JP2006103027A - 積層シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 外周部を手で触れたときに痛みがなく、かつ、見栄えの良い積層シートを提供すること。
【解決手段】 積層シートSは、多数の中空凸状部2a,3aを有する中間シート1の両面を、表面側シート4と裏面側シート5とで挟持するように積層されている。表面側シート4と裏面側シート5とは、互いに外周部4a,5aを湾曲させ、かつ、端面4b,5bを接合させている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中空凸状部を有する中間シートの両面を表面側シートと裏面側シートとで挟持するように積層した積層シートに関する。
従来、この種の積層シートとしては、特許文献1に開示されているように、薄板に形成した中空凸状体の両面に貼着部材を貼着してハニカム構造体を形成し、このハニカム構造体の両面に表皮材を挟持するように積層した積層シートが一般に知られている。このような積層シートは、軽量で、剛性、衝撃吸収性および断熱性に優れているため、車両などの内装材や家屋などの内装材に最適である。
図12は、従来のハニカム構造体を有する積層シートの外周部の構造を示す図であり、(a)は表皮材を後貼りした状態を示す要部拡大断面図、(b)は表皮の食み出し部を切断したときの状態を示す要部拡大断面図、(c)は積層シートの外周部を熱刃で切断したときの状態を示す要部拡大断面図、(d)は切断した積層シートの外周部を縫製処理した状態を示す要部拡大断面図である。
図12に示す積層シート100は、ハニカム構造体200を形成したプラパール(登録商標、以下省略)300の表面に表皮材400を貼着したものである。このような積層シート100には、図12に示すようなプラパール300の片面のみに表皮材400を貼着した2層タイプと、プラパール300の両面に表皮材400を貼着した3層タイプ(図示せず)とがある。以下、2層タイプの積層シート100を説明する。
ハニカム構造体200は、例えば、円柱形状の中空凸状体を真空成形したシート状のものからなる。
プラパール300は、通称「段プラ」と呼ばれている段ボールプラスチックであり、剛性、耐水性、断熱性、防湿性および耐薬品性に優れ、軽量で、ダイオキシンを発生しないため環境性やリサイクル性など種々な点で優れている。
図12(a)に示すように、積層シート100を製造する場合は、プラパール300の表面に、プラパール300より少し大きな表皮材400を貼着して、表面を完全に覆う。そうすると、表皮材400の外周部410は、積層シート100の外周部110から食み出た状態になる。
この食み出た外周部410は、次の工程で、図12(b)に示すように切断されて、積層シート100の外周部110が揃えられる。
また、図12(c)に示すように、表皮材400の外周部410を切断する他の手段としては、熱刃によって積層シート100の外周部110を斜めに切断する方法も行われている。
また、図12(b)のようにして形成された積層シート100の外周部110には、図12(d)に示すように、この外周部110を覆うための外周部材500を縫製処理で取り付ける方法もある。
特開2000−326430号公報(段落0015〜0018、図1)
しかしながら、前記特許文献1などに開示されている積層シートや図12(a)〜(c)に示すような積層シート100は、外周部110を切断したままの状態で使用されているため、外周部110がシャープで、手で触れると痛く、また、見栄えが悪いという問題点がある。
また、図12(d)に示すような積層シート100の場合は、外周部110に外周部材500を設置したことにより、前記した問題は解決されるが、外周部材500の部品点数が増えるのに伴い、加工工数や部品管理工数が多くなり、コストアップとなるという問題点がある。
そこで、本発明の課題は、外周部を手で触れたときに痛みがなく、かつ、見栄えのよい積層シートを低コストで提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の積層シートは、多数の中空凸状部を有する中間シートの両面を、表面側シートと裏面側シートとで挟持するように積層した積層シートであって、前記表面側シートと前記裏面側シートとは、互いに外周部を湾曲させ、かつ、端面を接合させていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、積層シートの外周部は、表面側シートの外周部と裏面側シートの外周部とを互いに湾曲させ、さらに、端面同士を接合させている。これにより、積層シートの外周部は、表面側シートの端面と裏面側シートの端面とが接合されたことにより、表面側シートおよび裏面側シート内にある中間シートの全体が隠れるため、見栄えがよくなる。さらに、その積層シートの外周部が湾曲形成されることにより、外周部が滑らかな曲線を描くように形成されるため、手で触れても痛みを感じることがない。また、積層シートは、外周部に別部品を設けていないため、部品点数、加工工数および部品管理工数を削減してコストダウンを図ることができる。
