JP2006124614A - ノンハロゲン難燃性組成物及び電線 - Google Patents

ノンハロゲン難燃性組成物及び電線 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性と耐電圧特性をバランス良く兼ね備えたノンハロゲン難燃性組成物及び電線を提供すること。
【解決手段】オレフィン系ポリマーと、該オレフィン系ポリマー100重量部に対し、2族又は3族の金属元素の水酸化物30〜230重量部と、2族又は3族の金属元素の酸化物2〜50重量部と、イオン交換機能を有する無機物2〜50重量部とを配合する難燃性組成物を特徴とするノンハロゲン難燃性組成物。上記難燃性組成物の結晶融解熱量が、50J/g以下であることを特徴とする難燃性組成物。上記難燃性組成物からなる被覆を備えているとともに、該難燃性組成物が架橋されていることを特徴とする電線。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱性と耐電圧特性をバランス良く兼ね備えた、例えば、電気機器内配線や自動車用ハーネスの絶縁体として好適なノンハロゲン難燃性組成物と、該ノンハロゲン難燃性組成物からなる被覆を備えた電線に関する。
ポリエチレンやエチレン−プロピレンゴムなどのオレフィン系ポリマーは、安価で加工性も良いことより、従来から絶縁電線の絶縁体として広く使用されている。しかし、オレフィン系ポリマーは、それ自体が可燃性であるため、安全性、防火性の問題から難燃性を付与する必要がある。難燃性を付与する方法としては、例えば、難燃剤を添加する方法が一般的に採られているが、難燃剤などの添加剤を添加することにより、機械的強度や耐電圧特性を大幅に低下させてしまうことになる。そこで、例えば特許文献1や特許文献2などには、ポリエチレンやエチレン−プロピレンゴムなどの優れた耐電圧特性を有する非極性オレフィン系ポリマーと、エチレン−酢酸ビニルやエチレン−アクリル酸エチルなどの添加剤との親和性に優れた極性オレフィン系ポリマーを適切な比で混合することにより、難燃剤などの添加剤の添加による諸特性の低下を防ぐ方法が開示されている。
又、近年では、高温雰囲気中での使用が可能な材料に対する要求が増加しており、難燃性組成物に高度の耐熱性を付与させることが課題となっている。そこで、例えば特許文献3や特許文献4などには、ハイドロタルサイト類と、酸化防止剤や金属不活性化剤などの添加剤を添加し、その相乗効果により耐熱性を向上させる方法が開示されている。
尚、本件に関連する技術として、当該出願人より特許文献5が出願されている。
特開平8−180737号公報 特許第3092294号公報 特開平5−214175号公報 特許第3289424号公報 特願2004−167433号
しかしながら、上記の特許文献1、特許文献2のように、特定のポリマーを選定することだけでは、機械的強度や耐電圧特性の低下を防止できても、耐熱性を向上させる効果は得られない。又、上記の特許文献3、特許文献4には、耐熱性を向上させる記載はあるものの、耐電圧特性について記載はなく、そもそも、ハイドロタルサイト類はアニオン層とカチオン層とのイオン結合による結晶であり、又、結晶内に結晶水を含有しているため、耐電圧特性を低下させるものであるし、上記したような添加剤も、高度な耐熱性を発現するために多量添加すると、分散性や分子構造上の問題より耐電圧特性を低下させるものである。更に、ハイドロタルサイト類や上記した添加剤を添加すると、機械的強度についても低下させる傾向にある。このように、従来の技術では耐熱性と耐電圧特性をバランス良く兼ね備えた難燃性組成物を得ることが困難であった。
又、難燃剤としては、ハロゲン系の難燃剤を配合する方法が広く採用されていたが、これらは燃焼時に多量のハロゲン系ガスを発生し、周囲の機器への腐食性、人体への有害性等が問題になっていることから、近年ではハロゲン系材料を含有していないことが要望されている。
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、耐熱性と耐電圧特性をバランス良く兼ね備えたノンハロゲン難燃性組成物を提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1によるノンハロゲン難燃性組成物は、オレフィン系ポリマーと、該オレフィン系ポリマー100重量部に対し、2族又は3族の金属元素の水酸化物30〜230重量部と、2族又は3族の金属元素の酸化物2〜50重量部と、イオン交換機能を有する無機物2〜50重量部とを配合することを特徴とするものである。
又、請求項2によるノンハロゲン難燃性組成物は、請求項1記載の難燃性組成物において、上記難燃性組成物の結晶融解熱量が、50J/g以下であることを特徴とするものである。
