JP2006124846A - 模様付けされた乾式不織布及びこの乾式不織布を用いたウエットペーパー - Google Patents

模様付けされた乾式不織布及びこの乾式不織布を用いたウエットペーパー Download PDF

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Abstract

【課題】濡れたときに半透明模様が浮き出るセルロース系繊維と熱融着合成繊維との乾式混抄不織布及びこれを用いたウエットティッシュ、ウエットタオル、濡れおしぼりなどのウエットペーパーを提供すること。
【解決手段】セルロース系繊維と熱融着合成繊維との乾式混抄不織布3に、凸状の模様を有する熱ロール1及び平滑熱ロール2間を通して熱エンボス加工を施す。このとき、加熱、加圧条件を制御して熱エンボス加工を施すことにより、熱エンボス加工部の繊維間に毛細管現象が起こる微細孔を形成する。この模様の付された不織布に水を含ませることにより、熱エンボス加工領域は、水を吸水して半透明状態を呈し、一方非エンボス加工領域は白色のままであり、模様が浮き出る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウエットティッシュ、ウエットタオル、濡れおしぼりなどのウエットペーパーに好適に用いられる模様付けされた乾式混抄不織布、及びこの模様付けされた乾式混抄不織布を用いて製造された半透明模様が形成されるウエットティッシュ、ウエットタオル、濡れおしぼりなどのウエットペーパーに関する。
最近では、ホテル、レストラン、喫茶店等において、布製おしぼりに代わって、不織布などで作られた使い捨てのおしぼりが業務用として広く用いられている。業務用の使い捨ておしぼりとしては、(1)パルプ不織布などの乾式不織布に熱エンボス加工したもの(例えば、特許文献1参照)、(2)ティッシュ2枚の間にポリエチレンフィルムを挟んで熱エンボスしたもの(例えば、特許文献2参照)、(3)ティッシュと乾式不織布を重ねて熱エンボス加工したもの(例えば、特許文献3参照)などが知られている。
特開平5−98594号公報 特開昭49−13446号公報 特開昭60−155797号公報
使い捨ておしぼりに用いられる原紙に要求される品質特性としては、湿紙強度、手肉感、柔軟性、吸水性等を挙げることができる。特に、手肉感を出すためには、紙おしぼりなどは嵩高とされる必要があり、そのため2本の凹凸エンボスロールを用いての熱エンボス加工が行われるのが一般的である。原紙については、コスト的には、上記(2)がもっとも安いため、使用量が多いが、(1)の乾式不織布を用いたおしぼりは、コスト的には高いものの、布製おしぼりの特性により近いことから、高級品として需要がある。また、家庭においては、乳幼児の排泄物、食卓上の食べこぼし等の水分を含んだ汚れの拭き取りや、手拭きに用いられる不織布で形成されたウエットティッシュやウエットタオルが広く用いられている。
一般にウエットペーパーに用いられる不織布の材料としては、紙、パルプ、綿などの天然セルロース繊維、キュプラ、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等の再生セルロース繊維、その他合成繊維が用いられている。コストの面では天然のセルロ−ス繊維は有利であるが、合成繊維に比べると湿潤強度が低く、柔軟性に欠ける点で不利である。湿潤強度を向上させるために薬品を添加すると柔軟性は更に低下する。従って原材料としては、セルロ−ス繊維と合成繊維とを適宜組み合わせて、湿潤強度、柔軟性などの品質とコストとのバランスが取られているのが現状である。他方、嵩高の乾式不織布では、凹凸エンボス加工を施すことなく、平らな表面のままで濡れおしぼりなどとして利用されることが一般的である。これらウエットペーパー原紙として用いられる嵩高の不織布は、繊維を空中に分散させてマットを形成し、これをバインダーにより結着させる方法など適宜の方法により製造されている。また、紙力の増強などを目的として、セルロース系繊維と合成繊維を混抄し、配合された合成繊維の熱溶融特性を利用してバインダーによることなく、あるいは必要であれば更にバインダーをも用いて繊維を結着させる乾式不織布も知られているが、この不織布は従来の不織布よりコスト的に高いという問題がある。
