JP2006104424A - 粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】 刺激を与えることにより被着体を損傷することなく容易に剥がすことができ、しかも保存安定性に優れる両面粘着テープを提供する。
【解決手段】 基材の少なくとも一方の面に刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層を有する両面粘着テープであって、前記粘着剤層は、イソボロニルアクリレートセグメントと、2−エチルヘキシルアクリレートセグメント及び/又はブチルアクリレートセグメントとを主成分とし、かつ、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有するアクリル共重合体、並びに、ラジカル重合性の多官能オリゴマー及び/又はラジカル重合性の多官能モノマーを含有する両面粘着テープ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、刺激を与えることにより被着体を損傷することなく容易に剥がすことができ、しかも保存安定性に優れる粘着テープに関する。
粘着テープに求められる性能はその用途により様々であるが、用途によっては、必要な間だけ強固に被着体に接着して固定できる一方で、使用後には容易に剥がせることが要求されることがある。
例えば、ICチップの製造工程において、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研削して薄膜ウエハとする場合に、厚膜ウエハを支持板に接着して補強することにより、効率よく作業を進めることが提案されている。このとき厚膜ウエハと支持板とを接着するための両面粘着テープとしては、研削工程中には強固に接着する一方で、研削工程終了後には得られた薄膜ウエハを損傷することなく支持板から剥がせることが求められる。また、同様にICチップの製造方法において、研削済のウエハをダイシングする際に用いるダイシングテープにも、ダイシング工程中には強固に接着する一方で、ダイシング工程終了後には得られたICチップを損傷することなくダイシングテープから剥がせることが求められる。
粘着テープを剥がす方法としては、例えば、物理的な力を加えて引き剥がすことが考えられる。しかしながら、この方法では被着体が軟弱な場合には重大な損傷を与えてしまうことがある。また、粘着剤を溶解できる溶剤を用いて粘着テープを剥がす方法も考えられる。しかしながら、この方法も被着体が溶剤によって侵されるものである場合には用いることができない。
このように、いったん接着に用いた粘着テープは、接着力が強固であるほど、被着体を損傷することなく剥がすことが困難であるという問題点があった。
これに対して特許文献1には、片面又は両面に刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層を有する両面粘着テープを介してウエハを支持板に固定し、この状態でウエハの研削等の工程を行うICチップの製造方法が開示されている。このような両面粘着テープを用いれば、極めて破損しやすい極薄のICチップを製造する場合であっても、両面粘着テープに気体を発生させる刺激を与えることにより、容易にかつ破損させることなくウエハから両面粘着テープを剥離することができる。
特許文献1に記載された両面粘着テープにおいては、気体発生剤を含有する粘着剤層が刺激により架橋する架橋成分を含有することも重要である。気体発生剤に刺激を与える前に架橋成分を架橋させて粘着剤層の弾性率を高くすることにより、気体発生剤から発生した気体が気泡として気体発生層中に留まりにくくなり、気体の大部分を粘着剤層の外へ放出され被着体から接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させることができる。
このような刺激により架橋する架橋成分として特許文献1には、アクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又は多官能モノマーとを主成分とする硬化型接着性樹脂が開示されている。
しかしながら、このような気体発生剤を含有する粘着テープにおいて充分な剥離性を発現するためには、粘着剤層中に一定以上の気体発生剤を含有させる必要があるところ、しばしば保存中に気体発生剤が粘着剤層からブリードアウトして表面に析出することがあった。気体発生剤がブリードアウトした場合、刺激を与えて気体を発生させても充分な剥離圧
力が得られずに剥離できなかったり、気体を発生させる刺激として光を照射したときに粒子の界面で光が散乱して気体発生効率が低くなってしまったり、表面の平滑性が悪くなったりしてしまう。そこで、気体発生剤がブリードアウトすることのない保存安定性に優れた粘着テープが求められていた。
特開2003−231872号公報
本発明は、上記現状に鑑み、刺激を与えることにより被着体を損傷することなく容易に剥がすことができ、しかも保存安定性に優れる粘着テープを提供することを目的とする。
本発明1は、基材の少なくとも一方の面に刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、イソボロニルアクリレートセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有するアクリル共重合体、並びに、ラジカル重合性の多官能オリゴマー及び/又はラジカル重合性の多官能モノマーを含有する粘着テープである。
本発明2は、基材の少なくとも一方の面に刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、下記一般式(1)で表されるセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有するアクリル共重合体、並びに、ラジカル重合性の多官能オリゴマー及び/又はラジカル重合性の多官能モノマーを含有する粘着テープである。
Figure 2006104424
式(1)中、nは1〜10の整数を表す。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、気体発生剤を含有する粘着剤層を構成する粘着剤として、イソボロニルアクリレートセグメント又は上記一般式(1)で表されるセグメントを含有するアクリル共重合体を主成分とするものを用いた場合には、気体発生剤のブリードアウトが抑制され、保存安定性が飛躍的に向上することを見出した。イソボロニルアクリレート等の単独重合体はガラス転移温度が高く、常温においては粘着性を示し得ないが、本発明者らは、更に鋭意検討の結果、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとの共重合体であれば、優れた気体発生剤のブリードアウト抑制効果を維持したまま、常温における充分な粘着性を発現し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の粘着テープは、刺激により気体を発生する気体発生剤を少なくとも一方の面の粘
