JP2006117598A - 歯磨組成物 - Google Patents

歯磨組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006117598A
JP2006117598A JP2004308411A JP2004308411A JP2006117598A JP 2006117598 A JP2006117598 A JP 2006117598A JP 2004308411 A JP2004308411 A JP 2004308411A JP 2004308411 A JP2004308411 A JP 2004308411A JP 2006117598 A JP2006117598 A JP 2006117598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dentifrice composition
mass
sodium
water
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004308411A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4539832B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Shimizu
裕之 清水
Keiji Ishiguro
敬二 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP2004308411A priority Critical patent/JP4539832B2/ja
Publication of JP2006117598A publication Critical patent/JP2006117598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4539832B2 publication Critical patent/JP4539832B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【解決手段】(A)湿潤剤、(B)水、(C)粘結剤、及び(D)トリメチルグリシンを含有し、(A)成分/(B)成分の質量比が1.2〜8であり、(C)成分の含有量が組成物全体の0.1〜2質量%であることを特徴とする歯磨組成物。
【効果】 本発明の歯磨組成物は、外観が目視的に美しく、かつ優れた低温での押出し性及び使用性(口腔内分散性及び歯ブラシへの乗せやすさ)を実現させることができるものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特に透明感又は光沢感に優れ、かつ低温での押出し性及び使用性に優れた歯磨組成物に関するものである。
従来の歯磨組成物は白色のものが多いが、外観に趣向を凝らす目的で、透明、半透明、光沢感のある外観を持つ歯磨組成物が提案されている。上記外観を持つ歯磨組成物を得るためには、研磨剤に非晶質の無水及び含水ケイ酸などシリカ系研磨剤を使用し、歯磨組成物の屈折率をシリカの屈折率(通常約1.4〜1.5)に近似させる必要がある。光沢感を持つ外観にしたい場合、ベースとなる歯磨組成物は完全に透明でない方が光沢感がよくなるともいわれている(特許文献1:特開平11−217320号公報参照)。シリカの屈折率に近似させるためには、水(屈折率1.33)よりも屈折率の高い湿潤剤を多く配合することが不可欠である。しかしながら、湿潤剤配合量を多くすると、使用性及び低温での充填チューブからの押出し性のいずれも悪くなる傾向にあった。
特開2003−306416号公報(特許文献2)では、湿潤剤が50質量%未満であるなら、特定の粘結剤とラウリル硫酸ナトリウムを2.0質量%以上含有させることで、口腔内での分散性を良好にし得ることが開示されている。しかしながら、ラウリル硫酸ナトリウムは口腔内に刺激感をもたらすこともあり、湿潤剤が多い歯磨組成物でラウリル硫酸ナトリウムが少ない、もしくは含有しない歯磨組成物における使用性(口腔内分散性)は不十分である。
一方、低温での押出し性改善については、湿潤剤が少ない歯磨組成物では、ラウリル硫酸ナトリウムとノニオン活性剤を組み合わせることで改善される(特許文献3:特開平10−291921号公報参照)ことが検討されているが、湿潤剤が多い歯磨組成物での効果は十分ではない。
このように透明感又は光沢感に優れ、かつ、低温での押出し性及び使用性に優れた歯磨組成物については改善する余地があり、透明感又は光沢感に優れ、かつ、低温での押出し性及び使用性に優れた歯磨組成物の開発が望まれていた。
なお、トリメチルグリシンは、トリメチルグリシン以外にもグリシンベタイン、ベタインという名称で呼ばれており、アミノ酸系保湿剤として広く皮膚化粧料、毛髪化粧料に用いられている公知の物質である。口腔内への応用例としては、各種酵素と併用することによる舌垢除去効果が報告されている(特許文献4:特開平9−25221号公報参照)。また、Acta Odontol Scan(2002)、60(5)、p306−310(非特許文献1)では、口腔内粘膜に対する活性剤の刺激抑制効果が報告され、更に皮膚に対するのと同様に口腔内粘膜の保湿効果が報告されている(特許文献5:特表2001−508423号公報、非特許文献2:J Contemp Dent Pract(2003)、4(2)、p11−23参照)。このように、トリメチルグリシンの皮膚や口腔粘膜への保湿効果は公知であるが、歯磨剤に応用したときに、低温での押出し性を飛躍的に良好にすること、及び口腔内で使用したときに歯磨剤の分散性を良好にする効果については、いずれも知られていない。
