JP2002206521A - 加熱ローラおよび加熱装置 - Google Patents

加熱ローラおよび加熱装置

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JP2002206521A
JP2002206521A JP2001003764A JP2001003764A JP2002206521A JP 2002206521 A JP2002206521 A JP 2002206521A JP 2001003764 A JP2001003764 A JP 2001003764A JP 2001003764 A JP2001003764 A JP 2001003764A JP 2002206521 A JP2002206521 A JP 2002206521A
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heating roller
roller
heating
intermediate region
thickness
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JP2001003764A
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Tetsunori Mitsuoka
徹典 光岡
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低熱容量化、とくに端部の強度向上および加
工の容易性を同時に実現できる加熱ローラを提供する。 【解決手段】 軸方向の両端部35a,35bと両端部35a,35b
に挟まれた中間領域35cの肉厚が異なる厚さに形成され
ている加熱ローラにおいて、内径Doが同一に形成さ
れ、中間領域35cの肉厚tcが両端部35a,35bの肉厚ts1,
ts2より薄く形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱ローラおよび
加熱装置に関し、さらに詳しくは、乾式電子写真機器
(複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置等)におけ
る定着装置、湿式電子写真機器における乾燥装置、イン
クジェットプリンタにおける乾燥装置、リライタブルメ
ディア用消去装置等で好適に使用される加熱ローラおよ
びそれを用いた加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば乾式電子写真方式の画像形成装
置における定着装置では、加熱ローラ、加熱ローラに被
加熱材である記録用紙を押圧する加圧ローラおよび加熱
ローラを加熱する加熱手段が設けられ、現像工程を経て
定着装置に送られてきた未定着像を有する用紙が、所定
の温度に加熱された加熱ローラと加圧ローラによって形
成された接触ニップ部を通過し、その間に用紙上の未定
着像が熱と圧力により用紙に定着される。
【0003】このような電子写真プロセスを用いた定着
装置においては、電源投入時あるいは待機状態からレデ
ィ(印字可能)状態となるまでの時間すなわち立ち上が
り時間の短縮や省エネルギ化が求められており、そのた
めの種々の提案がなされている。その1つとして、加熱
ローラを薄肉化して熱容量を低減させるものがある。
【0004】たとえば、特開平9−244448号公報
では、加熱ローラの外周面を鼓形状に形成することが提
案されており、ローラ端部の肉厚をt、ローラ両端部の
外径をD0、ローラ中央部の外径をD1とし、鼓量(=D
0−D1)をδとしたとき、t≦0.8(mm)でδ≧0.
1×t(mm)と規定されている。さらに、加熱ローラ
中央部からローラ端部にかけての肉厚をほぼ一定にする
ために、ローラ内周面をローラ外周面に倣った鼓形状に
することが提案されている。
【0005】また、特開平10−166100公報で
は、加熱ローラの外径を同一に形成し、中間領域の肉厚
が両端部分の肉厚より薄くなるように、両端部を内方に
厚みを増す厚肉とし、中間領域をそれより薄肉とするこ
とが提案されており、両端部の肉厚は0.5〜1.0m
m、中間領域の肉厚は0.2〜0.5mmと規定されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】外径が決められている
加熱ローラにおいて、立ち上がり時間を短縮するために
加熱ローラの熱容量を小さくするには、たとえば上記の
特開平9−244448公報等に示されているように、
加熱ローラの肉厚を薄くする必要があるが、そうする
と、加熱ローラの断面2次モーメントが小さくなって、
機械的強度が低下し、加熱ローラの断面変形、長手軸方
向の変形である曲げが大きくなる。また、玉軸受等で支
持される両端部の肉厚も薄くなるため、両端部の機械的
強度も低下して、両端部の断面変形も大きくなる。した
がって、そのような加熱ローラを電子写真方式の画像形
成装置における定着装置に用いた場合、曲げが大きくな
るために、安定した駆動ができず、記録用紙の搬送不良
や記録用紙上のトナー像の定着不良等の不具合が生じ
る。また、両端部の断面変形が大きくなることによっ
て、軸受等との間の摩擦抵抗が大きくなり、必要な駆動
トルクが増加する。さらに、加熱ローラの端部には、通
常、駆動用歯車の内周面に形成された動力伝達用の突起
がはまる切欠き等の係合部が形成されるが、端部の機械
的強度が低下することによって、剪断応力が大きくな
り、とくに係合部に変形や破損が生じる。
【0007】また、とくに、上記の特開平10−166
100公報のように、加熱ローラの両端部を厚肉にする
ために内径を段状にした場合、切削、研削等の通常の加
工では、加工が困難であり、特別な材料を用いて、とく
に両端部に曲げや絞り等の特別な加工を施すことが必要
となり、コストアップになる。
【0008】本発明の目的は、上記の問題を解決し、低
熱容量化、端部の強度向上および加工の容易性を同時に
