JP2004225022A - 接着樹脂シート - Google Patents
接着樹脂シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004225022A JP2004225022A JP2003024216A JP2003024216A JP2004225022A JP 2004225022 A JP2004225022 A JP 2004225022A JP 2003024216 A JP2003024216 A JP 2003024216A JP 2003024216 A JP2003024216 A JP 2003024216A JP 2004225022 A JP2004225022 A JP 2004225022A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive resin
- generating agent
- adhesive
- resin sheet
- gas generating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【課題】凹凸のある面であっても被着体に密着して強固に接着することができ、刺激を与えることにより、被着体が薄いICチップ等の極めて壊れやすいものである場合であっても、被着体を損傷することなく容易に剥がすことができ、直接被着体の接着に用いたり、様々な接着性製品に用いたりすることができる接着樹脂シートを提供する。
【解決手段】刺激により気体を発生する気体発生剤を含有し、かつ、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなる接着樹脂シート。
【選択図】 なし
【解決手段】刺激により気体を発生する気体発生剤を含有し、かつ、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなる接着樹脂シート。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凹凸のある面であっても被着体に密着して強固に接着することができ、刺激を与えることにより、被着体を損傷させることなく容易に剥離させることができる接着樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
接着樹脂シートは、被着体同士の貼り合わせのための接着剤や、粘着テープ又は自立テープ等の接着剤層等に広く用いられている。
【0003】
これらの接着樹脂シートに求められる性能はその用途により様々であるが、用途によっては、必要な間だけ接着性を示すがその後は容易に剥がせることが要求されることがある。
【0004】
例えば、ICチップの製造工程において、高純度のシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研磨して薄膜ウエハとする場合に、厚膜ウエハを支持板に接着して補強することにより、効率よく作業を進めることが提案されている。このとき厚膜ウエハと支持板とを接着するために接着樹脂シートを用いることが考えられるが、この場合、接着樹脂シートには、研磨工程中には厚膜ウエハと支持板とを強固に接着する一方で、研磨工程終了後には得られた薄膜ウエハを損傷することなく支持板から剥がせることが求められる。
【0005】
接着樹脂シートを剥がす方法としては、例えば、物理的な力を加えて引き剥がすことが考えられる。しかしながら、この方法では被着体が脆弱又は軟弱な場合には重大な損傷を与えてしまうことがある。
【0006】
また、接着樹脂シートを溶解できる溶剤を用いて接着樹脂シートを剥がす方法も考えられる。しかしながら、この方法も被着体が溶剤によって侵されるものである場合には用いることができない。
【0007】
また、被着体の表面に凹凸がある場合には、接着剤が凹凸に追随して密着しなければ被着体同士を強固に接着させることはできない。しかし、接着樹脂シートを被着体表面の凹凸に追随させて密着させてしまうと、強固に接着させることはできるが、アンカー効果により被着体を損傷することなく剥離させることが一層困難となる。
【0008】
このように、いったん被着体に密着した接着樹脂シートは、接着力が強固であるため、被着体を損傷させることなく接着樹脂シートを剥がすことは、困難であるという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、凹凸のある面であっても被着体に密着して強固に接着することができ、刺激を与えることにより、被着体を損傷させることなく容易に剥離させることができる接着樹脂シートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、刺激により気体を発生させる気体発生剤を含有し、かつ、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなる接着樹脂シートである。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明の接着樹脂シートは、刺激により気体を発生させる気体発生剤を含有し、かつ、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなるものである。
上記気体発生剤を含有することにより、本発明の接着樹脂シートは、刺激が与えられると、気体発生剤から発生した気体が、接着面の少なくとも一部を剥がすので、接着力が低下して被着体を容易に剥離させることができる。
【0012】
上記気体発生剤から気体を発生させる刺激としては、例えば、光、熱、超音波等による刺激が挙げられる。なかでも光又は熱による刺激が好ましい。上記光としては、例えば、紫外線、可視光線等が挙げられる。上記刺激として光による刺激を用いる場合には、気体発生剤を含有する接着樹脂は、光が透過又は通過できるものであることが好ましい。また、光を照射する際には、フィルタ等により熱線を除去した光を照射することが好ましい。熱線を除去した光であれば照射強度が高くとも、接着樹脂が加熱されて柔らかくなりすぎることがなく、気体発生剤から発生した気体は、本発明の接着樹脂シートを発泡させることなく、外へ放出される。
【0013】
上記刺激により気体を発生させる気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物が好適に用いられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
【0014】
なかでも、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)等の下記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物が好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】
式(1)中、R1及びR2は、それぞれ低級アルキル基を表し、R3は、炭素数2以上の飽和アルキル基を表す。なお、R1とR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0017】
上記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物は、熱分解温度が高いことから、後述する被着体との接着の際に上記接着樹脂の流動化のために加熱が必要な場合にも気体が発生してしまうことがなく、また、上記接着樹脂への溶解性にも優れている。
【0018】
上記アゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド等や、3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、光、熱及び衝撃等による刺激により窒素ガスを発生する。
【0019】
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素ガスを放出することから、取り扱いが困難であるという問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによって被着体が損傷することがあるという問題もある。このような問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
【0020】
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取り扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもないため被着体を損傷することもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。従って、上記気体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
【0021】
上記気体発生剤は上記接着樹脂の全体に含有されていてもよいが、気体発生剤を接着樹脂の全体に含有させておくと、接着樹脂の全体が発泡体となるため柔らかくなりすぎ、本発明の接着樹脂シートを被着体からうまく剥がせなかったり、糊残りしたりするおそれがある。従って、上記気体発生剤は、接着樹脂シートの表面部分にのみ含有されていることが好ましい。表面部分にのみ含有させておけば、接着樹脂の全体が発泡体とならずに、被着体との接着面で気体発生剤から気体が発生することにより接着面積を減少させ、なおかつ発生した気体が被着体と接着樹脂シートとの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0022】
なお、上記表面部分とは、接着樹脂シートの厚さにもよるが、表面から20μmまでの部分であることが好ましい。また、ここでいう表面部分にのみ含有されるとは、例えば、接着樹脂シートの表面に付着した気体発生剤が接着樹脂と相溶して接着樹脂に吸収された態様、接着樹脂シートの表面に気体発生剤が均一に付着している態様等が挙げられる。
【0023】
本発明の接着樹脂シートの表面部分にのみ気体発生剤を含有させる方法としては、例えば、接着樹脂シートの最外層に1〜20μm程度の厚さで気体発生剤を含有する樹脂を塗工する方法や、予め作製した接着樹脂シートの少なくとも一方の面の表面に、気体発生剤を含有する揮発性液体を塗布するかスプレー等によって吹き付けることにより、表面に気体発生剤を均一に付着させる方法等が挙げられる。また、気体発生剤を含有する表面部分とそれ以外とは、異なる組成の樹脂成分からなることが好ましく、なかでも、異なる極性を有する樹脂成分からなることがより好ましい。これにより、表面部分の気体発生剤がそれ以外に移行することを防止するか、移行しにくくすることができる。
