しかしながら、上記特許文献1の提案は、コイルへ供給する駆動パルスが固定パルス方式であるために、モータの負荷変動、電源電圧変動、温度変化、振動等の外乱に対して駆動パルスを調整する機能がないので、例えば、モータの負荷が重くなった場合、駆動トルクが足らずモータ駆動を失敗する等、モータ駆動の信頼性に課題がある。また、モータが軽負荷で動いている場合では、固定パルス方式であるために必要以上のトルクを供給し、駆動効率が悪く低消費電力化が困難という課題もある。また、電子時計に於いては指針を早送りする等の高速駆動が要求されるが、モータ駆動の信頼性に問題があるので、素早い高速駆動を実現することが難しいという課題もある。
本発明の目的は上記課題を解決し、モータの負荷変動、電源電圧変動、温度変化、振動等の外乱に対して、安定したモータ駆動を実現し信頼性が高く高速駆動にも対応出来る可逆ステッピングモータを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の可逆ステッピングモータは、下記記載の構成を採用する。
本発明の可逆ステッピングモータは、径方向に少なくとも2極以上着磁されたロータと、該ロータを介して略対向に設けられる第1及び第2のステータ磁極部と、該第1及び第2のステータ磁極部の間にあって前記ロータに向き合って設けられる第3のステータ磁極部と、前記第1のステータ磁極部と前記第3のステータ磁極部に磁気的に結合する第1のコイルと、前記第2のステータ磁極部と前記第3のステータ磁極部に磁気的に結合する第2のコイルと、該第1のコイルと第2のコイルを駆動する駆動パルスを出力する駆動手段とを有し、該駆動手段が前記第1のコイル又は第2のコイルの一方を駆動中、前記第1のコイル又は第2のコイルの他方を前記ロータの回転に応じて発生する誘起電圧を検出する為の検出コイルとして用いることを特徴とする。
本発明の可逆ステッピングモータにより、第1のコイル又は第2のコイルの一方を駆動中、前記第1のコイル又は第2のコイルの他方を誘起電圧を検出する為の検出コイルとして用いるので、モータの負荷変動、電源電圧変動、温度変化、振動等の外乱に対してロ
ータの回転角度を把握し、安定したモータ駆動を実現出来る。
また、前記第1のコイル又は第2のコイルを駆動する駆動パルスは、第1駆動パルス、又は第1駆動パルスと第2駆動パルス、又は第1駆動パルスと第2駆動パルスと第3駆動パルス、及び、前記各駆動パルスの駆動電流を反転した反転駆動パルスによって成ることを特徴とする。
これにより、第1のコイル又は第2のコイルを駆動する駆動パルスは、第1駆動パルス、又は第1駆動パルスと第2駆動パルス、又は第1駆動パルスと第2駆動パルスと第3駆動パルスによって成るので、駆動パルスをモータ仕様やモータの駆動環境に応じて最適化出来、信頼性の高いモータ駆動を実現出来る。
また、前記駆動手段は、前記第1のコイル又は第2のコイルを駆動する駆動パルスの電流方向を、駆動コイルと磁気的に結合される前記略対向して設けられる第1又は第2のステータ磁極部の一方と前記第3のステータ磁極部が前記ロータを引き離す方向に励磁されるように制御することを特徴とする。
これにより、第1のコイル又は第2のコイルを駆動する駆動パルスの電流方向を、駆動コイルと磁気的に結合される第1又は第2のステータ磁極部と第3のステータ磁極部が前記ロータを引き離す方向に励磁するように制御されるので、第1のコイル又は第2のコイルの他方の検出コイルは、ロータの発生する磁束を引き込む方向に配置されることになり、この結果、検出コイルに発生する誘起電圧のレベルが上昇し誘起電圧の検出精度を向上させることが出来る。
また、前記駆動手段は、前記検出コイルとして用いられる第1のコイル又は第2のコイルの少なくとも一方のコイル端子を高抵抗状態とし、該高抵抗状態とされる端子に前記誘起電圧を検出する電圧検出手段を備えたことを特徴とする。また更に、前記高抵抗状態とされる端子の他方のコイル端子に所定電圧を印加したことを特徴とする。
