JP2006103292A - 感熱記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カール防止機能を有し、水分散感熱発色インキを用いて形成される感熱記録媒体の製造コストを安価にする。
【解決手段】 感熱記録媒体1の構成を、基材2と、前記基材の表面に設けられたインキ受理層3と、前記インキ受理層3は、少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを含浸可能であって、版を用いた印刷法により前記水分散インキを前記インキ受理層3に含浸させて前記インキ受理層3と一体的に形成された感熱発色層4と、前記基材2の裏面に少なくとも樹脂成分を含有する裏面層6とを備え、この裏面層を前記印刷法と同じ印刷法で形成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、感熱記録媒体およびその製造方法に関する。
従来、1枚の感熱記録媒体で複数のフォームを実現する多色感熱記録媒体が知られている。この多色感熱記録媒体は、異なる発色温度で異なる色調を発色させる少なくとも2つの感熱発色層を紙等の基材上に積層して形成した記録媒体であり(例えば、特許文献1参照)、通常、高温での加熱により所定の色に発色する高温発色層を下層とし、低温での加熱により所定の色に発色する低温発色層を上層としている。
このような多色感熱記録媒体をサーマルヘッドで加熱して印字を行なった場合、加熱温度を変えることにより異なった色調の画像が得られる。例えば、低温で加熱した場合には青色に発色し、高温で加熱した場合には黒色に発色するという具合である。
このような多色感熱記録媒体における問題点としては、混色の問題と、高温で発色する感熱発色材料の感度を上げることができないという問題とがある。“混色”とは、高温加熱時においてもサーマルヘッドの加熱ドットの周辺は温度が低下するので、印字範囲の輪郭部分の周辺が低温で加熱したときの色に発色し、輪郭部分の周辺において低温で発色する色と高温で発色する色との2色に発色することである。複数のフォームを1つの多色感熱記録媒体で実現するには、この混色が避けられない。また、“高温で発色する感熱発色材料の感度を上げることができない”とは、高温で発色する感熱発色材料と低温で発色する感熱発色材料とに発色温度の差をつける必要が生じるので、高温側の感熱発色材料の発色温度を上げなければならず、つまり、発色感度を低下させなければならない。
このような問題を解決するために、異なった色相に発色する2色以上の感熱発色層を基材上に部分的に形成し、これを発色させる画素のみ選択的に加熱して多色画像を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
基材上に感熱発色層を部分的に形成する場合において、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて感熱インキを塗工すれば、複数色の感熱発色層をストライプ状に形成することは可能である。このような構成において、各ストライプ状に形成された感熱発色層ごとに異なる発色をさせることができる。
一方、ストライプ状以外のパターン、文字、記号等の特殊な形状の感熱発色層は、凸版、凹版、孔版等の版を用いた印刷法により形成することができる。
また、感熱発色層を形成する他の方法としてインクジェット方式を用いる場合が想定されるが、感熱発色層の発色濃度が十分に得られる塗工厚に形成するには、通常のインクジエット記録ヘッドを用いる方法では、インク吐出量が、1ノズル当たり数10ピコリットル程度と微少量であり、一回の塗工では塗工厚が十分に得られないので所定の発色濃度を得ることが困難であると考えられる。そのため所定の塗工厚を得るためには複数回の塗工が必要となり、工程が複雑になって感熱記録媒体の製造コストが高価になるという問題がある。これに対し、凸版、凹版等の版を用いた印刷法によれば、一回の塗布量で所定の膜厚を得ることができる。
通常、感熱記録媒体の作製に用いられる感熱インキとしては、水に、電子受容性化合物として、例えば、顕色剤、電子供与性化合物として、例えば、ロイコ染料、増感剤等の顔料成分を界面活性剤等の分散剤を用いて分散させた水分散感熱インキが広く使用されている。
この水分散感熱インキを、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて塗工した場合には、基材上に均等な膜厚に塗工できる。
しかし、凸版、凹版、孔版等の版を用いた印刷法で水分散感熱インキを基材上に印刷して感熱発色層を形成する場合において、通常の印刷物を形成する印刷法に比べて、所定濃度を得るためには印刷膜厚を大幅に厚く形成する必要があるために、水分散感熱インキが塗布された感熱記録媒体をオーブンなどに入れて加熱して乾燥させた場合には、縞模様が発生することが本発明者によって確認された。この縞模様は、印刷時に版と基材とが離反したとき、水分散感熱インキが滑らかに広がらずに波打ち状態になる、いわゆる「泳ぎ」と呼ばれる現象である。この現象は、顔料を含有する水分散感熱インキが有する性質のために生じやすいと考えられる
