JP6770532B2 - 鋳造用塗型剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造用塗型剤組成物に関する。
鋳造用塗型剤組成物は、溶融金属が接する鋳型表面に塗布又は噴霧(ぶっかけも含む)して塗膜を塗装することにより、鋳型の表面を保護し、溶融金属と鋳型表面との化学反応や、鋳物の焼着欠陥の発生を防止するために用いられるものである。
従来の鋳造用塗型剤組成物は、刷毛塗りで鋳型表面に塗型剤組成物を塗布する場合、砂型表面上における塗型剤組成物の伸び(刷毛伸び)が必ずしも良好ではない。塗布作業性が悪いと、鋳物の生産性が低下し、コスト高となる。そのため、従来の砂型鋳造用塗型剤組成物では、砂型表面に塗型剤組成物を塗布する際の塗布作業性の向上が望まれている。
例えば、特開昭53−52236号公報及び特開昭53−53518号公報では、特定の共重合体を含有させることによって塗布作業性等を向上させる試みがなされている。
本発明は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上を重合することにより誘導される構成単位aと、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、及びポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上を重合することにより誘導される構成単位bとを骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する鋳造用塗型剤組成物である。
発明の詳細な説明
従来の鋳造用塗型剤組成物では、塗布作業性が十分ではなく、更なる向上が望まれていた。
また、従来の鋳造用塗型剤組成物は、当該鋳造用塗型剤組成物に含まれる耐火性粒子が比較的早く沈降するため、貯蔵時に当該耐火性粒子が締め固まることが多かった。当該耐火性粒子が沈降して締め固まると使用時に耐火性粒子を再分散させる必要があるため、鋳物の生産性が低下し、コスト高となる。そのため、従来の鋳造用塗型剤組成物は耐火性粒子の再分散性の向上が望まれていた。
本発明は、鋳型表面への塗布作業性が良好であり、耐火性粒子の再分散性が良好な鋳造用塗型剤組成物を提供する。
本発明は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上を重合することにより誘導される構成単位aと、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、及びポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上を重合することにより誘導される構成単位bとを骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する鋳造用塗型剤組成物である。
本発明によれば、鋳型表面への塗布作業性が良好であり、耐火性粒子の再分散性が良好な鋳造用塗型剤組成物を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
<鋳造用塗型剤組成物>
本実施形態の鋳造用塗型剤組成物(以下、単に塗型剤組成物ともいう)は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上を重合することにより誘導される構成単位aと、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、及びポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上を重合することにより誘導される構成単位bとを骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する。本実施形態の塗型剤組成物によれば、鋳型表面への塗布作業性が良好であり、耐火性粒子の再分散性が良好な鋳造用塗型剤組成物を提供することができる。当該塗型剤組成物がこのような効果を奏する理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
重合体Aの構成単位aが主として耐火性粒子表面へ強く吸着することで、当該重合体Aが耐火性粒子表面から脱離することが抑制されて耐火性粒子を被覆することができる。この重合体Aの吸着層における重合体Aの構成単位bが、主として耐火性粒子間に強い立体的斥力をもたらすため、耐火性粒子同士の凝集を抑制するために分散性が向上すると考えられる。
〔重合体A〕
前記共重合体Aは、疎水性である前記構成単位aと、親水性である前記構成単位bとを骨格として有する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
[構成単位a]
前記重合体A中の前記構成単位aの含有量は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12.5質量%以上が更に好ましい。前記重合体A中の前記構成単位aの含有量は、同様の観点から、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましい。また、前記重合体A中の前記構成単位aの含有量は、同様の観点から、5〜60質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、12.5〜35質量%が更に好ましい。
前記構成単位aとしては、耐火性粒子の再分散性の観点から、下記一般式1で表される構成単位a1や下記一般式2で示される構成単位a2が好ましいものとして例示でき、これらの中でも前記構成単位a1がより好ましい。
Figure 0006770532
(前記一般式1中、R、R、及びRは同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNHを示し、R及びRは炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基又はアリール基を示す。)
Figure 0006770532
(前記一般式2中、R、R、及びRは同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Mは水素原子又は陽イオンを示す。)
前記一般式1中、R及びRは、各々独立に、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
