たとえば、上記に示した野球ゲームの選手育成モードにおいて、プレイヤが選手キャラクタに各種の命令を与えるためには、プレイヤが、方向指示釦を操作して、命令が割り当てられた命令アイコンを選択しなければならない。このため、プレイヤが方向指示釦を操作する間は、リアルタイムに進行するゲームは一時的に中断される。このとき、ゲーム進行を中断する中断時間が長くなればなるほど、プレイヤがゲームのリアルタイム感を味わえなくなるおそれがある。また、選手キャラクタに命令を与える回数が多くなればなるほど、ゲーム進行の中断回数が多くなる。選手育成モードでは、大抵の場合、プレイヤが選手キャラクタに複数回の指示を与えることになるので、リアルタイムに進行するゲームの流れが断続的になってしまい、プレイヤがゲームのリアルタイム感を味わえなくなるおそれが顕著になる。
このような問題を解決するためには、入力操作を短時間で行うことのできる入力方法を採用することが考えられる。入力操作を短時間で実行可能にするための1つの方法としては、モニタにタッチパネル式のモニタを採用することにより、入力釦の代わりにタッチペンや指等の指示手段で、プレイヤが選手キャラクタに命令指示を与えることができるようにするという方法が考えられる。この場合、たとえば上記の選手育成モードにおいて、プレイヤは、命令アイコンが表示されたタッチパネル式のモニタに、指示手段を直接的に接触させることで、命令アイコンを選択することができる。つまり、プレイヤは、指示手段により即時的に命令アイコンを選択することができる。このため、ゲーム進行の中断時間が短くなり、ゲーム進行の中断回数が多くなっても、ゲームのリアルタイム感を損なわずにゲームを楽しむことができる。しかしながら、指示手段を用いた入力方法では、プレイヤが指示手段により命令アイコンを選択するときに、指示手段によって命令アイコンの少なくとも一部が隠れてしまい、プレイヤが命令アイコンを認識しにくくなるおそれがある。特に、指示手段たとえば指等のモニタへの接触面積が大きなもので命令アイコンを選択したり、モニタに小さく表示された命令アイコンを指示手段たとえばタッチペンや指等で選択したりするような場合は、プレイヤは、指示手段により命令アイコンが見えなくなってしまい、命令アイコンが認識できなくなる。
本発明の目的は、指示対象体が指示手段により指示されるときに、指示対象体の認識をしやすくなるようにすることにある。
請求項1に係るゲームプログラムは、少なくとも1つのモニタのうちの接触入力式のモニタに、指示手段により指示可能な指示対象体が表示されるゲームを実現可能なコンピュータに、以下の機能を実現させるためのプログラムである。
(1)指示対象体を接触入力式のモニタに表示する第1対象体表示機能。
(2)接触入力式のモニタに表示された指示対象体に指示手段を接触させたときに、指示対象体を選択対象体として選択する対象体選択機能。
(3)選択対象体を表現する対象表現体を、選択対象体とは異なる位置で少なくとも1つのモニタに表示する第2対象体表示機能。
(4)対象表現体が少なくとも1つのモニタに表示された状態で、入力手段の操作又は接触入力式のモニタに対する指示手段の操作によって選択対象体を確定する対象体確定機能。
このプログラムによって実現されるゲームでは、第1対象体表示機能において、指示対象体が接触入力式のモニタに表示される。対象体選択機能においては、接触入力式のモニタに表示された指示対象体に指示手段を接触させたときに、指示対象体が選択対象体として選択される。第2対象体表示機能においては、選択対象体を表現する対象表現体が、選択対象体とは異なる位置で少なくとも1つのモニタに表示される。対象体確定機能においては、対象表現体が少なくとも1つのモニタに表示された状態で、入力手段の操作又は接触入力式のモニタに対する指示手段の操作によって選択対象体が確定される。
このゲームプログラムでは、指示手段により選択された指示対象体(選択対象体)を表現する対象表現体が、選択対象体とは異なる位置で少なくとも1つのモニタに表示されるようになっている。これにより、プレイヤが、指示手段により指示対象体を選択したときに、選択された指示対象体(選択対象体)の少なくとも一部が指示手段で隠れてしまっても、プレイヤは、選択対象体とは異なる位置でモニタに表示された対象表現体によって、選択対象体を認識することができる。すなわち、指示対象体が指示手段により指示されたときに、プレイヤは指示対象体を対象表現体により確実に認識することができる。
請求項2に係るゲームプログラムは、請求項1のゲームプログラムにおいて、コンピュータに、以下の機能をさらに実現させるためのプログラムである。
(5)指示対象体に命令を割り当てる命令割当機能。
(6)対象体確定機能により選択対象体が確定されたときに、命令割当機能により指示対象体に割り当てられた命令を実行する命令実行機能。
このプログラムによって実現されるゲームでは、命令割当機能において、指示対象体に命令が割り当てられる。命令実行機能においては、対象体確定機能により選択対象体が確定されたときに、命令割当機能により指示対象体に割り当てられた命令が実行される。
