JP2022124984A - リパーゼ活性阻害剤及びその利用 - Google Patents

リパーゼ活性阻害剤及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2022124984A
JP2022124984A JP2021075405A JP2021075405A JP2022124984A JP 2022124984 A JP2022124984 A JP 2022124984A JP 2021075405 A JP2021075405 A JP 2021075405A JP 2021075405 A JP2021075405 A JP 2021075405A JP 2022124984 A JP2022124984 A JP 2022124984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lipase activity
activity inhibitor
kunzea
extract
lipase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021075405A
Other languages
English (en)
Inventor
紀梨子 荒井
Kiriko Arai
勉 野崎
Tsutomu Nozaki
健夫 石原
Takeo Ishihara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BHN Co Ltd
Original Assignee
BHN Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BHN Co Ltd filed Critical BHN Co Ltd
Publication of JP2022124984A publication Critical patent/JP2022124984A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】 リパーゼ活性を強力に阻害し、肥満及びこれが危険因子となる疾病の予防と治療に有効利用できる天然物由来のリパーゼ活性阻害剤及びこれを産業上有効活用できる組成物を提供する【解決手段】クンゼア属に属する植物又はその加工物、好適にはカヌカの葉及び/又は樹皮の抽出物又は精製物、より好適には水、エタノール若しくはこれらの含水溶媒による抽出物を含有してなるリパーゼ活性阻害剤。該阻害剤はより望ましくはポリフェノール類を併用してなる。又、これを配合してなる食用組成物又は医薬用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の植物を原料として使用したリパーゼ活性阻害剤及びその利用に関するものである。より詳細には、カヌカ等のクンゼア属に属する植物を含有してなるリパーゼ活性阻害剤及びこれを配合した飲食品、医薬品、飼料、ペットフード等の経口用組成物に関する。
肥満は、先進国のみならず発展途上国においてもその急速な増加が公衆衛生上大きな問題として取り上げられている。近年、わが国においても欧米型の食事形態が増え、過食や摂取エネルギーが増加している。特に脂質を多く含む高カロリー食の長期的な摂取に起因して生じる肥満や高脂血症等の生活習慣病に羅漢する患者は、食習慣の欧米化に伴い大幅に増加傾向にあり、国民医療費の増大を招く等の大きな社会問題を引き起こしている。
わが国の肥満者(BMI≧25kg/m)の割合は、昭和55年で男性:18.4%、女性:20.6%であったが、平成29年には男性:30.7%、女性:21.9%となっている。男性の肥満者の割合は特に平成以降に大きく増加し、最近では30%前後に至っている。一方、女性の肥満者の割合はほぼ20%前後で推移している。日本人の肥満は世界の肥満者の割合よりも少ないが、上記に述べたような肥満に関連する疾病や機能障害のリスクを軽減させるという観点からは、成人男性を中心に予防対策を行う必要がある。
また、現代における肥満及び生活習慣病を引き起こす要因は、食生活の乱れだけではなく、慢性的な運動不足にあることも問題となっている。近年、科学技術の進歩によって日常生活における様々な事象がより一層便利になった。例えば、家事や仕事の自動化、交通手段の発達等により身体活動量が低下してきたことは明らかであり、運動不足は食生活の変化と共に近年の肥満及び生活習慣病増加の一因となっている。
国民健康・栄養調査(厚生労働省)によれば、体重管理を実践しようと考えている及び/又は体重管理を実行している人は、平成18年には男性:82.2%、女性:86%だったが、平成25年には男性:90.2%、女性:93.5%となり、国民の健康に対する意識は年々高まっていることが示されたが、一方で、運動習慣のある人の割合は、男性:33.8%、女性:27.2%と低値を示した。このように、身体活動や運動の健康に対する意識は国民の間に普及しつつあるものの、実際に運動習慣を身につけている者の割合は少ない。
肥満予防及び治療のためには主に食事療法や運動療法が用いられているが、効果が得られるまでに長期間を要することや、強固な意思を要するために、多忙な現代においてはその実行と継続は困難を伴い、一過性の減量に終わることが多い。
薬物投与による治療は主に重症の肥満患者に対して適用され、薬物の副作用の懸念もあり、いずれも汎用的な方法とは言い難い。したがって、より安全に肥満を予防及び改善する方法を提供することが求められている。
