以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2は本発明に係る乗用車用計器の第1実施形態を示している。この計器は、当該乗用車のインストルメントパネルにスピードメータとして配設されている。当該計器は、断面コ字状のケーシング10、環状の見返し板20及びフロントパネル30で構成するハウジング内に、目盛り盤40、配線板50、複数の発光素子60、回動内機70及び発光指針80を組み付けて構成されている。 見返し板20は、その底壁20aにて、ケーシング10の開口部11に組み付けられており、この見返し板20の底壁20aには、開口部21が略円形状に形成されている。また、当該見返し板20は、カバー20cを備えており、当該カバー20cは、底壁20aの開口部21のうち図1にて図示左下側部に以下のように一体に形成されている。
当該カバー20cは、側板22と、屋根板23とを備えており、側板22は、開口部21の内周部のうち下縁左側部分21a及び左下側円弧部分21bから底壁20aの表面側へ垂直に延出している。また、屋根板23は、側板22の延出端部から開口部21の内側へ向け延出しており、この屋根板23は、発光指針80の先端部側を覆い得るように、図2にて図示傾斜状に延出している。ここで、屋根板23は延出端部23aを有しており、この延出端部23aは、発光指針80が後述のように図1にて図示二点鎖線の位置から目盛盤40の目盛り値「0」の位置にかけて時計方向に回動するにつれて順次長く屋根板23の裏面から露出するように、発光指針80の長手方向に交差して形成されている。
フロントパネル30は、ブラックフェース(20パーセント程度の光透過率を有する)としての役割を果たすもので、このフロントパネル30は、見返し板20の周壁20bの先端開口部24に嵌め込まれている。目盛盤40は、略円弧状目盛り部41を有しており、この目盛り部41は、目盛盤40の外周部に沿い略円弧状に当該乗用車の車速を最低値(0km/h)から最高値(180km/h)にかけて目盛って形成されている。なお、目盛リ部41は、複数の目盛り41aと、これら各目盛り41aに対応する各目盛り値41bとにより構成されている。
配線板50は、ケーシング10内にて目盛盤40の裏面に沿うように後述する内機本体71の端面に支持されている。複数の発光素子60は、配線板50の表面にて後述する指針軸72の軸周り近傍に沿い配列されている。これら各発光素子60は、発光ダイオードからなるもので、各発光素子60はその発光により目盛盤40の貫通穴部42を通して光を出射する。
回動内機70は、上記内機本体71及び指針軸72を備えており、内機本体71は、ケーシング10内にてその底壁12に装着されている。指針軸72は、内機本体71から配線板50の貫通穴部51を通り目盛盤40の貫通穴部42に向けて回動可能に延出している。
発光指針80は、透明の導光樹脂材料からなる指針本体80aと、断面コ字状の遮光性キャップ80bとを備えており、指針本体80aは、その回動基部81のボス81aにて、指針軸72の先端部に同軸的に支持されている。これにより、指針本体80aは、その指針部82にて、目盛盤40の表面に沿い回動基部81から延出している。本第1実施形態では、指針部82の表面は、図2にて示すごとく、カバー20cの屋根板23の裏面側にてこの裏面に平行となるように、目盛盤40の表面に対し傾斜状に形成されている。
指針本体80aの回動基部81の後壁には、両傾斜状反射壁部81b、81cが、図2にて示すごとく形成されており、反射壁部81bは、複数の発光素子60のうち指針軸72よりも発光指針80の先端部側に位置する発光素子60から回動基部81に入射する光を指針部82内に反射し、また、反射壁部81cは、複数の発光素子60のうち指針軸72よりも発光指針80の後端部側に位置する発光素子60から回動基部81に入射する光を指針部82内に反射する。これにより、指針本体80aの指針部82は、その先端部に向け各反射壁部81b、81cからの反射光を導入して、表面側に向け発光する。なお、キャップ80bは、指針本体80aの回動基部81をその表面側から覆蓋している。
次に、当該計器の電気回路構成につき図3を参照して説明すると、車速センサ90は、当該乗用車の車速を検出する。制御回路100は、マイクロコンピュータを主たる構成素子として有するもので、当該制御回路100のマイクロコンピュータは、バッテリBから常時給電されて作動状態におかれる。また、制御回路100は、そのマイクロコンピュータにて、図示しないフローチャートに従うコンピュータプログラムの実行のもと、当該乗用車のイグニッションスイッチIGを介しバッテリBから給電されて、駆動回路110を介し複数の発光素子60を発光駆動制御し、また、イグニッションスイッチIGの操作及び車速センサ90の出力に基づき駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御する。