前記一般式1中、Rは、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
前記一般式1中、Yは、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、酸素原子又はNH基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
前記一般式1中、R及びRは、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基又はアリール基が好ましく、炭素数1〜22のアルキル基又はアルケニル基がより好ましい。Rの例としては、メチル基、エチル基、(ノルマル又はイソ)プロピル基、ブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等が挙げられる。これらの中でも、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、メチル基、エチル基、(ノルマル又はイソ)プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
前記重合体A中の前記構成単位a1の含有量は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12.5質量%以上が更に好ましい。前記重合体A中の前記構成単位a1の含有量は、同様の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、17.5質量%以下が更に好ましい。また、前記重合体A中の前記構成単位a1の含有量は、同様の観点から、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましく、12.5〜17.5質量%が更に好ましい。
前記一般式2中、R及びRは、各々独立に、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
前記一般式2中、Rは、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
前記一般式2中、Mは、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、水素原子が好ましい。
前記陽イオンとしては、特に制限されないが、一価の陽イオンが挙げられ、具体的には、Li、Na、Kなど一価の金属イオン、及び、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。電子材料用途では、金属イオンの残存による電気特性への影響からアンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンが好ましい。
前記重合体A中の前記構成単位a2の含有量は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12.5質量%以上が更に好ましい。前記重合体A中の前記構成単位a2の含有量は、同様の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、17.5質量%以下が更に好ましい。また、前記重合体A中の前記構成単位a2の含有量は、同様の観点から、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましく、12.5〜17.5質量%が更に好ましい。
[構成単位b]
前記構成単位bとしては、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、下記一般式3で表される構成単位b1が好ましいものとして例示できる。
Figure 0006770532
(前記一般式3中、R、R10、及びR11は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R12は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R13は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNH基を示し、nは1〜50の数を示す。)
前記一般式3中、R及びR10は、各々独立に、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
前記一般式3中、R11は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
前記一般式3中、Yは、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、酸素原子又はNH基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
前記一般式3中、R12は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、エチレン基又はプロピレン基がより好ましく、エチレン基が更に好ましい。
前記一般式3中、nは、オキシアルキレン基の付加モル数を表す。当該nは、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、15以上が更に好ましく、20以上がより更に好ましい。当該nは、同様の観点から、90以下が好ましく、60以下がより好ましく、45以下が更に好ましく、30以下がより更に好ましい。当該nは、同様の観点から、5〜90が好ましく、10〜60がより好ましく、15〜45が更に好ましく、20〜30がより更に好ましい。n個のR12は、同一でも異なっていても良い。
前記一般式3中、R13は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。
前記重合体A中の前記構成単位bの含有量は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。前記重合体A中の前記構成単位bの含有量は、同様の観点から、80質量%以下が好ましく、77質量%以下がより好ましく、74質量%以下が更に好ましい。また、前記重合体A中の前記構成単位bの含有量は、同様の観点から、40〜80質量%が好ましく、50〜77質量%がより好ましく、60〜74質量%が更に好ましい。
