JP5428494B2 - 連続鋳造における鋳片継目部の検出方法 - Google Patents

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本発明は、鋼を連続鋳造する際に、タンディッシュ交換或いは異鋼種の連続鋳造などの目的のために、鋳型への溶鋼の注入を一旦停止するとともに鋳片の引き抜きを一旦停止し、その後、鋳型への溶鋼の注入を再開するとともに鋳片の引き抜きを再開したときに形成される段注ぎ状の継目部を検出する方法に関するものである。
鋼の連続鋳造では、生産性を向上させるためには、多数チャージの溶鋼を連続して鋳造している。多数チャージを連続して連続鋳造することを連続連続鋳造(「連々鋳」ともいう)と呼んでいる。但し、使用するタンディッシュの使用可能時間(主にタンディッシュ底に設置される浸漬ノズルの使用時間制限)に限度があり、そのために、タンディッシュ或いは浸漬ノズルを交換しながら、連々鋳を実施している。この場合、タンディッシュ交換或いは浸漬ノズル交換時には、一旦、鋳型への溶鋼の注入を停止するとともに鋳片の引き抜きを停止し、新しいタンディッシュ或いは新しい浸漬ノズルが設置された後に、タンディッシュから鋳型への注入を再開するとともに、鋳片の引き抜きを再開している。
また、近年の小ロット多品種の鋼製品構成では、同一鋼種の連々鋳のみでは、連続鋳造機の生産性が向上せず、従って、成分が異なる鋼種同士であっても、連々鋳(「異鋼種連々鋳」という)が行われている。この異鋼種連々鋳の場合には、先行チャージの溶鋼と後続チャージの溶鋼とが鋳型内において混合しないようにするために、先行チャージの鋳造終了時に鋳片の引き抜きを一旦停止すると同時に、鋳型内の溶鋼中に所謂‘仕切り金物’を浸漬させ、その後、鋳型内に後続チャージを注入するとともに、鋳片の引き抜きを再開している。
同一鋼種同士のタンディッシュ交換部も、また、異鋼種連々鋳の繋ぎ目部分も、溶鋼の鋳型内への注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止するので、段注ぎ状の継目部が形成される。この継目部は、鋳片表面が重なり合った二重肌状となり且つ介在物が多く清浄ではなく、しかも、仕切り金物が含まれる場合もあり、製品としては使用できず、鋳造後に切断除去される。
この継目部の把握方法(トラッキング)は、連続鋳造機に設置される測長装置(メジャーロール)によって行われており、その原理は、メジャーロールの軸に設置されたパルスジェネレーターの信号(回転数)と、予め計算装置に定数設定されたメジャーロールの直径(或いは周長)とから鋳造長を計算し、この鋳造長に基づいて継目部位置をトラッキングしていた。この場合、鋳造停止時のメジャーロールから継目部位置までの長さは、連続鋳造機の設備仕様から一義的に算出される。
しかしながら、この手法は、以下の理由により計算の精度がそれほど高くなく、継目部を切断する場合に、必要以上に長く切断せざるを得ず、歩留りロスが大きいという問題点があった。精度が高くない理由は、二次冷却による鋳片温度を考慮して鋳片の熱膨張の影響を鋳造長の計算時に反映させるが、これが不正確であること、また、メジャーロールの磨耗やメジャーロールへの異物付着などによってメジャーロールの直径が変化したり、メジャーロール自体がスリップしたりして、メジャーロールによる測定が変動することなどによる。
そこで、継目部を正確に特定するための手段が多数提案されている。例えば、特許文献1には、連続鋳造機の出側に鋳片の表面温度を計測するための温度計を設置し、該温度計により鋳片表面温度を計測し、継目部は表面温度が低いことを利用し、測温値の低下から継目部を検出する方法が提案されている。また、特許文献2には、連続鋳造機に設置される鋳片駆動ロール(ピンチロール)の負荷トルクを測定し、この負荷トルクの変動から継目部を検出する方法が提案されている。更に、特許文献3には、鋳片の表面形状を計測するためのレーザ距離計を設置し、該レーザ距離計で計測される鋳片外観形状に基づいて継目部を検出する方法が提案されている。