このゲームプログラムでは、選択対象体を確定することで、指示対象体に割り当てられた命令が実行されるので、プレイヤは命令を容易かつ即時に指示することができる。
請求項3に係るゲームプログラムでは、請求項1又は2のゲームプログラムにおいて、第2対象体表示機能が、対象表現体の表示位置を設定可能な表現体表示位置設定機能を含んでいる。
ここでは、対象表現体の表示位置を設定可能になっているので、プレイヤは、対象表現体を、所望の位置で少なくとも1つのモニタに表示することができる。これにより、指示対象体がどのようなレイアウトでモニタに表示されても、プレイヤは、レイアウトに応じて、対象表現体を認識しやすい位置に表示させることができる。
請求項4に係るゲームプログラムでは、請求項1から3のいずれかのゲームプログラムにおいて、前記対象体確定機能が、指示手段のモニタ接触位置がモニタ上で移動したか否かを判断する移動判断機能を含んでいる。この対象体確定機能では、移動判断機能によりモニタ接触位置がモニタ上で移動したと判断された場合に、選択対象体が確定される。
ここでは、指示対象体のモニタ表示領域に指示手段を接触させモニタ上で移動させたときに、指示手段のモニタ接触位置がモニタ上で移動したものと判断され、選択対象体が確定される。言い換えると、プレイヤが指示手段をモニタに誤接触させてしまっても、指示手段をモニタ上で移動させない限り、選択対象体は確定されない。このようにしておけば、接触入力式のモニタで生じやすい誤接触という問題に対処することができる。
請求項5に係るゲームプログラムでは、請求項1から3のいずれかのゲームプログラムにおいて、対象体確定機能が、指示手段のモニタ接触位置がモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動したか否かを判断する移動方向判断機能を含んでいる。この対象体確定機能では、移動方向判断機能によりモニタ接触位置がモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動したと判断された場合に、前記選択対象体が確定される。
ここでは、指示対象体のモニタ表示領域に指示手段を接触させ、指示手段をモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動させたときに、指示手段のモニタ接触位置がモニタ上で移動したものと判断され、選択対象体が確定される。言い換えると、プレイヤが指示手段をモニタ上に誤接触させてしまっても、指示手段をモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動させない限り、選択対象体は確定されない。このようにしておけば、接触入力式のモニタで生じやすい誤接触という問題に対処することができる。また、指示手段をモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動させたときに、選択対象体が確定されるようにしておけば、指示手段をモニタ上で移動させても、対象表現体が見にくくならない。すなわち、指示対象体が指示手段により指示されたときに、プレイヤは指示対象体を対象表現体により確実に認識することができる。
請求項6に係るゲームプログラムでは、請求項1から5のいずれかのゲームプログラムにおいて、対象体確定機能は、複数の釦を含む入力手段の所定の釦が操作されたか否かを判断する釦操作判断機能を含んでいる。この対象体確定機能では、釦操作判断機能により入力手段の所定の釦が操作されたと判断された場合に、選択対象体が確定される。
ここでは、入力手段の所定の釦が操作されたときに、選択対象体が確定される。言い換えると、プレイヤが指示手段をモニタに誤接触させてしまっても、入力手段の所定の釦が操作されない限り、選択対象体は確定されない。このようにしておけば、接触入力式のモニタで生じやすい誤接触という問題に対処することができる。
請求項7に係るゲームプログラムでは、請求項1から6のいずれかのゲームプログラムにおいて、第2対象体表示機能が、対象表現体の透明度を変更可能な機能を含んでいる。
ここでは、第2対象体表示機能が、対象表現体の透明度を変更可能な機能を含んでいるので、プレイヤは、対象表現体の透明度を上げることで、選択対象体とは異なる位置に表示された対象表現体により隠された部分を認識することができる。
請求項8に係るゲームプログラムは、請求項1から7のいずれかのゲームプログラムにおいて、少なくとも1つのモニタが、複数のモニタからなっている。これら複数のモニタの少なくとも1つは、上記の接触入力式のモニタである。このとき、第2対象体表示機能では、対象表現体が、接触入力式のモニタに表示される。このように対象表現体を表示するようにしても、上記に示した効果と同様の効果を得ることができる。
