JP2002255839A - 抗肥満剤 - Google Patents

抗肥満剤

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JP2002255839A JP2001109256A JP2001109256A JP2002255839A JP 2002255839 A JP2002255839 A JP 2002255839A JP 2001109256 A JP2001109256 A JP 2001109256A JP 2001109256 A JP2001109256 A JP 2001109256A JP 2002255839 A JP2002255839 A JP 2002255839A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】食事性脂肪の体内吸収を抑制し、あるいは生体
組織の脂肪代謝を促進させ得る、強力な抗肥満作用を有
する天然物由来の素材を用いた抗肥満剤及びこれを産業
上有効活用できる組成物を提供する。 【解決手段】(1)チダケサシ属に属する植物、好適に
はアカショウマの根及び/又は根茎の乾燥粉末、抽出物
又は精製物、より好適にはエタノール、アセトン若しく
はこれらの含水溶媒による抽出物又は含水アセトン抽出
物の酢酸エチル可溶画分と、(2)キキョウの根及び/
又は根茎の乾燥粉末、抽出物又は精製物、より好適には
水、エタノール、アセトン若しくはこれらの含水溶媒に
よる抽出物又は水抽出物のエタノール可溶画分と、の少
なくとも1種以上を含有してなる抗肥満剤。また、該抗
肥満剤を配合してなる食用組成物又は医薬用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の植物を原料
として使用した強力な肥満防止作用を有する抗肥満剤及
びその利用に関するものである。より詳しくは、アカシ
ョウマ等のチダケサシ属に属する植物及び/又はキキョ
ウを含有してなる抗肥満剤及びこれを用いた食用組成物
又は医薬用用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、欧米型の食事形態や過食による摂
取エネルギーの増加と運動不足による消費エネルギーの
減少との格差が増大し、肥満体形が増えており、肥満は
生活習慣病の発症要因として注目されている。一般的
に、肥満状態とは、摂取エネルギーのうち運動等の諸活
動によっても消費されない糖質や脂質等のエネルギー源
が生体組織とくに皮下脂肪組織に異常に蓄積された結
果、体重が骨格系あるいは生理機能の限界を超えて増加
した状態をいう。肥満状態が慢性化すると糖尿病、動脈
硬化症、脂肪肝、胆石症、腎臓障害等の疾患を合併症と
して起こしやすくなるといわれている。
【0003】肥満を防止するために、医療分野における
治療や予防はもとより、日常的に摂取する食事を通して
肥満を予防する試みがこれまでに数多くなされてきた。
すなわち、脂肪の代謝や燃焼を促進したり、体脂肪の蓄
積を抑制することをねらった食品用素材として、L−カ
ルニチン又はこれを含む畜肉ペプチド(特開平7−19
6485号、特開平10−66515号、特開2000
−256200号各公報)、藻類の抽出物(特開200
0−72642号公報)、果実ポリフェノール(特開平
10−330278号公報)、共役ポリエン脂肪酸(特
開2000−355538号公報)、特定のアミノ酸類
とキサンチン誘導体の混合物(特開平10−33026
4号公報)、大豆や卵黄のリン脂質(特開平10−84
880号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の素材は実際的には効果が低かったり、実用的ではない
簡単な実験結果に基づくものであったり、あるいは通常
の食事形態において多量に摂取しなければならず、いず
れも十分に満足できる効果を発揮し得るものではなかっ
た。かかる現状に鑑み、本発明では、肥満を防止するた
めに、食事で摂取する脂肪の吸収を効率的に阻害し、あ
るいは生体組織中の脂肪の代謝を有効に促進させ得る強
力な抗肥満作用を有する天然物由来の素材を提供し、こ
れを産業上有用に活用できる態様の組成物として提供す
ることを課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、多数の植物原料及びそのエキス類と
脂質代謝との関連性について鋭意検討を行った結果、ア
カショウマをはじめとするチダケサシ属に属する植物と
キキョウが本発明の所望の効果を顕著に奏することを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明によれば、チダケサシ属
に属する植物及び/又はキキョウを含有してなることを
特徴とする抗肥満剤が提供される。また、これを配合し
てなる食用組成物又は医薬用組成物が提供される。ここ
で、チダケサシ属に属する植物はユキノシタ科のチダケ
サシ(Astilbe)属の植物であり、このうちアカ
ショウマが代表例であり、その根及び/又は根茎の乾燥
粉末又は抽出物(以下、エキスということがある)又は
精製物を用いてなることが好ましい。チダケサシ属に属
する植物の抽出物は水若しくは親水性有機溶媒を用い
て、とりわけエタノール、アセトン又はこれらの含水物
を用いて抽出されたものであることが望ましく、さらに
は含水アセトンを用いた抽出物の酢酸エチル可溶画分で
あることがより望ましい。また、キキョウはキキョウ科
に属し、その根及び/又は根茎の乾燥粉末又は抽出物又
は精製物を用いてなることが好ましく、該抽出物は水又
