JP2006123503A - 積層体の製造方法および積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 溶融押出した溶融ポリオレフィン系樹脂フィルムの片面に抗ブロッキング剤スラリーを噴霧した後、該フィルムのスラリー未噴霧面が基材側となるように該フィルムを基材に押出コーティングし、該フィルムと基材とを圧着する積層体の製造方法であって、積層体のポリオレフィン系樹脂フィルム側表面の算術平均粗さ(Ra)を0.8〜12.8μmとする積層体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、押出コーティング加工により得られる積層体の製造方法であって、耐ブロッキング性、滑り性および抗ブロッキング剤の耐脱離性に優れた積層体の製造方法、および、該製造方法により得られた積層体を提供することにある。
また、本発明の第二は、上記製造方法により得られる積層体にかかるものである。
(Lx:X軸方向の基準長さ、 Ly:Y軸方向の基準長さ)
実施例中における物性測定および評価は、下記の方法で行った。
(1)密度(単位:kg/m3)
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って、測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定した。
[測定サンプルの調製]
積層体表面をアセトンで洗浄後、4cm×2cm程度の大きさに切り出したのち、積層体のポリエチレン樹脂フィルム面(抗ブロッキング剤スラリーを噴霧した面)が測定面となるようにスライドガラス上へ両面テープを用いて貼り付け、測定用サンプルとした。
[測定]
超深度形状測定顕微鏡(測定部 (株)キーエンス社製VK−8510、コントローラー部(株)キーエンス社製VK-8550)を用い、下記測定条件で、高さデータを測定した。なお、測定においては、高さ方向の測定範囲(DISTANCE)が、得られた高さデータの最大高さよりも十分大きいことを確認した。
<測定条件>
・RUN MODE:カラー超深度
・VIEW MODE:光量データ
・対物レンズ:CF IC EPI Plan 10×
((株)ニコン社製、倍率10倍、開口数0.3、作動距離16.5mm)
・光学ズーム:×1
・デジタルズーム:×1
・計測エリア面積:1.67mm2(1.49mm(X軸)×1.12mm(Y軸))
・計測領域の画素数:1024画素(X軸)×768画素(Y軸)
・DISTANCE:65μm
・PITCH:0.5μm
[算術平均粗さの算出]
解析ソフトウェア((株)キーエンス社製VK形状解析アプリケーションVK-H1W Ver.1.06)の「表面粗さ」計測機能により、測定で得られた高さデータのRaを求めた。なお、Raは、3回の平均値とした。
10cm×10cmに切り出した2枚の積層体のポリエチレン樹脂フィルム面(抗ブロッキング剤スラリーを噴霧した面)と基材面とを重ね合わせ、40g/cm2の荷重下、温度40℃、7日間状態調整した。該重ね合わせた積層体を、温度23℃、湿度50%の雰囲気下、マッケンジーブロッキングテスター(島津製作所製)を用い、剥離荷重速度20g/分で、垂直方向に(剪断力を加えずに)剥離させる為に必要な荷重を測定した。この値が小さい程、抗ブロッキング性が優れる。
(5)滑り性(動摩擦係数μk)
JIS K7125−1987に従って、積層体のポリエチレン樹脂フィルム面(抗ブロッキング剤スラリーを噴霧した面)同士の動摩擦係数を測定した。この値が小さいほど滑り性が優れる。
(6)耐脱離性
積層体のポリエチレン樹脂フィルム面(抗ブロッキング剤スラリーを噴霧した面)を指で擦り、以下の評価を行った。
○:抗ブロッキング剤が指に付着しない。
△:抗ブロッキング剤が指に若干付着する。
×:抗ブロッキング剤が指に付着する。
ポリエチレン系樹脂[住友化学工業(株)製スミカセンL705(MFR=7g/分、密度=919kg/m3)]を、φ65mmの押出機により溶融混練してTダイから押出し、押出直後の溶融ポリエチレン樹脂フィルムの片面に、フィルムから垂直に0.6m離れた位置から小型スプレーガン[アネスト岩田(株)W−100−152S]を用いて、抗ブロッキング剤のスラリー[抗ブロッキング剤(水澤化学(株)製合成アルミノシリケート系抗ブロッキング剤JC−70)/水=20/80(重量比)]を噴霧した後、噴霧面とは反対の表面が基材との接着面となるように基材[二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製(株)東洋紡エステルE5100)厚み=12μm]に押出ラミネートし、冷却ロールとニップロールにより、溶融ポリエチレン樹脂フィルムと基材とを、押付けロール線圧19.6kN/mで圧着することにより積層体を得た。積層体の加工において、ダイ直下の溶融樹脂温度は300℃、エアーギャップは230mm、フィルム幅は500mm、コーティング厚みは30μm、引取速度は20m/分であり、得られた積層体のRaは10.0μmであった。得られた積層体の物性評価結果を表1に示す。
引取速度を40m/分とする以外は、実施例1と同様に行い積層体を得た。得られた積層体のRaは7.9μmであった。得られた積層体の物性評価結果を表1に示す。
引取速度を80m/分とする以外は、実施例1と同様に行い積層体を得た。得られた積層体のRaは1.2μmであった。得られた積層体の物性評価結果を表1に示す。
引取速度を10m/分とする以外は、実施例1と同様に行い積層体を得た。得られた積層体のRaは15.5μmであった。また、耐脱離性が悪く、抗ブロッキング性の評価は行わなかった。得られた積層体の物性評価結果を表2に示す。
抗ブロッキング剤のスラリーを噴霧しなかった以外は、実施例1と同様に行い積層体を得た。得られた積層体のRaは0.15μmであった。得られた積層体の物性評価結果を表2に示す。
抗ブロッキング剤[水澤化学(株)製合成アルミノシリケート系抗ブロッキング剤JC−50]10重量部と、ポリエチレン樹脂[住友化学工業(株)製スミカセンE FV402(d:915,MFR:4.0)]90重量部とをバンバリーミキサーを用いて溶融混練して、抗ブロッキング剤濃度が10重量%の抗ブロッキング剤マスターバッチを作成した。
比較例2で用いたポリエチレン系樹脂に代えて、ポリエチレン系樹脂[住友化学工業(株)製スミカセンL705]90重量部と上記抗ブロッキング剤マスターバッチ10重量部とを混合したものを用いた以外は、比較例2と同様に行い積層体を得た。得られた積層体のRaは0.56μmであった。得られた積層体の物性評価結果を表2に示す。
Claims (5)
- 溶融押出した溶融ポリオレフィン系樹脂フィルムの片面に抗ブロッキング剤スラリーを噴霧した後、該フィルムのスラリー未噴霧面が基材側となるように該フィルムを基材に押出コーティングし、該フィルムと基材とを圧着する積層体の製造方法であって、積層体のポリオレフィン系樹脂フィルム側表面の算術平均粗さ(Ra)を0.8〜12.8μmとする積層体の製造方法。
- 抗ブロッキング剤スラリー中の抗ブロッキング剤と液体の重量比が、抗ブロッキング剤/液体=0.01/99.9〜60/40であり、該液体が水を主成分とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 溶融ポリオレフィン系樹脂フィルムを180〜340℃の温度で溶融押出し、該溶融ポリオレフィン系樹脂フィルムと基材とを4.9〜24.5kN/mの押付けロール線圧で圧着する請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
- ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン系樹脂であり、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N、温度190℃の条件で測定される該ポリエチレン系樹脂のメルトフローレートが、1〜100g/10分である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されてなる積層体。
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