請求項9に係るゲームプログラムは、請求項1から7のいずれかのゲームプログラムにおいて、少なくとも1つのモニタが、複数のモニタからなっている。これら複数のモニタの少なくとも1つは上記の接触入力式のモニタであり、複数のモニタの少なくとも1つは非接触入力式のモニタである。このとき、第2対象体表示機能では、対象表現体が、非接触入力式のモニタに表示される。このように対象表現体を表示するようにしても、上記に示した効果と同様の効果を得ることができる。
請求項10に係るゲーム装置は、少なくとも1つのモニタのうちの接触入力式のモニタに、指示手段により指示可能な指示対象体が表示されるゲームを実現可能になっている。このゲーム装置は、第1対象体表示手段と、対象体選択手段と、第2対象体表示手段と、対象体確定手段とを備えている。第1対象体表示手段においては、指示対象体が接触入力式のモニタに表示される。対象体選択手段においては、接触入力式のモニタに表示された指示対象体に指示手段を接触させたときに、指示対象体が選択対象体として選択される。第2対象体表示手段においては、選択対象体を表現する対象表現体が、選択対象体とは異なる位置で少なくとも1つのモニタに表示される。対象体確定手段においては、対象表現体が少なくとも1つのモニタに表示された状態で、選択対象体が確定される。
請求項11に係るゲーム方法は、少なくとも1つのモニタのうちの接触入力式のモニタに、指示手段により指示可能な指示対象体が表示されるゲームを実現可能になっている。このゲーム方法は、第1対象体表示ステップと、対象体選択ステップと、第2対象体表示ステップと、対象体確定ステップとを備えている。第1対象体表示ステップにおいては、指示対象体が接触入力式のモニタに表示される。対象体選択ステップにおいては、接触入力式のモニタに表示された指示対象体に指示手段を接触させたときに、指示対象体が選択対象体として選択される。第2対象体表示ステップにおいては、選択対象体を表現する対象表現体が、選択対象体とは異なる位置で少なくとも1つのモニタに表示される。対象体確定ステップにおいては、対象表現体が少なくとも1つのモニタに表示された状態で、選択対象体が確定される。
本発明では、指示手段により選択された指示対象体(選択対象体)を表現する対象表現体が、選択対象体とは異なる位置で少なくとも1つのモニタに表示されるようになっている。これにより、プレイヤが、指示手段により指示対象体を選択したときに、選択された指示対象体(選択対象体)の少なくとも一部が指示手段で隠れてしまっても、プレイヤは、選択対象体とは異なる位置でモニタに表示された対象表現体によって、選択対象体を認識することができる。すなわち、指示対象体が指示手段により指示されたときに、プレイヤは指示対象体を対象表現体により確実に認識することができる。
〔ゲーム装置の構成〕
図1は、本発明に係るゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1の外観図である。また、図2は、携帯ゲーム機1の一例としての制御ブロック図である。
携帯ゲーム機1は、図1に示すように、主に、本体2と、液晶モニタ部3と、入力部4と、カートリッジ装着部5と、通信部23(図2参照)とを有している。本体2は、上部筐体2aと下部筐体2bとを有している。上部筐体2aと下部筐体2bとは、互いに開閉自在に連結されている。液晶モニタ部3は、上部筐体2aに設けられた第1液晶モニタすなわち上部液晶モニタ3aと、下部筐体2bに設けられた第2液晶モニタすなわち下部液晶モニタ3bとからなっている。ここでは、たとえば、上部液晶モニタ3aが非接触入力式のモニタすなわち非タッチパネル式のモニタになっており、下部液晶モニタ3bが接触入力式のモニタすなわちタッチパネル式のモニタになっている。非タッチパネル式のモニタは液晶パネルからなっており、タッチパネル式のモニタは液晶パネルとタッチパネルとからなっている。タッチパネル式のモニタでは、液晶パネルの表示面とタッチパネルのデータ入力面とは、積層一体型に構成されている。入力部4は、下部筐体2bの左側中央部に配置された十字状の方向指示釦4aと、下部筐体2bの左側上部に左右に配置されたセレクト釦4bおよびスタート釦4cと、下部筐体2bの右側中央部に配置された指示釦4dと、下部筐体2bの右側上部に配置された電源釦4eと、下部筐体2bの左右の隅角部に配置されたL釦4fおよびR釦4gとからなっている。カートリッジ装着部5は下部筐体2bの下部に設けられている。このカートリッジ装着部5には、たとえばゲーム用カートリッジが装着可能になっている。通信部23は、本体2たとえば上部筐体2aに内蔵されている。この通信部23においては、たとえば、ローカルワイヤレスネットーワーク機能や、ワイヤレスLANによるインターネット接続機能等が提供される。なお、ゲーム機1には、音量調整用釦やイヤホンジャック等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