特開昭62−162410号公報 特開平8−215813号公報 特開平8−94309号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
即ち、特許文献1では、鋳片表面温度を測定する範囲が狭く、つまり鋳片幅方向の一部分のみを温度測定可能であり、水蒸気の影響や被測定部周囲の温度バラツキの影響を受けやすく、継目部を精度良く特定することに限界がある。
特許文献2では、継目部の特定精度を高めるためには、鋳片の鋼成分条件、鋳造幅、鋳片温度などによって判定値を多数設ける必要があり、煩雑であって判定が難しく、更に、鋳造条件の変化、例えば鋳片引き抜き速度の変化などの影響で、誤検出が懸念される。
特許文献3では、レーザ距離計の精度を確保するために、レーザ距離計を鋳片に或る程度接近させる必要があり、レーザ距離計への防熱対策が必須である上に、鋳片表面形状が大幅に変化した場合にのみ検出可能、つまり、上記の‘仕切り金物’が独特の形状である場合にのみ適用可能で、通常の継目部は検出できない可能性が極めて高い。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋼を連続鋳造する際に、タンディッシュ交換或いは異鋼種連々鋳などのために、連続鋳造の途中で鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、その後、鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを再開したときに形成される段注ぎ状の継目部を、精度良く確実に検出する方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る連続鋳造における鋳片継目部の検出方法は、鋼を連続鋳造する際に、連続鋳造の途中で鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、その後、鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを再開したときに形成される段注ぎ状の継目部を検出するための鋳片継目部の検出方法であって、連続鋳造中の鋳片表面の熱画像を撮影し、該熱画像における表面温度プロファイルに基づいて前記継目部を検出することを特徴とするものである。
第2の発明に係る連続鋳造における鋳片継目部の検出方法は、第1の発明において、前記熱画像において、表面温度が通常鋳造域に比較して25%以上低く且つ鋳片幅方向の全幅にわたる帯状域を検知したときに、該帯状域を前記継目部として検出することを特徴とするものである。
連続鋳造中の鋳片における継目部は通常鋳造域に比較して基本的に表面温度が低く、本発明によれば、連続鋳造中の鋳片表面の熱画像を撮影し、この熱画像での表面温度プロファイルに基づいて継目部を検出するので、つまり、鋳片幅方向の表面温度分布に基づいて継目部を検出するので、表面温度の測定範囲が鋳片幅方向に拡張され、その結果、正確に且つ確実に継目部を検出することができ、鋳片歩留りの向上などの工業上有益な効果がもたらされる。
本発明を適用した垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機の側面概要図である。 撮影された鋳片表面の熱画像を変換して鋳片の温度プロファイルとして表示した例を示す図である。 撮影された鋳片表面の熱画像を変換して鋳片の温度プロファイルとして表示した例を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、タンディッシュの交換、異鋼種連々鋳、或いは浸漬ノズルの交換などの目的のために、連続鋳造の途中で、溶鋼の鋳型への注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、数秒間ないし数分間停止した後、鋳型内への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを再開した場合に鋳片に形成される、段注ぎ状の継目部は、通常鋳造域に比較して温度が低く、しかも、この温度低域部が鋳片幅方向に伸びていることに着目し、鋳片表面の熱画像を撮影して鋳片表面温度プロファイルを監視することによって、この継目部を容易に検出可能であるとの知見に基づきなされたものである。即ち、本発明は、連続鋳造中の鋳片表面の熱画像を撮影し、該熱画像における表面温度プロファイルに基づいて前記継目部を検出することを特徴とする。