このような現象が発生した感熱発色層が形成された感熱記録媒体にサーマルヘッドなので画像を形成すると、その画像には縞模様に対応する部分が濃度ムラとなって現れ、画像品質が低下するという問題が生じる。
一方、水分散感熱インキに代えて、有機溶媒中に、顕色剤、ロイコ染料等を分散させた有機溶媒系感熱インキを用いた場合には、印刷された有機溶媒系感熱インキは水分散感熱インキに比べてレベリング性が良く、縞模様の発生は生じにくい。しかし、有機溶媒は、感熱インキの構成成分として用いられる顕色剤、ロイコ染料等の物質を溶解しやすく、地肌かぶりを起こし易いという問題や、地肌かぶりを少なくしようとすれば使用できる顕色剤やロイコ染料等の種類が限定されるので、種々の色を発色させる材料の選択範囲が制限され、カラー化が困難になることやコスト高になるという問題がある。
そこで、本出願人は、上記した有機溶媒系感熱インキの有する問題点を解決し、水分散感熱インキを用いた感熱記録媒体を形成する方法として、基材上に水分散感熱インキを含浸させ、所定濃度を確保するための膜厚を保持するためのインキ受理層を設け、いわゆる「泳ぎ」の現象を問題ないレベルに低減する発明を特願2004−72635号で提案した。
感熱発色層は、サーマルヘッド等からの熱エネルギーを表面側から供給を受けて発色するので、水分散感熱インキはインキ受理層の内部に浸透するのではなく、できるだけ表面側に存在することが望ましい。すなわち、インキ受理層内部の奥深く浸透した水分散感熱インキは、インキ受理層の比較的表面側に存在する水分散感熱インキに比べて表面側からの熱エネルギーが届かないので、発色にあまり寄与しない。したがって、水分散感熱インキを印刷法でインキ受理層に印刷して形成した感熱発色層は、期待するほどの発色濃度を得られない場合がある。また、期待する濃度を得ようとする場合、印加する熱エネルギーを増やす必要がある。発色感度が悪いとインキ受理層の表面の凸凹によるサーマルヘッドからの熱エネルギーの伝達量変化を受けやすく、印字結果としてボイドが発生しやすい問題があった。
この問題を解決するため、本出願人は印刷法で形成した感熱発色層上に、発色補助層を形成し、十分な発色濃度、発色感度が得られる発明を特願2004−72636号で提案した。
この本出願人発明の感熱記録媒体の製造方法は、基材上にブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いてインキ受理層を形成した後、凸版、凹版、孔版等の版を用いた印刷法で、感熱発色層をインキ受理層と一体的に形成し、更にブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて、発色補助層を形成している。この製造方法は塗工装置→印刷装置→塗工装置と3度製造装置を使用する複雑な工程となる問題点があった。また工程が複雑なために、感熱記録媒体の製造コストが高いという問題点があった。
そこで更に、この問題を解決するため、本出願人は、版を用いた印刷法でインキ受理層に少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた前記第1の水分散インキを印刷する工程と、この工程の後に少なくとも電子受容性化合物もしくは感熱感度を向上させる増感剤の一方または両方を含む第2の水分散インキを前記印刷法により印刷し感熱記録媒体を形成することで、感熱記録媒体を作製した場合に、製造方法を簡素化し、感熱記録媒体の製造コストを安価にする発明を特願2004−143883号で提案した。
特開昭57−178791号公報 特開昭60−208283号公報 特開2000−301835号公報
通常、感熱紙は基材となる紙の片面に、少なくとも感熱発色層を形成するため、感熱発色層を形成した面が収縮する応力が発生し、感熱発色層を形成した面側に丸まる現象(カール)が発生する。このため一般的に感熱紙では、感熱発色層を形成した面の反対側の面(裏面)に感熱発色層側の応力とバランスを取るための裏面層を形成している。この裏面層の形成工程は、紙の表面にアンダーコート層、感熱記録層、保護層と感熱記録媒体として必要な層を全て形成した後に、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リップコーター等の塗工装置を用いて、裏面層を形成している。この工程を特願2004−143883号に示したような工程を用いて裏面層の形成工程を想定すると、塗工工程(インキ受理層の形成)→印刷工程(感熱発色層、発色補助層の形成)の工程の後に、上記に記載したように従来の塗工装置を用いて裏面層が形成されることなる。このため上記した従来方法と同様な工程で裏面層を形成すると、印刷工程と異なった塗工工程で裏面層の形成をしなければならないので工程が複雑になってしまう。