携帯ゲーム機1は、図2に示すように、制御装置10を内部に有している。制御装置10は、マイクロプロセッサを利用したCPU(Central Processing Unit)11と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、画像処理回路14と、サウンド処理回路15と、通信制御回路20とが、バス16を介してそれぞれ接続されている。
CPU11は、ゲームプログラムからの命令を解釈し、各種のデータ処理や制御を行う。ROM12は、ゲーム機1の基本的な制御(たとえば起動制御)に必要なプログラム等を格納する。RAM13は、CPU11に対する作業領域を確保する。画像処理回路14は、CPU11からの描画指示に応じて液晶モニタ部3を制御して、上部液晶モニタ3aおよび下部液晶モニタ3bの少なくともいずれか一方に所定の画像を表示する。また、画像処理回路14にはタッチ入力検出回路14aが含まれている。タッチパネルに指示手段たとえばタッチペンや指等を直接的に接触させたときに、接触位置の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、接触位置がCPU11に認識される。また、液晶パネルに表示された対象物の位置において、タッチパネルに指示手段を直接的に接触させると、対象物の座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11へと供給され、対象物がCPUに認識される。サウンド処理回路15は、CPU11からの発音指示に応じたアナログ音声信号を生成してスピーカ22に出力する。通信制御回路20は、通信部23に含まれており、ゲーム機1を他のゲーム機等にワイヤレスで接続するために用いられる。通信制御回路20は、バス16を介してCPU11に接続されている。通信制御回路20は、CPU11からの命令に応じて、ゲーム機1をローカルワイヤレスネットーワーク又はワイヤレスLANによるインターネットに接続するための接続信号を制御し発信する。
バス16には、制御装置10とは別体の外部記憶装置17が接続される。たとえば、外部記憶装置17には本体2たとえば下部筐体2bに着脱自在に装着されるゲーム用カートリッジ等がある。外部記憶装置17の内部には、記憶媒体としてのROM18と、書き換え可能なユーザ用メモリとしてのメモリ19が設けられる。ROM18には、コンピュータとしてのゲーム機1を機能させるためのゲームプログラムと、ゲームプログラムの実行に必要な各種データとが予め記録されている。この各種データには、各種キャラクタ画像データたとえば各種パネル画像データや属性画像データ等が含まれている。メモリ19には、たとえばフラッシュメモリのような書き換え可能なメモリが使用される。このメモリ19には、たとえば、ゲームのセーブデータ等が必要に応じて記録される。なお、外部記憶装置17の記憶媒体には、半導体記憶素子に限らず、磁気記憶媒体、光学式記憶媒体、光磁気記憶媒体等の各種の記憶媒体を使用してもよい。なお、バス16と各要素との間には必要に応じてインターフェース回路が介在しているが、ここではそれらの図示は省略した。
以上のような構成のゲーム機1では、外部記憶装置17のROM18に記録されたゲームプログラムがロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU11で実行されることにより、プレイヤは様々なジャンルのゲームを液晶モニタ部3上で遊戯することができる。また、通信制御回路20を介して、ワイヤレスネットワークにゲーム機1を接続したり、他のゲーム機と通信ケーブル等を介して接続したりすることで、他のゲーム機との間でデータのやり取りや対戦型のゲームを行うことができる。
〔ゲーム装置における各種処理概要〕
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。この野球ゲームでは、少なくとも1つのモニタのうちのタッチパネル式のモニタ3bに、指示手段により指示可能な指示対象体たとえば複数の命令アイコン60および複数のデータ関連アイコン61が表示される(図4参照)。なお、本実施形態では、少なくとも1つのモニタは2つのモニタからなっている。そして、2つのモニタの1つはタッチパネル式のモニタ3bであり、2つのモニタのもう1つは非タッチパネル式のモニタ3aである。
図3は、指示対象体を指示手段により指示するときの指示システムにおいて、本発明で主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
第1対象体表示手段50は、指示対象体をタッチパネル式のモニタ3bに表示する機能によって実現される手段である。