着剤層に含有する。このような気体発生剤を含有することにより、本発明の粘着テープに刺激を与えると気体発生剤から気体が発生して、接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させることができる。
上記気体発生剤から気体を発生させるための刺激としては特に限定されないが、例えば、紫外線や可視光線等の光照射が好適である。このような気体発生剤を含有する粘着剤層は、光が透過又は通過できるものであることが好ましい。
上記刺激により気体を発生する気体発生剤としては特に限定されず、例えば、アゾ化合物、アジド化合物等が挙げられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
これらのアゾ化合物は、主に波長350nmの紫外線領域の光を照射することにより窒素ガスを発生する。
上記アゾ化合物は、10時間半減期温度が80℃以上であることが好ましい。10時間半減期温度が80℃未満であると、基材上にキャストにより粘着剤層を形成して乾燥する際に発泡を生じてしまったり、経時的に分解反応を生じて分解残渣がブリードアウトしてしまったり、経時的に気体を発生して貼り合わせた被着体との界面に浮きを生じさせてしまったりすることがある。10時間半減期温度が80℃以上であれば、耐熱性に優れていることから、高温での使用及び安定した貯蔵が可能である。
10時間半減期温度が80℃以上であるアゾ化合物としては、下記一般式(2)で表されるアゾアミド化合物等が挙げられる。下記一般式(2)で表されるアゾアミド化合物は、耐熱性に優れていることに加え、後述するアクリル酸アルキルエステルポリマー等の粘着性を有するポリマーへの溶解性にも優れ、粘着剤層中に粒子として存在しないものとする
ことができる。
Figure 2006104424
式(2)中、R及びRは、それぞれ低級アルキル基を表し、Rは、炭素数2以上の飽和アルキル基を表す。なお、RとRは、同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(2)で表されるアゾアミド化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]等が挙げられる。なかでも、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]は、溶剤への溶解性に特に優れていることから好適に用いられる。
上記アジド化合物としては特に限定されず、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、主に波長350nmの紫外線領域の光を照射することにより窒素ガスを発生する。
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素ガスを放出することから、取扱いが困難であるという問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによって被着体が損傷することがあるという問題もある。このような問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもないため被着体を損傷することもなく、紫外線の照射を中断すれば気体の発生も中断できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。従って、上記気体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
上記気体発生剤は、上記粘着剤層中に溶解していることが好ましい。上記気体発生剤が粘着剤層中に溶解していることにより、刺激を与えたときに気体発生剤から発生した気体が
効率よく粘着剤層の外に放出される。また、上記気体発生剤が粘着剤層中に粒子として存在すると、気体を発生させる刺激として光を照射したときに粒子の界面で光が散乱して気体発生効率が低くなってしまったり、粘着剤層の表面平滑性が悪くなったりすることがある。なお、上記気体発生剤が粘着剤層中に溶解していることは、電子顕微鏡により粘着剤層を観察したときに気体発生剤の粒子が見あたらないことにより確認することができる。
上記気体発生剤を粘着剤層中に溶解させるためには、上記粘着剤層を構成する粘着剤に溶解する気体発生剤を選択すればよい。なお、粘着剤に溶解しない気体発生剤を選択する場合には、例えば、分散機を用いたり、分散剤を併用したりすることにより粘着剤層中に気体発生剤をできるかぎり微分散させることが好ましい。粘着剤層中に気体発生剤を微分散させるためには、気体発生剤は、微小な粒子であることが好ましく、更に、これらの微粒子は、例えば、分散機や混練装置等を用いて必要に応じてより細かい微粒子とすることが好ましい。即ち、電子顕微鏡により上記粘着剤層を観察したときに気体発生剤を確認することができない状態まで分散させることがより好ましい。
上記気体発生剤の含有量としては、気体発生剤の種類により適宜選択すればよいが、例えば、気体発生剤としてアゾ化合物を用いる場合には、粘着剤100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましい。5重量部未満であると、充分な剥離圧力が得られず剥離できないことがあり、50重量部を超えると、溶解性が悪化し、ブリード等の不具合が発生することがある。より好ましくは15〜30重量部である。
上記気体発生剤を含有する粘着剤層は、本発明1においては、イソボロニルアクリレートセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有するアクリル共重合体、並びに、ラジカル重合性の多官能オリゴマー及び/又はラジカル重合性の多官能モノマーを含有ものであり、本発明2においては、上記一般式(1)で表されるセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有するアクリル共重合体、並びに、ラジカル重合性の多官能オリゴマー及び/又はラジカル重合性の多官能モノマーを含有するものである。
このような粘着剤は、光の照射や加熱等の刺激を与えることにより粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、架橋硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。このような硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、接着面の少なくとも一部を剥離して接着性を低下させることができる。また、上記アクリル系共重合体がイソボロニルアクリレートセグメント又は上記一般式(1)で表されるセグメントを有することにより、粘着剤層からの気体発生剤のブリードアウトを効果的に抑制し、両面粘着剤の保存安定性を向上することができる。
上記炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとしては特に限定されないが、高い耐薬品性が発揮できることから2−エチルヘキシルアクリレートセグメント及び/又はブチルアクリレートセグメントが好適である。
