JP2019034920A - Pde5活性阻害剤 - Google Patents

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勉 野崎
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Abstract

【課題】 EDの予防や改善に有効利用し得る副作用のない天然物由来のPDE5活性阻害剤を開発し、これを産業上有用に活用できる態様の組成物として提供する。【解決手段】グァバ等のバンジロウ属に属する植物を水及び/又は親水性有機溶剤を用いて抽出したエキス又は精製物を含有するPDE5活性阻害剤、更にはこのPDE5活性阻害剤を含有する飲食品等の経口組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の植物を原料として使用したPDE5活性阻害剤及びその利用に関するものである。より詳細には、グァバ等のバンジロウ属に属する植物を含有してなるPDE5活性阻害剤及びこれを用いた経口組成物に関する。
近年、中高齢者人口の増加に伴い、陰茎勃起機能不全症(ED)患者が増加している。1998年に行われた疫学調査では日本国内のED患者数が推計1,130万人、40歳以上の男性の3人に1人が該当すると報告されている(非特許文献1)。ストレス等による交感神経活性化による海綿体血液流入の低下、加齢や生活習慣病による血管障害による海綿体血液流入の低下、グアニル酸シクラーゼ活性の低下、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)活性の亢進等のいずれか又はこれらが複合して起こることによりEDを発症するとされているため、今後も高齢者人口の増加に伴いED患者数が増加すると考えられている。
陰茎勃起は陰茎海綿体平滑筋が弛緩し、海綿体洞内に血液が貯留(充血)して起きる。海綿体平滑筋には一酸化窒素(NO)を神経伝達物質とするNO神経が分布し、性的刺激によりNOが遊離される。遊離されたNOは平滑筋細胞内でグアニル酸シクラーゼを活性化し、cGMPを増加させ、その結果平滑筋が弛緩し、勃起が起こる。
ED改善のために、PDE5活性阻害(以下単にPDE5阻害ということがある。)作用を有する物質が使用されている。PDEは1〜11まで11種類のファミリーが確認されており、cAMP及びcGMPを加水分解することにより、細胞内のシグナル伝達を調節する酵素である。その中でも、PDE5は、陰茎海綿体に豊富に存在するcGMPに特異的な酵素である。このcGMPの不活性化作用を抑制することにより、NOによって増加したcGMPの分解を妨げかつcGMP濃度を高めて、海綿体平滑筋を弛緩させ局所的な血流量を増大させることによりEDを改善することが可能となる。
現在ED改善のために使用されているPDE5阻害薬は、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルが挙げられるが、これらの副作用として血圧降下によるめまい、頭痛や顔のほてり、又はPDE6阻害による青視症等があり、特に狭心症や重度の心血管系障害等の治療のために硝酸剤やNO供与剤を服用している人に対しては急激な血圧降下により死に至ることがあるため禁忌である。これらPDE5阻害薬の副作用の発生率については、バイアグラ(シルデナフィル)は、1回投与量が25mg、50mg、及び100mgで30〜40%、シアリス(タダラフィル)は同2.5〜20mgで約30%、及びレビトラ(バルデナフィル)は同5〜20mgで約30%と報告されている(非特許文献2〜4)。
PDE5阻害はED改善のみならず、他の疾病の予防にも効果的である。例えば、PDE5阻害薬は前立腺肥大症の治療や肺高血圧症の治療にも使用されている。また、血流改善作用や炎症・酸化ストレス抑制作用が認められている。そのため、PDE5阻害作用がある食品成分の日常的な摂取により、アンチエイジング効果や動脈硬化予防を期待することが出来る。
PDE5阻害作用を有する食品成分についてもこれまで研究されており、黒ショウガ中に含まれる5,7−ジメトキシフラボン(非特許文献5)、イカリソウに含まれるイカリイン(非特許文献6)等が報告されている。
トレハロース(特許文献1)、ビタミンC及びビタミンP(特許文献2)、アルギニン(特許文献3)等の食品成分をPDE5阻害剤と組み合わせた経口摂取物が提案されているが、これらの食品成分は単独でPDE5阻害作用を有するという報告は見当たらない。又、アルギニンを高含有する滋養強壮飲料(特許文献4)、卵白加水分解物(特許文献5)等の血管内皮細胞でのNOを増加させることによる男性機能改善剤が提案されているが、内皮細胞由来のNOは陰茎勃起の維持に関与するとされていること(非特許文献7)、前述の硝酸剤やNO供与剤はED治療剤として使用されていないことから、内皮細胞由来のNOは直接EDの予防や改善に関与するものではないと考えられる。一方、PDE5は陰茎勃起及びその維持に関与するため、PDE5の阻害はED予防や改善に非常に重要である。