【0024】
上記気体発生剤は、接着樹脂中に粒子として存在しないことが好ましい。なお、本明細書において、気体発生剤が粒子として存在しないとは、電子顕微鏡により気体発生剤を含有する接着樹脂の断面を観察したときに気体発生剤を確認することができないことを意味する。上記接着樹脂中に気体発生剤が粒子として存在すると、気体を発生させる刺激として光を照射したときに粒子の界面で光が散乱して気体発生効率が低くなってしまったり、接着樹脂シートの表面平滑性が悪くなったりすることがある。
【0025】
上記気体発生剤を粒子として存在しないようにするには、通常、上記接着樹脂中に溶解する気体発生剤を選択するが、接着樹脂中に溶解しない気体発生剤を選択する場合には、例えば、分散機を用いたり、分散剤を併用したりすることにより接着樹脂層中に気体発生剤を微分散させる。
【0026】
また、上記気体発生剤は、微小な粒子であることが好ましい。更に、これらの微粒子は、例えば、分散機や混練装置等を用いて必要に応じてより細かい微粒子とすることが好ましい。
【0027】
上記気体発生剤から発生した気体は接着樹脂シートの外へ放出されることが好ましい。これにより、本発明の接着樹脂シートに光等の刺激を与えると気体発生剤から発生した気体が被着体から接着樹脂シートの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させるため、容易に被着体を剥離することができる。この際、気体発生剤から発生した気体の大部分は接着樹脂シートの外へ放出されることが好ましい。上記気体発生剤から発生した気体の大部分が接着樹脂シートの外へ放出されないと、接着樹脂シートが気体発生剤から発生した気体により全体的に発泡してしまい、接着力を低下させる効果を充分に得ることができず、被着体に糊残りを生じさせてしまうことがある。なお、被着体に糊残りを生じさせない程度であれば、気体発生剤から発生した気体の一部が接着樹脂シートの中に溶け込んでいたり、気泡として接着樹脂シート中に存在していたりしてもかまわない。
【0028】
上記接着樹脂は、上記気体発生剤としてアジド化合物又はアゾ化合物等の光による刺激により気体を発生させる気体発生剤を用いる場合には、更に光増感剤も含有することが好ましい。上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができるので、被着体がポリイミド等のアジド化合物又はアゾ化合物から気体を発生させる波長の光を透過しないものであっても、被着体越しに光を照射して気体を発生させることができ被着体の選択の幅が広がる。
【0029】
上記光増感剤としては特に限定されないが、例えば、チオキサントン増感剤等が好適である。なお、チオキサントン増感剤は、光重合開始剤としても用いることができる。
【0030】
上記接着樹脂は、加熱又は加圧により流動性を示すものである。
加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂を用いることにより、接着樹脂が流動性を示す条件下で被着体との貼り合わせを行えば、被着体表面に凹凸がある場合でも、凹凸に良好に追随して被着体に密着することができる。なお、本明細書において加熱により流動性を示すとは、加熱しない状態においては固体状であるが、加熱することにより凹凸に追随できる程度の硬さになることを意味する。すなわち、ホットメルト型接着樹脂であることを意味する。また、本明細書において加圧により流動性を示すとは、加圧することにより凹凸に追随できる程度の硬さを有する接着性樹脂であることを意味する。
【0031】
上記接着樹脂としては特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂が好適である。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0032】
上記硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。また、上記光硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、感光性オニウム塩等の光カチオン触媒を含有するエポキシ樹脂や感光性ビニル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。これらの硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0033】
なかでも、上記接着樹脂としては、ポリエステル樹脂、メタクリル酸メチル又はアクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とするポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等のホットメルト型接着樹脂が特に好適である。
【0034】
また、架橋度の高い樹脂は、流動性が乏しくなることから、上記接着樹脂は、刺激により架橋する低架橋又は未架橋の樹脂であることが好ましい。なお、接着樹脂が流動性を示す条件下で被着体との接着を行った後、刺激を与えて一部を架橋させれば、接着樹脂がある程度硬化収縮することで被着体との接着力をより強固にできる。更に、気体発生剤から気体を発生させて被着体を剥離する前に、刺激を与えることにより接着樹脂を完全に架橋させれば、気体発生剤から気体を発生させた際に接着樹脂が発泡することを効果的に防止できるので、被着体を容易に剥離させることができる。なお、上記接着樹脂は、シート形状に形成するためにある程度の凝集力を要する場合には、流動性と凝集力のバランスを考慮して必要とされる程度の架橋を施したものであってもよい。具体的には、ゲル分率が30重量%以下であることが好ましい。ゲル分率が30重量%を超えると、加熱した際の流動性が乏しく大きな凹凸のある被着体では、充分に凹凸に追随して密着できないことがある。より好ましくは10重量%であり、更に好ましくは5重量%であり、特に好ましくは0重量%である。
【0035】
なお、本明細書において、接着樹脂のゲル分率とは、酢酸エチルに対して溶解しない樹脂の重量割合を意味する。
上記接着樹脂を架橋させる刺激としては特に限定されず、上記気体発生剤から気体を発生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、特定波長範囲の光による刺激により気体を発生させる気体発生剤に対して、上記特定波長範囲以外の波長の光による刺激により架橋する接着樹脂が好適に用いられる。
【0036】
上記接着樹脂のなかでも、刺激により架橋する未架橋の樹脂としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとの混合物を主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとの混合物を主成分とし、熱重合開始剤を含んでなる熱硬化型粘着剤等が挙げられる。
【0037】
このような光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤等の後硬化型粘着剤は、ホットメルト型ポリマーを主成分として含有する場合には、加熱により流動性を示し、オリゴマー成分を高い割合で含有する場合には、加圧により流動性を示す。
【0038】
上記後硬化型粘着剤は、光の照射又は加熱により粘着剤の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。また、硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から接着樹脂シートの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0039】
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)を予め合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
【0040】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
【0041】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
【0042】
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
【0043】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
【0044】
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0045】
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0046】
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始させる活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上、日本油脂社製)等が好適である。これらの熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0047】
上記後硬化型粘着剤には、以上の成分のほか、本発明の目的を損なわない限りにおいて、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
【0048】
また、本発明の接着樹脂シートを表面に凹凸のある被着体に密着させた場合には、アンカー効果により強固に接着しており、気体発生剤から気体を発生させても容易には剥離せず、脆弱又は軟弱な被着体であれば特に損傷することなく剥離することが困難となることがある。このような場合には、上記接着樹脂として、粘着力の弱い接着樹脂や刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂を用いることが好ましい。
【0049】
上記粘着力の弱い接着樹脂を用いると、本発明の接着樹脂シートと被着体との接着は主にアンカー効果によってなされるため必要以上に強固にならず、気体発生剤から気体を発生させるだけで剥離することが可能となる。このような粘着力の弱い接着樹脂としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基等の極性官能基が少なく酸価が多くとも10(g/KOH)以下の接着樹脂;ガラス転移温度が高い接着樹脂等が挙げられる。上記極性官能基が少なく酸価が低い接着樹脂としては、例えば、メタクリル酸メチル又はアクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とし、カルボキシル基、スルホニル基等の極性官能基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーの割合が0.1重量%以下であるアクリル粘着剤等が挙げられる。上記ガラス転移温度が高い接着樹脂としては、例えば、粘弾性スペクトルによるガラス転移温度が60℃以上であり、環球式測定法に基づく軟化点が80〜120℃であるアクリル粘着剤等が挙げられる。