特開平11−217320号公報 特開2003−306416号公報 特開平10−291921号公報 特開平9−25221号公報 特表2001−508423号公報 Acta Odontol Scan(2002)、60(5)、p306−310 J Contemp Dent Pract(2003)、4(2)、p11−23
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明感又は光沢感に優れ、かつ、低温での押出し性及び使用性(口腔内分散性及び歯ブラシへの乗せやすさ)に優れた歯磨組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記要望に応えるべく鋭意研究を重ねた結果、湿潤剤、水、粘結剤を含有し、湿潤剤/水の質量比が1.2〜8である歯磨組成物に、更にトリメチルグリシンを配合することにより、意外にも目視で透明感又は光沢感があり、かつ低温での押出し性、使用性(口腔内分散性及び歯ブラシへの乗せやすさ)が向上することを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、(A)湿潤剤、(B)水、(C)粘結剤、及び(D)トリメチルグリシンを含有し、(A)成分/(B)成分の質量比が1.2〜8であり、(C)成分の含有量が組成物全体の0.1〜2質量%であることを特徴とする歯磨組成物を提供する。この場合、研磨剤として、シリカ系研磨剤を含有すると共に、このシリカ系研磨剤と、上記(A)〜(D)成分を含む水溶解性成分を水に溶解して得たベヒクルとの屈折率差が0.000〜0.020であり、透明もしくは半透明に調製することが好ましい。
更に、(E)成分として、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウムから選ばれる少なくとも1種を組成物全体の0.1〜5質量%含有させることが好ましい。
本発明の歯磨組成物は、外観が目視的に美しく、かつ優れた低温での押出し性及び使用性(口腔内分散性及び歯ブラシへの乗せやすさ)を実現させることができるものである。
本発明に係る歯磨組成物は、湿潤剤、水、粘結剤を含有し、湿潤剤/水の質量比が1.2〜8であり、更にトリメチルグリシンを含有するものである。
本発明は、このように湿潤剤を用いるが、湿潤剤としては、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、平均分子量280〜1,050のポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられ、これらの中で、ソルビトール、プロピレングリコール、平均分子量280〜1,050のポリエチレングリコールが目的の外観を得る点で好ましい。これらの湿潤剤は、必要に応じて2種以上配合することができる。湿潤剤の配合量は、組成物全体の30〜90質量%で、外観に透明感を与える点から、より好ましくは40〜80質量%、更に好ましくは50〜70質量%である。湿潤剤の配合量が30質量%よりも少ないと外観が損なわれる可能性があり、90質量%を超えると他の成分が溶解しにくくなることがあり、口腔内分散性が悪くなることがある。
ポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示し、ポリエチレングリコール300(平均分子量280〜320)、ポリエチレングリコール400(平均分子量380〜420)、ポリエチレングリコール600(平均分子量570〜630)、ポリエチレングリコール1000(平均分子量950〜1,050)が該当する。商品によっては、例えばポリエチレングリコール#400等のように、ポリエチレングリコールと数値の間に#がつくことがある。
また、水の配合量は、組成物全体の5〜40質量%が好適で、外観に透明感を与える点で、より好ましくは10〜35質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。水の配合量が0.5質量%未満では水溶性成分の溶解が難しくなることがあり、40質量%を超えると外観に透明感が得られないことがある。
本発明においては、湿潤剤/水の質量比が1.2〜8である。低温での押出し性、透明感のある外観を得る点から、好ましくは湿潤剤/水の質量比が1.5〜5、より好ましくは湿潤剤/水の質量比が2〜4である。湿潤剤/水の質量比が1.2未満では、目的とする外観を得られず、湿潤剤/水の質量比が8を超えると低温での押出し性が充分でない。
