JP2006103027A - 積層シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 積層シートSは、多数の中空凸状部2a,3aを有する中間シート1の両面を、表面側シート4と裏面側シート5とで挟持するように積層されている。表面側シート4と裏面側シート5とは、互いに外周部4a,5aを湾曲させ、かつ、端面4b,5bを接合させている。
【選択図】 図1
Description
ハニカム構造体200は、例えば、円柱形状の中空凸状体を真空成形したシート状のものからなる。
プラパール300は、通称「段プラ」と呼ばれている段ボールプラスチックであり、剛性、耐水性、断熱性、防湿性および耐薬品性に優れ、軽量で、ダイオキシンを発生しないため環境性やリサイクル性など種々な点で優れている。
この食み出た外周部410は、次の工程で、図12(b)に示すように切断されて、積層シート100の外周部110が揃えられる。
なお、本発明の実施形態に係る積層シートは、設置したときの向きによって上下および表裏の方向が変わるが、便宜上、図1に示す上側を「表」、下側を「裏」として説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る積層シートの構造を示す要部拡大断面図である。図2は、本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、各部材を積層する前の状態を示す要部拡大分解斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、各部材を積層したときの状態を示す要部拡大分解斜視図である。
図1に示すように、積層シートSは、多数の中空凸状部2a,3aを有する薄板2,3からなる中間シート1の両面を、表面側シート4と裏面側シート5とで挟持するように積層してなる中空積層板である。積層シートSは、略有底円筒状の中空凸状部2a,3aの開口部2c,3cを表面側シート4と裏面側シート5とで密閉することにより、多数の気密室1b,1cが形成されている。また、積層シートSは、中空凸状部2a,3aの底面2b,3b同士を互いに接合し、表面側シート4と裏面側シート5とで中間シート1を覆うことによっても、気密室1aが形成される。これにより、積層シートSは、軽量化が図られ、剛性、耐水性、断熱性、および防湿性を備えている。
また、積層シートSを固定する手段は、特に限定されず、例えば、ビスやボルトなどが適用できる。
中間シート1は、いわゆるハニカム構造体を形成するものであり、下側に向けて突出した多数の中空凸状部2aを有する薄板2と、この薄板2と対称な形状で、上側に向けて突出した多数の中空凸状部3aを有する薄板3とを合致させて張り合わせてなる。中間シート1は、2枚の薄板2,3の中空凸状部2a,3aの底面2b,3bを張り合わせたことにより、多数の中空凸状部2a,3aが多数の気密室1b,1cを形成している。
ここで、ハニカム構造体とは、「Honeycomb」、つまり蜂の巣状の構造であり、小さい六角柱状(六角形の細かい穴)、円錐台形状、または、丸い円柱状(円柱形の細かい穴)のものを多数連続したパネル状のものをいう。
薄板2,3は、前記した中間シート1を形成するものであり、例えば、エンジニアリング・プラスチックス(略称エンプラ)、オレフィン系樹脂などから形成されている。なお、エンジニアリング・プラスチックスは、耐熱性、耐摩耗性、寸法安定性、電気特性などを備えた合成樹脂で、主要なものとして、ポリカーボネート、ポリアミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドなどがある。また、オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、TPO(PPとゴム成分の混合物)などが挙げられる。
各薄板2,3は、例えば、外壁面2d,3d側に開口部2c,3cがある円錐台形状の中空凸状部2a,3aを有する同一形状のシートからなり、互いに対応した位置に形成した各中空凸状部2a,3aの底面2b,3bを当接させて、この当接箇所を接着もしくは溶着などの態様で固着されている。薄板2の外面側には、表面側シート4が貼り付けられることにより、開口部2cが閉塞されて、多数の小室の気密室1bが形成されている。薄板3の外面側には、裏面側シート5が貼り付けられることにより、開口部3cが閉塞されて、さらに、多数の小室の気密室1cが形成されている。
薄板2,3の端面2e,3eの接合と、表面側シート4および裏面側シート5の端面4b,5bの接合とは、例えば、超音波溶着、熱溶着などによって行われる。
なお、積層シートSにおいて、外側に配置された表面側シート4および裏面側シート5の端面4b,5bが溶着されていれば、必ずしも薄板2,3の端面2e,3e同士は溶着しなくてもよい。
表面側シート4は、薄板2の外壁面2dに貼り付けられて、中間シート1の表面側を密閉した状態で覆うものであり、ポリプロピレン、エンジニアリング・プラスチックス、オレフィン系樹脂などから形成されたシートからなる。
表面側シート4と裏面側シート5とは、互いに向かい合う方向に外周部4a,5aを湾曲形成されて、端面4b,5bが圧着または溶着して接合されている。