は親水性有機溶媒を用いて、とりわけ水、エタノール、
アセトン又はこれらの含水物を用いて抽出されたもので
あることが望ましく、さらには水抽出物のエタノール可
溶画分であることがより望ましい。本発明の食用組成物
と医薬用組成物は前記抗肥満剤を配合してなることを特
徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、本発明の抗肥満剤は、チダ
ケサシ属に属する植物及び/又はキキョウを含有してな
ることを特徴とするものである。チダケサシ(Asti
lbe)属に属する植物はユキノシタ科に分類され、本
発明に係るものの例は後述するように種々あるが、代表
例としてアカショウマ(学名:Astilbe thu
nbergii(SIEB.et ZUCC.)MI
Q.)を挙げることができる。アカショウマは日本の山
地にも自生する多年草で、その根茎を赤升麻とよび、古
来より下熱、解毒、消炎等の目的で升麻(キンポウゲ科
のサラシナショウマ:Cimicifuga simp
lex WORMSKJORD等)の代用品として用い
られてきた。本発明では、赤升麻あるいは紅升麻と称せ
られるものも包含する。
【0008】チゲタサシ属の植物の例としてAstil
be chinensis、Astilbe aust
rosinensis、Astilbe thunbe
rgii、Astilbe thunbergii(S
IEB.et ZUCC.)Miq.:アカショウマ、
Astilbe thunbergii(SIEB.e
t ZUCC.)MIQ.var.congesta
BOISS.(=Astilbe odontophy
lla MIQ.):トリアシショウマ、Astilb
e polyandra、Astilbe grand
is、Astilbe rivularis、Asti
lbe japonica(MORR.et DECN
E.)A.GRAY:アワモリショウマ、Astilb
e micro−phylla KNOLL:チダケサ
シ等を挙げることができる。
【0009】本発明で用いるアカショウマ等のチダケサ
シ属に属する植物の態様は、前記植物の根及び/又は根
茎が望ましく、根及び/又は根茎そのもの、これに乾
燥、細断あるいは粉砕等の加工処理を施したもの、これ
らを溶媒で抽出処理した抽出液、該抽出液から溶媒を除
いた抽出物、該抽出物にシリカゲル、ケイ酸マグネシウ
ム、イオン交換樹脂、活性アルミナ、セルロース、活性
炭等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーや溶剤
分別等の精製処理を施した精製物のいずれでもよい。食
品用途に使用する場合は、前記植物の根及び/又は根茎
を乾燥し適宜に粉砕した粉末、該乾燥物の細断片や粉末
を水又は親水性有機溶媒で抽出した抽出物とするのが利
便性の点から望ましい。また、医薬品用途に利用する場
合は、前記の抽出液、抽出物あるいは高純度の精製物が
望ましい。
【0010】親水性有機溶媒としてメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール等の低級一価ア
ルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン、エーテル、石油エーテル、酢酸エ
チル及びこれらの含水物や混合物を例示することができ
る。本発明の所望の効果を奏するための抽出物を効率的
に得るには、エタノール、アセトン、酢酸エチル及びこ
れらの含水物を抽出用溶媒とすることが好ましい。含水
物の水分含量は、例えば、エタノールの場合では1〜9
9重量%、より好ましくは10〜50重量%であり、ア
セトンの場合には1〜50重量%、より好ましくは10
〜30重量%であり、酢酸エチルの場合は80〜99重
量%、より好ましくは85〜95重量%である。これら
の範囲を外れると本発明の所望の効果が減少し又は抽出
物の収量が低下する。
【0011】本発明に係る抽出物を簡便かつ効率的に得
るには、含水エタノール又は含水アセトンで抽出し、該
抽出物をさらに酢酸エチルで分別してその可溶画分を採
取するのがよい。抽出処理は該処理原料に対して1〜1
00重量倍程度の前記抽出用溶媒を加え、常圧もしくは
加圧下、常温又は加熱状態で、適宜に攪拌して10分〜
数日間抽出処理する。不溶物を濾過又は遠心分離して除
き本発明に係る抽出液を得ることができ、さらに該抽出
液から減圧蒸留、噴霧乾燥、凍結乾燥等の公知の手段で
溶媒を除去することによって本発明に係る抽出物を得る
ことができる。
【0012】アカショウマ等のチゲタサシ属に属する植
物の根と根茎には、デンプンやタンニンのほかにベルゲ
ニン、アスチルビン、アスチルビン酸等のフラボノイド
類が含まれていることが知られており、これらの成分が
前述の薬理作用を示すといわれている(Shimad
a,H.ら、Yakugaku Zasshi、第72
巻、第578−588頁、1952年)。これに対し
て、本発明は、アカショウマ等のチダケサシ属の植物の
前記形態のものが動物の脂肪細胞において、ノルエピ
ネフリンによって誘導される脂肪の分解を促進し、ア
ドレノコルチコトロピンホルモン(以下、ACTHと略
す)誘導の脂肪分解を刺激し、また、インシュリンの
誘導によるグルコースからの脂肪形成を阻害する作用を
見出したものである。
【0013】一方、本発明で用いるキキョウ(Plat
ycodon grandiflorum A.DEC
ANDOLLE)はわが国を含む東アジアに自生する多
年生草であり、キキョウ科に属する。その根や根茎はプ
ラティコディン(platycodin)A、C、Dや
