以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図1ないし図11に沿って説明する。なお、本実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第1種特別電動役物のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物や所謂第3種特別電動役物のパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
図1は本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図、図2は当該パチンコ機に搭載されたセンター飾り(ユニット役物)を単体で示す斜視図、図3は当該センター飾りを示す正面図、図4は、図3に示したセンター飾りを同図A-A線に沿って切断して上方から見た状態で示す平面図、図5はセンター飾りに備えた振り分け装置の分解斜視図、図6はクルーンを拡大して示す斜視図、図7は図6のクルーンを上方から見た状態で示す平面図、図8は本パチンコ機の制御系を示すブロック図、図9は本パチンコ機による作動を説明するためのフローチャート、図10は図柄表示装置に表示される表示内容を示す図であり、同図(a)〜(d)は夫々、表示されるキャラクタの状態が順次変化する様子を示す図である。また図11は、図柄表示装置に表示される表示内容を示す図であり、同図(a)及び(b)は夫々、表示されるキャラクタの状態が成長最終段階に変化する様子を示す図である。
パチンコ機1は、発射ハンドル9の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤7の遊技領域7aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー17(図1参照)に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり)とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
図1に示すように、本実施形態におけるパチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体2と、この筐体2に開閉可能に装着された前扉3とを有しており、前扉3の前面には、透明ガラス(図示せず)を有するガラス枠5が開閉可能に取り付けられている。透明ガラスの奥側には、遊技盤7が配置されている。前扉3における遊技盤7の左右上方には演出用照明装置23が配置されており、前扉3における遊技盤7の下方左部にはスピーカ(図示せず)を有する放音装置8が配置されている。また、ガラス枠5における右側部には、前扉3を筐体2側に施錠又は解放するための施錠装置4が配置されている。なお、筐体2及び前扉3等から遊技機本体が構成されている。
前扉3における遊技盤7の下方には上皿13が設けられており、上皿13における左上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口18が設けられ、上皿13における右上部壁面には、球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bが設けられている。
また、前扉3における上皿13の下方には下皿15が配置されており、該下皿15の右部には、不図示の球発射装置を操作して遊技球を遊技領域7aに向けて打ち出すための発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿15の球収容部15aには、上皿13からオーバーフローした遊技球が放出される球放出口19が形成されており、下皿15の左部には灰皿24が配置されている。なお、図1中の符号10は、発射ハンドル9の操作で発射された遊技球を遊技盤7の遊技領域7aに導くガイドレールを示し、符号22はアウト口を示している。また、本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域7aにて入賞することなく落下してアウト口22に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
遊技領域7aには、遊技球ステージSを有するセンター飾り(ユニット役物)12が中央部分に配設されている。センター飾り12の下部左右には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口29,30が配設されており、センター飾り12の下方には、入賞口としての始動チャッカー16と、大入賞口としてのアタッカー17とが順次配設されている。
センター飾り12の中央部分には開口11が形成されており、遊技盤7には、この開口11から露出するように図柄表示装置6が設けられている。センター飾り12は、図柄表示装置6の右側に振り分け装置25を備えており、この振り分け装置25は、鉛直方向で上下2段に重なるように配置された第1及び第2クルーン33,34を備えている。上記始動チャッカー16は、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように、始動チャッカー開閉ソレノイド103によって作動させられる。なお、始動チャッカー16の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘70が打ち込まれている。
上記「クルーン」という語句は、底面が曲面状に形成され、且つこの底面に複数個の表裏貫通孔を備え、底面上に転動されてきた遊技球を引き続き転動させつつ、貫通孔のいずれかに落下させる役物を意味する。
始動チャッカー16には、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われる。また、アタッカー17は、大当たり発生時に開放され、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する遊技球Baを入賞させる。アタッカー17は、大当たり発生中、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