ここで、制御回路100は、そのマイクロコンピュータにより、イグニッションスイッチIGのオフに伴い、発光指針80を図1にて図示二点鎖線で示す角度位置(以下、格納角度位置という)に回動させるように、駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御する。このとき、指針本体80aの指針部82は、その先端部側にて、カバー20cの屋根板23の裏面側に格納される。
また、制御回路100は、イグニッションスイッチIGのオンに伴い、上記マイクロコンピュータにより、発光指針80をその格納角度位置から図2にて図示実線で示す位置(以下、零目盛り位置という)まで回動させるように、駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御する。ここで、上記零目盛り位置とは、発光指針80が指針部82により目盛部41の複数の目盛り41aのうち目盛り値「0」に対応する目盛り41aを指示する位置をいい、指針部82が、その全体にて、カバー20cから露出する角度位置をいう。
また、制御回路100は、発光指針80を目盛部41の略円弧方向に沿い回動させるように、車速センサ90の検出出力に基づき、駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御する。
以上のように構成した本第1実施形態において、イグニッションスイッチIGがオフ状態にあれば、発光指針80はその格納角度位置にある。即ち、発光指針80の指針部82は、その先端部側にて、カバー20cの屋根板23の裏面側に位置している。これにより、発光指針80の指針部82の先端部側はカバー20cにより覆われた状態にある。なお、現段階では、各発光素子60は発光していないため、上記指針部82の覆われた状態は、フロントパネル30を通して視認されない。
このような状態において、イグニッションスイッチIGがオンされると、制御回路100は、そのマイクロコンピュータにより、駆動回路110を介し複数の発光素子60を発光駆動制御して発光させる。これに伴い、各発光素子60の光は、目盛盤40の貫通穴部42を通り発光指針80の回動基部81内にその裏面から入射する。このように回動基部81内に入射した光は各反射壁部81b、81cにより指針部82内に反射されて当該指針部82の先端部に向け導光される。このため、発光指針80は、その指針部82の表面にて発光する。但し、現段階では、指針部82は、その先端部側にて、上述のごとく、カバー20cにより覆われているので、指針部82のうちカバー20cから露出している部分だけが、フロントパネル30を通して視認され得る。
また、上述のようにイグニッションスイッチIGがオンされるに伴い、制御回路100は、そのマイクロコンピュータにより、発光指針80を上記零目盛り位置まで回動させるように、駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御する。このため、発光指針80は、その格納角度位置から上記零目盛り位置まで回動する。ここで、カバー20cの屋根板23は、その延出端部23aにて、上述のごとく、発光指針80がその格納角度位置から上記零目盛り位置にかけて時計方向に回動するにつれて順次長く屋根板23の裏面から露出するように形成されている。このため、発光指針80の指針部82のうちカバー20cから露出する発光部分は、発光指針80の格納角度位置から上記零目盛り位置への回動に応じて順次長くなる。このように、イグニッションスイッチIGのオンに伴い、指針部82のうちカバー20cから露出する発光部分が順次長くなる現象がフロントパネル30を通して視認されることにより、視認者である当該乗用車の乗員に斬新な見栄えを提供できる。
然る後、イグニッションスイッチIGのオンに伴い当該乗用車が走行状態におかれると、制御回路100は、そのマイクロコンピュータにより、車速センサ90の検出出力に応じて、駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御する。これに伴い、回動内機70は、車速センサ90の検出出力に応じた内機本体71の駆動制御のもと発光指針80を回動する。このため、発光指針80は、当該乗用車の車速を、目盛盤40の目盛り部41上にて、指針部82によりその発光のもとに指示する。
このような状態において、当該乗用車が停止すると、発光指針80は、目盛盤40の目盛り部41のうち上記零目盛り位置に戻る。このとき、発光指針80の指針部82は、その全体にて、カバー20cの外側に位置しているので、フロントパネル30を通して見ると、発光指針80の指針部82の全体がその発光状態にて視認され得る。
その後、イグニッションスイッチIGがオフされると、制御回路100は、そのマイクロコンピュータにより、発光指針80を上記格納角度位置へ回動するように、駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御する。このため、回動内機70は、発光指針80を上記零目盛り位置から上記格納角度位置へ回動させる。ここで、カバー20cの屋根板23は、その延出端部23aにて、発光指針80がその零目盛り位置から上記格納角度位置にかけて反時計方向に回動するにつれて順次短く屋根板23の裏面から露出するように形成されている。このため、発光指針80の指針部82のうちカバー20cから露出する発光部分は、発光指針80の零目盛り位置から上記格納角度位置への回動に応じて順次短くなる。このように、イグニッションスイッチIGのオフに伴い、指針部82のうちカバー20cから露出する発光部分が順次短くなる現象がフロントパネル30を通して視認されることにより、視認者である当該乗用車の乗員に斬新な見栄えを提供できる。