【0050】
上記刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂を用いると、剥離前に接着樹脂が硬化収縮する刺激を与えることにより接着樹脂が硬化収縮して被着体表面の凹凸から剥がれるため、アンカー効果を低下させた状態で剥離することが可能となる。このような刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を多数有してなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマー100重量部に対して、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーが5〜25重量部である混合物を主成分とする光重合又は熱重合性の粘着剤等が挙げられる。
【0051】
上記刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂を硬化収縮させる刺激としては特に限定されず、上記気体発生剤から気体を発生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていてもよいが、例えば、特定波長範囲の光による刺激により気体を発生させる気体発生剤に対して、上記特定波長範囲以外の波長の光による刺激により硬化収縮する接着樹脂が好適に用いられる。
【0052】
上記刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂は、エンボス芯材を含有していたり、表面にエンボス加工を施して凹凸模様のある基材上に形成されていたりすることが好ましい。これにより、硬化収縮によりエンボス芯材の表面形状、又は、基材表面の凹凸模様に沿った凹凸を生じるため、被着体表面から剥がれやすくなる。なお、本明細書において、エンボス芯材とは、硬化性樹脂からなる層の表面に凹凸を形成するために未硬化の硬化性樹脂に含有させるものであり、硬化性樹脂を硬化収縮させた際に、その表面形状に沿った凹凸を生じさせる賦形材料を意味する。
【0053】
本発明の接着樹脂シートを製造する方法としては特に限定されないが、例えば、上記接着樹脂と上記気体発生剤とを混練した組成物を流延して固化させる方法等が挙げられる。
【0054】
しかしながら、接着樹脂と気体発生剤とを混練する際に生じる熱により気体発生剤の分解が起こることがあり、多量の気体発生剤を含有する接着性物質を製造することが困難な場合がある。
【0055】
このような場合には、気体発生剤、重合性原料、及び、光重合開始剤を含有する原料に気体発生剤の感光波長よりも長波長である紫外線又は可視光を照射して上記光重合開始剤を活性化して上記重合性原料を重合させて接着樹脂を重合させる方法を用いることが好ましい。この方法によれば、接着樹脂と気体発生剤とを混練する必要がなく、熱により気体発生剤の分解が始まるおそれがない。また、樹脂組成物の製造を1回の反応で完了することができ、溶剤を使用する必要もないので、多量の気体発生剤を含有する接着樹脂シートを安全かつ容易に製造できる。
【0056】
上記製造方法においては、重合性原料として、例えば、アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーを主成分とするものを用い、更に、気体発生剤の感光波長よりも長波長の紫外線又は可視光を照射されることで活性化する光重合開始剤を用いる。ここで用いられる光重合開始剤としては、例えば、上述の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0057】
本発明の接着樹脂シートは、直接被着体の接着に用いたり、様々な接着性製品に用いたりすることができる。
上記接着性製品としては特に限定されず、例えば、基材の片面に接着樹脂層が形成された片面接着テープ、基材の両面に接着樹脂層が形成された両面接着テープ、基材を有しないノンサポートテープ(自立テープ)等の接着テープ等が挙げられる。なかでも、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなる表面が両面に形成されている両面粘着テープ又はノンサポートテープが好ましい。このような接着テープは、両面で被着体と強固に接着することができる。なお、本発明の接着樹脂シートは、上記接着テープの接着樹脂層として用いられるが、上記接着樹脂層は、単層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよく、上記接着樹脂層が複数層からなる場合には、表面の層以外の層は、本発明の接着樹脂シート以外の接着樹脂シートからなるものであってもよい。
【0058】
上記基材としては特に限定されないが、本発明の接着樹脂シート中の気体発生剤から気体を発生させる刺激が光による刺激である場合には、光を透過又は通過するものであることが好ましく、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。また、上記接着樹脂層として加熱により流動性を示す接着樹脂からなる層が形成される場合には、高温に加熱されても軟化しないものであることが好ましく、例えば、芳香族ポリエステル、ポリエーテルニトリル等の耐熱性樹脂からなるシート、網状の金属シートを埋め込み補強したシート等が挙げられる。
【0059】
上記基材は、想定される被着体の表面の凹凸よりも大きく、ほぼ基材の厚さと同じ大きさのビーズを含有していてもよい。このようなビーズを含有する基材は、加圧されてもビーズがスペーサとして働き、一定の厚さを維持して基材を平滑に保つことができる。
【0060】
上記基材の厚さは、基材に高い平滑性が求められる場合には、接着樹脂層より厚いことが好ましい。上記基材が充分に厚ければ接着樹脂層の厚さに近い大きさの凹凸のある面に接着テープを接着させても基材を平滑に保つことができる。
【0061】
上記基材には、プライマー処理が施されていてもよい。
上記プライマー処理としては特に限定されず、例えば、基材の表面にプライマー樹脂を塗布する処理、基材の表面にコロナ処理を施す処理等が挙げられる。
【0062】
本発明の接着樹脂シートは、特に表面に凹凸を有する被着体の接着に優れている。このような表面に凹凸を有する被着体を接着する際には、接着する前後又は接着と同時に加熱又は加圧により接着樹脂を流動させる。これにより、流動化した接着樹脂が被着体の表面の凹凸に追随し、密着することができる。また、上記接着樹脂が刺激により架橋する未架橋の樹脂である場合には、接着後に刺激を与えて接着樹脂の一部を架橋させることにより、より強固に接着することができる。
【0063】
更に、このように強固に被着体と接着しても、気体発生剤から気体を発生させる刺激を与えることにより、発生した気体が被着体と接着樹脂シートとの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させるため、被着体が薄いICチップ等の極めて壊れやすいものである場合であっても、被着体を損傷することなく剥離することができる。
【0064】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
<接着樹脂の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
【0066】
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部を混合し接着樹脂(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
ブチルアクリレート 80重量部
エチルアクリレート 15重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた接着樹脂(1)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、及び、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部を混合して、気体発生剤を含有する接着樹脂(2)の酢酸エチル溶液を調製した。
水酸化カリウムを用いた滴定により測定した結果、酸価は0であった。酢酸エチルに不溶な樹脂成分はなく、接着樹脂(2)のゲル分率は0重量%であった。
【0067】
<両面粘着テープの作製>
接着樹脂(2)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理が施された厚さ38μmのPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の接着樹脂(2)層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、接着樹脂(2)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。
【0068】
接着樹脂(1)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の接着樹脂(1)層は乾燥状態で粘着性を示した。
【0069】
次いで、接着樹脂(2)層を設けたPETフィルムの接着樹脂(2)層のない側の面と、接着樹脂(1)層を設けたPETフィルムの接着樹脂(1)層の面とを貼り合わせた。その後40℃、3日間静置養生を行った。
【0070】
これにより、両面に接着樹脂層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの接着樹脂層はいずれも透明であった。
【0071】
<ICチップの製造>
(シリコンウエハとガラス板との貼り合わせ工程)
両面粘着テープの接着樹脂(2)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20cm、厚さ約750μmで、表面に形成された回路の凹凸が5μm、周辺部が15μmであるシリコンウエハの回路が形成された面にラミネーターを用いて両面粘着テープを貼り付けた後、シリコンウエハの大きさに合わせて両面粘着テープを切断した。
【0072】
次に、接着樹脂(1)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20.4cmのガラス板を接着樹脂(1)層に真空プレス装置を用いて貼り付けた。