更に遊技領域7aには、図柄表示装置6の左上方に風車44が配設されており、図柄表示装置6の下方における始動チャッカー16の左右には、スルーゲート61a,61bが配設されている。これらスルーゲート61a,61bは、始動チャッカー16を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
そして、遊技領域7aにおけるスルーゲート61a,61b、入賞口29,30及び始動チャッカー16等の周囲には、遊技球ステージSから零れた遊技球や、発射されてから遊技球ステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘54を含む多数の障害釘が打ち込まれている。また、遊技球ステージSにおけるワープ導入口32の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘28を含む多数の障害釘が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域7に打ち出された遊技球Baを始動チャッカー16等に、遊技球ステージSを介して入球させ又は遊技球ステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域7aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域7aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー16の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域7aにおいて始動チャッカー16左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー16方向に導く役割を担っている。
次に、センター飾り12について図2ないし図4を参照して説明する。
すなわち、図2ないし図4に示すように、センター飾り12は、上記開口11を中央部に有する略筒状の枠体12aを備えており、枠体12aの周囲には、その複数箇所から外方に張り出すようにブラケット部27が形成されている。各ブラケット部27には、夫々枠体12aを遊技盤7に埋め込んだ形でネジ止めするために表裏貫通した孔27aが形成されている。
枠体12aは、その上部中央にワープ導入口32を有しており、このワープ導入口32から図の右下方に次第に細くなるように湾曲する形状の稲妻模様31を有している。また、枠体12a下部におけるブラケット部27には、遊技球ステージSの所定部位に連通する球放出口(遊技球放出口)53が形成されており、この球放出口53は、始動チャッカー16の直上方に位置して、放出する遊技球Baが一対の障害釘70の間を通って始動チャッカー16にほぼ確実に(つまり、97〜99%の確率で)入賞し得るように構成されている。
センター飾り12は更に、開口11の右方に、ワープ導入口32と遊技球ステージSとの間に配置されて、ワープ導入口32から導入された遊技球Baの進路を振り分ける振り分け装置25を備えている。遊技球ステージSは、振り分け装置25にて振り分けられたルートの遊技球Baを始動チャッカー16に比較的高い確率(97〜99%(つまり、略100%))で入賞させ得る第1ステージS1と、振り分け装置25にて振り分けられたルートの遊技球Baを始動チャッカー16に比較的低い確率(0〜96%、より好ましくは35〜45%)で入賞させ得る第2ステージS2とを備えている。なお、振り分け装置25によって振り分けられるルートには、第1ステージS1への高確率入賞ルート(第1ルート)及び第2ステージS2への低確率入賞ルート(第1ルートより低確率の第2ルート)以外に、第2クルーン34から落下した際に遊技球ステージSの外方に放出されるルートも含まれる。
遊技球ステージS、即ち第1ステージS1及び第2ステージS2は夫々、左右に比較的長尺に延在する平坦面として形成されると共に、同図右方から左方に向かって下降するように傾斜して形成されている。つまり、第1及び第2ステージS1,S2は、同図右方(一側)から遊技球ステージSの左右幅方向の左方(他側)に向かって徐々に下降するように傾斜して形成されている。この傾斜の角度θ(図3参照)は、2〜5゜の範囲内で適宜設定することができるが、4゜に設定することが、遊技球Baの転がり状態を円滑にする上で好ましい。
また、遊技球ステージS、即ち第1ステージS1及び第2ステージS2は夫々、遊技機本体の奥側から手前側に向かって徐々に下降するように傾斜する遊技球転動面として構成されている。この傾斜角度は、2〜5゜の範囲で適宜設定することができるが、パチンコ機1全体の所謂ネカセ(通常は後方側に1゜傾斜)に鑑み、5゜に設定することが、遊技球Baの転がり状態を円滑にする上で好ましい。つまり、奥側から手前側への傾斜が5゜の場合、ネカセ分の1゜が減算されて4゜となり、最良の傾斜状態が得られることになる。
第1ステージS1は、同図の右側に配置された振り分け装置25から送られた遊技球Baを図の右方から左方に向かって転動させる平坦状の転動面71と、該転動面71の奥側及び手前側の2面を区画する側壁41,42と、転動面71の最後部、つまり傾斜に沿った最も低い部分に、転動移動してきた遊技球Baを全て球放出口53に導く球導入口45とを備えている。側壁41,42の転動面71側を向く内面には、発光ダイオード(以下、LEDと言う)が埋め込まれており、その照射光が転動面71を適時照明することとなる。第1ステージS1における上記転動面71は、遊技球Baを1個ずつ転動案内できる程度の奥行き幅に構成されている。互いに対向して立設された側壁41,42の内面には、第1ステージS1の長手方向に沿って互い違いに(つまり千鳥状に)配置された転動速度抑制用の複数の突部43が形成されている。
第2ステージS2は、同図の右側に配置された振り分け装置25から送られた遊技球Baを図の右方から左方に向かって転動させる平坦状の転動面72と、該転動面72の奥側及び手前側の2面を区画する側壁42,73と、転動面72の最後部の一側部に形成されて放出口53に連通する球導入口49とを備えている。つまり、この球導入口49は、第2ステージS2においての傾斜に沿った最も低い部分に、転動移動してきた複数の遊技球Baのうちの一部を球放出口53に導くように設けられている。球導入口49の周囲には、転動面72の左方への更なる転動移動を阻止して球導入口49への落下を確実にさせるための保護枠50が形成されている。
