JP2006124414A - 鋳型模型製作用2液アクリル系接着剤、および該接着剤を用いた接着工法 - Google Patents

鋳型模型製作用2液アクリル系接着剤、および該接着剤を用いた接着工法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型の製造において、それを構成する模型部品を接合させるために用いられる接着剤であって、1)その硬化物の燃焼残渣の発生が低減されており、2)ポリスチレン系樹脂発泡体に対する溶解性が弱く、3)模型部品を強力に接合することができ、かつ4)模型部品を短時間で接合することができるアクリル系接着剤を提供すること。
【解決手段】 (A)重合性単量体、(B)有機過酸化物、(C)バナジウム化合物、及び(D)酸性リン酸化合物を含み、前記(A)の80質量%以上が、特定の分子構造と分子量を有する(メタ)アクリレートである、二液アクリル系接着剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡体を被着材とするアクリル系接着剤に関する。より具体的には、ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を製造するために用いられる接着剤に関する。
また、本発明は該接着剤を用いて鋳造用消失模型を製造する方法に関する。
鋳物を製造する鋳造法として、木型法、消失模型鋳造法(フルモールド鋳造法、またはロストフォームともよばれる)、およびシュリンクモールド法などが知られている。消失模型鋳造法は、合成樹脂発泡体を基材とする鋳造用消失模型を作製し、該鋳造用消失模型を鋳物砂中に埋め込んで造形した鋳造型に、溶融金属(例えば溶融鋳鋼)である溶湯を注湯する。該注湯により、鋳造用消失模型を燃焼させて、溶湯と置換することにより模型に従った形状の鋳物を製造する。消失模型鋳造法は、経済性と利便性に優れていることから、1960年代から急速に普及している。
前記鋳造用消失模型は、その構造が複雑である場合、
1)目的とする鋳造用消失模型を構成する複数の模型部品をそれぞれ作製し、
2)作製した消失模型部品同士を接着剤で接合することにより製造される。
前記鋳造用消失模型の基材である合成樹脂発泡体としては、ポリスチレン系樹脂発泡体(EPS)が代表的である。ポリスチレン系樹脂発泡体を基材とする鋳造用消失模型の製造において、それを構成する模型部品を接合させるために用いられてきた接着剤としては、二液エポキシ系、一液ウレタン系、尿素系などの接着剤が挙げられる。
しかし、これらの接着剤は硬化速度が遅く、接着強度が発現するまでに時間がかかるため、次工程に移るまでに接合物を静置しておく時間が必要であった。
さらに、二液エポキシ系接着剤は、硬化が付加重合反応で進行するため、二液をよく混合することが必須であり、混合不良の場合には接着強度が向上しないという不利があった。また一液ウレタン系接着剤及び尿素系接着剤はエポキシ系接着剤よりもさらに硬化が遅い上に、接着強度も若干弱い。
また、これらの接着剤は、燃焼された場合に燃焼残渣が多く残るという欠点を有していた。鋳造用消失模型の製造で用いられる接着剤の燃焼残渣が多いと、その鋳造用消失模型を用いて鋳物を製造した場合に、燃焼残渣が鋳物の内部に侵入したり、表面に付着しやすい。該燃焼残渣が鋳物の内部に侵入、または表面に付着すると、鋳物の強度の低下、または加工性の悪化などを招く。従って、特に自動車や船のエンジンおよび精密工作機械等の高い精度が要求される鋳物を製造する場合には、この燃焼残渣の発生が問題となっていた。
本発明者等は、従来、ポリスチレン発泡体製の鋳造用消失模型の製造に用いられてきた二液エポキシ系、一液ウレタン系、尿素系などの接着剤の燃焼残渣の多少について検討した。具体的には、これらの接着剤の一定量の硬化物をアルゴン雰囲気下、昇温速度10℃/minにて20℃から800℃に加熱し、その後、残った残渣の重さを求めて燃焼残渣の量とした。また比較のために、ポリスチレン発泡体の燃焼残渣の量についても同様に求
めた。
その結果、ポリスチレン発泡体の燃焼残渣を1.0とした場合に、二液エポキシ系接着剤の燃焼残渣は9.0、一液ウレタン系接着剤の燃焼残渣は5.2、尿素系接着剤の燃焼残渣は17.9であり、ポリスチレン発泡体の燃焼残渣に対して、いずれの接着剤の燃焼残渣も非常に多いことがわかった。
ここで、前記燃焼残渣の量の測定は、以下のようにして行った。
23℃、50%RHの恒温恒湿室内で、各接着剤の硬化物(二液接着剤の場合は、二液それぞれを等質量混合して得られた硬化物)について、JIS K7120に準拠して、以下の条件にて示差熱分析を行い、燃焼残渣の重量を測定した。
測定機器 :セイコー電子工業(株)製 TG/DTA220
試料 :5φ白金製オープン型試料容器に10mgにて測定
測定温度 :20〜800℃、昇温スピード=10℃/min、800℃到達時点で測定終了
アルゴン気流:300ml/min
これらの接着剤の燃焼残渣が多い原因として、接着剤の主成分が、その分子中に炭素原子や水素原子と比較して燃焼しにくい窒素原子を有していることが推察された。そこで、本発明者らは、エステル基に基づく酸素原子を多く含有している重合性(メタ)アクリレートを主成分とする二液アクリル系接着剤に着目し、この二液アクリル系接着剤の硬化物について、前記と同様にして燃焼残渣の量を測定した。その結果、ポリスチレン発泡体の燃焼残渣を1.0とした場合に、該二液アクリル系接着剤の燃焼残渣は1.3〜3.5であり、前述の従来用いられてきた接着剤と比較して、顕著に燃焼残渣が少ないことを見出した。
前記のように、二液アクリル系接着剤は、燃焼残渣の発生量が抑制されているという点で有利であることが見出された。また、二液アクリル系接着剤は、速硬化性であって、ラフな混合でも良好な接着性が得られることも知られている。
しかしながら、従来の二液アクリル系接着剤に含まれる重合性(メタ)アクリレートは、ポリスチレン系樹脂発泡体を溶解させる性質(以下、この性質を「ポリスチレン系樹脂発泡体に対する溶解性」とも称する)が強い。よって、従来の二液アクリル系接着剤は、ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型の製造において、それを構成する模型部品に塗布された場合に、硬化する前に模型部品を溶解させてしまい、製造された鋳造用消失模型に隙間を生じさせたり、模型寸法を変化させやすい。さらには、十分な接着力が得られないという問題もある。
このような状況に鑑み、本発明はポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型の製造において、それを構成する模型部品を接合させるために好適に用いられる接着剤、すなわち
1)その硬化物の燃焼残渣の発生が低減されており、
2)ポリスチレン系樹脂発泡体を溶解する性質が弱く、
3)模型部品を強力に接合することができ、かつ
4)模型部品を短時間で接合することができることを特徴とする、アクリル系接着剤を提供することを課題とする。
また、このアクリル系接着剤を用いて、容易にかつ短時間で鋳造用消失模型を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意研究を行った結果、重合性(メタ)アクリレート、有機過酸化物、ラジ
カル発生促進剤を含む二液アクリル系接着剤において、前記重合性(メタ)アクリレートの少なくとも一部として、特定の重合性(メタ)アクリレートを使用することにより上記課題を解決することができることを見出して本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、以下の通りである。