次いで、60℃で2分間予熱した後、加熱プレス装置を用いて60℃、98N/cm2で1分間加熱プレスを行った。両面粘着テープはガラス板とシリコンウエハのいずれにも密着していた。
【0073】
(紫外線照射工程1)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が10mW/cm2となるよう照度を調節して2秒間照射した。これにより、両面粘着テープはより一層強固に接着した。
【0074】
(研磨工程)
ガラス板で補強されたシリコンウエハを研磨装置に取り付け、シリコンウエハの厚さが約50μmになるまで研磨した。このとき研磨面に散布した冷却水がシリコンウエハと接着樹脂シートとの間に侵入することはなかった。
研磨装置からシリコンウエハを取り外し、ダイシングテープをシリコンウエハの上に貼り付けた。
【0075】
(紫外線照射工程2)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が40mW/cm2となるよう照度を調節して2分間照射した。
【0076】
(ウエハの剥離工程)
シリコンウエハを固定し、ガラス板を真上に引っ張った。両面粘着テープとともにガラス板をシリコンウエハから容易に剥離することができた。
【0077】
(実施例2)
<接着樹脂の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
【0078】
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部を混合し接着樹脂(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
ブチルアクリレート 79重量部
エチルアクリレート 15重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
アクリル酸 1重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた接着樹脂(3)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、及び、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部を混合して、気体発生剤を含有する接着樹脂(4)の酢酸エチル溶液を調製した。
【0079】
水酸化カリウムを用いた滴定により測定した結果、酸価は7.8であった。酢酸エチルに溶解しない樹脂成分はなく、接着樹脂(4)のゲル分率は0重量%であった。
【0080】
<両面粘着テープの作製>
接着樹脂(4)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理が施された厚さ38μmのPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の接着樹脂(4)層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、接着樹脂(4)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。
【0081】
接着樹脂(3)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の接着樹脂(3)層は乾燥状態で粘着性を示した。
【0082】
次いで、接着樹脂(4)層を設けたPETフィルムの接着樹脂(4)層のない側の面と、接着樹脂(3)層を設けたPETフィルムの接着樹脂(3)層の面とを貼り合わせた。その後40℃、3日間静置養生を行った。
【0083】
これにより、両面に接着樹脂層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの接着樹脂層はいずれも透明であった。
【0084】
<ICチップの製造>
(シリコンウエハとガラス板との貼り合わせ工程)
両面粘着テープの接着樹脂(4)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20cm、厚さ約750μmで、表面に形成された回路の凹凸が5μm、周辺部が15μmであるシリコンウエハの回路が形成された面にラミネーターを用いて両面粘着テープを貼り付けた後、シリコンウエハの大きさに合わせて両面粘着テープを切断した。
【0085】
次に、接着樹脂(3)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20.4cmのガラス板を接着樹脂(3)層に真空プレス装置を用いて貼り付けた。
次いで、60℃で2分間予熱した後、加熱プレス装置を用いて60℃、98N/cm2で1分間加熱プレスを行った。両面粘着テープはガラス板とシリコンウエハのいずれにも密着していた。
【0086】
(紫外線照射工程1)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が10mW/cm2となるよう照度を調節して2秒間照射した。これにより、両面粘着テープはより一層強固に接着した。
【0087】
(研磨工程)
ガラス板で補強されたシリコンウエハを研磨装置に取り付け、シリコンウエハの厚さが約50μmになるまで研磨した。このとき研磨面に散布した冷却水がシリコンウエハと接着樹脂シートとの間に侵入することはなかった。
研磨装置からシリコンウエハを取り外し、ダイシングテープをシリコンウエハの上に貼り付けた。
【0088】
(紫外線照射工程2)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が40mW/cm2となるよう照度を調節して2分間照射した。
【0089】
(ウエハの剥離工程)
シリコンウエハを固定し、ガラス板を真上に引っ張った。両面粘着テープとともにガラス板をシリコンウエハから容易に剥離することができた。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、凹凸のある面であっても被着体に密着して強固に接着することができ、刺激を与えることにより、被着体を損傷させることなく容易に剥離させることができる接着樹脂シートを提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、凹凸のある面であっても被着体に密着して強固に接着することができ、刺激を与えることにより、被着体を損傷させることなく容易に剥離させることができる接着樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
接着樹脂シートは、被着体同士の貼り合わせのための接着剤や、粘着テープ又は自立テープ等の接着剤層等に広く用いられている。
【0003】
これらの接着樹脂シートに求められる性能はその用途により様々であるが、用途によっては、必要な間だけ接着性を示すがその後は容易に剥がせることが要求されることがある。
【0004】
例えば、ICチップの製造工程において、高純度のシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研磨して薄膜ウエハとする場合に、厚膜ウエハを支持板に接着して補強することにより、効率よく作業を進めることが提案されている。このとき厚膜ウエハと支持板とを接着するために接着樹脂シートを用いることが考えられるが、この場合、接着樹脂シートには、研磨工程中には厚膜ウエハと支持板とを強固に接着する一方で、研磨工程終了後には得られた薄膜ウエハを損傷することなく支持板から剥がせることが求められる。
【0005】
接着樹脂シートを剥がす方法としては、例えば、物理的な力を加えて引き剥がすことが考えられる。しかしながら、この方法では被着体が脆弱又は軟弱な場合には重大な損傷を与えてしまうことがある。
【0006】
また、接着樹脂シートを溶解できる溶剤を用いて接着樹脂シートを剥がす方法も考えられる。しかしながら、この方法も被着体が溶剤によって侵されるものである場合には用いることができない。
【0007】
また、被着体の表面に凹凸がある場合には、接着剤が凹凸に追随して密着しなければ被着体同士を強固に接着させることはできない。しかし、接着樹脂シートを被着体表面の凹凸に追随させて密着させてしまうと、強固に接着させることはできるが、アンカー効果により被着体を損傷することなく剥離させることが一層困難となる。
【0008】
このように、いったん被着体に密着した接着樹脂シートは、接着力が強固であるため、被着体を損傷させることなく接着樹脂シートを剥がすことは、困難であるという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、凹凸のある面であっても被着体に密着して強固に接着することができ、刺激を与えることにより、被着体を損傷させることなく容易に剥離させることができる接着樹脂シートを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、刺激により気体を発生させる気体発生剤を含有し、かつ、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなる接着樹脂シートである。
以下に本発明を詳述する。
【0011】
本発明の接着樹脂シートは、刺激により気体を発生させる気体発生剤を含有し、かつ、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなるものである。
上記気体発生剤を含有することにより、本発明の接着樹脂シートは、刺激が与えられると、気体発生剤から発生した気体が、接着面の少なくとも一部を剥がすので、接着力が低下して被着体を容易に剥離させることができる。
【0012】
上記気体発生剤から気体を発生させる刺激としては、例えば、光、熱、超音波等による刺激が挙げられる。なかでも光又は熱による刺激が好ましい。上記光としては、例えば、紫外線、可視光線等が挙げられる。上記刺激として光による刺激を用いる場合には、気体発生剤を含有する接着樹脂は、光が透過又は通過できるものであることが好ましい。また、光を照射する際には、フィルタ等により熱線を除去した光を照射することが好ましい。熱線を除去した光であれば照射強度が高くとも、接着樹脂が加熱されて柔らかくなりすぎることがなく、気体発生剤から発生した気体は、本発明の接着樹脂シートを発泡させることなく、外へ放出される。
【0013】
上記刺激により気体を発生させる気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化合物、アジド化合物が好適に用いられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジン]プロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。