第2ステージS2における上記転動面72は、遊技球Baを複数個ずつ転動案内できるような、第1ステージS1より広い奥行き幅(約3倍)に構成されている。互いに対向して立設された側壁42,73の内面には、第2ステージS2の長手方向に沿って互い違いに(つまり千鳥状に)配置された転動速度抑制用の複数の突部46が形成されている。また転動面72には、振り分け装置25側における遊技者側(図の手前側)から落下案内溝52に向かって順に千鳥状に位置する9個の凸部47が設けられている。凸部47の当該個数は9個に限定されることはなく、必要に応じて設計時に適宜変更され得るものである。
上記複数個の凸部47では、最後部の凸部47Aに対する遊技球Baの方向や強さを含む弾接状況に応じて、球導入口49への入球度合いが変わる。複数の凸部47は、夫々透明材料からなり、球面状に上方に突出する形状を呈すると共に、各中心部47aは、転動面72内に埋め込まれたLEDからの光を上方に向けて射出するように形成される。
なお、上記透明材料の「透明」という語句は、濁りなく完全に透き通る状態のみならず、内方のLEDから問題無く光照射させ得る全ての状態を含む概念である。
ところで、第2ステージS2の最も左側の位置には、図1に示すスルーゲート61aの上方に位置するように位置決めされた落下案内溝52が形成されている。この落下案内溝52は、遊技球ステージSの前後方向(紙面手前−奥方向)に延在するように形成されており、第2ステージS2の転動面72を転動してきて球導入口49に入球できなかった遊技球Baをステージ前方側に案内できるように、奥側から手前側に向かって徐々に下降するように傾斜して形成されている。
一方、振り分け装置25は、図2及び図3の上方から見た平面視(図4参照)において重なるように上下2段に配置された第1及び第2クルーン33,34を備えている。鉛直方向上方に位置する第1クルーン33側には、ワープ導入口32から導入されて、上記稲妻模様31内の案内溝74(図3参照)を転動移動した後、垂直方向案内溝67(図3参照)を通って落下する遊技球Baを放出する放出口56が設けられている。
第1クルーン33には、放出口56から放出された遊技球Baを、裏面に固定された案内樋62を介して下方の第2クルーン34側に落下させるための貫通孔35と、裏面に固定された案内樋63を介して第2クルーン34の下部側の排出口66に放出するための貫通孔36とが、センター飾り12の左右方向(つまり、図1ないし図4における左右方向)に並んで配置されている。なお、図3中の符号75は、演出用の照明装置を示している。
また、鉛直方向下方に位置する第2クルーン34側には、上方の第1クルーン33から案内樋62を介して放出口57から放出された遊技球Baを、裏面に固定された案内樋64を介して第1ステージS1に導入するための貫通孔37と、裏面に固定された案内樋65を介して、第2ステージS2の右前端部の当接部材51の振り分け部51aに落下させるための貫通孔38とが、センター飾り12の左右方向(つまり、図1ないし図4における左右方向)に並んで配置されている。
そして、図2に示すように、放出口56から第1クルーン33に至るまでの経路には、同図の左方に向かって下降するように傾斜する傾斜案内面58が形成されている。また、放出口57から第2クルーン34に至るまでの経路にも、同様の形状を有する傾斜案内面が形成されている。
ここで、図6及び図7に沿って、第1及び第2クルーン33,34をより詳細に説明する。なお、これら両クルーン33,34は相互に同じ構成を有するため、ここでは第1クルーン33の構成のみを説明し、基本的に第2クルーン34については省略することとする。
すなわち、第1クルーン33は、図7に示す上下左右の位置関係を保持した状態で遊技球ステージS右側の振り分け装置25に位置決め固定(図4参照)されるように構成されており、突起78を中心とした平面視真円状の転動案内面33aと、この転動案内面33aの図7における左右幅方向の一側と他側に位置する貫通孔35,36と、遊技球ステージSの奥側(図7の上側)に延びる傾斜案内面58と、傾斜案内面58の周囲を互いに直交する形で覆う側壁33c,33d,33eと、側壁33dから延びて転動案内面33aの周囲を円筒状に覆う側壁33bとを有している。なお、貫通孔36の内径が貫通孔35の内径より若干大きく形成されている。
図6に示すように、傾斜案内面58は、同図上方から落下して側壁33cの内側で受け止めた遊技球Baを転動案内面33aに向けて転動移動できるように、全体的に転動案内面33aから所定高さの段差58c以上の高さを有するように設計されている。当該第1の案内面58aは、側壁33cの内側で受け止めた遊技球Baを側壁33d側に寄せつつ転動案内面33aに向けて転動移動させ得るように、側壁33d側と転動案内面33a側に同時に傾斜する第1の案内面58aと、この第1の案内面58aに連続して転動案内面33a側に傾斜しつつ細く延びる第2の案内面58bとを有している。
第1クルーン33は、図6及び図7に示すように、貫通孔35と貫通孔36との間の接続部の中央に上記突起78を有しており、この突起78を貫通孔35,36の夫々に向かって傾斜する傾斜面69と、転動案内面33aから当該傾斜面69に向かって傾斜する傾斜面68とを有している。傾斜面68は、傾斜案内面58に受け止められて(図7の二点鎖線Ba1参照)転動案内面33aの円筒状の内面に沿って転動する遊技球(図7の二点鎖線Ba2参照)が転動案内面33aの中心側に至った際(図7の二点鎖線Ba3参照)、この遊技球Ba3を、貫通孔35,36のいずれかに進入し易くなるように案内する。そして突起78は、当該進入時、例えば貫通孔36側に入球しようとしながらも貫通孔35側に流れそうになる遊技球Ba3を、そのまま貫通孔36側に入球させるように補助する機能を有する。この機能は、貫通孔35側から貫通孔36側への移動時にも同様に働くことは言うまでもない。
第1クルーン33では、所定寸法(例えば180〜200[mm]の範囲内)の半径を有する球体の一部をカットした球面形状を転動案内面33aとして用いている。このため、突起78は、当該球面形状の中心に位置する突起78の一側及び他側に並ぶように形成された貫通孔35,36夫々の側壁33b側と突起78側との段差の存在に起因した、貫通孔35,36間での上述の遊技球流れを補助し得る程度の高さ寸法(例えば2〜4[mm]の範囲内)に設定されている。