[1] (A)重合性単量体、(B)有機過酸化物、(C)バナジウム化合物、及び(D)酸性リン酸化合物を含み、前記(B)と(C)が共存しないように二剤に分かたれて保存されるアクリル系接着剤であって、
前記(A)の80質量%以上が、下記(イ)〜(ヌ)からなる群から選ばれる一種または二種以上の(メタ)アクリレートであるポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を製造するための二液アクリル系接着剤。
(イ)分子量が295以上のアルキル(メタ)アクリレート
(ロ)分子量が195以上の脂環式(メタ)アクリレート
(ハ)分子量が140以上のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート
(ニ)分子量が115以上の水酸基含有(メタ)アクリレート
(ホ)分子量が230以上のポリエステル(メタ)アクリレート
(ヘ)分子量が310以上のフェノキシアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート
(チ)分子量が460以上のビスフェノールAまたはビスフェノールFのアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート
(リ)分子量が520以上のポリアルキレングリコール変性(メタ)アクリレート
(ヌ)その他分子量が600以上の(メタ)アクリレート

[2] [1]に記載のアクリル系接着剤であって、前記二剤のうちの一方を、23℃;50%RHの恒温恒湿室内で、ポリスチレン系樹脂発泡体の平滑面に0.1g/cm2塗布し、塗布された剤を10分後に拭き取ったときのポリスチレン系樹脂発泡体に形成された窪みの深さが、0.2mm以下であることを特徴とする接着剤。

[3] [1]に記載のアクリル系接着剤であって、23℃;50%RHの恒温恒湿室内で硬化させた硬化物の燃焼残渣(燃焼条件:アルゴン雰囲気下、800℃)の質量が、燃焼前の硬化物の質量の4%以下であることを特徴とする接着剤。

[4] ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を構成する模型部品1及び模型部品2の、それぞれの接合面を互いに貼り合わせるステップを含む、ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を製造する方法であって、
前記貼り合わせるステップが、
(a)[1]に記載のアクリル系接着剤の二剤のうちの一方を、模型部品1の接合面に塗布する工程、
(b)[1]に記載のアクリル系接着剤の二剤のうちのもう一方を、模型部品2の接合面に塗布する工程、および
(c)前記模型部品1の接合面と、前記模型部品2の接合面とを貼り合わせる工程を含む方法。

[5] ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を構成する模型部品1及び模型部品2の、それぞれの接合面を互いに貼り合わせるステップを含む、ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を製造する方法であって、
前記接合面を貼り合わせるステップが、
(a)[1]に記載の接着剤の二剤の両方を模型部品1の接合面に塗布する工程、および
(b)前記模型部品1の接合面と、前記模型部品2の接合面を貼り合わせる工程を
含む方法。
本発明によれば、ポリスチレン系樹脂発泡体を溶解させにくく、かつ硬化性が向上されたアクリル系接着剤が提供される。この接着剤を用いることにより、精度の良い鋳物の模型であり、かつ燃焼された際に出る煙や燃焼残渣が低減された、ポリスチレン系樹脂発泡体を基材とする鋳造用消失模型を製造することができる。
また本発明によって提供される方法を用いることにより、鋳造用消失模型を短時間かつ容易に製造することもできる。
<本発明のアクリル系接着剤>
本発明のアクリル系接着剤は、重合性単量体からなる(A)成分、有機過酸化物からなる(B)成分、バナジウム化合物からなる(C)成分、及び酸性リン酸化合物からなる(D)成分を必須成分として含むことを特徴とするが、これら以外の任意の成分、例えば硬化促進剤や重合禁止剤などを含むこともできる。
前記重合性単量体からなる(A)成分は、重合性アクリレート及び/又は重合性メタクリレート(以下、両者を総称して「重合性(メタ)アクリレート」と称する)を含む。(A)成分に含まれる重合性(メタ)アクリレートは一種類でもよいが、二種以上の組み合わせでもよい。
前記(A)成分は、ポリスチレン系樹脂発泡体を溶解する性質が弱いか、または実質的にないことが好ましい。そのため、(A)成分の80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくはほぼ100質量%が、前記(イ)〜(ヌ)に記載の(メタ)アクリレートから選ばれる1又は2以上の組み合わせであることが好ましい。
上記含有率が80質量%未満であると、(A)成分を含む本発明の接着剤がポリスチレン系樹脂発泡体を溶解させることがあるため、本発明の効果が損なわれることがある。
なお、「(イ)〜(ヌ)に記載の(メタ)アクリレートから選ばれる(メタ)アクリレート」とは、(イ)〜(ヌ)のいずれかの群に該当する(メタ)アクリレートであればよい。
すなわち、例えば、水酸基およびカルボキシル基を含有するメタアクリレートであって、分子量が130のものは、(ハ)には該当しないが、(ニ)には該当するので、(イ)〜(ヌ)から選ばれる(メタ)アクリレートに含まれる。
前記の通り、(A)成分の80質量%以上は、(イ)〜(ヌ)に記載の(メタ)アクリレートから選ばれる1又は2以上の組み合わせであることが好ましい。
「(イ)〜(ヌ)に記載の(メタ)アクリレートから選ばれる1又は2以上の組み合わせ」としては、好ましくは(チ)単独、(リ)単独、(チ)及び/又は(リ)ならびに(ハ)、(ニ)及び(ホ)のうち1種以上の組み合わせが挙げられる。
(イ)分子量が295以上のアルキル(メタ)アクリレート
アルキル(メタ)アクリレートとは、CH2=C(−R)COOX(R=HまたはMe)で表される(メタ)アクリル酸エステルであって、Xがアルキル基であるものをいう。該アルキル基Xは、鎖状(直鎖状及び分岐鎖状でもよい)のものが好ましい。
例えばセチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(ロ)分子量が195以上の脂環式(メタ)アクリレート
脂環式(メタ)アクリレートとは、CH2=C(−R)COOX(R=HまたはMe)で
表される(メタ)アクリル酸エステルであって、Xが脂環式の基であるものをいう。脂環式の基Xとしては、ノルボルニルの誘導体が挙げられる。ノルボルニルの誘導体とは、アルキル基(例えばメチル基)を有するノルボルニル、または縮環されたノルボルニルなどが挙げられる。
例えばイソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(ハ)分子量が140以上のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート
カルボキシル基含有(メタ)アクリレートとは、CH2=C(−R)COOX(R=HまたはMe)で表される(メタ)アクリル酸エステルであって、Xがカルボキシル基(−COOH)を有する基であるものをいう。