これにより、駆動手段は検出コイルとして用いられる第1のコイル又は第2のコイルの少なくとも一方の端子を高抵抗状態とし、該端子に誘起電圧を検出する電圧検出手段を備え、また、高抵抗状態とされる端子の他方のコイル端子に所定電圧を印加するので、検出コイルに発生する誘起電圧を効率よく検出出来、ロータの回転角度を高精度に把握する可逆ステッピングモータを実現出来る。
また、前記第1のコイル又は第2のコイルの他方の端子に印加される所定電圧は、電源電圧の略1/2であることを特徴とする。
これにより、第1のコイル又は第2のコイルの他方の端子に印加される所定電圧は、電源電圧の略1/2であるので、第1のコイル又は第2のコイルの一方の端子に誘起される誘起電圧は、電源電圧の略1/2の電圧を中心にプラス/マイナスの方向に発生し、この結果、誘起電圧のダイナミックレンジが広くなり、誘起電圧の検出精度を向上させることが出来る。
また、前記駆動手段は、前記検出コイルによって発生する誘起電圧が所定の電圧に達したことを前記電圧検出手段が検出したならば、前記第1のコイル又は第2のコイルを駆動する前記第1駆動パルスを停止して第1駆動パルス幅を動的制御すると共に、該第1駆動パルスの出力終了後、直ちに前記第2駆動パルス、又は前記第2駆動パルスと前記第3駆動パルスを連続して出力することを特徴とする。
これにより、駆動手段は誘起電圧を検出する電圧検出手段が所定の電圧を検出したならば、第1のコイル又は第2のコイルを駆動する第1駆動パルスを停止して第1駆動パルス幅を動的制御するので、モータの負荷変動、電源電圧変動、温度変化、振動等の外乱に対して安定したモータ駆動を実現出来ると共に、低消費電力の可逆ステッピングモータを提供出来る。また、第1駆動パルスの出力終了後に出力される第2駆動パルス、又は第2駆動パルスと第3駆動パルスは、ロータを引き寄せて更に回転させ、また、ロータが1ステップ(180度)以上回転することを防ぐブレーキ効果を有するので、ロータの回転トルクが増加し、ロータ回転の確実性を向上させることが出来る。
また、前記誘起電圧を検出する電圧検出手段は、前記所定の電圧に対して電圧ヒステリシス手段、又は時間ヒステリシス手段を有することを特徴とする。
これにより、電圧検出手段は、電圧ヒステリシス手段、又は時間ヒステリシス手段を有するので、誘起電圧に電気的ノイズが重畳されていても、ヒステリシス特性によって電圧検出の誤動作を防止し、誘起電圧の検出精度を向上させることが出来る。
また、前記駆動手段は、駆動パルスの駆動周期を固定駆動周期とし、前記第1駆動パルスのパルス幅を、駆動パルスの前記駆動周期で決まる最大パルス幅まで確保することを特徴とする。
これにより、第1駆動パルスのパルス幅を駆動パルスの駆動周期で決まる最大パルス幅まで確保するので、負荷変動等の外乱に対して信頼性の高い可逆ステッピングモータを提供出来る。また、駆動周期が固定であるのでモータのステップ送りを常に一定に保つことが出来る。
また、前記駆動手段は、駆動パルスの駆動周期を可変駆動周期とし、前記第1駆動パルスのパルス幅を動的制御することによって生じる該第1駆動パルス幅の変化に応じて前記駆動パルスの駆動周期を可変することを特徴とする。
これにより、駆動パルスの駆動周期は第1駆動パルスのパルス幅が動的制御されることに応じて可変駆動周期となるので、モータの負荷変動や電源電圧変動等に対して常に必要な駆動トルクが確保され信頼性の高いモータ駆動を実現した可逆ステッピングモータを提供出来る。
また、前記駆動手段は、検出コイルとされる前記第1のコイル又は第2のコイルの誘起電圧検出期間に前記電圧検出手段からの検出信号をマスクする所定のマスク期間を設けることを特徴とする。