また、第1クルーン33は、図7を参照すると理解できるように、傾斜案内面58側から転動して側壁33bの内周面に沿って転動してくる遊技球Ba3を、第2ステージS2に導く貫通孔36側に進入し易くする目的から、図3に示す装着状態において転動案内面33aの同図右側が所定寸法だけ同図左側より高くなるように傾斜され(例えば0.3〜0.5[゜]の範囲内)、予め側壁33b等に対する相対位置が定められた形で製作されている。当該構造が第2クルーン34においても同様であることは言うまでもない。
また、図2及び図3に示すように、センター飾り12における開口11の右端部には、振り分け装置25の左端部にあって上下方向(鉛直方向)に延設された照明装置39が配置されている。この照明装置39は、長手方向に沿って一定間隔で配置された状態で前方を向く複数の射出窓40を備えると共に、これら射出窓40より少数で長手方向に沿って配置された不図示の射出窓を備えている。射出窓40は、遊技者に対し光照射して種々の演出を行うためのものであり、不図示の上記射出窓は、振り分け装置25側に光照射して第1及び第2クルーン33,34及びその近傍を照明するためのものである。
ここで、上記振り分け装置25の詳細な構造について図5に沿って説明する。同図に示すように、振り分け装置25は、第1及び第2クルーン33,34等を前後方向(図5の左右方向)から挟み込んでセンター飾り12の本体側に支持すると共に、照明装置39の外郭をなす前枠83a及び後枠83bを備えている。
前枠83aには、上下方向に射出窓40が多数配列されており、当該上下方向の中段及び下段の位置に夫々、第1クルーン33の前側を覆った形で支持する第1カバー部材80と、第2クルーン34の前側を覆った形で支持する第2カバー部材81とが前枠83aの本体と一体に設けられている。
第1クルーン33及び第2クルーン34双方の下面には夫々、球受け部材R1,R2が固定されている。球受け部材R1は、上述した案内樋62及び案内樋63を一体に有しており、これら案内樋62,63は夫々、遊技球案内溝62a,63aを有している。球受け部材R2は、上述した案内樋64及び案内樋65を一体に有しており、これら案内樋64,65は夫々、遊技球案内溝64a,65aを有している。
球受け部材R1の案内樋63は、遊技球案内溝62aの上側には、磁気等を検出媒体として金属製の遊技球Baの通過を検知する近接スイッチから構成されて、下方の第2クルーン34への遊技球Baの落下を検知する第1段階通過検知センサ112が位置決め固定されている。この第1段階通過検知センサ112は、放出口56から導入されて遊技球案内溝62aに落下する遊技球Baを通過させる通過孔112aを有している。
球受け部材R2の案内樋64は、その前面にシール110が貼付されており、遊技球案内溝64aの上側には、上記と同様の近接スイッチから構成されて、第1ステージS1への遊技球Baの導入を検知する第2段階通過検知センサ82が位置決め固定されている。この第2段階通過検知センサ82は、第2クルーン34の貫通孔37から導入されて遊技球案内溝64aに落下する遊技球Baを通過させる通過孔82aを有している。
前枠83aにおける射出窓40の背面側には、透明材料からなる飾りレンズ部材88が位置決め固定されている。該飾りレンズ部材88の内方空間88aには、多数の発光ダイオード(以下、LEDと言う)89が実装された電飾基板86が挿入配置される。また、飾りレンズ部材88の開口11側(図2参照)に向いた外側面にはシール87が貼付される。
後枠83bは、センター飾り12のワープ導入口32から導入された遊技球Baが進入する進入孔79と、該進入孔79から進入した遊技球Baを自重落下させるべき垂直方向案内溝67(図3参照)の前壁を構成する壁部67aと、該壁部67aの最下部に形成された放出口56(図3参照)と、該放出口56の下方に位置して、球受け部材R1の遊技球案内溝62a及び63aに夫々連通すべき連通口112及び90とを備えている。後枠83bは更に、第1クルーン33の貫通孔35から連通口112に導入された遊技球Baを第2クルーン34上に放出すべき放出口57(図3参照)と、第2クルーン34の貫通孔37に落下した遊技球Baを球受け部材R2の遊技球案内溝64aから受けて第1ステージS1に送るための球連絡孔91と、連通口90に導入された遊技球Baを第2ステージS2上に排出する排出口66とを備えている。
前枠83aと後枠83b間には、前枠83a及び後枠83bの相互間に位置決め固定されて、電飾基板86のLED89による光照射を反射して第1及び第2クルーン33,34等を効果的に照明するための上側反射板84及び下側反射板85が固定される。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図8に沿って説明する。すなわち、本制御系は、主基板92と、この主基板92に接続されたサブ基板105とを備えている。主基板92は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。
主基板92は、入賞判定手段93、入賞信号出力手段94、第1抽選手段95、第2抽選手段96、第1遊技制御手段97、保留手段98、作動制御手段99、作動判定手段100、及び作動決定手段101を備えている。また主基板92には、始動チャッカー開閉ソレノイド103、アタッカー開閉ソレノイド104、及び始動チャッカー入賞検知センサ(遊技球入賞検知センサ)109が接続されている。
入賞判定手段93は、発射ハンドル9の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域7aに打ち出された遊技球が始動チャッカー16、入賞口29,30、アタッカー17等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段94は、入賞判定手段93によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー16、入賞口29,30、アタッカー17等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
