JP2006124833A - 多孔質金属焼結体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多孔質金属焼結体の孔径分布を容易に制御できる多孔質金属焼結体の製造方法
を提供する。
【解決手段】 本発明の多孔質金属焼結体の製造方法は、金属粉と空孔形成材とバインダ樹脂とを含有する成形体を形成し、該成形体を前記空孔形成材の分解温度以上に加熱して熱分解させた後、これより高温の燒結温度で前記成形体を燒結する工程を有し、前記空孔形成材として、微生物の細胞内で生産されたポリヒドロキシアルカノエートの粒子を用いる。前記成形体は、金属粉と空孔形成材とバインダ樹脂と溶媒とを含有する金属粉末分散液を基体に塗布または印刷して、塗布物または印刷部を形成した後、該塗布物または印刷物から前記基体を剥離して形成してもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガス用フィルタ部材、電池用セパレータ、非鉄金属鋳造用金型、およびコンデンサ素子などに好適に利用できる多孔質金属焼結体の製造方法に関する。
近年、携帯電話、パソコン、デジタルカメラなど、電子機器における部品の技術が飛躍的に進歩している。こうした中、多孔質金属焼結体は様々な分野で利用されている。例えば、ニッケル多孔板がニッケル水素電池の正極等に使用され、また、多孔質金属焼結体がコンデンサ素子に使用され、その大きな表面積が利用されている。その他の分野においても、例えば金属扁平粉から成形された中空状金属多孔質体がガス用フィルタ部材に用いられている。また、多孔質金属の金型が、低圧鋳造やダイカスト用等の鋳造用金型に用いられている。
これらの多孔質金属焼結体は、例えば金属粉、または金属粉と樹脂を用いて造粒された金属造粒粉と、必要に応じてバインダ樹脂を撹拌混合して混合物を形成後、該混合物をプレス成形して得られた成形体を焼成して製造されている。あるいは金属粉及びバインダ樹脂を含有する混合物を混練して混練物を形成し、前記混練物を成形した成形体を焼成して製造されている。
例えば、金属粉に有機酸エステルを添加、混練し、その後、アルカリ水溶性フェノール樹脂を添加、混練し、これにより得られた混合物を金型形状に成形し、真空中もしくは不活性雰囲気中で成形体を焼成する製造方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂にニッケル微粉を混合し、その後、押し出し成形し、紫外線を照射して短繊維を製造した後、その短繊維と、水、整包剤、結合剤、および分散剤とを混合して、グリーンテープに成形し、還元性の雰囲気で脱脂し、焼結して金属多孔板を製造する方法が開示されている(特許文献2参照)。
また、タンタル金属微粒子、バインダ、および易焼結性金属を含むペーストを基材に塗布し、真空中あるいは不活性雰囲気中で焼結した後、易焼結性金属を溶出除去する製造方法が開示されている(特許文献3参照)。
このような多孔質金属焼結体においては、各用途における特性向上を図るためには空孔率を上げることが重要なことが多い。空孔率を上げることにより多孔質体の表面積が向上するため、例えばニッケル水素電池の正極に用いられるニッケル多孔板やタンタル電解コンデンサ陽極素子、触媒などの用途においては、機能性を有する部分が増加してその特性が向上する。また、フィルタや含油軸受けでは、連通孔が多数形成された空孔率の高い多孔質体を形成することによって良好な特性を得ることができる。
多孔質体の空孔は、金属粉間に形成されていた小さな隙間や、バインダとしての樹脂が消失、除去された空間に発生する。空孔率を上げるためには金属粉の密度を下げ、バインダを多く含有した焼結用成形体を作製する方法が考えられるが、バインダを消失させる過程において成形体形状が破損するため、所望の構造の焼結体を得ることは困難である。
特に、多孔質体の表面積を向上させるために、多孔質体を構成する金属粉の粒径を小さくした場合には、逆に空孔が目詰まりを起こして有効な空孔体積を確保できなくなることがあった。また、バインダが消失しきれず炭素残渣となって焼結体中に残留することがあった。
このような問題を解決し、空孔率の大きい多孔質金属焼結体を作製するために、焼結用成形体中に空孔形成用の微粒子を含有させ、該微粒子の消失によって安定した空孔を形成することが行われている。例えば、タンタル電解コンデンサの陽極体を形成させる際に、材料として50〜200μmの弁作用金属造粒粉と平均粒径20μm以下の固形有機物とを混合した粉末を使用することにより、陽極体中の空孔・空隙を増大させる製造方法が開示されている(特許文献4参照)。この製造方法では、成形体の焼結の際に固形有機物を消失させることで、多孔質金属焼結体に空孔を形成させ、陰極形成用電解質液の浸透を容易にするとされており、有機固形物(空孔形成材)として、ポリビニルアルコール系の有機固形物、アクリル系有機固形物、樟脳が例示されている。
