JP2006122926A - クロップの自動検出方法および自動排出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱間粗圧延後における粗バーの先端および/または後端に形成された不定形部を切断したクロップの自動検出方法であって、
前記クロップの落下口近傍に1個以上の温度センサーを設け、該温度センサーにより検知した温度の跳ね上り信号により、前記クロップが正常に切断されたと認識することを特徴とするクロップの自動検出方法およびそれを用いたクロップの自動排出方法およびそれを用いたクロップの自動排出方法。
【選択図】図2
Description
このクロップが形成された状態で熱間仕上圧延を行うと板厚制御に支障を生じ板厚の均一な鋼板を製造することができない。
そこで、熱間仕上圧延機入側では仕上スタンド通板性確保のため、クロップシャーにて粗バーの先端および尾端(以下TOPおよびBOTという。)を切断除去しているが、下記のようなトラブルが発生していた。
すなわち、切断したクロップが粗バーから分離せず粗バーとともに仕上圧延機に噛み込み、ロール損傷が発生する、あるいは、切断したクロップのカット屑がクロップシュート内で引掛り、これによりクロップの除去作業のためのライン休止を余儀なくされるという問題点があった。
このシュート内に引掛ったのクロップのカット屑を排出するためには、作業員がシュート内に立ち入る必要があるので、危険を伴う作業を余儀なくされていた。
図1(a)(b)において、粗バーの先端および尾端がクロップシャーに到達すると、クロップシャーが回転してクロップ部を切断する。
切断されたクロップは、クロップシャーの下部に設置されたシュートを通じて排出され、従来はITVなどのモニターでクロップがシュートを落下していくことを観察することで切断性の確認をしていた。
しかし、とくに冬場など露点が高い場合には、ITV周辺に蒸気が充満して、切断性の確認ができないケースが発生してしまうという問題点があった。
しかし、この特開平4-4925号公報に開示された方法は、落下判定ロジックや機器が複雑となり投資額が高額になるといった問題があった。
また、切断されたクロップがシュート内で引掛り、クロップの除去作業をするためのライン休止を余儀なくされることに対する対策については検討されていなかった。
(1)熱間粗圧延後における粗バーの先端および/または後端に形成された不定形部を切断したクロップの自動検出方法であって、
前記クロップの落下口近傍に1個以上の温度センサーを設け、該温度センサーにより検知した温度の跳ね上り信号により、前記クロップが正常に切断されたと認識することを特徴とするクロップの自動検出方法。
(2)さらに、前記温度センサーにより検知した温度レベルにより、シュート内に堆積したクロップのカット屑を検出することを特徴とする(1)に記載のクロップの自動検出方法。
(3)(2)に記載の自動検出方法を用いたクロップの自動排出方法であって、
前記クロップのカット屑が堆積したシュートに、5m3/min以上の水を流すことを特徴とするクロップの自動排出方法。
<第1の実施形態>
図2および図3は、本発明におけるクロップの検出方法の第1の実施形態を例示する図であり、図2(a)はクロップシャーの側面図を示し、図2(b)はその正面図を示す。
図2に示すように、本発明は、クロップを観察するために設置するITVに加えて、もしくはITVに代えて、クロップの落下口近傍に1個以上の温度センサーを設け、該温度センサーにより検知した温度の跳ね上り信号により、前記クロップが正常に切断されたと認識することを特徴とする。
温度センサーは、ITVのように蒸気の影響を受けないので、露点が高く、シュート内に蒸気が充満している状態であっても高温のクロップを正確に検知することができる。
本発明においては、温度センサーの種類は問わず、熱電対式の温度計を用いてもよいが、視野角の広いCOP(放射温度計)を熱検知装置として用い、バー先端をカットしてから、バー尾端をカットし終えるまでは通板中のバーの輻射熱が拾えるシュート上部位置に設置することが好ましい。
図3に示すように、測定温度の跳ね上がり部であるピーク値が2点ずつセットになって表れているが、最初のピークが粗バーTOP部のカット屑がシュートを通過したこと示し、次のピークがBOT部のカット屑がシュートを通過したこと示している。
