JP2006104181A - ブナ科植物由来の糖質分解酵素阻害物質、及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】糖尿病の予防、緩和及び肥満の防止に有効な栗より得られる糖質分解酵素阻害物質及びそれを含有する飲食品や医薬品を提供する。
【解決手段】ブナ科植物の植物体全部または一部を、水、極性溶媒またはこれらの混合液を用いて抽出することによって得られる糖質分解酵素阻害物質(α-アミラーゼ阻害物質、α-グルコシダーゼ阻害物質)を使用する。また、当該糖質分解酵素阻害物質を、糖質の消化吸収遅延、食後の血糖上昇抑制または抗肥満のための有効成分として、食品組成物や医薬組成物に配合する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ブナ科植物に由来する糖質分解酵素阻害物質、特にα-アミラーゼ又はα-グルコシダーゼの阻害物質に関するものである。さらに、本発明は当該糖質分解酵素阻害物質の各種用途、具体的にはその生理学的作用を利用した医薬組成物及び食品組成物に関する。
生活様式の変化により、日本国における糖尿病の有病率は上昇傾向にあり、糖尿病の予備軍も含めると1,500万人以上になると推測されている。その大部分はII型糖尿病である。II型糖尿病は肥満と密接に関係し、インスリン抵抗性等により慢性的な高血糖を来たし、網膜症、腎炎、神経障害といった特有の合併症を誘発する。II型糖尿病では食事療法と運動療法がその予防と治療の基本であり、中でも食事療法では生活習慣における血糖値のコントロールが重要となる。血糖値は食事に含まれる糖質(デンプン、グリコーゲン、砂糖等)により大きな影響を受ける。これらの糖質は消化酵素(糖質分解酵素)であるα-アミラーゼとα-グルコシダーゼの作用により分解される。α-アミラーゼはデンプン等のα-1、4結合を加水分解する酵素であり、動物の唾液や膵液中に含まれており、消化管内でデンプン等をマルトース等に変換する。二糖類であるマルトースや砂糖(ショ糖)等は小腸粘膜の細胞膜に存在するα-グルコシダーゼにより加水分解をうけてグルコースに変換され、吸収される。代表的なα-グルコシダーゼとしてはマルトースを分解するマルターゼ、ショ糖を分解するスクラーゼが知られている。小腸より吸収されたグルコースは血液中に運搬され、血糖を上昇させる。したがって過剰なエネルギー供給を抑制したり血糖をコントロールする上で、つまり肥満や糖尿病を予防ないしは治療するにあたって、これらの酵素活性を制御することは重要である。
糖質分解酵素の作用を阻害する物質に関する研究は多く行われており、数多くの糖質分解酵素阻害物質が発見されている。例えば、小麦由来の蛋白性物質(非特許文献1)、大豆より抽出された多糖(特許文献1)、サトイモ(Colocasia esculenta)より抽出された蛋白性物質NSA1-1、NSA1-II(特許文献2)、月桂樹(Laurus nobillis L)より抽出された粗エキス(特許文献3)、グァバ葉より抽出されたエキス(特許文献4)、ハナバ(Laqerstroemia speciosa)の熱水抽出物(非特許文献2)、マオウ(麻黄 Ephedra Herb)の地上根抽出エキス(特許文献5)、黒米の抽出エキス(特許文献6)などがある。また微生物由来の糖質分解酵素阻害物質としては、放線菌の産生するオリゴ糖が知られている。
さらにα-グルコシダーゼまたはα-アミラーゼに対する阻害活性に基づいて市販されている医薬品(抗糖尿病薬)として、アカルボース(acarbose)(Glucobay;バイエル薬品)(非特許文献3)やボグリボース(voglibose)(Basen;武田薬品工業)(非特許文献4)がよく知られている。また、非特許文献5および6には、糖質分解酵素阻害物質の抗肥満作用が記載されている。
特開平3-290187号公報 特願平2-95992号公報 特願平2-130852号公報 特開平7-59539号公報 特開平9-2963号公報 特開2004-91462号公報 O'Donnell MD and McGeeney KF.: Purification and properties of an alpha-amylase inhibitor from wheat. Biochim.Biophys.Acta, 422, 159-169 (1976) Hosoyama H, Sugimoto A, Suzuki Y, et al.: Isolation and Quantitative Analysis of the alpha-amylase Inhibitor in Lagerstroemiaspeciosa (L.) Pers. (Banaba) J. Pharm. Soc. Jpn., 123, 599-605, (2003) Jenkins DJ, Taylor RH, Nineham R. et al.: Combined use of guar and acarbose in reduction of postprandial glycaemia. Lancet 2(8149) 924-927 (1979) 後藤由夫、馬場茂明、中川昌一 他: α-Glucosidase阻害剤 AO-128のインスリン非依存型糖尿病に対する有用性。 医学のあゆみ 160 943-971(1992) Svensson B, Fukuoka K, Nielsen PK et al.: Proteinaceous amylase inhibitors. Biochim.Biophys.Acta, 1696, 145-156 (2003) Udani J, Hardy M and Madsen DC: Blocking carbohydrate absorption and weight loss: A clinical trial using Phase 2 brand proprietary fractionated white bean extract. Alternative Medicine Review 9, 63-69 (2003)
以上のように、従来より多くのα-アミラーゼ阻害物質、及びα-グルコシダーゼ阻害物質が検討され、また開発されている。しかし、これらの物質を糖尿病や肥満に対する有効な予防若しくは治療剤として実用化するためには、α-アミラーゼやα-グルコシダーゼに対する阻害活性の強さはもとより、生体に対する安全性および副作用の有無、並びに原材料の安定供給の面など、多面的に検討する必要があり、これらの点から従来のものは必ずしも満足できるものではない。
本発明の目的は、植物を原料として得られる糖質分解酵素阻害物質、具体的にはα-アミラーゼやα-グルコシダーゼに対して阻害活性を有する糖質分解酵素阻害物質を提供することである。本発明の好適な目的は、生体に安全であり、しかも安定供給可能な原料から調製される糖質分解酵素阻害物質を提供することである。