しかし、バインダと固形有機物との加熱による消失、除去は、ほぼ同時に進行するため、空孔を形成している外壁が破損しやすく、焼結用成形体や焼結体の形状を維持しつつ空孔率を増加させることが困難であった。特に、樟脳はバインダに先立って消失し、除去することが可能であるが、小粒径化することが困難であり、10μm以下の微小な孔径の空孔を形成するために使用することはできなかった。
このため空孔形成材とバインダの消失温度に差を付けて安定した空孔を形成する試みがなされており、バインダの分解開始温度より高い分解開始温度を有する空間形成材を用いて、バインダを除去する第1工程と、空孔形成材を除去して焼結体を得る第2工程を経て多孔質焼結体を得ることが検討されている(特許文献5参照)。しかし、第2工程の空孔形成材の分解に伴う多量のガス発生によって、バインダが除去された成形体が破損しやすいという問題があった。
さらに、空孔形成体である樹脂粒子を溶剤によって選択的に抽出した後、バインダを加熱脱脂する方法が提案されている(特許文献6参照)。しかし、樹脂粒子の粒径が小さい場合には、多孔質の細部にまで溶媒を浸透させることは困難であるため、抽出操作に時間がかかる上、樹脂粒子を完全に除去することは困難であった。
このように、安定した空孔率の大きい焼結体を形成することは容易ではなく、特に金属粉の粒径が小さい場合には、充分な量の空孔を有し、かつ形状安定性に優れる焼結体を製造することは困難であった。
具体的な例として、タンタル電解コンデンサ陽極素子に使用されるタンタル金属の多孔質金属焼結体では、バインダ樹脂を混ぜたタンタル金属粉を所定の金型で成形し、焼結した後、一次粒子が凝集して形成された二次粒子間に空孔を形成することにより、一定の空孔率を確保していた。タンタル電解コンデンサをさらに小型化、大容量化するためには、多孔質金属焼結体の表面積を大きくする必要があり、そのため、多孔質金属焼結体を構成するタンタル金属粉の粒子径を小さくする検討が行われている。
しかし、タンタル金属粉の粒子径を小さくすると、比較的低温でも融着し、空孔がつぶれやすいばかりでなく、二次粒子内における粒子間の凝集力が低下して二次粒子が崩れやすくなるため、金型成形後に空孔が潰れ、多孔質体を形成しにくくなる。また、二次粒子同士の隙間に形成される細孔は一次粒子同士の隙間に形成される細孔より孔径が大きいため、二次粒子が崩壊すると陰極形成用の電解質液を焼結体中に浸透させるための十分な空隙が形成されなくなる。このため、タンタル電解コンデンサにおいて、タンタル金属粉の粒子径を小さくして、空孔面積を増やし静電容量を上げようとすると、静電容量の引き出し率が向上せず、コンデンサの性能を充分に向上させることができない。
特にCV値が10kCV以上の粒径の小さいタンタル金属粉を用いたときにタンタル金属粉の特性に充分対応した静電容量の電解コンデンサを製造することができず問題となっていた。
特開2000−42688号公報 特開2000−54005号公報 特開平2−254108号公報 特開平11−181505号公報 特開2001−271101号公報 特開2004−43932号公報
本発明の目的は、空孔率の大きい多孔質金属焼結体を安定して製造することのできる製造方法であって、特に体積の小さな空孔が多数分布することによって高い空孔率を形成している多孔質金属焼結体を安定に製造する製造方法を提供することにある。
特に、本発明の目的は、高容量化のために小さな一次粒径の弁作用金属を用いた場合でも高い空孔率の多孔質金属焼結体の製造が可能であって、電解質液が浸透しやすいために容易に表面処理できる電解コンデンサ用陽極素子用の多孔質金属焼結体の製造方法を提供することにある。
本願請求項1の多孔質金属焼結体の製造方法は、金属粉と空孔形成材とバインダ樹脂とを含有する成形体を形成し、前記成形体を前記空孔形成材の分解温度以上に加熱して前記空孔形成材を熱分解させた後、これより高温の燒結温度で前記成形体を焼結する多孔質金属焼結体の製造方法において、前記空孔形成材が、微生物の細胞内で生産されたポリヒドロキシアルカノエートの粒子であることを特徴とする。
本発明の多孔質金属焼結体の製造方法は、前記成形体が金属粉と空孔形成材とバインダ樹脂と溶媒とを含有する金属粉末分散液を基体に塗布または印刷して成形体を形成した後、前記塗布物または印刷物から前記基体を剥離して形成されるものであってもよい。このような塗布または印刷工程を経ることにより膜厚の薄い成形体を形成でき、シート状の多孔質金属焼結体を容易に作製することができる。
本発明の多孔質金属焼結体の製造方法においては、前記金属粉が弁作用金属であってもよく、この場合CV値が100kCV以上であると本発明の効果が顕著であり好ましい。