これにより、検出コイルとされる第1のコイル又は第2のコイルの誘起電圧検出期間に所定のマスク期間を設けるので、マスク期間内に誘起電圧に発生する電気的ノイズによる電圧検出手段の誤動作を防止し、駆動パルスの動的制御の信頼性を向上させることが出来る。
また、前記駆動手段は、前記マスク期間中に於いて、前記第1のコイル又は第2のコイルを駆動する前記第1駆動パルスをチョッパ駆動とすることを特徴とする。
これにより、マスク期間中は、第1のコイル又は第2のコイルを駆動する第1駆動パルスはチョッパ駆動されるので、モータ駆動の低消費電力を実現出来る。また、第1駆動パルスをチョッパ駆動すると検出コイルに発生する誘起電圧にチョッパ駆動による電気的ノイズが重畳されるが、チョッパ駆動期間は誘起電圧検出のマスク期間であるので電気的
ノイズは検出されず、駆動パルスの動的制御の信頼性を維持出来る。
また、前記駆動手段は、前記マスク期間以外に於いて、前記第1のコイル又は第2のコイルを駆動する前記第1駆動パルスをフル駆動パルスとすることを特徴とする。
これにより、マスク期間以外は、第1のコイル又は第2のコイルを駆動する第1駆動パルスはフル駆動パルスであるので、マスク期間以外では誘起電圧に電気的ノイズが発生する可能性は極めて少なく、電圧検出手段の誤動作を防止し、駆動パルスの動的制御の信頼性を向上させることが出来る。
また、前記第2駆動パルスと前記第3駆動パルスは、前記第1駆動パルスより駆動エネルギーが小さいことを特徴とする。
これにより、第2駆動パルスと第3駆動パルスは、第1駆動パルスより駆動エネルギーが小さいので、ロータに対して過度のブレーキ効果が加えられることを防ぎ、ロータ回転の確実性を向上させることが出来る。
また、前記駆動手段は、前記第2駆動パルスと前記第3駆動パルスをチョッパ駆動することにより駆動エネルギーを小さくすることを特徴とする。
これにより、第2駆動パルスと第3駆動パルスをチョッパ駆動するので、第2駆動パルスと第3駆動パルスは、第1駆動パルスより駆動エネルギーが小さくなり、この結果、ロータに対して過度のブレーキ効果が加えられることを防ぎ、ロータ回転の確実性を向上させることが出来ると共に、モータ駆動の低消費電力化を実現出来る。
また、前記駆動手段及び前記電圧検出手段は、モータの高速正転駆動、及び高速逆転駆動に於いても同様な機能と動作を有することを特徴とする。
これにより、駆動手段及び電圧検出手段は、モータの高速駆動時に於いても同様な機能と動作を有するので、モータの低速駆動時だけでなく高速駆動時に於いても、モータの負荷変動、電源電圧変動、温度変化、振動等の外乱に対して安定したモータ駆動を実現出来る。
また、前記第1、第2、及び第3のステータ磁極部の前記ロータを囲む結合部を分離して磁気飽和部を形成すると共に、該磁気飽和部を互いに固定するために非磁性材よりなる支持板と前記第1、第2、及び第3のステータ磁極部とを固着手段により機械的に固着したことを特徴とする。
これにより、第1、第2,第3の各ステータ磁極部が磁気飽和部によって磁気的に分離されるので、各ステータ磁極部は効率よく励磁されて強いS極とN極を発生させることが出来、ロータに対する駆動トルクが増加され、余力のある可逆ステッピングモータを提供出来る。また、各ステータ磁極部間での磁束の漏れが減少するので、検出コイルに誘起される誘起電圧のレベルが上昇してS/N比が改善され、誘起電圧の検出精度を向上させることが出来る。
また、前記固着手段は溶接であることを特徴とする。
これにより、各ステータ磁極部間を結合する固着手段は溶接であるので、各ステータ磁極部間を強い機械的強度で結合出来、経時変化が無く信頼性の高い可逆ステッピングモータを提供出来る。
上記の如く本発明によれば、第1のコイル又は第2のコイルの一方を駆動中、前記第1のコイル又は第2のコイルの他方をモータの回転角度に応じて発生する誘起電圧を検出する為の検出コイルとして用いるので、モータの負荷変動、電源電圧変動、温度変化、振動等の外乱に対してロータの回転角度を把握し、安定したモータ駆動を実現する可逆ステッピングモータを提供出来る。