粘結剤としては、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩、ポリアクリル酸又はそのナトリウム塩、メチルセルロース、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、カーボポール、ビーガム等が挙げられる。これらの中で、べたつきのなさの点でカラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース塩、ポリアクリル酸ナトリウムが好適である。これら粘結剤は1種又は2種以上を配合することができ、その配合量は、組成物全体の0.1〜2質量%で、使用性(口腔内分散性及び歯ブラシへの乗せやすさ)の点でより好ましくは0.5〜1.6質量%、更に好ましくは0.8〜1.4質量%である。粘結剤の配合量が0.1質量%未満では、歯磨組成物を歯ブラシに取るときに乗せにくくなることがあり、2質量%を超えると口腔内分散性が悪くなる。
カルボキシメチルセルロース塩は、通常口腔用組成物で使用されるものであればいずれでもよいが、25℃、1%水溶液をB型粘度計で測定した粘度が10〜300mPa・s、エーテル化度0.6〜1.0のものが良好である。ポリアクリル酸ナトリウムは、通常口腔用組成物で使用されるものであればいずれでもよいが、25℃における0.5%水溶液の粘度が5〜15Pa・sのものが良好である。
トリメチルグリシンの配合量は、組成物全体の0.1〜30質量%が好ましく、低温での優れた押出し性、優れた口腔内分散性を実現する点でより好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは2〜8質量%である。トリメチルグリシンの配合量が0.1質量%未満では低温での押出し性に十分な効果が得られない場合があり、30質量%を超えると歯磨組成物中に溶解しない場合がある。
本発明の歯磨組成物は、研磨剤を配合することができる。研磨剤としては、公知のものを配合し得るが、特に透明乃至半透明歯磨組成物を得る場合は、非晶質の無水及び含水ケイ酸、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤を用いることが好ましい。この場合、透明感のある外観は研磨剤としてこのようなシリカ系研磨剤を用いると共に、この研磨剤を分散させるベヒクルの屈折率をシリカ系研磨剤の屈折率に近似させることにより得られる。
研磨剤の配合量は、組成物全体の0〜25質量%、より好ましくは1〜25質量%、更に好ましくは5〜25質量%とすることができる。電動歯ブラシ用歯磨組成物には、研磨剤を配合しない場合がある。
更に本発明では、低温での押出し性、使用性(口腔内分散性及び歯ブラシへの乗せやすさ)の効果を妨げずに、透明感のある外観の歯磨組成物に、酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウムから選ばれる少なくとも1種を組成物全体の0.1〜5質量%含有させることにより、透明感ではなく、光沢感のある外観を付与することができる。これらの成分の配合量が0.1質量%未満では十分な光沢感は得られず、5質量%を超えると光沢感がなくなり白色に見えるようになる。
本発明の口腔用組成物には、上述した成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、通常歯磨組成物に使用されている各種の成分を配合することができる。配合することのできる他の成分としては、界面活性剤、甘味剤、香料、pH調整剤及び防腐剤等がある。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤が配合可能である。
アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストリルザルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタルミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタメート、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム等のN−アシルタウレート等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルあるいはプルロニック等が挙げられる。
また、両性イオン界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシンあるいはN−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等が挙げられる。
これら界面活性剤は単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.1〜2質量%とすることができる。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等がある。なお、甘味剤の配合量は、組成物全体の0.01〜5質量%とすることができる。
香料としては、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テレピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油あるいはユーカリ油等が挙げられる。香料の配合量としては、0.001〜2質量%とすることができる。
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸、リンゴ酸などの有機酸及びその塩類、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどの無機化合物などが挙げられる。