又、請求項3による電線は、請求項1又は請求項2記載の難燃性組成物からなる被覆を備えているとともに、該難燃性組成物が架橋されていることを特徴とするものである。
本発明による難燃性組成物は、オレフィン系ポリマーに、2族又は3族の金属元素の酸化物と、イオン交換機能を有する無機物とを併用し、特定量配合することにより、優れた耐熱性を得ることができる。更に、2族又は3族の金属元素の水酸化物を特定量配合することにより、耐電圧特性を向上させ、上記2族又は3族の金属元素の酸化物やイオン交換機能を有する無機物、あるいは、他の添加剤等を添加したとしても、耐電圧特性の低下を抑えることができる。このように本発明によれば、耐熱性と耐電圧特性をバランス良く兼ね備えた難燃性組成物を得ることができる。
又、上記難燃性組成物の結晶融解熱量を50J/g以下とすることで、柔軟性を向上させることができるため、可撓性が要求される用途に適した難燃性組成物を得ることができる。
以下、本発明の難燃性組成物を構成する各成分について説明する。
(a)オレフィン系ポリマー
本発明で使用されるオレフィン系ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンや、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメチルアクリレート共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンメチルメタクリレート共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレンプロピレンゴムなどが挙げられる。αオレフィンとしては、1−ヘキセン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いても構わない。これらの中でも、ポリエチレンやエチレンプロピレンゴムのような非極性オレフィン系ポリマーを含有していることが好ましい。このような非極性オレフィン系ポリマーを含有していれば、ベースポリマー自体による耐電圧特性の低下を抑えることができるため、難燃性組成物の耐電圧特性を向上させることができる。
(b)2族又は3族の金属元素の水酸化物
本発明においては、絶縁性フィラーとしての作用により耐電圧特性を向上させるとともに、難燃性を付与させることを目的として、2族又は3族の金属元素の水酸化物を配合する。2族又は3族の金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。これらの中でも、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムは、難燃性組成物の難燃性向上に大きく寄与するとともに、多量の配合を行った場合においても耐熱性の低下が少ないため好ましい。又、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウムのなどのように受酸剤として作用する水酸化物は、適量を配合した際には耐熱性を向上させるため好ましい。又、2族又は3族の金属元素の水酸化物としては、粒径が細かく、粒形が均一であるほうが、耐電圧特性を向上させる効果が高いため好ましい。
上記した2族又は3族の金属元素の水酸化物は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、30〜230重量部配合する。2族又は3族の金属元素の水酸化物の配合量が30重量部未満では、絶縁性フィラーとして耐電圧特性を向上させる効果と難燃性を付与させる効果が不十分であり、又、230重量部を超えると、機械的強度や耐熱性が低下してしまう。又、2族又は3族の金属元素の水酸化物の配合量が200〜230重量部であれば、特に優れた難燃性を付与させることができる。
(c)2族又は3族の金属元素の酸化物
本発明においては、受酸剤としての作用により耐熱性を向上させることを目的として、2族又は3族の金属元素の酸化物を配合する。2族又は3族の金属元素の酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。
上記した2族又は3族の金属元素の酸化物は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、2〜50重量部配合する。2族又は3族の金属元素の酸化物の配合量が2重量部未満では、受酸剤として耐熱性を向上させる効果が不十分であり、又、50重量部を超えると、機械的強度や耐電圧特性が低下してしまう。
(d)イオン交換機能を有する無機物