このように、従来の濡れおしぼり、ウエットティッシュ、ウエットタオルなどのウエットペーパーは、種々の原紙を用いて製造されているものの、何れのものも、乾いた状態でも濡れた状態でも全体が均一な白色状を呈するものが一般的である。使い捨ておしぼり、特に紙おしぼりにおいては、手肉感を出すために、必要に応じ原紙全体に均一な凹凸エンボス加工を施すことも行われているが、任意の形をした模様などを入れることは通常行われていないし、例え熱エンボス加工により模様を付したとしても、従来のウエットペーパー原紙においては、通常乾いた状態及び濡れた状態の何れにおいても全体は同じ白色状のままである。このため、紙おしぼりに付された模様の視認は、表面の風合いの違い、あるいは凹凸に基づく影の有無などによりなされるもので、付された模様は視認しづらく、使用者の注意がおしぼりの模様に向けられることはほとんどない。ウエットペーパーに簡単な製法により、適度の湿潤状態、例えば使い捨ておしぼりが濡らされている程度の湿潤状態で容易に視認することのできる模様を入れることができれば、広告媒体としての利用効果や意匠性に富んだウエットペーパーを安価に製造することが可能となり、ウエットペーパーに高い付加価値をつけることができ、高品質でもコスト的に高い原紙をもウエットペーパーに利用できることから、ウエットペーパーの利用が一層促進されるという効果が期待できる。
本発明は、このような要望に対応するべくなされたもので、適度の湿潤状態にある場合、容易に視認することのできる模様、例えば企業名、商品名などのロゴマーク、花模様、幾何学的な模様などが、おしぼりなどの原紙の白色を背景に透かし部として浮き出て見える模様入りのウエットティッシュ、ウエットタオル、濡れおしぼりなどのウエットペーパー及びこのようなウエットペーパーを形成する際に好適に用いられる、模様が付された不織布を提供することを目的とするものである。
本発明者は、鋭意検討、研究を重ねた結果、セルロース系繊維と熱融着合成繊維との乾式混抄不織布を、希望する模様を有する熱ロールを用いて、エンボス加工部に毛細管現象が起こる程度の微細な孔、すなわち繊維間の隙間が形成されるような適度の加熱及び加圧条件で熱エンボス加工を行うと、乾燥時には全面白色であるので模様の視認は難しいが、不織布を濡らしたとき、この微細な孔に水が満たされることによりエンボス加工部が半透明となり、他方、周りは白色のままであるため、エンボス加工部の半透明部が浮き出して見え、エンボス加工部が模様として容易に視認できることを見出した。また、この模様付けにより、このような模様を付さないものに比べ強度の改善を図ることができることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、セルロース系繊維と熱融着合成繊維とを含む乾式混抄不織布において、前記繊維間に毛細管現象が起こる微細孔が熱エンボス加工により面状に形成されていることを特徴とする乾式混抄不織布である。
また、本発明は、繊維間に毛細管現象が起こる微細孔が熱エンボス加工により面状に形成された、セルロース系繊維と熱融着合成繊維とを含む乾式混抄不織布に、水が含浸されてなることを特徴とするウエットペーパーである。
また、本発明は、上記乾式混抄不織布あるいはウエットペーパーにおいて、セルロース系繊維がパルプであることを特徴とするものである。
また、本発明は、上記乾式混抄不織布あるいはウエットペーパーにおいて、熱融着合成繊維がポリエステル繊維であることを特徴とするものである。
また、本発明は、上記ウエットペーパーにおいて、ウエットペーパーがおしぼりであることを特徴とするものである。
また、本発明は、上記ウエットペーパーにおいて、ウエットペーパーがウエットティッシュであることを特徴とするものである。