肥満を予防するための観点から、過剰な摂取エネルギーを抑制するためにアミラーゼやリパーゼ等の消化酵素の活性を阻害する物質が開発されている。特に脂質は食品成分の中で最も高カロリーであり、肥満を予防するためには脂質の蓄積量を減らすことが効果的であると考えられる。膵臓から分泌される膵リパーゼは脂質の消化酵素であり、食事によって摂取された脂肪の主要成分であるトリグリセリド(中性脂質)に作用し、エステル結合を加水分解してジグリセリドやモノグリセリド、脂肪酸及びグリセリンを生じさせる。これら膵リパーゼの分解物は、小腸から吸収されて通常はエネルギー源になる。しかし運動不足で消費カロリーが少ない場合や、過剰な脂肪摂取の場合には、体内で再合成された脂肪類が脂肪となって体内に蓄積され、やがて肥満症状を呈するようになる。したがって、リパーゼ活性を阻害する物質は、肥満及びこれに伴う前記疾病の予防と治療に有効である。
これらの観点から、リパーゼ活性を阻害する天然成分やこれを含む様々な供給源や加工物が提案されており、例えば、緑茶の成分であるエピガロカテキンガレート(特許文献1)、ピーマン、かぼちゃ、しめじ、まいたけ、ひじき、緑茶、紅茶及びウーロン茶の水抽出物(特許文献2)、植物樹皮由来のタンニン(特許文献3)、タンニンを有効成分とするカワラケツメイのエタノール抽出物(特許文献4)、プロアントシアニジンを有効成分とするタマリンド種皮抽出物(特許文献5)、アボカド、オオミイヌカンコ、カニステル、ジャンボラン、フトモモ及びレンブの熱水抽出物(特許文献6)イタドリ、インゲンマメ、オオゴチョウ、オオフトモモ、ガジュマル、ゲットウ、サキシマスオウノキ、セイロンベンケイ、タカサゴギク、ナンテン、ベニバナ、モクセンナ、モモタマナ及びリュウキュウマツの50%エタノール抽出物(特許文献7)、コーヒー生豆のキナ酸ジエステル誘導体(特許文献8)、フェンネル、メロン、イチジク、センネンボクからの抽出物(特許文献9)等を挙げることができる。
なお、本発明において使用するカヌカ(学名:Kunzea ericoides)はフトモモ科クンゼア属に属する植物であり、ニュージーランドを原産地とし当該国のみに自生する。一般的にはカヌカ、ホワイトマヌカ、ホワイトティーツリー等と呼ばれている。ニュージーランド先住民のマオリ族はカヌカを伝統的な治療及び儀式に用いてきた。葉の煎薬は排尿障害の治療や解熱剤として使用されてきたほかに、葉を煮たときに生じる蒸気を吸い込むことによる咳や風邪の治療に用いられた。種子を煎じた薬は外用として炎症を抑え、下痢のときには飲用されていた。また葉や種子はそのまま噛んで赤痢症状の改善にも用いられた。樹脂滲出物による火傷の治療、種子や葉や樹皮を煎じた薬による炎症の治療、樹皮の煎じた薬は外用薬として鎮静剤や口腔、目の病気の治療、殺菌剤として使用されてきた(非特許文献1、非特許文献2)。
カヌカの葉や枝の抽出物には、微量成分としてグロビュロール、スパチュレノール、ビリジフロロール、ベツリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸等のテルペン類、5,7-ジヒドロキシ-6-メチルフラバノン等のフラボノイド類が含まれていることが知られており、これらの成分等により前述の薬理作用が発現すると言われている(非特許文献1)。
又、カヌカの葉を亜臨界水抽出法にて抽出した抽出物には、没食子酸、ケルセチン、カテキン等が主要な成分として検出されたという報告がある(非特許文献3)。
又、カヌカを加工して得られるオイルを産業的に利用する試みとして、カヌカオイルを含む殺真菌性エマルジョン(特許文献10)等が提案されている。しかしながらカヌカの葉及び樹皮そのものや抽出物とリパーゼ活性阻害との関連について言及するものは見当たらない。
特開平3-228664号公報 特開平3-219872号公報 特公昭60-11912号公報 特開2012-240928号公報 特開平9-291039号公報 再表2005/056031号公報 特開2010-280734号公報 特開2011-207799号公報 特開2017-203032号公報 特表2005-538157号公報
Rebecca M.Wyatt等、Phytother.Res.、第19巻、第963―970頁、2005年 Maria Lis-Balchin、Aromatherapy Science:A Guide for Healthcare Professionals、第217-218頁、2006年 Sinemobong Essien等、Journal of Supercritical Fluids、第158巻、第104721頁、2020年
これまでに提案されたリパーゼ活性阻害物は、薬剤として使用されるものは優れた効果を有するものの副作用があったり、医師の指導のもとに用法用量を守らなければならない等の制限があった。このため、効果・効能の認められた有効成分が含まれており、且つ作用が穏やかで、長期間にわたって摂取しても安全性の高いリパーゼ活性阻害剤の提供が求められている。又、食品原材料から分離した抽出物や成分は、薬剤よりも副作用が少ない等の利点を有するが、実際的には効果が低かったり、実用的ではない摂取条件下での実験結果に基づくものであったり、あるいは通常の食事形態において大量に摂取しなければならず、いずれも十分に満足できる効果を発揮するものではなかった。よって本発明は、リパーゼを強力に阻害し、肥満及びこれが危険因子となる各種疾病の予防や治療に有効利用でき、副作用の恐れの殆どない、安全性の高い、リパーゼ活性阻害剤及びこれを配合した飲食品、医薬品、飼料、ペットフード等の経口用組成物を提供することを課題とした。
前記課題を解決するために、本発明者らは、安全性に優れ、強力なリパーゼ活性阻害作用を発現し、肥満症状やこれに関連する様々な疾患の予防及び治療に有効利用することができるリパーゼ活性阻害剤と該剤を配合してなる前記組成物を提供するために鋭意検討を重ねた結果、特定の植物を用いると極めて高いリパーゼ活性阻害が発現されること、また、これを飲食品、医薬品、医薬部外品、動物飼料等の産業分野において有効活用し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の特徴は次の点にある。
(1)本発明のリパーゼ活性阻害剤は、フトモモ科クンゼア(Kunzea)属に属する植物又はその加工物を有効成分として含むものである。