オレフィン系ポリマー中には、製造工程の重合段階で使用される触媒が残渣として残存する場合がある。このような触媒残渣は、高温に晒される環境において劣化促進成分を生じるため、組成物の耐熱性に悪影響を与えてしまう。本発明においては、この触媒残渣より生じる劣化促進成分を捕捉、不活性化し、耐熱性を向上させることを目的としてイオン交換機能を有する無機物を配合する。イオン交換機能を有する無機物としては、例えば、ハイドロタルサイト類化合物やスメクタイト、カオリン、膨潤性マイカなどが挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。
上記したイオン交換機能を有する無機物は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、2〜50重量部配合する。イオン交換機能を有する無機物の配合量が2重量部未満では、劣化促進成分を捕捉、不活性化するには不十分であり、十分な耐熱性が得られない。又、50重量部を超えると、機械的強度や耐電圧特性が低下してしまう。
これらの2族又は3族の金属元素の水酸化物、2族又は3族の金属元素の酸化物、イオン交換機能を有する無機物は、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、又はこれらのアルミニウム、マグネシウム、カルシウム塩などの高級脂肪酸金属塩、シランカップリング剤やチタネート系表面処理剤などの表面処理剤によって表面処理することができる。これら表面処理剤はオレフィン系ポリマーとの親和性及び分散性を向上させ、機械的強度などを向上させるために好ましく使用される。又、上記の表面処理剤の中でも、シランカップリング剤によって表面処理を行うことにより、初期の耐熱性を向上させることができる。これらの表面処理剤は、1種単独でも、2種以上を併用して使用しても良い。又、表面処理をする場合は、予め表面処理されたものを使用しても良いし、未処理若しくは表面処理済のものと共に表面処理剤を配合し、表面処理を行っても良い。
本発明においては、上記の成分以外にも、本発明の目的を阻害しない範囲内で、従来、電線、ケーブルにおいて一般的に使用されている各種の添加剤を配合しても良い。このような添加剤としては、例えば、難燃助剤、老化防止剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、軟化剤、分散剤、着色剤などが挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、アミン系、フェノール系、リン系、硫黄系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。これらの中でも、フェノール系老化防止剤と硫黄系老化防止剤を併用することが好ましく、ラジカル捕捉効果と過酸化物分解効果の相乗効果によって、より高度な耐熱性を付与させ、ブリードアウトや着色性、汚染性も無い。フェノール系老化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどのモノフェノール系、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール系、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)などのチオビスフェノール系、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレートなどのヒンダートフェノール系などのものが挙げられ、硫黄系老化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネートなどのチオエーテル系、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール系、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのチオカルバミン酸塩系老化防止剤などが挙げられる。これらの中から更に好ましくは、ヒンダートフェノール系老化防止剤とイミダゾール系老化防止剤の併用であり、最も高い耐熱性向上の効果を発現する。ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、例えば、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどが挙げられる。イミダゾール系老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、4,5−メルカプトメチルベンズイミダゾール、これらの亜鉛塩などが挙げられる。