特開2012−197274号公報 特開2012−41337号公報 特開2010−163426号公報 特開2007−116939号公報 特開2011−173817号公報
丸井英二、わが国におけるEDの疫学とリスクファクター、2002年、医学のあゆみ、第201巻、第397頁〜第400頁 バイアグラ インタビューフォーム、第14版、ファイザー、2016年 シアリス インタビューフォーム、第5版、日本新薬、2015年 レビトラ インタビューフォーム、第14版、バイエル薬品、2016年 Prapapan Temkitthawon等、"Kaempferia parviflora,a plant used in traditional medicine to enhance sexual performance contains large amounts of low affinity PDE5 inhibitors"(オランダ)、2011年、J.Ethnopharmacol.、第137巻、第1437頁〜第1441頁 Hongxiu Ning等、"Effects of icari in on phosphodiesterase−5 activity in vitro and cyclic guanosine monophosphate level in cavernous smooth muscle cells"(オランダ)、2006年、Urology、第68巻、第1350頁〜第1354頁 佐々木春明等、男性機能障害、2016年、昭和学士会誌、第76巻、第133頁〜第139頁
前記薬剤はPDE5阻害作用を有するものの副作用があり、医師の指導のもとに用法用量を守らなければならない制限があった。又、食品から分離した前記成分は実際的には効果が低かったり、実用的ではない摂取条件下での実験結果に基づくものであったり、あるいは通常の食事形態において多量に摂取しなければならず、いずれも十分に満足できる効果を発揮し得るものではなかった。
かかる現状に鑑み、本発明では、EDの予防や改善に有効利用し得る天然物由来のPDE5活性阻害剤を開発し、これを産業上有用に活用できる態様の組成物として提供することを課題とした。
前記課題を解決するために、本発明者らは、前述のPDE5活性を抑制する作用のある各種素材について鋭意検討した結果、グァバ等のバンジロウ属に属する植物がPDE5活性を極めて強力に抑制し得ること、又、これを飲食品等の経口組成物として有効利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の特徴は、バンジロウ属に属する植物を有効成分としてなるPDE5活性阻害剤にある。このPDE5活性阻害剤において、バンジロウ属に属する植物はグァバであることが望ましい。
前記PDE5活性阻害剤は、前記グァバ等のバンジロウ属に属する植物を水及び/又は親水性有機溶剤を用いて抽出したエキス又はその精製物を含有することがより望ましい。
前記PDE5活性阻害剤は、前記グァバ等のバンジロウ属に属する植物を水及び/又は親水性有機溶剤を用いて抽出したエキスとして用いることがさらに望ましい。
本発明の他の特徴は、前記PDE5活性阻害剤を含有してなる経口組成物にある。この経口組成物は飲食品であることが望ましい。
本発明の他の特徴は、前記PDE5活性阻害剤あるいは経口組成物がEDを予防するためのものである点にある。
本発明のさらなる他の特徴は、バンジロウ属に属する植物、望ましくはグァバ葉を水及び/又は親水性有機溶剤で抽出処理して得られるエキスを有効成分として含有せしめるPDE5活性阻害剤の製造方法にある。
本発明のさらなる他の特徴は、バンジロウ属に属する植物、望ましくはグァバ葉を水及び/又は親水性有機溶剤で抽出処理して得られるエキスを経口投与することを特徴とする、PDE5活性阻害を介したEDの発生を予防する方法にある。
本発明のさらなる他の特徴は、EDを予防するために前記PDE5活性阻害剤あるいは経口組成物を経口投与又は摂取する方法にある。
本発明に係るグァバ等のバンジロウ属に属する植物、その抽出物とりわけ親水性成分を含む該抽出物は、これを経口摂取することにより、日常の生活習慣や加齢にともなって生じるEDを顕著に予防する効果を奏する。
また、本発明によれば、従来のED治療薬にて問題となっていた副作用がなく、医師の指導等が不要で、適量で確実な効果をもたらす、EDの予防や改善に有効利用し得る天然物由来のPDE5活性阻害剤提供することが可能となった。