以上説明したように、本第1実施形態では、見返し板20にカバー20cを設けて、イグニッションスイッチIGのオン時には、発光指針80が、カバー20cを介し指針部82の発光部分を順次長く伸ばすように見せながら時計方向に回動し、逆にイグニッションスイッチIGのオフ時には、発光指針80がカバー20cを介し指針部82の発光部分を順次短くするように見せながら反時計方向に回動するので、イグニッションスイッチIGのオン或いはオフに伴う発光指針80の発光部の伸び或いは短縮でもって、斬新な見栄えを提供することができる。このような作用効果は、見返し板20にカバー20cに設けるのみで発光指針80には何ら伸縮構成を必要としないので、簡単な構成で確保できる。
(第2実施形態)
図4乃至図6は、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、上記第1実施形態において、発光指針80、複数の発光素子60、制御回路100及び駆動回路110に代えて、発光指針130、4つの発光素子140乃至140c、導光部材150、制御回路160及び各駆動回路170乃至170cを採用した構成となっている。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた見返し板20のカバー20cは廃止されている。
発光指針130は、透明の導光樹脂材料からなる指針本体130aと、導光部材130bと、発光素子130cと、断面コ字状の遮光性キャップ130dとを備えている。指針本体130aは、回動基部131の前部から指針部132を長手状に延出して構成されている。
回動基部131は、図4にて示すごとく、筒状ボス131a、円柱状導入部131b、傾斜状反射面131cを備えている。ボス131a及び導入部131bは、回動基部131の裏面から互いに平行に突出形成されており、導入部131bは、ボス131aよりも指針部132側に形成されている。しかして、回動基部131は、ボス131aにて、指針軸72の先端部に同軸的に支持されている。これにより、指針本体130aは、その指針部132にて、上記第1実施形態にて述べた目盛盤40の表面に沿い回動基部131から延出している。
また、導入部131bは、その先端面をレンズ面aとして形成してなるもので、このレンズ面aは、導光部材150から後述のように目盛盤40の貫通穴部42を通り出射される各光を反射面131cに向けて屈折させるように形成されている。
反射面131cは、回動基部131の後部を図4にて示すごとく逆「へ」の字状に切除することで、回動基部131の内部を通し指針部132及び導入部131bの各内部を臨むように傾斜状に形成されている。しかして、反射面131cは、導光部131b内にレンズ面aで屈折されて入射する各光を指針部132内に向けて反射する。
導光部材130bは、直角プリズムからなるもので、この導光部材130bは、その傾斜状出射面bにて、回動基部131の反射面131cに平行に対向するように、支持されている。しかして、この導光部材130bは、その内部に入射面cを介し発光素子130cから光を平行光として入射され、この入射光を出射面bから反射面131cを介し回動基部131及び指針部132内に入射する。発光素子130cは、導光部材130bの入射面bに対向するように支持されており、この発光素子130cは、その発光により、導光部材130b内に入射面cから入射する。本第2実施形態では、発光素子130cは、発光ダイオードで構成されている。なお、キャップ130dは、指針本体130aの回動基部131、導光部材130b及び発光素子130cを回動基部131の表面側から覆蓋するように指針本体130aに組み付けられている。
4つの発光素子140乃至140cは、図4にて示すごとく、発光素子140から発光素子140cにかけて、指針軸72の近傍にて当該指針軸72に順次近く位置するように、配線板50の表面に一列に配設されている。ここで、各発光素子140乃至140cは、発光指針130が上記第1実施形態にて述べた零目盛り位置にあるとき、指針本体130aの回動基部131の裏面に対向して位置するように、配線板50の表面に配列されている(図5参照)。しかして、各発光素子140乃至140cは、それぞれ、その発光面から、目盛盤40の裏面に向けこれに直角な方向に光を出射する。なお、各発光素子140乃至140cは、共に、発光ダイオードで構成されている。