当該糖質分解酵素阻害物質によれば、消化管における糖類の消化・吸収を遅延させることができ、これによって食後の血糖上昇を抑制することが可能となる。また消化管における糖類の消化・吸収を遅延させることから抗肥満作用も期待される。よって、本発明は、当該糖質分解酵素阻害物質が有するこうした生理的な作用を利用した医薬組成物、及び食品組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、産業廃棄物の有効利用をはかるため柑橘類の搾汁粕、青汁の搾汁粕、各種果物の果皮、にがり、甲殻類のキチン、キトサンおよび魚類の精巣や内臓等について、新規な糖質分解酵素阻害物質を見いだすべく、スクリーニングを行った。その結果、ブナ科植物の渋皮や鬼皮などの溶媒抽出物中に強いα-アミラーゼ阻害活性及びα-グルコシダーゼ阻害活性があることを見いだし、更に当該溶媒抽出物に、正常及び糖尿病ラット並びにヒトに対して、実際に食後(または糖付与後)の血糖値の上昇を抑制する作用があることを確認した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記の態様を包含するものである:
項1.ブナ科植物の植物体全部または一部を、水、極性溶媒またはこれらの混合液を用いて抽出することによって得られる糖質分解酵素阻害物質。
項2.ブナ科植物がクリ属、シイノキ属またはコナラ属に属する植物であり、その鬼皮、渋皮、イガ、葉、樹皮、種子(実、子葉)またはこれらの少なくとも1つを含む部分を、水、極性溶媒またはこれらの混合液を用いて抽出することによって得られる項1記載の糖質分解酵素阻害物質。
項3.クリ、クヌギ、及びスダジイよりなる群から選ばれる少なくとも1つの植物の、鬼皮、渋皮、イガ、葉、樹皮または種子(実、子葉)、水、極性溶媒またはこれらの混合液を用いて抽出することによって得られる項1記載の糖質分解酵素阻害物質。
項4.阻害対象とする糖質分解酵素が、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼまたはこれら両方である、項1乃至3のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質。
項5.項1乃至4のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質を有効成分とする、糖質の消化吸収遅延組成物。
項6.項1乃至4のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質を有効成分とする、血糖上昇抑制組成物。
項7.項1乃至4のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質を有効成分とする、過血糖改善組成物。
項8.項1乃至4のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質を有効成分とする、抗肥満組成物。
項9.項1乃至4のいずれかの糖質分解酵素阻害物質を含有する、食品組成物。
項10.項1乃至4のいずれかの糖質分解酵素阻害物質を含有する、飲料または麺類。
項11.項1乃至4のいずれかの糖質分解酵素阻害物質を、糖質の消化吸収遅延、食後の血糖上昇抑制または過血糖改善のための有効成分として含有する食品組成物。
項12.項1乃至4のいずれかの糖質分解酵素阻害物質を含有し、糖質の消化吸収遅延作用、食後の血糖上昇抑制作用または過血糖改善作用を有することを特徴とする食品組成物であって、その商品パッケージに、糖質の消化吸収遅延、食後の血糖上昇抑制または過血糖改善のために用いられる旨の表示が付されてなる食品組成物。
項13.項1乃至4のいずれかの糖質分解酵素阻害物質を、抗肥満のための有効成分として含有する食品組成物。
項14.項1乃至4のいずれかの糖質分解酵素阻害物質を含有し、抗肥満作用を有することを特徴とする食品組成物であって、その商品パッケージに抗肥満のために用いられる旨の表示が付されてなる食品組成物。
項15.項1乃至4のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質を有効成分とする医薬組成物。
項16.糖尿病の予防または治療薬である項15に記載する医薬組成物。
項17.抗肥満薬である項15に記載する医薬組成物。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(1)糖質分解酵素阻害物質
本発明の糖質分解酵素阻害物質は、ブナ科植物の植物体全体または一部を溶媒で抽出することによって得られるものである。
ここでブナ科植物としては、特に制限されないが、クリ属に属する栗(Castanea crenata);シイノキ属に属するツブラジイ(Castanopsiscuspidata)、スダジイ(Castanopsis sieboldii);ブナ属に属するブナ(Faguscrenata)、イヌブナ(Fagus japonica)、マテバシイ(Lithocarpus edulis)、シリブカガシ(Lithocarpusglabra);コナラ属に属するナラガシワ(Quercus aliena)、クヌギ(Quercus acutissima)、ミズナラ(Quercuscrispula)、カシワ(Quercus dentata)、コナラ(Quercus serrata)、アベマキ(Quercusvariabilis)、アカガシ(Quercus acuta)、アラカシ(Quercus glauca)、シラカシ(Quercusmyrsinaefolia)、ウメバガシ(Quercus phillyraeoides)、ウラジロガシ(Quercussalicina)、ツクバネガシ(Quercus sessilifolia)等を例示することができる。好ましくは、クリ属に属する植物、シイノキ属に属する植物、またはコナラ属に属する植物である。より好ましくはクリ属に属する栗、シイノキ属に属するスダジイ、またはコナラ属に属するクヌギである。
本発明の糖質分解酵素阻害物質の原料には、上記ブナ科植物の植物体全体を使用してもよいが、樹皮、根、イガ(針、総苞)、果実、種皮(鬼皮、渋皮)、葉、種子(実、子葉)、または花弁といった植物体の一部を使用することもできる。好ましくは樹皮、葉、イガ(針、総苞)、種皮(鬼皮、渋皮)またはこれらの少なくとも1つを含む植物部分でありより好ましくは鬼皮、渋皮またはこれらの少なくとも1つを含む植物部分である。
ブナ科植物、特にクリ属に属する植物の樹皮、根、イガ、果実、種皮(鬼皮、渋皮)、葉等は、古くから医薬用途に使用されており、例えば、クリの樹皮や渋皮にはタンニン、没食子酸、フラボノイド等が含まれており、その消炎作用により、あせもや火傷に効果があるとされている。また血液の巡りを改善する作用があり、コレステロールの沈着を防ぎ、動脈硬化症の予防をはじめ生活習慣病の予防に効果があるとされている。しかし、α-アミラーゼやα-グルコシダーゼといった糖質分解酵素を阻害する作用や、それに基づいて血糖上昇抑制作用を有することについては、未だ報告されていない。
抽出に供されるブナ科植物の植物体(全部またはその一部)は、その形態を特に制限するものではなく、生の状態でも乾燥状態でもよく、またチップ状や粉末状といった所定の形状に破砕若しくは粉砕されていてもよい。