請求項2に記載の積層シートは、請求項1に記載の積層シートであって、前記表面側シートの表面には、表皮部材が設けられ、前記裏面側シートの表面には、不織布が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、積層シートは、表面側シートの表面に表皮部材が設けられたことにより、この表皮部材を適宜な部材に替えることで、積層シートの表面を木目調やメタリック調やカーボン調などのデザインに自由に変えて、美観性を向上させることができる。また、積層シートは、裏面側シートの表面に不織布が設けられることにより、さらに、断熱性が向上されるため、車両や家屋における床材などの内装材、または、保温・保冷用の板材として適したものとなる。
請求項3に記載の積層シートは、請求項1または請求項2に記載の積層シートであって、前記積層シートは、外周部に角部を有し、前記角部は、切欠部が形成されるとともに、前記切欠部の端面を接合させたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、積層シートは、外周部に角部を有し、この角部には、切欠部が形成されている。積層シートは、この切欠部の端面を接合させることにより、角部を丸めて端面を接合させ易くなる。
本発明に係る積層シートによれば、外周部を手で触れたときに痛みがなく、かつ、見栄えのよい積層シートを低コストで提供することができる。
次に、図1〜図11に基づいて本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という)を説明する
なお、本発明の実施形態に係る積層シートは、設置したときの向きによって上下および表裏の方向が変わるが、便宜上、図1に示す上側を「表」、下側を「裏」として説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る積層シートの構造を示す要部拡大断面図である。図2は、本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、各部材を積層する前の状態を示す要部拡大分解斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、各部材を積層したときの状態を示す要部拡大分解斜視図である。
≪積層シート≫
図1に示すように、積層シートSは、多数の中空凸状部2a,3aを有する薄板2,3からなる中間シート1の両面を、表面側シート4と裏面側シート5とで挟持するように積層してなる中空積層板である。積層シートSは、略有底円筒状の中空凸状部2a,3aの開口部2c,3cを表面側シート4と裏面側シート5とで密閉することにより、多数の気密室1b,1cが形成されている。また、積層シートSは、中空凸状部2a,3aの底面2b,3b同士を互いに接合し、表面側シート4と裏面側シート5とで中間シート1を覆うことによっても、気密室1aが形成される。これにより、積層シートSは、軽量化が図られ、剛性、耐水性、断熱性、および防湿性を備えている。
すなわち、積層シートSは、密閉された気密室1a,1b,1cを多数備えたことにより、押し潰されたり、湾曲変形しても、元の形状に復元する曲げ剛性、圧縮剛性および衝撃吸収作用を備えている。また、積層シートSは、多数の気密室1a,1b,1c内に空気が密閉されていることにより、軽量であるとともに、前記空気が熱、水分および湿気を遮断するため、断熱性、耐火性、耐水性および防水性に優れている。また、積層シートSは、例えば、気密室1aに通じる連通孔(図示せず)を多数穿設することにより、吸音性も備えることができる。
積層シートSの外周部S1は、側面視して半円状に湾曲形成されている。なお、積層シートSの全体の形状は、特に限定されず、設置する箇所など形状に合わせて適宜な形状に形成すればよい。
また、積層シートSを固定する手段は、特に限定されず、例えば、ビスやボルトなどが適用できる。