また、本発明の多孔質金属焼結体の製造方法においては、前記弁作用金属がタンタルからなってもよい。また、本発明の多孔質金属焼結体の製造方法においては、前記成形体にリードを設けた後に焼結してもよい。
また本発明の多孔質金属焼結体は前記多孔質金属焼結体の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
さらに本発明の電解コンデンサ用陽極素子は、前記多孔質金属焼結体の製造方法によって製造された多孔質金属焼結体より形成されたことを特徴とする。
本発明の多孔質金属焼結体の製造方法によれば、空孔形成材として微生物の細胞内で生産された生産されたポリヒドロキシアルカノエートの微小粒子を用いているため、空孔径の小さく、形状と大きさの均一な多数の空孔を形成できる。また該微小粒子は分解開始温度が低くかつ一定であるため、バインダ樹脂よりも先にかつ速やかにほとんど全ての空孔形成材が分解する。このため、脱脂、焼結の多孔質金属焼結体形成のための諸過程において成形体や焼結体が破損することがなく、かつ残留炭素を燒結体内に残すことなく、空孔率の高い焼結体を安定にかつ容易に製造できる。
特に前記製造方法を電解コンデンサの陽極素子の製造に用いた場合には、陽極素子中に空孔を安定して形成することができ、陰極形成用電解質液を浸透させやすくできる。その結果、粒径の小さい弁作用金属粉を用いた場合でも空孔を形成することができ、小粒径の弁作用金属粉が本来有している大きな静電容量を実現でき、電解コンデンサの性能を向上させることができる。
(第1の実施形態例)
本発明の多孔質金属焼結体の製造方法における第1の実施形態例について説明する。第1の実施形態例の製造方法は、いわゆる乾式法であり、まず、金属粉と空孔形成材とバインダ樹脂とを含有する混合物を金型に充填しプレス成形等で成形体を形成する。その後、該成形体を空孔形成材の分解温度以上に加熱して、該空孔形成材を熱分解させた後、これより高温の燒結温度で該成形体を燒結して多孔質金属焼結体を形成する。
金属粉を構成する金属材料としては特に限定されず、例えばFe、Ni、Co、Cr、Mn、Zn、Pt、Au、Ag、Cu、Pd、Al、W、Ti、V、Mo、Nb、Zr、Ta、等のうち少なくとも1種、あるいはこれらのうち少なくとも1種を含む合金が挙げられる。金属粉は純度99.5%以上であることが好ましく、また安定した多孔質体を形成するためには体積平均粒径が1〜100μmの凝集粉であることが好ましい。金属粉の中でも、コンデンサ素子としての適性の点においては、弁作用金属からなり、CV値が100kCV以上のものが好ましい。弁作用金属としては、タンタル、アルミニウム、ニオブ、チタンなどが挙げられ、これらの弁作用金属の中でも、タンタル、ニオブが好適であ
り、さらには、タンタルが特に好ましい。
またその一次粒子径は、コンデンサ素子として利用した際に高容量にできることから、0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.01〜1.0μmであることがより好ましい。
金属粉は一次粒子が凝集した凝集粉であってもよい。また樹脂を用いて造粒された金属造粒粉であってもよい。金属造粒粉の場合はそのまま空孔形成材と混合してプレス成形を行うことによって成形体を形成することができる。
本発明における空孔形成材は、微生物の細胞内で生産されたポリヒドロキシアルカノエートの粒子である。本発明のポリヒドロキシアルカノエートは化学的合成も行われているが、立体規則性をもって高分子量の重合を行うことが困難で、すでに工業的生産検討の始まった微生物を用いた方法に比べて遅れている。また、かりに化学的方法によって合成されたとしても、さらに均一な粒子化を行う点で困難が伴うと予想される。
本発明のポリヒドロキシアルカノエートは、下式(1)で示される3−ヒドロキシアルカノエートの縮合重合体であって、RはC2n+1で表されるアルキル基であり、n=1〜15であることが好ましい。
Figure 2006124833
3−ヒドロキシアルカノエートの具体例としては、n=1の3−ヒドロキシブチレート、n=2の3−ヒドロキシバレレート、n=3の3−ヒドロキシヘキサノエート、n=4の3−ヒドロキシヘプタノエート、n=5の3−ヒドロキシオクタノエート、n=6の3−ヒドロキシノナノエート、n=7の3−ヒドロキシデカノエート、n=8の3−ヒドロキシウンデカノエート、n=9の3−ヒドロキシドデカノエートなどが挙げられ、これらの単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。
ポリヒドロキシアルカノエートの中でも、n=1の3−ヒドロキシブチレートとn=3の3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体(PHBH)が好ましい。