導光部材150は、無色透明の導光樹脂材料でもって、指針本体130aと同一の幅にて、図4にて示すごとく、支持部151及び4本の長手状導光部152乃至155を一体に有するように形成されている。導光部材150は、発光指針130が上記第1実施形態にて述べた零目盛り位置にあるとき、当該発光指針130の裏面と各発光素子140乃至140cの発光面との間に位置するように、支持部151にて、目盛盤40の裏面のうち貫通穴部42の近傍部位に支持されている。これにより、各導光部152乃至155は、導光部152から導光部155にかけて列状にならんで指針軸72に順次近く位置するように、支持部151でもって支持されている。
各導光部152乃至155は、図4にて示すごとく、目盛盤40の貫通穴部42側から各発光素子140乃至140c側にかけて、互いの間隔を放射状に広げるように、一体に形成されている。導光部152は、その凸レンズ状先端面152aにて、発光素子140の発光面に対向しており、この導光部152は、発光素子140の発光面からの光を先端面152aにて入射されて屈折させ導入する。また、当該導光部152は、先端面152aからの導入光を導光して基端面152bから指針本体130aの導入部131bのレンズ面aに出射する(図4にて図示矢印R1参照)。ここで、導入部131bは、導光部152からレンズ面aへの出射光を回動基部131内にて反射面131cにより図4にて図示矢印S1の方向に反射するように、レンズ面aにて屈折して導入する。
導光部153は、その凸レンズ状先端面153aにて、発光素子140aの発光面に対向しており、この導光部153は、発光素子140aの発光面からの光を先端面153aにて入射されて屈折させ導入する。また、当該導光部153は、先端面153aからの導入光を導光して基端面153bから指針本体130aの導入部131bのレンズ面aに出射する(図4にて図示矢印R2参照)。ここで、導入部131bは、導光部153からレンズ面aへの出射光を回動基部131内にて反射面131cにより図4にて図示矢印S2の方向に反射するように、レンズ面aにて屈折して導入する。
導光部154は、その凸レンズ状先端面154aにて、発光素子140bの発光面に対向しており、この導光部154は、発光素子140bの発光面からの光を先端面154aにて入射されて屈折させ導入する。また、当該導光部154は、先端面154aからの導入光を導光して基端面154bから指針本体130aの導入部131bのレンズ面aに出射する(図4にて図示矢印R3参照)。ここで、導入部131bは、導光部154からレンズ面aへの出射光を回動基部131内にて反射面131cにより図4にて図示矢印S3の方向に反射するように、レンズ面aにて屈折して導入する。
導光部155は、その凸レンズ状先端面155aにて、発光素子140cの発光面に対向しており、この導光部155は、発光素子140cの発光面からの光を先端面155aにて入射されて屈折させ導入する。また、当該導光部155は、先端面155aからの導入光を導光して基端面155bから指針本体130aの導入部131bのレンズ面aに出射する(図4にて図示矢印R4参照)。ここで、導入部131bは、導光部155からレンズ面aへの出射光を回動基部131内にて反射面131cにより図4にて図示矢印S4の方向に反射するように、レンズ面aにて屈折させて導入する。
ここで、各矢印R1乃至R4に沿い反射面131cに入射する光は、反射面131cに対する入射位置が、矢印R1に沿う光から矢印R4に沿う光にかけて反射面131cの図4にて図示下部から上部にかけて位置を相互に異にする。このため、反射面131cで反射される各光は、矢印S1に沿う光から矢印S4に沿う光にかけて指針部132のより先端部側に順次導入される。なお、本第2実施形態では、目盛盤40の貫通穴部42は、上記第1実施形態にて述べた貫通穴部42よりも大きい。
次に、本第2実施形態における電気回路構成を図6に基づき説明する。制御回路160は、マイクロコンピュータを主たる構成素子として有するもので、この制御回路160は、そのマイクロコンピュータにて、図示しないフローチャートに従うコンピュータプログラムの実行のもと、イグニッションスイッチIGを介しバッテリBから給電されて、各駆動回路170、170a、170b及び170cを介し、各対応の発光素子140、140a、140b及び140cを発光駆動制御し、また、発光素子130cの発光駆動した上、上記発光駆動制御の停止後、車速センサ90の出力に基づき駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御する。
ここで、制御回路160は、そのマイクロコンピュータにより、イグニッションスイッチIGのオンに伴い、各発光素子140、140a、140b及び140cを、発光素子140から発光素子140cにかけて、順次、遅延デューティ発光駆動制御する。この遅延デューティ発光駆動制御は、発光素子140から発光素子140cにかけて、所定短時間ずつ順次遅れて発光するようになされる。
