JP2006120982A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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古澤  厚志
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平田  義和
Kohei Goto
公平 後藤
Fumio Tatsuzono
史生 立園
Tetsuo Iwasa
哲郎 岩佐
Ikuhisa Suzuki
郁央 鈴木
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Abstract

【構成】 固体電解コンデンサ10のコンデンサ素子18は陽極体14の表面に誘電体酸化皮膜層12、陰極層16およびめっき層20を順次積層して形成される。このめっき層20は高純度の銅を主成分とし、〔110〕配向の柱状結晶20aを有する柱状結晶構造で形成される。
【効果】 めっき層20の〔110〕配向の柱状結晶20aにより陰極層16と陰極端子26との間の抵抗は低く抑えられるため、固体電解コンデンサ10のESRが低減される。また、柱状結晶構造のめっき層20は延性および展性に富むため、高温下においてもめっき層20は陰極層16から剥がれず、陰極層16の導電性樹脂の酸化を防止し、固体電解コンデンサ10の耐熱性を向上する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、固体電解コンデンサに関し、特にたとえば、陰極層をめっき層で覆った、固体電解コンデンサに関する。
従来の固体電解コンデンサの一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1のコンデンサでは、誘電体層を介して対向する電極の一方は導電性高分子層と金属層との積層物である。この積層物は、電解重合で形成した導電性高分子層に無電解めっきで金属層を覆って形成される。
特開平5−21279号公報[H01G 9/02、H01G 9/05]
特許文献1の従来技術では、コンデンサにリード線を接続し、これらを外層樹脂層で覆ってエージング処理すると、金属層の熱応力などにより金属層が割れたり、導電性高分子層から剥がれたりする恐れがある。金属層に亀裂や剥離が生じると、導電性高分子層と金属層との接触面積が減少するため、コンデンサのESR(等価直列抵抗)の増加やコンデンサの静電容量の低下などが生じる。このため、高温下におけるコンデンサの信頼性にまだ問題が残る。
それゆえに、この発明の主たる目的は、耐熱性を向上した、固体電解コンデンサを提供することである。
請求項1の発明は、弁作用金属で形成された陽極体の表面に、誘電体酸化皮膜層、導電性高分子層を含む陰極層および銅を主成分とするめっき層を順次積層したコンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサにおいて、めっき層は柱状結晶構造を有し、その結晶が〔110〕配向であることを特徴とする、固体電解コンデンサである。
請求項1の発明では、めっき層を〔110〕配向の結晶を有する柱状結晶構造、すなわち陰極層に対して垂直方向に伸びる微細な柱状結晶の集合体で形成することにより、各結晶はめっき層上に接続された陰極端子と陰極層とを結ぶため、電流は結晶を介して陰極層と陰極端子との間を通りやすく、固体電解コンデンサのESRは低減される。
また、〔110〕配向の結晶を有する柱状結晶構造は展性および延性に富むため、高温下でもめっき層と陰極層との密着性は良く、めっき層は割れたり、陰極層から剥がれたりしない。このため、高温下においてもESRの上昇を抑制することができる。
請求項2の発明は、めっき層の銅の純度が99.8%以上であることを特徴とする、請求項1記載の固体電解コンデンサである。
請求項2の発明では、めっき層の銅の純度を高くすることにより、めっき層の導電性を高め、固体電解コンデンサのESRを低減させる。
また、めっき層の展性や延性も向上するため、高温下におけるめっき層と陰極層との密着性を向上させて、ESRの増加を抑制することができる。
請求項3の発明は、めっき層の膜厚が3〜30μmであることを特徴とする、請求項1または2記載の固体電解コンデンサである。
