JP2002285203A - 高強度多孔質体の製造方法 - Google Patents

高強度多孔質体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】空隙率が高く、しかも強度の強い金属多孔質体
を良好に製造することのできる製造方法を提供する。 【解決手段】金属粉末と加熱により焼失する空隙形成材
料としての無機又は有機のスペーサ材料粉末とを混合し
てプレス成形し、次いでスペーサ材料粉末の焼失温度に
加熱してスペーサ材料を焼失させた後、これより高温の
焼結温度で焼結処理して金属粉末を焼結する金属の高強
度多孔質体の製造方法において、スペーサ材料粉末とし
て柱状ないし繊維状の細長形状の異形粉末を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は金属の高強度多孔
質体、特に空隙率の高い多孔質体を製造する際に適用し
て好適な高強度多孔質体の製造方法及び高強度多孔質体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来生体用材料として、例えば歯科材料
として金,銀,パラジウム或いはニッケルクロム合金等
が使用されており、最近ではチタン材料(チタン若しく
はその合金)も耐食性に優れ、また生体との馴染みが良
いことから人工股関節,人工膝関節等の人工骨材料とし
て、或いは人工歯根,人工歯床等のインプラント用歯科
材料その他の生体用材料として注目されている。
【0003】この種生体用材料としては生体とよく馴染
むこと、刺激性或いは毒性がないこと、腐食したり崩壊
したりしないこと、少々の力を加えても破損しないこと
等の特性が要求されるが、チタン材料の場合比較的これ
らの要求特性を満たし得るものである。
【0004】ところでチタン材料或いはその他の金属材
料をそのまま生体用材料として用いた場合、これら金属
材料は弾性率が人工骨等に比べて桁違いに高いために、
曲げ力等が働いたときに人工骨と生体骨等との界面で大
きな応力が発生し、これに基づいて人工骨等の生体材料
と生体骨との間で剥離が生じたり、割れが生じたりする
恐れがある。
【0005】そこでこの種生体材料を多孔質体とするこ
とが考えられる。このように生体材料を多孔質体として
構成した場合、例えばこれを人工骨として用いたとき、
生体の骨組織が多孔質体の空隙内に入り込んで生体用材
料(人工骨)と生体骨とが一体化し、そこに本来の生体
骨と極めて近似した骨組織を形成することが可能とな
る。また生体用材料をこのような多孔質体とすること
で、金属材料を用いながらこれを極めて軽量化すること
ができる。
【0006】以上金属多孔質体を生体用材料に用いた場
合の利点を説明したが、この種の金属多孔質体は、その
多孔質構造に由来して以下のような各種用途に用いるこ
とができる。即ちこの種多孔質構造体は多孔質構造に由
来して熱伝導率が低く、従って低い熱伝導率が求められ
るような用途の材料として、或いはまた多孔質構造に由
来して衝撃吸収能が高いため、振動の抑制や衝撃エネル
ギーの吸収が求められる用途の材料その他として好適に
用いることができる。
【0007】ところでこの種金属多孔質体の製造方法と
して、従来以下のような方法が知られている。第1の方
法は鋳造法と呼ばれるもので、発泡ポリウレタンのよう
な多孔質高分子材料の空隙内に石膏等を流し込むように
して型どりし、その後加熱により高分子材料を焼失させ
ると同時に鋳型を焼成し、そしてその鋳型の空隙内に溶
融金属を注入・凝固させた後、鋳型を破砕除去する方法
である。
【0008】第2の方法はメッキ法と呼ばれるもので、
樹脂製等の微小粒子の集合体の空隙に無電解メッキ、例
えばニッケルのどぶ漬けメッキ等の手法で金属を充填
し、その後加熱により微小粒子を焼失・除去するもの
で、その微小粒子の焼失によって空隙形成、即ち多孔質
構造体を得ることができる。
【0009】第3の方法は溶湯発泡法と呼ばれるもの
で、溶融した金属中に発泡材を混合し、その発泡材の発
泡により生じたガスを多量に含んだ状態で溶融金属を凝
固させ、多孔質化するものである。
【0010】第4の方法はスペースホルダー法と呼ばれ
るもので、金属粉末と加熱により焼失するスペーサ材料
粉末とを混合して所定形状に成形し、その後加熱により