ポリガラシン(polygalacin)D等のサポニ
ン類を含み、古来より鎮咳、去痰、消炎、排膿等の効能
を有する生薬・漢方薬として用いられている。また、キ
キョウのエキスを利用する例として、プロテアーゼ阻害
剤として歯周病の予防や治療のための組成物(特開平6
−25000号公報)、温浴効果を期待する入浴剤(特
開平6−206814号公報)、養毛・育毛料(特開平
8−73324号公報)、アトピー性皮膚炎の予防・治
療剤(特開平11−199500号公報)、抗チロシナ
ーゼ活性をもつ化粧料(特開2000−198712号
公報)等が提案されている。
【0014】本発明において用いるキキョウの形態は、
キキョウの根及び/又は根茎が望ましく、根及び/又は
根茎自体、これを乾燥、細断あるいは粉砕等の加工処理
に供したもの、これらに溶媒を加えて抽出処理した抽出
液、該抽出液から溶媒を除いた抽出物、該抽出物にシリ
カゲル、ケイ酸マグネシウム、イオン交換樹脂、活性ア
ルミナ、セルロース、活性炭等の吸着剤を充填したカラ
ムクロマトグラフィーや溶剤分別等の精製処理を施した
精製物のいずれでもよい。本発明の所望の効果を得るた
めには、食品用途に利用する場合は、キキョウの根及び
/又は根茎を乾燥し適宜に粉砕した粉末、該乾燥物の細
断物あるいは粉末を水及び/又は親水性有機溶媒を用い
て抽出した抽出物が簡便かつ利便であり、医薬品用途に
使用する場合は、前記の抽出液、抽出物あるいは精製物
が望ましい。
【0015】抽出処理に用いる親水性有機溶媒としてメ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル等の低級一価アルコール類、プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、エーテル、石油
エーテル、酢酸エチル及びこれらの混合物を例示でき
る。本発明の所望の効果を奏する抽出物を効率的に得る
ための抽出溶媒としては水、エタノール、アセトン又は
これらの含水溶媒を用いるのが好ましく、さらには水又
は水分含有率が50重量%以上の含水エタノールがより
好ましい。50重量%未満では抽出物の収量や所望の活
性が低下する。抽出物の好適な態様の例は水で抽出した
抽出物をさらにエタノールで分別して得られる可溶画分
である。
【0016】抽出処理は次のように行えばよい。すなわ
ち、前記形態の原料に対して等重量ないしは約100重
量倍の前記抽出用溶媒を加え、常圧もしくは加圧の下、
常温又は加熱状態で、必要に応じて攪拌しながら10分
〜数日間抽出処理し、不溶物を遠心分離又は濾過して除
去すれば本発明に係る抽出液を得ることができ、さらに
該抽出液から減圧蒸留、凍結乾燥、噴霧乾燥等の手段で
溶媒を除去することによって本発明に係る抽出物を得る
ことができる。
【0017】本発明は、キキョウの根及び/又は根茎、
その乾燥物、粉末、抽出物、精製物が膵臓リパーゼ活性
を阻害し、食事性脂肪の加水分解を抑制して摂取脂肪の
腸管吸収を防止する作用があることを見出したものであ
る。
【0018】本発明の抗肥満剤の望ましい態様は、前述
のようにして得られるチダケサシ属に属する植物、例え
ばアカショウマの根及び/又は根茎、その乾燥物、抽出
物あるいは精製物と、キキョウの根及び/又は根茎、そ
の乾燥物、抽出物あるいは精製物との少なくとも1種以
上を必須原料として含有せしめてなるものである。より
望ましい態様はチダケサシ属の植物由来のもの及びキキ
ョウ由来のものの両者を含むものであり、最も望ましく
はアカショウマの根茎の抽出物又は精製物と、キキョウ
の根茎の抽出物又は精製物とを含有してなるものであ
る。これら二種類の植物由来の原料を併用することによ
って、本発明の目的である肥満防止効果が相乗的に発現
する。この抗肥満剤における両原料の配合比率は、抗肥
満効果を奏するための各々の作用の違い、本抗肥満剤の
使用目的と用途、製造コスト等により適宜に変動させる
ことができ、チダケサシ属の植物由来原料/キキョウ由
来原料(重量比)=100/0〜0/100であるが、
より好ましくは100/0〜50/50であり、最も好
ましくは90/10〜60/40である。
【0019】本発明の抗肥満剤においては、本発明の趣
旨に反しないかぎり種々の原料や成分を併用して配合す
ることができる。例えば、通常の食品や医薬品に使用さ
れる賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化
剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香
料等は好適である。また、肥満の予防や治療、ダイエッ
トあるいは痩身のために用いられる公知の素材を併用し
てもよい。この具体例としては、ガルシニア・カンボジ
ア果皮エキス、ヒドロキシクエン酸及びその塩、ブドウ
種子エキス、リンゴ等の果実ポリフェノール、山査子果
実エキス、グアバ葉エキス、ギムネマ・シルベスタ葉エ
キス、イチョウ葉エキス、リパーゼ阻害剤、α−及びβ
−アミラーゼ阻害剤、L−カルニチン及びこれを含む畜
肉ペプチド、アオサやアオノリ等の緑藻類抽出物、コン
ブ等の褐藻類エキス、共役二重結合を2〜4個有する共
役ポリエン高級脂肪酸及びそのエステルや塩、異性化リ
ノール酸、α−リノレン酸、大豆や卵黄由来のホスファ
チジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホス
ファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホス
ファチジン酸等のグリセロリン脂質及びこれらのリゾ
体、ボラージ油、月見草油、唐辛子末及びそのエキス、
ニンニク抽出エキス、スベリヒユ、プーアール茶葉粉末
及びそのエキス、杜仲葉末及びそのエキス、ウーロン茶
葉粉末及びそのエキス、サイリウム種皮、キチン、キト
サン、キサンチン誘導体、シトラス・アウランチウムの
抽出エキス、センナ葉又は茎のエキス、陳皮等を挙げる
ことができる。なおこれらの例は肥満を防止あるいは抑
制する作用のあるものの一部であって、本発明を限定す
るものではない。
【0020】前述のように、本発明によれば、ノルエピ
ネフリンやACTHによって誘導される生体脂肪細胞の
脂肪の分解を促進し、インシュリンによって誘導される
グルコースからの脂肪の形成を阻害する作用を有する、
アカショウマ等のチダケサシ属の植物と、膵臓リパーゼ
の活性を阻害し、摂取する食事性脂肪の腸管吸収を抑制
する作用を有するキキョウとの少なくとも1種以上を含
有してなる抗肥満剤が提供される。ここで、チダケサシ
属の植物及びキキョウの好ましい態様は乾燥粉末、抽出
物あるいは精製物である。かかる抗肥満剤はそのまま本
発明の所望の目的のために使用しても差し支えないが、
本発明ではこれを配合してなる組成物も提供される。該
組成物の態様としては食用組成物又は医薬用組成物が好
適である。
【0021】本発明の食用組成物は、前述した抗肥満
剤、すなわち、アカショウマ等のチダケサシ属に属する
植物及び/又はキキョウであって、これらの形態が望ま
しくは根及び/又は根茎の乾燥粉末、抽出物あるいは精
製物であるものを必須原料として含有してなる前記抗肥
満剤を配合してなることを特徴とする。
【0022】この食用組成物の態様としては、前記の乾
燥粉末、抽出物若しくは精製物をそのまま又は前記抗肥
満剤を液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状の食品、例
えば、果実飲料、清涼飲料、茶、スープ、ゼリー、ヨー
グルト、プリン、ケーキミックス、ふりかけ、味噌、醤
油、ドレッシング、マヨネーズ、焼肉のたれ等の調味
料、麺類、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ジ
ャム、牛乳、クリーム、バターやチーズ等の粉末状、固
形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケーキ、ク
ッキー等に添加した形態となすことができる。
【0023】また、必要に応じてデキストリン、乳糖、
澱粉又はその加工素材、セルロース末等の賦形剤、ビタ
ミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、たん白、糖
質、色素、香料、その他の前記食用添加剤等と共に粉
末、顆粒、ペレット、錠剤等に加工したり、ゼラチン等
で被覆してカプセルに成形したり、あるいはドリンク類
にして、栄養補助食品や健康食品として利用できる。こ
のとき、前記の肥満防止やその治療、ダイエットあるい
は痩身のために用いられる公知の食用素材を併用した組
成物は好適である。なお、本発明の食用組成物は極めて
多種類の形態にわたり、前記の例示に限定されるもので
はないが、肥満防止の点から油脂類や糖質を多量に含む
食品類に添加した形態、前記の栄養補助食品や健康食品
の形態が望ましい。
【0024】前記の食品類や食用組成物における本発明
の抗肥満剤の配合量は、当該食品や食用組成物の種類、
形態、利用目的や本抗肥満剤の種類、形態等により一律
に規定し難いが、一般の加工食品類に添加する場合で
は、例えば、本発明の抗肥満剤がアカショウマの根茎を
含水率50重量%の含水エタノールで抽出した抽出物:
キキョウの根茎を水で抽出した抽出物=50:50(重
量比)のものであれば、概ね0.01〜50重量%であ
り、より好ましくは0.1〜30重量%である。この範
囲を外れて少ないと経口摂取による本発明の所望効果が
小さく、逆に多すぎると食品の種類によっては風味を損
ねたり、当該食品を調製することが不可能になる場合が
ある。なお、本発明の抗肥満剤はそのまま食用に供して
も差し支えない。
【0025】本発明の医薬用組成物は、前記の抗肥満剤
に本発明の趣旨に反しない公知の賦形剤や添加剤を必要
に応じて加え、常法により加工して錠剤、カプセル剤、
顆粒剤、散剤、注射剤等の製剤となしたものである。経
口あるいは経腸投与、血管投与又は皮内投与して、肥満
の予防又は治療のために適用する。本発明の抗肥満剤の
配合量は抗肥満剤の形態や前記製剤の種類、形態、用法
及び用量等により一律に設定し難いが、概ね0.01〜
50重量%である。経口投与する場合の摂取量は特に限
定されるものではないが、例えば、抗肥満剤がアカショ
ウマの根茎を含水率20重量%の含水アセトンで抽出し
た抽出物をさらに酢酸エチルで分別した可溶画分:キキ
ョウの根茎を水抽出した抽出物=75:25(重量比)
であるものをベースとして、成人(体重50Kg)1日
あたり0.01〜20g、より好ましくは0.1〜10
gである。この範囲を外れて少ないと所望の効果が低下
し、逆に多すぎても更なる効果は期待できない。
【0026】
【実施例】実施例1 アカショウマ(Astilbe thunbergii
(SIEB.et ZUCC.)MIQ.)の乾燥根茎
を約5mm角以下のサイズに破砕し、これをさらに粉砕
機で処理して200タイラーメッシュをパスした微粉末
(試料A−1)を調製した。
【0027】実施例2 実施例1で得たアカショウマの根茎の破砕片1Kgをス
テンレス製抽出釜に仕込み、含水率40重量%の含水エ
タノール10Lを加え、時々かき混ぜながら60℃で6