【0014】
なかでも、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)等の下記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物が好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】
式(1)中、R1及びR2は、それぞれ低級アルキル基を表し、R3は、炭素数2以上の飽和アルキル基を表す。なお、R1とR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
【0017】
上記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物は、熱分解温度が高いことから、後述する被着体との接着の際に上記接着樹脂の流動化のために加熱が必要な場合にも気体が発生してしまうことがなく、また、上記接着樹脂への溶解性にも優れている。
【0018】
上記アゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド等や、3−アジドメチル−3−メチルオキセタンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有するポリマー等が挙げられる。これらのアジド化合物は、光、熱及び衝撃等による刺激により窒素ガスを発生する。
【0019】
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解して窒素ガスを放出することから、取り扱いが困難であるという問題がある。更に、上記アジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しその制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによって被着体が損傷することがあるという問題もある。このような問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
【0020】
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないことから取り扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもないため被着体を損傷することもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断できることから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。従って、上記気体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
【0021】
上記気体発生剤は上記接着樹脂の全体に含有されていてもよいが、気体発生剤を接着樹脂の全体に含有させておくと、接着樹脂の全体が発泡体となるため柔らかくなりすぎ、本発明の接着樹脂シートを被着体からうまく剥がせなかったり、糊残りしたりするおそれがある。従って、上記気体発生剤は、接着樹脂シートの表面部分にのみ含有されていることが好ましい。表面部分にのみ含有させておけば、接着樹脂の全体が発泡体とならずに、被着体との接着面で気体発生剤から気体が発生することにより接着面積を減少させ、なおかつ発生した気体が被着体と接着樹脂シートとの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0022】
なお、上記表面部分とは、接着樹脂シートの厚さにもよるが、表面から20μmまでの部分であることが好ましい。また、ここでいう表面部分にのみ含有されるとは、例えば、接着樹脂シートの表面に付着した気体発生剤が接着樹脂と相溶して接着樹脂に吸収された態様、接着樹脂シートの表面に気体発生剤が均一に付着している態様等が挙げられる。
【0023】
本発明の接着樹脂シートの表面部分にのみ気体発生剤を含有させる方法としては、例えば、接着樹脂シートの最外層に1〜20μm程度の厚さで気体発生剤を含有する樹脂を塗工する方法や、予め作製した接着樹脂シートの少なくとも一方の面の表面に、気体発生剤を含有する揮発性液体を塗布するかスプレー等によって吹き付けることにより、表面に気体発生剤を均一に付着させる方法等が挙げられる。また、気体発生剤を含有する表面部分とそれ以外とは、異なる組成の樹脂成分からなることが好ましく、なかでも、異なる極性を有する樹脂成分からなることがより好ましい。これにより、表面部分の気体発生剤がそれ以外に移行することを防止するか、移行しにくくすることができる。
【0024】
上記気体発生剤は、接着樹脂中に粒子として存在しないことが好ましい。なお、本明細書において、気体発生剤が粒子として存在しないとは、電子顕微鏡により気体発生剤を含有する接着樹脂の断面を観察したときに気体発生剤を確認することができないことを意味する。上記接着樹脂中に気体発生剤が粒子として存在すると、気体を発生させる刺激として光を照射したときに粒子の界面で光が散乱して気体発生効率が低くなってしまったり、接着樹脂シートの表面平滑性が悪くなったりすることがある。
【0025】
上記気体発生剤を粒子として存在しないようにするには、通常、上記接着樹脂中に溶解する気体発生剤を選択するが、接着樹脂中に溶解しない気体発生剤を選択する場合には、例えば、分散機を用いたり、分散剤を併用したりすることにより接着樹脂層中に気体発生剤を微分散させる。
【0026】
また、上記気体発生剤は、微小な粒子であることが好ましい。更に、これらの微粒子は、例えば、分散機や混練装置等を用いて必要に応じてより細かい微粒子とすることが好ましい。
【0027】
上記気体発生剤から発生した気体は接着樹脂シートの外へ放出されることが好ましい。これにより、本発明の接着樹脂シートに光等の刺激を与えると気体発生剤から発生した気体が被着体から接着樹脂シートの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させるため、容易に被着体を剥離することができる。この際、気体発生剤から発生した気体の大部分は接着樹脂シートの外へ放出されることが好ましい。上記気体発生剤から発生した気体の大部分が接着樹脂シートの外へ放出されないと、接着樹脂シートが気体発生剤から発生した気体により全体的に発泡してしまい、接着力を低下させる効果を充分に得ることができず、被着体に糊残りを生じさせてしまうことがある。なお、被着体に糊残りを生じさせない程度であれば、気体発生剤から発生した気体の一部が接着樹脂シートの中に溶け込んでいたり、気泡として接着樹脂シート中に存在していたりしてもかまわない。
【0028】
上記接着樹脂は、上記気体発生剤としてアジド化合物又はアゾ化合物等の光による刺激により気体を発生させる気体発生剤を用いる場合には、更に光増感剤も含有することが好ましい。上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができるので、被着体がポリイミド等のアジド化合物又はアゾ化合物から気体を発生させる波長の光を透過しないものであっても、被着体越しに光を照射して気体を発生させることができ被着体の選択の幅が広がる。
【0029】
上記光増感剤としては特に限定されないが、例えば、チオキサントン増感剤等が好適である。なお、チオキサントン増感剤は、光重合開始剤としても用いることができる。
【0030】
上記接着樹脂は、加熱又は加圧により流動性を示すものである。
加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂を用いることにより、接着樹脂が流動性を示す条件下で被着体との貼り合わせを行えば、被着体表面に凹凸がある場合でも、凹凸に良好に追随して被着体に密着することができる。なお、本明細書において加熱により流動性を示すとは、加熱しない状態においては固体状であるが、加熱することにより凹凸に追随できる程度の硬さになることを意味する。すなわち、ホットメルト型接着樹脂であることを意味する。また、本明細書において加圧により流動性を示すとは、加圧することにより凹凸に追随できる程度の硬さを有する接着性樹脂であることを意味する。
【0031】
上記接着樹脂としては特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂が好適である。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0032】
上記硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。また、上記光硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、感光性オニウム塩等の光カチオン触媒を含有するエポキシ樹脂や感光性ビニル基を有するアクリル樹脂等が挙げられる。これらの硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0033】
なかでも、上記接着樹脂としては、ポリエステル樹脂、メタクリル酸メチル又はアクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とするポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等のホットメルト型接着樹脂が特に好適である。
【0034】
また、架橋度の高い樹脂は、流動性が乏しくなることから、上記接着樹脂は、刺激により架橋する低架橋又は未架橋の樹脂であることが好ましい。なお、接着樹脂が流動性を示す条件下で被着体との接着を行った後、刺激を与えて一部を架橋させれば、接着樹脂がある程度硬化収縮することで被着体との接着力をより強固にできる。更に、気体発生剤から気体を発生させて被着体を剥離する前に、刺激を与えることにより接着樹脂を完全に架橋させれば、気体発生剤から気体を発生させた際に接着樹脂が発泡することを効果的に防止できるので、被着体を容易に剥離させることができる。なお、上記接着樹脂は、シート形状に形成するためにある程度の凝集力を要する場合には、流動性と凝集力のバランスを考慮して必要とされる程度の架橋を施したものであってもよい。具体的には、ゲル分率が30重量%以下であることが好ましい。ゲル分率が30重量%を超えると、加熱した際の流動性が乏しく大きな凹凸のある被着体では、充分に凹凸に追随して密着できないことがある。より好ましくは10重量%であり、更に好ましくは5重量%であり、特に好ましくは0重量%である。
【0035】
なお、本明細書において、接着樹脂のゲル分率とは、酢酸エチルに対して溶解しない樹脂の重量割合を意味する。
