JP2006114814A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 半導体基板1と、電極3に接続された第1の配線層11、12と、第1の配線層11、12に整合する位置に開口部17を有する絶縁樹脂層13と、誘導素子15を有する第2の配線層14とを備え、第2の配線層14が、開口部17内に設けられた接合部19を介して第1の配線層11、12に接続され、接合部19の幅が、誘導素子15を構成する第2の配線層14の線幅とほぼ同じまたはそれより大きくされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、誘導素子を有する半導体装置において、Q値に優れた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項2に係る半導体装置は、請求項1において、前記第1および第2の配線層に、それぞれコンタクトパッドが形成され、前記接合部が、前記第1および第2の配線層のコンタクトパッド間に設けられ、前記第1および第2の配線層のコンタクトパッドのうち少なくともいずれか一方の幅Cと、前記接合部の幅Aとの差(C−A)が30μm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る半導体装置は、請求項1または2において、前記誘導素子がスパイラルコイルであることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る半導体装置は、請求項1〜3のうちいずれか1項において、前記コンタクトパッドが略矩形または略円形であることを特徴とする。
従って、高いQ値(Quality Factor)(品質係数)を有する誘導素子を備えた半導体装置を得ることができる。
図1〜図5は、本発明の半導体装置の一例を示すもので、図1は断面図、図2は部分切欠斜視図、図3は要部の平面図、図4および図5は要部の斜視図である。なお、図1は図3に示すD−D線に沿う断面図である。
図1に示すように、この半導体装置は、半導体基板1と、半導体基板1を覆うように設けられた第1の絶縁樹脂層10と、第1の絶縁樹脂層10上に設けられた第1の配線層11、12と、第1の絶縁樹脂層10および第1の配線層11、12を覆うように設けられた第2の絶縁樹脂層13と、第2の絶縁樹脂層13上に設けられた第2の配線層14とを有する。
電極3は、Al、Cuなどで構成することができる。
パッシベーション膜4は、不動態化された絶縁膜であり、SiN、SiO2等からなる。
パッシベーション膜4には、電極3と整合する位置に開口部5が設けられており、この開口部5で電極3が露出している。
パッシベーション膜4は、例えばLP−CVD法等により形成することができ、その厚さは例えば0.1〜0.5μmである。
本発明では、半導体基板は、シリコンウエハ等の半導体ウエハでもよく、半導体チップでもよい。半導体チップは、半導体ウエハの上に、各種半導体素子、IC、誘導素子等を複数組、形成した後、所定寸法になるように切断(ダイシング)することによって製造することができる。
第1の絶縁樹脂層10は、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなり、その厚さは例えば1〜30μmである。
第2の絶縁樹脂層13は、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなる。
第2の絶縁樹脂層13の厚さは、10μm以上とすることによって、第1の配線層11、12と第2の配線層14とを十分に離間させ、エネルギー損失を少なくし、Q値を向上させることができる。第2の絶縁樹脂層13の厚さは10〜20μmが好ましい。
絶縁樹脂層10、13は、例えば回転塗布法、印刷法、ラミネート法などにより形成することができる。開口部16、17は、例えばフォトリソグラフィ技術を利用したパターニングなどにより形成することができる。
コンタクトパッド11b、12bは、第2の開口部17、17に整合する位置に形成され、その長さおよび幅は、第1の配線層11、12の幅より大きくされている。
第1の配線層11、12の材料としては例えばAl、Cuが用いられ、その厚さは例えば1〜20μmである。第1の配線層11、12は、例えばスパッタリング法、蒸着法、メッキ法等により形成することができる。
第2の配線層14の材料としては例えばCuが用いられ、その厚さは例えば1〜20μmである。第2の配線層14は、例えば電解銅メッキ法等のメッキ法、スパッタリング法、蒸着法により形成することができる。
コンタクトパッド14a、14bは、第2の開口部17、17に整合する位置に形成され、その長さおよび幅は、第2の配線層14の幅より大きく形成されている。
コンタクトパッド14a、14bは、第2の開口部17、17に設けられた第2の接合部19、19を介して、それぞれ第1の配線層11、12のコンタクトパッド11b、12bに接続されている。
図示例では、第2の接合部19は、断面矩形の角柱状とされ、4つの側面はそれぞれコンタクトパッド14a、14b、11b、12bの各辺にほぼ平行になっている。なお、以下、コンタクトパッド14a、14b、11b、12bを「コンタクトパッド14a、…」と表記することがある。
第2の接合部19は、コンタクトパッド14a、…のほぼ中央に設けるのが好ましい。
第2の接合部19の幅を上記範囲とすることによって、スパイラルコイル15内のインピーダンスの不整合を防ぎ、優れたQ値を得ることができる。
第2の接合部19の幅と、スパイラルコイル15を構成する第2の配線層14の線幅との差(A−B)は、10μm以下とするのが好ましい。
第2の接合部19の形成位置ずれが起きた場合にも導通不良を防ぐことができるように、上記幅の差は、10μm以上とするのが好ましい。
この比(C/A)は、1.33以上とすると、第2の接合部19の形成位置ずれが起きた場合にも導通不良を防ぐことができるため好ましい。
上記面積差は、700μm2以上とすると、第2の接合部19の形成位置ずれが起きた場合にも導通不良を防ぐことができるため好ましい。
上記面積比は、1.78以上とすると、第2の接合部19の形成位置ずれが起きた場合にも導通不良を防ぐことができるため好ましい。
なお、スパイラルコイル15を構成する第2の配線層14の幅とは、スパイラルコイル15の平均幅を意味する。
また、コンタクトパッド14a、…および第2の接合部19の幅とは、最大幅を意味する。
封止層は、例えばポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等からなり、その厚さは例えば5〜20μmである。封止層には、外部への端子を出力するための開口部(図示略)が設けられる。
図6は、上記半導体装置の製造方法の一例を示す工程図である。図6は、図3に示すD−D線に沿う断面図である。
図6(a)および図6(b)に示すように、半導体基板1のパッシベーション膜4の上に、第1の開口部16を有する第1の絶縁樹脂層10を形成する。
第1の絶縁樹脂層10は、例えば次の方法によって形成することができる。
回転塗布法、印刷法、ラミネート法などによって、前記樹脂からなる層を、パッシベーション膜4上に全面にわたり形成する(第1の絶縁樹脂層形成工程)。
次いで、フォトリソグラフィ技術等を利用したパターニングなどにより、電極3と整合する位置に第1の開口部16を形成する(第1の開口部形成工程)。
第1の配線層11、12を形成するには、例えば次の方法を用いることができる。
スパッタ法等によりシード層を第1の絶縁樹脂層10上に形成する。シード層は、例えばCu層とCr層からなる積層体、またはCu層とTi層からなる積層体である。
次いで、シード層の上に、電解メッキ用のレジスト膜(図示略)を形成する。このレジスト膜は第1の配線層11、12を形成すべき領域以外の領域に形成する。
シード層上に、電解メッキ法等により、Cu等からなる第1の配線層11、12を形成するとともに、第1の開口部16内に第1の接合部18を形成する。第1の配線層11、12および第1の接合部18を形成した後、不要なレジスト膜およびシード層をエッチングにより除去する。
第2の絶縁樹脂層13は、例えば次の方法によって形成することができる。
回転塗布法、印刷法、ラミネート法などによって、前記樹脂からなる層を、第1の絶縁樹脂層10および第1の配線層11、12の全面を覆うように形成する(第2の絶縁樹脂層形成工程)。
次いで、フォトリソグラフィ技術等を利用したパターニングなどにより、第1の配線層11、12のコンタクトパッド11b、12bの一部に相当する位置に第2の開口部17を形成する(第2の開口部形成工程)。
第2の配線層14を形成するには、第1の配線層11、12と同様の方法を用いることができる。
すなわち、シード層およびレジスト膜を第2の絶縁樹脂層13上に形成し、シード層上に、電解メッキ法等により、Cu等からなる第2の配線層14を形成するとともに、第2の開口部17内に第2の接合部19を形成する。
(1)第2の接合部19の幅Aを、第2の配線層14(スパイラルコイル15)の線幅Bとほぼ同じまたはそれより大きくなるようにするので、第2の接合部19で電流が阻害されることがなく、損失を低く抑えることができる。特に、高周波では、スパイラルコイル15内のインピーダンスの不整合を防ぐことができる。
従って、高いQ値(Quality Factor)(品質係数)を有するスパイラルコイル15を備えた半導体装置を得ることができる。
(2)コンタクトパッド14a、…の幅Cと、第2の接合部19の幅Aとの差(C−A)を、30μm以下とすることによって、スパイラルコイル15のQ値をさらに高めることができる。
上記幅の差(C−A)を上記範囲とすることによってQ値を高めることができるのは、電流がコンタクトパッドを流れる際に、電流分布のばらつきを抑えることができるためであると推測できる。
(3)コンタクトパッド14a…を略矩形状に形成したので、第2の接合部19の形成位置ずれが起きた場合にも第2の接合部19とコンタクトパッド14a、…との導通不良が発生しにくい。
図7に示す半導体装置は、第2の接合部29の幅が深さ方向に徐々に小さくなっている点で、図1に示す半導体装置と異なる。
第2の接合部29は、第2の開口部27を、幅が深さ方向に徐々に小さくなる形状にすることによって、容易に形成することができる。
第2の接合部29を有する半導体装置では、電解メッキ法などにより第2の接合部29を形成する際に、金属材料が第2の開口部27内に確実に行き渡り、隙間なく充填される。
従って、第2の接合部29の形成不良を防ぐことができる。
図8に示すコンタクトパッド24bは、平面視略円形である点で、図2〜図5に示す矩形状(四角形状)のコンタクトパッド14a、…と異なる。
図9に示すコンタクトパッド34bは、平面視多角形である点で、コンタクトパッド14a、…と異なる。
コンタクトパッド34bは、5角形以上の多角形状とするのが好ましい。図示例では8角形状に形成されている。
コンタクトパッド24b、34bを有する半導体装置では、スパイラルコイル15のQ値をさらに高めることができる。特に、略円形のコンタクトパッド24bを有する半導体装置では、優れたQ値が得られる。
Q値を高めることができるのは、電流がコンタクトパッドを流れる際に、電流分布のばらつきを抑えることができるためであると推測できる。
図1に示すように、シリコン基板である半導体基板1と、ポリイミド樹脂からなる第1の絶縁樹脂層10と、Cuからなる第1の配線層11、12と、ポリイミド樹脂からなる第2の絶縁樹脂層13と、Cuからなる第2の配線層14とを有する半導体装置を作製した。
第1および第2の絶縁樹脂層10、13の厚さは、10μmとした。
第1の配線層11、12の幅は、30μmとした。
スパイラルコイル15の巻き数は3.5とし、その線幅は30μmとした。
第2の接合部19は、断面正方形とし、その幅は表1に示す通りとした。
コンタクトパッド14a、…は正方形とし、その幅は50μmとした。
スパイラルコイル15のQ値を、周波数2GHzの条件で測定した。測定結果を表1に示す。
図1に示す半導体装置を作製した。
第2の接合部19は、断面正方形とし、その幅は30μmとした。
コンタクトパッド14a、…は正方形とし、その幅はそれぞれ40μm、50μm、60μm、70μm、80μmとした。その他の条件は試験例1と同様とした。
スパイラルコイル15のQ値を、周波数0.1〜20GHzの条件で測定した。測定結果を図10に示す。
コンタクトパッドの幅が30μmであることから、コンタクトパッドの幅と第2の接合部の幅との差を30μm以下とした場合に優れた結果が得られたことになる。
Claims (4)
- 表面に電極が設けられた半導体基板と、
この半導体基板を覆うように設けられ、前記電極と整合する位置に第1の開口部を有する第1の絶縁樹脂層と、
この第1の絶縁樹脂層上に設けられ、前記第1の開口部を介して前記電極に接続された第1の配線層と、
前記第1の絶縁樹脂層および第1の配線層を覆い、第1の配線層に整合する位置に第2の開口部を有する第2の絶縁樹脂層と、
この第2の絶縁樹脂層上に設けられ、誘導素子を有する第2の配線層とを備え、
この第2の配線層が、前記第2の開口部内に設けられた接合部を介して前記第1の配線層に接続され、
前記接合部の幅が、前記誘導素子を構成する第2の配線層の線幅とほぼ同じまたはそれより大きくされていることを特徴とする半導体装置。 - 前記第1および第2の配線層に、それぞれコンタクトパッドが形成され、
前記接合部は、前記第1および第2の配線層のコンタクトパッド間に設けられ、
前記第1および第2の配線層のコンタクトパッドのうち少なくともいずれか一方の幅Cと、前記接合部の幅Aとの差(C−A)が30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。 - 前記誘導素子がスパイラルコイルであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
- 前記コンタクトパッドが略矩形または略円形であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体装置。
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