スペーサ材料を焼失させた後、残った金属粉末を焼結温
度で焼結させ、多孔質構造体を得るといったものであ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記第1
の方法、即ち鋳造法と呼ばれる方法の場合、溶融金属を
注入・凝固させた状態で、その金属凝固体の空隙内に石
膏等の鋳型材料が詰った状態にあり、従ってその鋳型材
料の破砕除去が必要となるが、このプロセスは困難なプ
ロセスであって、金属多孔質体の空隙内に残った鋳型材
料を容易に除去することができず、このため本方法は生
産性が著しく悪く、従来板状の材料しか作製できないの
が実情である。
【0012】一方第2の方法、即ちメッキ法と呼ばれる
方法では、作製できる金属多孔質体がニッケル等に限定
されてしまう上、生産性が低く第1の方法と同様に従来
板状の材料しか作製できないのが実情である。
【0013】また第3の方法、即ち溶湯発泡法と呼ばれ
る方法では、発泡と凝固に時間のずれが生じるため、一
様な多孔質体を製造し難く、高空隙率部分が凝固開始部
分に偏ったり、凝固終了部分では多孔性が著しく低下す
る等、プロセス制御に著しく困難を伴う問題がある。
【0014】他方最後の第4の方法、即ちスペースホル
ダー法と呼ばれる方法では、従来金属粉末,スペーサ材
料粉末何れも球状の粉末を用いているが、粉末混合の特
性上スペーサ材料粉末が一様に分散せず、特に空隙率を
大きく取った場合、空隙と空隙とを遮断すべき金属材料
が切離して空隙同士が繋がった状態となり易く、またこ
れに伴って材料強度のばらつきが著しく大きくなり、全
体の強度も低くなる問題を生ずる。
【0015】また空隙と空隙との間の金属材料が切離す
ることによって尖った部分が多く発生し、従ってこのよ
うな多孔質構造体を生体用材料として用いたとき、随所
に生じている尖った部分が生体に対する刺激拠点となっ
てしまうといった不都合が生じる。
【0016】図1(イ),(ロ)はその様子を模式的に
表したものである。(イ)は球状の金属粉末とスペーサ
材料粉末とが理想的に混合した状態を示しており、この
場合には金属材料が良好に網目構造を成していて、空隙
Pと空隙Pとは金属材料Mにより良好に遮断された状態
にあり、従ってまた金属材料Mは空隙PとPとの間の部
分において良好に繋がった状態にある。
【0017】しかしながら実際には、特に空隙率が高く
なった場合にはこのように理想的には金属粉末とスペー
サ材料粉末とが分散混合せず、或いはまた空隙と空隙と
の間の部分の金属材料の層Maの厚みが極めて薄いため
に、図1(ロ)に示しているように同部分が比較的容易
に切れたり離脱してしまい、これにより多くの尖った部
分が発生してしまうのである。そしてこの結果、その尖
った部分が生体に対する刺激拠点となり、更にまたこの
現象によって材料強度に大きなばらつきが生じるととも
に全体の強度も小さなものとなってしまうのである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の高強度多孔質体
の製造方法及び高強度多孔質体はこのような課題を解決
するために案出されたものである。而して請求項1は高
強度金属多孔質体の製造方法に関するもので、金属粉末
と加熱により焼失する空隙形成材料としての無機又は有
機のスペーサ材料粉末とを混合してプレス成形し、次い
で該スペーサ材料粉末の焼失温度に加熱して該スペーサ
材料を焼失させた後、これより高温の焼結温度で焼結処
理して前記金属粉末を焼結する金属の高強度多孔質体の
製造方法において、前記スペーサ材料粉末として柱状な
いし繊維状の細長形状の異形粉末を用いることを特徴と
する。
【0019】請求項2のものは、請求項1において、前
記金属粉末がマグネシウム,アルミニウム,チタニウ
ム,鉄,ニッケル,銅の何れかの単体粉末若しくは合金
粉末であることを特徴とする。
【0020】請求項3のものは、請求項1,2の何れか
において、前記スペーサ材料粉末が炭酸水素アンモニウ
ム,尿素,ポリオキシメチレン樹脂,尿素樹脂,発泡ポ
リスチレン樹脂,発泡ポリウレタン樹脂の何れかを主成
分としたものであることを特徴とする。
【0021】請求項4のものは、請求項1〜3の何れか
において、常温における前記金属粉末とスペーサ材料粉