また、制御回路160は、そのマイクロコンピュータにより、各発光素子140、140a、140b及び140cの上記遅延デューティ発光駆動制御後、発光素子130cを発光駆動制御した上で各発光素子140、140a、140b及び140cの上記遅延デューティ発光駆動制御を停止し、ついで、車速センサ90の出力に基づく内機本体71の駆動制御を行う。また、制御回路160は、イグニッションスイッチIGのオフに伴い、上記マイクロコンピュータにより、発光素子130cの発光を停止する。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第2実施形態において、イグニッションスイッチIGがオフ状態にあれば、発光指針130は、図5にて示すごとく、その零目盛り位置にある。なお、現段階では、各発光素子140乃至140c及び発光素子130cは発光していないため、指針部132は、フロントパネル30を通して視認されない。
このような状態において、イグニッションスイッチIGがオンされると、制御回路160は、そのマイクロコンピュータにより、各駆動回路170、170a、170b及び170cを介し、各対応の発光素子140、140a、140b及び140cを、発光素子140から発光素子140cにかけて、所定短時間ずつ順次遅れて発光するように遅延デューティ発光駆動制御する。このため、各発光素子140、140a、140b及び140cは、発光素子140から発光素子140cにかけて所定短時間ずつ順次遅れて発光し導光部材150の各導光部152乃至155に光を出射する。
すると、導光部152は、その先端面152aにて、発光素子140の光を入射されて導光し基端面152bから矢印R1に沿い指針本体130aの導入部131bに向け出射し、導光部153は、その先端面153aにて、発光素子140aの光を入射されて導光し基端面153bから矢印R2に沿い指針本体130aの導入部131bに向け出射する。また、導光部154は、その先端面154aにて、発光素子140bの光を入射されて導光し基端面154bから矢印R3に沿い指針本体130aの導入部131bに向け出射し、導光部155は、その先端面155aにて、発光素子140cの光を入射されて導光し基端面155bから矢印R4に沿い指針本体130aの導入部131bに向け出射する。
ついで、矢印R1に沿う光は反射面131cにより矢印S1に沿い反射されて指針部132内に進み、矢印R2に沿う光は反射面131cにより矢印S2に沿い反射されて指針部132内に進み、矢印R3に沿う光は反射面131cにより矢印S3に沿い反射されて指針部132内に進み、また、矢印R4に沿う光は反射面131cにより矢印S4に沿い反射されて指針部132内に進む。ここで、各矢印S1乃至S4に沿う光は、順次、上記所定短時間ずつ遅延して、指針部132内により先端側へ進む。これにより、発光指針130は、その零目盛り位置にて、指針本体130aの回動基部131側から指針部132の先端部側にかけて順次遅延しながら発光する。従って、イグニッションスイッチIGのオンに伴い、発光指針130の発光部分は順次長く伸びるように、フロントパネル30を通して見え、その結果、視認者である当該乗用車の乗員に斬新な見栄えを提供できる。
然る後、制御回路160は、そのマイクロコンピュータにより、発光素子130cを発光駆動し、その後、各発光素子140、140a、140b及び140cの上記遅延デューティ発光駆動制御を停止する。このため、発光素子130cが発光すると、この発光素子130cの光は導光部材130bを通り指針本体130a内に反射面131cから入射する。そして、各発光素子140、140a、140b及び140cの発光が停止する。よって、発光指針130は、発光素子130cの光でもって発光する。
このような状態にて、上記イグニッションスイッチIGのオンに伴い当該乗用車が走行状態におかれると、制御回路160は、そのマイクロコンピュータにより、車速センサ90の出力に基づく内機本体71の駆動制御を行う。このため、回動内機70は、発光指針130を回動してその発光のもと、当該乗用車の車速を指示させる。
然る後、当該乗用車が停止しイグニッションスイッチIGがオフされると、回動内機70は、制御回路160により制御のもと、駆動回路120により駆動されて発光指針130をその零目盛り位置に戻す。ついで、制御回路160は、そのマイクロコンピュータにより、発光素子130cの発光を停止させる。
(第3実施形態)
図7乃至図9は、本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態では、上記第2実施形態において、発光指針130、導光部材150、各発光素子140乃至140c、制御回路160、各駆動回路170乃至170cに代えて、発光指針180及び制御回路190を採用した構成となっている。
発光指針180は、透明の導光樹脂材料からなる指針本体180aと、複数の発光素子180b乃至180gと、駆動回路180hと、断面コ字状の遮光性キャップ180iとを備えている。指針本体180aは、回動基部181から指針部182を長手状に延出して構成されている。