上記接着樹脂を架橋させる刺激としては特に限定されず、上記気体発生剤から気体を発生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、特定波長範囲の光による刺激により気体を発生させる気体発生剤に対して、上記特定波長範囲以外の波長の光による刺激により架橋する接着樹脂が好適に用いられる。
【0036】
上記接着樹脂のなかでも、刺激により架橋する未架橋の樹脂としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとの混合物を主成分とし、必要に応じて光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとの混合物を主成分とし、熱重合開始剤を含んでなる熱硬化型粘着剤等が挙げられる。
【0037】
このような光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤等の後硬化型粘着剤は、ホットメルト型ポリマーを主成分として含有する場合には、加熱により流動性を示し、オリゴマー成分を高い割合で含有する場合には、加圧により流動性を示す。
【0038】
上記後硬化型粘着剤は、光の照射又は加熱により粘着剤の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。また、硬い硬化物中で気体発生剤から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から接着樹脂シートの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。
【0039】
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)を予め合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
【0040】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。
【0041】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
【0042】
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。
【0043】
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。
【0044】
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0045】
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0046】
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始させる活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上、日本油脂社製)等が好適である。これらの熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0047】
上記後硬化型粘着剤には、以上の成分のほか、本発明の目的を損なわない限りにおいて、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
【0048】
また、本発明の接着樹脂シートを表面に凹凸のある被着体に密着させた場合には、アンカー効果により強固に接着しており、気体発生剤から気体を発生させても容易には剥離せず、脆弱又は軟弱な被着体であれば特に損傷することなく剥離することが困難となることがある。このような場合には、上記接着樹脂として、粘着力の弱い接着樹脂や刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂を用いることが好ましい。
【0049】
上記粘着力の弱い接着樹脂を用いると、本発明の接着樹脂シートと被着体との接着は主にアンカー効果によってなされるため必要以上に強固にならず、気体発生剤から気体を発生させるだけで剥離することが可能となる。このような粘着力の弱い接着樹脂としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基等の極性官能基が少なく酸価が多くとも10(g/KOH)以下の接着樹脂;ガラス転移温度が高い接着樹脂等が挙げられる。上記極性官能基が少なく酸価が低い接着樹脂としては、例えば、メタクリル酸メチル又はアクリル酸ブチル等を主なモノマー単位とし、カルボキシル基、スルホニル基等の極性官能基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーの割合が0.1重量%以下であるアクリル粘着剤等が挙げられる。上記ガラス転移温度が高い接着樹脂としては、例えば、粘弾性スペクトルによるガラス転移温度が60℃以上であり、環球式測定法に基づく軟化点が80〜120℃であるアクリル粘着剤等が挙げられる。
【0050】
上記刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂を用いると、剥離前に接着樹脂が硬化収縮する刺激を与えることにより接着樹脂が硬化収縮して被着体表面の凹凸から剥がれるため、アンカー効果を低下させた状態で剥離することが可能となる。このような刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を多数有してなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマー100重量部に対して、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーが5〜25重量部である混合物を主成分とする光重合又は熱重合性の粘着剤等が挙げられる。
【0051】
上記刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂を硬化収縮させる刺激としては特に限定されず、上記気体発生剤から気体を発生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていてもよいが、例えば、特定波長範囲の光による刺激により気体を発生させる気体発生剤に対して、上記特定波長範囲以外の波長の光による刺激により硬化収縮する接着樹脂が好適に用いられる。
【0052】
上記刺激を与えることにより硬化収縮する接着樹脂は、エンボス芯材を含有していたり、表面にエンボス加工を施して凹凸模様のある基材上に形成されていたりすることが好ましい。これにより、硬化収縮によりエンボス芯材の表面形状、又は、基材表面の凹凸模様に沿った凹凸を生じるため、被着体表面から剥がれやすくなる。なお、本明細書において、エンボス芯材とは、硬化性樹脂からなる層の表面に凹凸を形成するために未硬化の硬化性樹脂に含有させるものであり、硬化性樹脂を硬化収縮させた際に、その表面形状に沿った凹凸を生じさせる賦形材料を意味する。
【0053】
本発明の接着樹脂シートを製造する方法としては特に限定されないが、例えば、上記接着樹脂と上記気体発生剤とを混練した組成物を流延して固化させる方法等が挙げられる。
【0054】
しかしながら、接着樹脂と気体発生剤とを混練する際に生じる熱により気体発生剤の分解が起こることがあり、多量の気体発生剤を含有する接着性物質を製造することが困難な場合がある。
【0055】
このような場合には、気体発生剤、重合性原料、及び、光重合開始剤を含有する原料に気体発生剤の感光波長よりも長波長である紫外線又は可視光を照射して上記光重合開始剤を活性化して上記重合性原料を重合させて接着樹脂を重合させる方法を用いることが好ましい。この方法によれば、接着樹脂と気体発生剤とを混練する必要がなく、熱により気体発生剤の分解が始まるおそれがない。また、樹脂組成物の製造を1回の反応で完了することができ、溶剤を使用する必要もないので、多量の気体発生剤を含有する接着樹脂シートを安全かつ容易に製造できる。
【0056】
上記製造方法においては、重合性原料として、例えば、アクリル系モノマー又はアクリル系オリゴマーを主成分とするものを用い、更に、気体発生剤の感光波長よりも長波長の紫外線又は可視光を照射されることで活性化する光重合開始剤を用いる。ここで用いられる光重合開始剤としては、例えば、上述の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0057】
本発明の接着樹脂シートは、直接被着体の接着に用いたり、様々な接着性製品に用いたりすることができる。
上記接着性製品としては特に限定されず、例えば、基材の片面に接着樹脂層が形成された片面接着テープ、基材の両面に接着樹脂層が形成された両面接着テープ、基材を有しないノンサポートテープ(自立テープ)等の接着テープ等が挙げられる。なかでも、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなる表面が両面に形成されている両面粘着テープ又はノンサポートテープが好ましい。このような接着テープは、両面で被着体と強固に接着することができる。なお、本発明の接着樹脂シートは、上記接着テープの接着樹脂層として用いられるが、上記接着樹脂層は、単層からなるものであってもよいし、複数層からなるものであってもよく、上記接着樹脂層が複数層からなる場合には、表面の層以外の層は、本発明の接着樹脂シート以外の接着樹脂シートからなるものであってもよい。
【0058】
上記基材としては特に限定されないが、本発明の接着樹脂シート中の気体発生剤から気体を発生させる刺激が光による刺激である場合には、光を透過又は通過するものであることが好ましく、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。また、上記接着樹脂層として加熱により流動性を示す接着樹脂からなる層が形成される場合には、高温に加熱されても軟化しないものであることが好ましく、例えば、芳香族ポリエステル、ポリエーテルニトリル等の耐熱性樹脂からなるシート、網状の金属シートを埋め込み補強したシート等が挙げられる。
【0059】
上記基材は、想定される被着体の表面の凹凸よりも大きく、ほぼ基材の厚さと同じ大きさのビーズを含有していてもよい。このようなビーズを含有する基材は、加圧されてもビーズがスペーサとして働き、一定の厚さを維持して基材を平滑に保つことができる。
【0060】
上記基材の厚さは、基材に高い平滑性が求められる場合には、接着樹脂層より厚いことが好ましい。上記基材が充分に厚ければ接着樹脂層の厚さに近い大きさの凹凸のある面に接着テープを接着させても基材を平滑に保つことができる。
【0061】
上記基材には、プライマー処理が施されていてもよい。