第1対象体表示手段50では、指示対象体がタッチパネル式のモニタ3bに表示される。たとえば、第1対象体表示手段50では、指示対象体の態様を示す画像データが、外部記憶装置17からRAM13に読み込まれる。すると、この画像データが、CPU11によりRAM13からタッチパネル式のモニタ3bの液晶パネルへと供給される。そして、この画像データが、指示対象体の表示位置を規定するための位置座標データに基づいて、タッチパネル式のモニタ3bの液晶モニタに表示される。このとき、指示対象体が表示された領域すなわち指示対象体の表示領域の内部の座標データが、CPU11に認識される。
対象体選択手段51は、タッチパネル式のモニタ3bに表示された指示対象体に指示手段を接触させたときに、指示対象体を選択対象体として選択する機能によって実現される手段である。
対象体選択手段51では、タッチパネル式のモニタ3bに表示された指示対象体に指示手段を接触させたときに、指示対象体が選択対象体として選択される。たとえば、対象体選択手段51では、指示対象体の表示領域において、タッチパネル式のモニタ3bたとえばタッチパネルに指示手段たとえばタッチペンや指等を接触させたときに、指示対象体の表示領域における指示手段のモニタ接触位置座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11に供給され認識される。そして、CPU11に認識されたモニタ接触位置座標データに基づいて、指示対象体が選択対象体として選択される。
第2対象体表示手段52は、選択対象体を表現する対象表現体を、選択対象体とは異なる位置で少なくとも1つのモニタに表示する機能によって実現される手段である。第2対象体表示手段52は、表現体表示位置設定手段53を含んでいる。この表現体表示位置設定手段53は、対象表現体の表示位置を設定可能な機能により実現される手段である。
第2対象体表示手段52に含まれる表現体表示位置設定手段53では、対象表現体の表示位置が、設定可能になっている。たとえば、入力部の所定の釦が操作されたときに、釦入力信号が入力部からCPU11に供給され認識される。すると、対象表現体の表示位置が、釦入力信号に応じてCPU11により設定される。具体的には、入力部の所定の釦たとえばR釦4gが押された状態で方向指示釦4aが押されると、方向指示釦4aが押された方向に、対象表現体の表示位置を設定することができる。つまり、対象表現体の表示位置を、指示対象体の上下左右の位置に任意に設定することができる。ここでは、対象表現体の表示位置が、方向指示釦4aの四方端のいずれか1つが押されたときの入力信号に対応づけられており、この対応関係が設定データとしてRAM13に格納されている。また、方向指示釦4aが押されなかったときに対象表現体の表示位置を規定するための設定データが、デフォルト設定データとして、RAM13に格納されている。デフォルト設定データに基づくと、対象表現体の表示位置は、たとえば指示対象体の上方位置になる。
第2対象体表示手段52では、選択対象体を表現する対象表現体が、選択対象体とは異なる位置で少なくとも1つのモニタに表示される。たとえば、第2対象体表示手段52では、選択対象体(選択された指示対象体)を表現する対象表現体データが、外部記憶装置17からRAM13に読み込まれる。そして、表現体表示位置設定手段53において対象表現体の表示位置が設定された場合、対象表現体データは、RAM13に格納された設定データに基づいて、RAM13からモニタへと供給され、タッチパネル式のモニタ3bに表示される。一方で、表現体表示位置設定手段53において対象表現体の表示位置が設定されなかった場合、対象表現体データは、RAM13に格納されたデフォルト設定データに基づいて、RAM13からモニタへと供給され、タッチパネル式のモニタ3bに表示される。なお、対象表現体データには、対象表現体の態様を示す画像データが含まれており、この画像データが、RAM13からタッチパネル式のモニタ3bの液晶パネルへと供給され、タッチパネル式のモニタ3bの液晶モニタに表示される。
また、第2対象体表示手段52は、対象表現体の透明度を変更可能な透明度変更手段54を含んでいる。透明度変更手段54は、対象表現体の透明度を変更可能な機能によって実現される手段である。
透明度変更手段54では、対象表現体の透明度が変更可能になっている。たとえば、透明度変更手段54では、対象表現体データが、CPU11からの命令に基づいて、レンダリング処理される。これにより、対象表現体の透明度を変更することができる。
対象体確定手段55は、対象表現体が少なくとも1つのモニタに表示された状態で、選択対象体を確定する機能によって実現される手段である。たとえば、対象体確定手段55では、対象表現体が少なくとも1つのモニタたとえばタッチパネル式のモニタ3bに表示された状態で、選択対象体がCPU11により確定される。
対象体確定手段55は、移動方向判断手段56と釦操作判断手段57を含んでいる。
対象体確定手段55に含まれる移動方向判断手段56は、指示手段のモニタ接触位置がモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動したか否かを判断する機能によって実現される手段である。
