面温度を所定の値に制御する制御装置26を介して加熱ヒータ23に電力を供給するための電源27が設けられている。
【0023】
前記平滑ローラ20の外周面の近傍には、図1(B)に示すように、温度センサ25が設けられている。この温度センサ25は温度センサ19に対応して軸方向に複数設けられていてもよい。
【0024】
以上の樹脂被覆ローラ11の製造装置によれば、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラ11に押圧しながら樹脂被覆ローラ11の表面を平滑にする、樹脂被覆ローラ11の表面より表面粗さが小さい押し当て部材である平滑ローラ20と、樹脂被覆ローラ11の長さ方向に配置して樹脂被覆ローラ11に備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体である加熱ヒータ13とを備えているので、樹脂被覆ローラ表面の樹脂被膜は、軟化または溶融された状態で表面平滑度が高い平滑ローラ20に密着して押圧され、平滑ローラ20の平滑な表面形状が樹脂被膜に転写される作用を及ぼすことで、薄肉化した芯金を用いて低消費電力化を達成することができるとともに、樹脂被覆ローラ11の表面が平滑化される。
【0025】
この樹脂被覆ローラ11の製造装置によれば、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラ11において、前記芯金の内部に挿入した熱源によって前記芯金の表面を均一に熱しつつ、前記樹脂被覆層の表面に、該表面より表面粗さが小さい平滑ローラ20を当接させることによって、樹脂被覆層の表面が平滑化されているので、薄肉化した芯金表面の樹脂被覆層の平滑性に優れている樹脂被覆ローラを得ることができる。また、樹脂被覆層の表面層を離型層とすることにより、消費電力を少なくするために薄肉化した芯金表面の離型層の平滑性に優れている加熱定着ローラを得ることができる。
【0026】
また、樹脂被覆ローラ11より幅広の平滑ローラ20を用いているので、芯金とローラ表面の離型層との間に弾性層を有する弾性定着ローラ表面の平滑化も可能である。
【0027】
また、熱源としてローラ軸方向に配光を有する赤外線ヒータを用いるようにしているので、熱輻射の効率が良く、樹脂被覆ローラの昇温時間を短縮することが可能になる。
【0028】
また、赤外線ヒータを複数本、本実施形態では2本備え、赤外線ヒータは各々独立して温度を制御する手段を備え、各々のヒータは、図4(A)、(B)に示すような配光分布を持つようにするとともに、独立した温度制御装置を用いて、供給電力を調整できるようにしてあるので、樹脂被覆ローラの軸方向の温度分布のムラ(通常、両端部の温度が中央に比べて低くなる)を抑制することが可能になる。
【0029】
図2は、本発明に係る他の一実施形態の樹脂被覆ローラの製造装置を示す図である。なお、本実施形態において、図1の実施形態と共通する部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0030】
図2に示すように、略円柱形状の押し当て部材である平滑ローラ32は、ローラ全長より幅狭であり、かつ、軸方向に曲率を有する形状とし、平滑ローラ32を樹脂被覆ローラ11と連れ周り回転させつつ、樹脂被覆ローラ11の軸方向に横送りさせるようにしてある。
【0031】
また、平滑ローラ32の回転軸を中空構造とし、該回転軸の片側を回転支持体31のベアリングを用いて回転自在に支持できるようにするとともに、反対側から、円筒形状の加熱ヒータ33を中空の回転軸内に加熱ヒータ支持体34を介して片持ちで支持している。
【0032】
また、平滑ローラ32は加圧アクチュエータ35により樹脂被覆ローラ11に加圧力を与えるように構成されている。この構成によれば、平滑ローラ32と樹脂被覆ローラ11との接触面積が小さい状態で、横送り加工することが可能になるので、様々の樹脂被覆ローラの形状、例えば逆クラウン形状等に対する適応範囲を大きくすることが可能になるという効果がある。
【0033】
図3は、本発明に係る他の一実施形態の樹脂被覆ローラの製造装置を示す図である。なお、図3では温度センサ及び制御系は図1の実施形態の温度センサ及び制御系と図2の実施形態の温度センサ及び制御系とを用いているので図示は省略した。
【0034】
図3に示すように、本実施形態の樹脂被覆ローラの製造装置は、図1に示した円柱形状の平滑ローラ20と、図2に示した幅狭の軸方向に曲率を有する平滑ローラ32とを両方備えるようにしてある。本実施形態の場合、設置効率を考慮して、両者が互いに対向するように配置した。そして、幅狭の平滑ローラ32を軸方向に横送りさせて加工するとともに、幅広の平滑ローラ20を送りなしで、広面積を一度で加工できるようにしてある。したがって、ローラの平滑力と加工速度を両立して性能を高める効果がある。また、高精度平滑加工性、汎用性及び生産効率を同時に達成することができる。