(2)前記阻害剤は、カヌカ(Kunzea ericoides)の葉及び/又は樹皮の乾燥粉末、その抽出物又は精製物を有効成分として含むものであることが望ましい。
(3)前記阻害剤は、リパーゼが膵臓リパーゼであることが望ましい。
(4)前記阻害剤において、抽出物は水及び/又は親水性有機溶媒を用いて抽出されたものであることが望ましい。
(5)前記阻害剤において、親水性有機溶媒はエタノール又はこの含水物(含水率30~99質量%)であることが望ましい。
(6)前記の阻害剤は、さらにポリフェノール類を併用してなるものがより好ましい。
(7)前記ポリフェノール類としてプロアントシアニジン、タンニン、カテキン、フラボン、フラボノール、イソフラボン及びこれらの配糖体からなる群から1種又は2種以上を選択することがより好ましい。
(8)本発明の経口用組成物は、前記リパーゼ活性阻害剤を配合してなるものである。
(9)前記経口用組成物は、飲食品又は医薬品の態様が望ましい。
(10)前記経口用組成物は、肥満予防用又はダイエット用の用途に利用することが望ましい。
(11)また、本発明は、前記リパーゼ活性阻害剤を経口摂取する肥満症状の予防または改善方法(但し、医療行為を除く)を特徴とする。
本発明に係るカヌカの葉抽出物のリパーゼ活性阻害効果は、リパーゼ活性阻害効果を有することが既知のアカショウマ根茎抽出物やグアバ葉抽出物の当該阻害効果と比較して極めて強力である。
したがって、本発明に係る前記抽出物は優れたリパーゼ活性阻害効果を有しており、食事性脂肪の吸収を阻害することにより、肥満の予防やこれに起因した生活習慣病等の疾病予防に有効である。
さらにはこれを含む飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の分野において、前記剤の態様のままで又は前記分野の従来の各種製品に配合した形態で有効利用することが可能となる。
先ず、本発明のリパーゼ活性阻害剤は、クンゼア属に属する植物ないしはその加工物を含有してなることを特徴とするものである。クンゼア(Kunzea)属に属する植物は、前述のように、フトモモ科に分類され、本発明に係るものの例は後述するように種々あるが、代表例としてカヌカ(学名:Kunzea ericoides)を挙げることができる。カヌカはニュージーランドを原産地とし当該国のみに自生する。ニュージーランド先住民のマオリ族はカヌカを伝統的な治療及び儀式に用いてきた。その後、入植した初期のヨーロッパ人も、薬用植物として筋肉痛及び関節リウマチ等に用いてきた。
クンゼア属の植物の例としてKunzea acicularis、Kunzea acuminata、Kunzea affinis(クンゼア・アフィニス)、Kunzea ambigua(クンゼア・アンビグア)、Kunzea baxteri(クンゼア・バクステリ)、Kunzea bracteolata、Kunzea calida、Kunzea cambagei、Kunzea capitata(クンゼア・カピタータ)、Kunzea ericifolia、Kunzea ericoides(カヌカ、クンゼア・エリコイデス)、Kunzea eriocalyx、Kunzea flavescens、Kunzea glabrescens、Kunzea graniticola、Kunzea jucunda(クンゼア・ジュクンダ)、Kunzea micrantha、Kunzea micromera(クンゼア・ミクロメラ)、Kunzea montana、Kunzea muelleri、Kunzea newbyi、Kunzea obovata、Kunzea opposita、Kunzea parvifolia(クンゼア・パルビフォーリア)、Kunzea pauciflora(クンゼア・パウキフロラ)、Kunzea pomifera(ムントリー)、Kunzea preissiana、Kunzea pulchella(クンゼア・プルケラ)、Kunzea recurva、Kunzea rupestris、Kunzea spicata、Kunzea strigosa、Kunzea villiceps等を挙げることができる。
本発明で用いるカヌカ等のクンゼア属に属する植物の態様は、前記植物の葉部や樹皮部が望ましく、葉及び/又は樹皮そのもの、これに乾燥、細断あるいは粉砕等の加工処理を施したもの、これらを溶媒で抽出した抽出液、該抽出液から溶媒を除いた抽出物、該抽出物にシリカゲル、ケイ酸マグネシウム、イオン交換樹脂、活性アルミナ、セルロース、活性炭等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフィーや溶剤分別等の精製処理を施した精製物のいずれでも良い。食品用途に使用する場合は、前記植物の葉及び/又は樹皮を乾燥し適宜に粉砕した粉末、該乾燥物の細断片や粉末を水又は親水性有機溶媒で抽出した抽出物とするのが利便性や製造コストの点から望ましい。また、医薬品用途に使用する場合は、前記の抽出液、抽出物、あるいは高純度の精製物が望ましい。
上記の植物から抽出物を得る抽出溶媒としては、水及び/又は親水性有機溶媒が好ましく、エタノール等の低級アルコール、水等を挙げることができ、特に水が好ましい。親水性有機溶媒が含水物の場合の水分含量は、例えば含水エタノールのときは30~99質量%、より好ましくは50~99質量%である。この範囲を外れると本発明の所望の効果が減少する。
上記の植物から抽出物を得るときの加熱温度は、抽出溶媒に水を用いた場合は常圧下1~90℃又は高圧下1~121℃が好ましく、抽出溶媒にエタノール等を使用した親水性有機溶媒を用いた場合は常圧下1~70℃が好ましい。
本発明に係る抽出物を簡便かつ効率的に得るには、水又は含水エタノールで抽出するのが良い。抽出処理は該抽出原料に対して1~20質量倍程度の前記抽出溶媒を加え、常圧若しくは加圧下、常温又は加熱状態で、適宜に撹拌して10分~1時間抽出処理する。不溶物を濾過又は遠心分離して除き、必要であれば前記方法で再度抽出操作を行い、抽出液を得る。さらに該抽出液から減圧蒸留、凍結乾燥、噴霧乾燥等の公知の手段で溶媒を除去することによって本発明に係る抽出物を得ることができる。