また、本発明は、上記ウエットペーパーにおいて、ウエットペーパーがウエットタオルであることを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明においては、不織布として、セルロース系繊維と熱融着合成繊維との乾式混抄不織布が用いられる。セルロース系繊維としては、従来不織布を製造する際に用いられているセルロース系繊維のいずれをも用いることができ、要求される吸水性、紙の強度などに応じ適宜のものを採用すればよい。セルロース系繊維の例としては、コットン、パルプ、麻等の天然セルロース繊維や、レーヨン繊維、テンセル繊維、キュプラ等の再生セルロース繊維を挙げることができる。これらのセルロース系繊維は1種又は2種以上を用いることができる。これらのセルロース系繊維のうち、不織布の肌触りの向上の点からコットン、レーヨン繊維、パルプ又はテンセル繊維を用いることが好ましいが、模様を付与する観点からはパルプが好ましい。
本発明の乾式混抄不織布において好ましく用いられるパルプは、通常紙を抄紙する際に用いられているセルロースパルプの何れであってもよく、例えば、針葉樹、広葉樹などの木材繊維、マニラ麻、ケナフ、バガスなどの非木材繊維、レーヨンなどの再生繊維等が挙げられる。セルロース繊維のパルプ化には、クラフトパルプ法、亜硫酸パルプ法等の化学パルプ法、セミ化学パルプ法、機械パルプ法などが知られているが、何れの方法によるものでもよい。またセルロース系繊維は通常採用される方法で、晒したまたは半晒したもの、あるいは未晒しのものが採用でき、これらは単独で用いられてもよいし、二種以上が併用されてもよい。
一方、本発明の乾式混抄不織布を構成する熱融着合成繊維は、不織布の製造方法に応じて長繊維連続フィラメント或いは短繊維ステープルファイバー(繊維長20〜51mm)の形態で用いられる。該熱融着繊維の繊度は、得られる不織布の風合い等に応じて適宜選択され、例えば1.0〜3.0デニール程度のものが用いられる。上記熱融着合成繊維としては、不織布の製造過程において溶融・融着が可能な熱可塑性繊維であればよく、ポリエステル、ビニロン、ナイロンなどの単体繊維、あるいは芯がポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエステルで、鞘がポリエステル、エチレン・酢ビのような所謂芯−鞘型の複合繊維などを単独で用いてもよいし、あるいはこれらの二種以上を併用してもよい。熱融着合成繊維を乾式混抄すると、加熱により合成繊維が溶融軟化され、合成繊維がセルロース系繊維、例えばパルプと点接着され、これによって嵩高の不織布が形成されるとともに紙力が向上する。そして合成繊維の溶融軟化によりセルロース系繊維は互いに接合されているため、吸水した場合においても不織布の一部が剥がれることはない。
セルロース系繊維、例えばパルプなどと熱融着合成繊維の配合比率は、吸水性、強度、及び熱エンボス加工により付された模様の良好な浮き出し性、更にはエンボス加工性、エンボスによる模様の保持性、不織布の形成性などを勘案して、適宜の比率とすればよい。例えば、セルロース系繊維と熱融着合成繊維は、セルロース系繊維が50〜90重量%、好ましくは70〜80重量%、熱融着合成繊維が50〜10重量%、好ましくは30〜20重量%とされるのが一般である。熱融着合成繊維の配合率が10重量%未満では、例えばおしぼりとしての紙力が不足し、一方、50重量%より多いと例えばおしぼりとしての柔軟性が失われる上、コストの増加を招くので適していない。この比率は、ウエットティッシュ、ウエットタオルなどの他のウエットペーパーの場合においても同様である。
本発明においては、熱エンボスによる模様付け加工が施される前の不織布原紙には、柔軟性を補助する目的でウェットクレープ処理或いはドライクレープ処理を必要に応じて施してもよい。
本発明の不織布原紙には、不織布の強度あるいは風合いを高める目的で、上記熱融着繊維以外の熱可塑性繊維(即ち、不織布の製造過程において付与される熱によっては溶融・融着しない熱可塑性繊維)を含有させてもよい。斯かる熱可塑性繊維としては、例えば高融点を有するポリエステル繊維(PET繊維等)、アクリル繊維等が挙げられる。該熱可塑性繊維は、不織布の製造方法に応じて長繊維連続フィラメント或いは短繊維ステープルファイバー(繊維長20〜51mm)の形態で用いられる。該熱可塑性繊維の繊度は、得られる不織布の風合い等に応じて適宜選択され、好ましくは1.0〜3.0デニール、更に好ましくは1.3〜1.5デニールのものが用いられる。該熱可塑性繊維の含有量は、得られる不織布の強度の向上と、肌触りの低下防止とのバランスから、不織布の重量に基づき1〜10重量%であることが好ましく、8〜10重量%であることが更に好ましい。本発明の不織布原紙としては、例えば、商品名FAジェイソフト(ハビックス(株))が好ましいものとして挙げられる。