第1抽選手段95は、入賞信号出力手段94からの入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
第2抽選手段96は、第1抽選手段95での大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。第2抽選手段96はまた、第1抽選手段95での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。第2抽選手段96はまた、第1抽選手段95での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。
第1遊技制御手段97は、予め設定された演出データや第2抽選手段96での抽選結果に応じて、図柄表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板105の第1表示制御手段107に送信する。
保留手段98は、第2抽選手段96から出力された変動パターンコマンドを入力し、始動チャッカー16への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、図柄表示装置6に備えた保留球表示部(図示せず)に、例えば最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段98は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー16への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段98は、保留(記憶)している変動パターンコマンドを順次第1表示制御手段107に送信し、この送信した変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段98は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段95で行われる始動チャッカー16への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段99は、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド103に駆動信号を送って該ソレノイド45を作動させて始動チャッカー16を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段99は、アタッカー開閉ソレノイド104に駆動信号を送って該ソレノイド41を作動させ、第1抽選手段95での抽選による大当たり発生時にアタッカー17を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段100は、始動チャッカー開閉ソレノイド103及びアタッカー開閉ソレノイド104を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド103にあって、始動チャッカー16の開閉の「条件を満たす」時とは、主基板92において第1抽選手段95の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド104にあって、アタッカー17の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー17の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段101は、作動判定手段100からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド103、アタッカー開閉ソレノイド104の作動開始を夫々に決定する。
始動チャッカー開閉ソレノイド103は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー16を開閉動作させる。
アタッカー開閉ソレノイド104は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー17を開閉動作させる。
始動チャッカー入賞検知センサ109は、前述した第2段階通過検知センサ82と同様の近接スイッチから構成されて、始動チャッカー16内の遊技球通過経路に配置されるもので、始動チャッカー16に進入した遊技球Baの通過を検知し、その検知信号を主基板92に送信する。
一方、サブ基板105は、演出制御手段106、第1表示制御手段107、第2表示制御手段108、及び第2遊技制御手段102を有しており、サブ基板105には、放音装置8、演出用照明装置23、図柄表示装置6、ワープ導入検知センサ113、第1段階通過検知センサ(遊技球通過検知センサ)112、及び第2段階通過検知センサ(遊技球通過検知センサ)82が接続されている。
演出制御手段106は、主基板92中の上記マイクロプロセッサから供給される信号に従って、放音装置8、演出用照明装置23を適時駆動して、遊技者の視覚及び聴覚に訴える演出表示を行う。
第1表示制御手段107は、第1遊技制御手段97から送信された演出内容に関する信号に従って図柄表示装置6を適時駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
第2表示制御手段108は、第2遊技制御手段102から送信された演出内容に関する信号と制御コマンドとに従って図柄表示装置6を適時駆動し、図10(a)〜(e)及び図11(a),(b)に記載されるようなキャラクタ成長内容の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