これらの老化防止剤は、オレフィン系ポリマー100重量部に対し、合計で2〜30重量部配合することが好ましい。老化防止剤の配合量が2重量部よりも少ないと老化防止剤としての効果が充分でなく、30重量部を超えると耐電圧特性が低下してしまう。
上記の各構成材料を適宜に配合したものを、ロール、ニーダー、バンバリー、一軸混練機、二軸混練機などの公知の混練機を使用して充分に混練りすることによって本発明の難燃性組成物を得ることができる。
本発明においては、このようにして得られた難燃性組成物の結晶融解熱量が50J/g以下であることが好ましい。難燃性組成物の結晶融解熱量が50J/g以下であれば、柔軟性を向上させることができるため可撓性が要求される用途に適した難燃性組成物を得ることができる。
上記の難燃性組成物を公知の方法によって導体周上に押出被覆し、その後、難燃性組成物の耐熱性を向上させるため適宜に架橋を施すことにより、本発明の他の態様による電線を得ることができる。
架橋方法は特に限定されず、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物を架橋剤として使用した化学架橋法、X線、γ線、電子線、陽子線、重陽子線、α線、β線などの電離性放射線を使用した照射架橋法などが挙げられる。尚、上述した結晶融解熱量について、架橋を施す場合には、架橋後の難燃性組成物の結晶融解熱量が50J/g以下であることが好ましい。
以下に本発明の実施例を比較例と併せて説明する。この実施例で使用した各配合材料の詳細は表4に示す通りである。
表4に示した配合材料を表1〜3に示した配合部数により2軸混練機で十分に混練し、得られた難燃性組成物をペレット化した。このペレットをL/D=24の25mmφ押出機に供給して、シリンダー70〜100℃、ヘッド110℃の温度条件にて、アメリカン・ワイヤ・ゲージ(AWG)28の錫メッキ軟銅撚り線(0.4φ)からなる導体周上に0.35mmの肉厚で押出被覆した。その後、210℃、0.4MPaの条件にて化学架橋させ、仕上がり外径1.1mmφの電線を製造した。
ここで、この様にして得られた合計21種類の電線を試料として、機械的強度(引張破断強度、引張破断伸び)、耐熱性、耐電圧特性(絶縁破壊電圧)、難燃性、可撓性について、それぞれ評価を行った。結果は各配合材料の配合部数と共に表1〜3に併せて示した。
評価方法は以下の通りである。
(機械的強度)
UL758.14に準拠して、引張破断強度と引張破断伸びを評価した。合否の基準としては、引張破断強度が10.3MPa以上、引張破断伸びが150%以上のものを合格と判定した。
(耐熱性)
UL758.14の耐熱試験(定格150℃)を参照し、180℃短期耐熱試験を実施した。180℃に設定したギアオーブンに投入して、7日後に取り出して引張破断伸びを測定し、老化後の強度残率が70%以上、引張破断伸び残率が50%以上保持できたものを合格(○)、強度残率又は引張破断伸び残率の何れかが値に満たなかったものを不合格(×)とした。併せて、UL758.14の耐熱試験(定格125℃)を参照し、158℃長期耐熱試験を実施した。158℃に設定したギアオーブンに、ハロゲン系難燃剤を配合した電線とともに投入して、7日おきに取り出して引張破断伸びを測定した。老化後の引張破断強度が初期値の50%以上、伸び率が絶対値で50%以上保持できる日数を測定し、35日以上のものを合格(○)、35日未満のものを不合格(×)とした。
(耐電圧特性)
水中での絶縁破壊電圧にて評価した。印加交流電圧を増加させていき、絶縁破壊した時の電圧を測定した。試料数n=10で測定し、その平均値を算出した。合否の基準としては、絶縁破壊電圧が10kV以上のものを合格と判定した。
(難燃性)
UL758.39(水平燃焼試験)、UL758.41(VW−1燃焼試験)にて評価した。
(可撓性)
図1(A)に示すように、長さ500mmの電線1を試料とし、その中心cから左右50mmの距離に標線s,s’を引き、電線1の両端10mmだけ被覆1aを剥ぎ取り、導体1bを露出させる。次いで、図1(B)に示すように、導体1bの端を平行に揃えて結束し、直径2.0φのマンドレル3に電線1の中心cが配置されるようにして吊り下げ、重り2により導体1bの結束部分に0.98N(100g)の荷重をかける。そして、荷重をかけてから、1分後の標線sと標線s’の標線間距離Lを測定する。評価の基準としては、標線間距離Lが5mm未満のものを特に柔らかい、5〜10mmのものを柔らかい、10mm以上のものを硬いと判定した。又、表中においては、6mm未満のものを◎、6〜11mmのものを○、11mm以上のものを△、と示した。