前記重合体A中の前記構成単位aの含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位aの含有量/前記構成単位bの含有量)は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、0.06以上が好ましく、0.13以上がより好ましく、0.17以上が更に好ましい。前記重合体A中の前記構成単位aの含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位aの含有量/前記構成単位bの含有量)は、同様の観点から、1.50以下が好ましく、0.80以下がより好ましく、0.58以下が更に好ましい。また、前記重合体A中の前記構成単位aの含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位aの含有量/前記構成単位bの含有量)は、同様の観点から、0.06〜1.50が好ましく、0.13〜0.80がより好ましく、0.17〜0.58が更に好ましい。
前記重合体A中の前記構成単位a1の含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位a1の含有量/前記構成単位bの含有量)は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、0.06以上が好ましく、0.13以上がより好ましく、0.17以上が更に好ましい。前記重合体A中の前記構成単位a1の含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位a1の含有量/前記構成単位bの含有量)は、同様の観点から、0.75以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.29以下が更に好ましい。また、前記重合体A中の前記構成単位a1の含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位a1の含有量/前記構成単位bの含有量)は、同様の観点から、0.06〜0.75が好ましく、0.13〜0.40がより好ましく、0.17〜0.29が更に好ましい。
前記重合体A中の前記構成単位a2の含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位a2の含有量/前記構成単位bの含有量)は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、0.06以上が好ましく、0.13以上がより好ましく、0.17以上が更に好ましい。前記重合体A中の前記構成単位a2の含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位a2の含有量/前記構成単位bの含有量)は、同様の観点から、0.75以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.29以下が更に好ましい。また、前記重合体A中の前記構成単位a2の含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位a2の含有量/前記構成単位bの含有量)は、同様の観点から、0.06〜0.75が好ましく、0.13〜0.40がより好ましく、0.17〜0.29が更に好ましい。
[その他の構成単位]
前記重合体Aは、本実施形態の効果を損なわない範囲で前記構成単位a及びb以外の構成単位を含有していても構わない。
前記重合体Aに含有される構成単位の配列は、ランダム、ブロック、又はグラフトのいずれでも良い。
前記重合体Aの重量平均分子量(Mw)は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、5000以上が好ましく、10000以上がより好ましく、20000以上が更に好ましい。前記重合体Aの重量平均分子量は、同様の観点から、100000以下が好ましく、70000以下がより好ましく、40000以下が更に好ましい。また、前記重合体Aの重量平均分子量は、同様の観点から、5000〜100000が好ましく、10000〜70000がより好ましく、20000〜40000が更に好ましい。なお、本明細書において重量平均分子量は実施例に記載の方法によって測定する。
前記鋳造用塗型剤組成物中の重合体Aの含有量は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、耐火性粒子1000質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上が更に好ましい。前記鋳造用塗型剤組成物中の重合体Aの含有量は、同様の観点から、耐火性粒子1000質量部に対して2.0質量部以下が好ましく、1.2質量部以下がより好ましく、0.8質量部以下が更に好ましい。また、前記鋳造用塗型剤組成物中の重合体Aの含有量は、同様の観点から、耐火性粒子1000質量部に対して0.1〜2.0質量部が好ましく、0.2〜1.2質量部がより好ましく、0.3〜0.8質量部が更に好ましい。
〔溶媒〕
前記溶媒は、特に限定されないが、前記塗型剤組成物を鋳型に塗布等した後に乾燥によりその一部又は全部が除去されるものが好ましい。前記溶媒としては、水及び/又は有機溶媒が例示できる。水は、安全性や経済性の点で好ましい。有機溶媒は、浸透性や乾燥性の点で好ましい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、(ノルマル又はイソ)プロピルアルコール等の低級アルコール系溶剤、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤等が使用できる。好ましくは低級アルコール系溶剤であり、メタノールがより好ましい。芳香族溶剤及び炭化水素系溶剤は、補助溶剤として使用してもよい。
前記塗型剤組成物中の溶媒の含有量は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、耐火性粒子1000質量部に対し、650質量部以上が好ましく、800質量部以上がより好ましい。前記塗型剤組成物中の溶媒の含有量は、同様の観点から、耐火性粒子1000質量部に対し、1500質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましい。また、前記塗型剤組成物中の溶媒の含有量は、同様の観点から、耐火性粒子1000質量部に対し、650〜1500質量部が好ましく、800〜1000質量部がより好ましい。
〔耐火性粒子〕