本発明においては、熱エンボスロールなどを用いて不織布原紙を加熱、加圧することにより原紙を適度に押し潰し、毛細管現象が起こる微細孔を有する領域を面状に形成し、この熱エンボス加工領域あるいは該加工領域の組み合わせにより模様が形成される。面の大きさは、加工領域が水を含み半透明状態となったときに、目視により明確に視認できる大きさであればよく、形状は円形でも、線状でも、その他の任意の形状のものでもよい。例えば模様を形成する熱エンボス加工領域が円形の場合、エンボス部の直径が1〜2ミリ程度以上あることが好ましい。
不織布への模様付けのための熱エンボス加工を、図1を参照して簡単に説明すると、所望の文字、ロゴ、模様などの凸模様を有する熱ロール1と、平滑な熱ロール2との間に、不織布原反3が送り込まれ、ロール対向部において熱エンボス加工が行われる。図1におけるエンボスロールは、凸模様を有するロールと平滑ロールとの組み合わせからなっているが、本発明における熱エンボス加工の態様はこれに限られるものではない。例えば、互いの凸模様がロール対向部において重なり合うように形成した二本の凸模様ロールを用い、この二本のロール間に不織布原反を送り込み、不織布を加熱、加圧するようにしてもよい。またロール状でなく、平板状の型を用いてもよい。図2に熱エンボス加工された不織布の平面部分図を示す。図2においては、小さな丸い点から構成される2方向の斜め斜線からなるエンボス加工領域5と花弁模様のエンボス加工領域6からなる複合模様が付されている。図2は、単に模様の一例を示すものにすぎず、エンボス加工ロールの模様を変えることにより、任意の模様を不織布に付すことができる。
本発明においては、熱エンボス加工の際に、不織布のエンボス加工部に毛細管現象が起こる大きさの微細孔、すなわち隙間が繊維間に形成されることが必要であり、このため加熱温度やロール間隙(エンボス部の隙間)、通紙速度をこのような微細孔が形成されるような制御された条件で行うことが必要である。この加熱温度及び加熱圧力は、不織布に用いられるセルロース系繊維、熱融着合成繊維などの種類や配合量、原紙の厚みなど種々の条件によっても異なる。例えば、セルロース系繊維としてパルプを用い、熱溶融性合成繊維として溶融温度が130℃程度のポリエステル繊維あるいは芯が溶融温度160℃程度のポリプロピレン、鞘が溶融温度130℃程度のポリエステルの芯−鞘構造を有する繊維を繊維全体の30%程度用い用いた1mm厚程度の厚みを有する不織布が用いられる場合には、例えば、150〜170℃程度の加熱温度、0.2〜0.3mm程度の熱エンボス部のロール間隙、20〜60m/分程度の送り速度で模様付けのためのエンボス加工を行えばよい。しかし、これは単なる例示にすぎず、使用する材料、不織布の厚み、坪量など種々の条件により変わるため、エンボス条件が前記のものに限られるものではない。例えば、熱溶融樹脂の溶融温度が低いものであれば、送り速度を早くすることもできるし、不織布の厚み、坪量によっては、ロール間隙を大きくしても小さくしてもよい。要するに、模様付けのための熱エンボス加工条件は、熱エンボス加工の際に、不織布のエンボス加工部に毛細管現象が起こる大きさの微細孔、すなわち隙間が繊維間に形成される条件であればよいのである。
このようにして、エンボス加工により不織布の密度を高め、不織布を形成する繊維間に毛細管現象が起こる大きさの微細孔を形成すると、エンボス加工された不織布に水が含浸された場合、図3に示されるように、微細孔が形成されたエンボス加工部は毛細管現象により水が繊維間の微細孔を満たし、これにより半透明部7を形成する。一方、セルロース系繊維と熱融着合成繊維とを含む熱乾式不織布の非エンボス部は、毛細管現象が膜平面方向にはほとんど起こらないことから、ある程度の水分量以下であれば白色のままであり、白色非透明部8となる。