【0035】
以上において、押し当て部材としての平滑ローラ20,32を樹脂被覆ローラ11の表面温度より高い温度に加熱する加熱部材としての加熱ヒータ23,33を備えることにより、樹脂被膜ローラ11の表面の平滑性をより高めることが可能になる。とくに平滑ローラ20,32の温度を300〜400℃にした場合が、もっとも効果が高くなる。
【0036】
また、押し当て部材としての平滑ローラ20,32の回転軸を中空形状とし、該回転軸の中空部内に、円柱形状の熱源を設けることによって加熱するようにしてあるので、平滑ローラ20,32を回転自在にするとともに、ローラの加熱効率を高めることが可能になる効果がある。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載された発明によれば、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、前記樹脂被覆ローラの芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、(イ)前記押し当て部材が、円柱形状に形成されているとともに、前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させるように構成され、そして、(ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられているので、樹脂被覆ローラ表面の樹脂被膜は、軟化または溶融された状態で表面平滑度が高い平滑ローラに密着して押圧され、平滑ローラの平滑な表面形状が樹脂被膜に転写される作用を及ぼすことで、薄肉化した芯金を用いて低消費電力化を達成することができるとともに、樹脂被覆ローラの表面がいっそう平滑化されることとなる。
【0038】
請求項2に記載された発明によれば、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、前記樹脂被覆ローラの芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、(イ)前記円柱形状の押し当て部材が、ローラ全長より幅狭であり、かつ、軸方向に曲率を有する形状であって、前記押し当て部材を前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させつつ、樹脂被覆ローラの軸方向に横送りさせるように構成され、そして、(ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられているので、1)樹脂被覆ローラ表面の樹脂被膜は、軟化または溶融された状態で表面平滑度が高い平滑ローラに密着して押圧され、平滑ローラの平滑な表面形状が樹脂被膜に転写される作用を及ぼすことで、薄肉化した芯金を用いて低消費電力化を達成することができるとともに、樹脂被覆ローラの表面がいっそう平滑化されることとなり、しかも、2)平滑ローラと樹脂被覆ローラとの接触面積が小さい状態で、横送り加工することが可能になって、様々の樹脂被覆ローラの形状、例えば逆クラウン形状等に対する適応範囲を大きくすることが可能になる。
【0039】
請求項3に記載された発明によれば、中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、前記樹脂被覆ローラの芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、(イ)前記押し当て部材が、円柱形状に形成されているとともに、前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させるようにしたものと、ローラ全長より幅狭であり、かつ、軸方向に曲率を有する形状であって、前記押し当て部材を前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させつつ、樹脂被覆ローラの軸方向に横送りさせるようにしたものと、で構成され、そして、(ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられているので、1)樹脂被覆ローラ表面の樹脂被膜は、軟化または溶融された状態で表面平滑度が高い平滑ローラに密着して押圧され、平滑ローラの平滑な表面形状が樹脂被膜に転写される作用を及ぼすことで、薄肉化した芯金を用いて低消費電力化を達成することができるとともに、樹脂被覆ローラの表面がいっそう平滑化されることとなり、しかも、2)幅狭の平滑ローラを軸方向に横送りさせて加工するとともに、幅広の平滑ローラを送りなしで、広面積を一度で加工でき、それらのために、ローラの平滑力と加工速度を両立して性能を高めることができ、また、高精度平滑加工性、汎用性及び生産効率を同時に達成することができる。
【0040】