末との体積混合比率を1対1から1対10の範囲とする
ことを特徴とする。
【0022】請求項5のものは、請求項1〜4の何れか
において、前記金属粉末の平均粒径が10〜200μm
の範囲であることを特徴とする。
【0023】請求項6のものは、請求項1〜5の何れか
において、前記スペーサ材料粉末の平均直径が200〜
2000μmの範囲にあり、該粉末の最小径に対する最
大径の比の平均値であるアスペクト比が2以上の範囲に
あることを特徴とする。
【0024】請求項7は金属の高強度多孔質体に関する
もので、金属粉末を焼結して成る金属多孔質体であっ
て、空隙の形状が平均径で200〜800μmの範囲に
あり、該空隙の最小径に対する最大径の比の平均値であ
るアスペクト比が2以上の範囲にあることを特徴とす
る。
【0025】
【作用及び発明の効果】上記のように本発明の製造方法
は、従来の第4の方法、即ちスペースホルダー法の改良
に係るもので、スペーサ材料粉末として柱状ないし繊維
状の細長形状の異形粉末を用いることを特徴とするもの
である。スペーサ材料粉末としてこのような細長形状の
異形粉末を用いた場合、従来の球状のスペーサ粉末を用
いた場合と同様の空隙率で多孔質構造体を製造した場
合、図1(ハ)に模式図を示しているように、金属材料
から成る網目構造が良好に繋がった状態となる。即ち空
隙Pと空隙Pとの間に存在している金属材料が良好に繋
がった状態にあり、また空隙Pと空隙Pとは金属材料に
よって良好に遮断され、独立した空隙を形造るようにな
る。
【0026】この結果、空隙と空隙との間の部分で金属
材料が切離することによって生ずる尖った部分の発生頻
度が著しく少なくなり、従ってこれを生体用材料として
用いたとき、その尖った部分によって生体を刺激すると
いった不都合を回避することができる。更にまた金属材
料が部分的に切離することが少ないため、強度的なばら
つきも小さく、また多孔質構造体自体の強度も高強度と
なる。
【0027】図1(イ),(ロ)に示す多孔質構造体
は、従来の緻密構造の金属材料から成る生体用材料に比
べて、それ自身多孔質構造に由来して有利な効果を奏す
るものであるが、特に本発明の製造方法にて得られた金
属多孔質体は、上記のように尖った部分が少なく且つ強
度も高強度であるため、生体用材料として特に好適なも
のである。勿論このような生体用材料のみならずその他
各種用途に適用可能である。
【0028】尚空隙率が70%未満の多孔質体の場合、
従来のようにスペーサ材料粉末として球状粉末を用いた
場合であっても、網目組織を繋がった状態とすることは
比較的容易である。従って本発明は空隙率が70%以上
の多孔質体、より望ましくは空隙率が80%以上の多孔
質体の製造に適用して特に効果が大である。但し空隙率
が90%を超えると多孔質体を良好に製造することが難
しくなる。従って本発明の製造方法は空隙率が90%以
下の多孔質体に好適に適用可能である。
【0029】本発明において、スペーサ材料粉末として
は直径に対する長さの比率の大きいもの、即ち繊維状の
ものを用いることによって以下のような利点も得られ
る。即ち混合した繊維状のスペーサ材料粉末を圧縮・成
形段階において引抜処理等圧力を一定方向にかける処理
を施してこれを一定方向に配向させ、これにより図2に
示しているように空孔Pkを一定方向に配向させること
で、空孔Pk内を液体が流れるような材料としての使用
目的に好適に用いることができる。
【0030】本発明においては、上記金属粉末としてマ
グネシウム,アルミニウム,チタニウム,鉄,ニッケ
ル,銅の何れかの単体粉末若しくは合金粉末を好適に用
いることができる(請求項2)。特に生体用材料として
用いる場合にはチタニウム若しくはその合金粉末を好適
に使用可能である。
【0031】また上記スペーサ材料粉末としては炭酸水
素アンモニウム,尿素,ポリオキシメチレン樹脂,尿素
樹脂,発泡ポリスチレン樹脂,発泡ポリウレタン樹脂の
何れかを主成分としたものを好適に使用可能である(請
求項3)。
【0032】また常温における金属粉末とスペーサ材料
粉末との混合比率は、体積混合比率で1対1〜1対10
の範囲とすることができる(請求項4)。混合比率が1
対1よりも小さいと、即ちスペーサ材料粉末の混合比率
が少ないと空隙率を大きくすることができず、また逆に