抽出に用いられる溶媒としては、特に制限されず、水、低級アルコール、多価アルコール、並びにその他の極性溶媒を用いることができる。具体的には、低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロピルアルコール、ブタノール等の炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4のアルコール;多価アルコールとしては、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等;上記以外の極性溶媒としては、アセトンやエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル, 酢酸メチルまたは酢酸ブチルなどのエステル類、エチルエーテルやプロピルエーテル等のエーテル類;アセトニトリル等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、また二種以上を組み合わせて使用することもできる。二種以上の組み合わせ例としては、低級アルコール、多価アルコールまたはそれ以外の極性溶媒と水との組み合わせを挙げることができる。
好ましくは、水、アセトン、アセトニトリル、または水とアセトンとの混合液(含水アセトン)、水とアセトニトリルとの混合液(アセトニトリル水溶液)を挙げることができる。なお、抽出溶媒として水と極性溶媒との混合溶媒(好ましくは含水アセトンまたはアセトニトリル水溶液)を使用する場合の極性溶媒の含有割合としては、制限されないが、10〜90容量%、好ましくは40〜60容量%の範囲を例示することができる。
抽出方法としては、一般に用いられる方法を採用することができる。制限はされないが、例えば溶媒中に上記植物の全体または一部(そのまま、または破砕若しくは粉砕したもの)又はそれらを乾燥したものを、冷浸、温浸若しくは加熱しながら浸漬することによって抽出する方法、またはパーコレーション法等を挙げることができる。抽出温度は特に制限されず、4〜100℃の範囲で適宜選択して行うことができる。通常は室温で行うことができる。浸漬は静置状態で行ってもよいし、また攪拌若しくは振盪しながら行ってもよい。抽出時間も特に制限されず、1時間〜2週間の範囲で適宜選択して行うことができるが、通常は5時間程度である。また、抽出溶媒の容量も特に制限されない。好ましくは抽出に使用する植物体の乾燥重量1に対して10〜30倍(重量比)の割合の溶媒を使用して2〜3回繰り返して行うことが好ましい。
また超臨界状態または亜臨界状態の溶媒を用いて抽出することもできる(超臨界抽出法または亜臨界抽出法)。超臨界抽出法または亜臨界抽出法は、超臨界状態または亜臨界状態で流体の状態(温度、圧力とも臨界値を越えた領域での状態、つまり液体と気体の中間的な状態)となった溶媒を用いて行う抽出法である。抽出溶媒としては二酸化炭素、エチレン、エタン、プロパン、水などを挙げることができるが、安全性や毒性を考慮すると二酸化炭素が望ましい。
抽出圧力及び抽出温度は、抽出溶媒が超臨界状態または亜臨界状態になるような範囲であれば特に制限されず、使用する抽出溶媒に応じて適宜選択することができる。具体的には、抽出圧力は通常3〜70MPaの範囲から選択することができ、例えば抽出溶媒として二酸化炭素を使用するときは5〜40MPaであることが好ましい。また抽出温度は通常25〜200℃の範囲から選択することができ、好ましくは25〜100℃である。制限はされないが、抽出溶媒の溶解度を向上させるためにエントレーナーを用いることもできる。エントレーナーとしては、水、メタノール又はエタノール等の炭素数1〜4程度の低級アルコール、アセトンまたはアセトニトリル等を例示することができる。エントレーナーを使用する場合、抽出溶媒中にエントレーナーが0.00001〜50.0重量%、好ましくは0.0001〜10重量%となるような割合で配合することが好ましい。抽出時間は、制限されないが、2時間〜2週間の範囲から適宜選択することができる。
得られた抽出物は、必要に応じてろ過または遠心分離等の固液分離法によって固形物を除去した後、使用の態様に応じて、そのまま用いるか、または溶媒を留去して一部濃縮するかまたは乾燥して、植物エキスまたは植物エキス乾燥物の状態で用いることができる。斯くして得られるブナ科植物、好ましくはクリ属、シイノキ属またはコナラ属に属する植物の溶媒抽出物(好ましくは鬼皮、渋皮、樹皮または葉の溶媒抽出物)は、後記の実験例に示すようにα-アミラーゼやα-グルコシダーゼといった糖分解酵素に対する阻害活性を有している。従って、これらの溶媒抽出物は、α-アミラーゼやα-グルコシダーゼといった糖分解酵素を阻害する糖分解酵素阻害物質として、例えば、食品、医薬品、飼料、または試薬などの成分として用いることができる。
上記植物エキスまたは植物エキス乾燥物は、さらに非溶解性溶媒で洗浄して精製して用いることも、またこれを更に適当な溶剤に溶解もしくは懸濁して用いることもできる。
また、上記植物エキスまたは植物エキス乾燥物は、さらに慣用の精製法に供して高度に精製してもよく、斯くして得られる精製物を糖分解酵素阻害物質として使用することも可能である。精製法としては特に制限されないが、例えば向流分配法やカラムクロマトグラフィー等を用いて、糖質分解酵素阻害活性(α-アミラーゼ阻害活性、α-グルコシダーゼ阻害活性)を測定して、これらの活性のいずれか少なくとも一方を有する画分を取得する方法を挙げることができる。なお、α-アミラーゼ阻害活性及びα-グルコシダーゼ阻害活性の測定方法は、公知であり、いずれの方法をも使用することができるが、具体的には後述する実験例に記載する方法に従って行うことができる。また、こうした各種の精製処理により得られた抽出精製物は、更に減圧乾燥や凍結乾燥等の通常の手段により乾燥した状態で糖分解酵素阻害物質として使用することもできる。
(2)糖分解酵素阻害物質の用途
前述する本発明の糖質分解酵素阻害物質は、そのα-アミラーゼ阻害活性またはα-グルコシダーゼ阻害活性に基づいて、α-アミラーゼ阻害剤またはα-グルコシダーゼ阻害剤といった試薬(化学薬品)として使用できる。
また本発明の糖質分解酵素阻害物質は、そのα-アミラーゼ阻害活性またはα-グルコシダーゼ阻害活性に基づいて、生体内(腸管)における糖質の消化・吸収を遅延させる作用、または食後の血糖上昇(過血糖)を抑制する作用を有する。このため、本発明の糖質分解酵素阻害物質は、糖質の消化吸収遅延組成物(消化吸収遅延剤)、(食後の)血糖上昇抑制組成物(血糖上昇抑制剤)、または過血糖改善組成物(過血糖改善剤)の有効成分として使用することができる。
(3)糖質の消化吸収遅延組成物、血糖上昇抑制組成物、耐血糖改善組成物、抗糖尿病組成物
上記のことから、本発明は、前述する糖質分解酵素阻害物質を有効成分とする、糖質の消化吸収遅延組成物、(食後の)血糖上昇抑制組成物、または過血糖改善組成物を提供する。糖質の消化吸収遅延組成物には、上記糖質分解酵素阻害物質を、消化管での糖質の消化吸収を遅延し得る有効量配合することができる。また、血糖上昇抑制組成物または過血糖改善組成物には、上記糖質分解酵素阻害物質を、食後の血糖上昇を抑制し得る有効量配合することができる。通常、糖質の消化吸収遅延組成物、(食後の)血糖上昇抑制組成物または過血糖改善組成物は、その100重量部中に本発明の糖質分解酵素阻害物質を0.1〜100重量部の範囲で含むことができる。
また、本発明の糖質分解酵素阻害物質は、食品中に含まれるデンプンや砂糖等の糖質の消化を抑制しエネルギーとして吸収されるのを防ぐ作用を有するため、過食に伴う肥満を抑制する抗肥満組成物(抗肥満剤)の有効成分として使用することができる。よって本発明は、上記糖質分解酵素阻害物質を有効成分とする抗肥満組成物を提供する。当該組成物には、上記糖質分解酵素阻害物質を、肥満を解消もしくは抑制し得る有効量配合することができる。通常、抗肥満組成物100重量部中に本発明の糖質分解酵素阻害物質を0.1〜100重量部の範囲で含むことができる。