実現できる加熱ローラおよび加熱装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
による加熱ローラは、軸方向の両端部と両端部に挟まれ
た中間領域の肉厚が異なる厚さに形成されている加熱ロ
ーラにおいて、内径が同一に形成され、中間領域の肉厚
が両端部の肉厚より薄く形成されていることを特徴とす
るものである。
【0010】加熱ローラの材料として、たとえば、鉄、
アルミニウム、銅、あるいはそれらの合金が用いられ
る。
【0011】通常、加熱ローラの軸方向両端部が玉軸受
等の軸受によって支持され、中間領域を記録用紙等の被
加熱材が通される。そして、加熱ローラには、被加熱材
を加熱ローラに押圧するための加圧ローラが圧接させら
れる。また、少なくともいずれか一方の端部に、駆動用
歯車との係合部が形成される。
【0012】中間領域の肉厚を両端部の肉厚に比べて薄
くすることにより、両端部を除く中間領域の熱容量を小
さくすることができ、その結果、加熱ローラ全体の熱容
量を小さくすることができる。両端部の肉厚を中間領域
の肉厚に比べて厚くすることにより、両端部の断面2次
モーメントを大きくして、強度を向上させることがで
き、その結果、加熱ローラ全体の強度を向上させること
ができる。
【0013】したがって、本発明の加熱ローラによれ
ば、加熱ローラの低熱容量化およびとくに端部の強度向
上を同時に実現することができる。
【0014】加熱ローラの両端部の強度が向上すること
により、両端部の断面変形が小さくなり、軸受等との間
の摩擦抵抗が小さくなり、必要な駆動トルクを小さくす
ることができる。また、端部の駆動用歯車等との係合部
に作用する剪断応力が小さくなり、係合部に変形や破損
を防止することができる。さらに、両端部の断面2次モ
ーメントが大きくなることにより、加熱ローラ全体の曲
げも小さくなる。
【0015】内径が全長にわたって一定であるから、特
殊な材料を使用する必要がなく、しかも、研削加工だけ
で外径を仕上げることができ、両端部に曲げや絞り等の
特別な加工を施す必要がない。研削加工は、加熱ローラ
の外径に合わせて予め砥石の形状を成形しておくことに
より、少ない工程で外径を仕上げることができ、加工が
容易である。このため、コスト低減が可能である。ま
た、上記のように、端部の強度が向上していて、断面変
形が小さいので、研削加工時の研削力による変形を少な
くすることができ、精度の高い加熱ローラを得ることが
できる。
【0016】したがって、本発明の加熱ローラによれ
ば、加熱ローラの低熱容量化およびとくに端部の強度向
上と同時に、加工の容易性および加工精度の向上を実現
することができる。
【0017】本発明の加熱ローラにおいて、たとえば、
軸方向の両端部の肉厚が0.5mm以下である。
【0018】両端部の肉厚は、主に加工上の観点から、
0.15mm以上が好ましい。また、中間領域の肉厚
は、たとえば、0.2mm以下である。
【0019】軸方向の両端部の肉厚を0.5mm以下と
し、中間領域の肉厚をそれよりも薄くすることにより、
両端部の強度をそれほど低下させることなく、加熱ロー
ラ全体の低熱容量をさらに小さくすることができる。
【0020】たとえば、鉄あるいはステンレス鋼を用い
て、端部の肉厚を0.5mm、中間領域の肉厚を0.2
mmとすると、両端部を除く大部分の領域の肉厚が0.
2mmであるので、加熱ローラ全体の熱容量をさらに小
さくすることができ、かつ両端部の肉厚は0.5mmで
あるから、ある程度の強度を確保することができる。
【0021】本発明の加熱ローラにおいて、たとえば、
軸方向の両端部の肉厚が0.3mm以下である。
【0022】両端部の肉厚は、主に加工上の観点から、
0.15mm以上が好ましい。また、中間領域の肉厚
は、たとえば、0.2mm以下である。
【0023】軸方向の両端部の肉厚を0.3mm以下と
し、中間領域の肉厚をそれよりも薄くすることにより、
両端部に必要な強度を確保して、加熱ローラ全体の低熱
容量をより一層小さくすることができる。
【0024】本発明の加熱ローラにおいて、たとえば、
中間領域の外周面形状が逆クラウン形状に形成されてい
る。
【0025】加熱ローラの中間領域の外周面形状を逆ク
ラウン形状にして、この中間領域の肉厚を両端部の肉厚
に比べて薄くすることにより、上記同様、加熱ローラの
低熱容量化および端部の強度向上を同時に実現すること
ができ、さらに、中間領域の外周面形状が逆クラウン形
状であることにより、前記のような定着装置に適用した
場合に、定着工程において被加熱材である記録用紙に発
生する皺をなくすことができ、安定した用紙搬送性と定
着性を実現することができる。
【0026】この場合、記録用紙は加圧ローラによって
加熱ローラの中間領域の外周面に押圧されるが、この中
間領域の外周面が逆クラウン形状であると、加熱ローラ
と加圧ローラの回転により、記録用紙にローラ端部方向
への引張力が付与されて、用紙端がローラ中央方向へ寄
ってしまうのが矯正され、皺の発生が防止される。
【0027】加熱ローラの外周面に逆クラウン形状を付
与する程度(以下「逆クラウン量」と呼ぶ)は、加熱ロ
ーラあるいは加圧ローラの構造、圧力条件等によって異
なるが、たとえば、加熱ローラの両端部が0.5mm以
下の薄肉の場合、0.05〜0.1mm程度が妥当であ
ると考えられる。あまり大きな逆クラウン量を付与する
と、中間領域の機械的強度が低下して、加圧ローラの圧
接によるたわみが大きくなりすぎ、用紙搬送性と定着性
に悪影響を及ぼすことがあり、さらには、機械的強度の
低下により、最悪の場合、加熱ローラが破損してしまう
ことがある。逆に、逆クラウン量が小さすぎると、逆ク
ラウン量を付与していても、記録用紙に必要な引張力を
与えることができず、安定した用紙搬送性と定着性を実
現することができない。
【0028】このように、中間領域の外周面形状を逆ク
ラウン形状にし、逆クラウン量を上記のような値にする
ことにより、低熱容量化および機械的強度の向上を同時
に実現することができ、さらに、安定した用紙搬送性と