つまり、複数の印刷工程を行う場合は、1台の印刷装置に複数の印刷ユニットを連設し、一連の複数の工程を連続して流すことができるが、例えば、印刷工程と塗工工程が混在するとそれぞれの工程から他の工程に移行させる場合は、ロール状の記録媒体の巻出装置によりロール紙を送り出して、印刷工程が終了後、巻取装置で記録媒体を巻取りを行った後、更に巻出装置から始まる他の工程に移行させる必要があり工程が複雑になってしまうからである。
本発明の目的は、版を用いた印刷法によりインキ受理層と一体的に形成する感熱発色層の印刷工程と同様な工程で基材の裏面にカール防止のための裏面層を形成する方法を提供し、感熱記録媒体の製造工程を簡単にすることにある。
感熱記録媒体の構成を、基材と、前記基材の表面に設けられたインキ受理層と、前記インキ受理層は、少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを含浸させるものであって、版を用いた印刷法により前記水分散インキを前記インキ受理層に含浸させて前記インキ受理層と一体的に形成された感熱発色層と、前記基材の裏面に少なくとも樹脂成分を含有する裏面層とを備えるようにした。
また、その感熱記録媒体の製造工程として、基材表面に版を用いた印刷法により形成したインキ受理層に、少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを含浸させてインキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、前記基材の裏面に少なくとも樹脂成分を含有するインキを前記印刷法により裏面層を形成する印刷工程を有するようにした。
本発明によれば、裏面層を感熱発色層、発色補助層と同印刷法で連続的に印刷する工程を有する。つまり裏面層を感熱発色層と発色補助層と同一の印刷装置で形成できる。このようにカール防止機能を有する感熱記録媒体の製造コストを安価にすることができる。
本発明の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。
図1には、本発明による感熱記録媒体1の平面図を示し、図2には、図1のA−A線断面図を示す。基材2の表面にインキ受理層3が形成され、インキ受理層3には、例えば、インキ受理層3中にそれぞれに異なる色に発色する感熱発色層(青色)4a、感熱発色層(黒色)4bおよび感熱発色層(赤色)4cが、インキ受理層3に含浸されてインキ受理層3と一体的に形成されている。
また、基材2の裏面には裏面層6が形成されている。基材2の一面に形成されている感熱発色層4の膜応力のために、図5に示すようにカールするためにカールを防止するために形成されているものである。
なお、このような製造方法により製造された感熱記録媒体1は、基材2と、基材2の表面に形成されたインキ受理層3と、インキ受理層3中に形成された発色色相がそれぞれ異なる感熱発色層4a、4bおよび4cと、発色補助層5と基材の裏面に形成された裏面層6により成っている。この感熱記録媒体1を用いることにより、図3に示すように、例えば、各感熱発色層4a、4bおよび4cに、広告の品、バーコードおよび値段等を異なる色で印字することが可能である。
次に上記した感熱記録媒体1の製造方法について説明する。
本発明の実施に用いた塗工装置および印刷装置を図4に示す。まず基材2表面にインキ受理層3を塗工装置9により形成する。ロール状の基材2を巻出装置12により塗工ユニット13に送り出し、塗工ユニット13によりインキ受理層3が基材2表面に塗工され、その後、巻取装置14により基材2は、ロール状に巻き取られる。乾燥後の重量として1〜50g/m、好ましくは3〜10g/m塗布し形成する。塗工装置としては、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等を用いることができる。なお、上記したようにインキ受理層3は、基材2表面に塗工装置を用いて形成されるが、この塗工装置は、一般的に大がかりである。そのために製造工程が簡単にするために、例えば、この感熱記録媒体1を製造する場合に、塗工装置を有している専業メーカ等に、カスタム仕様等でインキ受理層3が形成された基材の制作をさせて、そのカスタム仕様等で制作された基材をベースに感熱記録媒体1を製造することも可能である。
次に、印刷装置としてグラビア印刷装置10を用いて、感熱発色層4を形成する。
まず、インキ受理層3が形成されたロール状の基材2を巻出装置15よりグラビア印刷ユニットに基材2を送り出す。グラビア印刷ユニット16からグラビア印刷ユニット18により、インキ受理層3中に連続して感熱発色層4a、4b、4cがそれぞれ、基材2表面に部分的に形成される。乾燥後の重量として1〜50g/m、好ましくは3〜10g/mをインキ受理層3上に部分的に印刷し、インキ受理層3中に感熱発色層4a、4b、4cを形成する。さらに、必要に応じて発色補助層5が必要に応じてグラビア印刷ユニット19により形成される。なお、この発色補助層5は、上記インキ受理層3に含浸された感熱発色層4の発色感度を上げるために必要に応じて形成される。もちろん、感熱発色層4の発色感度が実用上十分である場合は、この発色補助層5を形成する必要はない。