前記耐火性粒子は、特に限定されないが、耐火性、経済性、および溶融金属との耐反応性の観点から、ムライト、シリカ(珪石)、アルミナ、マグネシア、ジルコン、アルミナシリケート、黒鉛、黒曜石、オリビン、タルクおよび雲母からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、シリカ、黒曜石、雲母、ムライト、および黒鉛(中でも鱗状黒鉛)からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、シリカ、黒曜石、および雲母からなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
前記耐火性粒子の平均粒径は、耐火性粒子の再分散性向上の観点から、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましい。前記耐火性粒子の平均粒径は、鋳型への塗布作業性向上の観点から、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。また、前記耐火性粒子の平均粒径は、鋳型への塗布作業性向上の観点、及び耐火性粒子の再分散性向上の観点から、0.5〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、5〜40μmが更に好ましい。なお、本明細書において耐火性粒子の平均粒径は実施例に記載の方法で測定する。
〔その他の成分〕
[粘結剤]
前記塗型剤組成物は、粘結剤として、常温で強い塗型膜を形成できるアラビアガム、多糖類などの糖類、フェノール樹脂、ロジン、石油樹脂のような有機粘結剤や、鋳込み時に塗型膜の熱間強度を上げるためのエチルシリケート、ケイ酸ソーダなどの無機粘結剤を含有していても良い。条件によりこれらの粘結剤を併用してもよい。
前記塗型剤組成物中の前記粘結剤の含有量は、鋳型上での塗膜強度の観点から、耐火性粒子1000質量部に対して、3質量部以上が好ましく、8質量部以上がより好ましい。前記塗型剤組成物中の前記粘結剤の含有量は、乾燥時の塗膜のフクレの観点から、耐火性粒子1000質量部に対して、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。また、前記塗型剤組成物中の前記粘結剤の含有量は、最適な塗膜の状態をつくる観点から、耐火性粒子1000質量部に対して、3〜50質量部が好ましく、8〜30質量部がより好ましい。
<焼結剤>
前記塗型剤組成物は、焼結剤として、高熱時においても強い塗型膜を維持できるアタパルジャイト、セピオライトなどの鎖状粘土鉱物、カオリナイト、タルク、緑泥石、モンモリロナイトおよびヘクトライトなどの層状粘土鉱物を含有していても良い。当該焼結剤は、高熱時の強度とともに耐火性、経済性、作業性の観点からアタパルジャイト、セピオライト、モンモリロナイト、及びヘクトライトからなる群より選択される少なくとも1種以上が好ましく、アタパルジャイトがより好ましい。
前記塗型剤組成物中の前記焼結剤の含有量は、塗膜強度の観点から、耐火性粒子1000質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。前記塗型剤組成物中の前記焼結剤の含有量は、作業性の観点から、耐火性粒子1000質量部に対して、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。また、前記塗型剤組成物中の前記焼結剤の含有量は、塗膜強度向上の観点から、耐火性粒子1000質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。
前記塗型剤組成物は、顔料や染料などの着色剤、塗布作業性を向上させるレオロジー調整剤、沈降防止剤、界面活性剤などの添加剤を含有しても良い。また、前記塗型剤組成物は、ヒドロキシアルキル化セルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダなどの増粘剤や防腐剤などの添加剤も含有しても良い。
前記塗型剤組成物は耐火性骨材の再分散性に優れているため、再分散時の労力を低減できる。つまり、撹拌時間の短縮や低能力の撹拌装置での使用等装置の種類を選ばずに塗布前の塗型剤組成物を調製することができる。
<塗型剤組成物配合方法>
保存時の配合組成は、コスト、運搬性、保存安定性の観点から水に対する耐火性粒子の質量比が3以上が好ましい。混練機に所定量の水の半分とナトリウムベントナイトと増粘剤を添加し混練する。前記混練物に、ナトリウムベントナイト、増粘剤、水及び耐火性粒子以外の残りの成分、例えば、粘結剤、焼結剤及び防腐剤等を添加し混練する。さらにこの混練物に耐火性粒子と残りの水を加え、混練する。得られた塗型剤組成物の水分濃度は25質量%以下が好ましい。
一般的に、前記塗型剤組成物は、保存時においては溶媒濃度が低い(固形分濃度が高い)状態の組成物(保存用組成物)としておき、使用時に適正な粘度が得られるように、溶媒で希釈して使用される。上記高固形分濃度の組成物(保存用組成物)は、溶媒量などを調整して、通常、針入度200程度とすればよい。上記使用時の適正な比重は、30〜80ボーメである。なお、ボーメ単位で表される比重は、塗型剤の粘度と濃度の因子をまとめて表現でき、塗型剤の砂型への塗布時の目安となるものである。
塗型膜の厚みは、塗型剤本来の働きを発揮させる観点から、50〜300μmが好ましく、75〜150μmがより好ましく、更に80〜120μmが好ましい。
<鋳型の製造方法>
本実施形態の鋳型の製造方法は、前記塗型剤組成物を用いた鋳型の製造方法である。前記塗型剤組成物は、消失模型鋳造法(フルモールド法)、及び砂型鋳造法いずれの鋳物の製造方法にも好適に用いることができるが、前記塗型剤組成物は塗布作業性に優れているため、砂型鋳造法による鋳物の製造方法でより優れた効果を得ることができる。
前記塗型剤組成物を用いた砂型鋳造法の一実施形態としては、前記塗型剤組成物を鋳型に塗布することで塗膜を生成させ、当該塗膜を乾燥させることで、塗型塗布された鋳型を得る手法が挙げられる。前記塗型剤組成物を用いた砂型鋳造法により得られた塗型塗布済みの鋳型は鋳込みに用いることができる。
前記塗型剤組成物を砂型(鋳型)に塗布する方法は、特に限定されず、例えば、流し塗り(ブッカケ法)、浸漬(ドブ漬け法)、刷毛塗り、スプレー塗布、フローティング塗布などの従来知られている方法が使用できる。