定着性を実現することができる。
【0029】本発明の加熱ローラにおいて、たとえば、
軸方向の両端部と両端部に挟まれた中間領域との間を接
続する接続部の外周面形状が、テーパ形状である。
【0030】加熱ローラの両端部と中間領域との間の接
続部が、ローラ軸方向の1箇所において両者を接続する
ローラ軸線に垂直な環状面である場合、この接続部に両
端部と中間領域の外径差による突起が形成され、突起周
辺の凹部等に亀裂が発生することがある。
【0031】これに対し、上記のようにすると、両端部
と中間領域との間に生じる外径差がテーパ形状の接続部
で吸収されて、両者が緩やかな直線で接続されるため、
接続部に突起が形成されることがなく、したがって、接
続部に亀裂が発生することもない。また、加熱ローラに
加圧ローラが圧接させられる場合、テーパ形状の接続部
により、加圧ローラの軸方向の移動を規制することがで
きる。
【0032】このテーパ形状の接続部は、接続部を含む
加熱ローラの外径に合わせて予め砥石の形状を成形して
おくことにより、研削加工によって加熱ローラの外径を
仕上げる研削工程中に、両端部および中間領域と同時に
形成することができ、接続部を形成するための特別な加
工を行う必要がない。
【0033】本発明の加熱ローラにおいて、たとえば、
軸方向の両端部と両端部に挟まれた中間領域との間を接
続する接続部の外周面形状が、断面円弧形状である。
【0034】この場合も、上記同様、両端部と中間領域
との間に生じる外径差が断面円弧形状の接続部で吸収さ
れて、両者が緩やかな曲線で接続されるため、接続部に
突起が形成されることがなく、したがって、接続部に亀
裂が発生することもない。また、加熱ローラに加圧ロー
ラが圧接させられる場合、断面円弧形状の接続部によ
り、加圧ローラの軸方向の移動を規制することができ
る。
【0035】また、この断面円弧形状の接続部も、上記
同様、接続部を含む加熱ローラの外径に合わせて予め砥
石の形状を成形しておくことにより、研削加工によって
加熱ローラの外径を仕上げる研削工程中に、両端部およ
び中間領域と同時に形成することができ、接続部を形成
するための特別な加工を行う必要がない。
【0036】本発明による加熱装置は、上記のような加
熱ローラを備えていることを特徴とするものである。
【0037】上記のような加熱ローラを用いて加熱装置
を構成することにより、従来の加熱装置に比べて、加熱
ローラの低熱容量化を実現することができ、ウォームア
ップ時間を短縮でき、大幅な省エネルギを達成すること
ができる。さらに、加熱ローラの両端部の機械的強度を
中間領域に比べて高くできるので、駆動用歯車との係合
部等に変形や破損が生じることがなく、より高寿命の加
熱装置を得ることができる。また、たとえば、加熱ロー
ラの中間領域の外周面形状を逆クラウン形状に構成する
ことにより、安定した用紙搬送性と定着性を同時に実現
することができる。
【0038】本発明の加熱装置において、たとえば、加
熱ローラに圧接する加圧ローラを備えており、加圧ロー
ラの軸方向の長さが加熱ローラの中間領域と略同一の長
さに形成されている。
【0039】加熱装置を上記のような定着装置に用いた
場合、加熱ローラと加圧ローラの接触ニップ部を、表面
に未定着のトナー像が形成された記録用紙が両ローラに
挟圧された状態で搬送され、その間に、未定着のトナー
が溶融されて記録用紙上に定着される。
【0040】その場合、通常は、加熱ローラと加圧ロー
ラとは、組み付けを容易にし、熱膨張等に対する余裕を
持たせるために、軸方向にある程度相対移動できるよう
に配置される。このようにした場合、加熱ローラと加圧
ローラが互いに圧接して回転するときに、軸方向の位置
によって加圧力の不均衡が生じることがあり、それによ
り、両ローラ間に軸方向の一定方向にスラスト力が発生
し、加熱ローラに対して、加圧ローラが軸方向の一方に
偏った方向に移動してしまう。記録用紙の搬送性や定着
性の点からは、加熱ローラと加圧ローラは、ほぼ一定の
安定した位置で圧接して回転するのが望ましい。ところ
が、上記のように、加熱ローラに対して加圧ローラが一
方に偏った方向に移動してしまって、両ローラが安定し
た位置で圧接しないようになると、定着プロセス中に、
画像の変形や記録用紙の皺の発生等の不具合が生じるこ
とがある。これに対し、加圧ローラの軸方向の長さを加
熱ローラの中間領域と略同一の長さに形成すると、加熱
ローラと加圧ローラを上記のように軸方向に相対移動で
きるように構成しても、中間領域に比べて外径の大きい
両端部によって、加熱ローラに対する加圧ローラの移動
を規制することができる。このため、両ローラを常にほ
ぼ一定の安定した位置で圧接させることができ、定着プ
ロセス中の画像の変形や記録用紙の皺の発生を防止する
ことができる。
【0041】加熱ローラの両端部と中間領域との間の接
続部がどのような形状であっても、上記の効果が奏され
る。
【0042】接続部がローラ軸線に垂直な環状面である
場合、加圧ローラの長さを加熱ローラの中間領域の長さ
と等しいかこれよりわずかに短くして、加圧ローラの外
周面が加熱ローラの両端部に圧接しないようにするのが
望ましい。このようにすると、接続部の突起によって加
圧ローラが損傷を受けることがない。
【0043】しかし、接続部がテーパ形状である場合
等、接続部が加圧ローラを傷付けるおそれがない場合
は、加圧ローラの長さを加熱ローラの中間領域の長さよ
り長くして、加圧ローラの外周面を接続部あるいは両端
部にまで圧接させるようにしてもよい。このようにした
場合も、加熱ローラの両端部と中間領域の間の接続部に
よって、加熱ローラに対する加圧ローラの移動を規制す
ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
乾式電子写真方式の画像形成装置における定着装置に適
用した実施形態について説明する。
【0045】図1は、画像形成装置の主要部を示してい
る。
【0046】この画像形成装置は、4色の可視像形成ユ
ニット(10Y)(10M)(10C)(10B)が被加熱材である記録用紙