ポリヒドロキシアルカノエートを生産する微生物としては、例えば、A.lipolytica、A.eutrophus、A.latusなどのアルカリゲネス属(Alcaligenes)、シュウドモナス属(Pseudomonas)、バチルス属(Bacillus)、アゾトバクター属(Azotobacter)、ノカルディア属(Nocardia)、アエロモナス属(Aeromonas)などの菌が挙げられる。これらの中でも、特にA.caviaeなどの菌株、さらにはPHA合成酵素群の遺伝子を導入したAlcaligenes eutrophus AC32(FERM P−15786)(J.Bacteriol.,179,4821−4830頁(1997))などが好ましい。
これらの微生物を適切な条件で培養することで菌体内にポリヒドロキシアルカノエートを蓄積させた微生物菌体を得ることができ、その微生物菌体を処理して微生物の組織から円心分離法等による分離を行って、ポリヒドロキシアルカノエートを取り出すことができる。
また微生物を用いた生産では、通常、光学異性体の一方のみが選択的に生産されるため、化学的、物理的性質の一様性が高く、化学構造的にも均質である。このため分解温度の分布も狭く、一定の温度範囲で速やかに全量が分解するという特徴を有する。さらに硬度も高く成形体を形成する過程で変形を起こしにくい。
さらにこれら微生物を用いて生産されるポリヒドロキシアルカノエートは、多くの有機溶剤に対して化学的に安定であって、金属粉、バインダ、有機溶剤とともに混合してスラリーを形成するときに、溶解、膨潤することが少なく、湿式法によって多孔質焼結体を作製するときの溶剤が制限されることがほとんど無いため、特に湿式法において好適に使用することができる。
これら微生物を用いて生産されるポリヒドロキシアルカノエートは、微生物の個体の形状や大きさによって規制されるため、粒径が小さくまた粒度分布が一様であるという特徴を有している。このため微生物の属種を選択することによりその形状や大きさを調整することができる。また微生物にポリヒドロキシアルカノエートを産生させるときの培養条件によって制御することもできる。
このようにポリヒドロキシアルカノエートの粒子径により、多孔質金属焼結体に形成する空孔の径を制御することができる。またその添加量によって空孔の数を制御することができる。このため、ポリヒドロキシアルカノエートの粒径、添加量を選定することによって、使用する金属粉の種類やその一次粒子径の大きさに適合して良好な機械的強度を有し、また各用途に適合した空孔の大きさやその数、分布を実現することができる。多孔質金属焼結体を電解コンデンサに使用する場合には、より適切な空孔を形成し、容量の低下をより抑えて高容量にしつつ陰極形成用電解質液をより浸透しやすくできることから、ポリヒドロキシアルカノエートの粒子径は特に1〜10μmであることが好ましい。またその添加量は、金属焼結体の機械的強度を低下させず効果的な空孔を形成するためのは金属粉との体積比で1〜50%であることが好ましく、5〜30%であることがさらに好ましい。
また微生物の細胞内で生産されたポリヒドロキシアルカノエートを微粒子として取り出すためには、ポリヒドロキシアルカノエートを含有する微生物を、タンパク質分解酵素や界面活性剤、または機能水で処理してポリヒドロキシアルカノエート以外の細胞物質を可溶化し、ポリヒドロキシアルカノエートの微粒子を取り出す方法が用いられる(特開昭60−145097、特開2000−166585)。
バインダ樹脂としては公知のバインダ樹脂を用いることができる。好適なバインダ樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ニトロセルロース樹脂、天然樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で、あるいは2種類以上を混合して利用できる。
これらの中でも、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂は、真空中でバインダを分解、除去した後に、ほぼ完全に分解し、炭素として残留することがないため、アクリル樹脂を用いた電解コンデンサは漏れ電流を低く抑えることができる。
バインダ樹脂のガラス転移点は、50℃以下が好ましく、室温以下がより好ましい。バインダ樹脂のガラス転移点が50℃以下であれば、成形体に可撓性をもたせることができるため焼結完了に至るまでの工程中での破損を少なくすることができる。
原料混合物中のバインダ樹脂の含有量は、金属粉100質量部あたり0.01〜30質量部の範囲が好ましく、0.01〜15質量部の範囲が特に好ましい。
金属粉とバインダ樹脂と空孔形成材を含有する成形体を、塗料の塗布工程を経ない乾式法で形成する方法としては、公知の方法を広く用いることができる。例えば、樹脂を用いて造粒された金属粉と空孔形成材とを、撹拌混合して混合物とし、該混合物を金型に充填してプレス成形する方法を用いることが出来る。