請求項4に記載された発明によれば、前記加熱部材が、前記円柱形状の押し当て部材を300℃〜400℃に熱するように構成されているので、樹脂被覆ローラの表面がもっとも効果的に平滑化されることとなる。
【0041】
請求項5に記載された発明によれば、前記加熱部材が、前記押し当て部材の回転軸の中空部内に設けた円柱形状の熱源で構成されているので、平滑ローラを回転自在にするとともに、ローラの加熱効率を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明に係る一実施形態の樹脂被覆ローラの製造装置を示す図、(B)はその製造装置に備える温度センサの配置例を示す図である。
【図2】 本発明に係る他の一実施形態の樹脂被覆ローラの製造装置を示す図である。
【図3】 本発明に係る他の一実施形態の樹脂被覆ローラの製造装置を示す図である。
【図4】 本発明に係る樹脂被覆ローラの製造装置に用いるヒータの発光パワーとローラの軸方向の位置との関係を示す図である。
【図5】 加熱定着ローラの断面図及びその一部拡大図である。
【符号の説明】
1 樹脂被覆層(離型層)
3 芯金
11 樹脂被覆ローラ(加熱定着ローラ)
12a、12b 中空チャック
13 加熱ヒータ
17 制御装置
18 電源
20 平滑ローラ
23 加熱ヒータ
24 加圧アクチュエータ
26 制御装置
27 電源
32 平滑ローラ
33 加熱ヒータ
35 加圧アクチュエータ

Claims (5)

  1. 中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、前記樹脂被覆ローラの芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、
    (イ)前記押し当て部材が、円柱形状に形成されているとともに、前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させるように構成され、そして、
    (ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられている
    ことを特徴とする樹脂被覆ローラの製造装置。
  2. 中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、前記樹脂被覆ローラの芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、
    (イ)前記円柱形状の押し当て部材が、ローラ全長より幅狭であり、かつ、軸方向に曲率を有する形状であって、前記押し当て部材を前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させつつ、樹脂被覆ローラの軸方向に横送りさせるように構成され、そして、
    (ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられている
    ことを特徴とする樹脂被覆ローラの製造装置。
  3. 中空円筒状の芯金上に少なくとも1層以上の樹脂被覆層を有する樹脂被覆ローラに押圧しながら該樹脂被覆ローラの表面を平滑にする、該樹脂被覆ローラ表面より表面粗さが小さい押し当て部材と、芯金の内部に挿入した状態で該樹脂被覆ローラの長さ方向に配置して該樹脂被覆ローラに備える樹脂被覆層の表面をその樹脂の軟化温度又は溶融温度より高い温度に加熱する発熱体と、を備えた樹脂被覆ローラの製造装置において、
    (イ)前記押し当て部材が、円柱形状に形成されているとともに、前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させるようにしたものと、ローラ全長より幅狭であり、かつ、軸方向に曲率を有する形状であって、前記押し当て部材を前記樹脂被覆ローラと連れ周り回転させつつ、樹脂被覆ローラの軸方向に横送りさせるようにしたものと、で構成され、そして、
    (ロ)前記円柱形状の押し当て部材を前記樹脂被覆ローラの表面温度より高い温度に加熱する加熱部材が、備えられている
    ことを特徴とする樹脂被覆ローラの製造装置。
  4. 前記加熱部材が、前記円柱形状の押し当て部材を300℃〜400℃に熱するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂被覆ローラの製造装置。
  5. 前記加熱部材が、前記押し当て部材の回転軸の中空部内に設けた円柱形状の熱源で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂被覆ローラの製造装置。
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JP4488192B2 (ja) * 2004-08-02 2010-06-23 株式会社リコー 樹脂被覆ローラ表面の平滑装置

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