好ましくは、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006124414
例えばアクリル酸ダイマー、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル等が挙げられる。なかでも、分子量が200以上の、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチルが好ましく例示される。
(ニ)分子量が115以上の水酸基含有(メタ)アクリレート
水酸基含有(メタ)アクリレートとは、CH2=C(−R)COOX(R=HまたはMe)で表される(メタ)アクリル酸エステルであって、Xが水酸基(−OH)を有する基であるものをいう。
例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、および、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも分子量が200以上のグリセリンジ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、および、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート等は、本発明の接着剤の硬化性および接着性をより良好にさせ得るので好ましい。
(ホ)分子量が230以上のポリエステル(メタ)アクリレート
ポリエステル(メタ)アクリレートとは、ポリエステルの末端ヒドロキシ基の一方または両方(好ましくは一方)を、(メタ)アクリル酸と縮合反応させたものである。該ポリエステルとしては、ポリカプロラクトン(HO−[CO(CH25O]n−H)等が好ましく例示される。
例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも分子量が300以上のω−カルボキシポリカプロラクトン(n=2以上)モノ(メタ)アクリレート等は、本発明の接着剤の硬化性および接着性をより良好にさせ得るの
で好ましい。
(ヘ)分子量が310以上のフェノキシアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート
フェノキシアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとは、フェノキシアルキレンオキサイドまたはフェノキシ(ポリ)アルキレンオキサイドの末端ヒドロキシ基を(メタ)アクリル酸と縮合反応させたものであることが好ましい。フェノキシアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートのフェノキシ基のフェニル環上には任意の置換基(好ましくはアルキル基、例えばノニル基やクミル基)が存在しうる。また、フェノキシアルキレンオキサイドの例としてはフェノキシポリエチレンオキサイドが挙げられる。
(へ)としては、具体的には下記式で表される、置換もしくは無置換のフェノキシポリエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートが例示される。置換フェノキシポリエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとしては、ノニルフェノキシポリエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、クミル(好ましくはp−クミル)フェノキシエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも分子量が325以上のフェノキシポリエチレンオキサイド(n=4以上)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド(n=4以上)変性(メタ)アクリレート等は、本発明の接着剤の硬化性および接着性をより良好にさせ得るので好ましい。
Figure 2006124414
(ト)分子量が450以上のアルコキシアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート
アルコキシアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとは、アルコキシアルキレンオキサイドまたはアルコキシポリアルキレンオキサイドの末端ヒドロキシ基を(メタ)アクリル酸と縮合反応させたものである。アルコキシとしては、メトキシおよびエトキシが好ましく例示される。アルコキシアルキレンオキサイドとしては、アルコキシポリエチレンオキサイドが挙げられる。
例えば下記式で表されるアルコキシ(好ましくはメトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2006124414
(チ)分子量が460以上のビスフェノールAまたはビスフェノールFのアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートとは、ビスフェノールAのヒドロキシル基の一方または両方(好ましくは両方)がアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートにより修飾されたものである。
また、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、ビスフェノールFのヒドロキシル基の一方または両方(好ましくは両方)がアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートにより修飾されたものである。
例えば下記式で表されるビスフェノールAのポリエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2006124414
(リ)分子量が520以上のポリアルキレングリコール変性(メタ)アクリレート
例えば、下記式で表されるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 2006124414
(ヌ)その他分子量が600以上の(メタ)アクリレートは、例えばポリウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記(イ)〜(ヌ)の(メタ)アクリレートの分子量の上限は特に設定されないが、目安として常温において流動性を有する程度の分子量であればよい。
前記の通り、重合性単量体からなる(A)成分は、好ましくはその80質量%以上が(イ)〜(ヌ)に記載の(メタ)アクリレートから選ばれる1又は2以上の組み合わせであるが、(イ)〜(ヌ)以外の任意成分を含んでいてもよい。(イ)〜(ヌ)以外の任意成分としては、例えば(メタ)アクリル酸が好ましく挙げられる。かかる成分を含有させることにより、本発明の接着剤により良好な機械的強度と接着性を付与することができる。
(A)成分における(メタ)アクリル酸、及びカルボキシル基を有する低分子の重合性(メタ)アクリレートの含有量は、通常20質量%以下であり、好ましくは10質量%以下である。20質量%を超えると、本発明の接着剤のポリスチレン系樹脂発泡体に対する
溶解性が高くなることがある。従って、ポリスチレン系樹脂発泡体に該接着剤を塗布した場合に、発泡体が溶解されて、発泡体に含まれる空気が接着剤と混合する。そのため、混合された空気により接着剤のラジカル重合反応が阻害され、硬化速度が著しく遅くなることがある。また、接着強度も弱くなることがある。
