JP2003062954A - オーバーラミネート用マットフィルム - Google Patents

オーバーラミネート用マットフィルム

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JP2003062954A JP2001253843A JP2001253843A JP2003062954A JP 2003062954 A JP2003062954 A JP 2003062954A JP 2001253843 A JP2001253843 A JP 2001253843A JP 2001253843 A JP2001253843 A JP 2001253843A JP 2003062954 A JP2003062954 A JP 2003062954A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面が均一に奇麗にマット化されており、フ
ィッシュアイが少なく、印刷ラベル等にオーバーミネー
ト加工して高級感のある付加価値の高い印刷ラベル等に
仕上げることができるオーバーラミネート用マットフィ
ルムを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレンフィルム基材の少なくと
も一面に、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エ
チレン・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレン
を必須成分とする混合樹脂層を積層した積層フィルムを
延伸温度下で二軸延伸して該混合樹脂層をマット化した
積層フィルムであって、該積層フィルムの含有灰分が1
30ppm以下であることを特徴とするオーバーラミネ
ート用マットフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷ラベル等をオ
ーバーラミネート加工するのに使用するマットフィルム
に関する。より詳細には、表面が均一に奇麗にマット化
されており、フィッシュアイを少なくしたフィルムであ
って、これを印刷ラベル等にオーバーラミネート加工し
た場合、印刷ラベル等に高級感が発現し付加価値の高い
印刷ラベルに仕上げることが出来るオーバーラミネート
用マットフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンフィルムは、その優れた
機械特性と電気特性を生かして包装用途ばかりでなく、
ラベル等のオーバーラミネート用フィルム、プリントラ
ミネート用フィルム、各種工業用工程セパレートフィル
ムとして幅広く使用されている。オーバーラミネートの
用途分野では、例えば家電製品や基盤の銘板等に使用さ
れる黒地の印刷ラベルの表面にポリプロピレンフィルム
をラミネートして使用することがある。
【0003】本発明者等は、印刷ラベル等にポリプロピ
レンフィルムをラミネート加工する際に、印刷ラベル等
に高級感を発現せて付加価値の高いラベルに仕上げるべ
くポリプロピレンフィルムの表面を粗面化(マット化)
することを検討してきた。印刷ラベル等に高級感を発現
させて付加価値の高いラベルに仕上げるには、ポリプロ
ピレンフィルム表面が均一に綺麗にマット化されフィッ
シュアイが少なくなければならない。マット化フィルム
にフィッシュアイが多いと、その部分が目立ち外観不良
となる。このようなフィルムを使用してラミネート加工
したラベルを商品に貼付した場合、商品の価値をも低下
させることになる。
【0004】ポリプロピレンフィルムの表面をマット化
する方法としては、(1)ポリプロピレンフィルム表面
に加熱エンボスロールで凹凸を付与する方法、(2)ポ
リプロピレンフィルムの表面に、エチレン・プロピレン
ブロック共重合体や、ポリプロピレンとポリエチレンを
配合した樹脂組成物を押出し積層し、延伸してマット化
する方法、(3)ポリプロピレン樹脂の押出し成型時に
結晶形態の異なる結晶型(α晶とβ晶)を混在させて生
成せしめた原反を作成し、これを特定の温度条件にて延
伸するマット化方法等が知られている。
【0005】前記(1)の方法は、エンボスロールに彫
刻されている凹凸溝に溶融樹脂が目詰りし、マット抜け
が生じ易いと言う問題がある。前記(2)の方法は、マ
ット調にバラツキが発生し奇麗にマット化し難いと言う
問題がある。前記(3)の方法は、溶融した樹脂が結晶
化する際、温度勾配等を利用して結晶化のコントロール
を行うため、ポリプロピレン樹脂そのものの性質や微妙
な温度変化によって結晶の生成や成長が変化する。従っ
て、結晶(β晶)生成能力、温度条件に制限が加わる等