(P)の搬送路に沿って配列されたいわゆるタンデム式の
プリンタである。可視像形成ユニットは、符号(10)で総
称する。4組の可視像形成ユニット(10)は、用紙(P)の
供給トレイ(11)と定着装置(12)との間の記録用紙搬送手
段としての記録用紙搬送装置(13)に沿って配設されてい
る。そして、画像形成装置は、搬送装置(13)で搬送され
る用紙(P)に可視像形成ユニット(10)により各色トナー
を多重転写した後、これを定着装置(12)により定着し
て、フルカラー画像を形成する。
【0047】さらに詳しく説明すると、搬送装置(13)
は、前後1対の駆動ローラ(14)およびアイドルローラ(1
5)によって架張され所定の周速度(この例では134m
m/s)に制御されて回動する無端状搬送ベルト(16)を
備え、このベルト(16)上に用紙(P)を静電吸着させてト
レイ(11)から定着装置(12)に搬送する。各可視像形成ユ
ニット(10)は、感光体ドラム(17)の周囲に帯電ローラ(1
8)、レーザ光照射装置(19)、現像器(20)、転写ローラ(2
1)およびクリーナ(22)を備え、各ユニット(10)の現像器
(20)にはイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラ
ック(B)のトナーが収容されている。
【0048】各可視像形成ユニット(10)は、以下の工程
により、用紙(P)上にトナー画像を形成する。すなわ
ち、まず、感光体ドラム(17)の表面を帯電ローラ(18)で
一様に帯電した後、レーザ光照射装置(19)により感光体
ドラム(17)の表面を画像情報に応じてレーザ露光し、静
電潜像を形成する。その後、現像器(20)により感光体ド
ラム(17)上の静電潜像に対しトナー像を現像し、この顕
像化されたトナー像を、トナーとは逆極性のバイアス電
圧が印加された転写ローラ(21)により、搬送装置(13)に
より搬送される用紙(P)に順次転写する。定着装置(12)
の前方に1対の排出ローラ(23)(24)が設けられ、搬送ベ
ルト(16)と定着装置(12)との間および定着装置(12)と排
出ローラ(23)(24)との間に、用紙ガイド(25)(26)が設け
られている。転写の終了した用紙(P)は、駆動ローラ(1
4)の曲率により搬送ベルト(16)から剥離された後、ガイ
ド(25)を通って定着装置(12)に搬送される。定着装置(1
2)において、後に詳しく説明するように、定着が行わ
れ、定着の終了した用紙(P)はガイド(26)を通って排出
ローラ(23)(24)により排出される。
【0049】上記の画像形成装置における定着装置(12)
の第1の例が、図2に示されている。
【0050】この定着装置(12)は、ランプ加熱方式のも
のであり、加熱部材である加熱ローラ(定着ローラ)(3
0)、加熱ローラ(30)を加熱する加熱手段を構成するハロ
ゲンランプ(31)、加熱ローラ(30)の温度を検出する温度
検出手段を構成する温度センサ(32)、温度制御手段であ
る制御回路(33)、および加圧手段を構成する加圧ローラ
(34)を備えている。
【0051】ハロゲンランプ(31)は、たとえば、直径6
mmあるいは8mmのガラス管内にタングステンからな
るフィラメントとハロゲン系の不活性ガスが封入された
ものであり、定着ローラ(30)の内部に配置されている。
そして、制御回路(33)からハロゲンランプ(31)に通電す
ることにより、所定の発光分布でハロゲンランプのフィ
ラメントが発光し、フィラメントから赤外線が放射さ
れ、加熱ローラ(30)の内周面が加熱される。発熱量80
0Wのハロゲンランプあるいは1000Wのハロゲンラ
ンプを1本用いる場合、500Wのハロゲンランプと4
00Wのハロゲンランプを2本用いる場合等があるが、
これらに限定されず、所望の発光分布、発熱量を有する
ものを適宜選択して用いることができる。
【0052】加熱ローラ(30)は、ハロゲンランプ(31)に
より加熱されて、定着装置(12)の部分を移動している被
加熱材である記録用紙(P)を加熱するためのものであ
る。加熱ローラ(30)は、その本体である芯金(35)と、用
紙(P)からトナーがオフセット(付着)するのを防止す
るために芯金(35)の外周表面に形成された離型層(36)と
を備えている。
【0053】芯金(35)には、たとえば、鉄、STKM(J
IS)等の鉄鋼、SUS304(JIS)等の非磁性ステンレス
鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等
が用いられる。
【0054】離型層(36)には、PFA(テトラフルオロ
エチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共
重合体)やPTFE(ポリテロラフルオロエチレン)等
のフッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が適して
いる。
【0055】なお、この明細書において、芯金(35)の部
分の寸法をもって加熱ローラ(30)の寸法とする。
【0056】加圧ローラ(34)は、鉄、鉄鋼、ステンレス
鋼、アルミニウム等の芯金(37)の外周表面にシリコーン
ゴム等の耐熱弾性材層(38)を有するように構成されてい
る。加圧ローラ(34)の耐熱弾性材層(38)の表面には、加
熱ローラ(30)の場合と同様の離型層が形成されていても
よい。加圧ローラ(34)は、図示しないばね等の弾性部材
により加熱ローラ(30)にたとえば100Nの力で圧接さ
れ、これにより、加熱ローラ(30)との間に幅が約3.5
mm程度の接触ニップ部(S)が形成される。
【0057】なお、加圧ローラ(34)を加熱ローラ(30)に
圧接する場合の力は、上記に示す値に限定されるもので
はなく、ローラ対の構成や定着条件等によって適宜最適
な値に設定することができる。また、この圧接によって
生じる接触ニップ部(S)の幅についても、上記の値に限
定されるものではなく、適宜最適な値に設定することが