回動基部181は、指針本体180aの後部を図7にて示すごとくL字状に切除することで、形成されており、この回動基部181は、連結壁181aから筒状ボス181bをT字状に延出して構成されている。このため、指針部182は、その後端下部にて、連結壁181aの図7にて図示左端部と一体となっている。しかして、回動基部181は、ボス181bにて、指針軸72の先端部に同軸的に支持されている。これにより、指針本体180aは、その指針部182にて、上記第2実施形態にて述べた目盛盤40の表面に沿い回動基部181から延出している。
複数の発光素子180b乃至180gは、それぞれ、発光ダイオードからなるもので、これら各発光素子180b乃至180gは、発光素子180bから発光素子180gにかけて順次指針部182のより先端部側に位置するように互いに間隔をおいて当該指針部182に列状に埋設されている。これら各発光素子180b乃至180gは、それぞれ、その発光により、指針部182の表面から光を出射する。以下、本第3実施形態において、発光素子180b乃至180gは発光ダイオード180b乃至180gともいう。
駆動回路180hは、指針部182の後部側にて連結壁181aの直上に支持した配線板(図示しない)上に接続されており、この駆動回路180hは、図9にて示すごとく、複数のツェナーダイオード183a乃至183fと、複数の抵抗184a乃至184fとを備えている。
ツェナーダイオード183aは、そのアノードにて、抵抗184aを介し、指針部182内の発光ダイオード180bのアノードに接続され、ツェナーダイオード183bは、そのアノードにて、抵抗184bを介し、指針部182内の発光ダイオード180cのアノードに接続され、ツェナーダイオード183cは、そのアノードにて、抵抗184cを介し、指針部182内の発光ダイオード180dのアノードに接続されている。また、ツェナーダイオード183dは、そのアノードにて、抵抗184dを介し、指針部182内の発光ダイオード180eのアノードに接続され、ツェナーダイオード183eは、そのアノードにて、抵抗184eを介し、指針部182内の発光ダイオード180fのアノードに接続され、ツェナーダイオード183fは、そのアノードにて、抵抗184fを介し、指針部182内の発光ダイオード180gのアノードに接続されている。本第3実施形態では、各ツェナーダイオード183a乃至183fのブレーク電圧は、ツェナーダイオード183aからツェナーダイオード183fにかけて順次高くなっている。なお、各発光ダイオード180b乃至180gのカソードは、駆動回路180hを介し接地されている。
制御回路190は、マイクロコンピュータを主たる構成素子として有するもので、この制御回路190は、そのマイクロコンピュータにて、図示しないフローチャートに従うコンピュータプログラムの実行のもと、イグニッションスイッチIGを介しバッテリBから給電されて、駆動回路180hを介し各発光ダイオード180b乃至180gを発光ダイオード180bから発光ダイオード180gにかけて順次遅延発光駆動制御し、各発光ダイオード180b乃至180gの全発光のもと車速センサ90の出力に基づき駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御し、イグニッションスイッチIGのオフに伴い、各発光ダイオード180b乃至180gの発光を発光ダイオード180gから発光ダイオード180bにかけて順次遅延停止制御する。
ここで、制御回路190は、ツェナーダイオード183a、抵抗184a及び発光ダイオード180bからなる直列回路(以下、第1直列回路という)、ツェナーダイオード183b、抵抗184b及び発光ダイオード180cからなる直列回路(以下、第2直列回路という)、ツェナーダイオード183c、抵抗184c及び発光ダイオード180dからなる直列回路(以下、第3直列回路という)、ツェナーダイオード183d、抵抗184d及び発光ダイオード180eからなる直列回路(以下、第4直列回路という)、ツェナーダイオード183e、抵抗184e及び発光ダイオード180fからなる直列回路(以下、第5直列回路という)、及びツェナーダイオード183f、抵抗184f及び発光ダイオード180gからなる直列回路(以下、第6直列回路という)にそれぞれ直流電圧を印加することで、各発光ダイオード180b乃至180gを発光駆動制御する。但し、制御回路190は、上記第1乃至第6の各直列回路のツェナーダイオードのブレーク電圧の相違にあわせて、上記第1乃至第6の各直列回路への各印加直流電圧を、上記第1直流回路への印加直流電圧から上記第6直流回路への印加直流電圧にかけて順次高くなるように、バッテリBの直流電圧に基づき形成する。その他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
以上のように構成した本第3実施形態において、イグニッションスイッチIGがオフ状態にあれば、発光指針180は、上記零目盛り位置にある。なお、現段階では、各発光ダイオード180b乃至180gは発光していないため、指針部182は、フロントパネル30を通して視認されない。
このような状態において、イグニッションスイッチIGがオンされると、制御回路190は、そのマイクロコンピュータにより、駆動回路180hを介し各発光ダイオード180b乃至180gを次のように発光駆動制御する。即ち、制御回路190は、上記第1乃至第6の各直列回路に対し順次高い各直流電圧を印加する。この印加は、上記第1直列回路から第6直列回路にかけて順次遅延してなされる。