積層シートSは、自動車用内装材、住宅用建材、土木用資材、梱包材などに使用することが可能である。自動車用内装材としての積層シートSは、例えば、自動車のカーペット、トランクルームのカバー、ルーフライニングなどに使用できる。住宅用建材としての積層シートSは、例えば、床材、フローリング材、床下材、畳芯材、住宅用躯体換気材、耐火材などに使用できる。土木用資材としての積層シートSは、例えば、軽量アルミパネルの芯材、畜舎の壁材、防水シート、保温・保冷用板材などに使用できる。梱包材としての積層シートSは、輸送用通い箱、輸出梱包材などに使用できる。
≪中間シート≫
中間シート1は、いわゆるハニカム構造体を形成するものであり、下側に向けて突出した多数の中空凸状部2aを有する薄板2と、この薄板2と対称な形状で、上側に向けて突出した多数の中空凸状部3aを有する薄板3とを合致させて張り合わせてなる。中間シート1は、2枚の薄板2,3の中空凸状部2a,3aの底面2b,3bを張り合わせたことにより、多数の中空凸状部2a,3aが多数の気密室1b,1cを形成している。
なお、中間シート1は、2枚の薄板2,3からなるいわゆるツインコーンハニカム材に限定されるものではなく、ハニカム構造体に相当するものを構成する部材であればよく、1枚からなるものでもよい。
ここで、ハニカム構造体とは、「Honeycomb」、つまり蜂の巣状の構造であり、小さい六角柱状(六角形の細かい穴)、円錐台形状、または、丸い円柱状(円柱形の細かい穴)のものを多数連続したパネル状のものをいう。
<薄板>
薄板2,3は、前記した中間シート1を形成するものであり、例えば、エンジニアリング・プラスチックス(略称エンプラ)、オレフィン系樹脂などから形成されている。なお、エンジニアリング・プラスチックスは、耐熱性、耐摩耗性、寸法安定性、電気特性などを備えた合成樹脂で、主要なものとして、ポリカーボネート、ポリアミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドなどがある。また、オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、TPO(PPとゴム成分の混合物)などが挙げられる。
各薄板2,3は、例えば、外壁面2d,3d側に開口部2c,3cがある円錐台形状の中空凸状部2a,3aを有する同一形状のシートからなり、互いに対応した位置に形成した各中空凸状部2a,3aの底面2b,3bを当接させて、この当接箇所を接着もしくは溶着などの態様で固着されている。薄板2の外面側には、表面側シート4が貼り付けられることにより、開口部2cが閉塞されて、多数の小室の気密室1bが形成されている。薄板3の外面側には、裏面側シート5が貼り付けられることにより、開口部3cが閉塞されて、さらに、多数の小室の気密室1cが形成されている。
薄板2,3の外周部は、互いに向かい合う方向に湾曲形成されて、端面2e,3eが当接し、溶着手段などによって接合されている。
薄板2,3の端面2e,3eの接合と、表面側シート4および裏面側シート5の端面4b,5bの接合とは、例えば、超音波溶着、熱溶着などによって行われる。
なお、積層シートSにおいて、外側に配置された表面側シート4および裏面側シート5の端面4b,5bが溶着されていれば、必ずしも薄板2,3の端面2e,3e同士は溶着しなくてもよい。
≪表面側シート≫
表面側シート4は、薄板2の外壁面2dに貼り付けられて、中間シート1の表面側を密閉した状態で覆うものであり、ポリプロピレン、エンジニアリング・プラスチックス、オレフィン系樹脂などから形成されたシートからなる。
表面側シート4と裏面側シート5とは、互いに向かい合う方向に外周部4a,5aを湾曲形成されて、端面4b,5bが圧着または溶着して接合されている。
≪裏面側シート≫
裏面側シート5は、前記した表面側シート4と同一形状の同一部材からなる。すなわち、裏面側シート5は、薄板3の外壁面3dに貼り付けられて、中間シート1の裏面側を密閉した状態で覆うシートからなる。
≪製造方法≫
次に、図1〜図5を参照して積層シートSの製造方法について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る積層シートの製造工程を示す図であり、(a)は中間シートに表側シートと裏面側シートとを貼り付けるときの工程を示す概略図、(b)は中間シートに表側シートと裏面側シートとを貼り付けた積層シートの示す要部断面図、(c)は積層シートの変形例を示す要部断面図である。図5は、本発明の実施形態に係る積層シートの製造工程を示す図であり、(a)は積層シートを切断したときの状態を示す斜視図、(b)は積層シートを所定の形状に切断するときの状態を示す斜視図、(c)は所望の形状に切断された積層シートを示す斜視図、(d)は積層シートの外周部を加工するときの状態を示す断面図である。
