JPH0831700A - 固体電解コンデンサ用焼結体及びその製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサ用焼結体及びその製造方法Info
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Abstract
させ、コンデンサ素子としての静電容量出現率を改善す
る。 【構成】弁作用金属粉末からなる多孔質焼結体に形成し
た空孔が互いに連結し、少なくともその中の一部の空孔
が焼結体表面に貫通していることを特徴とする固体電解
コンデンサ用焼結体、及び弁作用金属粉末に、メタクリ
ル酸エステル重合体からなる繊維、ポリエチレンカーボ
ネイト繊維、ポリプロピレンカーボネイト繊維、ポリブ
チレンカーボネイト繊維の中の1種又は2種以上を添加
・混合した後、加圧成形して素体を作製し、該素体を高
温で焼結する固体電解コンデンサ用焼結体の製造方法。
Description
焼結体及びその製造方法に関し、特に小形で大容量を得
ることができる多孔質焼結体に関するものである。
ル、チタン、ニオブ、アルミニウム等の粉末の焼結体が
知られているが、例えばタンタル固体電解コンデンサの
場合について述べると、タンタル線を植え込んでタンタ
ル金属粉末を加圧成形してなる成形体を高温、高真空中
で焼結して多孔質の焼結体のコンデンサ素子を得、この
コンデンサ素子に順次誘電体層、固体電解質、及び導電
層を形成していた。
が急速に進んだことにより、コンデンサ素子の原料とな
るタンタル金属粉末も微細化され、1μmに満たない粒
子が使用されている。しかしながら、このような微細な
粒子を加圧成形し、焼結した多孔質のコンデンサ素子で
は、固体電解質を生成するために使用する硝酸マンガン
溶液等の固体電解質母液が微細な焼結体の空隙に入り込
めず、含浸が十分でないために静電容量出現率が低下す
る問題が生じていた。これは取りも直さず小形大容量化
できないことを意味し、この問題の解決無しに小形大容
量化が実現できないことを示している。
リル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の有機バインダを溶
剤に溶いてタンタル金属粉末に添加し、これを加圧成形
・焼結したり、あるいは成形密度を低く設定するなどの
手段を用いて多孔質焼結体に多くの空孔を設けることが
行われていた。
ける等の対策を行うことによって、固体電解質母液の含
浸性を高め、静電容量出現率を改善することが要請され
ていた。
ような手段を採用した多孔質焼結体では、空孔の数を増
やしても空孔自体の寸法、すなわち金属粉末同志で構成
する間隙であることには変わりがないので、したがって
空孔の径は太いものや細いもの等一様でなく、かつ空孔
が途中でとぎれてしまうなど、貫通しているなどの連続
性を有するわけでもないので、固体電解質母液の含浸
性、ひいてはコンデンサ素子の静電容量出現率を改善す
る有効な手段にはなり得ないものであった。
み成されたもので、弁作用金属粉末からなる多孔質焼結
体に形成した空孔が互いに連結し、少なくともその中の
一部の空孔が焼結体表面に貫通していることを特徴とす
る固体電解コンデンサ用焼結体、及び弁作用金属粉末
に、メタクリル酸エステル重合体からなる繊維、ポリエ
チレンカーボネイト繊維、ポリプロピレンカーボネイト
繊維、ポリブチレンカーボネイト繊維の中の1種又は2
種以上を添加・混合した後、加圧成形して素体を作製
し、該素体を高温で焼結することを特徴とする固体電解
コンデンサ用焼結体の製造方法からなるものである。
れば、得られる多孔質焼結体の表面から内部まで、さら
には他の表面まで連結し、あるいは貫通した空孔が多数
存在するので、固体電解質母液の含浸性が良く、静電容
量出現率を向上させることができる。
5wt%のメタクリル酸イソブチルエステル重合体をト
ルエンに溶解したものと8mgのタンタル金属粉末とを
混合した後、トルエンを揮発させ、これに直径5μm×
長さ0.3〜0.8mmの円形断面を有するメタクリル
酸イソブチルエステル重合体からなる繊維を2wt%加
えてさらに混合した。この混合したものに図1に示すよ
うにタンタル線からなる陽極リード線1を植え込んで加
圧成形して、素体を作製した。該素体を1400℃の真
空中で焼結して焼結体2を得たが、該焼結体2には一表
面から焼結体2の内部へ、さらには他の表面まで連結し
た、あるいは貫通した平均径4.5μmの空孔3が多数