上記アクリル系共重合体は、例えば、イソボロニルアクリレートセグメント又は上記一般式(1)で表されるセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内に官能基を有するアクリル系ポリマー(以下、官能基含有アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有す
る化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
なお、上記一般式(1)中、nは整数を表すが、好ましい下限は1、好ましい上限は10である。10を超えると得られる粘着剤層の親水性が高くなり、粘着テープの保存安定性が低下することがある。
上記官能基含有アクリル系ポリマーは、イソボロニルアクリレート又は上記一般式(1)で表されるセグメントの由来となるアクリレートと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られる。上記官能基含有アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
なお、上記一般式(1)で表されるセグメントの由来となるアクリレートとしては、NKエステルAMP−10G、NKエステルAMP−20GY(いずれも新中村化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
上記官能基含有アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
上記アクリル系共重合体における各セグメントの含有量としては特に限定されないが、本発明1の場合には、イソボロニルアクリレートセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとの合計に占めるイソボロニルアクリレートセグメントの比の好ましい下限が10重量%である。10重量%未満であると、充分なブリードアウト低減効果が得られないことがある。より好ましくは20重量%である。
イソボロニルアクリレートセグメントの比の上限については特に限定されないが、得られるアクリル系共重合体のガラス転移温度が常温(25℃)以下となるようにすることが好ましい。アクリル系共重合体のガラス転移温度が常温(25℃)を超えると、本発明の粘着テープは常温下において粘着性を発揮し得ない。
例えば、2−エチルヘキシルアクリレートセグメントとの組み合わせにおいては、イソボロニルアクリレートセグメントの比の上限は70重量%であり、ブチルアクリレートセグメントとの組み合わせにおいては、イソボロニルアクリレートセグメントの比の上限は70重量%である。
本発明2の場合には、上記一般式(1)で表されるセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとの合計に占める一般式(1)で表されるセグメントの比好ましい下限が10重量%である。10重量%未満であると、充分なブリードアウト低減効果が得られないことがある。より好ましい下限は20重量%である。
上記ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はラジカル重合性の多官能モノマーの1分子あたりの官能基数は5以上であることが好ましい。5未満であると、粘着剤の硬化(架橋)が不充分となり接着力の低下が充分でないことがある。また、上記ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はラジカル重合性の多官能モノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。
このようなラジカル重合性の多官能オリゴマー又はラジカル重合性の多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴマー状のエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらのラジカル重合性の多官能オリゴマー又はラジカル重合性の多官能モノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記粘着剤層は、必要に応じて、光重合開始剤又は熱重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤を含有する場合には光硬化性とすることができ、熱重合開始剤を含有する場合には熱硬化性とすることができる。
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、具体的には例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上いずれも日本油脂製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併
用されてもよい。
上記粘着剤層には、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
本発明の粘着テープは、一方の面にのみ粘着剤層が形成された片面粘着テープであってもよく、両面に粘着剤層が形成された両面粘着テープであってもよい。なお、両面粘着テープの場合、気体発生剤は一方の粘着剤層にのみ含有されていてもよく、両方の粘着剤層に含有されていてもよい。
本発明の粘着テープは、基材上に粘着剤層が形成されたサポートテープであってもよいし、基材を有しないノンサポートテープであってもよい。
上記基材としては特に限定されないが、光を透過又は通過するものであることが好ましく、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
本発明の粘着テープを製造する方法としては特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の基材上に、上記気体発生剤等を含有する粘着剤等をドクターナイフやスピンコーター等を用いて塗工する等の従来公知の方法を用いることができる。
本発明の粘着テープは、被着体が軟弱で破損しやすいものであっても破損させることなく、刺激を与えることにより容易に剥離することができる。また、常温で保存しても気体発生剤のブリードアウトが起こりにくく、保存安定性に優れる。本発明の粘着テープは、ICチップの製造において、研削工程においてウエハを支持板に固定するための両面粘着テープや、ダイシング工程においてウエハを固定するためのダイシングテープに好適に用いることができる。
本発明によれば、刺激を与えることにより被着体を損傷することなく容易に剥がすことができ、しかも保存安定性に優れる粘着テープを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実験例1)
<粘着剤の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
イソボロニルアクリレート 80重量部