請求項3の発明では、めっき層の膜厚を3〜30μmにすることにより、熱や衝撃などに対するめっき層の亀裂や剥離を防止し、十分なESR低減効果を得ることができる。
請求項4の発明は、陰極層は導電性高分子層、カーボン層および銀を主成分とした保護層で順次積層して形成された、請求項1ないし3のいずれかに記載の固体電解コンデンサである。
請求項4の発明では、銀は銅より酸化されにくいため、銀を主成分とした保護層を導電性高分子層とめっき層との間に設けることにより、保護層は導電性高分子層に含まれる酸素により銅が酸化することを防ぎ、コンデンサのESRの上昇を抑える。
請求項5の発明は、めっき層を電解めっきにより形成した、請求項1ないし4のいずれかに記載の固体電解コンデンサである。
請求項5の発明では、電解めっきでめっき層を陰極層上に形成することにより、無電解鍍金の前処理として行う活性化処理を陰極層に施す必要がない。このため、電解めっきにおいては、導電性高分子層に含まれるドーパントが活性化溶液と反応して導電性高分子層の中から抜け出す、いわゆる脱ドープが生じず、導電性高分子層の導電性が維持されたまま、陰極層上にめっき層を形成できる。
この発明によれば、銅を主成分とするめっき層を〔110〕配向の結晶を有する柱状結晶構造にすることにより、めっき層と陰極層との密着性を良くし、固体電解コンデンサの耐熱性を向上する。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1に示すこの発明の一実施例である固体電解コンデンサ10は誘電体酸化皮膜層12によって絶縁された2つの電極、つまり陽極体14および陰極層16を有するコンデンサ素子18を備える。
陽極体14はタンタル、ニオブ、チタン、アルミニウムなどの弁作用金属の焼結体である。この表面に誘電体酸化皮膜層12、陰極層16およびめっき層20が順次積層される。誘電体酸化皮膜層12は陽極体14を酸化することによって、陽極体14の表面に形成される。
陰極層16は第1陰極層16aおよび第2陰極層16bの積層体により形成される。第1陰極層16aおよび第2陰極層16bはそれぞれピロール、アニリン、チオフェンなどの導電性高分子にスルホン酸系化合物などのドーパントを添加した導電性樹脂層である。ドーパントは芳香族スルホン酸塩、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤、またはエステル塩、エーテル塩、エステルエーテル塩、アルカノールアミド塩などの非イオン系界面活性剤である。たとえば、アニオン系界面活性剤としてアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムがあり、非イオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルがある。
めっき層20は銅を主成分とした薄膜である。銅の純度は99.8%以上であり、銅に含まれる水素、炭素、酸素などの不純物、およびにかわやPEG(ポリエチレングリコール)などの添加物の量を0.2%未満に抑えることが好ましい。なお、以下に示す実施例及び比較例には添加物を加えていない。このめっき層20の構造は〔110〕配向の柱状結晶20aを含む柱状結晶構造である。図2に示すように、柱状結晶構造は多数の微細な銅の柱状結晶20aを有し、〔110〕配向の柱状結晶20aは陰極層16に対して垂直方向に伸びる。めっき層20の膜厚は3〜30μmであり、特に10〜20μmが好ましい。この膜厚が3μmより薄いと、十分なESR低減効果を得ることができず、反対にめっき層20の膜厚を30μmよりも厚くすると、コンデンサ素子を255℃のリフロー炉に通過させて回路基板に接続する際などにめっき層20は外部からの熱による応力を受けやすくなり、陰極層16から剥がれコンデンサのESRが増加する。また、めっき層20の膜厚が厚くなるほど、めっき層20の材料およびめっき処理の時間が増加し不経済になる。
このような図1に示すコンデンサ素子18の陽極体14に設けられた陽極リード部材22に陽極端子24が接続され、めっき層20に陰極端子26が接続される。そして、陽極端子24と陰極端子26のそれぞれ一部およびコンデンサ素子18は外殻樹脂層28で覆われる。