移動方向判断手段56では、指示手段のモニタ接触位置がモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動したか否かが判断される。たとえば、移動方向判断手段56では、指示手段のモニタ接触位置がモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動したか否かがCPU11により判断される。具体的には、指示手段をタッチパネル式のモニタ3bに接触させて移動させたときに、モニタ接触位置座標データがタッチ入力検出回路14aからRAM13に連続的に供給される。そして、RAM13に連続的に供給されたモニタ接触位置座標データに基づいて、モニタ接触位置の移動方向ベクトルがCPU11により計算処理される。このモニタ接触位置の移動方向ベクトルが対象表現体から離れる方向になっていれば、CPU11は、指示手段のモニタ接触位置がモニタで対象表現体から離れる方向に移動したものと判断する。
対象体確定手段55では、移動方向判断手段56においてモニタ接触位置がモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動したと判断された場合に、選択対象体が確定される。たとえば、対象体確定手段55では、移動方向判断手段56においてモニタ接触位置がモニタ上で対象表現体から離れる方向に移動したと判断された場合に、選択対象体がCPU11により確定される。具体的には、モニタ接触位置の移動方向ベクトルが対象表現体から離れる方向であるとCPU11に認識されたときに、選択対象体がCPU11により確定される。
対象体確定手段55に含まれる釦操作判断手段57は、複数の釦を含む入力部4の所定の釦が操作されたか否かを判断する機能によって実現される手段である。
釦操作判断手段57では、複数の釦からなる入力部4の所定の釦が操作されたか否かが判断される。たとえば、釦操作判断手段57では、複数の釦からなる入力部4の所定の釦が操作されたか否かがCPU11により判断される。具体的には、入力部4の所定の釦が操作されたときに、釦入力信号が入力部4からCPU11に供給され認識される。このときに、CPU11は、入力部4の所定の釦が操作されたものと判断する。
対象体確定手段55では、釦操作判断手段57において入力部4の所定の釦が操作されたと判断された場合に、選択対象体が確定される。たとえば、対象体確定手段55では、釦操作判断手段57において入力部4の所定の釦が操作されたと判断された場合に、選択対象体がCPU11により確定される。具体的には、入力部4の所定の釦入力信号がCPU11に認識されたときに、選択対象体がCPU11により確定される。
命令割当手段58は、指示対象体に命令を割り当てる機能によって実現される手段である。命令割当手段58では、指示対象体に命令が割り当てられる。たとえば、命令割当手段58では、指示対象体と命令とがCPU11により関連付けられ、この指示対象体と命令との関連を示す関連情報データがRAM13に格納される。ここで、RAM13に格納された関連情報データは、CPU11により認識されている。
命令実行手段59は、対象体確定手段55により選択対象体が確定されたときに、命令割当手段58により指示対象体に割り当てられた命令を実行する機能によって実現される手段である。命令実行手段59では、対象体確定手段55により選択対象体が確定されたときに、命令割当手段58により指示対象体に割り当てられた命令が実行される。たとえば、命令実行手段59では、対象体確定手段55において選択対象体がCPU11より確定されたときに、命令割当手段58において指示対象体に割り当てられた命令がCPU11により実行される。
〔野球ゲームにおける指示システムの概要および指示システムのフロー〕
次に、本実施形態の野球ゲームにおける指示システムについての具体的な内容について説明する。
本ゲーム機1において実行されるゲームは、たとえば野球ゲームである。この野球ゲームでは、図4に示すように、指示手段80たとえばタッチペンや指等により指示可能な指示対象体たとえば複数の命令アイコン60および複数のデータ関連アイコン61が、タッチパネル式のモニタ3bに表示される。
本野球ゲームにおいて選手育成モードが選択された場合、タッチパネル式のモニタである下部液晶モニタ3bには、主に、命令の指示を待機している選手キャラクタ70と、選手キャラクタ70の下部に配置される複数の命令アイコン60および複数のデータ関連アイコン61とが表示される。
複数の命令アイコン60は、「練習」アイコン60a、「外出」アイコン60b、および「通院」アイコン60cからなっている。これらアイコン60a,60b,60cは、左側から右側に並べて表示されている。また、複数のデータ関連アイコン61は、「選手データ」アイコン61aおよび「データ保存」アイコン61bからなっている。これらアイコン61a,61bは、「通院」アイコンの右側方に左側から右側に並べて表示されている。