2−エチルヘキシルアクリレート 20重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)10重量部、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部、イルガキュア4重量部及びポリイソシアネート0.5重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(1’)を調製した。
<両面粘着テープの作製>
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理を施した厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、粘着剤(1)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行った。
粘着剤(1’)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(1’)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
次いで、粘着剤(1)層を設けたコロナ処理を施したPETフィルムの粘着剤(1)層のないコロナ処理を施した面と、粘着剤(1’)層を設けた離型処理が施されたPETフィルムの粘着剤(1’)層の面とを貼り合わせた。これにより両面に粘着剤層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの粘着剤層はいずれも透明であった。
<その他の配合比の両面粘着テープの作製>
アクリル共重合体の調製において、イソボロニルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの配合を100重量部/0重量部、70重量部/30重量部、60重量部/40重量部、40重量部/60重量部、20重量部/80重量部、10重量部/90重量部、0重量部/100重量部とした以外は同様の方法により、合計7種類の両面粘着テープを作製した。
(実験例2)
<粘着剤の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤(2)の酢酸エチル溶液を調製した。
イソボロニルアクリレート 80重量部
ブチルアクリレート 20重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
粘着剤(2)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)10重量部、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部、イルガキュア4重量部及びポリイソシアネート0.5重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(2’)を調製した。
<両面粘着テープの作製>
粘着剤(2)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理を施した厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、粘着剤(2)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行った。
粘着剤(2’)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(2’)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
次いで、粘着剤(2)層を設けたコロナ処理を施したPETフィルムの粘着剤(2)層のないコロナ処理を施した面と、粘着剤(2’)層を設けた離型処理が施されたPETフィルムの粘着剤(2’)層の面とを貼り合わせた。これにより両面に粘着剤層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの粘着剤層はいずれも透明であった。
<その他の配合比の両面粘着テープの作製>
アクリル共重合体の調製において、イソボロニルアクリレートとブチルアクリレートとの配合を100重量部/0重量部、70重量部/30重量部、60重量部/40重量部、40重量部/60重量部、20重量部/80重量部、10重量部/90重量部、0重量部/100重量部とした以外は同様の方法により、合計7種類の両面粘着テープを作製した。
(実験例3)
<粘着剤の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤(3)の酢酸エチル溶液を調製した。
フェノキシエチレングリコールアクリレート 80重量部
(新中村化学工業社製、NKエステルAMP−10G)
2−エチルヘキシルアクリレート 20重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
粘着剤(3)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)10重量部、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部、イルガキュア4重量部及びポリイソシアネート0.5重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(3’)を調製した。
<両面粘着テープの作製>
粘着剤(3)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理を施した厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、粘着剤(3)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行った。
粘着剤(3’)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(3’)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
次いで、粘着剤(3)層を設けたコロナ処理を施したPETフィルムの粘着剤(3)層のないコロナ処理を施した面と、粘着剤(3’)層を設けた離型処理が施されたPETフィルムの粘着剤(3’)層の面とを貼り合わせた。これにより両面に粘着剤層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの粘着剤層はいずれも透明であった。
<その他の配合比の両面粘着テープの作製>
アクリル共重合体の調製において、フェノキシエチレングリコールアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートとの配合を100重量部/0重量部、70重量部/30重量部、60重量部/40重量部、40重量部/60重量部、20重量部/80重量部、10重量部/90重量部、0重量部/100重量部とした以外は同様の方法により、合計7種類の両面粘着テープを作製した。
(実験例4)