(4)食品組成物、医薬組成物
より具体的且つ実用的な形態として、本発明の糖質分解酵素阻害物質は、食品組成物または医薬組成物の有効成分として使用することができ、それぞれ食品または医薬品として調製することができる。かかる食品組成物または医薬組成物は、本発明の糖質分解酵素阻害物質のα-アミラーゼ阻害活性またはα-グルコシダーゼ阻害活性に基づいて、生体内(腸管)における糖質の消化・吸収を遅延させる作用、食後の血糖上昇を抑制する作用、過血糖状態を改善する作用、並びに抗肥満作用を有する。
よって本発明は、前述する糖質分解酵素阻害物質を含有することによって上記の各作用を有する食品組成物または医薬組成物を提供するものである。なお、ここで食品組成物または医薬組成物は、その対象を特に人に限定するものではなく、動物、特に哺乳類を広く対象とするものである。従って、食品組成物には犬や猫などのペットフードが、また医薬組成物には動物(人を除く)用の医薬組成物が含まれる。
(4-1)食品組成物
本発明の食品組成物は、上記するように糖質の消化・吸収を遅延させる作用、食後の血糖上昇を抑制する作用、または過血糖状態を改善する作用を有しているため、その作用に基づいて、糖尿病やその進展を予防する効果または食後の過血糖に基づく疾患の予防効果を有している。このため、本発明の食品組成物は、血糖値が高めの人や血糖値を気にする人に対する健康食品や機能性食品として有用である。かかる食品組成物は、上記糖質分解酵素阻害物質を、消化管での糖質の消化吸収を遅延し得る有効量、食後の血糖上昇を抑制し得る有効量、または過血糖状態を改善し得る有効量含有するものであればよいが、必要に応じて、食品上配合が許容されている担体またはその他の添加剤を配合することもできる。
また本発明の食品組成物は、その生体内(腸管)における糖質の消化・吸収を遅延させる作用を有することから、この作用に基づいて、食べても太りにくい、いわゆる抗肥満性の食品として提供することができる。かかる食品組成物は、上記糖質分解酵素阻害物質を、消化管での糖質の消化吸収を遅延し得る有効量含有するものであればよいが、必要に応じて食品上配合が許容されている担体またはその他の添加剤を配合することもできる。
これらの食品組成物の形態は、特に制限されない。例えば、上記糖質分解酵素阻害物質を、必要に応じて食品上配合が許容される担体や添加剤とともに、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、トローチ剤、または溶液(ドリンク)等の形態に調製してなるサプリメント(機能性食品)の形態を有するものであってもよい。
また本発明の食品組成物には、上記糖質分解酵素阻害物質を配合することによって、α-アミラーゼ阻害活性またはα-グルコシダーゼ阻害活性に基づく各種の効果を効能とする食品(例えば特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品等)も含まれる。本発明が対象とする特定保健用食品(条件付き特定保健用食品も含まれる)の中には、上記糖質分解酵素阻害物質を含有することにより、糖質の消化・吸収を遅延させる作用、食後の血糖上昇を抑制する作用、または過血糖状態を改善する作用を有し、このため糖質の消化吸収遅延、食後の血糖上昇(過血糖)抑制、または過血糖改善のために用いられる旨が商品パッケージ等に表示されてなる食品が含まれる。具体的な表示として、制限はされないが、「血糖値が気になる方に」、「血糖値が高めの方に」、または「糖の吸収をおだやかにする」といった表示を例示することができる。
また、本発明が対象とする特定保健用食品の中には、上記糖質分解酵素阻害物質を含有することにより、糖質の消化・吸収を遅延させる作用を有し、このため肥満を解消または抑制する(痩身)ために用いられる旨が商品パッケージ等に表示されてなる食品が含まれる。具体的な表示として、制限はされないが、「太めが気になる方に」、または「太めの方に」といった表示を例示することができる。
かかる食品として、例えば乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果実飲料、アルコール飲料、粉末飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、麦茶飲料などの飲料類;カスタードプリン、ミルクプリン、スフレプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ミルクアイスクリーム、果汁入りアイスクリーム及びソフトクリーム、アイスキャンディー、シャーベット、氷菓等の冷菓類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ハードキャンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフィ等のキャラメル類;ハードビスケット、クッキー、おかき、煎餅等の焼き菓子類(以上、菓子類);コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類;味噌、醤油、ドレッシング、ケチャップ、たれ、ソース、ふりかけなどの各種調味料;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ、桃等の加工用果実;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水産練り製品;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類;その他、各種総菜及び麩、田麩等の種々の加工食品を挙げることができる。好ましくは飲料、麺類、菓子類である。
上記食品組成物中に含有される糖質分解酵素阻害物質の量、または摂取量は、特に限定されず、食品組成物の種類、目的とする機能・効能、並びにその他の諸条件などに応じて広範囲より適宜選択される。摂取量は、食品組成物の種類によっても異なるが、体重60kgのヒトに対して1回摂取あたりの糖質分解酵素阻害物質の量(例えば、クリの渋皮乾燥重量に換算して)として、約10〜200,000mg/(60kg体重)の範囲から適宜選択することができる。
(4-2)医薬組成物
糖質分解酵素阻害物質を有効成分として含む本発明の医薬組成物は、その生体内(腸管)における糖質の消化・吸収を遅延させて、食後の血糖上昇(過血糖)を抑制する作用に基づいて、抗糖尿病薬として有効に利用することができる。
ここで抗糖尿病薬とは、糖尿病に対して予防または改善効果を有するものを広く意味するものである。具体的には、本発明でいう抗糖尿病薬には、糖尿病を発症しえる被験者(ヒトや動物を含む)に対して、血糖上昇を抑制する作用に基づいて、その発症を抑制する作用を有するものが含まれる。さらに、本発明でいう抗糖尿病薬には、被験者(ヒトや動物を含む)の高血糖状態を改善する作用を有するものが含まれる。また、本発明でいう抗糖尿病薬には、高血糖状態を抑制・改善して(高血糖状態の血糖値を降下させて)、糖尿病の合併症など、高血糖に起因する疾病の予防し改善する作用を有するものが含まれる。なお、本発明が対象とする糖尿病には、好適にはインスリン非依存性のII型糖尿病が含まれる。