次に、本発明のリパーゼ活性阻害剤は前述したカヌカ植物体ないしはその加工物とポリフェノール類とを併用した態様が望ましい。これに用いるポリフェノール類は公知のもので良いが、植物性ポリフェノール類が容易に入手でき簡便である。この植物性ポリフェノール類は加水分解タンニン、カテキン、縮合型カテキン(プロシアニジン等)、フラボン、フラボノール、イソフラボン等を含む。加水分解タンニンとしてガロタンニン(五倍子タンニン、没食子タンニン等)、エラジタンニン(ペデンクラギン、テリマグラジン、カジュアリニン等)、エラジンオリゴマー(アグリモニイン、エノテインB等)、カフェ-タンニン(ロズマリン酸、リトスペルミン酸等)を例示できる。カテキンはエピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート等であり、縮合型タンニンはカテキン縮合物であり、プロペラルゴニジン、プロシアニジン、プロデルフィニジン等のプロアントシアニジン及びこれらの酸分解物(アントシアニジン)を例として挙げることができる。又、フラボンとしてアピゲニン、ルテオリン等、フラボノールとしてクエルセチン、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ルチン、ケンフェロール等、イソフラボンとしてダイゼイン、ゲニステイン、イソゲニン等及びこれらの配糖体を例示することができる。
本発明では、加水分解タンニン、カテキン、プロアントシアニジン、フラボノール、イソフラボン、プロアントシアニジン、フラボノール、イソフラボン及びこれらの配糖体、より好適には加水分解型タンニン、カテキン及びフラボノールを単独で又は2種以上併用して、前記クンゼア属の植物とともに用いてリパーゼ活性阻害剤となす。
本発明において用いる前記ポリフェノール類の態様は、化学合成した純品でも構わないが、これを含む天然物、より好ましくは植物を原料として、公知の方法に従って乾燥、破砕、抽出、濃縮、蒸留等の処理を施して得られる乾燥粉末、抽出物及び精製物を利用するのが良い。すなわち、前記ポリフェノール類を含む植物であれば特に限定されることはないものの、望ましくはブドウ種子、グアバ葉、リンゴ未熟果又は皮、杜仲葉、プーアール茶葉、アカメガシワ樹皮、緑茶葉、桑葉、ソバ全草、大豆、フランス海岸松、カカオ豆等の中から1種又は2種以上を原料として以下のような形態のものを使用することができる。
その形態は、前記の植物体に乾燥、細断あるいは粉砕等の加工処理を施したもの、これらに溶媒を加えて抽出処理した抽出液、該抽出液から溶媒を除いた抽出物、該抽出物にシリカゲル、ケイ酸マグネシウム、イオン交換樹脂、活性アルミナ、セルロース、活性炭等の吸着剤を充填したカラムクロマトグラフィーや溶剤分別等の精製処理を施した精製物のいずれでも良い。本発明の所望の効果を発現させるためには、食品用途に利用する場合は、乾燥粉末、水及び/又は親水性有機溶媒を用いて抽出した抽出物が簡便かつ利便であり、医薬品用途に使用する場合は、前記の抽出物又は精製物が望ましい。
抽出処理は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級一価アルコール類、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン及びこれらの混合物等の親水性有機溶媒又はこれらの含水溶媒を用い、前記原料に対して等重量ないしは約100質量倍の前記抽出用溶媒を加え、常圧若しくは加圧下、常温又は加熱状態で、適宜攪拌して10分~数日間抽出処理し、不溶物を遠心分離又は濾過して除去するとポリフェノール類を含む抽出液を得ることができ、さらに該抽出液から減圧蒸留、凍結乾燥、噴霧乾燥等の手段で溶媒を除去してポリフェノール類含有抽出物を調製できる。なお、これらは市販品を利用してもよい。
本発明のリパーゼ活性阻害剤の望ましい態様は前述のようにして得られるクンゼア属に属する植物、例えばカヌカの葉及び/又は樹皮、その乾燥物、抽出物あるいは精製物を必須原料として含有せしめてなるものである。より望ましい態様はクンゼア属の植物由来のものを必須の主要原料とし、これにポリフェノール類を併用して含むものであり、最も望ましくは主たる原料としてカヌカの葉及び/樹皮の抽出物又は精製物を用いるものであり、かつ、これにブドウ種子、グアバ葉、りんご未熟果又は皮、杜仲葉、プーアール茶葉、アカメガシワ樹皮、緑茶葉及びカカオ豆からなる群から選ばれる1種又は2種以上の乾燥粉末、抽出物又は精製物を併用せしめてなるものである。
クンゼア属の植物由来の原料とポリフェノール類含有原料とを併用すると、リパーゼ活性阻害効果がさらに顕著に発現する。このリパーゼ活性阻害剤における両原料の配合比率は、所望の効果を奏するための使用目的と用途、製造コスト等により適宜に変動させることができ、クンゼア属の植物由来原料/ポリフェノール類含有原料=100/0~0/100(質量比。以下同様。)であるが、より好ましくは100/0~50/50であり、最も好ましくは90/10~60/40である。
なお、本発明のリパーゼ活性阻害剤は、本発明の趣旨に反しないかぎり種々の原料や成分を併用して配合することができる。例えば、通常の食品や医薬品に使用される賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料等がある。又、リパーゼ活性抑制作用をもつ公知の素材であって前記以外のものを併用することも本発明の望ましい態様のひとつである。