の要因で表面に形成される凹凸が小さく、用途も限定さ
れるという問題がある。また、用途によっては両面とも
マット化されたフィルムが必要とされる場合があるが、
前記(3)の方法では、原反の結晶生成をコントロール
することが難しく、両面を同レベルにマット化するには
困難がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、印刷ラベル
等の表面にラミネート加工するために使用するフィルム
であって、ラミネート加工した後、高級感を発現させて
付加価値の高いラベルに仕上げるべく、フィルムの表面
が均一で綺麗にマット化されており、しかもフィッシュ
アイの少ないオーバーラミネート用マットフィルムを提
供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、含有灰分が少な
いポリプロピレンフィルム基材に、含有灰分が少ない融
点の異なる複数の樹脂を主成分とする樹脂層を積層し、
延伸することで、課題のオーバーラミネート用マットフ
ィルムが得られることを見出し、本発明を完成したもの
である。
【0008】本発明は、次の発明を包含する。 (1)ポリプロピレンフィルム基材の少なくとも一面
に、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン
・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレンを必須
成分とした混合樹脂層を積層した積層フィルムを延伸温
度下で二軸延伸することにより該混合樹脂層をマット化
した積層フィルムであって、該積層フィルム中の含有灰
分が130ppm以下であることを特徴とするオーバー
ラミネート用マットフィルム。
【0009】(2)前記混合樹脂層を形成する樹脂の1
つであるポリエチレンが、低密度ポリエチレンである
(1)項記載のオーバーラミネート用マットフィルム。
【0010】(3)マット化した樹脂層の表面粗さが (a)10点平均粗さ(Rz)で3.0μm以上 (b)中心線粗さ(Ra)で0.5〜1.0μm (c)最大高さ(Rmax)で4.0μm以上 である(1)項又は(2)項記載のオーバーラミネート
用マットフィルム。
【0011】(4)積層フィルムに発生する大きさ0.
1mm2以上のフィッシュアイの数が5個/m2以下であ
る(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のオーバー
ラミネート用マットフィルム。
【0012】(5)マット化した混合樹脂層の光沢度が
20%以下である(1)項〜(4)項のいずれか1項に
記載のオーバーラミネート用マットフィルム。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様を詳細
に説明する。本発明のマットフィルムは、ポリプロピレ
ンフィルム基材の少なくとも一面に、エチレン・プロピ
レンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム
共重合体及びポリエチレンを必須成分とする混合樹脂層
を積層したフィルムを延伸温度下で二軸延伸して該混合
樹脂層をマット化した積層フィルムである。
【0014】本発明のマットフィルムにおいて、エチレ
ン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレ
ンランダム共重合体及びポリエチレンを必須成分とする
混合樹脂を使用する理由は、これらの混合樹脂からなる
層とポリプロピレンフィルムとの積層フィルムを延伸温
度下で二軸延伸すると、エチレン成分とポリプロピレン
樹脂との融点の差により該混合樹脂層に凹凸が形成さ
れ、課題とする均一で奇麗なマット化フィルムが得られ
ることによる。
【0015】次に、本発明のマット化フィルムの製造方
法について説明する。例えば、融点以上で溶融させた結
晶性ポリプロピレン樹脂と、メルトフローレート5〜1
5g/10分のエチレン・プロピレンブロック共重合
体、メルトフローレート5〜15g/10分のエチレン
・プロピレンランダム共重合体及びメルトフローレート
0.1〜2.0g/10分の低密度ポリエチレンとの混
合樹脂とをTダイより共押出しすることにより積層フィ
ルムを形成し、2層構造叉は3層構造の未延伸シートを
作成する。マット化は、この後の延伸工程で、前記の2
層構造叉は3層構造の未延伸シートを延伸温度130〜
150℃で縦方向に4〜6倍に延伸し、次いで延伸温度
160〜180℃で横方向に8〜12倍に延伸すること
によって行われる。積層フィルムの全厚さについては、
用途により異なるが、一般には10〜60μmが好まし
く、混合樹脂層の単層の厚さは1〜10μmが好まし