すると、各ツェナーダイオード183a乃至183fは、ツェナーダイオード183aからツェナーダイオード183fにかけて順次遅れてブレークダウンする。これに伴い、各発光ダイオード180b乃至180gは、発光ダイオード180bから発光ダイオード180gにかけて順次遅れて発光する。このため、各発光ダイオード180b乃至180gは、発光ダイオード180bから発光ダイオード180gにかけて順次遅れて指針部182の表面から光を出射する。これにより、発光指針180は、その零目盛り位置にて、指針本体180aの回動基部181側から指針部182の先端部側にかけて順次遅れて発光する。従って、イグニッションスイッチIGのオンに伴い、発光指針180の発光部分は順次長くなるように、フロントパネル30を通して見え、その結果、視認者である当該乗用車の乗員に斬新な見栄えを提供できる。
このような状態にて、上記イグニッションスイッチIGのオンに伴い当該乗用車が走行状態におかれると、制御回路190は、そのマイクロコンピュータにより、車速センサ90の出力に基づく内機本体71の駆動制御を行う。このため、回動内機70は、発光指針180を回動してその指針部182の全長に亘る発光のもと、当該乗用車の車速を指示させる。
然る後、当該乗用車が停止しイグニッションスイッチIGがオフされると、回動内機70は、制御回路190により制御のもと、駆動回路120により駆動されて発光指針180をその零目盛り位置に戻す。ついで、制御回路190は、そのマイクロコンピュータにより、上記第6乃至第1の各直列回路への直流電圧の印加を、上記第6直列回路から上記第1直列回路にかけて順次遅れて停止する。これに伴い、各発光ダイオード180g乃至180bの発光は、発光ダイオード180gから発光ダイオード180bにかけて順次遅れて停止する。このため、発光指針180の指針部182の発光部分は、当該指針部182の先端部から後部に向けて順次短くなる。このように、イグニッションスイッチIGのオフに伴い、指針部182の発光部分が順次短くなる現象がフロントパネル30を通して視認されることにより、視認者である当該乗用車の乗員に斬新な見栄えを提供できる。
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態を示している。この第4実施形態では、上記第3実施形態にて述べた発光指針180において、指針部182、各発光ダイオード180b乃至180g及び駆動回路180hに代えて、指針部185、各発光素子180j、180k及び板状バイメタル180mを採用した構成となっている。
指針部185の裏面は、上記第3実施形態にて述べた指針部182の裏面とは異なり、回動基部181側から先端側にかけて図10にて図示傾斜状に延出し、指針部185の表面は、指針部182の傾斜状表面(図7参照)とは異なり、目盛り盤40の表面に平行な面となっている。
各発光素子180j、180kは、それぞれ、横置き型発光ダイオードからなるもので、これら各発光素子180j、180kは、指針部185の後端面185aに向けて発光するように、回動基部181の連結壁181a上に立設されている。ここで、発光素子180kは、図10にて示すごとく、発光素子180jの後側に位置しており、発光素子180kの発光部は、発光素子180jの上面よりも上方に位置している。なお、指針部185の後端面185aは、指針軸72に平行となっている。
バイメタル180mは、その基端部186aにて、発光素子180kの後側にて連結壁181aに嵌着されており、このバイメタル180は、その非発熱状態にて、上に凸な彎曲形状にて、その裏面にて両発光素子180j、180kを上方から覆うように延出し、先端部186bにて、指針部185の後端面185aと発光素子180jとの間において、連結壁181a上に係止している。しかして、バイメタル180mは、その流入電流に応じた発熱量に伴い、先端部186bを上方へ順次変位させる。
本第4実施形態では、上記第3実施形態にて述べた制御回路190は、当該第3実施形態とは異なり、図示しないフローチャートに従うコンピュータプログラムの実行のもと、イグニッションスイッチIGを介しバッテリBから給電されて、各発光素子180j、180kを共に発光駆動制御し、バイメタル180mへの流入電流を順次増加するように制御し、各発光素子180j、180kの発光のもと車速センサ90の出力に基づき駆動回路120を介し内機本体71を駆動制御し、イグニッションスイッチIGのオフに伴い、バイメタル180mへの流入電流を停止させるように制御し、各発光素子180j、180kの発光を共に停止するように駆動制御する。その他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
以上のように構成した本第4実施形態において、イグニッションスイッチIGがオフ状態にあれば、発光指針180は、上記零目盛り位置にある。なお、現段階では、バイメタル180mが図10にて示す状態にあり、各発光素子180j、180kは発光していないため、指針部185は、フロントパネル30を通して視認されない。