前記有機過酸化物からなる(B)成分は、本発明の接着剤においてラジカル開始剤として、または(C)成分とともにレドックス系重合開始剤として作用し得る。つまり(B)成分は、(A)成分の付加重合反応または硬化反応を開始させることができる。(B)成分としては、ラジカル開始剤として公知の有機過酸化物を任意に用いることができる。
例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシデカノエート等のパーオキシエステル類;1,5−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;アセト酢酸エチルパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類が挙げられる。
これらのうち、ハイドロパーオキサイド類は、本発明の接着剤の接着性を高めることができるので好ましく例示される。
本発明の接着剤における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、通常0.5〜5質量部であり、より好ましくは1〜4質量部である。前記含有量が0.5質量部未満であると、接着剤の硬化速度が遅くなり好ましくなく、一方5質量部を超えるとむしろ接着力等の物性が低下するので好ましくない。
前記バナジウム化合物からなる(C)成分はラジカル発生促進剤として、または(B)成分とともにレドックス系重合開始剤として作用し得る。
重合性単量体からなる(A)成分と、ラジカル開始剤として作用する有機過酸化物からなる(B)成分とを含む接着剤は、ラジカル重合により硬化する場合に空気と接触すると、空気中の酸素によりラジカル重合反応が阻害されるために硬化しにくい。特に、本発明の接着剤の被着材であり得るポリスチレン系樹脂発泡体の接着面にも多量の空気が存在する(該接着面は、通常、発泡体の切断面であるため、多量の空気が存在する)ため、該発泡体に接着剤を塗布した場合にラジカル重合反応が阻害されやすく、硬化性が悪化しやすい。従って、本発明の接着剤はバナジウム化合物からなる(C)成分を含むことが好ましい。
(C)成分としては、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、ナフテン酸バナジル等が用いられる。
本発明の接着剤における(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.02〜3質量部であることが好ましく、0.05〜1質量部であることがより好ましい。
前記酸性リン酸化合物からなる(D)成分は、重合性単量体(A)の保存安定化剤として作用しうる。また、(B)成分および(C)成分からなるレドックス系重合開始剤の助剤としても作用しうる。
(D)成分としては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、フェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等の酸性リン酸エステル類;フェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸等のホスホン酸類;フェニル亜ホスホン酸、ジフェニル亜ホスホン酸等の亜ホスホン酸類;エチルピロホスフェート、ブチルピロホスフェート等の酸性ピロリン酸エステル類;リン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等のリンのオキシ酸等が用いられる。
本発明の接着剤における(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.05〜5質量部であることが好ましく、0.2〜3質量部であることがより好ましい。
さらに、本発明の接着剤は、任意成分としてα−ヒドロキシカルボニル化合物を含有することができる。α−ヒドロキシカルボニル化合物は、本発明の接着剤の硬化速度をさらに向上させることができる。
α−ヒドロキシカルボニル化合物としては、カルボニル基のα炭素にヒドロキシル基を有する、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、アルデヒドなどが挙げられる。
具体的には、例えば1)乳酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、クエン酸等のα−ヒドロキシカルボン酸、2)乳酸メチル、乳酸エチル、グリコール酸エチル等のα−ヒドロキシカルボン酸エステル、3)ヒドロキシアセトン、ジヒドロキシアセトン、アセトイン、ベンゾイン等のα−ケトール類、4)α−ヒドロキシカルボン酸と、エポキシ化合物あるいはオキサゾリン化合物との付加反応物などが挙げられる。これらが単独で、あるいは、2種以上を組み合わされて含有され得る。
本発明の接着剤におけるα−ヒドロキシカルボニル化合物の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましく、0.02〜3質量部であることがより好ましい。
また、本発明の接着剤は、(A)成分(重合性(メタ)アクリレートを含む)の保存安定性をさらに高めることができる成分、例えばラジカル重合禁止剤を含むことができる。
ラジカル重合禁止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェール、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ベンゾキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム、シュウ酸、N−メチル−N−ニトロソアニリン、N−ニトロソジフェニルアミン等が挙げられる。
さらに、本発明の接着剤は有機充填剤を含むことができる。該有機充填剤としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン共重合体(MBAS樹脂)等の熱可塑性樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。上記有機充填剤は、本発明の接着剤の粘度を調整することができ、また接着剤の硬化物に強靭性を付与することができる。
さらに、本発明の接着剤は染料や顔料等を含むこともできる。
ここで、本発明の接着剤に含まれる任意成分(ラジカル重合禁止剤、染料や顔料を含む)は、接着剤の燃焼残渣の量を増加させないように基本的に有機物を使用することが好ましいことは言うまでもない。
本発明の接着剤は、使用されるまでの間、二剤に分けられて保存される(以下において、この二剤を「X剤およびY剤」とも称する)。X剤およびY剤はいずれも、(A)成分を含むことが好ましいが、(B)成分と(C)成分は、別々の剤中で共存しないように保存される(例えば、有機過酸化物(B)はX剤のみに含まれ、バナジウム化合物(C)はY剤にのみ含まれる)。保存中に硬化反応が開始するのを防ぐためである。
また、(D)成分はX剤及び/又はY剤のいずれに含有されてもよいが、好ましくは(C)バナジウム化合物と同一の剤に含有される。保存安定化剤として作用しうるためである。
X剤に含まれる(A)成分の重合性単量体の組成と、Y剤に含まれる(A)成分の重合性単量体の組成は、同一でも異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