以下に本発明を詳細に説明する。先ず、本発明のPDE5活性阻害剤は、バンジロウ属(Psidium)に属する植物あるいはその抽出物を有効成分として含有してなるものである。バンジロウ属に属する植物はフトモモ科に分類され、本発明に係るものは種々あるが、その代表例としてグァバ(学名:Psidium guajava L.)を挙げることができる。グァバは熱帯アメリカ地方から世界の熱帯及び亜熱帯地方に広められ、日本では沖縄、鹿児島地方の一部にて栽培されている。
バンジロウ属に属する植物の例としてPsidium guajava L.:グァバ、Psidium littorale:キバンジロウ、Psidium galapageium:グアヤビロ、Psidium friedrichsthalianum:コスタリカバンジロウ、Psidium araca:ブラジルバンジロウ等を挙げることができる。本発明においてグァバ、キバンジロウは好適な原料であり、グァバが最も望ましい。
本発明において、原料として用いるグァバ等のバンジロウ属に属する植物は、生の植物体あるいはその乾燥物を使用することができるが、その部位は葉が望ましく、その態様は葉に乾燥、細断あるいは粉砕等の加工処理を適宜に施したものが望ましい。
前記抽出処理にあたって、抽出溶媒としては水、親水性有機溶剤又はこれらの混合溶剤を用いるのがよい。親水性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級一価アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、エーテル、石油エーテル、酢酸エチル及びこれらの含水物や混合物を例示することができる。本発明の所望の効果を奏するためのエキスを効率的に得るには、エタノール、アセトン、及びこれらの含水物を抽出用溶媒とすることが望ましい。なお、該含水物の水分含量は、例えば、エタノールの場合では1〜99質量%、より好ましくは10〜50質量%であり、アセトンの場合には1〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。これらの範囲を外れると本発明の所望の効果が減少し又はエキスの収量が低下する。又、本発明に係る精製物を簡便かつ効率的に得るには、例えば、含水エタノール又は含水アセトンで抽出し、該抽出物(エキス)を採取するのがよい。
抽出処理は前記原料に対して1〜100質量倍程度の抽出溶媒を加え、常圧もしくは加圧下、常温又は加熱状態で、適宜に攪拌して10分〜数日間抽出処理する。ついで不溶物を濾過又は遠心分離して除き本発明に係るエキス液を得ることができ、さらに該エキス液から減圧蒸留、噴霧乾燥、凍結乾燥等の公知の手段で溶媒を除去することによって本発明に係るエキスを得ることができる。又、このエキスを吸着剤(シリカゲル、ケイ酸マグネシウム、イオン交換樹脂、活性アルミナ、セルロース、活性炭等)による分画、溶剤分別、これらの組み合わせ等の公知の精製処理に供することによって精製物を得ることができる。本発明ではいずれの処理物も使用することができるが、後述する用途の利便性や本発明の効果の点から前記のエキスあるいはその精製物が望ましい。
本発明に係る原料を前述のように処理して得られる生成物は、量的な差はあるものの多種多様な成分を含有する複雑な組成物であり、ポリフェノール類、タンニン類、ビタミン類、ミネラル類、各種水溶性成分(多糖、オリゴ糖、単糖、蛋白、ペプチド、アミノ酸、これらの複合体など)を含んでいる。
本発明のPDE5阻害剤は、バンジロウ属植物の前記処理物を有効物質として用いて、これに必要に応じて公知の賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、希釈剤等、例えば、糖類、糖アルコール類、澱粉類、セルロース類、第二リン酸カルシウム、マイカ、タルク、精製水、エタノール等を適量混合して、固体状、粉末状、ペースト状又は液体状の形態に加工することができる。又、前述したような公知のPDE5阻害作用のある物質や抽出物を適宜併用してもよい。本発明のPDE5阻害剤におけるバンジロウ属植物の前記処理物の含量は、その形態の違い等により一律には規定し難いが、約0.1質量%〜100質量%であり、より好ましくは約10質量%〜約80質量%である。約0.1質量%を下回ると本発明のPDE5阻害剤又は経口組成物において所望の効果を発現しなくなることがある。
次に、本発明の経口組成物は、前記PDE5阻害剤をそのまま経口組成物としても差し支えないが、適宜に、通常の飲食品、医薬品、医薬部外品、動物用飼料等に利用される公知の添加物を併用して、常法により含有せしめて組成物となすことが望ましい。ここで、公知の添加物としては、前記の各種製品に配合され得るものであって本発明の趣旨に反しないものであればよく、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤剤、流動化剤、保存剤、界面活性剤、安定剤、希釈剤、溶解剤、等張化剤、殺菌剤、防腐剤、矯味剤、矯臭剤、着色剤、香料等の添加物質を使用することができる。