存在している。
漬し、化成電圧15Vを印加して陽極酸化し、タンタル
の陽極酸化皮膜を生成した。次に焼結体2を硝酸マンガ
ン溶液中に浸漬して硝酸マンガンを付着させた後、30
0℃の恒温焼成炉中に数分間放置して硝酸マンガンを熱
分解させ、二酸化マンガン層を形成した。この化成−硝
酸マンガン溶液に浸漬−熱分解の工程は7回繰り返し行
い、その後カーボン層、銀塗料層を形成してタンタル固
体電解コンデンサ素子を作製した。
の静電容量出現率を図2に示す。なお、同じく図2に静
電容量出現率を示した従来例は、実施例におけるコンデ
ンサ素子の製造におけるメタクリル酸イソブチルエステ
ル重合体からなる繊維を加えないだけが異なるだけで、
その他は実施例と同様の材料、製造方法で作製したもの
である。
量出現率が70〜85%であるのに対し、実施例は90
〜97%であり、絶対値が高いばかりでなく、ばらつき
も小さい優れた特徴を有することが実証された。
使用した場合について述べたが、チタン、ニオブ、アル
ミニウムなどの金属粉末を使用しても同様の効果を得る
ことができるし、また固体電解質母液として硝酸マンガ
ンに代えてポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリ
ンなどの導電性高分子や、TCNQ錯体を使用すること
もできる。
は貫通した空孔を得るためにメタクリル酸イソブチルエ
ステル重合体からなる繊維を混合した場合について述べ
たが、メタクリル酸メチルエステル重合体、メタクリル
酸エチルエステル重合体、メタクリル酸フロピルエステ
ル重合体、メタクリル酸nブチルエステル重合体、メタ
クリル酸ペンチルエステル重合体、メタクリル酸ヘキシ
ルエステル重合体等のメタクリル酸エステル重合体から
なる繊維、ポリエチレンカーボネイト繊維、ポリプロピ
レンカーボネイト繊維、ポリブチレンカーボネイト繊維
の中の1種又は2種以上を添加・混合した後、加圧成形
して素体を作製し、該素体を高温で焼結しても同様の効
果を得ることができる。
体及びその製造方法によれば、多孔質焼結体の表面から
内部まで、さらには他の表面まで連結し、あるいは貫通
した空孔が多数存在するので、固体電解質母液の含浸性
が良く、したがって静電容量出現率の大きい固体電解コ
ンデンサ素子を得ることができる。
施例を示す正断面図。
量出現率を示す曲線図。
Claims (5)
- 【請求項1】 弁作用金属粉末からなる多孔質焼結体に
形成した空孔が互いに連結し、少なくともその中の一部
の空孔が焼結体表面に貫通していることを特徴とする固
体電解コンデンサ用焼結体。 - 【請求項2】 弁作用金属がタンタル、チタン、ニオ
ブ、アルミニウムであることを特徴とする請求項1に記
載の固体電解コンデンサ用焼結体。 - 【請求項3】 弁作用金属粉末に、メタクリル酸イソブ
チルエステル重合体、メタクリル酸メチルエステル重合
体、メタクリル酸エチルエステル重合体、メタクリル酸
フロピルエステル重合体、メタクリル酸nブチルエステ
ル重合体、メタクリル酸ペンチルエステル重合体、メタ
クリル酸ヘキシルエステル重合体等のメタクリル酸エス
テル重合体からなる繊維、ポリエチレンカーボネイト繊
維、ポリプロピレンカーボネイト繊維、ポリブチレンカ
ーボネイト繊維の中の1種又は2種以上を添加・混合し
た後、加圧成形して素体を作製し、該素体を高温で焼結
することを特徴とする固体電解コンデンサ用焼結体の製
造方法。 - 【請求項4】 形状が糸状、粒状である繊維を用いたこ
とを特徴とする請求項3に記載の固体電解コンデンサ用
焼結体の製造方法。 - 【請求項5】 焼結を高温真空中で行うことを特徴とす
る請求項3又は請求項4に記載の固体電解コンデンサ用
焼結体の製造方法。
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JP18392894A JP3377309B2 (ja) | 1994-07-12 | 1994-07-12 | 固体電解コンデンサ用焼結体の製造方法 |
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-
1994
- 1994-07-12 JP JP18392894A patent/JP3377309B2/ja not_active Expired - Fee Related
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