積層シートSは、例えば、図4(a)に示すような成形装置Mによって、薄板2,3、表面側シート4および裏面側シート5を貼り合わせて形成される。すなわち、薄板2,3、表面側シート4および裏面側シート5は、それぞれボビンB1,B2,B3,B4に巻回されて、薄板2が送り込まれるロール部M1と、薄板3が送り込まれるロール部M2とが対向配置され、表面側シート4が送り込まれるロール部M3と、裏面側シート5が送り込まれるロール部M4とが対向配置されている。薄板2,3が送られるロール部M1,M2は、それぞれ中空凸状部2a,3aを形成するための歯型形状の型部が形成されているとともに、薄板2,3を溶着するのに加熱するための図示しない熱源が設けられている。これにより、薄板2,3をボビンB1,B2から巻き解き、回転するロール部M1,M2に送り込むと、加熱と押圧力とにより、薄板2,3に中空凸状部2a,3aが形成されるとともに、底面2b,3bが溶融して圧着されて、中間シート1が形成される。
なお、ロール部M1,M2に形成する型部の形成位置は、互いに対応し合って配置されており、ロール部M1,M2の回転に伴って中空凸状部2a,3aの底面2b,3bが互いに当接し、かつ溶着した状態にて送り出されるようになっている。
ちなみに、この成形装置Mで製造する中間シート1は、中空凸状部2a,3aが円錐台形状であるため、例えば、連続的に中間シート1を成形する場合に、ロール部M1,M2の型部から中空凸状部2a,3aが容易に抜ける。
このようにして形成された中間シート1は、ロール部M3,M4の間に送られる。このロール部M3,M4間には、ボビンB3,B4から巻き解かれた表面側シート4および裏面側シート5が送り込まれて、中間シート1の両側に同時に貼り付けられる。これにより、図4(b)に示すようなハニカム構造の積層シートSが完成される。
ここで、積層シートは、図4(c)に示すように、1枚の薄板6からなる積層シートSaであってもよい。
次に、積層シートSは、図5(a)に示すように、四角形の適宜な大きさのものに切断される。
さらに、図5(b)に示すように、上型7と下型8とで、積層シートSを図5(c)に示す所望形状の積層シートSに成形する。なお、上型7および下型8内には、後記するような溶着用の上型ホーン9および下型ホーン10が設けられている。
続いて、図5(d)に示すように、表面側シート4の外周部4aを湾曲させて端面4bを裏面側シート5の端面5bに溶着させるための溶着用の上型ホーン9と、裏面側シート5の外周部5aを湾曲させて端面5bを表面側シート4の端面4bに圧接させるための溶着用の下型ホーン10とで積層シートSを挟み込んで、端面4b,5bを超音波溶着、振動溶着、あるいは加熱圧着して、積層シートSの外周部S1をエンボス加工するようにして湾曲形成する。そうすると、図1に示すように、表面側シート4および裏面側シート5の外周部4a,5aが湾曲されて、薄板2,3の外周部を丸め込むようにして覆って、外周部S1を丸めた積層シートSが完成される。
なお、上型ホーン9および下型ホーン10には、表面側シート4および裏面側シート5の外周部4a,5aを湾曲させて端面4b,5bを互いに圧接させるための押圧部9a,10aがそれぞれ形成されている。
また、このようにして完成された積層シートSは、図4(c)に示すような1枚の薄板6を介在させてなる積層シートSaよりも剛性があり、板厚t1(図4b参照)を厚くすることができる。
すなわち、図4(b)に示す2枚の薄板2,3を介在させた積層シートSの中空凸状部2a,3aの底面2b,3bの直径をa、開口部2c,3cの直径をc、中空凸状部2a,3aの傾斜角度をθ、積層シートSの板厚をt1とし、図4(c)に示す1枚の薄板6を介在させた積層シートSaの開口部6cの直径をc、中空凸状部6aの傾斜角度をθとして、前記積層シートSと同じにする。
そうすると、図4(c)に示す積層シートSaは、積層シートSaの板厚t2を厚くすると中空凸状部6aの底面6bの直径bが短くなるので、薄板6と裏面側シート5との接合面積が狭いため、剛性が比較的弱く、板厚t2を厚くするのに限界がある。
これに対して、図4(b)に示す積層シートSは、2枚の薄板2,3を介在させたことにより、中空凸状部2a,3aの底面2b、3bの直径aが長くて、底面2a,3aの接合面積が広いため、積層シートSの剛性を確保できる。したがって、積層シートSは、積層シートSaより剛性があり、板厚t1を厚くすることが可能となる。
≪積層シートの外周部の他の加工方法≫
次に、図6〜図8を参照して、積層シートSの外周部S1を加工する他の加工方法を説明する。なお、前記した実施形態と同じものは、同一符号を付記してその説明を省略する。