前記塗型剤組成物が砂型(鋳型)に塗布された後は溶剤の一部又は全部を除去する為に乾燥を行うことが好ましい。乾燥方法は特に限定されず、例えば、加熱乾燥、送風乾燥、自然乾燥などの従来知られている方法が使用できる。
<鋳物の製造方法>
本実施形態の鋳物の製造方法は、前記塗型剤組成物を用いた鋳物の製造方法である。前記塗型剤組成物を用いた鋳型の製造方法によって得られた塗型塗布された鋳型に溶融金属を注湯することで鋳物を製造することができる。鋳込み後の鋳型は除去されて、場合により廃棄又は再利用される。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物、製造方法、或いは用途を開示する。
<1>(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上を重合することにより誘導される構成単位aと、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、及びポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる1種以上を重合することにより誘導される構成単位bとを骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する鋳造用塗型剤組成物。
<2>前記重合体A中の前記構成単位aの含有量が、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12.5質量%以上が更に好ましく、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましく、5〜60質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましく、12.5〜35質量%が更に好ましい<1>に記載の鋳造用塗型剤組成物。
<3>前記構成単位aが、下記一般式1で表される構成単位a1及び下記一般式2で示される構成単位a2からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、前記構成単位a1がより好ましい、<1>又は<2>に記載の鋳造用塗型剤組成物。
Figure 0006770532
(前記一般式1中、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましく、Rは、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、Yは、酸素原子又はNH基が好ましく、酸素原子がより好ましく、R及びRは、炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基又はアリール基が好ましく、炭素数1〜22のアルキル基又はアルケニル基がより好ましい。)
Figure 0006770532
(前記一般式2中、R及びRは、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましく、Rは、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、Mは、水素原子又は陽イオンが好ましく、水素原子がより好ましい。)
<4>前記重合体A中の前記構成単位a1の含有量が、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12.5質量%以上が更に好ましく、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、17.5質量%以下が更に好ましく、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましく、12.5〜17.5質量%が更に好ましい<1>〜<3>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<5>前記重合体A中の前記構成単位a2の含有量が、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12.5質量%以上が更に好ましく、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、17.5質量%以下が更に好ましく、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましく、12.5〜17.5質量%が更に好ましい<1>〜<4>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<6>前記構成単位bが、下記一般式3で表される構成単位b1が好ましい<1>〜<5>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
Figure 0006770532
(前記一般式3中、R及びR10は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましく、R11は、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、Yは、酸素原子又はNH基が好ましく、酸素原子がより好ましく、R12は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、エチレン基又はプロピレン基がより好ましく、エチレン基が更に好ましく、nは、オキシアルキレン基の付加モル数を表し、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、15以上が更に好ましく、20以上がより更に好ましく、90以下が好ましく、60以下がより好ましく、45以下が更に好ましく、30以下がより更に好ましく、5〜90が好ましく、10〜60がより好ましく、15〜45が更に好ましく、20〜30がより更に好ましく、n個のR12は、同一でも異なっていてもよく、R13は、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基が好ましい。)
