JP2006119646A - 拡大鏡、及び1つ又は2つのこのような拡大鏡が設けられている眼鏡フレーム - Google Patents

拡大鏡、及び1つ又は2つのこのような拡大鏡が設けられている眼鏡フレーム Download PDF

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Abstract

【課題】片方又は両方の眼に制限された視野を有する人のための拡大鏡であり、眼の異常にかかっている一群の人々による使用のために特に意図されている拡大鏡を提供する。また、1つ又は2つのこのような拡大鏡が設けられている眼鏡フレームを提供する。

【解決手段】レンズ本体は、このレンズ本体に入射する光線(10a)を眼の中心窩(6)の近くの部分(6a)へと焦点合わせするために構成されている。この拡大鏡(20)は、レンズ本体に入射する光線(10a)を眼に焦点合わせするカーブの前面(23)を備えたレンズ本体を有する。このように、網膜の中心部分(中心窩)(6)の異常の影響を受けた部分は、用いずに済まされ、患者の視野は網膜の中心部分の外側領域を用いて得られている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、片方又は両方の眼に制限された視野を有する人のための拡大鏡に関する。この拡大鏡は、レンズ本体に入射する光線を眼に焦点合わせするカーブの前面を備えたレンズ本体を有する。
本発明は、本発明に係る1つ又は2つの拡大鏡を設けられている眼鏡フレームに関する。
本発明は、黄斑退化(Macular Degeneration)、シュタルガルト病、白内障、偽水晶体、ニスタグムス、複数の角膜の問題、網膜欠陥及び糖尿病性網膜症のような特定のグループの眼の異常の1つに苦しんでいる患者たちのために特に意図されている。これらの患者たちは、減少した視野、像の歪み及び光への感受性により困らされている。
これらの患者たちの臨床的な描像は、一般に、彼らの他の制限との組合せで、彼らに何年にも渡って大きな問題を引き起こしている次第に減少している視野により特徴付けられている。結局、これらの患者は、完全に盲目にはならない。減少し、歪められた視野は、たいてい眼の中心窩の又は網膜の中心領域において開始し、この徴候の後の段階は、この中心窩の周囲に拡大する。
はるかに最もありふれている眼の異常は、黄斑退化、略してMDと呼ばれている。これは、網膜の中心部分、黄斑(the yellow spot)としても言及されている黄斑(the macula lutea)に関する異常である。MDに典型的なことは、とりわけ、像の歪み、光への感受性及び中央の視界、網膜の像、の相称的(bilateral)漸進的な損失を伴う暗点と、桿状体の数に比較しての錐状体の数の減少とである。
この過程は、たいてい年齢に関連しており、多くの人々は、部分的には、高齢の人口の人口的な増加のために、それに直面しなければならない。たいてい異常は、網膜の「疲労」と称され、又は、考えられている。しかしながら、一般的な用語「黄斑退化」により扱われない他の形式があり、これらの形式は、年齢に関連していない。MD患者に知覚されているような像を見るために図1を見よ。
シュタルガルト病は、MDを引き起こす眼の異常の一つである。MDは、中心窩に損傷を引き起こし、この損傷は、今度は、視覚的な鋭さを減少させる。中心窩すなわち「黄斑」は、網膜の中心部分であり、この部分が、人が鮮明に見ることを可能にしている。中心窩は、多数の錐状体を有している。錐状体は、光感受性の細胞であり、コントラストと色とを知覚することができ、こうして、人が詩をそれとみとめること、読むこと及びテレビを見ることのような詳細(中心の鋭い知覚)を区別することを可能にしている。この中心窩の周りの領域は、周辺部分と呼ばれている。我々が我々の目の隅から見ることを可能にしているのはこの部分である(周辺視野)。この周辺視野は、人々が頭を回さずに右から左へと物を見ることを可能にしている。
シュタルガルト病は、遺伝子の変化により引き起こされる。たいてい過程は、人の人生の7番目の年に始まる。この遺伝子は、錐状体から有害な物質を除去するように機能する特定の蛋白質を生成する。人がシュタルガルト病にかかると、この過程が適当に実行されなくなり、この結果として、中心窩の錐状体が次第に死亡し人の視覚の鋭さは次第に悪くなる。
ほとんどの場合に両方の眼が同時に影響を受ける。人の視覚の鋭さは、しばらくの間、一定で保たれ得るが、強く突然の悪化の可能性がある。ほとんどの場合、シュタルガルト病の結果盲目にならない。中心窩の周辺部分は、ほとんど変わらず無傷のままだからである。