図1に基づいて本発明の可逆ステッピングモータの構成を説明する。図1に於いて、1は本発明の実施例1の可逆ステッピングモータである。2はロータであり、径方向にS極とN極が着磁された円筒形磁石によって構成される。3と4は前記ロータ2を介して対向に設けられた第1ステータ磁極部と第2ステータ磁極部である。5は前記第1及び第2ステータ磁極部の間にあって前記ロータ2に向き合って設けられた第3ステータ磁極部である。尚、これらのステータ磁極部の材料はパーマロイ等の軟磁性材であることが好ましい。6と7は二つのコイルであり、コイル6は第1ステータ磁極部3と第3ステータ磁極部5に磁気的に結合され、コイル7は第2ステータ磁極部4と第3ステータ磁極部5に磁気的に結合される。また、コイル6のコイル端子6a、6bは後述する駆動回路の端子O1、O2にそれぞれ接続され、コイル7のコイル端子7a、7bは後述する駆動回路の端子O3、O4にそれぞれ接続される。8a、8b、8cは磁束飽和部であり、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極4と第3ステータ磁極部5とのそれぞれが結合する最挟部に位置しており、他の箇所と比較して磁気飽和が起き易く磁気抵抗が大きい。このため、コイル6、7によって発生する磁束は、磁束飽和部8a、8b、8cで磁束が飽和して磁束の通過が妨げられるので、第1、第2、第3の各ステータ磁極部3〜5には強い磁極が発生する。
次に図2に基づいて、前記可逆ステッピングモータ1を駆動する駆動手段としての駆動回路の回路構成の概略を説明する。11は駆動回路の全体を制御する制御回路であり、マイクロコンピュータ等によって構成される。12はインバータであり、P−Tr12aとN−Tr12bとによって構成され、それぞれのゲート端子は分離されており、P−Tr12aのゲート端子には前記制御回路11からの出力である駆動制御信号P1が接続され、N−Tr12bのゲート端子には制御回路11からの出力である駆動制御信号P2が接続される。また、P−Tr12aのソース端子はプラス電源VDDに接続され、N−T
r12bのソース端子はマイナス電源VSSに接続される。また、該インバータ12は端子O1より駆動パルスO1を出力する。
13はインバータであり、P−Tr13aとN−Tr13bとによって構成され、それぞれのゲート端子は分離されており、P−Tr13aのゲート端子には前記制御回路11からの出力である駆動制御信号P3が接続され、N−Tr13bのゲート端子には制御回路11からの出力である駆動制御信号P4が接続される。また、P−Tr13aのソース端子はプラス電源VDDに接続され、N−Tr13bのソース端子はマイナス電源VSSに接続される。また、該インバータ13は端子O2より駆動パルスO2を出力する。14はインバータであり、P−Tr14aとN−Tr14bとによって構成され、それぞれのゲート端子は分離されており、P−Tr14aのゲート端子には前記制御回路11からの出力である駆動制御信号P5が接続され、N−Tr14bのゲート端子には制御回路11からの出力である駆動制御信号P6が接続される。また、P−Tr14aのソース端子はプラス電源VDDに接続され、N−Tr14bのソース端子はマイナス電源VSSに接続される。また、該インバータ14は端子O3より駆動パルスO3を出力する。
