JP4069598B2 - オーバーラミネート用マットフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷ラベル等をオーバーラミネート加工するのに使用するマットフィルムに関する。より詳細には、表面が均一に奇麗にマット化されており、フィッシュアイを少なくしたフィルムであって、これを印刷ラベル等にオーバーラミネート加工した場合、印刷ラベル等に高級感が発現し付加価値の高い印刷ラベルに仕上げることが出来るオーバーラミネート用マットフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンフィルムは、その優れた機械特性と電気特性を生かして包装用途ばかりでなく、ラベル等のオーバーラミネート用フィルム、プリントラミネート用フィルム、各種工業用工程セパレートフィルムとして幅広く使用されている。
オーバーラミネートの用途分野では、例えば家電製品や基盤の銘板等に使用される黒地の印刷ラベルの表面にポリプロピレンフィルムをラミネートして使用することがある。
【0003】
本発明者等は、印刷ラベル等にポリプロピレンフィルムをラミネート加工する際に、印刷ラベル等に高級感を発現せて付加価値の高いラベルに仕上げるべくポリプロピレンフィルムの表面を粗面化(マット化)することを検討してきた。印刷ラベル等に高級感を発現させて付加価値の高いラベルに仕上げるには、ポリプロピレンフィルム表面が均一に綺麗にマット化されフィッシュアイが少なくなければならない。マット化フィルムにフィッシュアイが多いと、その部分が目立ち外観不良となる。このようなフィルムを使用してラミネート加工したラベルを商品に貼付した場合、商品の価値をも低下させることになる。
【0004】
ポリプロピレンフィルムの表面をマット化する方法としては、(1)ポリプロピレンフィルム表面に加熱エンボスロールで凹凸を付与する方法、(2)ポリプロピレンフィルムの表面に、エチレン・プロピレンブロック共重合体や、ポリプロピレンとポリエチレンを配合した樹脂組成物を押出し積層し、延伸してマット化する方法、(3)ポリプロピレン樹脂の押出し成型時に結晶形態の異なる結晶型(α晶とβ晶)を混在させて生成せしめた原反を作成し、これを特定の温度条件にて延伸するマット化方法等が知られている。
【0005】
前記(1)の方法は、エンボスロールに彫刻されている凹凸溝に溶融樹脂が目詰りし、マット抜けが生じ易いと言う問題がある。前記(2)の方法は、マット調にバラツキが発生し奇麗にマット化し難いと言う問題がある。前記(3)の方法は、溶融した樹脂が結晶化する際、温度勾配等を利用して結晶化のコントロールを行うため、ポリプロピレン樹脂そのものの性質や微妙な温度変化によって結晶の生成や成長が変化する。従って、結晶(β晶)生成能力、温度条件に制限が加わる等の要因で表面に形成される凹凸が小さく、用途も限定されるという問題がある。また、用途によっては両面ともマット化されたフィルムが必要とされる場合があるが、前記(3)の方法では、原反の結晶生成をコントロールすることが難しく、両面を同レベルにマット化するには困難がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、印刷ラベル等の表面にラミネート加工するために使用するフィルムであって、ラミネート加工した後、高級感を発現させて付加価値の高いラベルに仕上げるべく、フィルムの表面が均一で綺麗にマット化されており、しかもフィッシュアイの少ないオーバーラミネート用マットフィルムを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、含有灰分が少ないポリプロピレンフィルム基材に、含有灰分が少ない融点の異なる複数の樹脂を主成分とする樹脂層を積層し、延伸することで、課題のオーバーラミネート用マットフィルムが得られることを見出し、本発明を完成したものである。
【0008】
本発明は、次の発明を包含する。
(1)ポリプロピレンフィルム基材の少なくとも一面に、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体及び低密度ポリエチレンを必須成分とした混合樹脂層を積層した積層フィルムを延伸温度下で二軸延伸することにより該混合樹脂層をマット化した積層フィルムであって、該積層フィルムの含有灰分が130ppm以下で、マット化した混合樹脂層の光沢度が20%以下であり、マット化した混合樹脂層表面粗さが
(a)10点平均粗さ(Rz)で3.0〜6.0μm
(b)中心線粗さ(Ra)で0.5〜1.0μm
(c)最大高さ(Rmax)で4.0〜7.0μm
であることを特徴とするオーバーラミネート用マットフィルム。
【0011】
)積層フィルムに発生する大きさ0.1mm以上のフィッシュアイの数が5個/m以下である(1)項に記載のオーバーラミネート用マットフィルム。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様を詳細に説明する。
本発明のマットフィルムは、ポリプロピレンフィルム基材の少なくとも一面に、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレンを必須成分とする混合樹脂層を積層したフィルムを延伸温度下で二軸延伸して該混合樹脂層をマット化した積層フィルムである。
【0014】
本発明のマットフィルムにおいて、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレンを必須成分とする混合樹脂を使用する理由は、これらの混合樹脂からなる層とポリプロピレンフィルムとの積層フィルムを延伸温度下で二軸延伸すると、エチレン成分とポリプロピレン樹脂との融点の差により該混合樹脂層に凹凸が形成され、課題とする均一で奇麗なマット化フィルムが得られることによる。