前述のように、本発明によれば、カヌカ等のクンゼア属に属する植物の乾燥物、抽出物若しくは精製物を含有し、又はこれとポリフェノール類含有物の乾燥物、抽出物若しくは生成物とを含むリパーゼ活性阻害剤が提供される。本リパーゼ活性阻害剤は、リパーゼ活性を阻害する作用に優れ、食事性脂肪の分解を抑制することにより脂質類の体内吸収を低減させ、血中脂質の代謝改善を促し、肥満やこれに関連する各種疾病の予防を可能にする。よって、本発明に係るリパーゼ活性阻害剤はそのまま本発明の所望の目的のために使用しても差し支えないが、本発明ではこれを配合してなる組成物も提供される。該組成物の態様としては飲食物、食品添加物、家畜用飼料、ペットフード等の種々のものがあり、食用組成物又は医薬用組成物が好適である。
本発明の食用組成物は、前述のリパーゼ活性阻害剤を配合してなることを特徴とする。該リパーゼ活性阻害剤は、カヌカ等のクンゼア属に属する植物であって、この形態が望ましくは葉及び/樹皮の抽出物又は精製物を必須原料として含有してなるもの、又は、該必須原料とポリフェノール類を含有する植物の乾燥粉末、抽出物あるいは精製物とを含有してなるものである。
この食用組成物の態様としては、前記の乾燥粉末、抽出物若しくは精製物をそのまま又は前記リパーゼ活性阻害剤を液状、ゲル状、粉末状あるいは固形状の食品、例えば、果実飲料、清涼飲料、茶、スープ、ゼリー、ヨーグルト、プリン、ケーキミックス、ふりかけ、味噌、醤油、ドレッシング、マヨネーズ、焼肉のたれ等の調味料、麺類、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ジャム、牛乳、クリーム、バターやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケーキ、クッキー等に添加した形態となすことができる。
また、必要に応じてデキストリン、乳糖、澱粉又はその加工素材、セルロース末等の賦形剤、ビタミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、たん白質、糖質、色素、香料、その他の前記食用添加剤等と共に粉末、顆粒、ペレット、錠剤等に加工したり、ゼラチン等で被覆してカプセルに成形したり、あるいはドリンク類にして、栄養補助食品や健康食品として利用することができる。このとき、前記のリパーゼ活性阻害作用を有する公知の食用素材を併用した組成物は好適である。なお、本発明の食用組成物は極めて多種類の形態にわたり、前記の例示に限定されるものではないが、食事性脂肪の体内吸収抑制や脂質代謝改善等の観点から油脂類や糖質を多量に含む食品類に添加したり、前記の栄養補助食品や健康食品の形態に加工するのが望ましい。
前記の食品類や食用組成物における本発明のリパーゼ活性阻害剤の配合量は、当該食用組成物の種類、形熊、利用目的や本リパーゼ活性阻害剤の種類、形態等により一律に規定し難いが、一般の加工食品類に添加する場合では、例えば、本発明のリパーゼ活性阻害剤がカヌカの葉を水で抽出した抽出物:グアバ葉を含水率50質量%の含水エタノールで抽出した抽出物=50:50(質量比)のものであれば、概ね0.01~50質量%であり、より好ましくは0.1~30質量%である。この範囲を外れて少ないと経口摂取による本発明の所望効果が小さく、逆に多すぎると食品の種類によっては風味を損ねたり、当該食品を調製することが不可熊になる場合がある。なお、本発明のリパーゼ活性阻害剤はそのまま食用に供しても差し支えない。
本発明の医薬用組成物は、前記のリパーゼ活性阻害剤に本発明の趣旨に反しないかぎり公知の賦形剤や添加剤を必要に応じて加え、常法により加工して錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の製剤となしたものである。主に経口投与して、摂取脂肪の体内吸収を抑制し、血中脂質バランスの改善、治療や、肥満及びこれにともなう高脂血症等の各種疾病の予防又は治療のために適用する。本発明のリパーゼ活性阻害剤の配合量はその形態や前記医薬用製剤の種類、形態、用法及び用量等により一律に設定し難いが、概ね0.01~50質量%である。経口投与する場合の摂取量は特に限定されるものではないが、例えば、本リパーゼ活性阻害剤がカヌカの葉を含水率20質量%の含水アセトンで抽出した抽出物をさらに酢酸エチルで分別した可溶画分:ブドウ種子をエタノールで抽出した抽出物=75:25(質量比)であるものをベースとして、成人(体重50Kg)1日あたり0.01~20g、より好ましくは0.1~10gである。この範囲を外れて少ないと所望の効果が低下し、多過ぎても更なる効果は期待できない。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これによって本発明が制限や限定を受けることはない。各例において、%、部及び比率はいずれも質量基準である。
製造例1
カヌカの葉及びカヌカの葉又は樹皮を天日で半乾燥し、細断ないしは粉砕処理を施してカヌカの葉又は樹皮の各乾燥物を製造した。
製造例2
製造例1に記載のカヌカ葉(乾燥物)30gに水330mLを加え、121℃にて1時間加圧下で抽出処理した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度水240mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下で濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して本発明に係る抽出物(試料A-1)8.4gを得た。
製造例3
製造例1に記載のカヌカ葉(乾燥物)20gに水220mLを加え、85~90℃にて1時間抽出処理した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度水160mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下で濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して本発明に係る抽出物(試料A-2)3.5gを得た。