い。
【0016】この延伸温度140℃での二軸延伸の際、
エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プ
ロピレンランダム共重合体及びポリエチレンは混合樹脂
層中で、エチレン・プロピレンブロック共重合体にあっ
てはエチレン成分がブロック状に溶融し、エチレン・プ
ロピレンランダム共重合体にあってはエチレン成分がラ
ンダム状に溶融し、ポリエチレンにあっては全体が溶融
し、その溶融部分は陥没して凹部を形成する。一方、そ
れぞれの樹脂を構成する融点の高いプロピレン成分は未
溶融のまま残り、その部分が凸部を形成する。このよう
な溶融による均一なマット化が前記3種類の樹脂の混合
層において形成される。従って、このような凹凸形状を
形成するためには、上記のエチレン・プロピレンブロッ
ク共重合体及びエチレン・プロピレンランダム共重合体
には、エチレン成分が2〜30%含まれるものを使用す
ることになる。
【0017】使用するポリエチレンとしては、低密度ポ
リエチレンの方が高密度ポリエチレンに比し、融点が低
く、延伸温度の調整が容易であるので、均一で奇麗なマ
ット化にするためには低密度ポリエチレンの方が望まし
い。しかして、前記の3種の樹脂は、本発明のマットフ
ィルムにおける混合樹脂層において必須成分となり、い
ずれの樹脂を欠いても均一で奇麗なマット化が形成し難
く、ラベル等に高級感を発現し得るオーバーラミ用マッ
トフィルムを形成することは難しい。
【0018】前記のエチレン・プロピレンブロック共重
合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体及びポリ
エチレンの3樹脂が混合された状態にあって、課題とす
る均一で奇麗なマット化フィルムを得るには、凹凸の程
度、即ち、表面粗さが、(a)10点平均粗さ(Rz)
で3.0μm以上、好ましくは6.0μm以下、(b)
中心線粗さ(Ra)で0.5〜1.0μm、(c)最大
高さ(Rmax)で4.0μm以上、好ましくは7.0
μm以下、である。
【0019】3種の樹脂の配合割合は、エチレン・プロ
ピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダ
ム共重合体の製造時に導入されているエチレン成分の含
有量との関連で調整されることになる。好ましい配合割
合は、エチレン・プロピレンブロック共重合体10〜7
0重量%、エチレン・プロピレンランダム共重合体20
〜80重量%、ポリエチレン10〜70重量%である。
【0020】上記の表面粗さは、均一なマット化によっ
て達成されるものであるが、均一なマット化は、前記し
た混合樹脂における3種の樹脂の配合割合及び延伸する
際の溶融温度を調整することによって可能となる。表面
粗さが上記の各範囲を外れたものは、マット性が不均一
となり、奇麗なマット化面は期待できない。
【0021】またマット化層の光沢度は20%以下であ
ることが好ましい。光沢度が20%を超えるものは、光
の反射により印刷された文字が読み難くなって商品価値
の低下を招くことになり、本発明が課題とするオーバー
ラミネート用マットフィルムとしての適性を欠くものと
なる。
【0022】本発明は、フィッシュアイの少ないオーバ
ーラミネート用マットフィルムを提供することをも課題
とする。具体的には、大きさ0.1mm2以上のフィッ
シュアイの数を5個/m2以下にすることである。因み
に、フィッシュアイの数が5個/m2超えるような状態
では、マット化フィルムを、例えば家電製品や基盤の銘
板等に使用される黒地の印刷ラベルにラミネートした場
合もフィッシュアイが目立ち、印刷ラベル等に高級感を
発現させたり、付加価値の高い印刷ラベルに仕上げるこ
とができない。
【0023】フィッシュアイの数が5個/m2易化にす
る手段としては、マット化フィルム全体に含まれる灰分
を130ppm以下にする必要がある。灰分はフィッシ
ュアイ発生の核となる物質であり、灰分の含有量が13
0ppmを超えるとフィッシュアイが発生し易くなるか
らである。フィッシュアイの大きさの上限は、一般的に
は2.0mm2程度までである。
【0024】マット化フィルム中の灰分を130ppm
以下にするには、基材となるポリプロピレンフィルム及
びマット化層を形成する前記のエチレン・プロピレンブ
ロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合
体及びポリエチレンの3樹脂成分として、いずれも灰分
の含有量が少ないものを使用することが必要である。
【0025】樹脂中の灰分含有量を少なくする方法とし
ては、原料の触媒残さ等のような樹脂劣化成分を減らす