【0015】
次に、本発明のマット化フィルムの製造方法について説明する。
例えば、融点以上で溶融させた結晶性ポリプロピレン樹脂と、メルトフローレート5〜15g/10分のエチレン・プロピレンブロック共重合体、メルトフローレート5〜15g/10分のエチレン・プロピレンランダム共重合体及びメルトフローレート0.1〜2.0g/10分の低密度ポリエチレンとの混合樹脂とをTダイより共押出しすることにより積層フィルムを形成し、2層構造叉は3層構造の未延伸シートを作成する。マット化は、この後の延伸工程で、前記の2層構造叉は3層構造の未延伸シートを延伸温度130〜150℃で縦方向に4〜6倍に延伸し、次いで延伸温度160〜180℃で横方向に8〜12倍に延伸することによって行われる。積層フィルムの全厚さについては、用途により異なるが、一般には10〜60μmが好ましく、混合樹脂層の単層の厚さは1〜10μmが好ましい。
【0016】
この延伸温度140℃での二軸延伸の際、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレンは混合樹脂層中で、エチレン・プロピレンブロック共重合体にあってはエチレン成分がブロック状に溶融し、エチレン・プロピレンランダム共重合体にあってはエチレン成分がランダム状に溶融し、ポリエチレンにあっては全体が溶融し、その溶融部分は陥没して凹部を形成する。一方、それぞれの樹脂を構成する融点の高いプロピレン成分は未溶融のまま残り、その部分が凸部を形成する。このような溶融による均一なマット化が前記3種類の樹脂の混合層において形成される。従って、このような凹凸形状を形成するためには、上記のエチレン・プロピレンブロック共重合体及びエチレン・プロピレンランダム共重合体には、エチレン成分が2〜30%含まれるものを使用することになる。
【0017】
使用するポリエチレンとしては、低密度ポリエチレンの方が高密度ポリエチレンに比し、融点が低く、延伸温度の調整が容易であるので、均一で奇麗なマット化にするためには低密度ポリエチレンの方が望ましい。
しかして、前記の3種の樹脂は、本発明のマットフィルムにおける混合樹脂層において必須成分となり、いずれの樹脂を欠いても均一で奇麗なマット化が形成し難く、ラベル等に高級感を発現し得るオーバーラミ用マットフィルムを形成することは難しい。
【0018】
前記のエチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレンの3樹脂が混合された状態にあって、課題とする均一で奇麗なマット化フィルムを得るには、凹凸の程度、即ち、表面粗さが、
(a)10点平均粗さ(Rz)で3.0μm以上、好ましくは6.0μm以下、(b)中心線粗さ(Ra)で0.5〜1.0μm、
(c)最大高さ(Rmax)で4.0μm以上、好ましくは7.0μm以下、である。
【0019】
3種の樹脂の配合割合は、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体の製造時に導入されているエチレン成分の含有量との関連で調整されることになる。
好ましい配合割合は、エチレン・プロピレンブロック共重合体10〜70重量%、エチレン・プロピレンランダム共重合体20〜80重量%、ポリエチレン10〜70重量%である。
【0020】
上記の表面粗さは、均一なマット化によって達成されるものであるが、均一なマット化は、前記した混合樹脂における3種の樹脂の配合割合及び延伸する際の溶融温度を調整することによって可能となる。表面粗さが上記の各範囲を外れたものは、マット性が不均一となり、奇麗なマット化面は期待できない。
【0021】
またマット化層の光沢度は20%以下であることが好ましい。光沢度が20%を超えるものは、光の反射により印刷された文字が読み難くなって商品価値の低下を招くことになり、本発明が課題とするオーバーラミネート用マットフィルムとしての適性を欠くものとなる。
【0022】
本発明は、フィッシュアイの少ないオーバーラミネート用マットフィルムを提供することをも課題とする。具体的には、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイの数を5個/m2以下にすることである。因みに、フィッシュアイの数が5個/m2超えるような状態では、マット化フィルムを、例えば家電製品や基盤の銘板等に使用される黒地の印刷ラベルにラミネートした場合もフィッシュアイが目立ち、印刷ラベル等に高級感を発現させたり、付加価値の高い印刷ラベルに仕上げることができない。
【0023】
フィッシュアイの数が5個/m2易化にする手段としては、マット化フィルム全体に含まれる灰分を130ppm以下にする必要がある。灰分はフィッシュアイ発生の核となる物質であり、灰分の含有量が130ppmを超えるとフィッシュアイが発生し易くなるからである。フィッシュアイの大きさの上限は、一般的には2.0mm2程度までである。
【0024】
マット化フィルム中の灰分を130ppm以下にするには、基材となるポリプロピレンフィルム及びマット化層を形成する前記のエチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレンの3樹脂成分として、いずれも灰分の含有量が少ないものを使用することが必要である。
【0025】
樹脂中の灰分含有量を少なくする方法としては、原料の触媒残さ等のような樹脂劣化成分を減らすことにより可能となる。例えば、基材となるポリプロピレン樹脂、及びマット化層を形成する前記のエチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体及びポリエチレンの3樹脂成分を溶融してシート状に押出す前にフィルターにかけ、フィッシュアイの核成分を除去することにより、マット化フィルム中の灰分を130ppm以下にすることが可能である。