継目部であるか否かを判定する基準としては、「熱画像における鋳片表面温度が通常鋳造域に比較して25%以上低く且つこの低温域が鋳片幅の全幅にわたって帯状に形成されている部位を継目部と判定する」ことで、継目部を見逃さずに100%の確立で検出することができる。何らかの影響で鋳片全幅の熱画像を撮影できないような場合には、その画像に映っている鋳片の幅全体にわたる低温域が検出された部位を継目部と判定してもよい。尚、本発明における「通常鋳造域」とは、「継目部の範囲を除く鋳片」のことであるが、鋳片の引き抜き停止時に、鋳型内に滞在した鋳片部位も表面温度が低くなることから、継目部との温度差が小さく、検出誤認の恐れがあるので、「継目部から1m以上、好ましくは2m以上離れた鋳片部位」を「通常鋳造域」と定義する。
継目部は屑化処理されるので、通常、連続鋳造中の鋳片は、継目部から上流側に所定間隔だけ隔てた位置で切断される。そして、同一鋼種の連々鋳の場合もまた異鋼種連々鋳の場合も、継目部を含む鋳片が先行チャージ、継目部よりも上流側の鋳片が後続チャージとなる。継目部を含む鋳片は更にオフラインで継目部の下流側の所定位置で切断され、継目部を含む鋳片が屑化され、切断された他方の鋳片は鋳片の長さに応じて、製品となったり或いは屑化されたりする。尚、当然のことではあるが、継目部から下流側に所定間隔だけ隔てた位置で鋳片を切断しても、本発明を適用する上で何ら問題はないが、鋳片におけるチャージの区分が明確であり、その後の鋳片の運用が円滑であることから、継目部の上流側で切断することが好ましい。
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を適用した垂直曲げ型のスラブ連続鋳造機の側面概要図である。
図1に示すように、スラブ連続鋳造機1には、溶鋼11を冷却するための鋳型5が設置され、この鋳型5の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼11を鋳型5に中継供給するためのタンディッシュ2が設置されている。タンディッシュ2の底部には、流量調節用のスライディングノズル3が配置され、スライディングノズル3の下面側には、浸漬ノズル4が配置され、スライディングノズル3及び浸漬ノズル4を介してタンディッシュ2に収容された溶鋼11が鋳型5へ注入されるようになっている。
一方、鋳型5の下方には、サポートロール6、ガイドロール7及びピンチロール8からなる複数対の鋳片支持ロールが配置されている。このうち、ピンチロール8は、鋳片12を支持すると同時に鋳片12を引き抜くための駆動ロールである。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロールの間隙には、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が配置された二次冷却帯が構成され、二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によって鋳片12は引き抜かれながら冷却されるようになっている。鋳片支持ロールの下流側には、鋳造された鋳片12を搬送するための複数の搬送ロール9が設置されており、この搬送ロール9の上方には、鋳造される鋳片12から所定の長さの鋳片12aを切断するためのガス切断機10が配置されている。ガス切断機10は、切断制御装置22と接続されており、切断制御装置22から入力される信号に基づいて鋳片12の切断操作を実施する。