ことにより可能となる。例えば、基材となるポリプロピ
レン樹脂、及びマット化層を形成する前記のエチレン・
プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンラ
ンダム共重合体及びポリエチレンの3樹脂成分を溶融し
てシート状に押出す前にフィルターにかけ、フィッシュ
アイの核成分を除去することにより、マット化フィルム
中の灰分を130ppm以下にすることが可能である。
【0026】なお、本目的を損なわない範囲で、熱安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤
(無機、有機)を添加しても良いが、無機のアンチブロ
ッキング剤はフィルム灰分の増加を引き起こしやすく、
フィッシュアイの増加を招く可能性が高い。本発明のマ
ットフィルムを目的物にラミネートする方法について
は、特に限定するものではなく、常法によって行われ
る。例えば、マットフィルムの片面に接着剤層あるいは
粘着剤層などを設けて、家電製品や基盤の銘板などに使
用される。
【0027】
【実施例】以下、実施例に基づいて詳細に説明する。下
記実施例において、マット化した樹脂層の表面粗さ、フ
ィッシュアイ、光沢度、灰分測定については、下記の方
法で測定し、その結果を表1に示した。
【0028】1.フィッシュアイ:大蔵省印刷局のきょ
う雑物測定図表をもとに直接比較測定した大きさ0.1
mm2以上のフィッシュアイのm2当たり個数。 2.10点平均粗さ、中心線粗さ、最大高さ:表面形状
測定器 サーフコム550A(東京精密)で測定JIS
B 0601による。カットオフ値は0.8μ、測定
長さは2.5mmとする。 3.光沢度 :変角光沢計 GM-3D型(村上色彩
研究所)で測定。JIS K 7105による。 4.灰分測定 :JIS C2330−1995の
灰分含有量試験による。
【0029】実施例1 基材層となるメルトフローレート2.5g/10分、灰
分65ppmの結晶性ポリプロピレン樹脂と、表面層と
なるメルトフローレート8g/10分のエチレン・プロ
ピレンブロック共重合体、メルトフローレート11g/
10分のエチレン・プロピレンランダム共重合体及びメ
ルトフローレート0.3g/10分の低密度ポリエチレ
ンの重量比が30:40:30の比率となるように熔融
混合した樹脂を共押出し法によってTダイより押出して
積層し、40℃のキャストロールで冷却することによ
り、3層構造の厚さ1250μm(表面層/基材層/表
面層=75μm:1100μm:75μm)の未延伸シ
ートを作成した。これを先ず延伸温度140℃で縦方向
へ5倍に延伸し、次いで延伸温度160〜180℃で熱
処理を行い横方向へ10倍に延伸し、厚さ25μmのマ
ット化フィルムを得た。
【0030】このマット化フィルムについて、10点平
均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(R
max)を測定したところ、Rzは3.89μm、Ra
は0.63μm、Rmaxは4.71μmであった。更
に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したと
ころ、光沢度は11.1%、フィルムの灰分は75pp
mであった。このフィルムを黒地の印刷ラベルに貼合し
てフィッシュアイを測定したが、大きさ0.1mm2
上のフィッシュアイの数は0個/m2であった。樹脂層
の表面は均一で奇麗にマット化されており、黒字の印刷
ラベルには高級感が発現され、オーバーラミネート用フ
ィルムとして優れた適性を有するものであった。
【0031】実施例2 基材層の一面に表面層を有する2構造(表面層/基材層
=100μm:1150μm)の厚さ1250μmの未
延伸シートを作成したこと以外は、実施例1と同一の基
材層樹脂及び表面層樹脂を使用してマットフィルムを作
成した。このフィルムのマット層について、10点平均
粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rm
ax)を測定したところ、Rzは4.31μm、Raは
0.72μm、Rmaxは5.28μmであった。更
に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したと
ころ、光沢度は10.7%、フィルムの灰分は55pp
mであった。このマット化フィルムを黒地の印刷ラベル
に貼合してフィッシュアイを測定したが、大きさ0.1
mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であった。
樹脂層の表面は均一で奇麗にマット化されており、黒字
の印刷ラベルには高級感が発現され、オーバーラミネー