模様の浮き出しを、おしぼりを例として説明すると、不織布で形成された使い捨ておしぼりは、通常不織布の重さの500%程度の水分が含有されている。不織布がこのような含水量とされている場合、エンボス加工によりつぶされた不織布の部分5、6、7には毛細管現象により繊維間に水が入り込み、繊維間の微細空孔を満たす。これによりエンボス加工部は半透明となるのに対し、非エンボス部は毛細管現象が生じないことから、繊維間が水により完全に充填された状態とはされず、白色のままである。このため、不織布本来の白色の地色を背景に、半透明模様が明確に浮き出て見える。例えば、濡れおしぼりの模様を企業名などにすれば、使用前には企業名がおしぼりに浮き出て見え、宣伝効果が得られるし、また花模様や幾何学模様などの繰り返し模様が付されていれば、審美的な効果、あるいは高級おしぼり感を使用している人に与えることができる。なお、不織布が不織布の重さに対し500%前後の水を含む場合には、原紙の種類によっては、非エンボス部が完全な白色状態ではなく幾分半透明となり、模様が幾分ではあるがボケた状態で見えることもある。しかし、このような場合でも、おしぼりを袋から取り出し、手などを拭いて、例えば水分含量が300%程度になると、模様がはっきりと浮かび上がってくる。いずれの場合でも、さらにおしぼりから水分が蒸発すると、今まで半透明であった模様部からも水分が蒸発することにより、エンボス加工部も白色となり、最終的には半透明模様が消える。このため、おしぼりの使用中に模様が現れたり、消えたりすることから、おしぼりを使用している人に、意外感が与えることができ、模様の強い印象を与えることができる。
さらに、不織布の含水量をふやしていくと、非エンボス部も水で完全に湿潤された状態となるため、おしぼり全体が半透明となる。しかし、このように全体が半透明状態となった本発明の模様が付されたおしぼりは、最初はおしぼり全体が半透明であるものの、使用しているうちにおしぼりから水分がなくなり、前記したようにしだいに非エンボス部は白色不透明となるのに対し、エンボス加工部は半透明状態で保持されたままとなる。このため、このような場合においても、使用しているうちに、おしぼりに模様が浮き出してくる。
これまでおしぼりを例に挙げて本発明の模様入りの不織布の使用態様を述べたが、これらは、ウエットペーパーがウエットティッシュあるいはウエットタオルの態様で用いられる際にも同様である。
さらに、ペーパータオルのように、乾いた状態で不織布を用い、乾いた不織布により水に濡れた手などをふくと、不織布に半透明の模様が浮き出してくるという効果も期待できる。このような効果を利用する他の例としては、例えばペットシーツなどが挙げられる。ロゴマークなどの模様が付された本発明の乾式混抄不織布を用いると、シーツが濡れると直ちにロゴマークが現れるので、シーツの取替えを遅滞なく行うことができるという効果が得られる。
また、本発明の模様入り不織布においては、加工部は密度が高くなっているため、毛細管現象が横方向に働き、乾式混抄不織布の特徴である、縦吸収によるフィルター効果に加えて、全面均等吸水が可能となる。この特性は、ウエットタオルなどにおいて、薬剤を均等に含ませる際に有効である。
本発明において用いられるセルロース系繊維と熱融着合成繊維との乾式混抄不織布において、バインダーが用いられていない場合には、熱融着合成繊維によるセルロース系繊維の軽い融着しかなされていない。このため、乾式混抄不織布は、従来強度が出ないという問題を有していた。しかし、加工部を図2に示すように、線又はパターンでつなぐことにより、強い融着部が形成され、乾式混抄不織布全体の強度が増すという効果も得られる。
本発明の模様入り乾式混抄不織布を濡れおしぼり、ウエットティッシュ、ウエットタオルなどのウエットペーパーとして用いる際には、湿潤液には従来と同様、香料、殺菌剤、抗菌剤などの薬液を含ませることができる。また、濡れおしぼり、ウエットティッシュ、ウエットタオルなどの製造は、従来と同様に行なえばよい。例えば、濡れおしぼりの製造は、乾式混抄不織布原紙に熱エンボス加工により模様の型付けを行った後、折り畳み、さらに薬液の入った水シャワーをかけ、カッターにて所定の大きさに切断し、丸折りではロール状とし、平折りでは更に二つ折りにしてフイルムに袋詰めするなどの方法により行われる。