また、金属粉とバインダ樹脂を溶剤に溶解して金属粉表面に吹き付け、バインダ樹脂によって被覆された金属粉と空孔形成材を撹拌混合し、金型にてプレス成形して成形体を形成することもできる。
乾式法で電解コンデンサ陽極素子用の多孔質金属焼結体を製造するためには、弁作用金属粉、バインダ樹脂、ポリヒドロキシアルカノエートよりなる空孔形成材を混合し、金型に充填する。次いで、リード線となるタンタルワイヤーを植立し、例えば約60℃で約60〜120分乾燥した後、真空中、約300〜600℃で熱処理して成形体中の空孔形成材およびバインダ樹脂を除去する。さらに、約10〜30分間、約1200〜1600℃で高温加熱処理(焼結)して金属粉同士および金属粉とリードとを融着させる。これにより、電解コンデンサ陽極素子形成用のリード線と一体化した多孔質金属焼結体を得ることができる。
(第2の実施形態例)
本発明の多孔質金属焼結体の製造方法における第2の実施形態例について説明する。
第2の実施形態例の製造方法は湿式法であり、まず、金属粉と空孔形成材とバインダ樹脂と溶媒とを混合分散し、好ましくは塗料様の金属粉末分散液を調製する。該金属粉末分散液を基体上に塗布または印刷を行って塗布物または印刷物を作成した後、該塗布物または印刷物から前記基体を剥離して成形体を形成する。該成形体から多孔質金属焼結体を形成する工程は第1の実施形態例と同様である。なお、第2の実施形態例の製造方法において、金属粉、空孔形成材、バインダ樹脂は第1の実施形態例の中から溶媒に可溶なものを使用することができるので、それらの説明は省略する。
金属粉末分散液を構成する溶媒としては、水、あるいはメタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、ジエチレングリコール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル等のエステル類、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチル等の塩素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。これらの中でも、孔径をより制御しやすくなることから、ポリヒドロキシアルカノエートを溶解しないものが好ましい。ポリヒドロキシアルカノエートを溶解しない溶媒としては、例えば、水、あるいはメタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、ジエチレングリコール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、酢酸エチル等のエステル類、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
金属粉末分散液中の溶媒の含有量は、金属粉末分散液を適当な基体表面に塗布あるいは印刷する工程がスムーズに実行できる程度に設定される。
また、金属粉末分散液には、前記金属粉、バインダ樹脂および溶媒の他に、金属粉末分散液を適当な基体表面に塗布あるいは印刷するために好適な物性とし、金属粉の分散を安定に保つために各種添加剤を適宜配合できる。好適な添加剤としては、例えばフタル酸エステル、燐酸エステル、脂肪酸エステル等の分散剤、グリコール類等の可塑剤、低沸点アルコール、シリコーン系あるいは非シリコーン系等の消泡剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、4級アンモニウム塩等の分散剤などが挙げられる。
金属粉末分散液中の各成分の配合比率は、例えば、金属粉100質量部に対して、バインダ樹脂が0.01〜30質量部、好ましくは0.01〜15質量部、溶媒が5〜160質量部、添加剤が5質量部以下である。
また、金属粉末分散液の粘度は、塗布性および取り扱い性の点から、0.1〜1000Pa・秒、好ましくは0.1〜100Pa・秒程度である。
金属粉末分散液の調製では、金属粉、空孔形成材、バインダ樹脂、溶媒および添加剤を全て同時に、各種の混練・分散機を用いて分散してもよいし、それぞれ順次混合し、分散してもよい。
混練・分散機としては、二本ロール、三本ロール等のロール型混練機、縦型ニーダー、加圧ニーダー、プラネタリーミキサー等の羽根型混練機、ボール型回転ミル、サンドミル、アトライター等の分散機、超音波分散機、ナノマイザーなどが挙げられる。
次いで、この金属粉末分散液を基体上に塗布または印刷した後、乾燥させて、金属粉末分散液中の溶媒を揮散させ、基体上に金属粉とバインダ樹脂(溶媒が残っていても構わない)からなる薄いシート(成形体)を形成する。
ここで、基体としては、金属粉末分散液、特に溶媒に対して安定なガラスや合成樹脂シートを用いることができ、好ましくはポリビニルアルコール樹脂等からなる剥離層を設けたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)等が用いられる。