ト用フィルムとして優れた適性を有するものであった。
【0032】比較例1 表面層の混合樹脂をメルトフローレート8g/10分の
エチレン・プロピレンブロック共重合体及びメルトフロ
ーレート0.3g/10分の低密度ポリエチレンの重量
比が70:30に混合した樹脂を表面層にする使用する
以外は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成し
た。このフィルムのマット層について、10点平均粗さ
(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rma
x)を測定したところ、Rzは1.47μm、Raは
0.26μm、Rmaxは2.82μmであった。更
に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したと
ころ、光沢度は23.2%、フィルムの灰分は60pp
mであった。このマット化フィルムを黒地の印刷ラベル
に貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ
0.1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であ
ったが、樹脂層の表面のマット化が不十分で、表面に光
が当たると反射し、そのためラベルに施されている印刷
が見難く、本発明が課題とするオーバーラミネート用フ
ィルムとしては適性を欠くものであった。
【0033】比較例2 基材層にメルトフローレート2.5g/10分、灰分3
00ppmの結晶性ポリプロピレン樹脂を用いる以外
は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(R
z)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を
測定したところ、Rzは4.03μm、Raは0.61
μm、Rmaxは4.71μmであった。更に、このマ
ット化フィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢
度は12.3%、フィルムの灰分は165ppmであっ
た。このフィルムは、樹脂層の表面は均一で奇麗にマッ
ト化されているが、このフィルムを黒地の印刷ラベルに
貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.
1mm2以上のフィッシュアイが25個/m2発生してお
り、これが目立って外観不良となり、本発明が課題とす
るオーバーラミネート用フィルムとしての適性を欠くも
のであった。
【0034】比較例3 基材層にメルトフローレート2.5g/10分、灰分2
50ppmの結晶性ポリプロピレン樹脂を用いる以外
は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(R
z)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を
測定したところ、Rzは4.05μm、Raは0.63
μm、Rmaxは4.74μmであった。更に、このマ
ット化フィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢
度は12.0%、フィルムの灰分は140ppmであっ
た。このフィルムは、樹脂層の表面は均一で奇麗にマッ
ト化されているが、このフィルムを黒地の印刷ラベルに
貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.
1mm2以上のフィッシュアイが10個/m2発生してお
り、これが目立って外観不良となり、本発明が課題とす
るオーバーラミネート用フィルムとしての適性を欠くも
のであった。
【0035】比較例4 表面層の樹脂として、メルトフローレート5〜15g/
10分のエチレン・プロピレンランダム共重合体のみを
使用する以外は、実施例1と同様にしてマット化フィル
ム作成した。このフィルムのマット層について、10点
平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ
(Rmax)を測定したところ、Rzは3.28μm、
Raは0.54μm、Rmaxは4.23μmであっ
た。更に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定
したところ、光沢度は28.3%、フィルムの灰分は8
0ppmであった。このフィルムを黒地の印刷ラベルに
貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.