また、引き抜き方向最下流の鋳片支持ロールとガス切断機10との間には、引き抜かれる鋳片12の下面に接触して回転するメジャーロール15が設置されている。このメジャーロール15の軸にはパルスジェネレーター(図示せず)が取り付けられており、このパルスジェネレーターからの信号がトラッキング装置16に入力され、トラッキング装置16は、パルスジェネレーターからの信号と、予め入力されたメジャーロール15の直径或いは周長とから、鋳造された鋳片12の鋳造長を計測し、鋳片12の各位置をトラッキングしている。トラッキング装置16は、計測した鋳造長及び鋳片各位置のトラッキングの情報を切断制御装置22に送信し、切断制御装置22はトラッキング装置16から入力された情報に基づき、所定の長さの鋳片12aを得るべく切断位置を設定し、設定した信号をガス切断機10に送信している。
また更に、引き抜き方向最下流の鋳片支持ロールと上記メジャーロール15との間には、ガス噴射ノズル19及び熱画像撮影装置17が、ガス噴射ノズル19を鋳造方向の上流側として、鋳片12の上面と向かい合って設置されている。
ガス噴射ノズル19は、送風機20と連結され、送風機20から供給される空気がガス噴射ノズル19を介して鋳片12の全幅に噴射されるようになっている。ガス噴射ノズル19は、熱画像撮影装置17による鋳片表面の熱画像撮影の際に撮影の妨げとなる蒸気を吹き飛ばすための装置である。
熱画像撮影装置17は鋳片12の全幅の熱画像を撮影可能であり、そして、熱画像撮影装置17は画像処理装置18と接続されており、熱画像撮影装置17によって撮影された、連続鋳造中の鋳片表面の熱画像は画像処理装置18に入力され、入力された熱画像は画像処理装置18においてデジタルデータに変換され、鋳片12の温度プロファイルとして把握できるようになっている。この画像処理装置18は、鋳片12の温度プロファイルに基づいて鋳片12の継目部を検出する機能をも備えている。鋳片12の継目部の判定方法は、前述した方法で行われる。
画像処理装置18において鋳片12の継目部が検出された場合には、画像処理装置18による鋳片12の継目部の検出データがトラッキング装置16に送信され、この継目部検出データが入力されたトラッキング装置16は、メジャーロール15からの信号により求めた鋳造長及びそれに基づく鋳片トラキングの情報を、入力された継目部位置の情報に基づいて修正し、修正した内容に基づいて鋳片各位置のトラッキングを継続する。
この場合、熱画像撮影装置17及び送風機20は、連続鋳造中に連続して運転させても構わないが、鋳片の継目部のみを検出する装置であるので、省エネルギーの観点から、継目部が撮影範囲に入る数分前から運転させ、継目部が撮影範囲を通り過ぎた以降は停止させることが好ましい。このために、熱画像撮影装置17及び送風機20は、プロセスコンピューター21と接続され、プロセスコンピューター21からの信号によって起動・停止が制御されるように構成されている。プロセスコンピューター21は、トラッキング装置16と接続されており、トラッキング装置16から入力される鋳片のトラッキング情報に基づいて、熱画像撮影装置17及び送風機20に起動及び停止の信号を送信する。
尚、本実施形態例では、鋳片12の上面の熱画像を撮影しているが、鋳片12の下面を撮影するようにしても、また上下面双方を撮影するようにしても構わない。この熱画像撮影装置17としては、市販のサーモグラフィー装置でも十分に適用可能であるが、赤熱状態にある鋳片12の表面を撮像するので、鋳片12の輻射熱によってサーモグラフィー装置が損傷を受けないようにするために、遮熱板を設けたり、冷却ボックス内に設置したりするなどの輻射熱対策を講じることが好ましい。
この構成のスラブ連続鋳造機1において、取鍋(図示せず)からタンディッシュ2に溶鋼11を注入してタンディッシュ2に所定量の溶鋼11を滞留させ、次いで、タンディッシュ2に滞留した溶鋼11を、浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入する。鋳型5に注入された溶鋼11は、鋳型5で冷却されて凝固シェル13を形成し、内部に未凝固相14を有する鋳片12として、鋳型5の下方に設けた鋳片支持ロールに支持されつつ、ピンチロール8の駆動力により鋳型5の下方に連続的に引き抜かれる。鋳片12は、鋳片支持ロールを通過する間、二次冷却帯の二次冷却水で冷却され、凝固シェル13の厚みを増大し、内部までの凝固を完了する。そして、鋳片12はメジャーロール15及びトラッキング装置16によって鋳造長が計測され、トラッキング装置16から信号を受けた切断制御装置22は、所定の長さの鋳片12aを得るべく切断位置を設定し、設定した信号をガス切断に出力する。これにより、凝固完了した鋳片12は、ガス切断機10によって切断されて鋳片12aとなる。