このような状態において、イグニッションスイッチIGがオンされると、制御回路190は、各発光素子180j、180kを共に発光駆動する。これに伴い、各発光素子180j、180kは共に発光するが、これら各発光素子180j、180kの光は、バイメタル180mにより指針部185の後端面185aから遮断されている。
ついで、制御回路190は、バイメタル180mへの流入電流を順次増加させるように制御する。このため、バイメタル180mがその流入電流の増加に伴う発熱量の増加により、先端部186bを順次上方へ変位させる。このため、バイメタル180mの各発光素子180j、180kの光に対する指針部185からの遮断は、発光素子180jから発光素子180kにかけて順次解放される。従って、指針部185内には、発光素子180jの光から発光素子180kの光にかけて、順次、後端面185aを通して入射する。
ここで、発光素子180jの発光部は、発光素子180kの発光部よりも連結壁81aからみて低い位置にあり、かつ、指針部185の裏面は、先端部へいく程図10にて図示上方へ傾斜している。従って、発光素子180jの光が、指針部185内にてその裏面のうち後部側部分に入射して上方へ反射されて出射し、然る後、発光素子180kの光が、指針部185内にてその裏面のうち先端部側部分に入射して上方へ反射されて出射する。これにより、発光指針180は、その零目盛り位置にて、指針本体180aの回動基部181側から指針部185の先端部側にかけて順次遅れて発光する。従って、イグニッションスイッチIGのオンに伴い、発光指針180の発光部分は順次長くなるように、フロントパネル30を通して見え、その結果、視認者である当該乗用車の乗員に斬新な見栄えを提供できる。
このような状態にて、上記イグニッションスイッチIGのオンに伴い当該乗用車が走行状態におかれると、制御回路190は、そのマイクロコンピュータにより、車速センサ90の出力に基づく内機本体71の駆動制御を行う。このため、回動内機70は、発光指針180を回動してその指針部185によりその全長に亘る発光のもと当該乗用車の車速を指示させる。
然る後、当該乗用車が停止しイグニッションスイッチIGがオフされると、回動内機70は、制御回路190により制御のもと、駆動回路120により駆動されて発光指針180をその零目盛り位置に戻す。ついで、制御回路190は、バイメタル180mへの電流の供給を停止する。このため、バイメタル180mは、先端部186bを連結壁181a上に係止させるように、図10にて示す湾曲状態に順次復帰する。これに伴い、各発光素子180k、180jの光は、バイメタル180mにより順次遮断される。このため、発光指針180の指針部185の発光部分は、当該指針部185の先端部側から回動基部181側に向けて順次短くなる。
このように、イグニッションスイッチIGのオフに伴い、指針部185の発光部分が順次短くなる現象がフロントパネル30を通して視認されることにより、視認者である当該乗用車の乗員に斬新な見栄えを提供できる。なお、バイメタル180mが図10にて示す彎曲状態になったとき、制御回路190は両発光素子180k、180jの発光を共に停止する。
なお、本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べた発光指針80は、回動基部81の後部側にキャップ80b内にて設けた発光素子を備え、この発光素子により指針本体80aの指針部82内に回動基部81を通し光を入射することで、指針部82を発光させるようにして、各発光素子60を廃止してもよい。
また、本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べた発光素子は、発光ダイオードに限ることなく、例えば、ランプであってもよい。
また、本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた計器は、スピードメータに限ることなく、例えば、タコメータ、フューエルゲージや水温ゲージであってもよい。
また、本発明の実施にあたり、乗用車用計器に限ることなく、一般に、電気自動車を含めた自動車用計器に本発明を適用してもよい。なお、電気自動車にあっては、その原動機である電動機の始動用キースイッチがイグニッションスイッチIGに相当する。
20…見返し板、20a…底壁、20c…カバー、21…開口部、21a…下縁左側部分、21b…左下側円弧部分、23a…延出端、40…目盛盤、41…目盛り部、42…貫通穴部、70…回動内機、71…内機本体、72…指針軸、80、130、180…発光指針、81、131、181…回動基部、82、132、182…指針部、90…車速センサ、100、160、190…制御回路、130c、140乃至140c、180b乃至180g…発光素子、131c…後壁、150…導光部材、152乃至155…導光部、183a乃至183f…ツェナーダイオード、IG…イグニッションスイッチ。