「練習」アイコン60aは、主人公となる選手キャラクタに練習の指示をするために用意されたアイコンである。「練習」アイコン60aには、選手キャラクタに対する練習命令が割り当てられている。「外出」アイコン60bは、主人公となる選手キャラクタに外出の指示をするために用意されたアイコンである。「外出」アイコン60bには、選手キャラクタに対する外出命令が割り当てられている。「通院」アイコン60cは、ケガをした選手キャラクタに通院の指示をするために用意されたアイコンである。「通院」アイコン60cには、選手キャラクタに対する通院命令が割り当てられている。
「選手データ」アイコン61aは、主人公となる選手キャラクタの能力データや仲間の選手キャラクタ等の各種データを確認するために用意されたアイコンである。「選手データ」アイコン61aには、選手キャラクタ等の各種データの確認命令が割り当てられている。「データ保存」アイコン61bは、プレイ環境の設定や各種データを保存するために用意されたアイコンである。「データ保存」アイコン61bには、プレイ環境の設定命令や各種データの保存命令が割り当てられている。
たとえば、図5に示すように、プレイヤが「外出」アイコン60bの表示領域内で指80をタッチパネル式のモニタ3bに接触させると、「外出」アイコン60bが選択される。すると、選択された「外出」アイコン60bを認識可能なアイコン62が、たとえばデフォルト設定データに基づいて、指80で隠された「「外出」アイコン60bの上方に表示される。このように、指等の指示手段80を「外出」アイコン60bの表示領域内でタッチパネル式のモニタ3bに接触させることにより、「外出」アイコン60bを認識可能なアイコン62が、指80で隠された「外出」アイコン60bとは異なる位置に表示される。ここで、「外出」アイコン60bを認識可能なアイコン62には、「外出」アイコン60bと同じアイコンが用いられている。
「外出」アイコン60bを認識可能なアイコン62がタッチパネル式のモニタ3bに表示された状態で、セレクト釦4bが押されると、選択された「外出」アイコン60bが確定される。すると、「外出」アイコン60bに割り当てられた練習命令が選手キャラクタに指示される。また、「外出」アイコン60bを認識可能なアイコン62がタッチパネル式のモニタ3bに表示された状態で、モニタ接触位置を下方に移動させても、選択された「外出」アイコン60bが確定される。すると、「外出」アイコン60bに割り当てられた練習命令が選手キャラクタに指示される。
同様に、指等の指示手段80を「外出」アイコン60b以外の各アイコン60a,60c,61a,61bの領事領域内でタッチパネル式のモニタ3bに接触させると、指等の指示手段80により指示されたアイコン60a,60c,61a,61bが選択される。すると、選択されたアイコン60a,60c,61a,61bを認識可能なアイコンが、指80で隠されたアイコンの上方に表示される。このように、指等の指示手段80を各アイコン60a,60c,61a,61bの表示領域内でタッチパネル式のモニタ3bに接触させることにより、指80で隠されたアイコン60a,60c,61a,61bを認識可能なアイコンが、指80で隠されたアイコン60a,60c,61a,61bとは異なる位置に表示される。ここでは、各アイコンを認識可能なアイコンは、各アイコン60a,60c,61a,61bと同じアイコンが用いられる。
「外出」アイコン60b以外のアイコン60a,60c,61a,61bを認識可能なアイコンがタッチパネル式のモニタ3bに表示された状態で、セレクト釦4bが押されると、選択されたアイコン60a,60c,61a,61bが確定される。すると、指等の指示手段80により指示されたアイコン60a,60c,61a,61bに割り当てられた命令が選手キャラクタ又は各種データに指示される。また、選択されたアイコン60a,60c,61a,61bを認識可能なアイコンがタッチパネル式のモニタ3bに表示された状態で、モニタ接触位置を下方に移動させても、選択されたアイコンが確定される。すると、指等の指示手段80により指示されたアイコン60a,60c,61a,61bに割り当てられた練習命令が選手キャラクタ又は各種データに指示される。
なお、指示手段80により指示されたアイコン60a,60c,61a,61bを認識可能なアイコンは、モニタに表示された状態で、たとえば方向指示釦4aを操作することにより、透明度を変更することができる。たとえば、方向指示釦4aの左端部を押すことにより透明度を上げたり、方向指示釦4aの右端部を押すことにより透明度を下げたりすることができる。
次に、本指示システムの各種処理概要を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、各アイコンの表示領域内の座標データのうち、各アイコンの表示位置を定めるための位置座標データに基づいて、各アイコンの画像データがタッチパネル式のモニタ3bの液晶パネルに表示される(S1)。このとき、各アイコンに命令がCPU11により割り当てられる(S2)。