次に裏面層6を連続してグラビア印刷ユニット20により基材2の裏面に、乾燥後の重量として0.1〜10g/m、好ましくは0.5〜5g/mを印刷し形成する。このように感熱発色層4および裏面層6を同一の印刷装置(ここではグラビア印刷装置)により連続して形成することが可能となり、製造工程を簡略化でき、裏面層6を有する異る色に発色する感熱記録媒体1を安価に製造できる。
その後、必要に応じて塗工装置11により、感熱発色層4もしくは発色補助層5の上に、乾燥後の重量が、例えば、1g/mとなる程度に保護層(図示しない)を形成する。塗工装置としては、エアナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等を用いることができる。また保護層を形成後、必要に応じてキャレンダー等により平滑化処理を行っても良い。
ここで上記した実施の形態において、基材2の裏面に裏面層6の形成工程を、感熱発色層4を形成後に行った場合について例示をしたが、これらの感熱発色層4や裏面層6は、同一の印刷装置で連続して形成することができるので、形成順序の制約はなく、適宜変更することができる。例えば、裏面層6を最初に形成した後、感熱発色層4を形成することができる。
ただし、基材2表面に感熱発色層4を形成した後に、基材2の裏面に裏面層6を形成した場合が、感熱記録媒体1のカール防止に最も効果が高いことが本発明者により実験的に確認されているので、裏面層6は、最終の印刷工程で形成することが好ましい。
また、ここではグラビア印刷法の場合を例示したが、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷方法も利用可能である。
次に、上記した感熱記録媒体1を形成する構成材料の詳細に説明する。
基材2としては、例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム、金属箔等が挙げられるが、本発明の目的を妨げないものであれば、これらに限定されるものではない。
インキ受理層3は、顔料を主成分として、顔料とバインダー樹脂とから構成されている。顔料としては、例えば、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ等の無機顔料や、スチレン系、スチレン・アクリル系、アクリル系等の樹脂のビーズ状、中空樹脂等の有機顔料が使用可能である。さらに、1次粒子が凝集した凝集体である多孔性顔料が好ましく、例えば、炭酸カルシウムや合成シリカ等が使用可能である。また、親水基である水酸基(−OH)を顔料に表面処理した親水性顔料がさらに効果があり、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン等が挙げられる。親水性顔料においても、1次粒子の凝集した凝集体からなる多孔性顔料となっているものが望ましく、例えば、親水性シリカ等が使用可能である。但し、本発明に使用される親水性顔料の材質は、これらに限定されるものではなく、親水基である水酸基(−OH)が顔料に表面処理されたもので、さらに好ましくは1次粒子の凝集した凝集体である多孔性顔料となっていれば本発明の目的を達成できる。
インキ受理層3に用いられるバインダー樹脂としては、水溶性高分子、水溶性高分子エマルジョンが利用可能である。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、セルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等が挙げられる。水溶性高分子エマルジョンとしては、スチレン・ブタジエン共重合体等のラテックスや、酢酸ビニル樹脂、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等が挙げられる。
また必要に応じて、インキ受理層3に、ステアリン酸亜鉛、ワックス等の滑剤や、ヒンダードフェノール類、また発色濃度が不足する場合に顕色剤等の添加剤を添加しても良い。
インキ受理層3のインキ作製は、まず、親水性顔料とバインダー樹脂、必要に応じて添加剤を水に分散混合して塗工液を作製する。この時、必要に応じて、ポリアクリル酸ソーダ、ヘキサメタクリル酸ソーダ、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の顔料分散剤や消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の各種添加剤を併用しても良い。