本発明の歯磨組成物には、これらの成分以外にも薬効成分あるいは有効成分として、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ等のフッ化物、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、ビタミン類等の抗炎症剤、銅クロロフィル、グルコン酸銅、セチルピリジニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ポリリン酸塩類等の歯石予防剤、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤、グリシン、プロリンなどのアミノ酸類も配合できる。
その他にも、ゼオライト、ハイドロキシアパタイトなどの無機化合物やその造粒物、結晶性セルロース等の有機粉末の造粒物や、寒天、ゼラチン、デンプン、グルコマンナン等の天然高分子や、ポリ酢酸ビニル、アクリル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン等の合成高分子及びそれらの共重合体、カルナバワックス、ロジン、ライスワックス、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、パラフィンワックス等のワックス類、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ウレタン、シリコン、天然ゴム等のラテックスゴムを架橋、重合、成形等することにより得られたもの、又は、これらの原料を混合して得られたものやラメフィルムを用いることができる。ラメフィルムとしては、有機樹脂の積層フィルム末及び有機樹脂積層フィルム中にアルミニウム等の蒸着層を導入した積層フィルム末等、具体的には、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等を用いることができる。
本発明の歯磨組成物は、上述した成分を用いて常法により調製することができるが、透明乃至半透明に調製する場合、上記シリカ系研磨剤として25℃での屈折率が1.400〜1.500のものを使用すると共に、(A)湿潤剤、(C)粘結剤、(D)トリメチルグリシン、その他の水溶性成分を(B)水に溶解して得たベヒクルの25℃における屈折率を1.380〜1.520となるように、特に(A)湿潤剤量を考慮して調製し、上記シリカ系研磨剤との屈折率差を0.000〜0.020とすることが好ましい。より好ましくは、上記シリカ系研磨剤との屈折率差が0.000〜0.010である。なお、試験歯磨組成物を0.5mmの間隔で幅0.2mmの線を2本引いた紙の上に厚さ1cmとなるように乗せたときの線の見え方が、2本ともはっきり見える場合を透明、2本とも見えるが、境目が不明瞭である場合を半透明と定義する。
以下、本発明の歯磨組成物に該当する組成例(即ち、実施例)及び該当しない組成例(比較例)を用い、外観の美しさ、低温での押出し性及び使用性についての実験例を示し、本発明の特徴及び優れた効果を具体的に説明するが、本発明はこの実施例により制限されるものではない。
[実施例1〜10、比較例1〜4]
表1に示した成分を配合した試験歯磨組成物を調製し、外観の美しさ、低温での押出し性及び使用性を以下の方法により評価した。
<外観の透明感>
口径8mmのラミネートチューブに充填した試験歯磨組成物を0.5mmの間隔で幅0.2mmの線を2本引いた紙の上に厚さ1cmとなるように乗せたときの線の見え方により、透明感を評価した。
◎:2本ともはっきり見える(透明)
○:2本とも見えるが、境目が不明瞭(半透明)
△:線は見えるが、2本であることを識別できない
×:全く見えない
<低温での押出し性>
口径8mmのラミネートチューブに充填した試験歯磨組成物を−5℃の恒温槽に1ヵ月間保管したのち、4℃の部屋に移した直後の押出し性を評価した。
◎:軽く力を入れただけで10cm以上の歯磨組成物が押出される
○:やや力を入れて押出すと、5〜10cm未満の歯磨組成物が押出される
△:やや力を入れて押出すと、1〜5cm未満の歯磨組成物が押出される
×:力を入れて押出しても歯磨組成物はほとんど押出されない(〜1cm未満)
<使用性>
1.歯ブラシ上への乗せやすさ
専門パネラー10人を用いた官能試験により評価した。口径8mmのラミネートチューブに充填した試験歯磨組成物を幅6mm、長さ2cmの歯ブラシ上に出したときの乗せやすさを評価した。
3点:歯ブラシ上に乗せやすい
2点:歯ブラシ上に乗せた後、試験歯磨剤がやや不安定である
1点:歯ブラシ上から垂れたり、転がったりして乗せにくい
2.口腔内における分散性の評価
専門パネラー10人を用いた官能試験により評価した。口径8mmのラミネートチューブに充填した試験歯磨組成物を歯ブラシ上に約1.5cm乗せ、通常歯を磨く方法で使用してもらった。使用中の口腔内での歯磨組成物の分散性について以下に示す基準で評価した。
4点:分散性がかなり良い
3点:分散性が良い
2点:分散性が悪い
1点:分散性がかなり悪い
歯ブラシ上への乗せやすさ、及び口腔内における分散性について、専門パネラー10人が評価した結果を平均した値として以下の基準で示した。
◎:歯ブラシへの乗せやすさが2.5点〜3点、かつ口腔内での分散性が3.0点〜4.