次に、入力部の所定の釦、たとえばR釦4gが押された状態で方向指示釦4aが押された否かがCPU11により判断される(S3)。入力部の所定の釦4g,4aが押されたと判断された場合(S3でYes)、対象表現体(表現アイコン)62の表示位置たとえば複数の命令アイコン60および複数のデータ関連アイコン61を認識可能なアイコン62の表示位置が、CPU11により指示対象体を基準として方向指示釦4aが押された方向の位置に設定される(S4)。入力部の所定の釦4g,4aが押されなかったと判断された場合(S3でNo)、表現アイコン62の表示位置が、CPU11により指示対象体を基準としてデフォルト方向の位置たとえば上方位置に設定される(S5)。
続いて、アイコンの表示領域上のタッチパネルに指示手段80たとえばタッチペンや指等を接触させると、指示手段80のモニタ接触位置座標データがタッチ入力検出回路14aからCPU11に認識される(S6)。そして、モニタ接触位置座標データがアイコンの表示領域内の座標データに含まれるか否かがCPU11により判断される(S7)。ここで、モニタ接触位置座標データがアイコンの表示領域内の座標データに含まれるとCPU11により判断された場合(S7でYes)、指示手段80により指示されたアイコンが、CPU11により選択される(S8)。このとき、選択されたアイコン(以下、選択アイコン)を表現する表現アイコン62が、指示対象体を基準として方向指示釦4aが押された方向の位置又はデフォルト位置で、タッチパネル式のモニタ3bの液晶パネルに表示される(S9)。なお、モニタ接触位置座標データがアイコンの表示領域内の座標データに含まないとCPU11により判断された場合(S7でNo)、S6の状態が維持される。
続いて、所定の釦入力信号が入力部からCPU11に供給されたか否かがCPU11により判断される(S10)。釦入力信号が入力部からCPU11に供給されたとCPU11により判断された場合(S10でYes)、選択アイコンが確定される(S12)。一方で、釦入力信号が入力部からCPU11に供給されたとCPU11により判断されなかった場合(S10でNo)、モニタ接触位置座標データが表現アイコン62から離れる方向にタッチパネルで変化したか否かがCPU11により判断される(S11)。モニタ接触位置座標データが表現アイコン62から離れる方向にタッチパネルで変化したとCPU11により判断された場合(S11でYes)、選択アイコンが確定される(S12)。モニタ接触位置座標データが表現アイコン62から離れる方向にタッチパネルで変化したとCPU11により判断されなかった場合(S11でNo)、選択アイコンは確定されない状態で、表現アイコン62が表示された状態で維持される。
最後に、選択アイコンが確定されると、各アイコンに割り当てられた各種の命令がCPU11により実行される(S13)。
〔他の実施形態〕
(a) 本実施形態では、対象表現体がタッチパネル式のモニタ3bに表示される場合の例を示したが、対象表現体が表示されるモニタは、前記実施形態に限定されず、タッチパネル式のモニタ3b以外のモニタに表示されるようにしても良い。たとえば、対象表現体が、非タッチパネル式のモニタ3aに表示されるようにしても良い。
(b) 前記実施形態では、野球ゲームにおける指示システムの例を示したが、本指示システムは、指示手段により指示可能な指示対象体がモニタに表示されるゲームであれば、どのようなゲームに対しても適用することができる。たとえば、ボードゲーム、麻雀ゲーム、カードゲーム等の各種テーブルゲームでモニタに表示される指示対象体(ex.麻雀牌、カード)や、RPG(Role Playing Game)等でモニタに表示される指示対象体(ex.アイコンやキャラクタ)等が指示手段により指示されるゲーム対しても、本指示システムは、適用することができる。
(c) 前記実施形態では、ゲームプログラムを適用しうるコンピュータの一例としての携帯ゲーム機1を用いた場合の例を示したが、ゲーム装置は、前記実施形態に限定されず、複数のモニタが別体に構成されたゲーム装置、少なくとも1つのモニタがゲーム装置本体に一体に構成されたPDA(Personal Digital Assistant)装置や業務用ゲーム装置、ゲームプログラムを実行することによってゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータやワークステーションなどにも同様に適用することができる。
(d) 本発明には、前述したようなゲームを実行するプログラムおよびこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。この記録媒体としては、カートリッジ以外に、たとえば、コンピュータ読み取り可能なフレキシブルディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、MO、ROMカセット、その他のものが挙げられる。