第2遊技制御手段102は、後述する図10(a)〜(e)及び図11(a),(b)に記載されるようなキャラクタch1〜ch7が段階的に成長する演出内容に関する信号を、第2抽選手段96での抽選結果に応じて、制御コマンドと共に第2表示制御手段108に送信する。なお、上記「第2抽選手段96での抽選結果に応じて」とは、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選の状況に伴い、確変当たりや通常当たりの対応図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃うような所謂激熱のスーパーリーチが発生したり、大当たりに当選しておらず外れ図柄が最終的に揃うようなスーパーリーチが頻発したりする際に、第2遊技制御手段102は、同じ図柄表示装置6の画面上で、遊技者が注目したいスーパーリーチとキャラクタ成長演出とが交錯しないようにするため、状況に応じてキャラクタ成長演出をキャンセルすることがある、という意味である。
すなわち、第2遊技制御手段102は、同種のキャラクタが複数の状態ch1,ch2,ch3,ch4,ch5,ch6,ch7に時系列的に成長する(図10及び図11参照)ように予め設定されたキャラクタデータを格納し、ワープ導入検知センサ113から送信された検知信号に基づき、図柄表示装置6にキャラクタを初期段階の状態(図10(a)に示すch1)で表示するように、第2表示制御手段108を介して制御する。第2遊技制御手段102は更に、当該ワープ導入検知センサ113の検知信号に続いて、第1段階通過検知センサ112、第2段階通過検知センサ82からの検知信号を順次受ける都度、キャラクタを、初期段階の状態(ch1)に続いて成長した各段階の状態(図10(b)〜図10(e)に示すch2〜ch5)で順次表示するように、第2表示制御手段108を介して制御する。
そして、第2遊技制御手段102は、第2段階通過検知センサ82からの検知信号を受信した後、所定時間(例えば1秒以上且つ1.5秒以内)の範囲内で始動チャッカー入賞検知センサ109からの検知信号を受信した時点で、振り分け装置25における比較的高い確率の高確率入賞ルート(第1ルート)への経路を通過した同一の遊技球Baが始動チャッカー16に入賞したと判定して、図柄表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共に第2表示制御手段108に送信し、該第2表示制御手段108を介して、図柄表示装置6にキャラクタの成長最終段階の状態(図11(a),(b)に示すch6,ch7)を表示するように制御する。
上記キャラクタデータには、時系列的に成長するキャラクタの状態が、図10(a)〜(e)及び図11(a),(b)のch1〜ch7に示すように、図柄表示装置6での表示位置が成長に伴って順次変化するように予め設定されている。
なお、上記第2遊技制御手段102及び第2表示制御手段108によって、本発明に係る演出表示手段が構成されている。
放音装置8、演出用照明装置23及び図柄表示装置6は、上述したように各制御に応答して音、光等の発生により、通常時の演出や大当たり時における特別な演出等を行う。
ワープ導入検知センサ113は、ワープ導入口32に導入された遊技球Baを検知し、その検知信号を第2遊技制御手段102に送信する。
第1段階通過検知センサ112は、第1クルーン33の貫通孔35に導入されて第2クルーン34に落下する(つまり、第1ステージS1への第1ルート側に通過する)遊技球Baを検知し、その検知信号を第2遊技制御手段102に送信する。
第2段階通過検知センサ82は、第2クルーン34の貫通孔37に導入されて第1ステージS1に送られる(つまり、第1ステージS1への第1ルート側に通過する)遊技球Baを検知し、その検知信号を第2遊技制御手段102に送信する。
次に、本パチンコ機1による作用について、図9のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域4に向けて連続的に発射される。すると、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー16や入賞口29,30に適時入賞し、或いは、これらに寄与せずに転動落下して、遊技領域7a最下部のアウト口22から遊技盤7背面側に排出される。
つまり、遊技領域7aに向けて打ち出された多数の遊技球Baは、その一部がワープ導入口32から導入される。ワープ導入口32から導入された遊技球Baは、案内溝74(図3)を通って垂直方向案内溝67を落下し、不図示の落下速度抑制機構によって落下速度を軽減された後、放出口56から傾斜案内面58を経由して第1クルーン33の側壁33b内に放出され、この側壁33bの内面に沿って回転するように転動する。第1クルーン33上の遊技球Baは、摩擦抵抗等に起因して転動速度が弱まった段階で、球面状に形成されて低くなっている中心部分に導かれ、貫通孔35,36のいずれかに落下することとなる。
貫通孔35に落下した場合、遊技球Baは、案内樋62から傾斜案内面(図示せず)を経由して第2クルーン34上の側壁内に放出され、この側壁の内面に沿って回転するように転動する。そして、第2クルーン34上の遊技球Baは、摩擦抵抗等に起因して転動速度が弱まった段階で、第1クルーン33と同様形状の中心部分に導かれ、貫通孔37,38のいずれかに落下することとなる。
一方、第1クルーン33の貫通孔36に落下した場合、遊技球Baは、案内樋63から排出口66を経由して第2ステージS2に向けて放出され、この第2ステージS2をその傾斜に沿って図2の左方向に、複数の凸部47に任意に当接しつつ転動し、最後端の凸部47Aに適切な角度で当接する等の偶然的な要件を満たした場合、球導入口49に導入されて球放出口53から始動チャッカー16に入賞し、或いは球導入口49に入球できずに落下案内溝52から下方のスルーゲート61aに向けて落下されることとなる。なお、球導入口49に導入された場合であっても、障害釘70への当接状況により始動チャッカー16に入賞できない場合があることは言うまでもない。
第2ステージS2を遊技球Baが転動する途中、転動面72では各凸部47の中心部47aに対応するLEDが、制御部(図示せず)からの信号に応答して、予め定められたタイミングで流れるように円滑に発光し、あたかも格闘技のリングを選手が移動するように、遊技球Baに対する演出効果を高める。
そして、第2クルーン34において貫通孔37に落下した場合、その遊技球Baは、第2段階通過検知センサ82によって通過が検知されると共に、案内樋64を介して第1ステージS1の最右端部に放出され、転動面71の傾斜に沿って、その進行方向の左右に位置して突出する転動速度抑制用の複数の突部43に交互に当接しながら緩やかに転動移動する。