固体電解コンデンサ10を製造する場合、まず陽極リード部材22が設けられた、たとえば幅2.33mm、長さ1.75mm、厚さ0.37mmのタンタル焼結体の陽極体14をリン酸水溶液に浸漬し、電圧を印加して電解酸化させて、その表面に誘電体酸化皮膜層12を形成する。そして、酸化剤を用いた化学的酸化重合を行い、誘電体酸化皮膜層12上に第1陰極層16aを形成する。
この陽極体14を、ピロール単量体および支持塩としてアルキル芳香族スルホン酸塩を水に溶解した電解液に入れる。アノード電極を第1陰極層16aに接続し、カソード電極を電解液に浸漬する。アノード電極およびカソード電極を通電して、第1陰極層16aの表面上に第2陰極層16bを形成し、その後、陽極体14を引上げて、たとえば160℃に設定した恒温槽に入れて乾燥させる。
次に、陽極体14をアルキル芳香族スルホン酸塩の水溶液で洗浄し、その後水洗いし、水で濡れた状態のまま陽極体14を図3に示す電解めっき装置30の電解質溶液32中に浸漬する。このとき、陽極体14の陽極リード部材22の端部を電解質溶液32の外に出しておく。カソード電極34を陽極体14に接続し、アノード電極として銅板36を電解質溶液32内に浸漬する。電解質溶液32は、たとえば20〜350gの硫酸銅、5〜250gの硫酸を水1Lに溶解させた硫酸銅水溶液であり、電解質溶液32の温度は、たとえば25℃に設定される。そして、アノード電極36およびカソード電極34に2A/dmの電流を25分間通電して、陽極体14の第2陰極層16b表面にめっき層20を形成する。めっき層20の膜厚は電流および時間で制御されるため、電流値が小さすぎると銅の析出が少なく処理に時間がかかってしまう。反対に、電流値が大き過ぎるとめっき層20は無配向の粒状結晶など柱状結晶構造以外の結晶構造になってしまう。さらに、過大な電流を加えるとめっき層20はこげて粉状になり膜が形成されなくなる。
それから、図1に示すように、めっき層20に陰極端子26を導電性接着剤などで接続し、陽極体14の陽極リード部材22に陽極端子24を抵抗溶接などで接続する。そして、陽極端子24の一部、陰極端子26の一部およびコンデンサ素子18をモールド(図示せず)内にセットして、エポキシ樹脂などを射出成形し、コンデンサ素子18などの上に外殻樹脂層28を形成する。この外殻樹脂層28から突出する陽極端子24および陰極端子26を外殻樹脂層28に沿わせて屈曲してから、たとえば、150℃で2時間のエージング処理を行う。
このように、めっき層20を〔110〕配向の結晶を有する柱状結晶構造にすれば、各柱状結晶20aは陰極層16に対して垂直方向に伸びて、陰極層16と陰極端子26との間の最短距離で陰極端子26と陰極端子26とを結ぶ。これにより、陰極層16と陰極端子26との間の電気抵抗を低下して、固体電解コンデンサのESRの低減化や容量の増加などが図られる。
また、〔110〕配向の結晶を有する柱状結晶構造は展性および延性に富むため、めっき層20と陰極層16との密着性は良い。そのため、外部からの熱応力が加わってもめっき層20は割れたり、陰極層16から剥がれたりせず、陰極層16とめっき層20との接触面積を維持するため、ESRの増加を抑えることができる。
さらに、めっき層20の銅純度を99.8%以上に高くすれば、不純物や添加物によるめっき層20の展性および延性の低下が抑えられ、しかもめっき層20は柱状結晶を取りやすくなる。このため、めっき層20と陰極層16との密着性は向上して、高温下における固体電解コンデンサ10の信頼性は高まる。また、めっき層20の銅純度が高いほど、陰極層16と陰極端子26との間の導電性も高くなる。
このめっき層20の膜厚を3〜30μmにすることにより、めっき層20によるESR低減効果を十分に得ることができると共に、熱応力により陰極層16からめっき層20が剥がれることによるESRの増加を抑えることができる。
そして、電解めっきで陰極層16上にめっき層20を形成すると、陰極層16に活性化処理せず、陰極層16上にめっき層20を形成できる。このため、活性化処理による陰極層16の導電性高分子の脱ドープの問題が解決され、導電性高分子の導電性を維持しながら、簡単に陰極層16上にめっき層20を形成できる。また、電解めっきでは、めっき時の印加電流を調整することにより、めっき層20を柱状結晶構造にすることができる。