【0026】
なお、本目的を損なわない範囲で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤(無機、有機)を添加しても良いが、無機のアンチブロッキング剤はフィルム灰分の増加を引き起こしやすく、フィッシュアイの増加を招く可能性が高い。
本発明のマットフィルムを目的物にラミネートする方法については、特に限定するものではなく、常法によって行われる。例えば、マットフィルムの片面に接着剤層あるいは粘着剤層などを設けて、家電製品や基盤の銘板などに使用される。
【0027】
【実施例】
以下、実施例に基づいて詳細に説明する。
下記実施例において、マット化した樹脂層の表面粗さ、フィッシュアイ、光沢度、灰分測定については、下記の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0028】
Figure 0004069598
【0029】
実施例1
基材層となるメルトフローレート2.5g/10分、灰分65ppmの結晶性ポリプロピレン樹脂と、表面層となるメルトフローレート8g/10分のエチレン・プロピレンブロック共重合体、メルトフローレート11g/10分のエチレン・プロピレンランダム共重合体及びメルトフローレート0.3g/10分の低密度ポリエチレンの重量比が30:40:30の比率となるように熔融混合した樹脂を共押出し法によってTダイより押出して積層し、40℃のキャストロールで冷却することにより、3層構造の厚さ1250μm(表面層/基材層/表面層=75μm:1100μm:75μm)の未延伸シートを作成した。
これを先ず延伸温度140℃で縦方向へ5倍に延伸し、次いで延伸温度160〜180℃で熱処理を行い横方向へ10倍に延伸し、厚さ25μmのマット化フィルムを得た。
【0030】
このマット化フィルムについて、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは3.89μm、Raは0.63μm、Rmaxは4.71μmであった。更に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢度は11.1%、フィルムの灰分は75ppmであった。
このフィルムを黒地の印刷ラベルに貼合してフィッシュアイを測定したが、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であった。樹脂層の表面は均一で奇麗にマット化されており、黒字の印刷ラベルには高級感が発現され、オーバーラミネート用フィルムとして優れた適性を有するものであった。
【0031】
実施例2
基材層の一面に表面層を有する2構造(表面層/基材層=100μm:1150μm)の厚さ1250μmの未延伸シートを作成したこと以外は、実施例1と同一の基材層樹脂及び表面層樹脂を使用してマットフィルムを作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは4.31μm、Raは0.72μm、Rmaxは5.28μmであった。更に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢度は10.7%、フィルムの灰分は55ppmであった。
このマット化フィルムを黒地の印刷ラベルに貼合してフィッシュアイを測定したが、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であった。樹脂層の表面は均一で奇麗にマット化されており、黒字の印刷ラベルには高級感が発現され、オーバーラミネート用フィルムとして優れた適性を有するものであった。
【0032】
比較例1
表面層の混合樹脂をメルトフローレート8g/10分のエチレン・プロピレンブロック共重合体及びメルトフローレート0.3g/10分の低密度ポリエチレンの重量比が70:30に混合した樹脂を表面層にする使用する以外は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは1.47μm、Raは0.26μm、Rmaxは2.82μmであった。更に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢度は23.2%、フィルムの灰分は60ppmであった。
このマット化フィルムを黒地の印刷ラベルに貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であったが、樹脂層の表面のマット化が不十分で、表面に光が当たると反射し、そのためラベルに施されている印刷が見難く、本発明が課題とするオーバーラミネート用フィルムとしては適性を欠くものであった。
【0033】
比較例2
基材層にメルトフローレート2.5g/10分、灰分300ppmの結晶性ポリプロピレン樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは4.03μm、Raは0.61μm、Rmaxは4.71μmであった。更に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢度は12.3%、フィルムの灰分は165ppmであった。
このフィルムは、樹脂層の表面は均一で奇麗にマット化されているが、このフィルムを黒地の印刷ラベルに貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイが25個/m2発生しており、これが目立って外観不良となり、本発明が課題とするオーバーラミネート用フィルムとしての適性を欠くものであった。