本発明においては、前記PDE5阻害剤をそのままの形態で飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料、その他産業分野の様々な製品として利用することができ、あるいは、かかる製品の配合原料の一部として使用する態様でも利用できる。とりわけ前述のEDを予防するための経口組成物として利用することが好ましく、この経口組成物の最も好適な態様は飲食品である。この例を以下に述べるが、本発明はこれにより限定されるものではない。
飲食品の具体例としては、野菜ジュース、果汁飲料、清涼飲料、茶等の飲料類、スープ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、ケーキプレミックス製品、菓子類、ふりかけ、味噌、醤油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、植物性クリーム、焼肉用たれや麺つゆ等の調味料、麺類、うどん、蕎麦、スパゲッティ、ハムやソーセージ等の畜肉魚肉加工食品、ハンバーグ、コロッケ、ふりかけ、佃煮、ジャム、牛乳、クリーム、バター、スプレッドやチーズ等の粉末状、固形状又は液状の乳製品、マーガリン、パン、ケーキ、クッキー、チョコレート、キャンディー、グミ、ガム等の各種一般加工食品のほか、粉末状、顆粒状、丸剤状、錠剤状、ソフトカプセル状、ハードカプセル状、ペースト状又は液体状の栄養補助食品、特定保健用食品、機能性食品、健康食品、濃厚流動食や嚥下障害用食品の治療食等を挙げることができる。これらのうち、本発明に係る有効成分を高濃度に配合でき、本発明の効果をより確かに実感するためには、粉末状、顆粒状、錠剤状、カプセル状、液体状等の栄養補助食品、特定保健用食品、機能性食品又は健康食品が望ましい。
これらの飲食品を製造するには、本発明のPDE5阻害剤と公知の原材料を用い、あるいは公知の原材料の一部を本発明のPDE5阻害剤で置き換え、常法によって製造すればよい。例えば、本発明のPDE5阻害剤を、必要に応じてグルコース(ブドウ糖)、デキストリン、乳糖、澱粉又はその加工物、セルロース粉末等の賦形剤、ビタミン、ミネラル、動植物や魚介類の油脂、蛋白(動植物や酵母由来の蛋白質、その加水分解物等)、糖質、色素、香料、酸化防止剤、界面活性剤、その他の食用添加物、各種栄養機能成分を含む粉末やエキス類等の食用素材とともに混合して粉末、顆粒、ペレット、錠剤等の形状に加工したり、常法により前記例の一般加工食品に加工処理したり、これらを混合した液状物をゼラチン、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース等の被覆剤で被覆してソフトカプセルに成形したり、あるいは飲料(ドリンク類)の形態に加工して、栄養補助食品や健康食品として利用することは好適である。
かかる飲食品における本発明のPDE5阻害剤の含有量は、飲食品の形態、本発明のPDE5阻害剤の形態及び有効成分の含量、併用する配合原料の種類、成分、配合量等の違いにより一律に規定し難いが、本発明に係るエキス(バンジロウ属に属する植物の水及び/又は親水性有機溶剤による抽出エキス)に換算して約0.01質量%〜約90質量%、より好ましくは約1質量%〜約50質量%である。約0.01質量%を下回るような飲食品では前記エキスによる所望効果を期待するために多量の当該飲食品を摂取しなければならず、一方、前記エキスの含量が約90質量%を超えると実用的な飲食品を製造することが困難になる場合がある。
本発明の飲食品の利用にあたっては、ヒト成人の場合1日あたりの前記エキスの摂取量の目安を約10mg〜約1,000mg、好ましくは約30mg〜約500mg、より好ましくは約50mg〜約300mgとして任意の方法、例えば、食事の摂取と同時又は前後に、経口摂取、経管投与等の方法で体内に取り込むことができる。
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。各例において、%、部及び比率はいずれも質量基準である。
製造例1
グァバの生葉を天日乾燥した乾燥物を約5mm角以下のサイズに破砕し、これをさらに粉砕処理して200タイラーメッシュ通過の微粉末を調製した。このグァバ葉乾燥物の破砕片1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、水20Lを加えて還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から溶媒を減圧下に留去して褐色のグァバ葉由来の抽出物(試料A)を得た。
製造例2