上記の条件で実施例1の固体電解コンデンサ10を作成し、固体電解コンデンサ10のめっき層20の結晶状態、膜厚、銅の純度および固体電解コンデンサ10のESRを測定した。この結果を表1に示す。なお、この発明の実施例1の特徴を明確にするために、比較例1および比較例2の固体電解コンデンサを用いた。また、固体電解コンデンサ10のESRを比較するため、実施例1、比較例1および比較例2のめっき層20の膜厚は10μmになるように形成した。
Figure 2006120982
比較例1の固体電解コンデンサは次のように形成される。まず実施例1の固体電解コンデンサ10と同様の方法で陽極体の表面に第2陰極層までを形成する。そして、陽極体を、塩化第1錫水塩および濃塩酸を添加した水溶液に浸漬してから、さらに塩化パラジウムおよび濃塩酸を添加した水溶液に浸漬する。その陽極体を銅の無電解めっき液に30分間浸漬して、無電解めっきによりめっき層を第2陰極層上に形成する。それから、実施例1と同様に、陽極体に端子を接続し、コンデンサ素子などの上に外殻樹脂層28を形成してから、これらをエージング処理する。
比較例2の固体電解コンデンサは実施例1と同様の方法で形成される。ただし、電解めっき工程において、アノード電極36およびカソード電極34に12A/dmの電流を5分間通電して、陽極体14の第2陰極層16b表面にめっき層20を形成する。
表1によれば、実施例1のめっき層20は柱状結晶構造であるが、比較例1および比較例2のめっき層は無配向の粒状結晶構造である。これは、比較例1では無電解めっきによるためで、比較例2は電解めっきによりめっき層20が形成されているが、その印加電流が大き過ぎてめっき層の銅結晶の析出速度が早くなるために柱状結晶構造とならないと考えられる。このため、めっき層を柱状結晶構造にするには、電解めっきによる形成および電解めっき工程における印加電流の制御が必要であることがわかる。
また、めっき層の銅の純度については、めっき層を電解めっきにより形成した実施例1および比較例2で99.8%と高純度を示すが、無電解めっきにより形成した比較例1の純度は低い。
さらに、固体電解コンデンサのESRについて、実施例1と比較例2とを比較すると、銅純度は同じで、膜厚は比較例2の方が実施例1より大きい。一般的にめっき層の膜厚が厚いほど固体電解コンデンサのESRは低下するが、この場合、めっき層の膜厚の厚い比較例2のESRの方が実施例1のESRより大きい。これは、めっき層の結晶構造の違いによると考えられる。このため、実施例1のめっき層を柱状結晶構造にすることにより、固体電解コンデンサのESRが低下することがわかる。また、比較例1のめっき層は低純度で、無配向の粒状結晶を有すため、固体電解コンデンサのESR値は最も高い値を示す。この結果、高純度、かつ柱状結晶構造のめっき層を有す実施例1は、最も低い固体電解コンデンサ10のESR値を示し、優れている。
次に、めっき層20の膜厚を変化させた実施例2〜6の固体電解コンデンサを作成し、これらの耐熱性試験を行った。この結果を表2に示す。実施例2〜6のめっき層20の膜厚は表2に示すとおりである。このめっき層20の膜厚は、固体電解コンデンサの電解めっき工程における電流の通電時間を調整することにより、変化させた。なお、電流の通電時間以外は、実施例1の製造方法と同様である。
Figure 2006120982
耐熱性試験では、まず各個体コンデンサのESR(初期ESR)を測定した。測定後、個体コンデンサを105℃の雰囲気中に1000時間放置して、再び個体コンデンサのESR(試験後ESR)を測定した。そして、この試験後ESRにより、めっき層20の膜厚による固体電解コンデンサの耐熱性を評価した。
表2によれば、めっき層20の膜厚が大きいほど、めっき層20の抵抗値は下がり、固体電解コンデンサ10の初期ESRは低くなる。しかし、耐熱性試験によるESRの増加、すなわち試験後ESRと初期ESRとの差は大きくなる。これにより、めっき層20の膜厚が大きいものほど熱応力を受けやすいことがわかる。