製造例4
製造例1に記載のカヌカ葉(乾燥物)20gに50%エタノール(含水率:50%)160mLを加え、70℃にて1時間抽出処理した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度50%含水エタノール120mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下で濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して本発明に係る抽出物(試料A-3)5.5gを得た。
製造例5
製造例1に記載のカヌカ葉(乾燥物)20gに70%エタノール(含水率:30%)160mLを加え、70℃にて1時間抽出処理した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度70%含水エタノール120mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下で濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して本発明に係る抽出物(試料A-4)5.9gを得た。
製造例6
製造例1に記載のカヌカ樹皮(乾燥物)50gに水600mLを加え、121℃にて1時間加圧下で抽出処理した後、室温まで冷却し、濾過して濾液を分離した。この濾過残渣に再度水400mLを加えて同様に加熱し、冷却後、濾過して濾液を採取した。両濾液を合わせて減圧下で濃縮し、凍結乾燥及び粉砕して本発明に係る抽出物(試料A-5)7.5gを得た。
製造例7
試料A-1と(-)-エピガロカテキンガレート(富士フィルム和光純薬株式会社:HPLC純度99.0%)とを、配合割合90/10とし、常法により処理して均質に混合した粉末組成物(試料A-6)を調製した。
製造例8
試料A-1と後述の比較製造例1に記載の試料B-1とを、配合割合75/25とし、常法により処理して均質な混合粉末組成物(試料A-7)を調製した。
製造例9
試料A-1と後述の比較製造例2に記載の試料C-1とを、配合割合60/40とし、常法により処理して均質な混合粉末組成物(試料A-8)を調製した。
比較製造例1
アカショウマ(Astilbe thunbergii(SIEB.et ZUCC)MIQ.)の乾燥根茎を破砕し、さらに粉砕機で処理して200タイラーメッシュをパスした微粉末を調製した。この1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、含水率45%の含水エタノール10Lを加え、適時かき混ぜながら70℃で6時間抽出処理した。ついで、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から減圧下に溶媒を留去して赤褐色の抽出物(試料B-1)85gを得た。この抽出物中のアカショウマポリフェノール含量(比色法)は21%であった。
比較製造例2
グアバ(Psidium guajava L.)の生葉を天日乾燥した乾燥物を破砕し、さらに粉砕処理して200タイラ-メッシュ通過の微粉末を調製した。この1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、水/エタノール(1/1)混合溶媒20Lを加えて還流下で5時間抽出処理をした後、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から溶媒を減圧下に留去して褐色のグアバ葉由来のタンニン含有抽出物(試料C-1)380gを得た。この抽出物のタンニン含量は19%であった。
試験例1
本発明に係るカヌカ及びポリフェノール類含有物の各種加工処理物について、以下に述べる方法を用いてリパーゼ活性に及ぼす影響を調べた。リパーゼ活性はリパーゼキットS(DSファーマバイオメディカル(株)製)を用いて測定した。測定方法は、前記キットに添付の説明書に従い、なお、その概略は次のとおりである。
各試料の希釈液25μLに0.1mg/mLに調製した膵臓リパーゼ水溶液10μLを加えた発色液(5,5’-ジチオビス[2-ニトロ安息香酸])500μLを加えて、30℃で5分間予熱した。その後、基質液(三酪酸ジメチルメルカプロール、ドデジル硫酸ナトリウム)50μLを加え混和し、遮光下にて30℃で30分間反応させた後、反応停止液600μLを加えた。この反応液200μLを96穴プレートに採取し、プレートリーダーで420nmの吸光度を測定した。又、コントロールとして、上記被験試料の代わりに抽出溶媒(2%DMSO)を用いて、上記と同様に反応させて420nmの吸光度(コントロールの吸光度)を測定した。なお、被験試料ならびにコントロールのブランクとして、上記と同様の操作で基質液を加えずに30分間反応させ、反応停止液を加えたものを用意し、被験試料ブランクならびにコントロールブランクの吸光度を測定した。得られた吸光度から、リパーゼ阻害率を下記式(1)から算出した。
Figure 2022124984000001
なお、同式中の符号は次の内容を示す。
S:被験試料反応液の吸光度
SB:被験試料ブランクの吸光度
C:コントロールの吸光度
CB:コントロールブランクの吸光度
製造例1~9及び比較製造例1~2で得た各調製物について、上記方法に基づいてリパーゼ活性阻害試験を行った。この結果を表1に示す。
Figure 2022124984000002
表1のデータから、膵臓リパーゼ活性はカヌカ由来の試験物質(試料A-1)の添加濃度に依存して顕著に抑制されること、これと対比すると他素材の加工処理物(試料B-1、C-1)では該阻害効果が小さいことが明らかになった。カヌカ由来の試験物質(試料A-1~A-5)の中で、抽出溶媒に水を使用した被験物質(試料A-1、A-2、A-5)のリパーゼ活性阻害効果が高く、抽出溶媒に含水エタノールを使用した被験物質(試料A-3、A-4)では同阻害効果が小さいことが認められた。又、抽出溶媒のエタノール濃度に依存してリパーゼ活性阻害効果が小さくなる傾向が認められたことから、カヌカの葉や樹皮の水溶性成分がリパーゼ活性阻害作用に関与していることが示唆された。更に、前記水抽出物とポリフェノール類とを併用すると、リパーゼ活性をより一層強力に阻害することが明らかになった(試料A-6~A-8)。