白内障と呼ばれている他の異常は、水晶体の曇りに関連しており、この曇りは、様々な要素により引き起こされる。たいていこの異常は、年齢に関連しているが、コーチゾンの摂取又は肥満により引き起こされ得る。入射光の曇った水晶体を通っての伝達は比較的困難になり、その結果、入射光は、比較的困難に網膜に到達する。このことは、いくつかの典型的な現象に導いている。視野は、次第によりぼやけてくる。特に患者の遠くを見る能力が影響を受ける。ほとんどの場合、読むことは、まだかなりやさしい。いくつかの場所で曇りが他の場所におけるよりも顕著だと、患者は、二重の視野に困らされ、患者は、比較的早く盲目になり得る。
現在、白内障は、まだ外科的に扱われ、最も最近の最も広く用いられている治療技術は、「水晶体乳化」である。水晶体の周りの膜が外科的に開かれ、水晶体が、押しつぶされ、残余物が吸い上げられる。続いて人口水晶体が自由空間に位置される。
眼振は、両目におけるたいてい同期的な無意識のリズミカルな速い眼の運動に関連している。いくつかの場合には、眼は時計の振り子のように振動する。この現象は、振り子様眼振として言及されている。一方の方向への運動の速度が他方の方向への運動の速度と異なる現象は、律動眼振又はのこぎり歯(sawtooth)眼振として言及されている。眼は、いわばあてもなくさまよい、速い急な運動で引き戻される。
眼振は、また、「ぐらつく眼(wobbly eyes)」または「振動する眼(vibrating eyes)」として言及されている。
もし、患者が若い年齢でこの異常にかかると、この患者は、減少した視野と影響をうけた色覚を持つことになるか、まったくこの反対を持つことになる。完全な又は部分的な錐状体の不足と、完全な又は部分的な色覚の不足のために、患者の視野は、10%程度になり、この視野は、主に桿状体により提供されており、その結果として、患者は、また光に対して感受性を有することになる。
色盲にかかっている患者は、自分の網膜に全く錐状体を有しておらず、少なくとも機能している錐状体を全く有していない。結果として、この患者は、色を知覚することと鮮明に見ることができない一方で、さらに、この患者は、大量の光に対して感受性がある。
本発明の目的は、とりわけ上の異常にかかっている一群の人々による使用のために特に意図されている拡大鏡を提供することであり、本発明に係われば、レンズ本体は、このレンズ本体に入射する光線を眼の中心窩の近くの部分へと焦点合わせするために構成されている。
このように、網膜の中心部分(中心窩)の影響を受けた部分は、用いずに済まされ、患者の視野は網膜の中心部分の外側領域を用いて得られている。
本発明の特別な実施の形態において、前記拡大鏡の下縁近くのレンズ本体の厚さは、最小で3.5mm、特に最大で4.5mmである。
さらに、前記拡大鏡は、7.5ジオプトリから10.5ジオプトリの屈折力を有するカーブの前面を有し、拡大鏡のこのカーブの前面の補正は、−4ジオプトリから+12ジオプトリの範囲である。他方、このような拡大鏡で前記カーブの前面並びに/もしくはカーブの背面は円柱状の部分を有しており、この部分の補正は、最大で+4ジオプトリである。
本発明の他の実施の形態において、前記拡大鏡は、前記カーブの前面に追加部分を有し、この追加部分の補正は最大で+3.5ジオプトリである。
このことは、装着者が、装着者が知覚する像が以前より安定している像として経験するような視野の拡大に導く一方、加えて装着者は、比較的多くの詳細を知覚している。さらに、コントラストが高められ、問題となっている人により近くされている像は、比較的少ない歪みを示すことになる。
さらなる実施の形態において、前記拡大鏡は、エシラー色(Essilor colour)番号850又は855を有することができる。この黄色の入射環境は、このような拡大鏡の装着者が、これをとても心地よいとして経験するという事実である。特に、日光は、眼に比較的少ない程度で負担をかける一方、UV光は、眼に対してずっと少ない負担を構成している。
特定の実施の形態において、前記拡大鏡は、3重のノングレアであり、90°のプリズムベースを有する3乃至5プリマの相称プリズム効果(bilateral prism effect of 3-5 pima)を有するプリズム部分を有している。前記拡大鏡のプリズム効果は、この場合両眼用であることができる。結果として、この拡大鏡の装着者により知覚されている像は、好ましくは、下向きの方向にずれている。
本発明の様々な実施の形態において、前記拡大鏡は、一重焦点、二重焦点、三重焦点又は複重焦点(multifocal)の拡大鏡であることができる。