裏面側シート5は、前記した表面側シート4と同一形状の同一部材からなる。すなわち、裏面側シート5は、薄板3の外壁面3dに貼り付けられて、中間シート1の裏面側を密閉した状態で覆うシートからなる。
次に、図1〜図5を参照して積層シートSの製造方法について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る積層シートの製造工程を示す図であり、(a)は中間シートに表側シートと裏面側シートとを貼り付けるときの工程を示す概略図、(b)は中間シートに表側シートと裏面側シートとを貼り付けた積層シートの示す要部断面図、(c)は積層シートの変形例を示す要部断面図である。図5は、本発明の実施形態に係る積層シートの製造工程を示す図であり、(a)は積層シートを切断したときの状態を示す斜視図、(b)は積層シートを所定の形状に切断するときの状態を示す斜視図、(c)は所望の形状に切断された積層シートを示す斜視図、(d)は積層シートの外周部を加工するときの状態を示す断面図である。
ここで、積層シートは、図4(c)に示すように、1枚の薄板6からなる積層シートSaであってもよい。
さらに、図5(b)に示すように、上型7と下型8とで、積層シートSを図5(c)に示す所望形状の積層シートSに成形する。なお、上型7および下型8内には、後記するような溶着用の上型ホーン9および下型ホーン10が設けられている。
すなわち、図4(b)に示す2枚の薄板2,3を介在させた積層シートSの中空凸状部2a,3aの底面2b,3bの直径をa、開口部2c,3cの直径をc、中空凸状部2a,3aの傾斜角度をθ、積層シートSの板厚をt1とし、図4(c)に示す1枚の薄板6を介在させた積層シートSaの開口部6cの直径をc、中空凸状部6aの傾斜角度をθとして、前記積層シートSと同じにする。
そうすると、図4(c)に示す積層シートSaは、積層シートSaの板厚t2を厚くすると中空凸状部6aの底面6bの直径bが短くなるので、薄板6と裏面側シート5との接合面積が狭いため、剛性が比較的弱く、板厚t2を厚くするのに限界がある。
これに対して、図4(b)に示す積層シートSは、2枚の薄板2,3を介在させたことにより、中空凸状部2a,3aの底面2b、3bの直径aが長くて、底面2a,3aの接合面積が広いため、積層シートSの剛性を確保できる。したがって、積層シートSは、積層シートSaより剛性があり、板厚t1を厚くすることが可能となる。
次に、図6〜図8を参照して、積層シートSの外周部S1を加工する他の加工方法を説明する。なお、前記した実施形態と同じものは、同一符号を付記してその説明を省略する。
図6は、本発明の実施形態に係る積層シートの外周部を加工するときの状態を示す図であり、(a)は積層シートの外周部に加熱型または超音波ホーンを押し当てて溶着するときの状態を示す概略平面図、(b)は積層シートの外周部に加熱型または超音波ホーンを摺動させて溶着するときの状態を示す概略平面図である。図7は、本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、(a)は積層シートの外周部の加工前の状態を示す要部拡大断面図、(b)は積層シートの外周部の加工後の状態を示す要部拡大断面図である。図8は、本発明の実施形態に係る積層シートの完成した状態を示す要部拡大斜視図である。
次に、図9〜図11を参照して、積層シートの変形例を説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す要部拡大断面図である。図10は、本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す図であり、各部材を積層する前の状態を示す要部拡大分解斜視図である。図11は、本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す図であり、各部材を積層したときの状態を示す要部拡大分解斜視図である。
また、積層シートSbは、裏面側シート5の表面に不織布14が設けられたことにより、さらに、断熱性が向上されるため、車両や家屋における床材などの内装材、または、保温・保冷用の板材として最適なものになる。
2,3 薄板
2a,3a 中空凸状部
2e,3e,4b,5b 端面
4 表面側シート
4a,5a,S1 外周部
5 裏面側シート
13 表皮部材
14 不織布
S,Sa,Sb 積層シート
S2 角部
S3 切欠部
Claims (3)
- 多数の中空凸状部を有する中間シートの両面を、表面側シートと裏面側シートとで挟持するように積層した積層シートであって、
前記表面側シートと前記裏面側シートとは、互いに外周部を湾曲させ、かつ、端面を接合させていることを特徴とする積層シート。 - 前記表面側シートの表面には、表皮部材が設けられ、
前記裏面側シートの表面には、不織布が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層シート。 - 前記積層シートは、外周部に角部を有し、
前記角部は、切欠部が形成されるとともに、前記切欠部の端面を接合させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層シート。
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