X剤とY剤の二剤に分けることにより、調製してから使用されるまでの間の保存が可能となるとともに、一且使用した後の残分の再保存も可能となり便利である。
本発明の接着剤を構成するX剤及びY剤の粘度はいずれも、50〜20000mPa・
sであることが好ましく、300〜5000mPa・sであることがより好ましい。粘度の調整は、重合性単量体(A)の組成の選択や有機充填剤の配合により適宜行うことができる。
X剤またはY剤の粘度が50mPa・s未満であると、それを被着材に塗布した場合に被着材へ染み込みやすくなり、接着強度が不十分となる傾向がある。一方、X剤またはY剤の粘度が20000mPa・sを超えると、被着剤の塗布面に均一に塗布しにくくなり、貼り合わせ後の強い圧締が必要となり、硬化速度も遅くなる傾向がある。
本発明の接着剤を構成するX剤及びY剤の、ポリスチレン系樹脂発泡体に対する溶解性は弱いことが好ましい。該溶解性が弱いとは、X剤またはY剤を、23℃;50%RHの恒温恒湿室内で、ポリスチレン系樹脂発泡体の平滑面に0.1g/cm2塗布し、塗布された剤を10分後に拭き取ったときのポリスチレン系樹脂発泡体に形成された窪みの深さが、0.2mm以下であることをいう。
ここで、ポリスチレン系樹脂発泡体としては、例えばカネパールR(株式会社カネカ;商品名)を用いることができる。また、「平滑面」とは、表面粗さ形状測定機(サーフコム570A((株)東京精密製))を用いて、測定速度=0.3mm/sec、測定長さ=10mmの条件で測定したときの表面の高低差の最大値が50μm以下である面をいう。「拭き取る」とは、剤を吸収できる清潔なウェス等を用い、発泡体を傷つけないように手で軽く拭き取ることをいう。
本発明の接着剤の硬化時間は、10秒〜5分の範囲であることが好ましい。硬化時間は、有機過酸化物(B)、バナジウム化合物(C)、および酸性リン酸化合物(D)の種類および含有量を適宜変更することにより調整することができる。
前記硬化時間は、−10℃〜35℃程度において本発明の接着剤を、2.5mlのポリエチレン製容器中でX剤、Y剤を各0.5gずつ混合し、混合開始から混合物が硬化するまでの時間を計測することにより測定することができる。
本発明の接着剤の硬化物の燃焼残渣の質量は、燃焼前の硬化物の質量に対して4%以下であることが好ましい。前記燃焼残渣の質量は、23℃、50%RH恒温恒湿内で、X剤およびY剤を混合(好ましくは等質量ずつ混合)させて得られた本発明の接着剤を硬化させて硬化物を得て、得られた硬化物(好ましくは10mg程度)を、アルゴン雰囲気下、昇温速度10℃/minにて20℃から800℃に加熱して燃焼後の質量を測定することで求めることができる。
前記燃焼残渣の質量の測定例について具体的に述べる。
23℃、50%RHの恒温恒湿室内で、本発明の接着剤のX剤とY剤を等質量混合して得られた硬化物について、JIS K7120に準拠して、以下の条件にて示差熱分析を行い、燃焼残渣の重量を測定する。得られた結果を残存率(%)で示す。
測定機器 :セイコー電子工業(株)製 TG/DTA220
試料 :5φ白金製オープン型試料容器に10mgにて測定
測定温度 :20〜800℃、昇温スピード=10℃/min、800℃到達時点で測定終了
アルゴン気流:300ml/min
燃焼残渣の量は、例えば1)バナジウム化合物やその他燃焼残渣として残りやすい添加物の添加量を減らす、2)(A)成分として酸素原子の多く含まれるモノマーを選択する、ことにより調整(低減)することができる。
本発明の接着剤の硬化物のショアー硬度Dは、好ましくは60以下、より好ましくは50以下に設定される。ここでショアー硬度Dは、23℃、50%RH恒温恒湿内で、X剤
及びY剤を混合(好ましくは等質量ずつ混合)して得られる本発明の接着剤を硬化させて得られる硬化物のショアー硬度を意味する。
硬度の調整は、(A)成分の重合性単量体の組成や、有機充填剤の種類や量の選択により適宜変更することにより行うことができる。
ショアー硬度Dが60を超えると、貼り合わせ後接着面からはみ出した接着剤の硬化物が硬すぎ、取り除く際に被着材を傷つけることがある。
本発明の接着剤は、必須成分である(A)〜(D)成分を配合すること以外は、通常の二液アクリル系接着剤の製法と同様の方法で製造することができる。例えば、以下に示された手順で製造することができる。
(A)および(D)成分をステンレス製容器に仕込み、撹拌しながら必要に応じて安定剤、粘度調整剤等の添加剤を加え均一な状態になるまで撹拌する。添加剤の溶解または均一な分散が困難である場合は、事前に溶解しやすい成分に添加剤を溶解又は分散させたものを加えるか、系を80℃以下の温度に加熱する。その後(加熱した場合には、35℃以下に冷却して)、(B)成分を添加・撹拌してX剤を得る。
同様に(A)および(D)成分をステンレス製容器に仕込み、撹拌しながら(C)成分および必要に応じて安定剤、粘度調整剤等の添加剤を加え均一な状態になるまで撹拌してY剤を得る。添加剤の溶解または均一な分散が困難である場合は、事前に溶解しやすい成分に添加剤を溶解又は分散させたものを加えるか、系を80℃以下の温度に加熱する。
本発明の接着剤は、任意の被着材を接着させることができるが、好ましくは後述のポリスチレン系樹脂発泡体の接着に用いられる。該接着の方法は任意の方法を採用することができるが、1)ハネムーン接着工法、または2)片面接着工法を採用することが好ましい。
1)ハネムーン接着工法においては、被着材1と2を貼り合わせるにあたって、被着材1に本発明の接着剤の二剤のうちの一方(X剤)を塗布し、被着材2に鋳型模型製造用アクリル系接着剤の二剤のうちのもう一方(Y剤)を塗布する。次いで、X剤とY剤がそれぞれ塗布された被着材1と被着材2の接着剤塗布面同士を貼り合わせる。
X剤またはY剤を塗布する方法としては、刷毛塗り法、ロールコーター法、スプレー法等公知の塗布方法を用いることができる。
また、さらに必要に応じて、貼り合わされた被着材1および2を圧締および/または仮固定する。具体的にはクランプにより挟み込んだり、加重をかけたり、コールドプレスで加圧する等の方法をとることができる。
2)片面接着工法においては、被着材1と2を貼り合わせるにあたって、被着材1に本発明の接着剤の二剤の両方(X剤およびY剤)を塗布する。ここで、X剤およびY剤の塗布は、X剤およびY剤を別々に塗布してもよいし、事前にX剤およびY剤を混合して得られる混合物を塗布してもよい。X剤およびY剤を別々に塗布する場合は混合用コテや刷毛を用いて塗布し、塗布した後、X剤とY剤を塗布面で混合することが好ましい。また、事前にX剤およびY剤を混合してから塗布する場合には、公知のミキサーを用いて混合することができ、混合用コテや刷毛を用いて塗布することができる。
被着材1に塗布された接着剤は、被着材1の塗布面全体に薄く塗布されていることが好ましい。接着剤を塗布面全体に薄く塗布するために、塗布された接着剤を刷毛やバーコーター等を用いて引き延ばすことができる。また、スタティックミキサーにX剤とY剤を加圧して供給して混合し、この混合液をスプレーすることにより被着材1に塗布することもできる。このようにすれば、X剤とY剤を混合する工程、混合物を被着材1に塗布する工程、およびこれを薄く引き延ばす工程を一度に済ますことができ、最も効率的である。
接着剤を塗布された被着材1は、被着材2と貼り合わせられる。
さらに、貼り合わされた被着材1と2を圧締および/または仮固定することもできる。具体的にはクランプにより挟み込んだり、加重をかけたり、コールドプレスで加圧する等の方法をとることができる。