図2aと図2bとは、正常な眼を示している。正常な眼1においては、虹彩2への入射光10は、角膜9、瞳孔3及び水晶体4を通って網膜5に注いでいる。正常な眼1の網膜5は、2種類の光感受性の細胞を有している。桿状体と錐状体である。これらは、各々異なる機能を有している。錐状体は、人が色を知覚することを可能にしている。網膜の中心6(黄斑、斑点又は中心窩(the yellow spot or macula or fovea))は、大量の錐状体だけを有している。結果として、正常な視野を有している人は、視野の中心でとても強く見ることができる。しかしながら、錐状体は、十分な量の光がある時機能するだけである。薄明かりの中では、錐状体による知覚は、もはや可能ではない。
薄明かりの中では、桿状体が活性化する。桿状体は、錐状体より光に感受性があり、加えて、錐状体は、複数のグループに一緒に結合されている。その結果、さらに大きな信号強度が視神経7を介して脳に伝達されている。しかしながら、錐状体に比較して、桿状体は、色を区別できない。人の視野が最も鋭い黄斑6には桿状体は存在しない。桿状体は、黄斑6の外側にだけ生じている。参照符号8は、網膜5のための血管を示している。
図3は、標準的な拡大鏡15と眼1とを通る光束の光路を示している。例えば、眼鏡フレームの中に取着されている拡大鏡15に入射している光10aは、角膜9と虹彩3とを通って光10bとして水晶体4に入る前に、わずかに焦点合わせされている。この光は、続いてこの水晶体4により焦点合わせされ、この光を斑点すなわち黄斑6に当たらせており、この斑点又は黄斑6により人は最もよく見ることができる。
この出願の導入部においてすでに述べられているように、斑点すなわち黄斑6の機能に影響を与えるたくさんの眼の異常がある。これら眼の異常は、一般に黄斑退化として分類されており、MDと略されている。眼1の斑点(すなわち中心窩)6が影響を受け、そして続いて網膜5のこの部分が最適に機能しない場合に、本発明は、図4の実施の形態に示されてような拡大鏡すなわちレンズを用いることを提案している。このレンズ20は、第1のレンズ部分21と追加的なレンズ部分22とから構成され、このレンズ部分22は、入射光10a−10bの方向に見た時に、前記第1のレンズ部分21の後ろに配置されている。前記レンズ20は、1つの一体化された全体を形成している。
本発明に関われば、前記レンズ部分22は、プリズム的である。すなわち、このレンズ部分22は、90°のプリズムベースを有する3と5との間のプリズムの相称プリズム効果(bilateral prism effect between 3 and 5 prism)を有している。
本発明に関われば、前記拡大鏡20は、7.5ジオプトリから11ジオプトリの屈折力の値を有するカーブの前面23をさらに備えている。この場合、拡大鏡20の前記カーブの前面の補正は、−4ジオプトリから+12ジオプトリの範囲である。特に、前記カーブの前面23又はカーブの背面24は、補正が最大で+4ジオプトリである円柱状の部分の形式に研磨されている。
特定の実施の形態において、前記拡大鏡には、前記カーブの前面23に追加部分25が設けられることができ、この追加部分25の補正は、最大で+3.5ジオプトリである。
本発明に係る拡大鏡20の構造は、入射光10aが、わずかにずらされた入射光10bとして水晶体4に入射するような構造である。この構造の結果は、焦点が眼1の中心窩(黄斑すなわち斑点)6に位置されていなくて、この眼の前記中心窩の周囲の中心窩に近い点(parafoveal part)6aにあるような焦点合わせとなる。
換言すれば、前記拡大鏡20のレンズ本体は、中心窩又は斑点6の周囲の光が網膜に当たるような仕方で、入射光を焦点合わせしている。網膜の中心窩に近い点には、桿状体しか存在しないが、これらの桿状体は、中心窩すなわち斑点6に存在している錐状体よりもずっとより光感受性が強く、加えてこれら錐状体は、複数のグループに一緒に結合されている。このことは、ずっと強い信号強度の視神経を介しての脳への伝達を可能にしている。
桿状体は、錐状体と異なり、色を区別することができないが、本発明に係る拡大鏡は、眼により知覚される色の、拡大された部分を示している。前記レンズ部分22のプリズム効果は、本発明に係る拡大鏡の装着者により知覚される像を下向きにシフトされることを引き起こしている。像は、比較的安定して見出されるが、今は、網膜の中心窩に近い点が用いられているので、比較的多くの詳細が知覚されている。
桿状体が、いま見るために活性化されているため、本発明に係る拡大鏡の装着者は、一般に比較的拡大され、加えて、比較的安定し、比較的強いコントラストと比較的少ない歪みとを示している像を知覚しているという印象を持つ。
特に、前記拡大鏡20のこの拡大鏡の底縁近くの厚さdは、最小で3.5mmで最大で4.5mmである。