上記プライマー処理としては特に限定されず、例えば、基材の表面にプライマー樹脂を塗布する処理、基材の表面にコロナ処理を施す処理等が挙げられる。
【0062】
本発明の接着樹脂シートは、特に表面に凹凸を有する被着体の接着に優れている。このような表面に凹凸を有する被着体を接着する際には、接着する前後又は接着と同時に加熱又は加圧により接着樹脂を流動させる。これにより、流動化した接着樹脂が被着体の表面の凹凸に追随し、密着することができる。また、上記接着樹脂が刺激により架橋する未架橋の樹脂である場合には、接着後に刺激を与えて接着樹脂の一部を架橋させることにより、より強固に接着することができる。
【0063】
更に、このように強固に被着体と接着しても、気体発生剤から気体を発生させる刺激を与えることにより、発生した気体が被着体と接着樹脂シートとの接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させるため、被着体が薄いICチップ等の極めて壊れやすいものである場合であっても、被着体を損傷することなく剥離することができる。
【0064】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
<接着樹脂の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
【0066】
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部を混合し接着樹脂(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
ブチルアクリレート 80重量部
エチルアクリレート 15重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた接着樹脂(1)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、及び、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部を混合して、気体発生剤を含有する接着樹脂(2)の酢酸エチル溶液を調製した。
水酸化カリウムを用いた滴定により測定した結果、酸価は0であった。酢酸エチルに不溶な樹脂成分はなく、接着樹脂(2)のゲル分率は0重量%であった。
【0067】
<両面粘着テープの作製>
接着樹脂(2)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理が施された厚さ38μmのPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の接着樹脂(2)層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、接着樹脂(2)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。
【0068】
接着樹脂(1)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の接着樹脂(1)層は乾燥状態で粘着性を示した。
【0069】
次いで、接着樹脂(2)層を設けたPETフィルムの接着樹脂(2)層のない側の面と、接着樹脂(1)層を設けたPETフィルムの接着樹脂(1)層の面とを貼り合わせた。その後40℃、3日間静置養生を行った。
【0070】
これにより、両面に接着樹脂層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの接着樹脂層はいずれも透明であった。
【0071】
<ICチップの製造>
(シリコンウエハとガラス板との貼り合わせ工程)
両面粘着テープの接着樹脂(2)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20cm、厚さ約750μmで、表面に形成された回路の凹凸が5μm、周辺部が15μmであるシリコンウエハの回路が形成された面にラミネーターを用いて両面粘着テープを貼り付けた後、シリコンウエハの大きさに合わせて両面粘着テープを切断した。
【0072】
次に、接着樹脂(1)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20.4cmのガラス板を接着樹脂(1)層に真空プレス装置を用いて貼り付けた。
次いで、60℃で2分間予熱した後、加熱プレス装置を用いて60℃、98N/cm2で1分間加熱プレスを行った。両面粘着テープはガラス板とシリコンウエハのいずれにも密着していた。
【0073】
(紫外線照射工程1)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が10mW/cm2となるよう照度を調節して2秒間照射した。これにより、両面粘着テープはより一層強固に接着した。
【0074】
(研磨工程)
ガラス板で補強されたシリコンウエハを研磨装置に取り付け、シリコンウエハの厚さが約50μmになるまで研磨した。このとき研磨面に散布した冷却水がシリコンウエハと接着樹脂シートとの間に侵入することはなかった。
研磨装置からシリコンウエハを取り外し、ダイシングテープをシリコンウエハの上に貼り付けた。
【0075】
(紫外線照射工程2)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が40mW/cm2となるよう照度を調節して2分間照射した。
【0076】
(ウエハの剥離工程)
シリコンウエハを固定し、ガラス板を真上に引っ張った。両面粘着テープとともにガラス板をシリコンウエハから容易に剥離することができた。
【0077】
(実施例2)
<接着樹脂の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量70万のアクリル共重合体を得た。
【0078】
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレート40重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部を混合し接着樹脂(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
ブチルアクリレート 79重量部
エチルアクリレート 15重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
アクリル酸 1重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
得られた接着樹脂(3)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、及び、2,4−ジエチルチオキサントン3.6重量部を混合して、気体発生剤を含有する接着樹脂(4)の酢酸エチル溶液を調製した。
【0079】
水酸化カリウムを用いた滴定により測定した結果、酸価は7.8であった。酢酸エチルに溶解しない樹脂成分はなく、接着樹脂(4)のゲル分率は0重量%であった。
【0080】
<両面粘着テープの作製>
接着樹脂(4)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理が施された厚さ38μmのPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約50μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の接着樹脂(4)層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、接着樹脂(4)層の表面に離型処理が施されたPETフィルムを貼り付けた。
【0081】
接着樹脂(3)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥皮膜の厚さが約30μmとなるようにドクターナイフで塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の接着樹脂(3)層は乾燥状態で粘着性を示した。
【0082】
次いで、接着樹脂(4)層を設けたPETフィルムの接着樹脂(4)層のない側の面と、接着樹脂(3)層を設けたPETフィルムの接着樹脂(3)層の面とを貼り合わせた。その後40℃、3日間静置養生を行った。
【0083】
これにより、両面に接着樹脂層が設けられ、その表面が離型処理が施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの接着樹脂層はいずれも透明であった。
【0084】
<ICチップの製造>
(シリコンウエハとガラス板との貼り合わせ工程)
両面粘着テープの接着樹脂(4)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20cm、厚さ約750μmで、表面に形成された回路の凹凸が5μm、周辺部が15μmであるシリコンウエハの回路が形成された面にラミネーターを用いて両面粘着テープを貼り付けた後、シリコンウエハの大きさに合わせて両面粘着テープを切断した。
【0085】
次に、接着樹脂(3)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20.4cmのガラス板を接着樹脂(3)層に真空プレス装置を用いて貼り付けた。
次いで、60℃で2分間予熱した後、加熱プレス装置を用いて60℃、98N/cm2で1分間加熱プレスを行った。両面粘着テープはガラス板とシリコンウエハのいずれにも密着していた。
【0086】
(紫外線照射工程1)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が10mW/cm2となるよう照度を調節して2秒間照射した。これにより、両面粘着テープはより一層強固に接着した。
【0087】
(研磨工程)
ガラス板で補強されたシリコンウエハを研磨装置に取り付け、シリコンウエハの厚さが約50μmになるまで研磨した。このとき研磨面に散布した冷却水がシリコンウエハと接着樹脂シートとの間に侵入することはなかった。
研磨装置からシリコンウエハを取り外し、ダイシングテープをシリコンウエハの上に貼り付けた。
【0088】
(紫外線照射工程2)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度が40mW/cm2となるよう照度を調節して2分間照射した。
【0089】
(ウエハの剥離工程)
シリコンウエハを固定し、ガラス板を真上に引っ張った。両面粘着テープとともにガラス板をシリコンウエハから容易に剥離することができた。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、凹凸のある面であっても被着体に密着して強固に接着することができ、刺激を与えることにより、被着体を損傷させることなく容易に剥離させることができる接着樹脂シートを提供できる。