又、上記合計21種類の試料について、結晶融解熱量を測定した。測定方法は、示差走査熱量測定(DSC)装置にて、試料を室温から300℃まで昇温させ、吸熱量の合計を測定し、結晶融解熱量とした。
Figure 2006124614
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上記の各実施例において、何れの実施例も水平燃焼試験に合格しており、通常必要な難燃性を有していることが確認された。
又、本実施例による電線は、何れも耐熱性及び耐電圧特性について合格する値を示しており、耐熱性と耐電圧特性をバランス良く兼ね備えたものであるとともに、機械的強度(強度、伸び)にも優れたものであることが確認された。
特に、実施例2と実施例1,12,13を比較すると、オレフィン系ポリマーとして、非極性のオレフィン系ポリマーであるエチレン−プロピレン−ジエン共重合体や高密度ポリエチレンを含有した実施例1,12,13については、非極性のオレフィン系ポリマーを含有していない実施例2と比較して、耐電圧特性に優れていることが確認された。
実施例1,3〜7と比較例1を比較すると、2族又は3族の金属元素の水酸化物が本発明の範囲(30〜230重量部)を超えて配合されている比較例1は、実施例1,3〜7と比べて機械的強度と耐熱性に劣り、機械的強度試験(強度、伸び)、耐熱性試験(180℃短期耐熱試験、158℃長期耐熱試験)の何れも合格レベルに達しないことが確認された。又、実施例1,3〜7と比較例2を比較すると、2族又は3族の金属元素の水酸化物を配合していない比較例2は、実施例1,3〜7と比べて耐電圧特性と難燃性に劣り、耐電圧特性試験の値も合格レベルに達せず、水平燃焼試験も不合格となることが確認された。又、2族又は3族の金属元素の水酸化物の配合量が200〜230重量部である実施例4,5は、垂直難燃試験にも合格しており、特に優れた難燃性を有していることが確認された。
実施例8,9と比較例3を比較すると、2族又は3族の金属元素の酸化物が本発明の範囲(2〜50重量部)を超えて配合されている比較例3は、実施例8,9と比べて耐電圧特性に劣り、耐電圧特性試験の値も合格レベルに達しないことが確認された。又、実施例8,9と比較例4を比較すると、2族又は3族の金属元素の酸化物を配合していない比較例4は、実施例8,9と比べて耐熱性に劣り、耐熱性試験(158℃長期耐熱試験)も合格レベルに達しないことが確認された。
実施例10,11と比較例5を比較すると、イオン交換機能を有する無機物が本発明の範囲(2〜50重量部)を超えて配合されている比較例5は、実施例10,11と比べて耐電圧特性に劣り、耐電圧特性試験の値も合格レベルに達しないことが確認された。又、実施例10,11と比較例6を比較すると、イオン交換機能を有する無機物を配合していない比較例6は、実施例10,11と比べて耐熱性に劣り、耐熱性試験(158℃長期耐熱試験)も合格レベルに達しないことが確認された。
又、実施例1,2,12と実施例13を比較すると、難燃性組成物の結晶融解熱量が本発明の好ましい範囲(50J/g以下)に含まれる実施例1,2,12は、柔軟であり可撓性にも優れるものであったが、難燃性組成物の結晶融解熱量が本発明の好ましい範囲(50J/g以下)を超える実施例13は、実使用上問題のない程度であったが、やや硬く、可撓性に乏しいものであった。
又、実施例1,14,15を比較すると、老化防止剤の配合量が本願発明の好ましい範囲(2〜30重量部)にあるため、何れも優れた耐熱性を有していることが確認された。
以上詳述したように本発明によれば、耐熱性と耐電圧特性をバランス良く兼ね備えたノンハロゲン難燃性組成物を得ることができる。その為、この難燃性組成物は、電気機器内配線や自動車用ハーネスの絶縁体などとして好適である。又、使用用途としてはこれらに限定されることはなく、例えば、コード状ヒータの絶縁被覆材料、チューブの構成材料などとしても使用可能である。
可撓性試験の方法を表わす概略図である。
符号の説明
1 電線
1a 被覆
1b 導体
2 重り
3 マンドレル

Claims (3)

  1. オレフィン系ポリマーと、該オレフィン系ポリマー100重量部に対し、2族又は3族の金属元素の水酸化物30〜230重量部と、2族又は3族の金属元素の酸化物2〜50重量部と、イオン交換機能を有する無機物2〜50重量部とを配合するノンハロゲン難燃性組成物。
  2. 上記難燃性組成物の結晶融解熱量が、50J/g以下であることを特徴とする請求項1記載のノンハロゲン難燃性組成物。
  3. 請求項1又は請求項2記載の難燃性組成物からなる被覆を備えているとともに、該難燃性組成物が架橋されていることを特徴とする電線。
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