【0034】
比較例3
基材層にメルトフローレート2.5g/10分、灰分250ppmの結晶性ポリプロピレン樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは4.05μm、Raは0.63μm、Rmaxは4.74μmであった。更に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢度は12.0%、フィルムの灰分は140ppmであった。
このフィルムは、樹脂層の表面は均一で奇麗にマット化されているが、このフィルムを黒地の印刷ラベルに貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイが10個/m2発生しており、これが目立って外観不良となり、本発明が課題とするオーバーラミネート用フィルムとしての適性を欠くものであった。
【0035】
比較例4
表面層の樹脂として、メルトフローレート5〜15g/10分のエチレン・プロピレンランダム共重合体のみを使用する以外は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは3.28μm、Raは0.54μm、Rmaxは4.23μmであった。更に、このマット化フィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢度は28.3%、フィルムの灰分は80ppmであった。
このフィルムを黒地の印刷ラベルに貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であったが、表面に光が当たると反射し、そのためラベルに施されている印刷が見難く、本発明が課題とするオーバーラミネート用フィルムとしては適性を欠くものであった。
【0036】
比較例5
表面層の樹脂として、メルトフローレート8g/10分のエチレン・プロピレンブロック共重合体のみで使用する以外は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは4.85μm、Raは0.83μm、Rmaxは5.77μmであった。更に、このマットフィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢度は24.2%、フィルムの灰分は75ppmであった。
このフィルムを黒地の印刷ラベルに貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であったが、表面に光が当たると反射し、そのためラベルに施されている印刷が見難く、本発明が課題とするオーバーラミネート用フィルムとしては適性を欠くものであった。
【0037】
比較例6
表面の混合樹脂として、メルトフローレート8g/10分のエチレン・プロピレンブロック共重合体とメルトフローレート11g/10分のエチレン・プロピレンランダム共重合体の重量比が50:50となるように混合した樹脂を使用した以外は、実施例1と同様にしてマット化フィルム作成した。
このフィルムのマット層について、10点平均粗さ(Rz)、中心線粗さ(Ra)及び最大高さ(Rmax)を測定したところ、Rzは4.07μm、Raは0.69μm、Rmaxは4.89μmであった。更に、このマットフィルムの光沢度、灰分を測定したところ、光沢度は25.9%、フィルムの灰分は75ppmであった。
このフィルムを黒地の印刷ラベルに貼合してフィッシュアイを測定したところ、大きさ0.1mm2以上のフィッシュアイの数は0個/m2であったが、表面に光が当たると反射し、そのためラベルに施されている印刷が見難く、本発明が課課題とするオーバーラミネート用フィルムとしては適性を欠くものであった。
【0038】
【表1】
Figure 0004069598
【0039】
【発明の効果】
本発明のオーバーラミネート用マットフィルムは、ポリプロピレンフィルム基材の少なくとも一面に、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体及び低密度ポリエチレンを必須成分とする樹脂層を積層したフィルムを延伸温度下で二軸延伸することにより該樹脂層をマット化した積層フィルムであって、該積層フィルムの含有灰分が130ppm以下とすることにより、該樹脂層の表面が奇麗にマット化され、しかもフィッシュアイやマット抜けが少なく、これを印刷ラベル類にオーバーラミネートすると印刷ラベル類に高級感が発現され、付加価値の高いラベルにできる等の優れた効果を有している。

Claims (2)

  1. ポリプロピレンフィルム基材の少なくとも一面に、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体及び低密度ポリエチレンを必須成分として含有する混合樹脂層を積層した積層フィルムを延伸温度下で二軸延伸して該混合樹脂層をマット化した積層フィルムであって、該積層フィルムの含有灰分が130ppm以下で、マット化した混合樹脂層の光沢度が20%以下であり、マット化した混合樹脂層表面粗さが
    (a)10点平均粗さ(Rz)で3.0〜6.0μm
    (b)中心線粗さ(Ra)で0.5〜1.0μm
    (c)最大高さ(Rmax)で4.0〜7.0μm
    であることを特徴とするオーバーラミネート用マットフィルム。
  2. 積層フィルムに発生する大きさ0.1mm 以上のフィッシュアイの数が5個/m 以下である請求項1に記載のオーバーラミネート用マットフィルム。
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