次に、めっき層20の銅純度を変化させた実施例7〜9の固体電解コンデンサを作成し、これらの耐熱性試験を行った。この結果を表3に示す。実施例7〜9のめっき層20の膜厚は表3に示すとおりである。このめっき層20の銅純度を、電解めっき工程における電解質溶液の成分などにより調整した。なお、これ以外の製造方法は実施例1と同様である。また、耐熱性試験の方法も上記のめっき層20の膜厚に対する耐熱性試験の方法と同様である。
Figure 2006120982
表3によれば、めっき層20の銅純度が高いほど、初期ESRは低い。これはめっき層20の銅純度が高くなるほど、めっき層20の導電性が優れるからである。また、めっき層20の銅純度が高いほど、試験後ESRおよび耐熱試験によるESRの増加は低い。これはめっき層20の銅純度が高くなるほど、めっき層20の展性及び延性に優れるため、めっき層20の剥離や亀裂などが防がれ、導電性高分子の導電性が維持されるからと考えられる。
図4に示すこの発明の他の実施例である固体電解コンデンサ10は図1に示す固体電解コンデンサ10とほぼ同じであるが、陰極層が異なる。図1に示す固体電解コンデンサ10の陰極層16は第1陰極層16aおよび第2陰極層16bの積層体で、第1陰極層16aおよび第2陰極層16bはそれぞれ導電高分子層で形成される。これに対して、図4に示す固体電解コンデンサ10の陰極層38は、図1に示す第1陰極層16aおよび第2陰極層16bの積層体上にカーボン層40および保護層42をさらに形成した積層体である。これ以外の部分に関しては図1実施例の示す固体電解コンデンサ10と同様であるため、説明は省略する。
固体電解コンデンサ10のコンデンサ素子44は陽極体14の表面に誘電体酸化皮膜層12、第1陰極層16a、第2陰極層16b、カーボン層40、保護層42およびめっき層20を順次積層して形成される。このカーボン層40は保護層42の密着性向上などを図る下地である。保護層42は銀を主成分とし、銀粒子がたとえば、10%のエポキシ樹脂などのバインダにより密着して形成される。
このように、銅より酸化されにくい銀を主成分とした保護層42を、第2陰極層16bとめっき層20との間に形成すれば、保護層42により酸素の透過は遮断されて、めっき層20が第2陰極層16bに含まれる酸素により酸化されることは防がれる。これにより、めっき層20の抵抗増加を抑えることができ、固体電解コンデンサ完成品のESRの増加を抑制することができる。
さらに、上で挙げた寸法や割合などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
この発明の一実施例の固体電解コンデンサを示す断面図である。 めっき層の柱状結晶構造を示す斜視図である。 コンデンサ素子の陰極層上にめっき層を電解めっきする装置を示す断面図である。 この発明の別の実施例の固体電解コンデンサを示す断面図である。
符号の説明
10…固体電解コンデンサ
12…誘電体酸化皮膜層
14…陽極体
16…陰極層
18、44…コンデンサ素子
20…めっき層
40…カーボン層
42…保護層

Claims (5)

  1. 弁作用金属で形成された陽極体の表面に、誘電体酸化皮膜層、導電性高分子層を含む陰極層および銅を主成分とするめっき層を順次積層したコンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサにおいて、
    前記めっき層は柱状結晶構造を有し、その結晶が〔110〕配向であることを特徴とする、固体電解コンデンサ。
  2. 前記めっき層の銅の純度が99.8%以上であることを特徴とする、請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記めっき層の膜厚が3〜30μmであることを特徴とする、請求項1または2記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記陰極層は導電性高分子層、カーボン層および銀を主成分とした保護層で順次積層して形成された、請求項1ないし3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記めっき層を電解めっきにより形成した、請求項1ないし4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
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