図6は、本発明の実施形態に係る積層シートの外周部を加工するときの状態を示す図であり、(a)は積層シートの外周部に加熱型または超音波ホーンを押し当てて溶着するときの状態を示す概略平面図、(b)は積層シートの外周部に加熱型または超音波ホーンを摺動させて溶着するときの状態を示す概略平面図である。図7は、本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、(a)は積層シートの外周部の加工前の状態を示す要部拡大断面図、(b)は積層シートの外周部の加工後の状態を示す要部拡大断面図である。図8は、本発明の実施形態に係る積層シートの完成した状態を示す要部拡大斜視図である。
図6(a)、(b)に示すように、積層シートSは、外周部S1に鋭角または鈍角の角部S2を有し、この角部S2に、切欠部S3が形成されている。積層シートSは、例えば、図6(a)、(b)に示すような四角形をしている場合、4つの角部S2を有し、それぞれに切欠部S3が形成されている。
切欠部S3は、外周部S1の角部S2を湾曲形成する際に、この湾曲面に沿って角部S2を形成させるための切り込み溝である。この切欠部S3は、外周部S1を曲げ易くするために湾曲面に応じて、L字状、V字状などの適宜な角度に切り込まれた溝でなる。
積層シートSの外周部S1を湾曲形成する場合は、例えば、図6(a)に示すように、積層シートSの各辺の外周部S1に、後記する加熱型または超音波ホーン11を矢印A方向に押し当てて、1辺を一度に溶着する。
また、図6(b)に示すように、小さな加熱型または超音波ホーン12によって加工する場合や、大きな積層シートSの外周部S1を湾曲形成する場合には、積層シートSの各辺の外周部S1に、加熱型または超音波ホーン12を矢印A方向に押し当てるとともに、外周部S1の表面に沿って矢印B方向に摺動させて溶着する。
図7(a)に示すように、加熱型または超音波ホーン11,12は、積層シートSの外周部S1を湾曲形成して、薄板2,3の端面2e,3e同士と、表面側シート4および裏面側シート5の端面4b,5b同士とをそれぞれ当接できるように、加工面11a,12aが側面視して略半円状に形成されている。
図7(a)に示すように、加熱型または超音波ホーン11,12の加工面11a,12aを端面2e,3e,4b,5bに押し当てると、まず、外周部4a,5aが加工面11a,12aに案内されて湾曲変形する。さらに加工面11a,12aを強く端面2e,3e,4b,5bに押し当てて、加熱または超音波振動を与えると、図7(b)に示すように、端面2eと端面3eとが溶着されて、端面4bと端面5bとが溶着される。
また、角部S2は、加熱型または超音波ホーン11,12の加工面11a,12aを切欠部S3に向けて押し当てることにより、加工面11a,12aの湾曲面に案内されて丸め込まれて、切欠部S3の内側の端面同士が当接する。さらに加工面11a,12aを強く角部S2に押し当てて、加熱または超音波振動を与えると、切欠部S3の内側の端面同士が溶着されて、図8に示すような形状に形成される。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
≪変形例≫
次に、図9〜図11を参照して、積層シートの変形例を説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す要部拡大断面図である。図10は、本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す図であり、各部材を積層する前の状態を示す要部拡大分解斜視図である。図11は、本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す図であり、各部材を積層したときの状態を示す要部拡大分解斜視図である。
前記した積層シートSは、中間シート1と、表面側シート4と、裏面側シート5とから構成されるものに限定されるものではない。図9〜図11に示すように、積層シートSbは、例えば、表面側シート4に表面には、シート状の表皮部材13が設けられ、裏面側シート5の表面には、不織布14が設けられていてもよい。
積層シートSbは、表面側シート4の表面に表皮部材13が設けられたことにより、この表皮部材13を適宜な部材に替えることで、積層シートSbの表面を木目調やメタリック調やカーボン調などのデザインに自由に変えることができる。
また、積層シートSbは、裏面側シート5の表面に不織布14が設けられたことにより、さらに、断熱性が向上されるため、車両や家屋における床材などの内装材、または、保温・保冷用の板材として最適なものになる。