<本発明の接着剤の被着材>
前記の通り、本発明の接着剤は任意のものを接着させることができるが、特にポリスチレン系樹脂発泡体同士を接着するのに適している。すなわち、本発明の接着剤の好ましい被着材はポリスチレン系樹脂発泡体である(ただし、これに限定されることはない)。以下、被着材として好ましいポリスチレン系樹脂発泡体について説明する。
本発明の接着剤の被着材であり得るポリスチレン系樹脂発泡体は、発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂(以下、「発泡性ポリスチレン系樹脂」とも称する)を発泡形成させることにより製造することができる。発泡性ポリスチレン系樹脂を発泡形成させる方法としては、水蒸気等の熱媒体を用いて型内発泡させる方法、または押出発泡させる方法など、任意の方法を採用することができる。
ポリスチレン系樹脂発泡体の発泡倍率は、好ましくは1.6〜200倍程度、更に好ましくは15〜80倍程度であるが、これに限定されない。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂に発泡剤を含ませる(例えば、発泡剤を含浸する)ことにより製造することができる。
発泡剤としては、C3からC5の炭化水素であるプロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタンなどの脂肪族炭化水素類が、性能、環境適合性の上から最も好ましい。さらに、炭酸ガスなども使用できる。また、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタンなどのオゾン破壊係数がゼロないしは低いフッ化炭化水素類などの揮発性発泡剤も使用できる。また、これらの発泡剤を併用することもできる。
前記ポリスチレン系樹脂に発泡剤を含ませる方法としては、ポリスチレン系樹脂を水性媒体中に懸濁させ、発泡剤を圧入含浸させる方法が挙げられる。または、押し出し機を用いてポリスチレン系樹脂と発泡剤を溶融混合してもよい。あるいは、ポリスチレン系樹脂を懸濁重合により製造する場合は、発泡剤を重合工程中、または重合工程終了後に添加することにより、ポリスチレン系樹脂中に発泡剤を含ませることもできる。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂は粒子状であることが好ましい。粒子状の発泡性ポリスチレン系樹脂は、例えば、懸濁重合によりポリスチレン系樹脂を製造する場合に、該重合の途中、あるいは重合後に発泡剤を含浸させることにより得ることができる。しかし、その他の重合法(例えば塊状重合法)で得られるポリスチレン系樹脂を、ペレット化等して粒状として、これに発泡剤を含浸等することで粒子状の発泡性ポリスチレン系樹脂を得ることもできる。
粒子状の発泡性ポリスチレン系樹脂の粒径は、好ましくは0.2〜4mm程度、より好ましくは0.5〜2mm程度である。
前記粒子状の発泡性ポリスチレン系樹脂は、予備発泡させるか又はさせることなく発泡成形させることができるが、蒸気等により加熱して予備発泡させてから発泡成形させると、良好なポリスチレン系樹脂発泡体を得ることができる。
前記の通り、発泡性ポリスチレン系樹脂とは発泡剤を含有するポリスチレン系樹脂であるが、該ポリスチレン系樹脂としては、任意のポリスチレン系樹脂を特に制限なく使用することができる。ポリスチレン系樹脂の分子量は任意であるが、好ましくは10〜50万、更に好ましくは25〜35万程度あるが、これらに限定されるものではない。
ポリスチレン系樹脂とは、スチレン系単量体を重合したものである。スチレン系単量体としては、スチレン、及びα―メチルスチレン、パラメチルスチレン、t-ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられる。重合されるスチレン系単量体は、一種または二種以上の混合物であってもよい。
さらに、スチレン系単量体と、スチレン系単量体と共重合が可能なスチレン系単量体以外の、劣位量の単量体を共重合してもよい。
該スチレン系単量体以外の単量体としては、例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸、およびアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、マレイン酸、無水マレイン酸などの単官能性単量体、ならびにジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性等の多官能性単量体が挙げられる。これらの単量体の1種又は2種以上を、スチレン系単量体と共重合させることができる。
スチレン系単量体(及び必要に応じてその他の単量体)を重合する方法は特に限定されず、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などを採用することができる。
前記の通り、スチレン系単量体を分散剤等により水中に分散させ、重合開始剤などを加えて懸濁重合などにより重合させる場合は、該重合の途中、あるいは重合後に発泡剤を含浸させることにより、粒子状の発泡性ポリスチレン系樹脂を得ることができる。
<本発明の鋳造用消失模型の製造方法>
本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を製造する方法(以下、「本発明の方法」とも称する)に関する。本発明の方法は、前記した本発明の接着剤を用いることを特徴とするが、それ以外は、通常の手段を適宜適用することができる。ここで、「ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型」とは、ポリスチレン系樹脂発泡体を基材とする鋳造用消失模型を意図する。なお、ポリスチレン系樹脂発泡体のうちポリスチレン樹脂発泡体が、鋳造用消失模型の基材として最も好ましく例示される。コスト、性能面の理由からである。
すなわち本発明の方法は、1)ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を構成する複数の模型部品(模型部品1及び模型部品2を含む)を用意するステップ、および2)前記複数の模型部品同士を、その接合面で貼り合わせるステップを含み、前記2)のステップにおける貼り合わせが、本発明の接着剤を用いて行われることを特徴とする。
ただし本発明の方法は、1)または2)のステップが適宜変更されてもよいし、これら以外の任意のステップを含んでいてもよく、そのような方法はすべて本発明の範囲に含まれる。
本発明の方法は、前記2)のステップにおける貼り合わせを、本発明の接着剤を用いて行うことを特徴とするが、該貼り合せは、ハネムーン接着工法または片面塗布接着工法を用いて行われることが好ましく、より好ましくはハネムーン接着工法により行われる。以下、それぞれの接着工法について説明する。
前記ハネムーン接着工法とは、a)複数の模型部品のうちの一つ(以下、模型部品1)の接合面に本発明の接着剤のX剤を塗布する工程、b)複数の模型部品のうちの別の一つ(以下、模型部品2)の接合面に本発明の接着剤のY剤を塗布する工程、およびc)模型部品1の接合面と、模型部品2の接合面とを貼り合わせる工程を含むことを特徴とする。
前記a)工程、又はb)工程における塗布は、刷毛塗り法、ロールコーター法、スプレー法等の公知の塗布方法を用いて行うことができる。
また、ハネムーン接着工法は必要に応じて、d)貼り合わされた模型部品1及び2を圧