更に、最後部にて球導入口45に入球して球放出口53から始動チャッカー16に入賞することとなる。この際も、球導入口49に導入されても始動チャッカー16に入賞できない場合があることは言うまでもない。第1ステージS1を遊技球Baが転動する途中、側壁41,42に埋め込まれたLEDが、制御部(図示せず)からの信号に応答して、予め定められたタイミングで流れるように円滑に発光し、あたかも格闘技のリングを選手が移動するように、遊技球Baに対する演出効果を高める。
なお、第2ステージS2から落下する遊技球Baは、その落下方向が、始動チャッカー16上の一対の障害釘70の間を通過して入球し得る方向と異なるとしても、当該障害釘70の左右に打ち込まれた不図示の所謂ジャンプ釘や、当該ジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾かれることにより、所謂命釘である障害釘70に絡んでその間を落下して始動チャッカー16に入球することもある。
ところで、上述したように始動チャッカー16や入賞口29,30の何れかに遊技球Baが入賞した場合、入賞判定手段93が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段94が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段98は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンコマンドを、第1遊技制御手段97を介して第1表示制御手段107に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段98は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段95で行われる始動入賞口26a又は26bへの入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
そして、大当たり抽選で当選した場合(ステップS3)、第1抽選手段95が当たりフラグをオンすると、第2抽選手段96が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
これにより、ステップS4において、図柄表示装置6に表示されるべき当たり図柄がセットされ、第2抽選手段96は、その旨の変動パターンコマンドを出力すると共に、当該変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置6に表示される外れ図柄がセットされ、第2抽選手段96は、その旨の変動パターンコマンドを出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、第1遊技制御手段97が、図柄表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共にサブ基板105の第1表示制御手段107に送信することに基づき、第1表示制御手段107が、図柄表示装置6を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
そして、第1抽選手段95での抽選結果が図柄表示装置6の画面上に表れると、作動制御手段99が、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド104に駆動信号を送り、当該ソレノイド41を作動させてアタッカー17を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー17に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口18から上皿13に払い出されることとなる(ステップS6)。
また、上述した遊技中、図9(a)に示すステップS1〜S6の一連の処理に並行して、図9(b)のステップS7に示す演出表示処理が適時進められる。すなわち、当該演出表示処理では、以下のような処理が実施されることとなる。
つまり、遊技領域7aに打ち出された遊技球Baが、上述したようにセンター飾り12のワープ導入口32から導入されると、ワープ導入検知センサ113が、導入された当該遊技球Baを検知しその検知信号を第2遊技制御手段102に送信する。これにより、第2遊技制御手段102が、上記検知信号に基づき、図柄表示装置6にキャラクタを初期段階の状態(図10(a)に示すch1)で表示するように、第2表示制御手段108を介して制御する。
更に、上記遊技球Baが放出口56から第1クルーン33に送られると、この遊技球Baは、転動案内面33a上を転動しつつ、貫通孔35又は36に導入されて落下する。この際、貫通孔36に落下した場合には、案内樋63の遊技球案内溝63aを経由して排出口66から第2ステージS2に放出されることとなる。
一方、上記転動案内面33a上の遊技球Baが貫通孔35に落下した場合、当該遊技球Baは、第1段階通過検知センサ112によって検知されると共に、案内樋62の遊技球案内溝62aを経由して放出口57から第2クルーン34に送られて、転動案内面34a上を転動する。この際、第1段階通過検知センサ112による検知信号が第2遊技制御手段102に送信されると、第2遊技制御手段102は、第1段階通過検知センサ112からの検知信号に基づき、キャラクタを、初期段階の状態(ch1)に続いて成長した各段階の状態(図10(b),(c)に示すch2,ch3)で図柄表示装置6に順次表示するように、第2表示制御手段108を介して制御する。
更に、上記転動案内面34a上を転動する遊技球Baは、貫通孔37又は38に導入されて落下するが、この際、貫通孔38に落下した場合には、案内樋65を介して第2ステージS2に向けて放出されることとなる。
一方、上記遊技球Baが貫通孔37に落下した場合には、第2段階通過検知センサ82によって検知されると共に、案内樋64の遊技球案内溝64aを経由して第1ステージS1に送られる。この際、第2段階通過検知センサ82による検知信号が第2遊技制御手段102に送信されると、第2遊技制御手段102は、第2段階通過検知センサ82からの検知信号に基づき、キャラクタを、初期段階の状態(ch1)に続いて成長した各段階の状態(図10(b)及び(c)に示すch2及びch3)から更に成長した各段階の状態(図10(d),(e)に示すch4,ch5)で図柄表示装置6に順次表示するように、第2表示制御手段108を介して制御する。