1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であった
が、表面に光が当たると反射し、そのためラベルに施さ
れている印刷が見難く、本発明が課題とするオーバーラ
ミネート用フィルムとしては適性を欠くものであった。
【0036】比較例5 表面層の樹脂として、メルトフローレート8g/10分
のエチレン・プロピレンブロック共重合体のみで使用す
る以外は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成
した。このフィルムのマット層について、10点平均粗
さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rma
x)を測定したところ、Rzは4.85μm、Raは
0.83μm、Rmaxは5.77μmであった。更
に、このマットフィルムの光沢度、灰分を測定したとこ
ろ、光沢度は24.2%、フィルムの灰分は75ppm
であった。このフィルムを黒地の印刷ラベルに貼合して
フィッシュアイを測定したところ、大きさ0.1mm2
以上のフィッシュアイの数は0個/m2であったが、表
面に光が当たると反射し、そのためラベルに施されてい
る印刷が見難く、本発明が課題とするオーバーラミネー
ト用フィルムとしては適性を欠くものであった。
【0037】比較例6 表面の混合樹脂として、メルトフローレート8g/10
分のエチレン・プロピレンブロック共重合体とメルトフ
ローレート11g/10分のエチレン・プロピレンラン
ダム共重合体の重量比が50:50となるように混合し
た樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にしてマット
化フィルム作成した。このフィルムのマット層につい
て、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び
最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは4.0
7μm、Raは0.69μm、Rmaxは4.89μm
であった。更に、このマットフィルムの光沢度、灰分を
測定したところ、光沢度は25.9%、フィルムの灰分
は75ppmであった。このフィルムを黒地の印刷ラベ
ルに貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ
0.1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であ
ったが、表面に光が当たると反射し、そのためラベルに
施されている印刷が見難く、本発明が課課題とするオー
バーラミネート用フィルムとしては適性を欠くものであ
った。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のオーバーラミネート用マットフ
ィルムは、ポリプロピレンフィルム基材の少なくとも一
面に、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレ
ン・プロピレンランダム共重合体及び低密度ポリエチレ
ンを必須成分とする樹脂層を積層したフィルムを延伸温
度下で二軸延伸することにより該樹脂層をマット化した
積層フィルムであって、該積層フィルムの含有灰分が1
30ppm以下とすることにより、該樹脂層の表面が奇
麗にマット化され、しかもフィッシュアイやマット抜け
が少なく、これを印刷ラベル類にオーバーラミネートす
ると印刷ラベル類に高級感が発現され、付加価値の高い
ラベルにできる等の優れた効果を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 薫 滋賀県甲賀郡甲西町大字朝国字平山65 王 子製紙株式会社滋賀工場内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AA75 AA76 AH04 AH06 BC15 BC16 4F100 AK04B AK04C AK06B AK06C AK07A AK64B AK64C AL02B AL02C AL03B AL03C AL05B AL05C AT00A BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA15 DD07 EH20 EJ38 GB90 JA06 JN21 YY00 4J002 BB032 BB151 BP023 GF00 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンフィルム基材の少なくと
    も一面に、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エ
    チレン・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレン
    を必須成分とする混合樹脂層を積層した積層フィルムを
    延伸温度下で二軸延伸して該混合樹脂層をマット化した
    積層フィルムであって、該積層フィルムの含有灰分が1
    30ppm以下であることを特徴とするオーバーラミネ
    ート用マットフィルム。
  2. 【請求項2】 混合樹脂層を形成する樹脂の1つである
    ポリエチレンが低密度ポリエチレンである請求項1に記
    載のオーバーラミネート用マットフィルム。
  3. 【請求項3】 マット化した混合樹脂層の表面粗さが (a)10点平均粗さ(Rz)で3.0μm以上 (b)中心線粗さ(Ra)で0.5〜1.0μm (c)最大高さ(Rmax)で4.0μm以上 である請求項1又は2に記載のオーバーラミネート用マ
    ットフィルム。
  4. 【請求項4】 積層フィルムに発生する大きさ0.1m
    2以上のフィッシュアイの数が5個/m2以下である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のオーバーラミネート
    用マットフィルム。
  5. 【請求項5】 マット化した混合樹脂層の光沢度が20
    %以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のオー
    バーラミネート用マットフィルム。
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