できる。接触ニップ部(S)の幅は、おおむね、2mmか
ら7mm程度の値に設定することが多い。
【0058】上記の定着装置(12)における加熱ローラ(3
0)の第1の例が、図3に示されている。
【0059】この例では、加熱ローラ(30)の芯金(35)の
内径は均一に形成され、同外径は両端部(35a)(35b)とそ
れらの間に挟まれた中間領域(35c)で異なる段付き状に
形成されている。各端部(35a)(35b)および中間領域(35
c)における外径は、それぞれ均一に形成されている。ま
た、両端部(35a)(35b)における肉厚は中間領域(35c)に
おける肉厚より厚く、したがって、各端部(35a)(35b)に
おける外径が中間領域(35c)における外径より大きくな
っている。各端部(35a)(35b)と中間領域(35c)とを接続
する接続部(35d)(35e)は、加熱ローラ(30)の軸線と直角
をなす環状面を有する段付き形状となっている。そし
て、芯金(35)の中間領域(35c)の外周表面に、離型層(3
6)が形成されている。また、駆動側の端部(35a)には、
図示しない駆動用歯車の内周面に形成された動力伝達用
の突起がはまる切欠き状の係合部(39)が形成されてい
る。
【0060】加圧ローラ(34)の耐熱弾性材層(38)の長さ
は加熱ローラ(30)の中間領域(35c)の長さより少し短
く、耐熱弾性材層(38)の外周面が中間領域(35c)の離型
層(36)の外周面に圧接し、これらの間を用紙(P)が通さ
れる。
【0061】次に、上記の加熱ローラ(30)の寸法につい
て、さらに詳細に説明する。
【0062】加熱ローラ(30)の各端部(35a)(35b)の外径
をそれぞれDs1、Ds2、中間領域(35c)の外径をDc、内
径をDo、各端部(35a)(35b)の肉厚をそれぞれts1、ts
2、中間領域(35c)の肉厚をtcとすると、Ds1、Ds2お
よびDcは次のように表される。
【0063】 Ds1=Do+2・ts1 Ds2=Do+2・ts2 Dc=Do+2・tc また、通常は、各端部(35a)(35b)の肉厚は互いに等し
く、したがって、各端部(35a)(35b)の外径も互いに等し
い。よって、次の式が成り立つ。
【0064】 Ds1=Ds2=Ds ts1=ts2=ts そして、tsおよびtcの間の関係、DsおよびDcの間の
関係については、次のように表される。
【0065】 ts>tc Ds>Dc 加熱ローラ(30)の寸法の1例を挙げると、次のとおりで
ある。
【0066】全長は347.8mm、両端部(35a)(35b)
の肉厚tsは0.5mm、中間領域(35c)の肉厚tcは
0.2mm、内径Doは39mm、両端部(35a)(35b)の
外径Dsは40mm、中間領域(35c)の外径Dcは39.
4mm、中間領域(35c)の長さは314.8mm、駆動
側の端部(35a)の長さは21.5mm、非駆動側の端部
(35b)の長さは11.5mmである。
【0067】たとえば、加圧ローラ(34)の芯金(37)は外
径10mmのステンレス鋼製であり、耐熱弾性体層(38)
は厚さ6.5mm(外径23mm)のシリコーンゴムを
金型に注入して成形したものである。また、たとえば、
加圧ローラ(34)の芯金(37)は外径20mmのステンレス
鋼製であり、耐熱弾性体層(38)は厚さ5mm(外径約3
0mm)のソリッドあるいはスポンジのシリコーンゴム
に膜厚50μmのPFAチューブを被覆したものであ
る。そして、上記の加熱ローラ(30)に対応する加圧ロー
ラ(34)の耐熱弾性体層(38)の長さは、たとえば、310
mmで、加熱ローラ(30)の中間領域(35c)の長さ(=3
14.8mm)より少し短い。
【0068】上記の定着装置(12)における加熱ローラ(3
0)の第2の例が図4に、第3の例が図5に、それぞれ示
されている。
【0069】第2および第3の例は、接続部(35d)(35e)
の外周面形状を除いて、第1の例と同じである。
【0070】第2の例の場合、図4に示すように、接続
部(35d)(35e)の外周面形状は、両端部(35a)(35b)の外径
と中間領域(35c)の外径をつなぐテーパ形状となってい
る。上記のように、両端部(35a)(35b)の外径Dsを40
mm、中間領域(35c)の外径Dcを39.4mmとした場
合、接続部(35d)(35e)の軸方向長さは、たとえば、1.
5mmである。
【0071】第3の例の場合、図5に示すように、接続
部(35d)(35e)の外周面形状は、両端部(35a)(35b)の外径
と中間領域(35c)の外径をつなぐ断面円弧形状となって
いる。
【0072】上記の定着装置(12)における加熱ローラ(3
0)の第4の例が、図6に示されている。
【0073】第4の例は、第1〜第3の例に対して、中
間領域(35c)の外周面形状が異なっている。
【0074】第4の例の場合、図6に示すように、中間
領域(35c)の外周面形状は、軸方向中央の外径に比べて
外側(両端側)の外径が大きい逆クラウン形状となって
いる。
【0075】次に、上記の加熱ローラ(30)の寸法につい
て、さらに詳細に説明する。
【0076】加熱ローラ(30)の各端部(35a)(35b)の外径
をそれぞれDs1、Ds2、中間領域(35c)の平均外径をDc
a、内径をDo、各端部(35a)(35b)の肉厚をそれぞれts
1、ts2、中間領域(35c)の平均肉厚をtcaとすると、D
s1、Ds2およびDcaは次のように表される。
【0077】 Ds1=Do+2・ts1 Ds2=Do+2・ts2 Dca=Do+2・tca また、通常は、各端部(35a)(35b)の肉厚は互いに等し
く、したがって、各端部(35a)(35b)の外径も互いに等し
い。よって、次の式が成り立つ。
【0078】 Ds1=Ds2=Ds ts1=ts2=ts 中間領域(35c)の中央の外径をDc1、肉厚をtc1とし、
中央領域(35c)の外側の外径をDc2、肉厚をtc2とする
と、Dc1およびDc2は次のように表される。
【0079】 Dc1=Do+2・tc1 Dc2=Do+2・tc2 そして、ts、tca、tc1およびtc2の関係、Ds、Dc