0点
○:歯ブラシへの乗せやすさが2.5点〜3点、かつ口腔内での分散性が2.5点〜3.
0点未満
△:歯ブラシへの乗せやすさが1.5点〜2.5点未満かつ口腔内での分散性が2.0点
〜2.5点未満
×:歯ブラシへの乗せやすさが1.5点未満、かつ口腔内での分散性が2.0点未満
Figure 2006117598
実験の結果は表1に示す通りであり、(A)湿潤剤、(B)水、(C)粘結剤を含有し、(A)成分/(B)成分の質量比が1.2〜8であり、更に(D)トリメチルグリシンを含有した歯磨組成物は、外観の透明感がよく、低温での押出し性及び使用性がよいことがわかる。(A)成分/(B)成分の質量比が8より大きいと、やや透明感のある外観になるものの、低温での押出し性及び使用性が優れない。また、(A)成分/(B)成分の質量比が1.2より小さいと低温での押出し性は少し良好になるものの、使用性及び外観の透明性が優れない。一方、(C)成分を含有しないと、使用性がよくない。また、(D)成分を含有しないと低温での押出し性及び使用性が良好な結果が得られない。この実験の結果から、(A)湿潤剤、(B)水、(C)粘結剤を含有し、(A)湿潤剤/(B)水の質量比が1.2〜8であり、更に(D)トリメチルグリシンを含有することにより、外観の透明感が良好で、かつ優れた低温での押出し性及び使用性を達成できることがわかった。
更に、表2に本発明の歯磨組成物に該当する組成の実施例6乃至10を示す。なお、外観の評価は、以下の基準で評価した。
<外観の美しさ>
口径8mmのチューブに充填した試験歯磨組成物を紙の上に押出したときの外観を評価した。
◎:光沢感がある
○:弱い光沢感がある
×:光沢感がない
Figure 2006117598
これらの実施例では、いずれも外観に光沢感を付与し、かついずれも優れた低温での押出し性及び口腔内での分散性を持っていた。
下記組成の歯磨組成物を調製したところ、いずれも外観に透明感もしくは光沢感が付与され、かつ低温での押出し性及び使用性に優れていた。
[実施例11]
ソルビトール(70%) 65% (質量%、以下同様)
プロピレングリコール 3
水 6.74
カルボキシメチルセルロース 1
ポリアクリル酸ナトリウム 0.3
トリメチルグリシン 8
酸化アルミニウム 0.5
ラウリル硫酸ナトリウム 1
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.1
POE(20)硬化ひまし油 0.1
サッカリンナトリウム 0.2
無水ケイ酸 12
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7
トラネキサム酸 0.05
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.01
dl−α−トコフェロール 0.1
香料 1
合計 100.0%
無水ケイ酸の屈折率(25℃):1.444
無水ケイ酸及び酸化アルミニウム以外の成分からなるベヒクルの屈折率(25℃):1.452
[実施例12]
ソルビトール(70%) 10%
グリセリン(85%) 35
ポリエチレングリコール(分子量380〜420) 20
プロピレングリコール 5
水 2.97
カラギーナン 0.6
キサンタンガム 0.5
トリメチルグリシン 3
ラウリル硫酸ナトリウム 0.8
キシリトール 3
サッカリンナトリウム 0.2
無水ケイ酸 15
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7
ε−アミノカプロン酸 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.01
塩化セチルピリジニウム 0.02
ピロリン酸ナトリウム 2
香料 1
合計 100.0%
無水ケイ酸の屈折率(25℃):1.444
無水ケイ酸以外の成分からなるベヒクルの屈折率(25℃):1.448
[実施例13]
ソルビトール(70%) 5%
ポリエチレングリコール(平均分子量380〜420) 60
プロピレングリコール 3
水 10.39
カルボキシメチルセルロース 1
カラギーナン 0.2
トリメチルグリシン 5
酸化チタン 0.5
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
POE(15)セチルエーテル 0.1
サッカリンナトリウム 0.2
無水ケイ酸 10
フッ化ナトリウム 0.2
乳酸アルミニウム 2
トリクロサン 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.01
香料 1
合計 100.0%
無水ケイ酸の屈折率(25℃):1.444
無水ケイ酸及び酸化チタンを除いた成分からなるベヒクルの屈折率(25℃):1.446
[実施例14]
ポリエチレングリコール(平均分子量380〜420) 60%
水 10.79
キサンタンガム 0.8
ポリアクリル酸ナトリウム 0.6
トリメチルグリシン 4
炭酸カルシウム 3
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.2
無水ケイ酸 18
フッ化ナトリウム 0.2
デキストラナーゼ 0.1
メチルパラベン 0.1
ブチルパラベン 0.01
香料 1
合計 100.0%