なお、ほとんど全ての植物体(組織)、その抽出物や精製物にはタンニン類、プロアントシアニジン類、カテキン類等が含まれていることは一般に知られており、本発明に係るカヌカの植物体やその加工物もかかる公知成分を含有することが当然に予想されるが、同時に多種多様なその他成分や未知成分も含まれており、これらの含有成分を解明し本発明に係る活性成分を個々に特定することは、煩雑な作業、長期間にわたる労力と多大なコストを要するため、現実的ではない。
リパーゼ活性を50%阻害したとき(リパーゼ活性阻害率50%)の反応液中の被験試料濃度としてIC50(mg/mL)値を求めた。この結果を表2に示す。
このように試料B-1、C-1と比較して、本発明に係る試料A-1は活性阻害効果が2.64倍、4.18倍高いことが明らかとなった。
Figure 2022124984000003
試験例2
試料A-1150mg、ミツロウ50mg及び菜種油50mgを60~65℃に加熱して均一に混合し、これをカプセル充填機に供し、常法により1粒当り内容物250mgのゼラチン被覆カプセル製剤を調製した。このカプセル製剤を、体重低減(ダイエット)を希望するボランティア(20~60歳で肥満指標としてのBMIが25以上の男性及び女性各5名)に1回1粒、1日2粒を3週間経口摂取してもらい、体重変化を評価した。その結果、体重が減少した:7名、体重変化なし:3名であった。又、試料A-1を試料A-7に代えることを除き同様に処理してカプセル製剤を調製し、別のボランティア(20~55歳、BMIが25以上の男性及び女性各5名)に同条件で経口摂取してもらったところ、体重が減少した:9名、体重変化なし:1名であった。以上の結果から、これらの製剤は経口摂取が可能な抗肥満用あるいはダイエット用の食用組成物ないしは医薬組成物として利用し得ることを確認した。
試作例1(錠剤)
試料A-1:ウーロン茶葉粉末=3:1からなる本発明のリパーゼ活性阻害剤5.0kgを化工澱粉(松谷化学工業(株)製、商品名:パインフロー、登録商標)3.5Kg、第3リン酸カルシウム0.3Kg、ビタミンB0.3Kg、ビタミンB0.2Kg、ビタミンB0.3Kg及びビタミンC0.4Kgと共に配合機に仕込み10分間撹拌混合した。該混合物を直打式打錠機に供給して直径7mm、高さ4mm、重量150mgのタブレットを作成した後、コーティング機でシェラック薄膜をコ-ティングして錠剤形状の食品を試作した。
試作例2(クッキー)
家庭用ホイッパーにバター120g、ショートニング100g、上白糖90g及び牛乳100mLを入れ、撹拌しながら鶏卵1個を加えて充分に混合した後、薄力粉190g、ベーキングパウダー1gとともに試料A-1からなる本発明のリパーゼ活性阻害剤10gを添加して十分に捏ねあわせた。これを30分間ねかせた後、金型で50個に分割し、オーブンで焼いてバタークッキーを試作した。
試作例3(ジュース)
市販のりんごジュース1Lに、試料A-1:葡萄種子エキス(インターヘルス社製、商品名:アクティビン、登録商標)=2:1からなる本発明のリパーゼ活性阻害剤5gを加えて混合し肥満防止りんごジュースを試作した。これは元のりんごジュースと比較して何ら遜色ないものであった。
試作例4(ペットフード)
小麦粉6.2kg、脱脂大豆1kg、牛脂500g、ミートミール360g、ビタミン・ミネラル類200g、試料A-1からなる本発明のリパーゼ活性阻害剤150gを添加して十分に混合した後、水2kgを添加し十分に捏ねあわせた。成形後、焼成して、ビスケットタイプのペットフードを試作した。
本発明の、カヌカをはじめとするクンゼア属に属する植物又はその加工物あるいはこれらとポリフェノール類との併用物を含有してなることを特徴とするリパーゼ活性阻害剤は、これを経口摂取することにより、膵臓リパ-ゼによる食事等由来の脂質の加水分解作用を強力に阻害し、脂質の吸収を抑制することで体脂肪の蓄積を予防し、肥満症状の改善に役立ち、抗肥満・ダイエットの分野で有用に利用することが可能になる。又、前記リパーゼ活性阻害剤を含む飲食品は、オルリスタット等の既存の肥満治療薬に比べて効き目が穏やかであり、またニュージーランドで古くから薬用として用いられている生物資源の抽出物のため安全性が高いことから、飲用品として日常的に摂取することができる。

Claims (11)

  1. フトモモ科クンゼア(Kunzea)属に属する植物又はその加工物を有効成分として含有してなるリパーゼ活性阻害剤。
  2. クンゼア属に属する植物がカヌカ(Kunzea ericoides)であり、その加工物がカヌカの葉及び/又は樹皮の乾燥粉末、抽出物又は精製物である請求項1に記載のリパーゼ活性阻害剤。
  3. リパーゼが膵臓リパーゼである請求項1又は2に記載のリパーゼ活性阻害剤。
  4. 抽出物が水及び/又は親水性有機溶媒を用いて抽出されたものである請求項2に記載のリパーゼ活性阻害剤。
  5. 親水性有機溶媒がエタノール又はこの含水物(含水率30~99質量%)である請求項4に記載のリパーゼ活性阻害剤。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のリパーゼ活性阻害剤がさらにポリフェノール類を含有するものであるリパーゼ活性阻害剤。
  7. ポリフェノール類がプロアントシアニジン、タンニン、カテキン、フラボン、フラボノール、イソフラボン及びこれらの配糖体からなる群から選択される1種又は2種以上である請求項6に記載のリパーゼ活性阻害剤。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のリパーゼ活性阻害剤を配合してなる経口用組成物。