製造例1で調製したグァバ葉乾燥物の破砕片1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、水/エタノール(3/1)混合溶媒20Lを加えて還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から溶媒を減圧下に留去して褐色のグァバ葉由来のタンニン含有抽出物(試料B)を得た。
製造例3
製造例1で調製したグァバ葉乾燥物の破砕片1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、水/エタノール(1/1)混合溶媒20Lを加えて還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から溶媒を減圧下に留去して褐色のグァバ葉由来のタンニン含有抽出物(試料C)を得た。
製造例4
製造例1で調製したグァバ葉乾燥物の破砕片1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、水/エタノール(1/3)混合溶媒20Lを加えて還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から溶媒を減圧下に留去して褐色のグァバ葉由来のタンニン含有抽出物(試料D)を得た。
製造例5
製造例1で調製したグァバ乾燥物1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、エタノール20Lを加え、還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から溶媒を減圧下に留去して褐色のグァバ葉由来の抽出物(試料E)を得た。
製造例6
グァバの果実を天日乾燥した乾燥物を約5mm角以下のサイズに破砕し、これをさらに粉砕処理して200タイラーメッシュ通過の微粉末を調製した。このグァバ果実乾燥物の破砕片1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、水/エタノール(1/1)混合溶媒20Lを加えて還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から溶媒を減圧下に留去して赤褐色のグァバ果実由来の抽出物(試料F)を得た。
製造例7
グァバの樹皮を天日乾燥した乾燥物を約5mm角以下のサイズに破砕し、これをさらに粉砕処理して200タイラーメッシュ通過の微粉末を調製した。このグァバ樹皮乾燥物の破砕片1Kgをステンレス製抽出釜に仕込み、水/エタノール(1/1)混合溶媒20Lを加えて還流下で5時間抽出処理した後、残渣を濾別して抽出液を得、該抽出液から溶媒を減圧下に留去して褐色のグァバ樹皮由来の抽出物(試料G)を得た。
試験例
前記製造例で得た各試料のPDE5活性阻害作用について以下に述べる方法で調べた。
試験例1:グァバ葉エキス末によるPDE5活性阻害作用(1)
PDE5活性阻害作用は、酵素としてPDE5A(human),(Recombinant)(Enzo Biochem社製)を用い、Cyclic Nucleotide Phosphodiesterase assay kit(Enzo Biochem社製)のプロトコルに従い実施した。検体は試料A、B、C、D及びEを終濃度1、10μg/mLとなるようにAssay Bufferに溶解した。検体10μL又は標準液40μLをキット付属の96ウェルハーフエリアプレートに加えた。検体を加えたウェルにcGMP基質(0.5mM)を20μL、PDE5Aを5μL及びAssay Bufferを加え全量を40μLとした。全てのウェルに5’−nuleotidaseを10μL加え、30℃で30分間インキュベートした。BIOMOL GREEN Reagentを100μL加え、30分間室温で静置し、620nmにおける吸光度を測定した。標準品により検量線を作成し、PDE5により産生された5’−GMP濃度を求めた。各試料のPDE5活性阻害率は、前記吸光度に基づいて、次の式すなわち〔{(コントロールの5’−GMP濃度)−(試料添加検体の5’−GMP濃度)}/(コントロールの5’−GMP濃度)〕×100から算出し、同時に実施した試料未添加(コントロール)の場合を0%としたときの相対値で示した(表1〜表3)。
この結果を表1に示す。表1のデータから、グァバ葉エキス末のうち水抽出エキス及び含水エタノール抽出エキスはPDE5阻害作用を有することを確認した。
Figure 2019034920
試験例2:グァバ葉エキス末によるPDE5活性阻害作用(2)
グァバ葉エキス末が濃度依存的にPDE5活性を阻害するか検討した。PDE5活性の測定は試験例1と同様の方法を用いて行った。なお、検体は試料Cを終濃度1、2、3、4、5、10μg/mLとなるようにAssay Bufferに溶解した。
この結果を表2に示す。表2のデータから、本発明に関わるグァバ葉エキス末は濃度依存的にPDE5活性を阻害することを確認した。更に、このデータを元にして50%阻害率を算出したところ、1.78μg/mLとなり、グァバ葉エキス末には非常に強いPDE5阻害作用があることが認められた。
Figure 2019034920
試験例3:グァバ葉、果実及び樹皮エキス末によるPDE5活性阻害作用
グァバ葉、果実および樹皮の各エキス末が濃度依存的にPDE5活性を阻害するか検討した。PDE5活性の測定は試験例1と同様の方法を用いて行った。なお、検体は試料C、FおよびGを終濃度1、10μg/mLとなるようにAssay Bufferに溶解した。
この結果を表3に示す。表3のデータから、本発明に関わるグァバ葉エキス末は果実および根と比較して最もPDE5活性を阻害することを確認した。
Figure 2019034920
試験例4:グァバ葉エキス末と他のED改善剤のPDE5活性阻害作用
本試験において、グァバ葉エキス末と比較する男性機能改善剤として、マカエキスパウダー(MACAXS(登録商標)−HC、TOWA CORPORATION社製)(比較試料1とする。)、BHN黒ウコンエキス末(ビーエイチエヌ社製、5,7−ジメトキシフラボン2%含有)(比較試料2とする。)及びシルデナフィル(Cayman Chemical社製)(比較試料3とする。)を用いた。PDE5活性の測定は試験例1と同様の方法を用いて行った。なお、検体の試料C、マカエキスパウダー及び黒ウコンエキス末は終濃度1、10μg/mLとなるように、シルデナフィルは終濃度0.01、0.1μg/mLとなるようにAssay Bufferに溶解して使用した。
この結果を表4に示す。表4のデータから、本発明に関わるグァバ葉エキス末は男性機能改善剤として知られているマカエキスパウダー及び黒ウコンエキス末に比べ非常に強いPDE5阻害率を示した。又、グァバ葉エキス末はPDE5阻害薬として使用されているシルデナフィルの1/10程度の阻害率であることが確認された。
Figure 2019034920
試作例1
試料A又は試料B又は試料C又は試料Dをカプセル充填機に供して、常法により1粒あたり内容量が250mgのゼラチン被覆ハードカプセル製剤を試作した。このカプセル製剤は経口摂取できる医薬品又は栄養補助食品として利用できる。
試作例2
市販の野菜ジュース1Lに、試料A又は試料B又は試料C又は試料D5gを加えて混合し、男性機能増強用野菜ジュースを試作した。これは元の野菜ジュースと比較して何ら遜色のないものであった。
試作例3
試料A又は試料B又は試料C又は試料D5.0Kgを化工澱粉(松谷化学(株)製、商品名:パインフロー(登録商標))3.5Kg、第三リン酸カルシウム0.3Kg、ビタミンB10.3Kg、ビタミンB20.3Kg、ビタミンB60.2Kg及びビタミンC0.4Kgとともに配合機に仕込み10分間攪拌混合した。該混合物を直打式打錠機に供給して直径7mm、高さ4mm、重量150mgのタブレットを作成した後、コーティング機でシェラック薄膜をコーティングして錠剤形状の食品を試作した。
本発明に係るグァバ等のバンジロウ属に属する植物、その抽出物とりわけ親水性成分を含む該抽出物を経口摂取することにより、日常の生活習慣や加齢にともない生じるEDを、副作用なしに顕著に予防する効果を奏することができる。
又、本発明は、該抽出物を含有する飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料、その他産業分野の様々な製品として有効利用できる。

Claims (10)

  1. バンジロウ属に属する植物を水及び/又は親水性有機溶剤からなる抽出溶媒で得られる抽出物であるPDE5活性阻害剤。
  2. 抽出溶媒が水及びエタノール混合溶媒である請求項1記載のPDE5活性阻害剤。
  3. 前記バンジロウ属に属する植物がグァバであることを特徴とする請求項1又は2記載のPDE5活性阻害剤。
  4. 請求項1〜3記載の前記PDE5活性阻害剤を含有してなることを特徴とする経口組成物。
  5. 態様が飲食品である請求項4記載の経口組成物。
  6. EDを予防するためのものである請求項1又は2記載のPDE5活性阻害剤あるいは請求項3又は4記載の経口組成物。
  7. バンジロウ属に属する植物を水及び/又は親水性有機溶剤を用いて抽出したエキスを有効成分として含有せしめることを特徴とするPDE5活性阻害剤の製造方法。
  8. 抽出溶媒が水及びエタノール混合溶媒である請求項7記載のPDE5活性阻害剤。
  9. 前記バンジロウ属に属する植物がグァバであることを特徴とする請求項7又は8記載のPDE5活性阻害剤の製造方法。
  10. EDを予防するために請求項1〜3記載のPDE5活性阻害剤あるいは請求項4又は5記載の経口組成物を経口投与又は摂取する方法。
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