無水ケイ酸の屈折率(25℃):1.444
無水ケイ酸及び炭酸カルシウムを除いた成分からなるベヒクルの屈折率(25℃):1.445

Claims (3)

  1. (A)湿潤剤、(B)水、(C)粘結剤、及び(D)トリメチルグリシンを含有し、(A)成分/(B)成分の質量比が1.2〜8であり、(C)成分の含有量が組成物全体の0.1〜2質量%であることを特徴とする歯磨組成物。
  2. 研磨剤としてシリカ系研磨剤を含有すると共に、このシリカ系研磨剤と、上記(A)〜(D)成分を含む水溶解性成分を水に溶解して得たベヒクルとの屈折率差が0.000〜0.020であり、透明もしくは半透明に調製された請求項1記載の歯磨組成物。
  3. 更に、(E)成分として、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウムから選ばれる少なくとも1種を組成物全体の0.1〜5質量%含有する請求項1又は2記載の歯磨組成物。
JP2004308411A 2004-10-22 2004-10-22 歯磨組成物 Expired - Fee Related JP4539832B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004308411A JP4539832B2 (ja) 2004-10-22 2004-10-22 歯磨組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004308411A JP4539832B2 (ja) 2004-10-22 2004-10-22 歯磨組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006117598A true JP2006117598A (ja) 2006-05-11
JP4539832B2 JP4539832B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=36535831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004308411A Expired - Fee Related JP4539832B2 (ja) 2004-10-22 2004-10-22 歯磨組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4539832B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150335A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Lion Corp 歯磨剤組成物
JP2010150154A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Lion Corp 歯磨剤組成物
JP2011132277A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Dow Corning Toray Co Ltd 液体洗剤組成物、その調製方法及びその透明化方法
US8491873B2 (en) 2009-06-04 2013-07-23 Kao Corporation Dentifrice
JP2013159604A (ja) * 2012-02-09 2013-08-19 Lion Corp 歯磨剤組成物
JP2013237632A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Kawamoto Sangyo Kk 口腔保湿剤
CN104149454A (zh) * 2014-08-20 2014-11-19 昆山博益鑫成高分子材料有限公司 一种防刮保护膜
WO2022075422A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14 ライオン株式会社 歯磨剤組成物

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6115824A (ja) * 1984-06-29 1986-01-23 Lion Corp 流動性組成物
JPS63112509A (ja) * 1986-10-27 1988-05-17 Kao Corp 歯磨組成物
JPH0925221A (ja) * 1995-07-12 1997-01-28 Lion Corp 舌苔除去剤
JPH09241139A (ja) * 1996-03-07 1997-09-16 Kao Corp 口腔用組成物
JPH11217320A (ja) * 1998-01-29 1999-08-10 Kao Corp 練歯磨組成物
JP2001508423A (ja) * 1997-01-03 2001-06-26 フィンフィーズ フィンランド エルティーディー. 湿潤させる製剤
JP2003081799A (ja) * 2001-06-27 2003-03-19 Lion Corp 練歯磨剤組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6115824A (ja) * 1984-06-29 1986-01-23 Lion Corp 流動性組成物