  9. 組成物が飲食品又は医薬品である請求項8に記載の経口用組成物。
  10. 組成物が肥満予防用又はダイエット用である請求項8又は9に記載の経口用組成物。
  11. 請求項1~7のいずれか1項に記載のリパーゼ活性阻害剤を経口摂取することを特徴とする肥満症状の予防又は改善方法(但し、ヒトの医療方法を除く)。
JP2021075405A 2021-02-16 2021-03-10 リパーゼ活性阻害剤及びその利用 Pending JP2022124984A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021065516 2021-02-16
JP2021065516 2021-02-16

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022124984A true JP2022124984A (ja) 2022-08-26

Family

ID=82942026

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021075405A Pending JP2022124984A (ja) 2021-02-16 2021-03-10 リパーゼ活性阻害剤及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022124984A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115487108A (zh) * 2022-09-16 2022-12-20 上海优萃生物科技有限公司 一种具有抗氧化活性的半胱天冬酶-1活性抑制剂及其应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115487108A (zh) * 2022-09-16 2022-12-20 上海优萃生物科技有限公司 一种具有抗氧化活性的半胱天冬酶-1活性抑制剂及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hussain et al. Potential herbs and herbal nutraceuticals: food applications and their interactions with food components
Kreft Buckwheat phenolic metabolites in health and disease
US9345732B2 (en) Agents derived from Holoptelea integrifolia and their compositions for the control of metabolic syndrome and associated diseases
JP2005060334A (ja) リパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満剤
JP2003342185A (ja) リパーゼ活性阻害剤
Bogdanov Pollen: Nutrition, functional properties, health
JP4432069B2 (ja) 肥満抑制剤
Mahomoodally et al. Nutritional, medicinal and functional properties of different parts of the date palm and its fruit (Phoenix dactylifera L.)–A systematic review
Halaby et al. Protective and curative effect of garden cress seeds on acute renal failure in male albino rats
AU2006347122B2 (en) Antiobesity composition containing component originating in the bark of tree belonging to the genus Acacia
JP2018080148A (ja) 更年期症状の予防及び/又は改善組成物
JP5309292B2 (ja) リパーゼ阻害剤
JP2022124984A (ja) リパーゼ活性阻害剤及びその利用
JP2013184974A (ja) メイラード反応抑制剤及びその利用
KR102470155B1 (ko) 용쑥 및 서양민들레를 포함하는 체중 또는 체지방 감소용 경구용 조성물
Chakraborty et al. Utilization of various seeds: A review
JP2019034920A (ja) Pde5活性阻害剤
Akabari et al. Ethanopharmacology, Phytochemistry, Pharmacology and Toxicology of Moringaceae Family: A Review.
JP6981641B2 (ja) Pde5活性阻害剤
JP7296611B2 (ja) 一酸化窒素産生促進剤
JP4626081B2 (ja) 膵臓リパーゼ阻害剤
JP5608877B2 (ja) むくみ予防剤及び経口組成物
JP4310567B2 (ja) 血中脂質改善剤
KR20160059152A (ko) 엉겅퀴 잎 추출물을 유효성분으로 함유하는 항비만 조성물
Tan et al. Phytonutrients and antioxidant properties of rice by-products

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240305