時間抽出処理した。ついで、残渣を濾別して抽出液を
得、該抽出液から減圧下に溶媒を留去して赤褐色の抽出
物(試料A−2)75gを得た。
【0028】実施例3 実施例1で得たアカショウマの根茎の微粉末1Kgをス
テンレス製抽出釜に仕込み、含水率20重量%の含水ア
セトン5Lを加えて還流下で3時間抽出処理した後、濾
過して抽出液と残渣に分けた。該残渣に再び前記含水ア
セトン5Lを添加して同様に処理して抽出液を得た。両
抽出液をあわせて減圧下に溶媒を留去して赤褐色の抽出
物(試料A−3)68gを調製した。
【0029】実施例4 実施例3で得たアカショウマの根茎の抽出物(試料A−
3)45gを蒸留水1Lに懸濁させ、該懸濁液を酢酸エ
チル200mLずつで5回に分けて溶剤分別処理に供
し、溶媒を減圧留去して酢酸エチル可溶画分(試料A−
4)29g及び不溶画分(試料A−5)15gの各精製
物を調製した。
【0030】実施例5 トリアシショウマ(Astilbe odontoph
ylla MIQ.)の根茎を日干しにして乾燥後、こ
の破砕片1Kgを実施例2と同様に処理して赤茶色の抽
出物(試料A−6)85gを得た。
【0031】実施例6 キキョウ(Platycodon grandiflo
rum A.DC.)の根を含む根茎の天日乾燥物を約
5mm角以下のサイズに破砕し、これをさらに粉砕処理
して200タイラーメッシュ通過の微粉末(試料P−
1)を調製した。
【0032】実施例7 実施例6で得たキキョウの根を含む根茎の破砕片1Kg
をステンレス製抽出釜に仕込み、蒸留水20Lを加えて
還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液
を得、該抽出液の水分を蒸発させて褐色の抽出物(試料
P−2)310gを得た。
【0033】実施例8 実施例7で得たキキョウの根を含む根茎の抽出物(試料
P−2)150gに含水率5重量%の含水エタノール1
Lを加え、室温にて時々かき混ぜながら抽出処理して可
溶分と不溶分とに分け、溶媒を減圧留去してエタノール
可溶画分(試料P−3)110g及び不溶画分(試料P
−4)35gの各精製物を調製した。
【0034】試験例 本発明に係るアカショウマ及びキキョウの各種加工処理
物について、以下に述べる方法で抗肥満試験を行った。 (A)ノルエピネフリンにより誘導される脂肪細胞の脂
肪分解能:5週齢のウィスター系雄性ラット(日本クレ
ア(株)から購入)に実験用標準飼料(オリエンタル酵
母(株)製)及び水を自由摂取させて飼育した6週齢ラ
ット(体重:150〜160g)を頚椎脱臼により屠殺
し、直ちに副睾丸脂肪組織を除去した。ついで、ロドベ
ルの方法(Rodbell,M.,J.Biol.Ch
em.,239,375−380,1964)により、
該脂肪組織から脂肪細胞を単離して採取した。
【0035】前記脂肪細胞フラクションの一部(50μ
L)をハンクス・バランス液(pH7.4)200μL
中で、37℃にて1時間インキュベートした。なお、こ
こで使用したハンクス・バランス液は、2.5%ウシ血
清アルブミン(和光純薬工業(株)製。但し、遊離脂肪
酸を除去処理済み。)、ノルエピネフリン(三共(株)
製)25μL(最終濃度として0.05μg/mL)及
び、所定量の試験物質含有溶液(試料A−1〜A−6、
P−1〜P−4及びこれらの混合物のいずれか1種をハ
ンクス・バランス液(pH7.4)に所定濃度で溶解な
いし分散させた試験溶液として)25μLを添加したも
のである。
【0036】インキュベートした後、生成する遊離脂肪
酸量を次のようにして測定した。操作はすべて25℃で
行った。すなわち、前記のインキュベートした液250
μLを入れた試験管に2%メタノール含有クロロホルム
/n−ヘプタン(1/1)混液3mLを加え、振とう器
で10分間水平振とうして抽出処理した後、5分間遠心
分離(2000×g)し、上層を吸引除去した。つい
で、下層に銅試薬1mLを添加し、10分間振とう後、
10分間遠心分離(2000×g)した。
【0037】次に、抽出された脂肪酸の銅塩を含む上部
有機層0.5mLを、0.05%の3−(2)−t−ブ
チル−4−ヒドロキシアニソール含有のクロロホルム
中、0.1重量/容量%濃度の金属キレート化剤(バソ
キュプロイン:2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル
−1,10−フェナンスロリン)0.5mLで処理し、
分光光度計(日本分光(株)製、ORD/UV−5スペ
クトロメーター)で480nmにおける吸光度を測定し
た。
【0038】脂肪分解能は脂肪細胞1mLから1時間あ
たりで生成する遊離脂肪酸量(μモル)として求め、各
試験物質の脂肪分解能は、対照試験においてノルエピネ
フリン(添加量:0.05μg/mL反応混合物)のみ
による遊離脂肪酸生成量(実測値:6.14±0.08
μmol/mL充填脂肪細胞/hr)を100としたと
きの相対値(n=3〜5の平均値の比較)で示した。な
お、本実験系では、ノルエピネフリン及び試験物質を添
加しない場合の脂肪分解能はゼロであった。この結果を
表1〜表3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】表1〜表3において、( )内の数字は3
〜5回の実験結果の平均値±標準誤差を示す。表1のデ
ータから、ノルエピネフリンにより誘導される脂肪細胞
の脂肪の加水分解能は、試料A−1〜A−4及びA−6
のいずれによっても濃度依存的に促進され、とりわけア
カショウマやトリアシショウマの根茎の乾燥粉末、含水