<7>前記重合体A中の前記構成単位bの含有量が、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、80質量%以下が好ましく、77質量%以下がより好ましく、74質量%以下が更に好ましく、40〜80質量%が好ましく、50〜77質量%がより好ましく、60〜74質量%が更に好ましい<1>〜<6>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<8>前記一般式1で表される構成単位a1と前記一般式3で表される構成単位b1とを骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する<1>〜<7>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<9>前記一般式2で表される構成単位a2と前記一般式3で表される構成単位b1とを骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する<1>〜<7>いずれかに鋳造用塗型剤組成物。
<10>前記一般式1で表される構成単位a1、前記一般式2で表される構成単位a2、及び前記一般式3で表される構成単位b1を骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する<1>〜<7>いずれかに鋳造用塗型剤組成物。
<11>前記重合体A中の前記構成単位aの含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位aの含有量/前記構成単位bの含有量)が、0.06以上が好ましく、0.13以上がより好ましく、0.17以上が更に好ましく、1.50以下が好ましく、0.80以下がより好ましく、0.58以下が更に好ましく、0.06〜1.50が好ましく、0.13〜0.80がより好ましく、0.17〜0.58が更に好ましい<1>〜<10>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<12>前記重合体A中の前記構成単位a1の含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位a1の含有量/前記構成単位bの含有量)が、0.06以上が好ましく、0.13以上がより好ましく、0.17以上が更に好ましく、0.75以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.29以下が更に好ましく、0.06〜0.75が好ましく、0.13〜0.40がより好ましく、0.17〜0.29が更に好ましい<1>〜<11>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<13>前記重合体A中の前記構成単位a2の含有量と前記構成単位bの含有量の比(前記構成単位a2の含有量/前記構成単位bの含有量)が、0.06以上が好ましく、0.13以上がより好ましく、0.17以上が更に好ましく、0.75以下が好ましく、0.40以下がより好ましく、0.29以下が更に好ましく、0.06〜0.75が好ましく、0.13〜0.40がより好ましく、0.17〜0.29が更に好ましい<1>〜<12>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<14>前記重合体Aの重量平均分子量(Mw)が、5000以上が好ましく、10000以上がより好ましく、20000以上が更に好ましく、100000以下が好ましく、70000以下がより好ましく、40000以下が更に好ましく、5000〜100000が好ましく、10000〜70000がより好ましく、20000〜40000が更に好ましい<1>〜<13>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<15>前記鋳造用塗型剤組成物中の重合体Aの含有量が、耐火性粒子1000質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上が更に好ましく、2.0質量部以下が好ましく、1.2質量部以下がより好ましく、0.8質量部以下が更に好ましく、0.1〜2.0質量部が好ましく、0.2〜1.2質量部がより好ましく、0.3〜0.8質量部が更に好ましい<1>〜<14>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<16>前記溶媒が、有機溶媒が好ましく、低級アルコール系溶剤、芳香族溶剤、及び炭化水素系溶剤からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、前記低級アルコール系溶剤が、メタノール、エタノール、(ノルマル及び/又はイソ)プロピルアルコールからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、前記芳香族系溶剤がキシレン、及び/又はトルエンが好ましく、前記炭化水素系溶剤がミネラルスピリットが好ましい<1>〜<15>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<17>前記塗型剤組成物中の溶媒の含有量が、耐火性粒子1000質量部に対し、650質量部以上が好ましく、800質量部以上がより好ましく、1500質量部以下が好ましく、1000質量部以下がより好ましく、650〜1500質量部が好ましく、800〜1000質量部がより好ましい<1>〜<16>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<18>前記耐火性粒子の平均粒径が、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましく、0.5〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、5〜40μmが更に好ましい<1>〜<17>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<19>粘結剤を含有する<1>〜<18>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<20>前記塗型剤組成物中の前記粘結剤の含有量が、耐火性粒子1000質量部に対して、3質量部以上が好ましく、8質量部以上がより好ましく、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、3〜50質量部が好ましく、8〜30質量部がより好ましい<19>に記載の鋳造用塗型剤組成物。