図3のようにTOPカット部で測定温度が跳ね上ることを確認し、跳ね上らない場合は警報を出し、オペレーターが仕上圧延機への侵入を解除することによって切断不良材が仕上圧延機に進入するのを防止することができる。
TOP部とBOT部の中間部(CS部)が通過中は板からの輻射熱を拾うため測定温度は比較的高温で推移する。
この使用条件では水および水蒸気の影響は外乱として多少受けるが、絶対温度が重要なのではなくではなく、相対的な温度変化量や温度のレベルによりクロップカットの状態を判断するには十分な方法である。但し、できうるかぎり水および水蒸気の影響を受け難い放射温度計の検出素子(水の吸収波長帯は1.43μm、1.94μm、2.96μm…、蒸気の吸収波長帯は2.66μm、2.73μm、6.27μm)であるSi素子(測定波長:0.9μm)のものが望ましい。
また比較的省スペースに設置する必要があるためファイバー式の視野角度の広い放射温度計が望ましい。
図3に示す様にCOPが1個の場合はTOP部カット後のシュート内つまり状況判断するのは、通板中のバーの輻射熱の影響を受けるため困難であるが、BOT部カット後にシュート内につまり屑がある場合には、温度計測定下限値までカット直後に低下しないためシュート内つまりを判断できる。
このシュート内詰りに対し、そのほとんどの場合は、次材のカット屑に押されて落下するが、まれにシュート内部に堆積しつづける場合などがある。
この場合は、オペレーターがシュート上部に設置された水噴射装置を動作させることによってシュート内部に水を噴射することでシュートの詰りを解消することができる。
本発明者等は種々の条件で水を噴射した結果、水の噴射量は少なくとも5m3/min以上を、シュート角度にあわせて、約15sec程度噴射することが望ましく、5%程度の油分を含ませたものを噴霧させるとより摩擦抵抗を低減することができるためカット屑を効果的に排出できることを見出した。
また、シュート面にパイプ材を配置することによって、シュート面とカット屑との接触面積を小さくすることによって摩擦抵抗を低減し、カット屑がすべり落ち易くすることができる。
なお、水を噴射することでクロップが下流側に移送されない場合でも、温度は下がってくるが、バー厚が35mm前後あるため、約2min間程度かけて温度が徐々に下がる程度であるため、シュート屑が下流側に移送される場合のような、温度が瞬時に下がる場合と区別し判断することができる。
図4および図5は、本発明におけるクロップの検出方法の第2の実施形態を例示する図である。
図4に示すように、本実施形態においてはCOP(放射温度計)を前述の第1の実施形態に用いた温度計に加えている。
このように、温度計を粗バーの輻射熱の影響を受けない位置に付け加えた場合には、カット屑のTOP部、BOT部のシュート内詰り状況をより正確に把握することができる。
すなわち、2つの温度センサーを設置した場合には、図5に示すように、COP1はいち早くクロップの通過を検出することができるが、粗バーの輻射熱の影響を受けるため、TOP部、BOT部以外の中央部の温度が高く表示される。
一方、COP2は粗バーの輻射熱の影響を受けないのでTOP部のクロップがシュートを通過するとすぐに温度が下がるが、カット屑がシュート内部に引掛った場合には、温度が下がらないのでTOP部のクロップのカット屑がシュートに引掛ったかどうかを正確に判断することができる。
このように、複数の温度センサーを異なる位置に設置することによって、より正確にクロップの検出を行うことができる。
Claims (3)
- 熱間粗圧延後における粗バーの先端および/または後端に形成された不定形部を切断したクロップの自動検出方法であって、
前記クロップの落下口近傍に1個以上の温度センサーを設け、該温度センサーにより検知した温度の跳ね上り信号により、前記クロップが正常に切断されたと認識することを特徴とするクロップの自動検出方法。 - さらに、前記温度センサーにより検知した温度レベルにより、シュート内に堆積したクロップのカット屑を検出することを特徴とする請求項1に記載のクロップの自動検出方法。
- 請求項2に記載の自動検出方法を用いたクロップの自動排出方法であって、
前記クロップのカット屑が堆積したシュートに、5m3/min以上の水を流すことを特徴とするクロップの自動排出方法。
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