剥離層は基体上に剥離層用塗料を塗布することで形成できる。剥離層を基体上に形成することで、剥離層上に位置する金属粉末分散液より形成された塗膜をそのまま容易に基体から剥離できる上に、該塗膜上に残存した剥離層をその後金属分散液よりなる塗膜の破壊を防ぐ保護層としても機能させることができる。
剥離層に用いる樹脂としては、剥離層と金属粉末分散液からなる層との接着を良くして、剥離層と基体との界面からの剥離を容易にするために、金属粉末分散液中のバインダ樹脂と相溶するものを用いることが好ましい。そのような剥離層用樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ブチラール樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。
剥離層の厚さは1〜20μmの範囲が好ましく、特に1〜10μmの範囲であれば、塗膜上に残存する剥離層の焼結後の残留炭素を少なくすることができ、かつ該剥離層によって塗膜の強度を適度に保たせるのでより好ましい。
金属粉末分散液の塗布方法としては、例えば、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアーナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファロールコート、グラビアコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート等が挙げられる。
また、金属粉末分散液の印刷方法としては、例えば、孔版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法などが挙げられる。これらの中でも、孔版印刷方法は、焼結用成形体の形状を所望の形状、例えば直方体状、円柱状、あるいは櫛の歯形状などの種々の形状に形成できるので好ましい。
塗布または印刷により得られるシート(成形体)の厚さは適宜設定することが可能であり、乾燥前の塗布物(印刷物)の厚さ(湿時厚さ)は例えば数μm〜300μmの範囲とし得る。また、得られたシート(成形体)は、必要に応じて基体からの剥離前あるいは剥離後にスリット、打ち抜き等により、所望の形状にカットできる。
このような湿式法は、乾式法に比べて、多孔質金属焼結体を薄型化しやすい。
以上説明した第1および第2の実施形態例における多孔質金属焼結体の製造方法では、空孔形成材として微生物の細胞内で生産されたポリヒドロキシアルカノエートの粒子を用いる。微生物の細胞内で生産されたポリヒドロキシアルカノエートは化学構造が均一であるため、熱分解曲線(図1参照)において分解開始温度と分解終了温度との差が小さく(すなわち、急激に分解する。)、かつ、分解終了温度がバインダ樹脂より低い。そのため、熱処理工程においては、まず、空孔形成材が消失して空孔が形成されてからバインダ樹脂が消失する。空孔形成材とバインダ樹脂とがこの順序で消失することで、構造が定まった状態で焼結できるので、所望の空孔を多孔質金属焼結体に容易に形成でき、多孔質金属焼結体の孔径分布を容易に制御できる。例えば、多孔質金属焼結体に、金属粉の一次粒子同士の隙間に形成される細孔より径の大きい孔を形成できる。
以上の第1および第2の実施形態例の製造方法により得た多孔質金属焼結体は、電解コンデンサ陽極素子として電解コンデンサの製造に供される。以下、上記多孔質金属焼結体を用いた電解コンデンサ用陽極素子の製造方法について説明する。
乾式法により電解コンデンサ陽極素子を製造するには、金型内に、液状バインダ樹脂と弁作用金属粉とを混合して作製した造粒粉と、空孔形成材とからなる混合物を充填して焼結用成形体を形成するとき、弁作用金属からなるリード線を金型内に設置してから混合物を充填するか、もしくは混合物を充填した後にリード線を該混合物内に植立させるかして、成形体にリード線を固定し、該成形体を焼結してリード線と弁作用金属とを融着させる。
また湿式法においては、図2に示すように湿式法によって得られたシート状の成形体11a上にリード12を置き、更に別なシート状の成形体11bを重ね合わせ、必要に応じて適当な加圧処理を施して2枚のシート状成形体11a,11bとリード12とを密着させて、接合体13を形成する。あるいは、一枚の幅広シートを半分に折り曲げ、その間にリード12を挟み込んで積層して接合体13を形成してもよい。
次いで、接合体13を、例えば、約60℃で約60〜120分乾燥した後、真空中、約300〜600℃で熱処理して成形体11a,11b中の空孔形成材およびバインダ樹脂を除去する。さらに、約10〜30分間、約1200〜1600℃で高温加熱処理(焼結)して弁作用金属粉同士および弁作用金属粉とリードとを融着させる。これにより、成形体11a,11bの間にリード12が設けられ、これらが一体化した電解コンデンサ用陽極素子を得ることができる。