また糖尿病合併症とは、糖尿病を直接または間接的な要因として併発する全身性もしくは局所性の疾患であり、具体的には、糖尿病アシドーシス、糖尿病性黄色腫、糖尿病性筋萎縮症、糖尿病性ケトーシス、糖尿病性昏睡、糖尿病性胃障害、糖尿性壊疽、糖尿病性潰瘍、糖尿病性合併症、糖尿病性下痢症、糖尿病性細小血管症、糖尿病性子宮体硬化症、糖尿病性心筋症、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性腎症、糖尿病性水疱、糖尿病性白内障、糖尿病性皮膚障害、糖尿病性浮腫性硬化症、糖尿病性網膜症、糖尿病性リポイド類壊死症、糖尿病性血流障害等を例示することができる。
前述する糖質分解酵素阻害物質は、それ単独で抗糖尿病薬(医薬組成物)として使用することができるが、好ましくは血糖上昇を抑制する有効量の糖質分解酵素阻害物質と、薬学的に許容される担体若しくは添加物とを組み合わせて、抗糖尿薬(医薬組成物)として使用されることが好ましい。
また糖質分解酵素阻害物質を有効成分として含む本発明の医薬組成物は、その生体内(腸管)における糖質の消化・吸収を遅延させる作用に基づいて、抗肥満薬として有効に利用することができる。上記糖質分解酵素阻害物質は、それ単独で抗肥満薬(医薬組成物)として使用することができるが、好ましくは肥満を解消もしくは抑制し得る有効量の糖質分解酵素阻害物質と、薬学的に許容される担体若しくは添加物とを組み合わせて、抗肥満薬(医薬組成物)として使用されることが好ましい。
医薬組成物の形態で使用する場合、その医薬組成物の投与単位形態(医薬製剤形態)は、投与経路に応じて各種適宜選択することができる。医薬組成物は、一般に大きく経口剤、経鼻剤、経膣剤、坐剤、舌下剤、及び非経口剤(注射剤、点滴剤)などに分類される。本発明においては、好ましくは経口的に投与される経口剤として使用することができる。これらは常法に従って、錠剤、丸剤、散剤、粉末剤、顆粒剤、トローチ剤及びカプセル剤などの固体投与形態;溶液、懸濁剤、乳剤、シロップ、及びエリキシルなどの液剤投与形態に、調合、成形または調製することができる。
これらの医薬製剤の調製に利用される担体としては、製剤の投与形態に応じて通常使用される賦形剤、希釈剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、吸収促進剤、滑沢剤、溶解補助剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤などが例示できる。また添加剤としては、製剤の投与形態に応じて通常使用される安定化剤、保存剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤、着色剤、香料、風味剤、甘味剤などが例示できる。
本発明の医薬組成物中に含まれる糖質分解酵素阻害物質の量は、医薬組成物の製剤形態または投与経路によって種々異なり、一概に規定することはできないが、最終製剤中に、糖質分解酵素阻害物質が、0.001〜100重量%、好ましくは0.01〜80重量%の割合で含まれるように、適宜選択して決定することができる。
上記医薬組成物中に含有される糖質分解酵素阻害物質の量およびその投与量は、特に限定されず、所望の治療効果、投与法、治療期間、被験者の年齢、性別その他の条件などに応じて広範囲より適宜選択される。投与量は、投与経路によっても異なるが、体重60kgのヒトに対して1回投与あたりの糖質分解酵素阻害物質の量(例えば、クリの渋皮の乾燥重量に換算して)として、約10〜200,000mg/(60kg体重)の範囲から適宜選択することができる。
本発明の糖質分解酵素阻害活性を有する物質(糖質分解酵素阻害物質)は、α-アミラーゼやα-グリコシダーゼに対して優れた阻害活性を有している。中でも、クリの渋皮等から得られる糖質分解酵素阻害物質は、長年の食経験に基づいて生体に安全であるという特徴を有している。
このため、本発明の糖質分解酵素阻害物質は、消化管における糖質の消化吸収を抑制することにより肥満の解消や予防に有用である。また、本発明の糖質分解酵素阻害物質は、糖質の消化吸収を遅延させて食後の血糖値の上昇を抑制することができ、このため、糖尿病の高血糖状態を改善したり、糖尿病患者の過血糖による障害発生を予防するために有効に利用することができる。
また本発明の糖質分解酵素阻害物質を含有する食品組成物は、食品中に含まれるデンプンや砂糖の消化を抑制し、エネルギーとして吸収されるのを防ぎ、肥満などの過食に伴う疾病の発生を抑制することが期待できる。また、糖質の消化吸収を遅延させて食後の血糖値の上昇を抑制することができ、糖尿病の予防や改善効果を期待することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明は実施例だけに限定されるものではない。なお、特に言及しない限り、下記の実施例において「%」は「w/w%」を意味するものとする。
調製例1
栗渋皮抽出物
栗渋皮の乾燥物を細粉し、栗渋皮粉末を調製した。100gの栗渋皮粉末に2Lの50v/v%アセトニトリル水溶液を加え、5時間、浸漬しながら室温で攪拌した。次いで3,000gで15分間遠心分離して得られた上清を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、その後凍結乾燥して6.8gの栗渋皮アセトニトリル抽出物を得た。
調製例2
栗鬼皮抽出物
栗鬼皮の乾燥物を細粉し、栗鬼皮粉末を調製した。得られた栗鬼皮粉末100gを用いて、調製例1と同様の方法を実施して、7.5gの栗鬼皮アセトニトリル抽出物(凍結乾燥物)を得た。
調製例3
栗葉抽出物
栗葉乾燥物を細粉し、栗葉粉末を調製した。得られた栗葉粉末100gを用いて、調製例1と同様の方法を実施して、21.0gの栗葉アセトニトリル抽出物(凍結乾燥物)を得た。
調製例4
栗渋皮抽出物
栗渋皮の乾燥物を細粉し、栗渋皮粉末を調製した。100gの栗渋皮粉末に2Lの50 v/v%含水アセトンを加え、5時間、室温で攪拌した。次いで3,000gで15分間遠心分離して得られた上清を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮、その後凍結乾燥して6.5gの栗渋皮アセトン抽出物を得た。
調製例5
栗樹皮抽出物
栗樹皮の乾燥物を細粉し、栗樹皮粉末を調製した。10gの栗樹皮粉末に200mlの50 v/v%含水アセトンを加え、5時間、室温で攪拌した。次いで3,000gで15分間遠心分離して得られた上清を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮、その後凍結乾燥して2.6gの栗樹皮アセトン抽出物を得た。
調製例6
栗イガ(針)抽出物
栗イガ(針)の乾燥物を細粉し、栗イガ(針)粉末を調製した。得られた栗イガ(針)粉末10gを用いて調製例5と同様の方法を実施して、1.9gの栗イガ(針)アセトン抽出物(凍結乾燥物)を得た。
調製例7
栗イガ(総苞)抽出物
栗イガ(総苞)の乾燥物を細粉し、栗イガ(総苞)の粉末を調製した。得られた栗イガ(総苞)粉末10gを用いて調製例5と同様の方法を実施して、2.6gの栗イガ(総苞)アセトン抽出物(凍結乾燥物)を得た。
調製例8
栗種子(実、子葉)抽出物
栗の種子(実、子葉)の乾燥物を細粉し、栗種子粉末を調製した。得られたスダジイ種子粉末10gを用いて調製例5と同様の方法を実施して、0.16gの栗種子(実、子葉)アセトン抽出物(凍結乾燥物)を得た。