以上、積層シートS(図1参照)、Sa(図4(c)参照)、Sb(図9参照)の製造する場合の例を説明したが、本発明に係る積層シートS,Sa,Sbの製造方法は、特に、これに限定されるものでない。つまり、材質が熱可塑性樹脂もしくはその組成物である場合にあっては、例えば、射出成形、ブロー成形などにて製造してもよい。
また、積層シートS,Sa,Sbを形成する材料は、前記したような合成樹脂からなるものに限定されるものではない。例えば、自動車などの内装材に使用する場合には、剛性、衝撃吸収性、吸音効果などを備えた前記したような合成樹脂からなる積層シートS,Sa,Sbが最適である。そして、住宅用建材、土木用資材として積層シートS,Sa,Sbを使用する場合は、パルプ、鋼、ステンレス、アルミニウムまたはアルミニウム合金、FRPなどの材料によって形成してもよい。
本発明の実施形態に係る積層シートの構造を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、各部材を積層する前の状態を示す要部拡大分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、各部材を積層したときの状態を示す要部拡大分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る積層シートの製造工程を示す図であり、(a)は中間シートに表側シートと裏面側シートとを貼り付けるときの工程を示す概略図、(b)は中間シートに表側シートと裏面側シートとを貼り付けた積層シートの示す要部断面図、(c)は積層シートの変形例を示す要部断面図である。 本発明の実施形態に係る積層シートの製造工程を示す図であり、(a)は積層シートを切断したときの状態を示す斜視図、(b)は積層シートを所定の形状に切断するときの状態を示す斜視図、(c)は所望の形状に切断された積層シートを示す斜視図、(d)は積層シートの外周部を加工するときの状態を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る積層シートの外周部を加工するときの状態を示す図であり、(a)は積層シートの外周部に加熱型、または、超音波ホーンを押し当てて溶着するときの状態を示す概略平面図、(b)は積層シートの外周部に加熱型、または、超音波ホーンを摺動させて溶着するときの状態を示す概略平面図である。 本発明の実施形態に係る積層シートを示す図であり、(a)は積層シートの外周部の加工前の状態を示す要部拡大断面図、(b)は積層シートの外周部の加工後の状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る積層シートの完成した状態を示す要部拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す図であり、各部材を積層する前の状態を示す要部拡大分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る積層シートの変形例を示す図であり、各部材を積層したときの状態を示す要部拡大分解斜視図である。 従来のハニカム構造体を有する積層シートの外周部の構造を示す図であり、(a)は表皮材を後貼りした状態を示す要部拡大断面図、(b)は表皮の食み出し部を切断したときの状態を示す要部拡大断面図、(c)は積層シートの外周部を熱刃で切断したときの状態を示す要部拡大断面図、(d)切断した積層シートの外周部を縫製処理した状態を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
1 中間シート
2,3 薄板
2a,3a 中空凸状部
2e,3e,4b,5b 端面
4 表面側シート
4a,5a,S1 外周部
5 裏面側シート
13 表皮部材
14 不織布
S,Sa,Sb 積層シート
S2 角部
S3 切欠部

Claims (3)

  1. 多数の中空凸状部を有する中間シートの両面を、表面側シートと裏面側シートとで挟持するように積層した積層シートであって、
    前記表面側シートと前記裏面側シートとは、互いに外周部を湾曲させ、かつ、端面を接合させていることを特徴とする積層シート。
  2. 前記表面側シートの表面には、表皮部材が設けられ、
    前記裏面側シートの表面には、不織布が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記積層シートは、外周部に角部を有し、
    前記角部は、切欠部が形成されるとともに、前記切欠部の端面を接合させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層シート。
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