以下に本発明の実施例を説明するが、これにより本発明は何ら限定されるものではない。
実施例
先ず、おしぼりの材料となる原紙を準備する。本例においては、原紙として、ポリエステル繊維含有乾式パルプ不織布(商品名 FAジェイソフト;ハビックス(株)製)が用いられた。おしぼり製造機に、図1に示す、模様が凸状に設けられたロール1と平滑ロール2とがエンボス間隙0.2mmで対向する熱エンボス装置を配置し、160℃に加熱された前記2本のエンボスロール1、2間に原紙を40m/分の速度で通して模様を型付けした後、従来と同様の工程を経て、使い捨て濡れおしぼりを製造した。包装された濡れおしぼりには、半透明模様が現出していた。
[発明の効果]
本発明の熱エンボス加工により模様付けされた、セルロース系繊維と熱融着合成繊維との乾式混抄不織布は、水分の含有量により熱エンボス加工部が半透明あるいは不透明白色となり、使い捨ておしぼりなどのウエットペーパーとして用いると、適度の含水量である場合にはエンボス加工部が白色の不織布の地色の中に、半透明模様となって現出し、装飾効果が得られるとともに、企業名あるいは商品名などをエンボス加工により付しておくことにより、使い捨ておしぼりなどのウエットペーパーを宣伝媒体として利用することも可能となる。
また、ドライのペーパータオル、ナプキン、ワイピングペーパー、シーツなどとして本発明の模様の付された乾式混抄不織布を用いると、これらが水に濡れた際に不織布にマークなどの模様が浮き出てくることから、宣伝効果を含め新しい付加価値をこれらペーパー類に付与することができるし、またシーツなどでは現出したマークをみて、濡れたシーツを遅滞なく取り替えることができ、清潔な環境を整備できるという効果も奏される。
さらに、加工部を、線またはパターンなどでつなぐことにより、セルロース系繊維と熱融着合成繊維との乾式混抄不織布の強度を向上させることができる。
また、セルロース系繊維と熱融着合成繊維との乾式混抄不織布が有する厚み方向への吸収特性に加え、加工部においては不織布の面方向の吸収も可能となることから、ウエットタオルなど薬剤を均等に不織布に含ませる際に効果がある。
不織布原反の熱エンボス加工を説明する説明図。 本発明の模様入り不織布の平面部分図。 水に濡らされた本発明の模様入り不織布の断面図。
符号の説明
1 凸模様を有する熱ロール
2 平滑な熱ロール
3 不織布原反
4 模様入り不織布
5 点状の熱エンボス加工部
6 花弁状の熱エンボス加工部
7 半透明部
8 白色非透明部

Claims (9)

  1. セルロース系繊維と熱融着合成繊維とを含む乾式混抄不織布において、前記繊維間に毛細管現象が起こる微細孔が熱エンボス加工により面状に形成されていることを特徴とする乾式混抄不織布。
  2. 前記セルロース系繊維がパルプであることを特徴とする請求項1記載の乾式混抄不織布。
  3. 前記熱融着合成繊維がポリエステル繊維であることを特徴とする請求項1または2記載の乾式混抄不織布。
  4. 繊維間に毛細管現象が起こる微細孔が熱エンボス加工により面状に形成された、セルロース系繊維と熱融着合成繊維とを含む乾式混抄不織布に、水が含浸されてなることを特徴とするウエットペーパー。
  5. 前記セルロース系繊維がパルプであることを特徴とする請求項4記載のウエットペーパー。
  6. 前記熱融着合成繊維がポリエステル繊維であることを特徴とする請求項4または5記載のウエットペーパー。
  7. 前記ウエットペーパーがおしぼりであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のウエットペーパー。
  8. 前記ウエットペーパーがウエットティッシュであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のウエットペーパー。
  9. 前記ウエットペーパーがウエットタオルであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のウエットペーパー。
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