この鋳造中、同一鋼種の連々鋳でのタンディッシュ交換、或いは、異鋼種連々鋳でのタンディッシュ交換、若しくは、タンディッシュ交換を伴わないものの鋳片12の一旦引き抜き停止を伴う異鋼種連々鋳、更には、鋳造中の浸漬ノズル4の交換などにより、鋳型5への溶鋼11の注入を中断すると同時に、鋳造中の鋳片12の引き抜きを一旦停止し、数秒ないし数分間停止した後、新しいタンディッシュ2が設置されるなどにより、溶鋼11が鋳型5へ注入され、それに伴って鋳片12の引き抜きが再開されると、停止した時点での鋳型内湯面位置に相当する鋳片部位に、段注ぎ状の継目部(図示せず)が形成される。この継目部は鋳片12の引き抜きに伴って鋳造方向下流側に移動する。
鋳片12に継目部が形成された場合、ピンチロール8の停止を検出したプロセスコンピューター21からの信号、或いは、操作員の手動入力による信号によって、トラッキング装置16は、継目部の位置を把握する。具体的には、スラブ連続鋳造機1の設備仕様に基づいてトラッキング装置16から継目部までの鋳片長さを把握する。そして、トラッキング装置16は、継目部が鋳片支持ロールの設置された範囲を抜け出し、熱画像撮影装置17の設置位置まで引き抜かれるまでは、メジャーロール15により計測される鋳片長に基づいて鋳片12のトラッキングを実施し、切断制御装置22にその情報を送信する。或る時点におけるトラッキング装置16から継目部までの距離は、スラブ連続鋳造機1の設備仕様に基づいて求めた継目部までの距離から、引き抜き再開後からその時点までの鋳造長を差し引くことにより、求めることができる。
継目部が熱画像撮影装置17の撮影範囲内に到達すると、継目部は、熱画像撮影装置17で撮影される熱画像から画像処理装置18によって検出される。この継目部が熱画像撮影装置17の直下位置に到達した時点で、画像処理装置18は、継目部の位置が熱画像撮影装置17の直下位置であることをトラッキング装置16に送信する。この信号を入力したトラッキング装置16は、メジャーロール15により計測される鋳片長に基づく継目部の位置と対比し、両者に差が存在する場合には、画像処理装置18から入力された継目部の位置を「正」として、トラッキング装置16に記憶されるトラッキング情報を修正する。そして、修正したトラッキング情報を切断制御装置22に送信する。切断制御装置22は、修正されたトラッキング情報に基づいてガス切断機10に切断指令を発信する。これにより、継目部から鋳造方向に所定位置離れた位置で、鋳片12は切断される。
その際に、鋳片12の継目部が熱画像撮影装置17に到達する数分前に、具体的には継目部が最終の鋳片支持ロール付近を通過する時点に、プロセスコンピューター21から画像処理装置18及び送風機20に「起動」の信号が送信されて、この信号に基づいて、熱画像撮影装置17は撮影を開始し、送風機20は起動する。そして、鋳片のトラッキング情報に継目部位置の修正がなされたなら、トラッキング装置16からその信号を受けたプロセスコンピューター21は、画像処理装置18及び送風機20に撮影停止及び運転停止の信号を発信する。この信号により、熱画像撮影装置17は撮影を終了し、送風機20は運転を停止する。
このように、本発明によれば、連続鋳造中の鋳片表面の熱画像を撮影し、この熱画像での表面温度プロファイルに基づいて鋳片12の継目部を検出するので、正確に且つ確実に継目部を検出することができ、鋳片歩留りの向上が実現される。特許文献1では、鋳片表面温度を「点」で測定しており、継目部の検出誤認が発生するが、本発明では鋳片表面温度を「線」または「面」で測定するので、正確に継目部を検出することができる。また、通常の段注ぎ状の継目部は目視でも検出困難な場合があり、特許文献3では、鋳片12の外形から継目部を検出しており、継目部の検出誤認の恐れが高いが、本発明では鋳片の表面温度の差から判定するので、正確に且つ確実に継目部を検出することができる。