<21>焼結剤を含有する<1>〜<20>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<22>前記塗型剤組成物中の前記焼結剤の含有量が、耐火性粒子1000質量部に対して、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、5〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい<21>に記載の鋳造用塗型剤組成物。
<23>砂型鋳造法に用いられる<1>〜<22>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物。
<24><1>〜<23>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物を用いた鋳型の製造方法。
<25><1>〜<23>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物を鋳型に塗布することで塗膜を生成させ、当該塗膜を乾燥させる工程を有する、塗型塗布された鋳型の製造方法。
<26><1>〜<23>いずれかに記載の組成物の塗型剤として使用。
<27><1>〜<23>いずれかに記載の鋳造用塗型剤組成物を用いた鋳物の製造方法。
以下、本発明を具体的に示す実施例などについて説明する。
<重合体A1の調製例>
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素ガス導入管および撹拌装置を備えた反応器にエタノール26.7質量部と、表1に示すモノマーの20%(メトキシポリオキシエチレン(23モル)メタクリレート42.0質量部、ステアリルメタクリレート9.0質量部、メタクリル酸9.0質量部)を仕込み、反応器を窒素置換したのち78℃まで加熱した。2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.8質量部をエタノール15質量部で溶解した溶液を反応器に投入後、表1に示すモノマーの残りの80%(メトキシポリオキシエチレン(23モル)メタクリレート168.0質量部、ステアリルメタクリレート36.0質量部、メタクリル酸36.0質量部)にエタノール123.6質量部を加えたモノマー溶液と、2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7.2質量部をエタノール36質量部で溶解した開始剤溶液を3時間かけて滴下し重合させた。その後、78℃を保ちながら3時間熟成反応を行った。その後、エタノール519.4質量部を添加して希釈撹拌し重合体A1を得た。
〔重合体A2〜A9〕
表1に示すモノマーの種類や量、連鎖移動剤の量を変更して、重合体A1と同様に重合を行った。連鎖移動剤はモノマー溶液に混合して使用した。
<重合体Aの分析>
〔重量平均分子量〕
溶離液を毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行った。試料の分子量は、予め作成した検量線に基づき算出した。検量線の作成には、以下の単分散ポリスチレンを標準試料として用いた。
・測定装置:HLC−8120GPC(東ソー社製)
・測定条件:試料溶液 0.5wt%N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液
・溶離液 :60mmol/L HPO,50mmol/L LiBr/ DMF
・カラム :α−M + α−M(東ソー社製)
・検出器 :示差屈折率
・検量線 :東ソー社製 5.26×10、1.02×10、8.42×10;西尾工業社製 4.0×10、3.0×10 、9.0×10 (数字はそれぞれ分子量)
前記重合体A1〜A9の分析結果を表1に示す。なお、表1中、C18MAはオクタデシルメタクリレート、Stはスチレン、MMAはメチレンメタクリレート、C18Aはオクタデシルアクリレート、PEGMAはポリエチレングリコールメタクリレート、MAAはメタクリル酸、OAはオキシアルキレンを意味する。なお、本実施例ではOA基は全てEO基(オキシエチレン基)である。
Figure 0006770532
<塗型剤組成物の調製>
〔耐火性粒子の平均粒径の測定〕
耐火性粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所社製LA−920)を用いて測定された体積中位粒径(D50)である。分析条件は下記の通りである。
測定方法:フロー法
分散媒:イオン交換水にヘキサメタリン酸ナトリウム(0.1質量%)を加えた溶媒
分散方法:撹拌、内蔵超音波照射(3分間)
試料濃度:2mg/100ml
〔塗型剤組成物の調製例〕
耐火性粒子(珪石特粉A−1/鱗状黒鉛#185=91.1%/8.9%;平均粒径27.9μm)1000質量部に対して、HPC−H(ヒドロキシプロピルセルロース:日本曹達株式会社製)2.3質量部、アタゲル50(アタパルジャイト:BASF社製)9.8質量部、マルキード3002(マレイン酸変性ロジン:荒川工業化学株式会社製)9.0質量部、パンゲルB40(セピオライト:トルサ社製)20.1質量部、メタノール572.1質量部、および表2に示す分散剤を所定量添加し、25℃において、混練機にて混練し、ペースト状の塗型剤組成物を得た。より具体的には、HPC−Hを少量のヘキサンで湿潤させた後、耐火性粒子と準備したメタノール197質量部に、アタゲルを添加した。この後、2軸プラネタリーミキサー(混練機)により自転160rpm、公転60rpmで8分撹拌した。前記混合物に、マルキード、パンゲルとメタノール74質量部を混入し同じ速度で、5分撹拌した。この混合物にメタノール6質量部と表2の分散剤を加えて同速度で4分撹拌した後、残りのメタノールを少量ずつ添加し塗型剤組成物を得た。
<塗型剤組成物の評価>
本発明の評価においては、再分散性を評価する為に〔沈降性評価〕と〔流動性評価〕の2種類の評価を行った。
〔沈降性評価〕
塗型剤を40ボーメに調整した後、沈降管に入れて静置した。25℃/3時間後の液面から上澄み透明液の長さを測定して、沈降性を評価した。数値が小さい程分散性が良いことを意味する。結果を表2に示す。
〔流動性評価〕
塗型剤を40ボーメに調整した後、500mlポリボトルに入れて静置した。25℃/24時間後にボトルを90度転倒させて耐火性粒子がボトル底部より流動する時間を計測し流動性を評価した。結果を表2に示す。なお、表2中の「×」は1時間かかってもボトル底部より流動しなかったことを示す。
〔塗布試験/刷毛伸び性〕