a、Dc1およびDc2の間の関係については、次のように
表される。
【0080】 ts>tc2>tca>tc1 Ds>Dc2>Dca>Dc1 加熱ローラ(30)の寸法の1例を挙げると、次のとおりで
ある。
【0081】全長は267.5mm、両端部(35a)(35b)
の肉厚tsは0.3mm、中間領域(35c)の平均肉厚tca
は0.2mm、内径Doは24.1mm、両端部(35a)(3
5b)の外径Dsは24.7mm、中間領域(35c)の平均外
径Dcaは24.5mm、中間領域(35c)の長さは229
mm、駆動側の端部(35a)の長さは21.5mm、非駆
動側の端部(35b)の長さは14mmである。
【0082】逆クラウン量を0.05mmとすると、中
間領域(35c)の外側の外径Dc2と中央の外径Dc1の差
(Dc2−Dc1)は0.05mmであるから、外側の肉厚
tc2と中央の肉厚tc1の差(tc2−tc1)は0.025
mmである。また、中間領域(35c)の平均肉厚tcaは、
tc1およびtc2を用いて、次のように表される。
【0083】tca=(tc1+tc2)/2 上記のように、tcaは0.2mmであるから、上記の関
係より、tc1は0.1875mm、tc2は0.2125
mmである。したがって、中間領域(35c)の中央の外径
Dc1および外側の外径Dc2は、次のようになる。
【0084】 Dc1=Do+2・tc1=24.475mm Dc2=Do+2・tc2=24.525mm このように、両端部(35a)(35b)の外径Ds(=24.7
mm)とこれに隣接する中間領域(35c)の外側の外径Dc
2(=24.525mm)との間には、直径で0.17
5mmの段差があるが、これらの間に接続部(35d)(35e)
が設けられ、この接続部(35d)(35e)の外周面形状は、前
記の第2の例と同様のテーパ形状となっている。接続部
(35d)(35e)の軸方向長さは、たとえば、1.5mmであ
る。
【0085】この場合、加圧ローラ(34)の外周面形状
を、加熱ローラ(30)の中間領域(35c)の外周面形状に対
応するクラウン形状としてもよい。
【0086】加熱ローラ(30)の芯金(35)の中間領域(35
c)の断面の詳細が、図7および図8に示されている。
【0087】図7は、鉄製ローラの場合の中間領域(35
c)の一部を拡大して示している。
【0088】この場合、芯金(35)の内周面に、腐食等を
防止するための表面処理層(40)が形成され、その内周面
に、ランプ(31)からの輻射熱を効率的に吸収する目的
で、耐熱吸熱層(41)が形成されている。たとえば、ST
KM(JIS)等の鉄系ローラの場合、防錆処理としてパー
カー処理を施すことにより、表面処理層(40)が形成され
る。耐熱吸熱層(41)は、たとえば、変性シリコーン樹
脂、無機耐熱黒顔料、炭化水素(溶剤)等を混合したも
のを塗布、乾燥したもので、膜厚20〜30μmに形成
されている。
【0089】芯金(35)の外周面に、上記同様の表面処理
層(42)が形成され、表面処理層(42)の外周面の離型層(3
6)を形成する部分に、表面処理層(42)と離型層(36)との
接着性を向上させる目的で、予めプライマ層(43)が形成
され、その外周面に離型層(36)が形成されている。プラ
イマ層(43)は、たとえば、シリコーン系接着剤あるいは
下地処理剤等で5μmの厚さに形成されている。離型層
(36)の膜厚は、たとえば20μmであるが、この値に限
定されるものではなく、適宜選択可能である。
【0090】図8は、アルミニウム製ローラの場合の中
間領域(35c)の一部を拡大して示している。
【0091】この場合、芯金(35)の内周面に、直接、上
記同様の耐熱吸熱層(41)が形成されている。また、芯金
(37)の外周面に、直接、上記同様のプライマ層(43)が形
成され、その外周面に離型層(36)が形成されている。
【0092】上記の定着装置(12)の動作は、次のとおり
である。
【0093】まず、ウォームアップ時において、制御回
路(33)からハロゲンランプ(31)に通電が開始され、これ
によりランプ(31)が発熱する。一方、制御回路(33)によ
る通電が開始すると同時に、加熱ローラ(30)が図示しな
い適宜な駆動手段によって回転駆動され、これにより、
加圧ローラ(34)が従動回転する。また、加熱ローラ(30)
の表面温度が温度センサ(32)によって常時検知され、加
熱ローラ(30)の表面温度が所定の温度に達すると、ウォ
ームアップが完了し、制御回路(33)によるランプ(31)へ
の通電が温度センサ(32)の温度検出値に基づくオン・オ
フ制御に切り替わり、加熱ローラ(30)の表面温度が所定
の温度に維持される。そして、このような状態で、前記
のように未定着トナー像が転写された記録用紙(P)が接
触ニップ部(S)に搬送され、加熱ローラ(30)の熱および
加圧ローラ(34)の圧力により、トナー像は溶融定着さ
れ、用紙(P)上に固定され、堅牢な画像となる。
【0094】定着装置(12)の第2の例が、図9に示され
ている。
【0095】この定着装置(12)は直接加熱方式のもので
あり、加熱手段として、第1の例のハロゲンランプ(31)
の代わりに、発熱シート(45)が加熱ローラ(44)の内周面
に設けられている。加熱ローラ(44)の芯金(35)および離
型層(36)は第1の例の場合と同様であり、芯金(35)の内
周面に発熱シート(45)が設けられている。したがって、
芯金(35)の内周面には、前記の図7あるいは図8におけ
る耐熱吸熱層(41)は設けられていない。
【0096】発熱シート(45)は、耐熱性絶縁体膜(46)
と、絶縁体膜(46)に設けられた抵抗体(発熱抵抗体)(4
7)とで構成されている。たとえば、絶縁体膜(46)の全面
に短形状の繰り返しパターンよりなる抵抗体(47)が形成
されたものが使用される。図示は省略したが、加熱ロー
ラ(44)の両端部には、発熱抵抗体(47)へ電流を供給する
ために電力を受電するリン青銅等の銅合金製の受電部材