調製例9
クヌギ鬼皮抽出物
クヌギ鬼皮の乾燥物を細粉し、クヌギ鬼皮の粉末を調製した。得られたクヌギ鬼皮粉末10gを用いて調製例5と同様の方法を実施して、0.64gのクヌギ鬼皮アセトン抽出物(凍結乾燥物)を得た。
調製例10
クヌギ種子(実、子葉)抽出物
クヌギの種子(実、子葉)の乾燥物を細粉し、クヌギ種子粉末を調製した。得られたクヌギ種子粉末10gを用いて調製例5と同様の方法を実施して、1.92gのクヌギ種子(実、子葉)アセトン抽出物(凍結乾燥物)を得た。
調製例11
スダジイ鬼皮抽出物
スダジイ鬼皮の乾燥物を細粉し、スダジイ鬼皮粉末を調製した。得られたスダジイ鬼皮粉末10gを用いて調製例5と同様の方法を実施して、0.68gのスダジイ鬼皮アセトン抽出物(凍結乾燥物)を得た。
調製例12
スダジイ種子(実、子葉)抽出物
スダジイの種子(実、子葉)の乾燥物を細粉し、スダジイ種子粉末を調製した。得られたスダジイ種子粉末10gを用いて調製例5と同様の方法を実施して、0.85gのスダジイ種子(実、子葉)アセトン抽出物(凍結乾燥物)を得た。
比較調製例
グァバ葉熱水抽出物
グァバ葉の乾燥物を細粉し、グァバ葉粉末を調製した。100gのグァバ葉粉末に2Lの水を加え、浸漬した状態で100℃に加熱しながら、1時間攪拌した。次いで3,000gで15分間遠心分離して得られた上清を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮、その後凍結乾燥して17.6gのグァバ葉熱水抽出物を得た。
実験例1
α-アミラーゼ阻害活性試験
(1)上記調製例1〜3で調製した栗渋皮抽出物、栗鬼皮抽出物、及び栗葉抽出物、並びに比較調製例で調製したグァバ葉熱水抽出物について、α-アミラーゼに対する阻害活性を調べた。なお、試験に際して、被験阻害剤として使用する上記の各抽出物は、各々、200mMリン酸緩衝液
(pH 7.0)に溶解して、最終濃度で2.7、5.5、8.2、22、55、および110μg/mlの濃度になるように調製した。
具体的には、1.0mlのバッファー(200mMリン酸緩衝液pH7.0)、0.5mlの塩化ナトリウム水溶液(1%)、2.5ml の0.25%の可溶性デンプン溶液(200mMリン酸緩衝液pH7.0)及び0.5mlの各濃度の被験阻害剤を混合し、これに50μl(約1.6U)のブタ膵臓由来のα-アミラーゼ(Sigma社、1Uは20℃、pH6.8でデンプンより1mgのマルトースを3分間に遊離する値)を添加し、37℃で30分間反応させた。次いで、この反応液に0.5mlの水酸化ナトリウム水溶液(8%)を加え反応を停止し、0.5mlのジニトロサルチルサン試薬〔50mlの酒石酸ナトリウムカリウム溶液(30g/50ml純水)と20mlの3,5ジニトロサルチル酸溶液(1g/20ml 8%水酸化ナトリウム水溶液)を混合し、純水で100mlにして調製する〕を加えて、100℃で5分間加熱後、冷却し、540nmの吸光度を測定した。この吸光度をBとする。ブランク試験として、上記で使用したブタ膵臓由来のα-アミラーゼ50μlの代わりに純水50μlを加え同様の操作を行い、540nmの吸光度を測定した。この時の吸光度をDとする。また、上記で使用した被験阻害剤0.5mlの代わりに純水0.5mlを加え同様の操作を行い、540nmの吸光度を測定した。この時の吸光度をAとする。更にまた、上記で使用した被験阻害剤0.5mlとα-アミラーゼ50μlの代わりに純水0.55mlを加えて同様の操作を行い、540nmの吸光度を測定した。この時の540nmの吸光度をCとする。
以上の操作で得られた吸光度A、B、C及びDから、各反応系におけるα-アミラーゼ活性(%)を下式に従って求めた:
α-アミラーゼ活性(%)=(B−D)/(A−C)× 100。
被験阻害剤として使用した各抽出物の濃度(μg/ml)を横軸にして、各反応系のα-アミラーゼ活性(%)を示したグラフを図1に示す。図1からわかるように、栗渋皮抽出物(−○−)、栗鬼皮抽出物(−●−)、及び栗葉抽出物(−□−)は、いずれも濃度依存的にα-アミラーゼ活性を阻害し、α-アミラーゼ阻害活性を有していた。グァバ葉の熱水抽出物にα-アミラーゼ阻害活性があることは公知であるが(例えば、特開平7-59539号公報)、栗渋皮抽出物と栗鬼皮抽出物には、当該グァバ葉の熱水抽出物よりも高いα-アミラーゼ阻害活性が認められた。
(2)上記調製例5〜12で調製した栗樹皮抽出物、栗イガ(針)抽出物、栗イガ(総苞)抽出物、栗種子(実、子葉)抽出物、クヌギ鬼皮抽出物、クヌギ種子(実、子葉)抽出物、スダジイ鬼皮抽出物、及びスダジイ種子(実、子葉)抽出物について、上記(1)の方法に従って、α-アミラーゼに対する阻害活性を調べた。得られた阻害活性から、各抽出物について50%阻害濃度を求めた。その結果を、上記(1)で測定した栗渋皮抽出物(調製例1)、栗鬼皮抽出物(調製例2)、栗葉抽出物(調製例3)、及びグァバ葉熱水抽出物(比較調製例)の50%阻害濃度と併せて、表1に記載する。
Figure 2006104181
この結果からわかるように、ブナ科植物の抽出物の中でも、特に栗の渋皮抽出物及びクヌギの鬼皮抽出物は、その50%阻害濃度(α−アミラーゼ)がグァバ葉熱水抽出物の50%阻害濃度の約1/6〜1/8と低く、極めて強いα-アミラーゼ阻害活性が認められた。またクヌギ及びスダジイの鬼皮抽出物の50%阻害濃度も、グァバ葉熱水抽出物の50%阻害濃度の約2/3〜1/2と低く、強いα-アミラーゼ阻害活性が認められた。栗の葉、樹皮およびイガ(針、総苞)の抽出物にもα-アミラーゼ阻害活性が認められた。
一方、実(子葉)抽出物については、クヌギにはα-アミラーゼ阻害活性が有意に認められたが、栗やスダジイについては極めて低いα-アミラーゼ阻害活性しか認められなかった。
実験例2
α-グルコシダーゼ阻害活性試験
上記各調製例で調製した栗渋皮抽出物(調製例1)、栗鬼皮抽出物(調製例2)、栗葉抽出物(調製例3)、栗樹皮抽出物(調製例5)、栗イガ(針)抽出物(調製例6)、栗イガ(総苞)抽出物(調製例7)、栗種子(実、子葉)抽出物(調製例8)、クヌギ鬼皮抽出物(調製例9)、クヌギ種子(実、子葉)抽出物(調製例10)、スダジイ鬼皮抽出物(調製例11)、及びスダジイ種子(実、子葉)抽出物(調製例12)、並びに比較調製例で調製したグァバ葉熱水抽出物について、α-グルコシダーゼ(マルターゼ、スクラーゼ)に対する阻害活性を調べた。なお、試験に際して、被験阻害剤として使用する上記の各抽出物は、各々、80mMリン酸緩衝液(pH 7.0)に溶解して、最終濃度で0.13、0.25、0.5、1.0mg/mlの濃度になるように調製した。
(1)α-グルコシダーゼ酵素液の調製
まずα-グルコシダーゼ酵素液をAnal. Biochem. 7 18-25,(1964)を参照して調製した。具体的には、ラットより小腸を摘出し、生理食塩水で洗浄後、反転し、空腸粘膜細胞をスライドグラスでかき取り80mMリン酸緩衝液(pH7.0)を入れたテフロン(登録商標)ホモジナイザーに入れ、氷中でホモジナイズした。詳細にはラット4匹分の空腸粘膜細胞に対して40mlの割合のリン酸緩衝液を用いてホモジナイズした。これを4℃で遠心分離(1,000g, 10min)し、上清をα-グルコシダーゼ酵素液として用いた。
(2) マルターゼ阻害活性の測定