15はインバータであり、P−Tr15aとN−Tr15bとによって構成され、それぞれのゲート端子は分離されており、P−Tr15aのゲート端子には前記制御回路11からの出力である駆動制御信号P7が接続され、N−Tr15bのゲート端子には制御回路11からの出力である駆動制御信号P8が接続される。また、P−Tr15aのソース端子はプラス電源VDDに接続され、N−Tr15bのソース端子はマイナス電源VSSに接続される。また、該インバータ15は端子O4より駆動パルスO4を出力する。16は電圧検出手段としての電圧検出回路であり、内部に電圧ヒステリシス手段又は時間ヒステリシス手段としてのヒステリシス回路16aを備えている。該電圧検出回路16は前記駆動パルスO1を入力し、該駆動パルスO1に発生する誘起電圧を検出して検出信号P9を出力する。
17は前記電圧検出回路16と同様な電圧検出手段としての電圧検出回路であり、内部に電圧ヒステリシス手段又は時間ヒステリシス手段としてのヒステリシス回路17aを備えている。該電圧検出回路17は駆動パルスO4を入力し、該駆動パルスO4に発生する誘起電圧を検出して検出信号P10を出力する。 18はAND回路であり、制御回路11からの出力であるマスク信号P11と前記検出信号P9を入力して動的制御信号P12を出力する。19はAND回路であり、前記マスク信号P11と前記検出信号P10を入力して動的制御信号P13を出力する。
20はAND回路であり、駆動制御信号P3と駆動制御信号P4をインバータ21によって反転した信号を入力し、バイアス制御信号P14を出力する。22はバイアス回路であり、電源電圧の約1/2であるバイアス電圧P15を出力する。23はアナログスイッチであり、前記バイアス制御信号P14を制御端子Cに入力し、前記バイアス電圧P15を前記駆動パルスO2に供給又は遮断する機能を有する。24はAND回路であり、駆動制御信号P5と駆動制御信号P6をインバータ25によって反転した信号を入力し、バイアス制御信号P16を出力する。26はバイアス回路であり、電源電圧の約1/2であるバイアス電圧P17を出力する。27はアナログスイッチであり、前記バイアス制御信号P16を制御端子Cに入力し、前記バイアス電圧P17を前記駆動パルスO3に供給又は遮断する機能を有する。
次に図2で示した駆動手段としての駆動回路の動作と、可逆ステッピングモータ1のロータ2の正転方向の回転動作を図3に基づいて説明する。尚、説明を分かり易くするために、各動作をタイミングA〜タイミングFまでの6段階に分けて説明する。図3に於いて、タイミングAは無励磁状態であり、コイル6、7には駆動パルスが印加されず、駆動
パルスO1〜O4は共に論理“1”(VDD)であり、第1ステータ磁極部3、第2ステータ磁極部4、第3ステータ磁極部5は共に励磁されず、ロータ2は初期状態として図面上N極が上、S極が下の状態で停止している。ここで、制御回路11は駆動パルスO1〜O4を全て論理“1”とするために、全ての駆動制御信号P1〜P8を論理“0”として出力する。
次に、タイミングBはコイル7に対して第1駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P5、P6を論理“0”とするので駆動パルスO3は論理“1”となり、更に制御回路11は駆動制御信号P7、P8を論理“1”とするので駆動パルスO4は論理“0”(VSS)とされて、コイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに駆動電流が流れる。これにより、コイル7は駆動コイルとされて第2ステータ磁極部4はN極に励磁され、第1ステータ磁極部3と第3ステータ磁極部5はS極に励磁され、ロータ2は左方向(正転)に回転を開始し、90度以上回転する。ここで、第2ステータ磁極部4はロータ2のN極を引き離す方向に励磁され(すなわちN極に励磁)、また、第3ステータ磁極部5はロータ2のS極を引き離す方向に励磁される(すなわちS極に励磁)。