上記電解コンデンサ用陽極素子を用いて電解コンデンサを得るためには、まず、多孔質金属焼結体を電解液槽に入れた後、所定の直流電圧を加えて化成処理を施して、多孔質金属焼結体の表面に酸化皮膜を形成させる。次いで、二酸化マンガン溶液または機能性高分子の溶液である陰極形成用電解質液を浸透させて、酸化皮膜の上に二酸化マンガン被膜または機能性高分子被膜の固体電解質を形成する。続いて、酸化皮膜・二酸化マンガン被膜または機能性高分子被膜を形成したコンデンサ用陽極素子にカーボン(グラファイト)層、銀ペースト層を形成して陰極用の処理をする。そして、図3に示すように、コンデンサ用陽極素子21の表面に陰極端子22の一端側を導電性接着剤24で接合するとともに、リード23の先端部分25を陽極端子26にスポット溶接によって接合した後、例えば樹脂成形加工により、あるいは、樹脂溶液中に浸漬させて形成させるなどして樹脂外装27を施して、電解コンデンサ20を得ることができる。
以上の電解コンデンサの製造のように、上述した製造方法により製造した多孔質金属焼結体を用いた電解コンデンサ陽極素子用焼結体を使用することにより、高い静電容量を実現することのできる小粒径の弁作用金属粉を用いた場合でも、空孔率が高い焼結体を形成できるので陰極形成用電解質液を浸透しやすくできる。
なお、本発明は、上述した実施形態例に限定されない。上述した実施形態例では成形体にリードを設けたが、リードを設けなくてもよい。リードのない多孔質金属焼結体は金属部品の成形用材料として利用できる。
本発明の多孔質金属焼結体の製造方法について以下に実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
平均1次粒子径0.1μm、静電容量が150kCV/gのタンタル金属粉末S−15(キャボットスーパーメタル(株)製)50g、空孔形成材として平均1次粒子径1μmのPHBH樹脂ビーズ(鐘淵化学社製)0.5g(タンタル金属粉に対し、1質量%)、バインダ樹脂としてアクリル樹脂「NCB−166」(大日本インキ化学工業(株)製、ガラス転移点;−10℃)7.5g(固形分;3g)、シクロヘキサノン(溶剤)4.8g、および3mm径のジルコニア300gをポリ瓶に入れ、振とう機(ペイントコンディショナー)を用いて混合分散し、タンタル金属粉末分散液を得た。
一方、厚さが50μmのPETフィルム上にアクリル樹脂「IB−30」(藤倉化成(株)製)の溶液を#16のワイヤバーにて展色し、厚さ4μmの剥離層を設けた。
次に、剥離層を設けたPETフィルム上に上述の金属粉末分散液を所定の深さのアプリケータにて展色し約60℃で約60〜120分乾燥して厚さ200μmの金属粉末分散液の乾燥塗膜を得た。
前記基体上から乾燥塗膜のシート(成形体)を剥離し、このシート上に更に別な乾燥塗膜のシートを重ね合わせ、加圧処理を施して2枚のシートを密着させることによって10mm×20mmの大きさの成形体を形成した。焼結体の細孔分布を正確に測定する測定用試料とするために、シート間へのリード線を挟み込みは行わなかった。
次いで、このようにして得られた成形体を、真空中、約400℃で4時間の熱処理工程によって有機物質(バインダ樹脂およびPHBH樹脂ビーズ)の除去を行い、さらに約20分間、約1200℃の高温加熱処理(焼結)を行った。このときの真空到達度は2.67×10−7Paであった。これにより、タンタル金属粉末同士を融着させることにより、シート状のタンタルの多孔質焼結体を得た。
得られたタンタル多孔質焼結体0.292gをポロシメータ(島津製作所製ポアサイザ9320形)の試料セルに入れ、水銀圧入法により細孔分布を測定した。このときのセル定数は10.79μl/pF、接触角は130度、表面張力は484dynes/cm、水銀比重は13.5462として計算した。
このときの全細孔体積は0.179ml/g、モード径は0.41μm、見かけの密度は3.19、空隙率は57.0%であった。細孔分布図を図4に示す。
(実施例2)
平均1次粒子径1μmのPHBH樹脂ビーズ(鐘淵化学社製)の配合量を1.0g(タンタル金属粉に対し、2質量パーセント)にする以外は実施例1と同様にして、塗料化し、成形体を作製し、焼結後のシート状のタンタルの多孔質焼結体を得た。得られたタンタル多孔質焼結体0.495gをポロシメータの試料セルに入れ、水銀圧入法により細孔分布を測定した。
このときの全細孔体積は0.166ml/g、モード径は0.37μm、見かけの密度は3.41、空隙率は56.6%であった。細孔分布図を図5に示す。
(比較例1)