<粘着剤の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ウレタンアクリレート(10官能)(新中村化学工業社製、NKオリゴU324A)30重量部、ポリイソシアネート0.5重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)0.1重量部を混合し粘着剤(4)の酢酸エチル溶液を調製した。
フェノキシエチレングリコールアクリレート 80重量部
(新中村化学工業社製、NKエステルAMP−10G)
ブチルアクリレート 20重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
粘着剤(4)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)10重量部、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部、イルガキュア4重量部及びポリイソシアネート0.5重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(4’)を調製した。
<両面粘着テープの作製>
粘着剤(4)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理を施した厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、粘着剤(4)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置養生を行った。
粘着剤(4)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(4)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。その後、40℃、3日間静置して養生を行った。
次いで、粘着剤(4)層を設けたコロナ処理を施したPETフィルムの粘着剤(4)層のないコロナ処理を施した面と、粘着剤(4’)層を設けた離型処理が施されたPETフィルムの粘着剤(4’)層の面とを貼り合わせた。これにより両面に粘着剤層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの粘着剤層はいずれも透明であった。
<その他の配合比の両面粘着テープの作製>
アクリル共重合体の調製において、フェノキシエチレングリコールアクリレートとブチルアクリレートとの配合を100重量部/0重量部、70重量部/30重量部、60重量部/40重量部、40重量部/60重量部、20重量部/80重量部、10重量部/90重量部、0重量部/100重量部とした以外は同様の方法により、合計7種類の両面粘着テープを作製した。
(評価)
実施例1〜4で作製したすべての両面粘着テープについて以下の評価を行った。
結果を表1〜4に示した。
(1)アクリル重合体のガラス転移点の評価
粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、DVA−200)を用いて、周波数10Hz、歪0.1%の条件で、剪断の貯蔵弾性率を測定し、得られたtanδのピークからアクリル重合体のガラス転移点を求めた。
(2)剥離性の評価
両面粘着テープの粘着剤(1’)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20cm、厚さ約750μmのシリコンウエハに貼り付け、一方、粘着剤(1)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20.4cmのガラス板を真空プレス機を用いて粘着剤層に貼り付けて被着体を作製した。
この被着体をシリコンウエハ側が下になるように設置した後、ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、波長365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が40mW/cm
なるよう照度を調節して照射した。ガラス側から目視により観察して、シリコンウエハと両面粘着テープとが完全に剥離した場合を〇、剥離しない場合を×とした。
他の両面粘着テープについても同様の評価を行った。
(3)保存安定性の評価
得られた両面粘着テープを10℃の恒温室に入れて保管し、目視により粘着剤層表面の気体発生剤のブリードアウトの有無を観察し、ブリードアウトが発生するまでの日数を測定した。
Figure 2006104424
Figure 2006104424
Figure 2006104424
Figure 2006104424
本発明によれば、刺激を与えることにより被着体を損傷することなく容易に剥がすことができ、しかも保存安定性に優れる粘着テープを提供することができる。

Claims (4)

  1. 基材の少なくとも一方の面に刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、
    前記粘着剤層は、イソボロニルアクリレートセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有するアクリル共重合体、並びに、ラジカル重合性の多官能オリゴマー及び/又はラジカル重合性の多官能モノマーを含有する
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. アクリル共重合体は、イソボロニルアクリレートセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとの合計に占めるイソボロニルアクリレートセグメントの比が10重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
  3. 基材の少なくとも一方の面に刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、
    前記粘着剤層は、下記一般式(1)で表されるセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとを主成分とし、かつ、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有するアクリル共重合体、並びに、ラジカル重合性の多官能オリゴマー及び/又はラジカル重合性の多官能モノマーを含有する
    ことを特徴とする粘着テープ。
    Figure 2006104424
    式(1)中、nは1〜10の整数を表す。
  4. アクリル共重合体は、一般式(1)で表されるセグメントと、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来するセグメントとの合計に占める一般式(1)で表されるセグメントセグメントの比が10重量%以上であることを特徴とする請求項3記載の粘着テープ。
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