JPS63112509A (ja) * 1986-10-27 1988-05-17 Kao Corp 歯磨組成物
JPH0925221A (ja) * 1995-07-12 1997-01-28 Lion Corp 舌苔除去剤
JPH09241139A (ja) * 1996-03-07 1997-09-16 Kao Corp 口腔用組成物
JP2001508423A (ja) * 1997-01-03 2001-06-26 フィンフィーズ フィンランド エルティーディー. 湿潤させる製剤
JPH11217320A (ja) * 1998-01-29 1999-08-10 Kao Corp 練歯磨組成物
JP2003081799A (ja) * 2001-06-27 2003-03-19 Lion Corp 練歯磨剤組成物

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008150335A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Lion Corp 歯磨剤組成物
JP2010150154A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Lion Corp 歯磨剤組成物
US8491873B2 (en) 2009-06-04 2013-07-23 Kao Corporation Dentifrice
JP2011132277A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Dow Corning Toray Co Ltd 液体洗剤組成物、その調製方法及びその透明化方法
JP2013159604A (ja) * 2012-02-09 2013-08-19 Lion Corp 歯磨剤組成物
JP2013237632A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Kawamoto Sangyo Kk 口腔保湿剤
CN104149454A (zh) * 2014-08-20 2014-11-19 昆山博益鑫成高分子材料有限公司 一种防刮保护膜
WO2022075422A1 (ja) * 2020-10-09 2022-04-14 ライオン株式会社 歯磨剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4539832B2 (ja) 2010-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5790455B2 (ja) 歯磨剤組成物
KR20150094676A (ko) 아연 함유 조성물용 계면활성제 시스템
AU2006202662A1 (en) Oral care compositions, devices, and methods of using the same
JP2002187809A (ja) 歯牙コーティング剤
JP5527219B2 (ja) 練歯磨組成物
JP4539832B2 (ja) 歯磨組成物
TW200927184A (en) Dentifrice composition containing silicone oil beads
JP4645830B2 (ja) 歯磨組成物及び歯磨組成物の耐乾燥性を向上する方法
JP2007320894A (ja) 歯磨組成物
JP5614020B2 (ja) 歯磨組成物
JP2001302428A (ja) 歯牙被覆用組成物
JP2006104101A (ja) 口腔用組成物
JP2009137897A (ja) 歯磨組成物
JP5573120B2 (ja) 練歯磨剤組成物
JP2009149540A (ja) 歯磨組成物
JP3189549B2 (ja) 口腔用組成物
JP2009155218A (ja) 歯磨剤組成物
CN111902125B (zh) 口腔用组合物及α-烯烃磺酸盐的苦味改进剂
JP5627190B2 (ja) 歯磨組成物
JP7347916B2 (ja) 歯磨剤組成物
JP3511727B2 (ja) 口腔用組成物
JP2010150146A (ja) 歯磨剤組成物
JP7371351B2 (ja) 口腔用組成物
JP7163623B2 (ja) 歯磨剤組成物及び嫌味の低減剤
JP7347416B2 (ja) 口腔用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070720

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100602

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4539832

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100615

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140702

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees