JP2006114795A - 半導体装置 - Google Patents

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裕 廣瀬
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Abstract

【課題】 III-V族窒化物半導体層をチャネル領域とする電界効果トランジスタにおけるオン抵抗の低減とドレイン耐圧の向上とを同時に実現できるようにする。
【解決手段】 半導体装置は、窒化ガリウムからなる動作層12と、該動作層12の上に形成された窒化アルミニウムガリウムからなる障壁層13と、該障壁層13の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極14及びドレイン電極15と、両電極14、15の間に形成されたゲート電極とを有している。障壁層13におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域には高濃度のn型不純物領域13aが形成されており、ソース電極14、ドレイン電極15及びゲート電極16が互いに等電位である状態において、障壁層13におけるソース電極14とゲート電極16との間の電子濃度は、ドレイン電極15とゲート電極16との間の電子濃度よりも高くなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III-V族窒化物半導体を用いた、特にヘテロ接合を有する半導体装置に関する。
III-V族窒化物半導体は、一般式がBwAlxGayInzN(但し、w、x、y及びzは、w+x+y+z=1、0≦w,x,y,z≦1である。)によって表わされる、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)又はインジウム(In)と窒素(N)との化合物からなる半導体をいう。
III-V族窒化物半導体は、大きいバンドギャップ(エネルギーギャップ)とそれに伴う高い破壊電圧、高い電子飽和速度及び高い電子移動度並びにヘテロ接合による高い電子濃度等の利点を有することから、短波長発光素子、高出力高周波素子及び高周波低雑音増幅素子等への応用を目的とした研究開発が進んでいる。とりわけIII 族元素及びV族元素の組成比を変化させて互いのバンドギャップが異なるIII-V族窒化物半導体層を積層したヘテロ接合構造又は複数の半導体層を積層してなる量子井戸構造若しくは超格子構造は、素子内の電子濃度の変調度を制御することができるため、上記素子の基本構造として利用されている。
図24は従来の窒化物半導体装置におけるヘテロ接合を用いた一般的な半導体装置の断面構成を示している(例えば、特許文献1又は特許文献2を参照。)。図24に示すように、基板201の上には、窒化ガリウム(GaN)からなる動作層202及び窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなる障壁層203が順次エピタキシャル成長により積層されている。動作層202と障壁層203とは互いのバンドギャップが異なっており、動作層202と障壁層203との界面にはヘテロ接合が形成されている。
障壁層203の上には、オーミック性を有するソース電極204及びドレイン電極205と、これらオーミック性電極の間にショットキー性を有するゲート電極206とがそれぞれ形成され、ヘテロ接合電界効果トランジスタ(Heterojunction Field Effect Transistor:HFET)として動作する。障壁層203と動作層202とのヘテロ接合界面には、障壁層203と動作層202との自然分極量の差及びピエゾ分極量の差により、さらには、障壁層203に対して必要に応じてドープされたn型不純物及び半導体層内の他の制御不能な欠陥に由来する電子が高濃度に蓄積することにより、2次元電子ガス(2DEG)層を形成し、この2DEG層がHFETのチャネルキャリアとして動作する。
このような、HFETの第1の性能指標として、導通時のソースドレイン間の抵抗(以下、オン抵抗Ronと称する。)があり、このオン抵抗Ronはできるだけ小さいことが好ましい。なぜなら、オン抵抗Ronが小さい程、チャネルを伝播する信号の損失が小さくなり、且つ高周波特性及びスイッチング特性が向上するからである。
HFETの第2の性能指標として、ゲートドレイン間耐圧(以下、ドレイン耐圧と称する。)があり、このドレイン耐圧はできるだけ高いことが好ましい。なぜなら、ドレイン耐圧が高い程、より大きなパワーを有する信号を伝播でき且つ増幅させることが可能となるからである。
特開平10−173203号公報 特開平10−335637号公報 特開2003−197646号公報 特表2000−542457号公報
しかしながら、前記従来のヘテロ接合電界効果トランジスタ(HFET)における2つの性能指標を同時に達成することは、従来のIII-V族窒化物半導体を用いたHFETでは不可能であるという問題がある。
その理由を以下に述べる。オン抵抗Ronの低減は、チャネル内の電子密度を高めることにより達成される。一方、ドレイン耐圧はゲートドレイン間の電子密度が低くなる程大きくなる。なぜなら、ゲートドレイン間の電子密度が高い場合と同等のドレイン電圧を印加した場合でも、ゲートドレイン間の電子密度が低い場合は、ゲートドレイン間に空乏層がより大きく広がるため、内部電界がより低下するからである。
このように、従来のIII-V族窒化物半導体を用いたHFETでは、上記の2つの性能指標を同時に満たすことができない。
なお、この問題はHFETに限られず、チャネル領域とゲート電極との間に絶縁層を介在させた金属絶縁体半導体型電界効果トランジスタ(MISFET)、チャネル領域にゲート電極が直接に形成された金属半導体接合電界効果トランジスタ(MESFET)又はチャネル領域が表面pn接合によって制御される接合型トランジスタ(JFET)においても存在する。
本発明は、前記従来の問題を解決し、III-V族窒化物半導体層をチャネル領域とする電界効果トランジスタにおけるオン抵抗の低減とドレイン耐圧の向上とを同時に実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、III-V族窒化物半導体層をチャネル領域とする電界効果トランジスタを、ソースゲート間においてはチャネル領域の電子濃度を高く保つようにし、一方、ゲートドレイン間においてはチャネル領域の電子濃度を低くする構成とする。
具体的に、本発明に係る第1の半導体装置は、III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極が互いに等電位である状態において、半導体層におけるソース電極とゲート電極との間の電子濃度は、ドレイン電極とゲート電極との間の電子濃度よりも高いことを特徴とする。
第1の半導体装置によると、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極が互いに等電位である状態において、半導体層におけるソース電極とゲート電極との間の領域の電子濃度はドレイン電極とゲート電極との間の領域の電子濃度よりも高くなる。これにより、ドレイン耐圧を高めるようにチャネル領域におけるソースドレイン間の濃度を一様に低く設計された従来のFETと比べてソースゲート間の高い電子濃度によりオン抵抗を低減することができる。さらに、飽和領域での動作時にゲートドレイン間に印加されるバイアス電圧の値又はデバイス遮断動作時にゲートドレイン間に印加される絶対値が大きい逆バイアス電圧の値は、ゲートドレイン間の電子濃度をオン抵抗が低くなるように設計された従来のFETよりもその絶対値が大きくなるため、ドレイン耐圧を高めることが可能となる。
本発明に係る第2の半導体装置は、第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、第2の半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、第2の半導体層はソース電極とゲート電極との間の領域に形成され、n型不純物がドープされてなるn型不純物領域を有していることを特徴とする。
第2の半導体装置によると、第2の半導体層はソース電極とゲート電極との間の領域に形成された高濃度不純物領域を有しているため、チャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度がキャップ層を設けない場合と比べて高められるのでオン抵抗が低減する。一方、チャネル領域におけるゲートドレイン間の電子濃度はドレイン耐圧の最適化レベルに設定することが可能となる。
本発明に係る第3の半導体装置は、第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、第2の半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、第2の半導体層の上におけるソース電極とゲート電極との間の領域に形成され、第2の窒化物半導体よりもバンドギャップが小さい第3のIII-V族窒化物半導体からなり、高濃度のn型不純物がドープされたキャップ層とを備えていることを特徴とする。
第3の半導体装置によると、第2の半導体層の上におけるソース電極とゲート電極との間の領域に、第2の窒化物半導体よりもバンドギャップが小さいIII-V族窒化物半導体からなり、高濃度のn型不純物がドープされたキャップ層が設けられているため、チャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度がキャップ層を設けない場合と比べて高められるのでオン抵抗が低減する。一方、チャネル領域におけるゲートドレイン間の電子濃度はドレイン耐圧の最適化レベルに設定することが可能となる。
本発明に係る第4の半導体装置は、第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、前記第2の半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、第2の半導体層におけるソース電極とゲート電極との間の厚さは、ドレイン電極とゲート電極との間の厚さよりも大きいことを特徴とする。
第4の半導体装置によると、第2の半導体層におけるソース電極とゲート電極との間の領域の厚さがドレイン電極とゲート電極との間の領域の厚さよりも大きいため、ソースゲート間においては、障壁層となる第2の半導体層は十分な層厚を持つ。その結果、チャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度を十分に高いレベルに保つことができ、すなわち、オン抵抗を最適化するレベルにまで低減することができる。一方、第2の半導体層におけるゲートドレイン間の領域においてはその層厚が薄いため、チャネル領域内の電子濃度はドレイン耐圧を最適化させた低いレベルに設定することが可能となる。
第4の半導体装置において、第2の半導体層はn型不純物がドープされたn型不純物領域を有し、該n型不純物領域の不純物濃度は、第2の半導体層の表面側がその基板側よりも高いことが好ましい。このようにすると、チャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度は、障壁層となる第2の半導体層の層厚が十分に厚いからだけではなく、該第2の半導体層の表面近傍の不純物濃度が高いため、オン抵抗がより一層低減されるようになる。これに対し、チャネル領域におけるゲートドレイン間領域においては、高濃度の不純物層が設けられていないため、チャネル領域の電子濃度はドレイン耐圧を最適化させたレベルにまで低減することが可能となる。
第4の半導体装置において、第2の半導体層におけるソース電極の下方には、n型不純物がδドープされたn型不純物領域が形成されていることが好ましい。このようにすると、チャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度は、障壁層となる第2の半導体層の層厚が十分に厚いからだけではなく、δドープされたn型不純物領域によって、オン抵抗をより一層低減することができるようになる。一方、チャネル領域におけるゲートドレイン間領域においては、δドープされた高濃度不純物領域が設けられていないため、チャネル領域の電子濃度はドレイン耐圧を最適化させたレベルにまで低減することが可能となる。
n型不純物領域を有する場合に、ゲート電極とn型不純物領域との間の距離がゲート電極とドレイン電極との間の距離よりも小さいことが好ましい。このようにすると、ソースゲート間の抵抗はより低減される。その上、ゲートドレイン間の距離がゲート電極とソース側のn型不純物領域との間の距離よりも大きくなるので、ドレイン耐圧をより高めることが可能となる。
本発明に係る第5の半導体装置は、III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、半導体層の上方におけるソース電極とゲート電極との間の領域に、絶縁層を介在させて形成された制御電極とを備えていることを特徴とする。
第5の半導体装置によると、半導体層の上方におけるソース電極とゲート電極との間の領域に、絶縁層を介在させて形成された制御電極を備えているため、制御電極に外部電圧を与えることにより、チャネル領域におけるソースゲート間の領域の電子濃度をソース電圧及びゲート電圧とは独立して制御することが可能となる。従って、ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れているときには制御電極の電位をソース電極の電位よりも高くすると、チャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度が増大するので、オン抵抗は低減する。また、逆にソース電極とドレイン電極との間の電流が遮断されているときの制御電極の電位をソース電極の電位よりも低くすると、チャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度が低下するので、より良好な遮断特性を実現することができる。
従って、第5の半導体装置において、ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れているときの制御電極の電位は、ソース電極の電位よりも高いことが好ましい。
また、第5の半導体装置において、ソース電極とドレイン電極との間の電流が遮断されているときの制御電極の電位は、ソース電極の電位よりも低いことが好ましい。
第5の半導体装置において、制御電極を構成する材料が持つ仕事関数の値は、ソース電極を構成する材料が持つ仕事関数の値よりも小さいことが好ましい。このようにすると、仕事関数の値がソース電極を構成する材料の仕事関数よりも小さい制御電極は、半導体層との対向部分において該半導体層の伝導帯の下端を下向きに曲げる。すなわち、半導体層の伝導帯の下端のエネルギーレベルがフェルミレベルに近づくように曲げられるので、ソース電極よりも高い正電圧が外部からではなく自発的に印加された状態となるため、チャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度がより一層高められるので、オン抵抗を低減することができるようになる。
本発明に係る第6の半導体装置は、III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、半導体層の上方におけるドレイン電極とゲート電極との間の領域に、絶縁層を介在させて形成された少なくとも1つの制御電極とを備えていることを特徴とする。
第5の半導体装置によると、半導体層の上方におけるドレイン電極とゲート電極との間の領域に、絶縁層を介在させて形成された少なくとも1つの制御電極とを備えているため、少なくとも1つの制御電極に外部から電圧を与えることにより、チャネル領域におけるドレインゲート間の領域の電子濃度をドレイン電圧及びゲート電圧とは独立に低減することが可能となる。これにより、チャネル領域におけるドレインゲート間の電子濃度をドレイン耐圧を最適化させたレベルにまで低減させることができるようになる。
第5の半導体装置において、ソース電極とドレイン電極との間に電流が流れているときに、制御電極には、ドレイン電極よりも低い電位が印加されていることが好ましい。このようにすると、少なくとも1つの制御電極に与えられた低い電圧(負電圧)によって、チャネル領域におけるドレインゲート間の電子濃度は、より一層低減するため、ドレイン耐圧を向上することが可能となる。
さらに、この場合に、第6の半導体装置は、制御電極を複数備え、複数の制御電極に印加される電位はドレイン電極に近い制御電極ほど高いことが好ましい。このようにすると、半導体層におけるドレインゲート間の電位はドレインからゲートに向かって徐々に低下するため、複数の制御電極に対して一様な電圧を印加する場合と比べて、ドレインゲート間の内部電界の大きさを低減できるので、ドレイン耐圧を向上することができるようになる。
第6の半導体装置において、制御電極を構成する材料が持つ仕事関数の値は、ゲート電極を構成する材料が持つ仕事関数の値よりも大きいことが好ましい。このようにすると、仕事関数の値がゲート電極を構成する材料の仕事関数よりも大きい制御電極は、半導体層との対向部分において該半導体層の伝導帯の下端を上向きに曲げる。すなわち、半導体層の伝導帯の下端のエネルギーレベルがフェルミレベルから遠ざかるように曲げられるので、ゲート電極よりも低い電圧(負電圧)が外部からではなく自発的に印加された状態となるため、チャネル領域におけるドレインゲート間の電子濃度がより一層低減するので、ドレイン耐圧を向上することができるようになる。
本発明に係る第7の半導体装置は、III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、半導体層の上に形成され、一方の端部がドレイン電極と電気的に接続され且つ他方の端部が半導体層の上方におけるソース電極とゲート電極との間の領域に位置するように、絶縁層を介在させてゲート電極を覆う金属層とを備えていることを特徴とする。
第7の半導体装置によると、半導体層の上に形成され、一方の端部がドレイン電極と電気的に接続され且つ他方の端部が半導体層の上方におけるソース電極とゲート電極との間の領域に位置するように絶縁層を介在させてゲート電極を覆う金属層(ドレインフィールドプレート)を備えているため、金属層に印加される正電圧によって、導通時にはチャネル領域におけるソースゲート間の電子濃度を増大させることができるので、オン抵抗を低減することが可能となる。
第7の半導体装置において、金属層におけるソース電極とゲート電極との間他方の端部と半導体層との距離は、金属層におけるドレイン電極とゲート電極との間に位置する下面と半導体層との距離よりも小さいことが好ましい。このようにすると、チャネル領域におけるドレインゲート間の領域上において、金属層と半導体層との間に形成される絶縁層の厚さが、ソース電極とゲート電極との間に位置する他方の端部よりも距離が大きいため、十分な耐圧を保つことが可能となる。
本発明に係る第8の半導体装置は、III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、半導体層の上に形成され、一方の端部がソース電極と電気的に接続され且つ他方の端部が半導体層の上方におけるドレイン電極とゲート電極との間の領域に位置するように、絶縁層を介在させてゲート電極を覆う金属層とを備えていることを特徴とする。
第8の半導体装置によると、半導体層の上に形成され、一方の端部がソース電極と電気的に接続され且つ他方の端部が半導体層の上方におけるドレイン電極とゲート電極との間の領域に位置するように、絶縁層を介在させてゲート電極を覆う金属層(ソースフィールドプレート)を備えているため、チャネル領域のドレインゲート間に印加される電界はソースフィールドプレートにより緩和されるので、より高いドレイン耐圧を実現することができる。
第8の半導体装置において、金属層における他方の端部と半導体層との距離は、金属層におけるソース電極とゲート電極との間に位置する下面と半導体層との距離よりも大きいことが好ましい。このようにすると、チャネル領域におけるドレインゲート間の領域において、金属層に覆われた部分の電子濃度の上昇が抑制されるため、より高いドレイン耐圧を実現することが可能となる。
本発明に係る第9の半導体装置は、第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層とを備え、第2の半導体層の該半導体層が拡がる方向の組成の一部をその残部と異ならせることにより、第1の半導体層と第2の半導体層との界面に、分極量の違いにより発生する自由電荷の空間分布を生じさせることを特徴とする。
第9の半導体装置によると、第2の半導体層の該半導体層が拡がる方向の組成の一部をその残部と異ならせることにより、第1の半導体層と第2の半導体層との界面に、分極量の違いにより発生する自由電荷の空間分布を生じさせるため、ソース電極とゲート電極と間のチャネル電荷量がドレイン電極とゲート電極との間のチャネル電荷量よりも大きくすることができる。その結果、ソース電極とゲート電極との間のチャネル電荷量の増大によってオン抵抗の低減が可能となり、且つドレイン電極とゲート電極との間のチャネル電荷量の減少によってドレイン耐圧の向上を図ることができる。
本発明に係る第10の半導体装置は、第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、第2の半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、第1の半導体層と第2の半導体層との間の分極量の差は、ソース電極とゲート電極との間の領域の方が、ドレイン電極とゲート電極との間の領域よりも大きいことを特徴とする。
第10の半導体装置によると、第1の半導体層と第2の半導体層との間の分極量の差は、ソース電極とゲート電極との間の領域の方が、ドレイン電極とゲート電極との間の領域よりも大きい。このため、ソース電極とゲート電極との間のチャネル電荷量の増大によってオン抵抗の低減が可能となる。また、ドレイン電極とゲート電極との間のチャネル電荷量の減少によって、ドレイン耐圧の向上を図ることができる。
本発明に係る第11の半導体装置は、III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、半導体層は、ソース電極とゲート電極との間の組成とドレイン電極とゲート電極との間の組成とが異なることを特徴とする。
第11の半導体装置によると、半導体層はソース電極とゲート電極との間の組成とドレイン電極とゲート電極との間の組成とが異なるため、ソース電極とゲート電極との間における半導体層の分極量の差が、ドレイン電極とゲート電極との間における分極量の差よりも大きい構成とすることが可能となる。その結果、ソース電極とゲート電極との間のチャネル電荷量が増大することによってオン抵抗の低減が可能となり、且つドレイン電極とゲート電極との間のチャネル電荷量が減少することによってドレイン耐圧向上を図ることができる。
本発明に係る第12の半導体装置は、第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、第2の半導体層の上におけるソース電極とドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、第2の半導体層におけるソース電極とゲート電極との間の厚さは、ドレイン電極とゲート電極との間の厚さよりも大きく、且つ、第2の半導体層におけるソース電極とゲート電極との間のバンドギャップは、第2の半導体層の表面側の方が基板側及びドレイン電極側よりも大きいことを特徴とする。
第12の半導体装置によると、第2の半導体層におけるソース電極とゲート電極との間の厚さは、ドレイン電極とゲート電極との間の厚さよりも大きく、且つ、第2の半導体層におけるソース電極とゲート電極との間のバンドギャップは第2の半導体層の表面側の方が基板側よりも大きい。このため、チャネル領域におけるソース電極とゲート電極の間の電子濃度は、障壁層となる第2の半導体層と動作層となる第1の半導体層との間の分極量の差が増大することにより上昇するので、オン抵抗の低減が可能となる。一方、第2の半導体層におけるゲートドレイン間のバンドギャップはソース電極側よりも小さいことから、第2の半導体層と第1の半導体層との間の分極量の差は相対的に小さくなるので、チャネル領域におけるドレイン電極とゲート電極との間の電子濃度は低減され、その結果、ドレイン耐圧は向上する。
本発明に係る半導体装置によると、チャネル領域のソースゲート間の電子濃度を高くすることができ、且つチャネル領域のドレインゲート間の電子濃度を低減することができるため、オン抵抗を低減できると共に高いドレイン耐圧を実現できる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について図1(a)及び図1(b)を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面構成を模式的に示している。図1(a)に示すように、例えば、サファイア(単結晶Al23)からなる基板11の主面上には、厚さが約2μmのアンドープの窒化ガリウム(GaN)からなる動作層12と、厚さが約25nmのアンドープのAlxGa1-xN(但し、xは0<x<1である。)、例えばAl0.25Ga0.75Nからなる障壁層13とがエピタキシャル成長により順次積層されており、動作層12と障壁層13とがヘテロ接合界面を形成している。ここで、アンドープの窒化物半導体層とは、キャリアとなる不純物濃度が1×1014cm-3以下をいう。
障壁層13の上には、オーミック性を有する、例えばチタン(Ti)及びアルミニウム(Al)の積層膜からなるソース電極14とドレイン電極15とが互いに間隔をおいて形成され、ソース電極14及びドレイン電極15の間には、例えばパラジウム及びシリコン(Pd−Si)の合金と金(Au)との積層膜からなるショットキー性を有するゲート電極16が形成されている。
第1の実施形態特として、障壁層13の上部におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域には、高濃度のn型不純物、例えば1×1018cm-3の濃度のシリコン(Si)がドープされたn型不純物領域13aが形成されている。
このように、第1の実施形態に係る半導体装置においては、障壁層13の上部におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域に、高濃度のn型不純物領域13aを設けているため、導通時には、n型不純物領域13aの下側に位置する動作層12に形成されるチャネル領域の電子濃度が、障壁層13のn型不純物がドープされていない領域の下側部分と比較して約2倍に増大するので、チャネル抵抗すなわちオン抵抗Ronが低減する。
一方、障壁層13におけるゲート電極16及びドレイン電極15の間の領域はn型不純物が積極的にドープされていないため、障壁層13のゲート電極16及びドレイン電極15の間の領域におけるドレイン耐圧は、組成がAl0.25Ga0.75Nの場合の最高値に保たれる。
図1(b)は第1の実施形態に係る半導体装置と従来例に係る半導体装置に対して共に0Vのゲート電圧(Vg)を印加して動作させた場合のドレイン電流Idsとドレイン電圧Vdsとの関係(Ids−Vds曲線)を示している。図1(b)に示すように、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置と比べて同一のドレイン電圧Vdsでより高いドレイン電流Idsを得られており、オン抵抗Ronが小さいことが分かる。
例えば、ソース電極14とゲート電極16との間隔Lsg及びドレイン電極15とゲート電極16との間隔Ldgが共に1μmで、ゲート長Lgが0.5μmの場合は、チャネル抵抗が17%程度低減される。
従って、ドレイン耐圧を高めるようにチャネル領域のソースドレイン間の濃度を一様に低く設計された従来の半導体装置と比べて、動作層12に形成されるチャネル領域のソースゲート間の電子濃度が高くなるため、オン抵抗を低減することができる。その上、飽和領域での動作時にゲートドレイン間に印加されるバイアスの電圧値又はデバイス遮断動作時に、ゲートドレイン間に印加される絶対値が大きい逆バイアスの電圧値は、ゲートドレイン間の電子濃度をオン抵抗が低くなるように高濃度に設計した従来のFETよりもその絶対値が大きくなるため、ドレイン耐圧を高めることが可能となる。
以下、前記のように構成された第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法であって、n型不純物領域13aの形成方法を図2又は図3を参照しながら説明する。
図2に示すように、サファイアからなる基板11の上に、例えば有機金属気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法又は分子線結晶成長法(molecular beam epitaxy:MBE)法により、GaNからなる動作層12と、Al0.25Ga0.75Nからなる障壁層13とを順次積層する。
続いて、リソグラフィ法により、障壁層13の上におけるソース電極及びゲート電極の各形成領域の間の領域を開口部18aに持つレジストマスク18を形成し、形成したレジストマスク18を用いて、n型不純物であるシリコン(Si)をイオンビーム法によって注入することにより、高濃度のn型不純物領域13aを形成する。
なお、シリコンが注入された障壁層13に対して、不純物イオンの電気的な活性率の向上と、イオン注入によるダメージの低減を目的として、例えば温度が1000℃程度で、15分程度の熱処理を施してもよい。
n型不純物領域13aの他の形成方法を図3に示す。図3に示すように、イオン注入法に代えて、障壁層13の上におけるソース電極及びゲート電極の各形成領域の間の領域を選択的に覆うシリコン(Si)からなる薄膜10を形成する。その後、薄膜10が形成され障壁層13に対して、例えば温度が1000℃程度で10分程度の熱処理を施すことによって、薄膜10から障壁層13にシリコンを固相拡散することによって、シリコンが高濃度にドープされたn型不純物領域13aを形成する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る半導体装置は、動作層12と、該動作層12の上に形成されバンドギャップが動作層12よりも大きい障壁層13とがヘテロ接合を形成する。障壁層13には、ソース電極14とゲート電極16との間の領域に高濃度にドープされたn型不純物領域13aを設けているため、該半導体装置におけるオン抵抗Ronは該n型不純物領域13aを設けない場合と比べて低減する。
その上、障壁層13におけるドレイン電極15とゲート電極16との間の領域にはn型不純物をドープしていないため、ドレイン耐圧は障壁層13を構成するアンドープのアルミニウム(Al)の組成比0.25で決定される最大の値とすることが可能となる。
(第1の実施形態の一変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置について図4を参照しながら説明する。図4において、図1(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図4に示すように、本変形例に係る半導体装置は、障壁層13におけるソース電極14とゲート電極16との下側の領域及びドレイン電極15の下側の領域に、例えば1×1018cm-3の濃度のシリコン(Si)がドープされたn型不純物領域13aが形成されている。さらに、障壁層13の上におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域には、n型不純物であるシリコンが1×1019cm-3と高濃度にドープされたGaNからなり、バンドギャップが障壁層13よりも小さい第1のキャップ層21が形成されている。一方、障壁層13上におけるゲート電極16とドレイン電極15との間の領域には、シリコンがドープされていないGaNからなる第2のキャップ層22が形成されている。
本変形例によると、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の効果を得られる上に、障壁層13上におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域に、n型不純物領域13aよりも濃度が高い第1のキャップ層21を設けているため、ソース電極14とゲート電極16との間の寄生抵抗をもより一層低減できるようになる。
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図5(a)〜図5(e)を参照しながら説明する。
まず、図5(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に、例えばMOCVD法により、アンドープの窒化ガリウム(GaN)からなる動作層12と、Al0.25Ga0.75Nからなる障壁層13と、厚さが約2μmのアンドープの窒化ガリウム(GaN)からなるキャップ層形成層20とを順次エピタキシャル成長する。続いて、例えば化学的気相堆積(CVD)法により、キャップ層形成層20の上に、シリコンからなり不純物拡散用のマスク膜23を堆積し、その後、リソグラフィ法及びエッチング法により、堆積したマスク膜23に対してn型不純物領域13aを形成する領域を残すようにパターニングする。
次に、図5(b)に示すように、窒素(N2 )又はアルゴン(Ar)等の不活性ガス雰囲気において、マスク膜23が形成された状態で基板11に対して約1000℃の温度で20分程度の熱処理を行なう。その後、マスク膜23をエッチングにより除去する。ここで、エッチング除去をドライエッチングで行なう場合には、塩素(Cl2 )を主成分とするエッチングガスを用い、また、ウェットエッチングで行なう場合には、フッ硝酸等のエッチング溶液を用いる。この熱処理により、キャップ層形成層20及び障壁層13におけるマスク膜23の下側部分には、シリコンが熱拡散することにより、キャップ層形成層20にはn型不純物領域20aが形成され、障壁層13にはn型不純物領域13aが形成される。
次に、図5(c)に示すように、キャップ層形成層20におけるソース電極14及びドレイン電極15を形成する領域をドライエッチングで除去することにより、ソース電極側にはn型不純物領域20aからなる第1のキャップ層21を形成すると共に、ドレイン電極側にはアンドープのキャップ層形成層20からなる第2のキャップ層22を形成する。なお、キャップ層形成層20に対するエッチングは、該キャップ層形成層20の厚さが十分に小さい場合、例えば70nm以下の場合又はキャップ層形成層20のn型不純物濃度が十分に高い場合、例えば5×1019cm-3以上の場合は行なわなくてもよい。
次に、リソグラフィ法により、障壁層13の上にソース電極形成領域及びドレイン電極形成領域に開口部を持つレジストパターン(図示せず)を形成し、その後、蒸着法により、形成したレジストパターンの上にオーミック電極形成用の金属膜を成膜する。続いて、レジストパターンを除去する、いわゆるリフトオフ法により、ソース電極14及びドレイン電極15を形成して、図5(d)に示す状態を得る。
次に、図5(e)に示すように、障壁層13上におけるゲート電極形成領域、すなわち第1のキャップ層21及び第2のキャップ層22の間の領域にリフトオフ法によりゲート電極16を形成して、本変形例に係る半導体装置を得ることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について図6を参照しながら説明する。
図6は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面構成を模式的に示している。図6において、図1(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図6に示す第2の実施形態に係る半導体装置は2つの特徴を有している。第1の特徴として、例えばAl0.25Ga0.75Nからなる障壁層13におけるソース電極14の形成部分の厚さh1に対して、ゲート電極16及びドレイン電極15の形成部分の厚さh2を小さくしている。具体的には、ソース電極14の形成部分の厚さh1を25nmとする一方、ゲート電極16及びドレイン電極15の形成部分の厚さh2を15nmとしている。
第2の特徴として、障壁層13における厚さがh1の領域13bのゲート電極16側の端部と該ゲート電極16との距離(間隔)L1に対して、ドレイン電極15とゲート電極16との距離(間隔)L2を大きくしている。具体的には、領域13bとゲート電極との距離L1を1μmとすると共に、ドレイン電極15とゲート電極16との距離(間隔)L2を5μmとしている。
第1の特徴により、障壁層13とヘテロ接合する動作層12において、障壁層13の通常の厚さh2よりも厚い領域13bの下方に生じるチャネル領域の電子濃度が、厚さh2の領域よりも高い値となる。従って、障壁層13の厚さを一様にh2とする場合と比べて、第2の実施形態に係る半導体装置のオン抵抗Ronが低減する。
また、第2の特徴により、障壁層13における領域13bのゲート電極16側の端部と該ゲート電極16との距離L1が、ドレイン電極15とゲート電極16との距離L2と等しい場合と比べてオン抵抗Ronがさらに低減すると共にドレイン耐圧も増大する。
図7(a)及び図7(b)は第2の実施形態に係る半導体装置と従来例に係る半導体装置とにおけるドレイン電流Idsとドレイン電圧Vdsとの関係(Ids−Vds曲線)であって、図7(a)は共に0Vのゲート電圧(Vg)を印加して動作させた場合を示し、図7(b)は共に−3.5Vのゲート電圧(Vg)を印加してピンチオフ状態とした場合を示している。
図7(a)に示すように、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置と比べて同一のドレイン電圧Vdsでより高いドレイン電流Idsを得られており、オン抵抗Ronが小さいことが分かる。
また、図7(b)からは、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置よりもブレークダウン電圧が高いことが分かる。これは、ドレイン電極15とゲート電極16との距離L2が従来の半導体装置よりも長いことによる。
以下、前記のように構成された第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法であって、障壁層13並びにソース電極14及びドレイン電極15の形成方法を図8(a)及び図8(b)を参照しながら説明する。
まず、図8(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に、例えばMOCVD法又はMBE法により、GaNからなる動作層12と、Al0.25Ga0.75Nからなる障壁層13とを順次積層する。ここで、障壁層13の厚さはソースゲート間でチャネル電子濃度が高くなるのに必要な厚さh1(25nm)とし、通常の値h2(15nm)よりも大きくする。
続いて、リソグラフィ法により、障壁層13の上の厚さがh1となる領域13bを覆うレジストマスク19を形成し、形成したレジストマスク19を用いたドライエッチング又はウェットエッチングにより、障壁層13における領域13bを除く領域を厚さがh2となるまでエッチングする。ここで、ドライエッチングを行なう場合には、塩素ガスを主成分とするエッチングガスを用いる。また、ウェットエッチングを行なう場合には、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ溶液をエッチャントとして、紫外線(UV)を照射しながら行なうとよい。
次に、図8(b)に示すように、レジストマスク19を除去し、その後、障壁層13における厚さがh1の領域13bの上にソース電極14を形成すると共に、障壁層13における厚さがh2の領域上で、且つ領域13bのドレイン電極15側の端部から距離L1+L2(=6μm)をおいてドレイン電極15を形成する。その後、障壁層13におけるソース電極14とドレイン電極15との間の所定の位置に、例えばリフトオフ法によってゲート電極16を形成することにより、図6に示す構成の半導体装置を得る。
(第2の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置について図9を参照しながら説明する。図9において、図6に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図9に示すように、第1変形例に係る半導体装置は、障壁層13におけるソース電極14の下側に位置する厚さがh1の領域13bの上部に、表面から5nmの深さにわたってn型不純物であるシリコンがドープされたSiドープ層13cが形成されている。
Siドープ層13cは、エピタキシャル成長時又はエピタキシャル成長後の固相拡散によって、不純物濃度が1×1019cm-3〜1×1020cm-3程度にまで高められている。
この高濃度のSiドープ層13cを領域13bの上部に設けることにより、領域13bの下側に位置する動作層12に形成されるチャネル領域の電子濃度は第2の実施形態に係る半導体装置の場合よりもさらに高くなる。
一方、第2の実施形態と同様に、障壁層13における領域13b及びSiドープ層13cを除く厚さがh2(<h1)の領域は、Siドープ層13cによるチャネル領域内の電子濃度の増大が生じないため、アンドープ時の障壁層の厚さh2によって決定される最大のドレイン耐圧を確保することができる。
(第2の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置について図10を参照しながら説明する。図10において、図6に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図10に示すように、第2変形例に係る半導体装置は、障壁層13におけるソース電極14の下側に位置する厚さがh1の領域13bに、表面から深さが3nmの位置に厚さが1nmの、シリコンによるδドープ層13dが形成されている。
δドープ層13dは、エピタキシャル成長時に、n型不純物であるシリコンの濃度が3×1019cm-3〜1×1020cm-3程度にまで高められている。
この高濃度のδドープ層13dを領域13bの上部に設けることにより、領域13bの下側に位置する動作層12に形成されるチャネル領域の電子濃度は第2の実施形態に係る半導体装置の場合よりもさらに高くなる。
一方、第2の実施形態と同様に、障壁層13における領域13b及びδドープ層13dを除く厚さがh2(<h1)の領域は、δドープ層13dによるチャネル領域内の電子濃度の増大が生じないため、アンドープ時の障壁層の厚さh2によって決定される最大のドレイン耐圧を確保することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について図11(a)を参照しながら説明する。
図11(a)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の断面構成を模式的に示している。図11(a)において、図1(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図11(a)に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置は、例えばAl0.25Ga0.75Nからなる障壁層13の上に、ソース電極14、ドレイン電極15及びゲート電極16を含む全面にわたって、厚さが約1.5μmの酸化シリコン(SiO2 )又は窒化シリコン(SiN)からなる層間絶縁膜30が形成されている。
第3の実施形態の特徴として、層間絶縁膜30上のソース電極14とゲート電極16との間に位置するように、導電体例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)又は金(Au)を主成分とする金属からなる制御電極31が設けられている。
動作時に、制御電極31に対して、ソース電極14よりも高い電圧を印加することによって、動作層12のチャネル領域における制御電極31の下方に位置する領域12aの電子濃度は、該制御電極31を設けない場合と比べて高くなる。従って、該領域12aの電子濃度が高い状態を導通(オン)時に保つことにより、オン抵抗Ronは低減する。
これに対し、層間絶縁膜30上のゲート電極16とドレイン電極15との間には制御電極31を設けていないため、動作層12のチャネル領域におけるゲートドレイン間の耐圧はアルミニウムの混晶比が0.25の場合の最高値に保たれる。
このように、第3の実施形態によると、障壁層13の上方におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域に、層間絶縁膜30を介在させた制御電極31を設けているため、動通時に該制御電極31にソース電極14よりも高い電圧を印加することにより、制御電極31の下方に位置する動作層12に形成されるチャネル領域12aの電子濃度は、他のチャネル領域と比べて増大するので、チャネル抵抗すなわちオン抵抗Ronが低減する。
また、遮断時には、制御電極31に対してソース電極14よりも絶対値が大きい負電圧を印加することによって、動作層12のチャネル領域におけるソースゲート間領域12aの電子濃度はより一層低減するため、制御電極31を設けない場合と比べて良好な遮断特性を実現することができる。
図11(b)は第3の実施形態に係る半導体装置と従来例に係る半導体装置に対して共に0Vのゲート電圧(Vg)を印加して動作させた場合のドレイン電流Idsとドレイン電圧Vdsとの関係(Ids−Vds曲線)を示している。図11(b)に示すように、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置と比べて同一のドレイン電圧Vdsでより高いドレイン電流Idsを得られており、オン抵抗Ronが小さいことが分かる。
以上説明したように、第3の実施形態に係る半導体装置によると、障壁層13の上方におけるソース電極14とゲート電極16との間に層間絶縁膜30を介在させて設けられた制御電極31に、ソース電極14に対する印加電圧よりも高い電圧を印加することによって、動作層12のチャネル領域に電子濃度が高い領域12aが誘起されるため、制御電極31を設けない場合と比べてオン抵抗Ronを低減することができる。
その上、動作層12のチャネル領域におけるドレインゲート間の領域には、電子濃度が高い領域12aが誘起されることがないので、ドレイン耐圧は障壁層13のアルミニウムの組成比0.25で決定される最大の値となる。
さらには、遮断時に、制御電極31に対してソース電極14よりも絶対値が大きい負電圧を印加すれば、チャネル領域におけるソースゲート間領域12aの電子濃度はより一層低減するようになり、制御電極31を設けない場合と比べて良好な遮断特性を実現できる。
(第3の実施形態の一変形例)
制御電極31に、ソース電極14に対して高い電圧を印加する構成に代えて、制御電極31を構成する材料の仕事関数をソース電極14を構成する材料の仕事関数よりも小さくすることによっても同等の効果を得ることができる。
なぜなら、制御電極31に仕事関数が相対的に小さい金属、例えば、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)又はイットリウム(Y)等を用いると、動作層12におけるチャネル領域の伝導帯の下端のエネルギーレベルがフェルミレベルに近くなるように曲げられるため、チャネル領域を走行する電子が障壁層13と動作層12との界面により多く蓄積するからである。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置について図12(a)を参照しながら説明する。
図12(a)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の断面構成を模式的に示している。図12(a)において、図1(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図12(a)に示すように、第4の実施形態に係る半導体装置は、例えばAl0.25Ga0.75Nからなる障壁層13の上部におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域に、濃度が1×1018cm-3程度のシリコンがドープされたn型不純物領域13aが形成されている。
さらに、障壁層13の上には、ソース電極14、ドレイン電極15及びゲート電極16を含む全面にわたって、厚さが約1.5μmの酸化シリコン(SiO2 )又は窒化シリコン(SiN)からなる層間絶縁膜30が形成されており、該層間絶縁膜30上のゲート電極16とドレイン電極15との間に位置するように、Al又はCu等の金属からなる制御電極32が設けられている。
遮断動作時に、障壁層13の上方におけるゲート電極16とドレイン電極15との間に層間絶縁膜30を介在させて設けられた制御電極32に、ソース電極14に印加する電圧よりも低い電圧(負電圧)を印加することによって、障壁層13における制御電極32の下方に位置する領域13eの電子濃度は、該制御電極31を設けない場合と比べて低くなる。
従って、該領域13eの電子濃度が低い状態を遮断(オフ)時に保つことにより、ドレイン耐圧は向上する。
図12(b)は第4の実施形態に係る半導体装置と従来例に係る半導体装置に対して共に−3.5Vのゲート電圧(Vg)を印加してピンチオフ状態とした場合のドレイン電流Idsとドレイン電圧Vdsとの関係(Ids−Vds曲線)を示している。図12(b)から明らかなように、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置よりもブレークダウン電圧が高いことが分かる。
一方、障壁層13におけるソース電極14及びゲート電極16の間は第1の実施形態と同様に、高濃度のn型不純物領域13aが形成されているため、動作層12のチャネル領域におけるn型不純物領域13aの下方の電子濃度が高められる。従って、制御電極32に正のバイアス電圧を印加することによって、該制御電極32の下方のチャネル領域の電子濃度も従来の半導体装置と同等以上に高い濃度を保つことが可能となるので、オン抵抗Ronが低減する。
(第4の実施形態の第1変形例)
制御電極32に、ソース電極14よりも低い電圧を印加する構成に代えて、制御電極32を構成する材料の仕事関数をソース電極14を構成する材料の仕事関数よりも大きくすることによっても同等の効果を得ることができる。
なぜなら、制御電極32に仕事関数が相対的に大きい金属、例えば白金(Pt)等を用いると、動作層12におけるチャネル領域の伝導帯の下端のエネルギーレベルがフェルミレベルから遠ざかるように曲げられるため、障壁層13と動作層12と界面における電子濃度が低減するからである。
(第4の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第4の実施形態の第2変形例に係る半導体装置について図13を参照しながら説明する。図13において、図12(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図13に示すように、第2変形例に係る半導体装置は、障壁層13の上に形成されるゲート電極16とドレイン電極15との間隔を広げると共に、層間絶縁膜30上に形成される制御電極を、ゲート電極16側から互いに間隔をおいた第1の制御電極32A、第2の制御電極32B及び第3の制御電極32Cにより構成している。
ところで、障壁層13上のソース電極14とゲート電極16との間に形成された3つの制御電極32A、32B、32Cに対してソース電極14よりも低い電圧を印加することによって、障壁層13における各制御電極32A〜32Cの下側部分の電子濃度が低減することにより、ドレイン耐圧が向上するという効果を得られる。
しかしながら、図12(a)のように制御電極32が1つの場合又は複数の制御電極32A〜32Cが同一の負電圧に保たれた場合は、障壁層13におけるドレイン電極15に最も近い制御電極32又は32Cのドレイン電極15側の下端部に電界の集中が発生し、この部分で破壊が生じる。
そこで、第2変形例においては、複数の制御電極32A〜32Cのうち最もゲート電極16に近い第1の制御電極32Aに絶対値が最も大きい負電圧を印加し、ドレイン電極15に近づくにつれて、すなわち、第2の制御電極32Bへの印加電圧を第1の制御電極32Aへの印加電圧よりも高くし、さらに、第3の制御電極32Cへの印加電圧を第2の制御電極32Bへの印加電圧よりも高くする。これにより、ドレイン電極15に最も近い第3の制御電極32Cのドレイン電極15側の下端部に生ずる電界の集中を緩和することができるため、ドレイン耐圧をさらに増大させることができる。
以上説明したように、第4の実施形態及びその変形例によると、遮断動作時に、障壁層13の上方であって、ゲート電極16及びドレイン電極15の間の領域に設けられた1つ又は複数の制御電極32等に対して、ソース電極14に対する印加電圧よりも低い電圧を印加することにより、障壁層13における各制御電極32等の下側の領域の電子濃度が低い領域13eが誘起される。この構成により、ドレイン耐圧を制御電極32等を設けない場合と比べて向上することができる。
その上、第1の実施形態と同様に、障壁層13におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域にn型不純物がドープされてなるn型不純物層を設けているため、導通時のオン抵抗Ronをも十分に低減することができる。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態に係る半導体装置について図14を参照しながら説明する。
図14は本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の断面構成を模式的に示している。図14において、図1(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図14に示すように、第5の実施形態に係る半導体装置は、例えばAl0.25Ga0.75Nからなる障壁層13の上部に設けるドレイン電極15は、金属層(ドレインフィールドプレート)15Aとして構成されている。
具体的には、金属層15Aの一方の端部は、ゲート電極16に対してソース電極14の反対側の領域で障壁層13と接合してドレイン電極15として機能し、その他方の端部は障壁層13の上方におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域に位置するように、層間絶縁膜33を介在させ且つゲート電極16を覆うように形成されている。さらに、金属層15Aの他方の端部、すなわちソース電極14側の端部における下端面の動作層12の上面からの高さh1は、金属層15Aのゲート電極16及びドレイン電極15の間の下端面の動作層12の上面からの高さh2よりも低い。ここでは、一例として、金属層15Aは、ソース電極14側の高さh1を1μmとし、ゲート電極16に対してソース電極14の反対側の高さh2を2μmとしている。
この構成により、第5の実施形態に係る半導体装置は、導通時には、障壁層13におけるソース電極14とゲート電極16との間の領域13fには、金属層15Aに印加される高い正電圧によって、動作層12のチャネル領域における領域13fの下側部分の電子濃度がドレイン側よりも高くなるため、オン抵抗Ronが低減される。
これに対し、障壁層13におけるゲート電極16及びドレイン電極15の間の領域は金属層15Aによってゲート電極16の下端部における電界の集中が緩和されるため、ゲートドレイン間の領域における耐圧は金属層15Aがない場合と比較して向上する。
図15(a)及び図15(b)は第5の実施形態に係る半導体装置と従来例に係る半導体装置とにおけるドレイン電流Idsとドレイン電圧Vdsとの関係(Ids−Vds曲線)であって、図15(a)は共に0Vのゲート電圧(Vg)を印加して動作させた場合を示し、図15(b)は共に−3.5Vのゲート電圧(Vg)を印加してピンチオフ状態とした場合を示している。
図15(a)に示すように、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置と比べて同一のドレイン電圧Vdsでより高いドレイン電流Idsを得られており、オン抵抗Ronが小さいことが分かる。これは、金属層15Aの下端面の動作層12の上面からの高さが、ソース電極14側の方がドレイン電極15側よりも低いことによる。
また、図15(b)からは、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置よりもブレークダウン電圧が高いことが分かる。
以上説明したように、第5の実施形態に係る半導体装置によると、障壁層13の上方におけるソース電極14とゲート電極16との間に端部を持ち、ドレイン電極15を兼ねる金属層(ドレインフィールドプレート)15Aを設けているため、該端部の下側に位置する障壁層13に電子濃度が高い領域13fが誘起される。その結果、該領域13fの下側に位置する動作層12のチャネル領域においても電子濃度が増大するので、金属層15Aを設けない場合と比べてオン抵抗Ronを低減することができる。
その上、動作層12のチャネル領域におけるドレインゲート間の領域は、金属層15Aによってゲート電極16の下端部における電界の集中が緩和されるため、ドレイン耐圧が向上する。
なお、コンタクト属15Aの形成方法は、障壁層13の上に形成する層間絶縁膜33を、2回に分けて堆積し、蒸着法及びめっき法により成長させる。例えば、第1の絶縁膜33aを障壁層13の上にゲート電極16を覆うように成膜し、その後、リソグラフィ法により、成膜した第1の絶縁膜33aにおけるゲート電極形成領域を開口する開口パターンを形成する。同時に、第1の絶縁膜33aにおけるソース電極14及びゲート電極16の間の領域には、動作層12からの高さがh1となるような底面を持つ凹部を形成する。その後、第1の絶縁膜33aの上に、金属層形成領域を開口するレジストマスクを形成し、形成したレジストマスクを用いて、第1の絶縁膜33aの上に金属層15Aを構成する下地膜となるチタン(Ti)を蒸着し、続いて下地膜の上に金(Au)をめっきする。さらに、レジストマスクをリフトオフすることにより金属層15Aを形成する。その後は、第1の絶縁膜33a及び金属層15Aを覆うように第2の絶縁膜33bを成膜する。
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態に係る半導体装置について図16を参照しながら説明する。
図16は本発明の第6の実施形態に係る半導体装置の断面構成を模式的に示している。図16において、図1(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図16に示すように、第6の実施形態に係る半導体装置は、例えばAl0.25Ga0.75Nからなる障壁層13の上部に設けるソース電極14は、金属層(ソースフィールドプレート)14Aとして構成されている。
具体的には、金属層14Aの一方の端部は、ゲート電極16に対してドレイン電極15の反対側の領域で障壁層13と接合してソース電極14として機能し、その他方の端部は障壁層13の上方におけるゲート電極16とドレイン電極15との間の領域に位置するように、層間絶縁膜34を介在させ且つゲート電極16を覆うように形成されている。さらに、金属層14Aにおけるソース電極14及びゲート電極16の間の下端面の動作層12の上面からの高さh1は、金属層14Aの他方の端部、すなわちドレイン電極15側の端部における下端面の動作層12の上面からの高さh2よりも低い。ここでは、一例として、金属層14Aは、ソース電極14側の高さh1を50nmとし、ドレイン電極15側の高さh2を200nmとしている。
また、第1の実施形態と同様に、障壁層13の上部におけるソース電極とゲート電極16との間の領域には、高濃度のn型不純物、例えば1×1018cm-3の濃度のシリコンがドープされたn型不純物領域13aが形成されている。
この構成により、第6の実施形態に係る半導体装置は、導通時には、障壁層13におけるソース電極14とゲート電極16との間のn型不純物領域13aにおいて、金属層14Aのソース電極14側の下端面の動作層12の表面からの高さh1は50nmと低いことから、金属層14Aに印加される0Vの電圧によって、動作層12のチャネル領域におけるn型不純物領域13aの下側部分の電子濃度がドレイン側よりもさらに高くなるので、オン抵抗Ronが低減される。
その上、障壁層13におけるゲート電極16及びドレイン電極15の間の領域13gは金属層14Aによってゲート電極16の下端部における電界の集中が緩和されるため、ゲートドレイン間の領域における耐圧は金属層14Aがない場合と比較して向上する。
図17(a)及び図17(b)は第6の実施形態に係る半導体装置と従来例に係る半導体装置とにおけるドレイン電流Idsとドレイン電圧Vdsとの関係(Ids−Vds曲線)であって、図17(a)は共に0Vのゲート電圧(Vg)を印加して動作させた場合を示し、図17(b)は共に−3.5Vのゲート電圧(Vg)を印加してピンチオフ状態とした場合を示している。
図17(a)に示すように、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置と比べて同一のドレイン電圧Vdsでより高いドレイン電流Idsを得られており、オン抵抗Ronが小さいことが分かる。これは、金属層14Aの下端面の動作層12の上面からの高さが、ソース電極14側の方がドレイン電極15側よりも低いことによる。
また、図17(b)からは、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置よりもブレークダウン電圧が高いことが分かる。
以上説明したように、第6の実施形態に係る半導体装置によると、障壁層13の上方におけるゲート電極16とドレイン電極15との間に端部を持ち、ソース電極14を兼ねる金属層(ソースフィールドプレート)14Aを設けているため、ソースゲート間に位置する障壁層13に設けたn型不純物領域13aにおける電子濃度がより高くなる。その結果、該n型不純物領域13aの下側に位置する動作層12のチャネル領域においても電子濃度が増大するので、金属層14Aを設けない場合と比べてオン抵抗Ronをより一層低減することができる。
なお、コンタクト属14Aは、第5の実施形態と同様の形成方法により形成することができる。
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態に係る半導体装置について図18を参照しながら説明する。
図18は本発明の第7の実施形態に係る半導体装置の断面構成を模式的に示している。図18において、図1(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図18に示すように、第7の実施形態に係る半導体装置は、厚さが25nm程度であって動作層12とその下面でヘテロ接合するAlxGa1-xNからなる障壁層13は、ソース電極14とゲート電極16のドレイン電極15側の端部との間の第1の領域13Aにおけるアルミニウムの組成比xが0.39であり、ゲート電極16とドレイン電極15との間の第2の領域13Bのアルミニウムの組成比は0.15である。また、障壁層13における第1の領域13A及び第2の領域13Bを除く領域の組成比は0.25である。
第7の実施形態によると、障壁層13におけるソースゲート間領域(但し、ゲート電極16の下側部分を含む。以下、本実施形態において同じ。)である第1の領域13Aは、障壁層13のアルミニウムの混晶比を全体に0.25とする場合と比べて、Al0.39Ga0.61Nからなる障壁層13とGaNからなる動作層12との間の分極量の差が増大するため、その電子濃度は約2倍となるので、オン抵抗Ronを低減できる。
これに対し、ゲートドレイン間領域である第2の領域13Bは、そのアルミニウムの組成比が小さいことから、Al0.15Ga0.85Nからなる障壁層13とGaNからなる動作層12との間の分極量の差が小さいため、該第2の領域13Bの下側に位置するチャネル領域の電子濃度は低下する。その結果、第2の領域13Bにおけるドレイン耐圧はアルミニウムの組成比が従来の0.25の場合よりも向上する。
図19(a)及び図19(b)は第7の実施形態に係る半導体装置と従来例に係る半導体装置とにおけるドレイン電流Idsとドレイン電圧Vdsとの関係(Ids−Vds曲線)であって、図19(a)は共に0Vのゲート電圧(Vg)を印加して動作させた場合を示し、図19(b)は共に−3.5Vのゲート電圧(Vg)を印加してピンチオフ状態とした場合を示している。
図19(a)に示すように、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置と比べて同一のドレイン電圧Vdsでより高いドレイン電流Idsを得られており、オン抵抗Ronが小さいことが分かる。これは、ソースゲート間の第1の領域13Aにおけるアルミニウムの組成比を0.39と大きくして、該第1の領域13Aの下側の電子濃度を増大したことによる。
また、図19(b)からは、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置よりもブレークダウン電圧が高いことが分かる。これは、ゲートドレイン間の第2の領域13Bにおけるアルミニウムの組成比を0.15と小さくして、該第1の領域13Aの下側の電子濃度を低減したことによる。
以下、前記のように構成された第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図20(a)〜図20(e)を参照しながら説明する。
まず、図20(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に、MOCVD法により、窒化ガリウムからなる動作層12を形成した後、形成した動作層12におけるソース電極及びドレイン電極形成領域を選択的にマスクする酸化シリコンからなる第1のマスク膜41を形成する。続いて、第1のマスク膜41が形成された動作層12の上に、MOCVD法により、成長温度を1150℃として、厚さが25nmのAl0.25Ga0.75Nからなる障壁層13を選択成長する。
次に、図20(b)に示すように、第1のマスク膜41をフッ化水素酸(HF)の水溶液により除去し、その後、動作層12及び障壁層13の上に、第1の領域13Aを形成する領域を開口する第2のマスク膜42を形成する。
次に、第2のマスク膜42が形成された動作層12の上に、MOCVD法により、成長温度を1150℃として、厚さが25nmのAl0.39Ga0.61Nからなる障壁層13の第1の領域13Aを選択成長する。その後、第2のマスク膜42をフッ化水素酸(HF)の水溶液により除去して図20(c)に示す状態を得る。
次に、図20(d)に示すように、動作層12、障壁層13及び第1の領域13Aの上に、第2の領域13Bを形成する領域を開口する第3のマスク膜43を形成する。
次に、第3のマスク膜43が形成された動作層12の上に、MOCVD法により、成長温度を1150℃として、厚さが25nmのAl0.15Ga0.85Nからなる障壁層13の第2の領域13Bを選択成長する。その後、第3のマスク膜43をフッ化水素酸(HF)の水溶液により除去して図20(e)に示す、アルミニウムの組成が0.25の障壁層13に、アルミニウムの組成が0.39の第1の領域13Aと、アルミニウムの組成が0.15の第2の領域13Bとを形成することができる。
このようにして得られたエピタキシャル構造を持つ基板11の障壁層13上の所定の位置にソース電極14及びドレイン電極15を形成し、さらに第1の領域13A上の所定の位置にゲート電極16をリソグラフィ法及びリフトオフ法によって形成すると、図18に示す半導体装置を得ることができる。
以上説明したように、第7の実施形態に係る半導体装置によると、障壁層13におけるアルミニウムの組成比を、ソースゲート間で大きくし且つゲートドレイン間で小さくすることにより、動作層12と障壁層13との界面に生じる分極量の差がソースゲート間では増大する一方、ゲートドレイン間では低下する。この分極量の差に応じて、動作層12におけるチャネル領域のソースゲート間の領域すなわち第1の領域13Aの下側の電子濃度は増大する一方、チャネル領域のゲートドレイン間の領域すなわち第2の領域13Bの下側の電子濃度は低下する。従って、オン抵抗Ronを低減できると共にドレイン耐圧を向上することができる。
(第8の実施形態)
以下、本発明の第8の実施形態に係る半導体装置について図21を参照しながら説明する。
図21は本発明の第8の実施形態に係る半導体装置の断面構成を模式的に示している。図21において、図1(a)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図21に示すように、第8の実施形態に係る半導体装置は、アンドープのAl0.15Ga0.85Nからなる第1の障壁層13Cの上のソース電極14の下側からゲート電極16の近傍にまで、アンドープのAl0.39Ga0.61Nからなる第2の障壁層13Dが形成されている。ここでは、第1の障壁層13Aの厚さh2を15nmとし、第2の障壁層13Bの厚さを10nmとしている。従って、第1の障壁層13Cと第2の障壁層13Dとを合わせた厚さh1は25nmである。
このように、第8の実施形態においては、障壁層13におけるソースゲート間の領域においては、第2の障壁層13Dによって第1の障壁層13Cと動作層12との間の分極量の差が増大するため、動作層12に形成されるチャネル領域の電子濃度は、従来の半導体装置におけるアルミニウムの組成比が0.25の障壁層よりも高められるので、オン抵抗Ronの低減が可能となる。
一方、第1の障壁層13Cにおけるゲートドレイン間の領域のアルミニウムの組成比は0.25よりも小さいことから、第1の障壁層13Cと動作層12との間の分極量の差が小さくなるので、動作層12のゲートドレイン間に形成されるチャネル領域の電子濃度は低減する。その結果、ゲートドレイン間領域におけるドレイン耐圧は、アルミニウムの組成比が従来の0.25の場合よりも向上する。
図22(a)及び図22(b)は第2の実施形態に係る半導体装置と従来例に係る半導体装置とにおけるドレイン電流Idsとドレイン電圧Vdsとの関係(Ids−Vds曲線)であって、図22(a)は共に0Vのゲート電圧(Vg)を印加して動作させた場合を示し、図22(b)は共に−3.5Vのゲート電圧(Vg)を印加してピンチオフ状態とした場合を示している。
図22(a)に示すように、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置と比べて同一のドレイン電圧Vdsでより高いドレイン電流Idsを得られており、オン抵抗Ronが小さいことが分かる。
また、図22(b)からは、実線で示した本実施形態に係る半導体装置の方が、点線で示した従来の半導体装置よりもブレークダウン電圧が高いことが分かる。これは、第1の障壁層13Cにおいて、ゲートドレイン間のアルミニウムの組成比を.015と小さくし、且つ動作層12の上面からの厚さh2をソース電極14側の厚さh1よりも低くすることにより、動作層12におけるゲートドレイン間の領域の電子濃度を低減したことによる。
以下、前記のように構成された第8の実施形態に係る半導体装置の製造方法であって、第1の障壁層13C及び第2の障壁層13Dの形成方法を図23(a)及び図23(b)を参照しながら説明する。
まず、図23(a)に示すように、サファイアからなる基板11の上に、例えばMOCVD法により、GaNからなる動作層12と、厚さが約15nmのAl0.15Ga0.85Nからなる第1の障壁層13Cと、厚さが約10nmのAl0.39Ga0.61Nからなる第2の障壁層13Dとを順次積層する。続いて、リソグラフィ法により、第2の障壁層13Dの形成領域を覆うレジストマスク50を形成し、形成したレジストマスク50を用いて、第2の障壁層13Dに対して、塩素ガスを主成分とするエッチングガスを用いたドライエッチングを行なって、図23(b)に示す第2の障壁層13Dを得る。なお、エッチングにはウェットエッチングも用いてもよい。
その後は、第2の障壁層13D上の所定の位置にソース電極14を形成すると共に、第1の障壁層13C上の所定の位置にドレイン電極15を形成する。続いて、第1の障壁層の上におけるソース電極14とドレイン電極15との間の所定の位置にゲート電極16を形成すると、図21に示す半導体装置を得ることができる。
なお、第1〜第8の実施形態及び各変形例においては、ヘテロ接合を構成する動作層12及び障壁層13に窒化ガリウム(GaN)と、窒化アルミニウムガリウム(Al0.25Ga0.75N)との組み合わせを用いたが、これに限られない。
すなわち、一般式がBwAlxGayInzN(但し、w、x、y及びzは、w+x+y+z=1,0≦w,x,y,z≦1である。)によって表わされるIII-V族窒化物半導体であって、バンドギャップが異なる化合物半導体を組み合わせて用いることができる。
また、各実施形態及びその変形例において、エピタキシャル構造を成長する基板11にはサファイアを用いたが、これに限られず、炭化シリコン(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)又はシリコン(Si)等を用いてもよい。
また、各実施形態及びその変形例に係る半導体装置は、HFETに限られず、MISFET、MESFET又はJFETにも適用可能である。
本発明に係る半導体装置は、チャネル領域のソースゲート間の電子濃度を高くすることができ、且つチャネル領域のドレインゲート間の電子濃度を低減することができるため、オン抵抗を低減できると共に高いドレイン耐圧を実現できるという効果を有し、III-V族窒化物半導体を用いた、特にヘテロ接合を有する低損失及び高耐圧が要求される半導体装置等として有用である。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置におけるドレインの電流電圧特性(Ids−Vds曲線)を従来の半導体装置と比較して示したグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法であって、障壁層にn型不純物領域を形成する一工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法であって、障壁層にn型不純物領域を形成する他の工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 (a)〜(e)は本発明の第1の実施形態の一変形例に係る半導体装置の製造方法であって、キャップ層とn型不純物領域とを形成する各工程の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置におけるドレインの電流電圧特性(Ids−Vds曲線)を従来の半導体装置と比較して示し、(a)は動通時のグラフであり、(b)はピンチオフ時のグラフである。 (a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法であって、障壁層を形成する各工程の断面図である。 本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 (a)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置におけるドレインの電流電圧特性(Ids−Vds曲線)を従来の半導体装置と比較して示したグラフである。 (a)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。(b)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置におけるドレインの電流電圧特性(Ids−Vds曲線)を従来の半導体装置と比較して示したグラフである。 本発明の第4の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第5の実施形態に係る半導体装置におけるドレインの電流電圧特性(Ids−Vds曲線)を従来の半導体装置と比較して示し、(a)は動通時のグラフであり、(b)はピンチオフ時のグラフである。 本発明の第6の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第6の実施形態に係る半導体装置におけるドレインの電流電圧特性(Ids−Vds曲線)を従来の半導体装置と比較して示し、(a)は動通時のグラフであり、(b)はピンチオフ時のグラフである。 本発明の第7の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第7の実施形態に係る半導体装置におけるドレインの電流電圧特性(Ids−Vds曲線)を従来の半導体装置と比較して示し、(a)は動通時のグラフであり、(b)はピンチオフ時のグラフである。 (a)〜(e)は本発明の第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法であって、障壁層にアルミニウムの組成比が異なる領域を形成する各工程の断面図である。 本発明の第8の実施形態に係る半導体装置を示す模式的な構成断面図である。 (a)及び(b)は本発明の第8の実施形態に係る半導体装置におけるドレインの電流電圧特性(Ids−Vds曲線)を従来の半導体装置と比較して示し、(a)は動通時のグラフであり、(b)はピンチオフ時のグラフである。 (a)及び(b)は本発明の第8の実施形態に係る半導体装置の製造方法であって、第1の障壁層及び第2の障壁層を形成する各工程の断面図である。 従来の半導体装置(HFET)を示す模式的な構成断面図である。
符号の説明
10 薄膜
11 基板
12 動作層
12a 制御電極の下方に位置する領域
13 障壁層
13a n型不純物領域
13b 厚さがh1の領域
13c Siドープ層
13d δドープ層
13e 制御電極の下方に位置する領域
13f ソース電極とゲート電極との間の領域
13g ゲート電極及びドレイン電極の間の領域
13A 第1の領域
13B 第2の領域
13C 第1の障壁層
13D 第2の障壁層
14 ソース電極
14A 金属層(ソースフィールドプレート)
15 ドレイン電極
15A 金属層(ドレインフィールドプレート)
16 ゲート電極
18 レジストマスク
18a 開口部
19 レジストマスク
20 キャップ層形成層
21 第1のキャップ層
22 第2のキャップ層
23 マスク膜
30 層間絶縁膜
31 制御電極
32 制御電極
32A 第1の制御電極
32B 第12制御電極
32C 第3の制御電極
33 層間絶縁膜
33a 第1の絶縁膜
33b 第2の絶縁膜
34 層間絶縁膜
41 第1のマスク膜
42 第2のマスク膜
43 第3のマスク膜
50 レジストマスク

Claims (23)

  1. III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、
    前記半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、
    前記ソース電極、前記ドレイン電極及び前記ゲート電極が互いに等電位である状態において、前記半導体層における前記ソース電極と前記ゲート電極との間の電子濃度は、前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の電子濃度よりも高いことを特徴とする半導体装置。
  2. 第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記第2の半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、
    前記第2の半導体層は、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域に形成され、n型不純物がドープされてなるn型不純物領域を有していることを特徴とする半導体装置。
  3. 第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記第2の半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、
    前記第2の半導体層の上における前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域に形成され、前記第2の窒化物半導体よりもバンドギャップが小さい第3のIII-V族窒化物半導体からなり、高濃度のn型不純物がドープされたキャップ層とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  4. 第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記第2の半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、
    前記第2の半導体層における前記ソース電極と前記ゲート電極との間の厚さは、前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の厚さよりも大きいことを特徴とする半導体装置。
  5. 前記第2の半導体層はn型不純物がドープされてなるn型不純物領域を有し、該n型不純物領域の不純物濃度は、前記第2の半導体層の表面側がその基板側よりも高いことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記第2の半導体層における前記ソース電極の下方には、n型不純物がδドープされたn型不純物領域が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  7. 前記ゲート電極と前記n型不純物領域との間の距離が前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置。
  8. III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、
    前記半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、
    前記半導体層の上方における前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域に、絶縁層を介在させて形成された制御電極とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  9. 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に電流が流れているときの前記制御電極の電位は、前記ソース電極の電位よりも高いことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の電流が遮断されているときの前記制御電極の電位は、前記ソース電極の電位よりも低いことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  11. 前記制御電極を構成する材料が持つ仕事関数の値は、前記ソース電極を構成する材料が持つ仕事関数の値よりも小さいことを特徴とする請求項8〜10のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  12. III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、
    前記半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、
    前記半導体層の上方における前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の領域に、絶縁層を介在させて形成された少なくとも1つの制御電極とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  13. 前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に電流が流れているときに、前記制御電極には、前記ドレイン電極よりも低い電位が印加されていることを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
  14. 前記制御電極を複数備え、
    前記複数の制御電極に印加される電位は、前記ドレイン電極に近い制御電極ほど高いことを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
  15. 前記制御電極を構成する材料が持つ仕事関数の値は、前記ゲート電極を構成する材料が持つ仕事関数の値よりも大きいことを特徴とする請求項12〜14のうちのいずれか1項に記載の半導体装置。
  16. III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、
    前記半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、
    前記半導体層の上に形成され、一方の端部が前記ドレイン電極と電気的に接続され且つ他方の端部が前記半導体層の上方における前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域に位置するように、絶縁層を介在させて前記ゲート電極を覆う金属層とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  17. 前記金属層における前記他方の端部と前記半導体層との距離は、前記金属層における前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間に位置する下面と前記半導体層との距離よりも小さいことを特徴とする請求項16に記載の半導体装置。
  18. III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、
    前記半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極と、
    前記半導体層の上に形成され、一方の端部が前記ソース電極と電気的に接続され且つ他方の端部が前記半導体層の上方における前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の領域に位置するように、絶縁層を介在させて前記ゲート電極を覆う金属層とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  19. 前記金属層における前記他方の端部と前記半導体層との距離は、前記金属層における前記ソース電極と前記ゲート電極との間に位置する下面と前記半導体層との距離よりも大きいことを特徴とする請求項18に記載の半導体装置。
  20. 第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層とを備え、
    前記第2の半導体層の該半導体層が拡がる方向の組成の一部をその残部と異ならせることにより、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との界面に、分極量の違いにより発生する自由電荷の空間分布を生じさせることを特徴とする半導体装置。
  21. 第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記第2の半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、
    前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間の分極量の差は、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域の方が、前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の領域よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
  22. III-V族窒化物半導体からなる半導体層と、
    前記半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、
    前記半導体層は、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の組成と、前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の組成とが異なることを特徴とする半導体装置。
  23. 第1のIII-V族窒化物半導体からなる第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層の上に形成され、該第1の半導体層よりもバンドギャップが大きい第2のIII-V族窒化物半導体からなる第2の半導体層と、
    前記第2の半導体層の上に互いに間隔をおいて形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    前記第2の半導体層の上における前記ソース電極と前記ドレイン電極との間の領域に形成されたゲート電極とを備え、
    前記第2の半導体層における前記ソース電極と前記ゲート電極との間の厚さは、前記ドレイン電極と前記ゲート電極との間の厚さよりも大きく、且つ、
    前記第2の半導体層における前記ソース電極と前記ゲート電極との間のバンドギャップは、前記第2の半導体層の表面側の方が基板側及び前記ドレイン電極側よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
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