裏面層6は、バインダー樹脂を主成分として構成されている。バインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、セルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩等の水溶性高分子、スチレン・ブタジエン共重合体等のラテックスや、酢酸ビニル樹脂、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン樹脂等のエマルジョン等の水溶性高分子エマルジョンやポリエチレン類、塩素化ポリエチレン類、エチレン・酢酸ビニル共重合物、エチレン・アクリル酸・無水マレイン酸共重合物等のエチレン共重合物、ポリブタジエン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン類、ポリイソブチレン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリ酢酸ビニル類、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアセタール類、ポリビニルブチラール類、フッ素樹脂類、アクリル樹脂類、メタクリル樹脂類、アクリロニトリル共重合体類、ポリスチレン、ハロゲン化ポリスチレン、スチレンメタクリル酸共重合体類等のスチレン共重合体類、アセタール樹脂類、ナイロン66等のポリアミド類、ポリカーボネート類、セルロース系樹脂類、フェノール樹脂類、ユリア樹脂類、エポキシ樹脂類、ポリウレタン樹脂類、ジアリールフタレート樹脂類、シリコーン樹脂類、ポリイミドアミド類、ポリエーテルスルホン類、ポリメチルペンテン類、ポリエーテルイミド類、ポリビニルカルバゾール類、非晶質系ポリオレフィン等の樹脂が利用可能である。
これらは1種または2種以上を混合して用いることができる。
また必要に応じて、裏面層6に、ステアリン酸亜鉛、ワックス等の滑剤や、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム等の顔料を添加しても良い。
裏面層6の作製は、上述のバインダー樹脂を主成分としたインキを版を用いた印刷法により基材の裏面に形成される。
第1の水分散インキは少なくとも電子供与性化合物、バインダー樹脂を含有している。この第1の水分散インキを裏面層6作製の印刷法と同一の印刷方法、つまり同一の印刷装置により、インキ受理層3上に部分的に印刷し、感熱発色層4a、4b、4cを形成する。感熱発色層4a、4b、4cは、それぞれ発色色相が異なり、インキ受理層3中にインキ受理層3と一体的に形成されている。
電子供与性化合物としては、例えばロイコ染料が挙げられ、具体的には、<黒系>PSD−150、PSD−184、PSD−300、PSD−802、PSD−290(以上、日本曹達社製)、CP−101、BLACK−15、ODB、ODB2(以上、山本化成社製)、BLACK−100、S−205、BLACK−305、BLACK−500(以上、山田化学社製)、TH−107(以上、保土谷化学工業社製)、<青系>CVL、BLUE−63、BLUE−502(以上、山本化成社製)、BLUE−220(以上、山田化学社製)、BLUE−3(以上、保土谷化学工業社製)、<赤系>PSD−HR、PSD−P、PSD−O(以上、日本曹達社製)、Red−3、Red−40(以上、山本化成社製)、Red−500、Red−520(以上、山田化学社製)、Vermilion−DCF、Red−DCF(以上、保土谷化学工業社製)等の材料を使用可能である。また、一種類の材料ではなく混合して用いても良い。もちろん、これらの色以外の染料も使用可能である。
バインダー樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル等の樹脂ラテックス等の樹脂が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
その他必要に応じて、ワックス類、ナフトール誘導体、ビフェニル誘導体、ポリエーテル誘導体、炭酸ジエステル誘導体等の増感剤や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、炭酸カルシウム等のヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤、また発色濃度が不足する場合に顕色剤等を使用することが可能である。
第1の水分散インキは、まず、ロイコ染料(電子供与性化合物)、バインダー樹脂、必要に応じて増感剤やヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤、顕色剤(電子受容性化合物)、等の顔料を水に分散混合して、粘度、表面張力等の物性値を、使用する印刷装置に適合させてインキを作製する。この時、必要に応じて、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の変性樹脂や界面活性剤等の分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤等の各種添加剤を併用しても良い。
第2の水分散インキは、電子受容性化合物、発色感度を向上させる増感剤の一方または両方と、バインダー樹脂を含有している。この第2の水分散インキを裏面層6作製および第1の水分散インキの印刷法と同一の印刷方法、つまり同一の印刷装置により、感熱発色層4a、4b、4c上に印刷し、発色補助層5を形成する。
電子受容性化合物としては、例えば顕色剤が挙げられ、具体的には、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等の酸化物等が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
増感剤は、使用する電子受容性化合物や使用する電子供与性化合物により、理想的な材料が異なるが、電子受容性化合物および電子供与性化合物の結合による発色する感度を向上させる材料である。例えば、大日本インキ化学社製のHS−3520などを使用することができる。
バインダー樹脂としては、第1の水分散インキに関する説明部分で説明したバインダー樹脂と同じものを使用することができる。例えば、デンプン類、セルロース類、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル等の樹脂ラテックス等の樹脂が使用可能である。もちろん一種類の材料ではなく混合して用いても良い。
その他必要に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、炭酸カルシウム等のヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤等を使用することが可能である。
第2の水分散インキは、まず、電子受容性化合物(例えば、顕色剤)、増感剤の一方または両方と、バインダー樹脂を水に分散混合して、粘度、表面張力等の物性値を、使用する印刷装置に適合させてインキ作製する。このとき、必要に応じて、スルホン酸変性ポリビニルアルコール等の変性樹脂、界面活性剤等の分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、防腐剤、ヘッド磨耗防止剤、スティッキング防止剤等の各種添加剤を併用しても良い。
なお、上記に示した実施の形態において、基材2にインキ受理層3を形成後、電子供与性化合物および電子受容性化合物を含有した水分散インキをインキ受理層3に含浸させ、受理層3と一体的に形成した感熱発色層4を形成した感熱記録媒体1について説明したが、これに限ることなく、例えば、まず基材2に少なくとも電子受容性化合物を含有した受理層3を形成しておき、その後、少なくとも電子供与性化合物を含有した水分散インキを上記と同様に印刷法によって形成してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明の感熱記録媒体1の具体的な構成、製造方法を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、重量部を表わす。
<実施例1>
◎インキ受理層の形成
・焼成カオリン(インキ受理層3の顔料) 100部
(白石カルシウム社製、商品名:カオカル)
・親水性シリカ(インキ受理層3の顔料) 11部
(東ソー・シリカ社製、商品名:Nipsil E−220A)
・分散剤:ポリアクリル酸ソーダ 1部
・水 280部
上記組成物をホモジナイザーで分散し、親水性シリカの顔料分散液を作製した。そしてこの顔料分散液に、
・スチレン・ブタジエン共重合ラテックス 55部
(JSR社製、48%SBR分散液)
・リン酸エステル化デンプン 37部
(日本食品化工社製、商品名:MS−4600、20%水溶液)
を加え、ホモジナイザーで分散混合し、インキ受理層3の塗工液を作製した。
この塗工液を重量128g/mの基材(上質紙)2に、バーコーターで乾燥後の重量が8g/mとなるように塗布することにより、インキ受理層3を基材2上に形成した。
◎裏面層の形成
・アクリル系樹脂水溶液(固形分30%) 19部
(ジョンソンポリマー社製:Joncryl63 )
・界面活性剤剤(固形分10%) 1部
(アデカコールEC4500 、旭電化社製)
上記組成物を攪拌混合しインキを作製した。アクリル系樹脂水溶液だけでは表面張力が大きすぎ、印刷版にインキが入らないため、界面活性剤でインキの表面張力を約30mN/m(クルス社製、K12−Mk5表面張力計で測定)以下に調整した。
上述のインキを簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版150線、セル深さ24μmの電子彫刻版により上質紙の裏面に印刷し、感熱記録媒体1の裏面全面に裏面層6を作製した。
◎第1の水分散インキの印刷
・ロイコ染料分散液(固形分30%) 50部
青(CVL、山本化成社製)
黒(ODB−2、山本化成社製)
赤(Vermilion−DCF、保土谷化学工業社製)
ロイコ染料分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、ロイコ染料をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・顕色剤分散液(固形分40%) 75部
(D−8、中京油脂社製、商品名:F−647)
・増感剤分散液(固形分30%) 100部
(HS−3520、大日本インキ化学社製)
増感剤分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、増感剤をサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・滑剤分散液(固形分30%) 32部
(ステアリン酸亜鉛、中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30)
・再結晶防止剤分散液(固形分35%) 20部
(DH43、中京油脂社製、商品名:ハイドリンF−165)
・炭酸カルシウム分散液(固形分30%) 50部
(カルライトーKT:白石カルシウム社製)
炭酸カルシウム分散液は、水に分散剤としてゴーセランL−3266(日本合成化学工業社製)を5%用い、炭酸カルシウムをサンドミルで平均粒子径0.8μmになるように分散した。
・PVA10%溶液 53部
(クラレ社製PVA110)
・界面活性剤(固形分10%) 33部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
・水 25部
上述した青、黒、赤の各ロイコ染料分散液に対し、上述した顕色剤分散液、増感剤分散液、滑剤分散液、再結晶防止剤分散液、炭酸カルシウム分散剤、PVA10%溶液、界面活性剤、水を混合することにより、発色色相が青、黒、赤と異なる第1の水分散感熱インキを作製する。
各第1の水分散感熱インキの粘度は、30〜40cps(東京計器社製、E型粘度計で測定)、表面張力は約30mN/m(クルス社製、K12−Mk5表面張力計で測定)以下に調整した。特に凹版による印刷は、インキの表面張力が大きいと印刷版にインキが入らないため、界面活性剤等でインキの表面張力を小さくする必要がある。
この第1の水分散感熱インキを裏面層6を作製した簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版150線、セル深さ40μmの腐食版によりインキ受理層3上に印刷し、図2に示すような感熱記録媒体1(但し、この時点では、発色補助層5を設ける前)を作製した。この感熱記録媒体1において、4aが青色に発色する感熱発色層、4bが黒色に発色する感熱発色層、4cが赤色に発色する感熱発色層である。
◎第2の水分散インキの印刷
・顕色剤分散液(固形分40%) 37.5部
(D−8、中京油脂社製、商品名:F−647)
・バインダー樹脂溶液(固形分30%) 2.5部
(ハリマ化成社製、商品名:BI−103)
・水 117.5部
・界面活性剤(固形分10%) 8.7部
(アデカコールEC4500、旭電化社製)
上述の配合で作製した第2の水分散インキを、感熱発色層4(4a、4b、4c)の上に、第1の水分散感熱インキを印刷した簡易グラビア印刷機(松尾産業社製:Kプリンティングプルーファー)で、印刷版175線、セル深さ34μmの腐食版により印刷し、発色補助層5を形成した。
ここで、印刷状態の確認のため、作製した感熱記録媒体1を130℃のオーブン内に5分間放置し、感熱発色層4a、4bおよび4cを発色させたところ、印刷時の泳ぎは若干発生したが、泳ぎによる縞模様は発生せず、ほぼ均一な印刷面となった。
さらに、発色補助層5の上に保護層(OCA−5:日本化薬社製)をバーコーターにより乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布してサンプル(実施例1の感熱記録媒体)を得た。このサンプルを東芝テック製バーコードプリンタ:KP−50で、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字することができた。
また本実施例の感熱記録媒体1を20℃60%RHの環境下に24時間放置したところ、感熱記録媒体1はカールすることなく、平らな状態を保てた。
本実施例では裏面層6の形成に水溶性樹脂を用いたが、これに限定されるものではなく、水系エマルジョン樹脂や溶剤系の印刷用メジウムインキ等を用いても印刷による裏面層の形成が可能であり同様な効果が得られる。
<実施例2>
実施例2の感熱記録媒体1の構成は実施例1と同様であるが、製造工程が異なり、第2の水分散インキ印刷の後に裏面層6を印刷し形成した。つまり図4および図5に示すように発色補助層5を形成後、裏面層6を形成した。
発色補助層5の上に保護層(OCA−5:日本化薬社製)をバーコーターにより乾燥後の重量が1g/mとなるように塗布してサンプル(実施例1の感熱記録媒体)を得た。このサンプルを東芝テック製バーコードプリンタ:KP−50で印字したところ、印字部分で発色濃度ムラを生ずることなく印字できた。
また本実施例の感熱記録媒体1を20℃60%RHの環境下に24時間放置したところ、感熱記録媒体1はカールすることなく、平らな状態を保つことができた。
本実施例では裏面層6の形成に水溶性樹脂を用いたが、これに限定されるものではなく、水系エマルジョン樹脂を用いても良い。ただし実施例1とは異なり、感熱発色層4形成後に裏面層6を印刷により形成するため、溶剤系の印刷用メジウムインキ等を用いて印刷すると、溶剤が裏面から表面の感熱発色層4まで浸透し、感熱発色層4の発色成分を溶解させ、感熱発色層4が発色してしまうことから、感熱発色層4形成後に裏面層6を印刷により形成する製造方法では、水溶性樹脂、水系エマルジョン樹脂を用いることが好ましい。
<比較例1>
実施例1および2の裏面層6を形成しない感熱記録媒体1を作製した。つまり裏面層6が形成されていない以外は、実施例1および2の感熱記録媒体1と同様の構成で、製造方法も裏面層6の工程がない以外は全て同じである。
<カール性評価>
実施例1、2および比較例1の感熱記録媒体1のカール性を評価した。評価したサンプルの形状は105×148mmのサイズである。評価方法は温度20℃湿度60%RHの環境下に24時間放置、温度40℃湿度90%RHの環境下に5時間放置後のカールを評価した。カールの測定は、〔図6〕に示すように、片側を固定して基準面からの高さを測定し、0時間からのカールの度合いの変化を評価した。このとき、感熱発色層4の形成されている表面側にカールした場合はプラス「+」、裏面側にカールした場合はマイナス「−」と記すこととした。評価結果を、下記〔表1〕に示す。
Figure 2006103292
実施例1および2の感熱記録媒体1は、20℃60%RHの環境下に24時間放置した場合、比較例1と比べてもほとんどカールしておらず、本発明の製造方法でもカール防止機能を十分有している。また40℃90%RHの高湿の環境下では、全てカール度合いが大きくなっているが、実施例2は実施例1に比べ、カールの度合いが小さい。つまり、発色補助層5を形成した後に、裏面層6を形成した方がカール防止効果が高い。このため、裏面層6の製造工程は、感熱発色層4と発色補助層5の形成後が望ましい。
また、感熱記録媒体の作製においては十分な発色濃度が必要なことから、インキを多く塗布できる印刷方法が望ましい。グラビア印刷法は印刷法の中でも、インキを多く塗布できる印刷法であり、ロール紙(連続紙)に対応した印刷法で、さらに印刷状態の品質が非常に高い印刷法であることから、感熱記録媒体の製造方法に非常に適した印刷法である。
このように本発明では、塗工装置(アンダーコート層)→印刷装置→塗工装置(保護層)と製造工程を簡素化でき、さらに製造工程を簡素化できることから、カールし難い異なる色に発色する感熱記録媒体の製造コストを安価にすることができる。
本発明の一実施形態の感熱記録媒体の平面図である。 図1に示す感熱記録媒体のA−A線断面図である。 本発明の感熱記録媒体に印字がされた一例を示す図である。 本発明の感熱記録媒体の製造に用られる塗工装置およびグラビア印刷装置の模式図である。 感熱記録媒体のカール度合いの評価法を示す概略図である。
符号の説明
1 感熱記録媒体
2 基材
3 インキ受理層
4 感熱発色層
5 発色補助層
6 裏面層

Claims (6)

  1. 基材と、
    前記基材の表面に設けられ、少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを含浸可能なインキ受理層と、
    版を用いた印刷法により前記水分散インキを前記インキ受理層に含浸させて前記インキ受理層と一体的に形成された感熱発色層と、
    前記基材の裏面に形成され、少なくとも樹脂成分を含有する裏面層と、を備えた感熱記録媒体。
  2. 基材の表面に、少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを含浸可能なインキ受理層を形成する工程と、
    版を用いた印刷法により前記水分散インキを前記インキ受理層に含浸させて前記インキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、
    前記基材の裏面に少なくとも樹脂成分を含有するインキを前記印刷法により印刷し、裏面層を形成する工程と、を有する感熱記録媒体の製造方法。
  3. 少なくとも電子供与性化合物を含む顔料成分を水に分散させた水分散インキを含浸可能なインキ受理層が表面に設けられた基材に、
    版を用いた印刷法により前記水分散インキを前記インキ受理層に含浸させてインキ受理層と一体的に感熱発色層を形成する工程と、
    前記基材の裏面に少なくとも樹脂成分を含有するインキを前記印刷法により印刷し裏面層を形成する工程を有する感熱記録媒体の製造方法。
  4. 前記感熱発色層を形成する工程の後に、前記裏面層を形成する工程を有する請求項2または請求項3記載の感熱記録媒体の製造方法。
  5. 前記少なくとも樹脂成分を含有するインキが水系インキである請求項4記載の感熱記録媒体の製造方法。
  6. 前記印刷法がグラビア印刷法である請求項2乃至請求項5のいずれか1記載の感熱記録媒体の製造方法。
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