図1に示すスラブ連続鋳造機を用いて、極低炭素鋼、低炭素鋼及び中炭素鋼を、タンディッシュ交換を実施しつつ連々鋳する際に、本発明を適用して継目部の鋳片をトラッキングし、その情報に基づいて連続鋳造中の鋳片を切断した(本発明例)。目標とする切断位置は、継目部から鋳造方向上流側に300mm離れた位置である。
図2及び図3に、熱画像撮影装置によって撮影された鋳片表面の熱画像を画像処理装置によりデジタルデータに変換し、鋳片の温度プロファイルとして表示した例を示す。図2が継目部よりも鋳造方向下流に2m離れた通常鋳造域での鋳片幅方向温度分布の例であり、図3が継目部の鋳片幅方向温度分布の例である。図3に示すように、継目部の鋳片表面温度は最高値でも510℃程度であり、一方、図2に示すように、通常鋳造域の表面温度が700〜730℃であることから、両者の差は190〜220℃であり、継目部は通常鋳造域にたいして26%以上低温であり、容易に継目部を検出することができた。尚、図2及び図3は、鋳片幅が1350mmのスラブ鋳片の例である。
また、比較のために、メジャーロールにより計測される鋳片長のみに基づいて鋳片のトラッキングを実施し、それに基づいて継目部を切断する試験も実施した(比較例)。目標とする切断位置は、本発明例と同一であり、継目部から鋳造方向上流側に300mm離れた位置である。
そして、切断後、継目部を含む鋳片を常温まで冷却して継目部位置を確認し、継目部から定まる切断設定位置(継目部から鋳造方向上流側に300mm離れた位置)と実際の切断位置とを比較した。鋳片のトラッキングが正確な場合には、切断設定位置と実際の切断位置との差は小さく、鋳片のトラッキングが不正確になるほど、この差が大きくなる。表1に、本発明例及び比較例の結果を比較して示す。
Figure 0005428494
表1からも明らかなように、本発明例では切断設定位置の近傍で切断が行われ、切断設定位置と実際の切断位置との差は最大で20mmであった。また、この差の絶対値の20回の平均値を求めると10.5mmであった。これに対して、比較例では最大で94mmの差が生じ、この差の絶対値の20回の平均値は53.1mmであった。このように、本発明を適用することにより、継目部の切断精度が大幅に向上することが確認できた。
1 スラブ連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 サポートロール
7 ガイドロール
8 ピンチロール
9 搬送ロール
10 ガス切断機
11 溶鋼
12 鋳片
12a 鋳片
13 凝固シェル
14 未凝固相
15 メジャーロール
16 トラッキング装置
17 熱画像撮影装置
18 画像処理装置
19 ガス噴射ノズル
20 送風機
21 プロセスコンピューター
22 切断制御装置

Claims (2)

  1. 鋼を連続鋳造する際に、連続鋳造の途中で鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを一旦停止し、その後、鋳型への溶鋼の注入及び鋳片の引き抜きを再開したときに形成される段注ぎ状の継目部を検出するための鋳片継目部の検出方法であって、
    前記鋳片の上面と向かい合って設置されたガス噴射ノズルを介して送風機から供給される空気を前記鋳片に噴射し、鋳片表面の熱画像を撮影する際の妨げとなる蒸気を吹き飛ばしながら連続鋳造中の鋳片表面の熱画像を撮影し、該熱画像における表面温度プロファイルに基づいて前記継目部を検出するにあたり、前記送風機の起動及び停止を前記鋳片のトラッキング情報から得られる前記継目部の位置に基づいて制御することを特徴とする、連続鋳造における鋳片継目部の検出方法。
  2. 前記熱画像において、表面温度が通常鋳造域に比較して25%以上低く且つ鋳片幅方向の全幅にわたる帯状域を検知したときに、該帯状域を前記継目部として検出することを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造における鋳片継目部の検出方法。
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