引き続き、第2遊技制御手段102は、第2段階通過検知センサ82からの検知信号を受信した後、所定時間(例えば1秒以上且つ1.5秒以内)の範囲内で始動チャッカー入賞検知センサ109からの検知信号を受信した時点で、振り分け装置25における比較的高い確率の高確率入賞ルート(第1ルート)への経路を通過した同一の遊技球Baが始動チャッカー16に入賞したと判定して、図柄表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共に第2表示制御手段108に送信し、該第2表示制御手段108を介して、図柄表示装置6にキャラクタの成長最終段階の状態(図11(a),(b)に示すch6,ch7)を表示するように制御する。
即ち、図柄表示装置6には、画面のほぼ全域での大当たり抽選結果に対応する内容の表示とは独立した形で、第2遊技制御手段102が、同種のキャラクタを卵の状態で画面右端に発生させ(図10(a)のch1)、その後やや成長した状態(図10(b)のch2)で画面左側に向かって走らせた後、更に成長した中程度に拡大した状態(図10(c)のch3)で画面中央に表示し、その後、成長はしているがサイズを図10(c)のch3より小さくしたキャラクタ(図10(d)のch4)を、画面左端に到達した時点で急停止させるように、第2表示制御手段108を介して演出表示するように制御する。
更に、第2遊技制御手段102は、第2段階通過検知センサ82からの検知信号を受信した後、所定時間の範囲内で始動チャッカー入賞検知センサ109からの検知信号を受信した際、高確率入賞ルート(第1ルート)への経路を通過した同一の遊技球Baが始動チャッカー16に入賞したと判定し、第2表示制御手段108を介して、図柄表示装置6にキャラクタの成長最終段階の状態(図11(a),(b)に示すch6,ch7)を表示するように制御する。
但し、上述したキャラクタの一連の演出表示は、確変当たりや通常当たりの対応図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃うような所謂激熱のスーパーリーチが発生したり、大当たりに当選しておらず外れ図柄が最終的に揃うようなスーパーリーチが頻発したりする際には、同じ図柄表示装置6の画面上で、遊技者が注目したいスーパーリーチとキャラクタ成長演出とが交錯しないようにするため、第2遊技制御手段102は、状況に応じてキャラクタ成長演出をキャンセルする。
これら一連の表示キャラクタを視認する遊技者は、センター飾り12のワープ導入口32から導入された遊技球Baが振り分け装置25にて進路を振り分けられる際の転動軌跡を楽しむと共に、成長最終段階のキャラクタの状態(特に図11(b)のch7)が図柄表示装置6の画面全体に表示された時点で、目的とする始動チャッカー16に遊技球Baが無事に入賞したと認識し、当該遊技球Baの入賞を契機とした例えば大当たり抽選の結果に期待感を膨らませることとなる。
以上のように本実施形態では、ワープ導入口32から導入された遊技球Baを第1ルートと第2ルートとに振り分ける振り分け装置25と、ワープ導入口32からの遊技球Baを検知するワープ導入検知センサ113と、第1ルート側に通過する遊技球Baを夫々検知するように第1及び第2クルーン33,34の夫々に配置された第1段階通過検知センサ112及び第2段階通過検知センサ82と、ワープ導入検知センサ113からの検知信号を受けた際にキャラクタを初期段階の状態で図柄表示装置6に表示し、更に第1段階通過検知センサ112、第2段階通過検知センサ82からの検知信号を順次受ける都度、キャラクタを、初期段階の状態(Ch1)に続いて成長した各段階の状態(Ch3〜Ch5)で順次表示するように制御する第2遊技制御手段102及び第2表示制御手段108とを備える。これにより、ワープ導入口32から導入された遊技球Baが振り分け装置25にて進路を振り分けられる際の転動軌跡を遊技者に楽しませることができる。更に、遊技者は、遊技球Baが各クルーン33,34を第1ルート側に通過する都度に変化するキャラクタの状態を見て、始動チャッカー16への入賞が次第に近づいてくることに期待感を膨らませつつ、ワープ導入口32から導入された遊技球Baの転動動作そのものを興味の対象として楽しむことができ、これにより、遊技の興趣を高めたパチンコ機1が提供できる。
また、本実施形態では、下側クルーン部材である第2クルーン34が、遊技球Baを前述の第1ルートに送る貫通孔(第1振り分け孔)37と前述の第2ルートに送る貫通孔(第2振り分け孔)38とを備え、上側クルーン部材である第1クルーン33が、遊技球Baを第2クルーン34に送る貫通孔(第1振り分け孔)35と第2ルートに送る貫通孔(第2振り分け孔)36とを備え、第1段階通過検知センサ112及び第2段階通過検知センサ82が、第1クルーン33の貫通孔35と第2クルーン34の貫通孔37とに夫々設けられている。これにより、ワープ導入検知センサ113の検知信号に基づき表示された初期段階の状態(Ch1)に続いて、各段階の状態(Ch2〜Ch5)に順次成長するキャラクタを画面に適切なタイミングで出現させるのに必要なトリガ信号を、上記通過検知センサ112,82の検知信号により簡便に実現できる。
更に、第2遊技制御手段102及び第2表示制御手段108が、第1段階通過検知センサ112及び第2段階通過検知センサ82からの検知信号の受信を完了した後、始動チャッカー入賞検知センサ109からの検知信号を受信した際、キャラクタの成長最終段階の状態(Ch6,Ch7)を表示するように制御するので、キャラクタの成長最終段階の状態が図柄表示装置6に表示された時点で、遊技者は、目的とする始動チャッカー16に遊技球Baが無事入賞したことを認識し、当該始動チャッカー16への入賞を契機とした大当たり抽選の結果に対し期待感を膨らませることとなる。
なお、本実施形態では、第2遊技制御手段102をサブ基板105に設けた構成について述べたが、これに限らず、第2遊技制御手段102を主基板92に設けた構成とすることもでき、その場合にも同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。