が設けられており、制御回路(33)がこの受電部材を介し
て抵抗体(47)に電気的に接続されている。制御回路(33)
から受電部材を介して通電されることにより、抵抗体(4
7)が発熱し、加熱ローラ(44)が所定の温度に加熱され
る。
【0097】この例では、発熱シート(45)を用いている
が、芯金(37)の内周面に耐熱性絶縁体膜(46)を形成し、
その上に抵抗体(47)を形成し、レーザ等によってパター
ニングおよび抵抗値のトリミングを行うようにしてもよ
い。また、抵抗体(47)は、芯金(35)の内周面に限らず、
外周面に設けてもよい。抵抗体(47)のパターンは、短形
状の繰り返しパターンに限定されない。加熱ローラ(44)
を均一に加熱できるものであれば、他のパターンでもよ
い。
【0098】耐熱性絶縁体膜(46)の材料として、ポリイ
ミド樹脂からなるシートが一般に用いられるが、ポリイ
ミド樹脂以外にも、耐熱性のある絶縁体であれば、使用
できる。また、抵抗体(47)の材料としては、一般にステ
ンレス鋼が用いられるが、銅等、抵抗体として使用でき
るものであれば、他の材料でもよい。抵抗体(47)は、約
1000Wの発熱量を有している。抵抗体(47)の材料と
して、たとえば、以下に示すものが用いられる。
【0099】・銀パラジウム系や銀プラチナ系合金ある
いはこれらを主体とする金属ペースト状の発熱抵抗体 ・チタン酸バリウムを主体とする酸化物セラミック(P
TC(Positive Temperature Coefficient)ヒータとし
て商品化されている) ・炭化物(炭化珪素)や酸化物(ジルコニアZrO
アルミナAl)に金、銀、銅、白金、ニッケル、
アルミニウム等の導電物を含有させて焼成した導電性セ
ラミック ・酸化物(ジルコニアZrO、アルミナAl
にランタン、イットリウムなどの酸化物をドープ剤とし
て添加した半導体セラミック ・炭素繊維にポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、フ
ェノール樹脂等の耐熱性樹脂を所定の割合で含浸させた
0.01から0.5mm厚のプリプレグシートから加熱
成形したもの。
【0100】加圧ローラ(34)等、他の部分の構成は、第
1の例の場合と同じである。
【0101】第2の例の定着装置(12)の動作は、次のと
おりである。
【0102】まず、ウォームアップ時において、制御回
路(33)から抵抗体(47)に通電が開始され、これにより抵
抗体(47)が発熱する。一方、制御回路(33)による通電が
開始すると同時に、加熱ローラ(44)が図示しない適宜な
駆動手段によって回転駆動され、これにより、加圧ロー
ラ(34)が従動回転する。また、加熱ローラ(44)の表面温
度が温度センサ(32)によって常時検知され、加熱ローラ
(44)の表面温度が所定の温度に達すると、ウォームアッ
プが完了し、制御回路(33)による抵抗体(47)への通電が
温度センサ(32)の温度検出値に基づくオン・オフ制御に
切り替わり、加熱ローラ(44)の表面温度が所定の温度に
維持される。そして、このような状態で、前記のように
未定着トナー像が転写された記録用紙(P)が接触ニップ
部(S)に搬送され、加熱ローラ(44)の熱および加圧ロー
ラ(34)の圧力により、トナー像は溶融定着され、用紙
(P)上に固定され、堅牢な画像となる。
【0103】定着装置(12)の第3の例が、図10に示さ
れている。
【0104】この定着装置(12)は、誘導加熱方式のもの
であり、加熱部材である加熱ローラ(48)、磁界発生手段
である誘導コイル(49)、温度検出手段を構成する温度セ
ンサであるサーミスタ(50)、温度制御手段である励磁回
路(51)、および加圧手段を構成する加圧ローラ(34)を備
えている。
【0105】加熱ローラ(48)は、その本体である芯金(5
2)と、その外周表面に形成された離型層(36)とを備えて
いる。
【0106】加熱ローラ(48)は定着装置(12)の部分を移
動している用紙(P)を加熱するためのもので、誘導コイ
ル(49)からの変動磁界を受けて発熱するために少なくと
も1層の導電層を有するように構成されている。この例
では、芯金(52)の部分が導電層となっている。
【0107】導電層を構成する芯金(52)は、比透磁率の
大きいものが適しており、たとえば、鉄、STKM(JI
S)等の鉄鋼、SUS430(JIS)等の磁性ステンレス
鋼、ケイ素鋼板、電磁鋼板、ニッケル鋼等から構成され
るのが望ましい。また、比透磁率が低い材料であって
も、たとえばSUS304(JIS)等の非磁性ステンレス
鋼等の抵抗率の大きい材料は、渦電流発生時の発熱量が
大きいので、使用できる。あるいは、芯金(52)は、たと
えばセラミックス等の非磁性のベース部材に比透磁率の
高い前記材料が導電性を有するように配置されているよ
うな構成であってもよい。
【0108】芯金(52)の形状および離型層(36)は、上記
の2つの例の場合と同様である。なお、この場合も、芯
金(52)の内周面に、前記の図7あるいは図8における耐
熱吸熱層(41)を設ける必要がない。
【0109】誘導コイル(49)は、加熱ローラ(48)を渦電
流で発熱させるためのもので、全体として半円筒状に形
成されて、加熱ローラ(48)の上側の約半周の外周に沿う
ように配置されている。このように、誘導コイル(49)を
加熱ローラ(48)の外周に沿う曲率を持たせて配置する
と、誘導コイル(49)の中心側すなわち加熱ローラ(48)の
中心側に磁束が集中し、加熱ローラ(48)における渦電流
の発生量が多くなる。そして、加熱ローラ(48)の芯金(5
2)の材料を高透磁率のものにすると、さらに磁束が集中
し、加熱効率が改善される。
【0110】誘導コイル(49)には、たとえば、酸化膜等
の表面絶縁層が形成されたアルミニウム単線が使用され
る。しかし、銅線もしくは銅ベースの複合部材線であっ
てもよいし、エナメル線を撚り線にしたリッツ線であっ
てもよい。いずれの線材を使用しても、コイル(49)での