締および/または仮固定する工程をさらに含むことができる。圧締および/または仮固定は、クランプにより挟み込んだり、加重をかけたり、コールドプレスで加圧する等の方法を用いて行うことができる。
すなわち、(a)工程として、発泡ポリスチレン系樹脂からなる被着材1、2を貼り合わせるにあたって、被着材1に鋳型模型製造用アクリル系接着剤のX剤を塗布する。また、被着材2に鋳型模型製造用アクリル系接着剤のY剤を塗布する。この際、具体的には、刷毛塗り法、ロールコーター法、スプレー法等公知の塗布方法を用いることができる。次いで、(b)工程として、(a)工程でX剤、Y剤がそれぞれ塗布された被着材1、2の接着剤塗布面同士を貼り合わせる。さらに必要に応じ(c)工程として、貼り合わされた被着材1、2を圧締、及び/又は、仮固定する。具体的にはクランプにより挟み込んだり、加重をかけたり、コールドプレスで加圧する等の方法をとることができる。
前記片面塗布接着工法とは、a)複数の模型部品のうちの一つ(模型部品1)の接合面に本発明の接着剤のX剤およびY剤を塗布する工程、およびb)前記模型部品1の接合面と、別の模型部品(模型部品2)の接合面を貼り合わせる工程を含むことを特徴とする。
前記a)工程におけるX剤およびY剤の塗布は、予めX剤およびY剤を混合して得られる混合物を模型部品1の接合面に塗布することにより行ってもよく、X剤およびY剤を模型部品の1の接合面に別々に塗布してから混合することによって行うこともできる。
X剤及びY剤を別々に塗布してから混合する場合は、混合用コテや刷毛を用いて塗布および混合することが好ましい。また、予めX剤及びY剤を混合する場合は、公知のミキサー、混合用コテ、または刷毛を用いて混合することができる。
前記a)工程において塗布されたX剤およびY剤は、接合面の全面に薄く引き延ばされていることが好ましい。X剤およびY剤を接合面の全面に薄く引き延ばすために、刷毛やバーコーター等を用いることができる。
前記a)工程における塗布の好ましい一態様としては、スタティックミキサーにX剤及びY剤を加圧して供給して混合し、この混合液を模型部品1の接合面の前面にスプレーして塗布する。このようにすれば、X剤とY剤の混合、得られた混合液の塗布、および塗布された接着剤を薄く引き延ばすことが一工程で実施されるので効率的である。
また、前記混合接着工法は必要に応じて、c)貼り合わされた模型部品1及び2を圧締および/または仮固定する工程を含む。圧締および/または仮固定は、クランプにより挟み込んだり、加重をかけたり、コールドプレスで加圧する等の方法を用いて行うことができる。
本発明の方法によれば、短時間かつ簡便に鋳造用消失模型を製造することができる。また、本発明の方法により製造された鋳造用消失模型は、各模型部品が強力に接着されており、寸法誤差が少なく、さらに燃焼残渣が低減されている。よって、この鋳造用消失模型を用いて消失模型鋳造法により製造された鋳物は、寸法精度が高く、燃焼残渣の付着や侵入による強度低下や加工性の悪化などが抑制されているという利点を有する。
以下に実施例を挙げて、本発明についてさらに詳細に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので、これらの実施例により本発明の範囲が限定的に解釈されないことはいうまでもない。
以下の実施例および比較例における接着剤はX剤及びY剤からなり、X剤に(B)成分(有機過酸化物)が含まれ、Y剤に(C)成分(バナジウム化合物)が含まれる。
実施例および比較例における各接着剤は、以下の(1)〜(4)の項目について評価された。
(1) 各接着剤を構成するX剤およびY剤ぞれぞれの、ポリスチレン系樹脂発泡体に対する溶解性
(2) 各接着剤を用いてポリスチレン系樹脂発泡体を接着した場合のセットタイム
(3) 各接着剤を用いてポリスチレン系樹脂発泡体を接着した場合の接着強度
(4) 各接着剤の硬化物の燃焼残渣値
以下において、前記(1)〜(4)について具体的な評価方法を記載する。ここでポリスチレン系樹脂発泡体として、カネパールR(株式会社カネカ製)を用いた。
(1) X剤およびY剤それぞれの、被着材に対する溶解性
23℃、50%RHの恒温恒湿室内で、X剤またはY剤0.1gを、ポリスチレン系樹脂発泡体の平滑(表面粗さ形状測定機(サーフコム570A((株)東京精密製))を用いて、測定速度=0.3mm/sec、測定長さ=10mmの条件で測定したときの表面の高低差の最大値が50μm以下)な表面1cm2の正方形の範囲に塗布した。10分後、塗布したX剤またはY剤を、剤を吸収できる清潔なウェス等を用い、発泡体を傷つけないように手で軽く拭き取り、塗布した表面を観察した。表面が溶解されて窪んだ深さを計測した。
(2) セットタイム
23℃、50%RHの恒温恒湿室内で、寸法20×40×50mmのポリスチレン系樹脂発泡体からなる被着材1及び被着材2を用意した。被着剤1の20×40mmの面にX剤(0.1g)を、および被着剤2の20×40mmの面にY剤(0.1g)を、ハンドローラーを使用して塗布した。オープンタイム1分後に、それぞれ塗布面同士を貼り合わせた(ハネムーン接着)。圧力:49N/m2にて3分間圧締し、長さ100mm、幅40mm、厚さ20mmの接着体を作製した。
圧締開始から、所定時間毎(1分毎)に曲げ強度を測定し、9.8N/cm2以上の強度が得られた時間をセットタイムとした。
曲げ強度の測定は、JIS K7171に準拠して、支点間距離=70mm、試験速度=20mm/分にて行った。
(3) 接着強度
23℃、50%RHの恒温恒湿室内で、寸法20×40×100mmのポリスチレン系樹脂発泡体からなる被着材1及び被着材2を用意した。被着剤1の20×40mmの面にX剤(0.1g)を、被着剤1の20×40mmの面にY剤(0.1g)を、ハンドローラーを使用して塗布した。オープンタイム1分後に、それぞれ塗布面同士を貼り合わせた(ハネムーン接着)。圧力:49N/cm2にて3分間圧締し、長さ100mm、幅40mm、厚さ20mmの接着体を作製した。
圧締開始から24時間後に曲げ強度を測定した。曲げ強度の測定は、JIS K7171に準拠して、支点間距離=70mm、試験速度=20mm/分にて行った。
(4) 燃焼残渣値の測定
23℃、50%RHの恒温恒湿室内で、各接着剤を構成するX剤及びY剤を等質量ずつ混合して硬化させた。得られた硬化物の10mgについて、JIS K7120に準拠して以下の条件で示差熱分析を行い、燃焼残渣の質量を測定した。得られた結果を残存率(%)で示した。
残存率(%)=測定された燃焼残渣の質量(mg)/10mg×100
測定機器 :セイコー電子工業(株)製 TG/DTA220
試料 :5φ白金製オープン型試料容器に10mgにて測定
測定温度 :20〜800℃、昇温スピード=10℃/min、800℃到達時点で測定終了
アルゴン気流:300ml/min
[実施例1〜4、比較例1]
表1に示したX剤、Y剤からなる接着剤を調製した。各接着剤について、前記に従って性能を評価した。それらの結果を表1に示す。
Figure 2006124414
前記表1において、
1)M−5300とは、東亞合成(株)製 ω−カルボキシポリカプロラクトン(n=2)アクリレート、
2)M−102とは、東亞合成(株)製 フェノキシエチレンオキサイド変性(n=4)アクリレート、
3)M−90Gとは、新中村化学工業(株)製 メトキシポリエチレングリコール(n=9)メタクリレート、
4)BPE−500とは、新中村化学工業(株)製 ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性(n=10)ジメタクリレート、