1対10よりもスペーサ材料粉末の混合比率が大きくな
ると、空隙の量が多くなり過ぎて良好に多孔質構造体を
製造することが難しくなる。
【0033】本発明においてはまた、金属粉末として平
均粒径が10〜200μmの範囲にあるものを好適に用
いることができる(請求項5)。一方スペーサ材料粉末
としては平均直径が200〜2000μmの範囲にあり
且つアスペクト比が2以上のものを用いるのが良い(請
求項6)。より望ましいのはアスペクト比が3以上のも
のである。但しアスペクト比が過大になると、一つ一つ
の空隙が相対的に大きくなって同じ空隙率の多孔質体を
製造しようとしたとき、空隙の数が少なくなり、網目組
織が粗大化する。従ってアスペクト比は連続した空隙を
積極的に利用しない限り、10以下としておくことが望
ましい。
【0034】請求項7は金属の多孔質体に係るもので、
空隙の形状が平均径で200〜800μm,アスペクト
比が2以上の範囲にあるものであり、このものは金属材
料から成る網目構造が良好に繋がった状態にあり、従っ
て高強度であり、また金属材料が部分的に離脱すること
によって発生する尖った部分も少なく、生体用材料とし
て好適であり、更にはまたその他各種用途の多孔質体と
して好適に使用可能なものである。
【0035】
【実施の形態】図3に本発明の実施の形態の一例を示し
ている。ここでは原料金属粉末とスペーサ材料粉末とを
撹拌・混合装置12にて撹拌・混合し、得られた混合体
を次にプレス成形装置14で所定形状にプレス成形す
る。このプレス成形加工で得られた成形体をスペーサ材
除去装置16にセットし、同装置によって成形体に対す
る加熱を行ってスペーサ材料を焼失させる。
【0036】この例においてスペーサ材除去装置16は
真空排気口18を有しており、そこから真空排気しなが
ら加熱装置20により成形体に対する加熱を行ってスペ
ーサ材料を焼失させる。尚、図中図10aはそのように
してスペーサ材料を除去した中間製品を表している。
【0037】次にスペーサ材料を除去処理した中間製品
10aを焼結装置22にセットし、そこで再びスペーサ
材除去装置における昇温加熱よりも高い焼結温度でこれ
を焼結処理する。尚、図の焼結装置22においても真空
排気口18を有しており、そこから真空排気を行いなが
ら加熱装置20により中間製品10aを加熱しこれを焼
結させる。ここにおいてスペーサ材料の除去された後が
空隙として残った多孔質構造体10が得られる。
【0038】
【実施例】次に本発明の実施例を以下に詳しく説明す
る。ガスアトマイズ法ないし水素化脱水素化法でTi粉
末を作製後、50μm以下に分級した。このTi粉末
に、直径300μm,長さ1.5mm(アスペクト比:
5)のポリオキシメチレン樹脂製の柱状のスペーサ材料
粉末を室温で約5倍の分量で加えて十分撹拌・混合し、
その後プレス型にて成形加工した。
【0039】その後、真空炉内において300℃まで5
時間かけて昇温させ、この過程でスペーサ材料を焼失さ
せ、その後更に1200℃に加熱して2時間の焼結処理
を行った。得られた多孔質体の引張強度を測定したとこ
ろ10MPaであった。尚空隙率は80%であった。
【0040】ここで引張強度の測定はJIS Z 255
0に準拠した試験片において、JIS Z 2241に準
拠した方法で行っている。
【0041】尚、得られた多孔質体10を調べたとこ
ろ、空隙の形態は添加したスペーサ材料粉末とほぼ相似
形状であった。即ちスペーサ材料とTi粉末とを混合し
て成る混合粉末をプレス成形する際、加えた圧力によっ
て金属粉末同士が隙間を埋めるように挙動し、この結果
スペーサ材料はほぼ相似形状を保持し、そのまま焼結が
進んだものと見られる。また上記と同様の直径を有し且
つアスペクト比が3のスペーサ材料を用いて同様の手順
に従い多孔質体を製造し(混合比率は上記と同じ)、そ
の引張強度を測定したところ、8MPaであった(空隙
率は80%)。
【0042】次にスペーサ材料粉末として直径が上記と
ほぼ同等でアスペクト比が30のものを用い、これを上
記Ti粉末に混合して(混合比率は上記と同じ)更に上
記手順に従い多孔質体を製造したところ、多孔質体の引
張強度は7MPaであった。尚空隙率は80%であっ
た。
【0043】このようにTi粉末に対して添加混合する