副次的な実施の形態として、前記拡大鏡は、エシラー色を有している。この色は、一般的に番号850により指示されている。またエシラー色885が、満足できるようにみえる。前記拡大鏡の特別な柔らかい黄色は、前記装着者によって不快とは見出されていない。加えて、日光が前記柔らかい黄色によりフィルタされ、その結果、UV光は、前記装着者を完全にではないにしてもそれほど困らせないことになる。
本発明に係る拡大鏡は、3重にノングレアであり、その結果、この拡大鏡の背面側では反射が全くないことになる。
さらなる実施の形態において、前記プリズム部分21は、単眼用または両眼用プリズム効果(monocular or binocular prism effect)を有している。
他の特定の実施の形態において、本発明に係る拡大鏡は、一重焦点、二重焦点、三重焦点又は複重焦点の拡大鏡であることができる。
上述のような本発明に係る拡大鏡は、黄斑退化の患者のための適当に機能する代替物を提供している。特に、本発明に係る拡大鏡を用いると外科手術は延期されることができる。これは、本発明に係る拡大鏡は、まだ機能しており、患者がより良く見ることを可能にするようにこの部分を活性化する、網膜の中心窩に近い部分を用いるからである。
黄斑退化を患っている誰かにより知覚されているような画像をしめしている。 網膜の方向への光束の光路を伴った正常な眼を示している。 網膜の方向への光束の光路を伴った正常な眼を示している。 普通の拡大鏡(眼鏡)が用いられている時の眼を通る光束の光路を示している。 本発明に係る拡大鏡が用いられている時の眼を通る光束の光路を示している。
符号の説明
20…拡大鏡、23…カーブの前面、24…カーブの背面、25…追加部分。

Claims (16)

  1. レンズ本体を有し、このレンズ本体は、入射する光線を眼に焦点合わせするカーブの前面を備え、片方又は両方の眼に制限された視野を有する人のための拡大鏡において、このレンズ本体は、このレンズ本体に入射する光線を眼の中心窩の近くの部分へと焦点合わせするように構成されていることを特徴とする拡大鏡。
  2. 拡大鏡の下縁近くのレンズ本体の厚さは、最小で3.5mmであることを特徴とする請求項1に係る拡大鏡。
  3. 拡大鏡の下縁近くのレンズ本体の厚さは、最大で4.5mmであることを特徴とする請求項2に係る拡大鏡。
  4. 拡大鏡の前記カーブの前面は、7.5乃至11ジオプトリの屈折力を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に係る拡大鏡。
  5. 拡大鏡の前記カーブの前面の補正は、−4ジオプトリと+12ジオプトリとの間の範囲であることを特徴とする請求項4に係る拡大鏡。
  6. 前記カーブの前面並びに/もしくはカーブの背面は、補正が最大で+4ジオプトリである円柱状の部分を有することを特徴とする請求項5に係る拡大鏡。
  7. 拡大鏡は、補正が最大で+3.5ジオプトリである追加部分を前記カーブの前面に有することを特徴とする請求項5又は6に係る拡大鏡。
  8. 拡大鏡は、エシラー色番号850又は885を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に係る拡大鏡。
  9. 拡大鏡は、3重にノングレアであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に係る拡大鏡。
  10. 拡大鏡は、90°のプリズムベースを有する3乃至5プリマの相称プリズム効果を備えたプリズム部分を備えていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に係る拡大鏡。
  11. 拡大鏡は、単眼用または両眼用プリズム効果を有していることを特徴とする請求項10に係る拡大鏡。
  12. 拡大鏡は、一重焦点の拡大鏡であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1以上に係る拡大鏡。
  13. 拡大鏡は、二重焦点の拡大鏡であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1以上に係る拡大鏡。
  14. 拡大鏡は、三重焦点の拡大鏡であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1以上に係る拡大鏡。
  15. 拡大鏡は、複重焦点の拡大鏡であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1以上に係る拡大鏡。
  16. 1つ又は2つの、前記全ての請求項のいずれか1以上に係る拡大鏡が設けられている眼鏡フレーム。
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