エタノール抽出物、含水アセトン抽出物及びその酢酸エ
チル可溶画分において顕著な効果を奏することが明らか
になった。また、表2及び表3のデータをあわせると、
アカショウマ等のチダケサシ属に属する植物の各加工処
理物とキキョウの各加工処理物とを併用した場合には脂
肪細胞からの脂肪の加水分解能が相乗的に増強されるこ
とが明らかになった。
【0043】(B)ACTHにより誘導される脂肪細胞
の脂肪分解能:本試験方法は、前述の(A)の試験法に
おいて、ノルエピネフリン(三共(株)製)25μL
(最終濃度として0.05μg/mL)をACTH(第
一製薬(株)製)25μL(最終濃度として0.5μg
/mL)に置きかえること以外は同条件に設定して行っ
た。この結果を表4〜表6に示す。なお、同表におい
て、脂肪分解能はノルエピネフリン添加の場合と同義で
あり、各試験物質の脂肪分解能は対照試験においてAC
TH(添加量:0.5μg/mL反応混合物)のみによ
る遊離脂肪酸生成量(実測値:2.27±0.03μm
ol/mL充填脂肪細胞/hr)を100としたときの
相対値(n=3の平均値の比較)で示した。表4〜表6
中( )内の数字は3回の実験結果の平均値±標準誤差
を示す。また、本実験系ではACTH及び試験物質を添
加しない場合の脂肪分解能はゼロであった。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】表4のデータから、ACTHにより誘導さ
れる脂肪細胞の脂肪の加水分解能は、試料A−1〜A−
4及びA−6のいずれによっても濃度依存的に促進さ
れ、試料P−1〜P−3によっても若干促進されるが、
とりわけアカショウマやトリアシショウマの根茎の各種
加工処理物(乾燥粉末、含水エタノール抽出物、含水ア
セトン抽出物及びその酢酸エチル可溶画分)において顕
著な効果を奏することが明らかになった。また、表5及
び表6のデータをあわせると、アカショウマ等のチダケ
サシ属の植物の各加工処理物とキキョウの各加工処理物
とを併用した場合にはACTH誘導による脂肪細胞から
の脂肪の加水分解能が相乗的に増強されることが認めら
れた。
【0048】(C)インシュリンにより誘導されるグル
コースからの脂肪形成能:前述の(A)の試験法で用い
た脂肪細胞フラクションの一部(50μL)をハンクス
・バランス液(pH7.4)200μL中で、37℃に
て1時間インキュベートした。なお、該ハンクス・バラ
ンス液は、2.5%ウシ血清アルブミン(前記(A)の
試験法で使用したものと同じ。)、[U−14C]グル
コース25μL(最終濃度として0.5μCi=18.
5KBq/mL)、インシュリン(シグマ社製、試薬グ
レード)25μL(最終濃度として1nM)及び、所定
量の試験物質含有溶液(試料A−1〜A−6、P−1〜
P−4及びこれらの混合物のいずれか1種をハンクス・
バランス液(pH7.4)に所定濃度で溶解ないし分散
させた試験溶液として)25μLを添加したものであ
る。
【0049】ついで、文献(Dole,V.P.,J.
Clin.Invest.,35,150−154,1
956)に記載のドール抽出混合物5mLを加えて反応
を停止させ、試験管を5分間強く振り、さらにヘプタン
3mL及び蒸留水2mLを添加して5分間強く振とうし
た。上層(ヘプタン層)の3mLを栓付試験管に移し、
同量の0.05モル水酸化ナトリウム含有の50%エタ
ノールとともに激しく振とうして遊離脂肪酸を除去し
た。この後、ヘプタン層1mLとシンチレーション液
(ACSII、アマーシャム社製)10mLを計測用硝
子瓶に採り、パッカード液体シンチレーション・カウン
ターを用いて放射能値を測定した。
【0050】脂肪形成能は脂肪細胞1mL、1時間あた
りのDPMとして求め、各試験物質の脂肪形成能は、対
照試験においてインシュリンのみ添加によるDPM量
(実測値:(57±2)×10−4/mL充填脂肪細胞
/hr)を100としたときの相対値(n=3の平均値
の比較)で示した。この結果を表7〜表9に示す。な
お、本実験系では、インシュリン及び試験物質を添加し
ない場合のDPM実測値は(27±2)×10−4/m
L充填脂肪細胞/hrであり、前記基準の相対値は47
であった。この値は、インシュリン無添加下で各試験物
質の添加量を増やしてもほとんど変化がなかった。
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】これらのデータから、インシュリンの添加
により脂肪細胞中でグルコースから脂肪の形成能が増加
するが、この脂肪形成能はインシュリン共存下において
試料A−1〜A−4及びA−6のいずれの添加によって
も濃度依存的に抑制されて減少し、とりわけアカショウ
マやトリアシショウマの根茎の加工処理物(乾燥粉末、
含水エタノール抽出物、含水アセトン抽出物及びその酢
酸エチル可溶画分)において顕著な脂肪形成抑制効果が
認められた。また、アカショウマ等のチダケサシ属に属
する植物及びキキョウの各加工処理物を併用すると脂肪
細胞における脂肪形成能が相乗的に抑制されることが明
らかになった。
【0055】(D)膵臓リパーゼによる脂肪分解能:シ
グマ社から購入した試薬グレードのオレイン酸トリグリ
セリド80mg、ホスファチジルコリン10mg、タウ
ロコール酸5mg及び0.1モル/L塩化ナトリウムを
含むトリス緩衝液(N−トリス(ヒドロキシメチル)メ
チル−2−アミノエタンスルホン酸、pH7.0)9m
Lを5分間超音波処理し、この0.1mLに膵臓リパー
ゼ0.05mL(10ユニット)及び所定濃度の試験物
質溶液(前記緩衝液に溶解ないし分散させたもの)0.