(2-1) 50mMマルトースのリン酸緩衝液溶液400μl(基質溶液)と各被験阻害剤50μlの混合溶液に、(1)で調製したα-グルコシダーゼ酵素液50μlを加え、30分間37℃で保温した。反応終了後、沸騰水浴中(2分間)で反応を停止し、氷冷した。反応液中に遊離したグルコースをグルコース測定キット(グルコースC-IIテストワコー、和光純薬工業株式会社)にて測定した。この反応で測定されたグルコース量をBとする。ブランクとして、上記で使用したα-グルコシダーゼ酵素液50μlの代わりに純水50μlを加えて同様の操作を行い、遊離グルコース量を測定した。この時のグルコース量をDとする。また、上記で使用した被験阻害剤50μlの代わりに純水50μlを加えて同様の操作を行い、遊離グルコース量を測定した。この時のグルコース量をAとする。さらにまた、被験阻害剤50μlとα-グルコシダーゼ酵素液50μlの代わりに純水100μlを加えて同様の操作を行い、遊離グルコース量を測定した。この時のグルコース量をCとする。
以上の操作で得られたグルコース量A、B、C及びDから、各反応系におけるマルターゼ活性(%)を下式に従って求めた:
マルターゼ(%)=(B−D)/(A−C)×100。
(2-2) 被験阻害剤として使用した各抽出物〔栗渋皮抽出物(調製例1)、栗鬼皮抽出物(調製例2)、栗葉抽出物(調製例3)、グァバ葉熱水抽出物(比較調製例)〕の濃度(mg/ml)を横軸にして、各反応系のマルターゼ活性(%)を示したグラフを図2に示す。図2からわかるように、栗渋皮抽出物(−○−)、栗鬼皮抽出物(−●−)、及び栗葉抽出物(−□−)は、いずれも濃度依存的にマルターゼ活性を阻害し、α-グルコシダーゼ(マルターゼ)阻害活性を有していた。グァバ葉の熱水抽出物にα-グルコシダーゼ(マルターゼ)阻害活性があることは公知であるが(「フードサイエンス&ビジネス」、日経バイオビジネス別刷、pp108-111(2003)、日経BP社)、栗渋皮抽出物と栗鬼皮抽出物には、当該グァバ葉の熱水抽出物と同等若しくはそれよりも高いα-グルコシダーゼ(マルターゼ)阻害活性が認められた。
(2-3)表2に、調製例1〜3、5〜12、及び比較調製例で調製した各種抽出物の、マルターゼ活性(%)に対する50%阻害濃度(mg/ml)を示す。
Figure 2006104181
表2からわかるように、栗渋皮抽出物や栗鬼皮抽出物と同様に、栗樹皮抽出物、栗イガ(針、総苞)抽出物にもグァバ葉の熱水抽出物と同等若しくはそれよりも高いα-グルコシダーゼ(マルターゼ)阻害活性が認められた。クヌギやスダジイの鬼皮抽出物にもマルターゼ阻害活性が認められたが、その活性は栗の鬼皮抽出物や渋皮抽出物よりも低かった。同様にクヌギの種子(実、子葉)抽出物にもマルターゼ阻害活性が認められたが、栗やスダジイの種子(実、子葉)抽出物には極めて弱いマルターゼ阻害活性しか認められなかった。
(3) スクラーゼ阻害活性の測定
(3-1) 基質溶液として、50mMマルトースのリン酸緩衝液溶液400μlに代えて、50mMスクロースのリン酸緩衝液溶液400μlを用いる以外は、上記(2)と同じ方法で反応液中の遊離グルコース量を測定した。得られたグルコース量A、B、C及びDから、各反応系におけるスクラーゼ活性(%)を下式に従って求めた:
スクラーゼ(%)=(B-D)/(A-C)×100。
(3-2) 被験阻害剤として使用した各抽出物〔栗渋皮抽出物(調製例1)、栗鬼皮抽出物(調製例2)、栗葉抽出物(調製例3)、グァバ葉熱水抽出物(比較調製例)〕の濃度(μg/ml)を横軸にして、各反応系のスクラーゼ活性(%)を示したグラフを図3に示す。図3からわかるように、栗渋皮抽出物(−○−)、栗鬼皮抽出物(−●−)、及び栗葉抽出物(−□−)は、いずれも濃度依存的にスクラーゼ活性を阻害し、α-グルコシダーゼ(スクラーゼ)阻害活性を有していた。グァバ葉の熱水抽出物にα-グルコシダーゼ(スクラーゼ)阻害活性があることは公知であるが(「フードサイエンス&ビジネス」、日経バイオビジネス別刷、pp108-111(2003)、日経BP社)、栗渋皮抽出物、栗鬼皮抽出物及び栗葉抽出物には、当該グァバ葉の熱水抽出物と同等若しくはそれよりも高いα-グルコシダーゼ(スクラーゼ)阻害活性が認められた。
(3-3)表3に、調製例1〜3、5〜11及び比較調製例で調製した各種抽出物の、スクラーゼ活性に対する50%阻害濃度(mg/ml)を示す。
Figure 2006104181
表3からわかるように、栗渋皮抽出物や栗鬼皮抽出物と同様に、栗葉抽出物、栗樹皮抽出物、栗イガ(針、総苞)抽出物、及びクヌギの種子(実、子葉)抽出物にもグァバ葉の熱水抽出物と同等若しくはそれよりも高いα-グルコシダーゼ(スクラーゼ)阻害活性が認められた。クヌギの鬼皮抽出物にもスクラーゼ阻害活性が認められたが、その活性は栗の鬼皮抽出物や渋皮抽出物よりも低かった。一方、スダジイの鬼皮抽出物、栗及びスダジイの種子(実、子葉)抽出物には極めて弱いα-グルコシダーゼ(スクラーゼ)阻害活性しか認められなかった。
実験例3
正常ラットへの糖負荷試験
体重150gのWister系雄性ラット(日本クレア)を1週間予備飼育の後、体重180g〜230gのものを下記の糖負荷試験に用いた(1群8〜10匹)。具体的にはラットを12時間絶食させ、デンプン(2g/Kg体重)および調製例1で調製した栗渋皮抽出物(10mg/Kg体重−▲−;25mg/Kg体重−△−;50mg/Kg体重−■−;100mg/Kg体重−□−;300mg/Kg体重−●−)を、同時に胃ゾンデで投与した。試料投与後の血糖値の変化を調べるため、試料投与後0分、20分、40分、60分、90分、120分、180分後に尾の血管より採血し、血糖値(mg/dl)を測定した。血糖値はグルコカード・ダイアメーターα(アークレイ株式会社)を用いて測定した。コントロール実験として、12時間絶食させたラットに、栗渋皮抽出物を添加していないデンプン(2g/Kg体重)を胃ゾンデで投与し、上記と同様な条件で試料投与後の各時点における血糖値(mg/dl)を測定した(−○−)。結果を図4に示す。なお、図4の縦軸は試料投与前の血糖値に対して増加した、増加分の血糖値(mg/dl)を示す。
コントロールのラットの場合は、血糖値が60分までに急激に上昇するのに対し、栗渋皮抽出物を投与したラットの場合は、栗渋皮抽出物の添加濃度に依存して血糖値の上昇が顕著に緩やかになった。これは、栗渋皮抽出物が体内におけるα-アミラーゼ及びα-グルコシダーゼの作用を阻害し、その結果、糖質の分解が遅れ、糖質の吸収が抑制されるためであると推測された。
実験例4
糖尿病モデルラットに対する糖負荷試験
体重250gのII型糖尿病のモデル雄性ラット(GK/jcl、日本クレア)を1週間予備飼育の後、下記の糖負荷試験に用いた(1群8匹)。具体的にはラットを12時間絶食させ、デンプン(2g/Kg体重)および調製例1で調製した栗渋皮抽出物(300mg/Kg体重、−●−)を、同時に胃ゾンデで投与した。試料投与後の血糖値の変化を調べるため、試料投与後0分、30分、60分、120分、180分、240分、300分後に尾の血管より採血し、血糖値を測定した。血糖値の測定はグルコカード・ダイアメーターα(アークレイ株式会社)で測定した。コントロール実験として、12時間絶食させたラットに、栗渋皮抽出物を添加していないデンプン(2g/Kg体重)を胃ゾンデで投与し、上記と同様な条件で投与後経時的に血糖値を測定した。1週間後にコントロール用ラットと栗渋皮抽出物投与ラットを入れ替え、同様の測定をおこなった。結果を図5に示す。図5の結果は、投与試料を入れ替える前と後の各ラット群の平均値である。なお、図5の縦軸は試料投与前の血糖値に対して増加した、増加分の血糖値(mg/dl)を示す。