ジュール損を抑えるためには、コイル(49)の全抵抗値
は、0.5Ω以下、望ましくは0.1Ω以下である方が
よい。
【0111】誘導コイル(49)は、加熱ローラ(48)の長さ
方向に1つだけ配置されてもよいし、定着される用紙
(P)のサイズに応じて、複数個配置されてもよい。ま
た、上記の例では、誘導コイル(49)は加熱ローラ(48)の
外側に配置されているが、加熱ローラ(48)の内部に配置
されてもよい。
【0112】加圧ローラ(34)等、他の部分の構成は、上
記の2つの例の場合と同様である。
【0113】第3の例の定着装置(12)の動作は、次のと
おりである。
【0114】まず、ウォームアップ時において、励磁回
路(51)がオンとなり、誘導コイル(49)に交流電流が供給
される。これにより、コイル(49)が励磁され、加熱ロー
ラ(48)の芯金(52)に交流渦電流が誘起され、ジュール熱
により発熱する。このときの発熱量は、たとえば約10
00Wである。一方、励磁回路(51)による通電が開始す
ると同時に、加熱ローラ(48)が図示しない適宜な駆動手
段によって回転駆動され、これにより、加圧ローラ(34)
が従動回転する。また、加熱ローラ(48)の表面温度がサ
ーミスタ(50)によって常時検知され、加熱ローラ(48)の
表面温度が所定の温度(この例では、190℃)に達す
ると、ウォームアップが完了し、励磁回路(51)によるコ
イル(49)への通電がサーミスタ(50)の温度検出値に基づ
くオン・オフ制御に切り替わり、加熱ローラ(48)の表面
温度が所定の温度に維持される。そして、このような状
態で、前記のように未定着トナー像が転写された記録用
紙(P)が接触ニップ部(S)に搬送され、加熱ローラ(48)の
熱および加圧ローラ(34)の圧力により、トナー像は溶融
定着され、用紙(P)上に固定され、堅牢な画像となる。
【0115】なお、温度制御は、上記のようなオン・オ
フ制御に限らず、たとえば位相制御、サイクル制御等、
他の方式を用いることもできる。
【0116】上記の例では、画像形成装置はカラー画像
形成装置であるが、これに限らず、単一色のトナー画像
を形成するモノクロ画像形成装置にも適用できる。
【0117】また、本発明による加熱ローラおよび加熱
装置は、上記のような乾式電子写真方式の画像形成装置
における定着装置に限らず、たとえば湿式電子写真機器
における乾燥装置、インクジェットプリンタにおける乾
燥装置、リライタブルメディア用消去装置の加熱装置に
も適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるカラーレーザプリ
ンタの主要部の構成を示す概略構成図である。
【図2】図2は、図1における定着装置の第1の例を示
す構成図である。
【図3】図3は、加熱ローラの第1の例を示す縦断面図
である。
【図4】図4は、加熱ローラの第2の例を示す縦断面図
である。
【図5】図5は、加熱ローラの第3の例を示す縦断面図
である。
【図6】図6は、加熱ローラの第4の例を示す縦断面図
である。
【図7】図7は、加熱ローラの中間部の1例の横断面の
一部を示す拡大断面図である。
【図8】図8は、加熱ローラの中間部の他の1例の横断
面の一部を示す拡大断面図である。
【図9】図9は、定着装置の第2の例を示す構成図であ
る。
【図10】図10は、定着装置の第3の例を示す構成図
である。
【符号の説明】
(12) 定着装置 (30) 加熱ローラ (34) 加圧ローラ (35) 芯金 (35a)(35b) 端部 (35c) 中間領域 (35d)(35e) 接続部 (48) 加熱ローラ (52) 芯金
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA30 AA31 BB03 BB05 BB06 BB13 BB30 3J103 AA02 AA62 AA72 AA74 BA05 FA01 FA02 FA15 GA02 GA57 GA58 3K058 AA01 AA81 BA18 DA25 3K059 AB19 AD40 CD52

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向の両端部と両端部に挟まれた中間領
    域の肉厚が異なる厚さに形成されている加熱ローラにお
    いて、 内径が同一に形成され、中間領域の肉厚が両端部の肉厚
    より薄く形成されていることを特徴とする加熱ローラ。
  2. 【請求項2】軸方向の両端部の肉厚が0.5mm以下で
    あることを特徴とする請求項1の加熱ローラ。
  3. 【請求項3】軸方向の両端部の肉厚が0.3mm以下で
    あることを特徴とする請求項1の加熱ローラ。
  4. 【請求項4】中間領域の外周面形状が逆クラウン形状に
    形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項の加熱ローラ。
  5. 【請求項5】軸方向の両端部と両端部に挟まれた中間領
    域との間を接続する接続部の外周面形状が、テーパ形状
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の
    加熱ローラ。
  6. 【請求項6】軸方向の両端部と両端部に挟まれた中間領
    域との間を接続する接続部の外周面形状が、断面円弧形
    状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    の加熱ローラ。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項の加熱ローラ
    を備えていることを特徴とする加熱装置。
  8. 【請求項8】加熱ローラに圧接する加圧ローラを備えて
    おり、加圧ローラの軸方向の長さが加熱ローラの中間領
    域と略同一の長さに形成されていることを特徴とする請
    求項7の加熱装置。
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