Claims (8)
- 刺激により気体を発生する気体発生剤を含有し、かつ、加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂からなることを特徴とする接着樹脂シート。
- 加熱又は加圧により流動性を示す接着樹脂は、刺激により架橋する未架橋の樹脂であることを特徴とする請求項1記載の接着樹脂シート。
- 気体発生剤は、接着樹脂中に粒子として存在しないことを特徴とする請求項1又は2記載の接着樹脂シート。
- 気体発生剤は、アゾ化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の接着樹脂シート。
- 気体発生剤は、アジド化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の接着樹脂シート。
- 気体発生剤は、接着樹脂の表面部分にのみ含有されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の接着樹脂シート。
- 気体発生剤から発生した気体は、接着樹脂シートの外へ放出されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の接着樹脂シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003024216A JP2004225022A (ja) | 2002-11-29 | 2003-01-31 | 接着樹脂シート |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002349190 | 2002-11-29 | ||
JP2003024216A JP2004225022A (ja) | 2002-11-29 | 2003-01-31 | 接着樹脂シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004225022A true JP2004225022A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32910972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003024216A Withdrawn JP2004225022A (ja) | 2002-11-29 | 2003-01-31 | 接着樹脂シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004225022A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014157378A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | デクセリアルズ株式会社 | 熱伝導性シート |
WO2015037626A1 (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-19 | デクセリアルズ株式会社 | 熱伝導性シート |
CN105493274A (zh) * | 2013-09-13 | 2016-04-13 | 迪睿合株式会社 | 导热性薄片 |
WO2017149982A1 (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-08 | 株式会社イーテック | 粘着剤組成物並びに粘着シート及びその製造方法 |
JP2018178080A (ja) * | 2017-04-10 | 2018-11-15 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 粘着シート及び粘着シートを粗面に適用する方法 |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003024216A patent/JP2004225022A/ja not_active Withdrawn
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105008480B (zh) * | 2013-03-28 | 2017-03-15 | 迪睿合株式会社 | 导热性薄片 |
JP2014189727A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Dexerials Corp | 熱伝導性シート |
US10550296B2 (en) | 2013-03-28 | 2020-02-04 | Dexerials Corporation | Thermally conductive sheet |
WO2014157378A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | デクセリアルズ株式会社 | 熱伝導性シート |
CN107033800A (zh) * | 2013-03-28 | 2017-08-11 | 迪睿合株式会社 | 导热性薄片 |
JP2015079948A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-04-23 | デクセリアルズ株式会社 | 熱伝導性シート |
CN105493274A (zh) * | 2013-09-13 | 2016-04-13 | 迪睿合株式会社 | 导热性薄片 |
US10040979B2 (en) | 2013-09-13 | 2018-08-07 | Dexerials Corporation | Thermally conductive sheet |
CN105493274B (zh) * | 2013-09-13 | 2019-06-04 | 迪睿合株式会社 | 导热性薄片 |
WO2015037626A1 (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-19 | デクセリアルズ株式会社 | 熱伝導性シート |
WO2017149982A1 (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-08 | 株式会社イーテック | 粘着剤組成物並びに粘着シート及びその製造方法 |
JPWO2017149982A1 (ja) * | 2016-02-29 | 2018-12-20 | 株式会社イーテック | 粘着剤組成物並びに粘着シート及びその製造方法 |
JP2018178080A (ja) * | 2017-04-10 | 2018-11-15 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 粘着シート及び粘着シートを粗面に適用する方法 |
US11407925B2 (en) | 2017-04-10 | 2022-08-09 | 3M Innovative Properties Company | Adhesive sheet and method of applying adhesive sheet to rough surface |
JP7164307B2 (ja) | 2017-04-10 | 2022-11-01 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 粘着シート及び粘着シートを粗面に適用する方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4704828B2 (ja) | ウエハ貼着用粘着シート及びダイ接着用接着剤層付きicチップの製造方法 | |
JP2006216721A (ja) | 半導体ウエハ研削用粘着シート及び半導体ウエハの研削方法 | |
JP2005197630A (ja) | Icチップの製造方法 | |
JP4238037B2 (ja) | 接着性物質、接着性物質の剥離方法及び粘着テープ | |
JP2003173993A (ja) | バックグラインドテープ及び半導体ウエハの研磨方法 | |
JP3566710B2 (ja) | 接着性物質、接着性物質の剥離方法及び粘着テープ | |
US20050173051A1 (en) | Adhesive material, method for peeling adhesive material, and pressure-sensitive adhesive tape | |
JP4540642B2 (ja) | 半導体の製造方法 | |
JP4404526B2 (ja) | 接着性物質、片面粘着テープ及び両面粘着テープ | |
JP2004186280A (ja) | ウエハ貼着用粘着シート及び半導体装置の製造方法 | |
JP2004225022A (ja) | 接着樹脂シート | |
JP2004228539A (ja) | Icチップの製造方法 | |
JP4611706B2 (ja) | 粘着テープ | |
JP2004153227A (ja) | Icチップの製造方法 | |
WO2006013616A1 (ja) | Icチップの製造方法 | |
JP2003171645A (ja) | 接着性物質、接着性製品及び接続構造体 | |
JP4647896B2 (ja) | 粘着テープ | |
JP2006013000A (ja) | Icチップの製造方法 | |
JP2004182797A (ja) | 両面粘着テープ及びicチップの製造方法 | |
JP3787526B2 (ja) | Icチップの製造方法 | |
JP2003231871A (ja) | 両面粘着テープ及びそれを用いたicチップの製造方法 | |
JP2004182799A (ja) | 両面粘着テープ | |
JP2005097507A (ja) | 粘着テープ | |
JP2004182798A (ja) | 両面粘着テープ及びicチップの製造方法 | |
JP2003173989A (ja) | Icチップの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051025 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090717 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090729 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090820 |