フラン再生砂(AFS45)を鋳物砂として使用し、花王クエーカー製フラン樹脂(340B)を鋳物砂100質量部に対して0.8質量部添加し、更に花王クエーカー製硬化剤(TK−3)をフラン樹脂100質量部に対して40質量部添加して得られた混練砂を型込めし、高さ300mm×幅200mm×厚み30mmの板状試験片を作製した。この試験片を上記の調製方法により得られた各塗型剤組成物を、40ボーメに調整し刷毛塗布を行った。その時の刷毛による塗布の塗りやすさを下記の4段階で評価した。結果を表2に示す。なお、表2中、PVPはポリビニルピロリドンを意味する。
評価方法:試験片一定範囲を、刷毛に十分含ませた塗液で塗ることが出来る面積で評価した。
◎:90%以上塗布範囲
○:75%以上90%未満の塗布範囲
△:50%以上75%未満の塗布可能
×:50%未満の塗布範囲
Figure 0006770532
表2の結果から、実施例1〜11に係る塗型剤組成物では、再分散性、及び刷毛伸び性が改善され、作業性が良好になることがわかる。

Claims (12)

  1. 下記一般式1で表される構成単位a1と下記一般式3で表される構成単位b1とを骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する鋳造用塗型剤組成物。
    Figure 0006770532
    (前記一般式1中、R、R、及びRは同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNHを示し、R及びRは炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基又はアリール基を示す。)
    Figure 0006770532
    (前記一般式3中、R、R10、及びR11は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R12は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R13は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNHを示し、nは1〜50の数を示す。)
  2. 下記一般式2で表される構成単位a2と下記一般式3で表される構成単位b1とを骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する鋳造用塗型剤組成物。
    Figure 0006770532
    (前記一般式2中、R、R、及びRは同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Mは水素原子又は陽イオンを示す。)
    Figure 0006770532
    (前記一般式3中、R、R10、及びR11は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R12は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R13は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNHを示し、nは1〜50の数を示す。)
  3. 下記一般式1で表される構成単位a1、下記一般式2で表される構成単位a2、及び下記一般式3で表される構成単位b1を骨格として有する重合体A、溶媒、及び耐火性粒子を含有する鋳造用塗型剤組成物。
    Figure 0006770532
    (前記一般式1中、R、R、及びRは同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNHを示し、R及びRは炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基若しくはアルケニル基又はアリール基を示す。)
    Figure 0006770532
    (前記一般式2中、R、R、Rは同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Mは水素原子又は陽イオンを示す。)
    Figure 0006770532
    (前記一般式3中、R、R10、及びR11は同一又は異なり水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、R12は炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R13は水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を示し、Yは酸素原子又はNHを示し、nは1〜50の数を示す。)
  4. 前記溶媒が有機溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳造用塗型剤組成物。
  5. 前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、及び(ノルマル又はイソ)プロピルアルコールからなる群より選ばれる1種以上の低級アルコール系溶剤である、請求項に記載の鋳造用塗型剤組成物。
  6. 前記重合体の重量平均分子量が5000〜100000である請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋳造用塗型剤組成物。
  7. 前記耐火性粒子の平均粒径が0.5μm以上100μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋳造用塗型剤組成物。
  8. 砂型鋳造法に用いられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋳造用塗型剤組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の鋳造用塗型剤組成物を用いた鋳型の製造方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物の塗型剤として使用。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の鋳造用塗型剤組成物を鋳型に塗布することで塗膜を生成させ、当該塗膜を乾燥させる工程を有する、塗型塗布された鋳型の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の鋳造用塗型剤組成物を用いた鋳物の製造方法。
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