5)14Gとは、新中村化学工業(株)製 ポリエチレングリコール(n=14)ジメタクリレートをそれぞれ意味する。
実施例1〜3の接着剤は、(A)重合性単量体が、重合性(イ)〜(リ)から選ばれた重合性(メタ)アクリレートのみで構成された、二液アクリル系接着剤である。また、実施例4の接着剤は、(A)重合性単量体の90質量%が、(イ)〜(リ)から選ばれた重合性(メタ)アクリレートであり、残りの10質量%が、(イ)〜(リ)に属さないメタクリル酸(分子量:86)である二液アクリル系接着剤である。
一方、比較例1の接着剤は(A)重合性単量体の70質量%が、(イ)〜(リ)から選ばれた重合性(メタ)アクリレートであり、残りの30質量%が、メタクリル酸(分子量:86)である二液アクリル系接着剤である。
実施例1〜4の接着剤は、比較例1の接着剤と比較して、1)被着材に対する溶解性を有さず、2)セットタイムが短く、3)接着強度が高いことがわかる。また、比較例1と同様に、燃焼残渣も少ないことがわかる。
実施例1〜4の接着剤のうち、セットタイムの点から、実施例1、3、4接着剤が良好な結果を与えた。これは、実施例2の接着剤よりも、分子量の大きい重合性(メタ)アクリレートの比率が高いためであると推察される。
[実施例3〜4、比較例2〜3]
表2に示したX剤およびY剤からなる接着剤を調製した。調製された各種接着剤を、市販の二液エポキシ系接着剤(比較例4)とともに、その性能を評価した。比較例4のエポキシ系接着剤は、主剤と硬化剤を1:1(質量比)で混合して試験した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2006124414
前記表2において、
6)HO−MSは、共栄社化学(株)製コハク酸2−メタクリロイルオキシエチル、
7)M−600Aは、共栄社化学(株)製2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、
8)BPE−1300は、新中村化学工業(株)製 ビスフェノールAのエチレンオキサイド(n=30)変性メタクリレート
9)二液エポキシ系接着剤は、Vantico A&T US Inc.製 速硬化型2液エポキシ系接着剤 エピボンド 1217−A/B
実施例5の接着剤は、還元剤としてバナジルアセチルアセトネートを用いた本発明の二液アクリル系接着剤である。
比較例2または3の接着剤は、還元剤として一般的なラジカル発生促進剤であるエチレ
ンチオ尿素、あるいはベンゾイルチオ尿素を用いた以外は、実施例5の接着剤と同様の接着剤である。
比較例4の接着剤は、市販の二液エポキシ系接着剤である。
実施例5の接着剤は、比較例2〜4の接着剤と比較して、セットタイムが顕著に短く、接着強度が高いことがわかる。また、比較例4の接着剤と比較して、燃焼残渣が極めて少ないことがわかる。
[実施例6]
実施例5の接着剤を用いて、片面塗布接着工法でのセットタイムと接着強度を測定した。X剤及びY剤を被着材1に各0.1gずつ塗布して混合コテで混合し、接着面全体に塗り広げて直ちに被着材2を貼り合わせた。被着材寸法、圧締、接着強度の測定方法は実施例1〜5と同様に行った。セットタイムは混合開始から所定時間毎(1分毎)に曲げ強度を測定し、9.8N/cm2以上の強度が得られた時間とした。
セットタイムは9分と短く、接着強度は34.3N/cm2と良好であった。
本発明によれば、発泡ポリスチレン系樹脂に対して溶解性が低く、硬化性を向上させた鋳型模型製造用アクリル系接着剤が提供される。この接着剤を用いることで、鋳造用消失模型を燃焼させる際に出る煙やその燃焼残渣を少なくすることができ、また精度の高い鋳物の型枠を作ることができる。
また本発明によって提供される工法を用いれば鋳型模型を短時間に製造することができる。

Claims (5)

  1. (A)重合性単量体、(B)有機過酸化物、(C)バナジウム化合物、及び(D)酸性リン酸化合物を含み、前記(B)および(C)が共存しないように二剤に分かたれて保存されるアクリル系接着剤であって、
    前記(A)の80質量%以上が、下記(イ)〜(ヌ)からなる群から選ばれる一種または二種以上の(メタ)アクリレートであるポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を製造するための二液アクリル系接着剤。
    (イ)分子量が295以上のアルキル(メタ)アクリレート
    (ロ)分子量が195以上の脂環式(メタ)アクリレート
    (ハ)分子量が140以上のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート
    (ニ)分子量が115以上の水酸基含有(メタ)アクリレート
    (ホ)分子量が230以上のポリエステル(メタ)アクリレート
    (ヘ)分子量が310以上のフェノキシアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート
    (チ)分子量が460以上のビスフェノールAまたはビスフェノールFのアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート
    (リ)分子量が520以上のポリアルキレングリコール変性(メタ)アクリレート
    (ヌ)その他の、分子量が600以上の(メタ)アクリレート
  2. 請求項1に記載のアクリル系接着剤であって、前記二剤のうちの一方を、23℃;50%RHの恒温恒湿室内で、ポリスチレン系樹脂発泡体の平滑面に0.1g/cm2塗布し、塗布された剤を10分後に拭き取ったときのポリスチレン系樹脂発泡体に形成された窪みの深さが、0.2mm以下であることを特徴とする接着剤。
  3. 請求項1に記載のアクリル系接着剤であって、23℃;50%RHの恒温恒湿室内で硬化させた硬化物の燃焼残渣(燃焼条件:アルゴン雰囲気下、800℃)の質量が、燃焼前の硬化物の質量の4%以下であることを特徴とする接着剤。
  4. ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を構成する模型部品1及び模型部品2の、それぞれの接合面を互いに貼り合わせるステップを含む、ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を製造する方法であって、前記貼り合わせるステップが、
    (a)請求項1に記載のアクリル系接着剤の二剤のうちの一方を、模型部品1の接合面に塗布する工程、
    (b)請求項1に記載のアクリル系接着剤の二剤のうちのもう一方を、模型部品2の接合面に塗布する工程、および
    (c)前記模型部品1の接合面と、前記模型部品2の接合面とを貼り合わせる工程を含む方法。
  5. ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を構成する模型部品1及び模型部品2の、それぞれの接合面を互いに貼り合わせるステップを含む、ポリスチレン系樹脂発泡体製の鋳造用消失模型を製造する方法であって、前記貼り合わせるステップが、
    (a)請求項1に記載の接着剤の二剤の両方を模型部品1の接合面に塗布する工程、および
    (b)前記模型部品1の接合面と、前記模型部品2の接合面を貼り合わせる工程を含む方法。
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