スペーサ材料粉末のアスペクト比を大きくすると引張強
度が高くなるが、その引張強度はアスペクト比が略3〜
5程度のところで飽和し、これよりも更にアスペクト比
を大にすると、試験片寸法が固定されているため、引張
強度は順次低下することが確認された。
【0044】一方従来の方法に従って上記のTi粉末に
対し直径が300μmの球状の上記スペーサ材料粉末を
体積比率で5倍量加えて混合し、上記と同様の処理を行
って多孔質体を製造し、その強度を測定したところ5M
Paであった。尚空隙率は上記と同様の80%であっ
た。
【0045】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様形態で実施構成可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により得られる多孔質体の構造を
比較例とともに模式的に示す図である。
【図2】本発明の利点の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡津 章 愛知県名古屋市千種区北千種三丁目3番2 −309号 (72)発明者 保母 誠 愛知県名古屋市南区大同町二丁目30番地 大同特殊鋼株式会社技術開発研究所内 Fターム(参考) 4C081 AB03 BA13 CG02 CG03 CG07 CG08 DB03 EA02 EA04 4K018 AA03 AA06 AA07 AA13 AA14 AA24 CA08 DA03 DA11 KA22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末と加熱により焼失する空隙形成
    材料としての無機又は有機のスペーサ材料粉末とを混合
    してプレス成形し、次いで該スペーサ材料粉末の焼失温
    度に加熱して該スペーサ材料を焼失させた後、これより
    高温の焼結温度で焼結処理して前記金属粉末を焼結する
    金属の高強度多孔質体の製造方法において、 前記スペーサ材料粉末として柱状ないし繊維状の細長形
    状の異形粉末を用いることを特徴とする高強度多孔質体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記金属粉末がマグ
    ネシウム,アルミニウム,チタニウム,鉄,ニッケル,
    銅の何れかの単体粉末若しくは合金粉末であることを特
    徴とする高強度多孔質体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかにおいて、前記ス
    ペーサ材料粉末が炭酸水素アンモニウム,尿素,ポリオ
    キシメチレン樹脂,尿素樹脂,発泡ポリスチレン樹脂,
    発泡ポリウレタン樹脂の何れかを主成分としたものであ
    ることを特徴とする高強度多孔質体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、常温に
    おける前記金属粉末とスペーサ材料粉末との体積混合比
    率を1対1〜1対10の範囲とすることを特徴とする高
    強度多孔質体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記金
    属粉末の平均粒径が10〜200μmの範囲であること
    を特徴とする高強度多孔質体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ス
    ペーサ材料粉末の平均直径が200〜2000μmの範
    囲にあり、該粉末の最小径に対する最大径の比の平均値
    であるアスペクト比が2以上の範囲にあることを特徴と
    する高強度多孔質体の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属粉末を焼結して成る金属多孔質体で
    あって、空隙の形状が平均径で200〜800μmの範
    囲にあり、該空隙の最小径に対する最大径の比の平均値
    であるアスペクト比が2以上の範囲にあることを特徴と
    する金属の高強度多孔質体。
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