1mLを加えて37℃で30分間インキュベートした。
このインキュベート液を前述の(A)の試験法と同様に
処理し、生成した遊離脂肪酸量を測定した。膵臓リパー
ゼ活性、すなわち該リパーゼによる脂肪分解能は前記イ
ンキュベート液である反応混合物1Lから1時間あたり
に生成するオレイン酸のモル数として求め、各試験物質
を共存させた場合のリパーゼ活性は、試験物質を添加し
ない対照試験におけるリパーゼ活性を100としたとき
の相対値(n=4の実測値の平均値の比較)で示した。
この結果を表10に示す。
【0056】
【表10】
【0057】表10のデータから、膵臓リパーゼによる
脂肪分解能はキキョウの各加工処理物(試料P−1〜P
−3)の添加濃度に依存して顕著に抑制されること、ア
カショウマ等の加工処理物(試料A−1〜A−6)では
当該抑制効果が小さいこと、キキョウ及びアカショウマ
等のチダケサシ属植物の各加工処理物を併用すると脂肪
分解能の相乗的な抑制効果を奏することが明らかになっ
た。
【0058】(E)高脂肪食の長期投与試験:3週齢の
ICR系雌性マウス(日本クレア社から購入)を、温度
及び湿度の管理下、12時間の明暗サイクルで、餌料及
び水を自由摂取させて1週間飼育後、高脂肪食餌料を8
週間にわたり摂取させ、エーテル麻酔下に屠殺し、常法
により体重、肝臓組織の中性脂質量及び総コレステロー
ル量を測定した。なお、対照群の高脂肪食餌料組成(単
位:重量%)は、牛脂40、コーンスターチ10、砂糖
9、ミネラル混合物(オリエンタル酵母(株)製、AI
N−76)4、ビタミン混合物(同社製、AIN 19
77)1及びカゼイン36とし、試験物質を添加した場
合はカゼインの一部を試験物質(5重量%)に置き換え
た餌料とした。
【0059】肝臓の中性脂質及び総コレステロールは、
肝臓組織の一部(0.5g)をクレブス・リンガーのリ
ン酸緩衝液(pH7.4)4.5mL中でホモジナイズ
し、該ホモジネート0.2mLをクロロホルム/メタノ
ール(2/1、容量比)4mLで抽出、ついで窒素雰囲
気下で濃縮して抽出物を得、これを測定用試料としてト
リグリセリドEテストキット及び総コレステロールEテ
ストキット(いずれも和光純薬(株)製)を用いて測定
した。この結果を表11に示す。同表中の数字は平均値
±標準誤差を表わす(n=14、ANOVA統計処
理)。なお、本試験の対照群及び試験群ともに摂取エネ
ルギー量に有意差は認められなかった。
【0060】
【表11】
【0061】このことから、高脂肪食のみを8週間摂取
した場合に比べて、キキョウの各加工処理物(試料P−
1〜P−3)を添加した場合に体重が減り、肝臓組織中
の総コレステロール量は変化しないが、中性脂質量が顕
著に減少することが明らかになった。アカショウマ等の
各加工処理物(試料A−1〜A−4及びA−6)でも当
該現象は若干認められた。また、キキョウ及びアカショ
ウマ等のチダケサシ属に属する植物の各加工処理物を併
用すると体重減少等の相乗効果が認められた。
【0062】実施例9 試料A−2及び試料P−3の混合物(1:1、重量比)
からなる本発明の抗肥満剤120mgにガルシニア・カ
ンボジア果皮エキス30mg、ミツロウ50mg及びボ
ラージ油50mgを加え、約45℃で十分に混合して均
質な状態にし、これをカプセル充填機に供して一粒あた
り内容量が250mgのゼラチン被覆カプセル製剤を試
作した。本カプセル製剤をダイエット希望のボランティ
ア(体脂肪率基準の肥満度が20%以上の成人男女)1
0名対象に1日あたり1粒、2週間摂取のモニター試験
に供したところ9名に体重減少が認められた。この製剤
は経口摂取が可能な抗肥満用の食用組成物又は医薬用組
成物として利用できる。また、本発明の抗肥満剤を試料
A−3のみ、試料A−6のみ又は試料P−2のみの各同
量とし、他の条件は同一にしてカプセル製剤を試作し
た。これらにも同様の抗肥満効果が認められた。
【0063】実施例10 試料A−2:ウーロン茶葉粉末=3:2(重量比)から
なる本発明の抗肥満剤5.0Kgを化工澱粉(松谷化学
(株)製、商品名:パインフロー)3.5Kg、第三リ
ン酸カルシウム0.3Kg、ビタミンB0.3Kg、
ビタミンB0.3Kg、ビタミンB0.2Kg及び
ビタミンC0.4Kgとともに配合機に仕込み10分間
攪拌混合した。該混合物を直打式打錠機に供給して直径
7mm、高さ4mm、重量150mgのタブレットを作
成した後、コーティング機でシェラック薄膜をコーティ
ングして錠剤形状の食品を試作した。
【0064】実施例11 家庭用ホイッパーにバター100g、ショートニング1
20g、上白糖90g及び牛乳100mLを入れ、攪拌
しながら鶏卵1個を加えて十分に混合した後、薄力粉1
90g、ベーキングパウダー1gとともに試料A−1及
び試料P−2の混合物(3:1、重量比)からなる本発
明の抗肥満剤10gを添加して十分に捏ねあわせた。こ
れを30分間ねかせた後、金型で50個に分割し、オー
ブンで焼いてバタークッキーを試作した。
【0065】実施例12 市販の野菜ジュース1Lに、試料A−2:試料P−3:
葡萄種子エキス(インターヘルス社製、商品名:アクテ
ィビン)=1:2:1(重量比)からなる本発明の抗肥
満剤5gを加えて混合し、肥満防止用野菜ジュースを試
作した。これは元の野菜ジュースと比較して何ら遜色の
ないものであった。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、チダケサシ属に属する
植物とキキョウとの少なくとも1種以上を含有してなる
抗肥満剤が提供される。この抗肥満剤は、アカショウマ
等のチダケサシ属に属する植物の根及び/又は根茎の乾
燥粉末、その抽出物又は精製物等の加工処理物に起因し
て、ノルエピネフリンにより誘導される脂肪細胞の脂肪
の加水分解能を促進させ、ACTHにより誘導される同
細胞の脂肪の加水分解能を促進させ、及びインシュリン
によって誘導される同細胞中のグルコースからの脂肪の
形成能を抑制する抗肥満効果を奏する。また、キキョウ
の根及び/又は根茎の前記同様の加工処理物に起因し
て、膵臓リパーゼによる脂肪の加水分解能を阻害し、し
たがって腸管からの脂肪の吸収を抑制し、高脂肪食の摂
取による体重増加や肝臓中の中性脂質量の上昇を抑制す
る抗肥満効果を奏する。さらに、起源が異なる前記加工
処理物を併用して含有するものは相乗的に顕著な抗肥満
効果を奏する。本発明では、また、前記抗肥満剤を配合
してなる食用組成物又は医薬用組成物が提供され、これ
は肥満症状の予防、治療、痩身、減体重、ダイエット等
のために有効利用され得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/04 A23L 2/00 F 2/26 Fターム(参考) 4B017 LC04 LG04 LG15 4B018 MD61 ME01 MF01 4B032 DB22 DK29 4C088 AB30 AB66 AC11 AC13 CA05 CA06 CA07 CA08 MA52 NA05 ZA70

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チダケサシ属に属する植物及び/又はキ
    キョウを含有してなる抗肥満剤。
  2. 【請求項2】 チダケサシ属に属する植物がアカショウ
    マであり、その根及び/又は根茎の乾燥粉末、抽出物又
    は精製物を用いてなる請求項1に記載の抗肥満剤。
  3. 【請求項3】 チダケサシ属に属する植物の抽出物が水
    又は親水性有機溶媒で抽出されたものである請求項1又
    は2に記載の抗肥満剤。
  4. 【請求項4】 親水性有機溶媒がエタノール、アセトン
    又はこれらの含水物である請求項3に記載の抗肥満剤。
  5. 【請求項5】 チダケサシ属に属する植物の抽出物が含
    水アセトン抽出物の酢酸エチル可溶画分である請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の抗肥満剤。
  6. 【請求項6】 キキョウがキキョウの根及び/又は根茎
    の乾燥粉末、抽出物又は精製物を用いてなる請求項1に
    記載の抗肥満剤。
  7. 【請求項7】 キキョウの抽出物が水又は親水性有機溶
    媒で抽出されたものである請求項6に記載の抗肥満剤。
  8. 【請求項8】 親水性有機溶媒がエタノール、アセトン
    又はこれらの含水物である請求項7に記載の抗肥満剤。
  9. 【請求項9】 キキョウの抽出物が水抽出物のエタノー
    ル可溶画分である請求項1、6,7又は8に記載の抗肥
    満剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    抗肥満剤を配合してなる食用組成物又は医薬用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005278511A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 ▲高▼橋 生枝 冷え性、生理痛、便秘、肥満、不眠等を解消するための健康食品
JP2009102419A (ja) * 2009-02-04 2009-05-14 Bhn Kk 血中コレステロール低減剤
JP2018154610A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 ビーエイチエヌ株式会社 Pde5活性阻害剤
AU2017204817B1 (en) * 2017-07-12 2018-11-08 Kyungpook National University Industry-Academic Cooperation Foundation Pharmaceutical composition comprising platycodon grandiflorum extract for preventing or treating obesity

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