糖尿病モデルラットでは12時間絶食後でも、血糖値が100mg/dlであり高い値を示していた。図5の結果からわかるように、コントロールのラットはデンプン負荷により、60分までに急激に血糖値の上昇が観察されるが、栗渋皮抽出物を投与したラットは、その血糖値の上昇が有意に穏やかになった。このことから、糖尿病を罹患したラットにおいても、栗渋皮抽出物によって体内におけるα-アミラーゼやα-グルコシダーゼの作用が阻害され、その結果、糖質の分解が遅れて糖質の吸収が抑制されると推測された。
実験例5
人への糖負荷試験
人に対する糖負荷試験は、11名(25歳〜63歳)のボランティアに対して行った。なお、この試験はヘルシンキ宣言に則り行われた。前日午後9時より絶食とし、午前8時30分に血糖値(空腹時血糖)を測定し、その後200gの米飯を摂取した。11名のうち半数(5名)には米飯の摂取と同時に栗渋皮抽出物(調製例1)2g/250ml 水を摂取させ(栗渋皮抽出物摂取群)、残りの半数(6名)にはコントロールとして米飯の摂取と同時に水のみを250ml摂取させた(水摂取群)。摂取後、30, 60, 90, 120, 180分後に血糖値(mg/dl)を測定した。なお、血糖値の測定にはグルコカード・ダイアメーターα(アークレイ株式会社)を用いた。この実験から1週間後に、栗渋皮抽出物摂取群と水摂取群を入れ替えて同様の実験を行った。結果を図6に示す。なお、図6の縦軸は、米飯摂取前の血糖値に対して増加した、増加分の血糖値(mg/dl)を示す。
米飯と同時に水のみを摂取させた場合は、血糖値が30分までに急激に上昇するのに対し(コントロール、水摂取群:−○−)、米飯と同時に栗渋皮抽出物を摂取させた場合は、その血糖値の上昇が有意に減少した(栗渋皮抽出物摂取群:−●−)。
なお、栗渋皮抽出物摂取群について、摂取から120分以後はコントロールよりもわずかに血糖値の上昇が認められた。この理由として、栗渋皮抽出物によって体内におけるα-アミラーゼ及びα-グルコシダーゼの作用が阻害され、その結果、糖質の分解が遅れて糖質の吸収が抑制されることが考えられる。
以上の結果は、本発明の栗渋皮抽出物が、人に対しても血糖値の上昇抑制(過血糖の改善)に有効であることを示すものである。
うどん
小麦粉(中力粉)500g、塩30g、調製例4で調製した栗渋皮抽出物(含水アセトン抽出物)500mg、水200gを用いてうどんを製造した。
ハンバーグ
牛肉ミンチ22.5g、豚肉ミンチ20.0g、タマネギ20.0g、パン粉7.5g、水23g、食塩2g、砂糖1g、香辛料1g、及び白紋油2gに、調製例4で調製した栗渋皮抽出物(含水アセトン抽出物)1gを加えて、ハンバーグを製造した。
清涼飲料水
紅茶葉10gに熱水1,000mlを加えて抽出した抽出液に、蜂蜜100g、レモン汁50g、調製例4で調製した栗渋皮抽出物(含水アセトン抽出物)1gを加えて、清涼飲料水を製造した。
なお、実施例1〜3は、いずれも糖質分解阻害物質として、調製例4で調製した栗渋皮抽出物(含水アセトン抽出物)を使用したが、これに代えて調製例1〜3、5〜7、9または11の各種の植物抽出物を使用して、同様にうどん、ハンバーグ、及び清涼飲料水を調製することができる。
本発明の糖質分解酵素阻害物質は優れたα-アミラーゼ阻害活性およびα-グルコシダーゼ阻害活性を有しており、これを飲食品に含有させれば血糖値上昇抑制作用(過血糖改善作用)や抗肥満作用を有する飲食品が得られる。また、近年、むき栗の生産が増加しており、栗の種皮が多量に産業廃棄物として排出されているが、本発明によれば当該栗の種皮(渋皮や鬼皮)の有効利用を図ることができる。特に、栗渋皮は、焼き栗やマロンブロッセとして食べられており、その生体への安全性についても問題のないものである。上記のことから、例えばデンプンの多い食品に本発明の糖質分解酵素阻害物質を混ぜること等により、血糖値の高い人や肥満が気になる人に適した飲食品を提供することができる。
α-アミラーゼ活性(%)に対する栗渋皮抽出物(−○−)、栗鬼皮抽出物(−●−)、栗葉抽出物(−□−)、およびグァバ葉の熱水抽出物(−■−)の影響を調べた結果を示す図である(実験例1)。 α-グルコシダーゼ(マルターゼ)活性(%)に対する栗渋皮抽出物(−○−)、栗鬼皮抽出物(−●−)、栗葉抽出物(−□−)、およびグァバ葉の熱水抽出物(−■−)の影響を調べた結果を示す図である(実験例2(2))。 α-グルコシダーゼ(スクラーゼ)活性(%)に対する栗渋皮抽出物(−○−)、栗鬼皮抽出物(−●−)、栗葉抽出物(−□−)、およびグァバ葉の熱水抽出物(−■−)の影響を調べた結果を示す図である(実験例2(3))。 正常ラットに栗渋皮抽出物(10mg/kg体重:−▲−、25mg/kg体重:−△−、50mg/kg体重:−■−、100mg/kg体重:−□−、300mg/kg体重:−●−)とデンプン(2g/kg体重)を投与した後の血糖値の変化をみた結果を示す図である(実験例3)。コントロールとして、正常ラットにデンプン(2g/kg体重)のみを投与した後の血糖値の変化をみた結果を併せて示す(−○−)。 糖尿病ラットに栗渋皮抽出物(300mg/kg体重:−●−)とデンプン(2g/kg体重)を投与した後の血糖値の変化をみた結果を示す図である(実験例4)。コントロールとして、糖尿病ラットにデンプン(2g/kg体重)のみを投与した後の血糖値の変化をみた結果を併せて示す(−○−)。 人に米飯(200g)と同時に栗渋皮抽出物(2g:−●−)を投与した後の血糖値の変化をみた結果を示す図である(実験例5)。コントロールとして、人に米飯(200g)と同時に水を投与した後の血糖値の変化をみた結果を併せて示す(−○−)。

Claims (6)

  1. ブナ科植物の植物体全部または一部を、水、極性溶媒またはこれらの混合液を用いて抽出することによって得られる糖質分解酵素阻害物質。
  2. ブナ科植物がクリ属に属する植物であり、その鬼皮、渋皮、イガ、葉、樹皮、種子(実、子葉)またはこれらの少なくとも1つを含む部分を、水、極性溶媒またはこれらの混合液を用いて抽出することによって得られる請求項1記載の糖質分解酵素阻害物質。
  3. 阻害対象とする糖質分解酵素が、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼまたはこれら両方である、請求項1または2に記載する糖質分解酵素阻害物質。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質を、糖質の消化吸収遅延、食後の血糖上昇抑制または過血糖改善のための有効成分として含有する食品組成物。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質を、抗肥満のための有効成分として含有する食品組成物。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載する糖質分解酵素阻害物質を有効成分とする医薬組成物。


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