平均1次粒子径1μmのPHBH樹脂ビーズ(鐘淵化学社製)を混入しない以外は実施例1と同様にして、塗料化し、成形体を作製し、焼結後のシート状のタンタルの多孔質焼結体を得た。得られたタンタル多孔質焼結体0.265gをポロシメータの試料セルに入れ、水銀圧入法により細孔分布を測定した。
このときの全細孔体積は0.165ml/g、モード径は0.24μm、見かけの密度は3.32、空隙率は54.9%であった。細孔分布図を図6に示す。
図4〜図6より明らかなように、実施例1および実施例2においては、比較例1と同様の孔径にピークを有する空孔の他に、その空孔より孔径の大きい位置に鋭いピークを有する別の空孔とが形成されていることがわかる。空孔分布の変化がより明確となるように図7において実施例1、実施例2及び比較例1で作製したタンタル多孔質焼結体の空孔分布を、横軸を共通にして重ね合わせた。すなわち、空孔分布が空孔体積の大きい方向にシフトし、モード径が大きくなっている。タンタルの比重が大きく、PHBHの添加量も多くないので、見かけ密度や全細孔体積に差は出ていないが、PHBH添加の効果は明らかである。したがって、ポリヒドロキシアルカノエートの粒子の粒径と添加量を調整することにより、多孔質金属焼結体内の細孔分布を制御することができる。なおピーク位置が1μmより小さい理由としては、燒結時の融着に伴ってタンタルの自重で細孔がややつぶれた可能性がある。
このように本発明の多孔質焼結体の製造方法をタンタル電解コンデンサ用の多孔質焼結体の製造に適用した場合、CV値が10kCV以上のタンタル粉を用いたとしても、焼結体内に充分な空孔を形成できるため、電解質液を焼結体内部に深く浸透させることが可能である。したがって小型で高い静電容量を有する電解コンデンサの製造が可能となる。
微生物の細胞内で生産されたポリヒドロキシアルカノエートとバインダ樹脂の熱分解曲線の一例である。 本発明の多孔質金属焼結体の製造方法を説明する斜視図である。 電解コンデンサの一例を示す概略構成図である。 実施例1における多孔質金属焼結体の孔径分布を示すグラフである。 実施例2における多孔質金属焼結体の孔径分布を示すグラフである。 比較例1における多孔質金属焼結体の孔径分布を示すグラフである。 実施例1、実施例2、比較例1における多孔質金属焼結体の孔径分布を示すグラフを、横軸を共通にして重ね合わせたグラフである。

Claims (9)

  1. 金属粉と空孔形成材とバインダ樹脂とを含有する成形体を形成し、前記成形体を前記空孔形成材の分解温度以上に加熱して前記空孔形成材を熱分解させた後、前記加熱温度より高温の燒結温度で前記成形体を焼結する多孔質金属焼結体の製造方法において、前記空孔形成材が、微生物の細胞内で生産されたポリヒドロキシアルカノエートの粒子であることを特徴とする多孔質金属焼結体の製造方法。
  2. 前記成形体は、金属粉と空孔形成材とバインダ樹脂と溶媒とを含有する金属粉末分散液を基体に塗布または印刷して塗布物または印刷物を形成した後、前記塗布物または印刷物から前記基体を剥離して形成される請求項1に記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  3. 前記ポリヒドロキシアルカノエートは下記式(1)
    Figure 2006124833
    (式中RはC2n+1(nは1〜15の整数である。)で表されるアルキル基または水素原子である。)で示される化合物の縮合重合体である請求項1または2に記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  4. 前記ポリヒドロキシアルカノエートは、前記式(1)で示される化合物におけるn=1の3−ヒドロキシブチレートと、n=3の3−ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体である請求項3に記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  5. 前記金属粉が弁作用金属からなり、CV値が100kCV以上である請求項1または2に記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  6. 前記弁作用金属がタンタルからなる請求項5に記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  7. 前記成形体にリードを設けた後に焼結する請求項5に記載の多孔質金属焼結体の製造方法。
  8. 請求項1または2に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする多孔質金属焼結体。
  9. 請求項5に記載の製造方法により製造された多孔質焼結体より形成されたことを特徴とする電解コンデンサ用陽極素子。

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