また、タイミングBに於いて、制御回路11は駆動制御信号P1を論理“1”、駆動制御信号P2を論理“0”とし、インバータ12のP−Tr12aとN−Tr12bを共にOFFして駆動パルスO1を高抵抗状態とする。同様に制御回路11は駆動制御信号P3を論理“1”、駆動制御信号P4を論理“0”とし、インバータ13のP−Tr13aとN−Tr13bを共にOFFして駆動パルスO2を高抵抗状態とする。ここで、AND回路20は駆動制御信号P3と駆動制御信号P4の反転出力を入力しているので、その出力であるバイアス制御信号P14は論理“1”となってアナログスイッチ23をONし、バイアス回路22の出力であるバイアス電圧P15を高抵抗状態となっている駆動パルスO2に供給して駆動パルスO2をバイアス電圧P15と同電位とする。すなわち、タイミングBに於いて、駆動パルスO2はバイアス電圧P15の電位に等しい約1/2VDDの電圧とされ、駆動パルスO1は高抵抗状態とされる。
ここで、駆動パルスO1、O2は前述の如く、コイル6のコイル端子6a、6bにそれぞれ接続されているので、コイル端子6aは高抵抗状態、コイル6bは約1/2VDDとなってコイル6は誘起電圧を検出する検出コイルとされる。すなわち、ロータ2が駆動コイルであるコイル7によって回転を始めると、ロータ2の回転によって生じる磁束の変化が第1ステータ磁極部3と第3ステータ磁極部5を介してコイル6に伝達され、この磁束の変化によって発生した誘起電圧がコイル6のコイル端子6aとコイル端子6bの間に現れる。ここで、前述した如く、コイル端子6bに接続されている駆動パルスO2はバイアス電圧P15と等しい電位(すなわち約1/2VDD)を有しているので、他方の端子であるコイル端子6aに接続されている駆動パルスO1には、駆動パルスO2の電位(すなわちバイアス電圧P15)を基準として誘起電圧が発生する。すなわち、該誘起電圧は、バイアス電圧P15の電位を中心に磁束の変化の方向に応じてプラス方向、又はマイナス方向に均等に発生するので、ダイナミックレンジの広い誘起電圧を得ることが出来る。
ここで、電圧検出回路16は駆動パルスO1を入力して誘起電圧を検出し、該誘起電圧が所定の電圧に達したならば、検出信号P9を出力する。AND回路18は、検出信号P9とマスク信号P11を入力して論理ANDを実行し、動的制御信号P12を出力する。制御回路11は動的制御信号P12を入力すると、タイミングBである第1駆動パルスを直ちに終了する。尚、電圧検出回路16が検出する所定の電圧は、バイアス電圧P15に略等しい電圧であることが好ましく、誘起電圧がバイアス電圧P15に達する付近で、ロータ2は初期の無励磁状態から約90度回転した位置となる。ここで第1駆動パルスの終了は、誘起電圧がバイアス電圧P15に達したときから若干遅れるので、ロータ2の回
転は初期状態から90度+αに達することになり、図3で示すタイミングBでのロータ2の回転位置は、タイミングBの終了時点での回転位置を示している。
ここで例えば、モータの負荷が軽い場合、ロータ2は素早く回転するので、第1駆動パルスであるタイミングBが開始されてから誘起電圧がバイアス電圧P15に達するまでの時間は短くなり、この結果、第1駆動パルスの駆動時間は短く調整される。また、モータの負荷が重い場合、ロータ2はゆっくり回転するので、第1駆動パルスであるタイミングBが開始されてから誘起電圧がバイアス電圧P15に達するまでの時間は長くなり、この結果、第1駆動パルスの駆動時間は長く調整される。すなわち、第1駆動パルスのパルス幅は、制御回路11により誘起電圧が現すロータ2の回転角度に応じて動的制御される。尚、第1駆動パルスのパルス幅は、通常状態に於いて2mS〜4mSの範囲で制御されることが多い。
次に、タイミングCは第1駆動パルスの終了後、直ちに第2駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1、P2と駆動制御信号P7、P8を短時間に論理“1”と論理“0”を繰り返し、駆動パルスO1、O4を図示する如くチョッパ駆動する。また、制御回路11は、駆動制御信号P3、P4、P5、P6を論理“0”として出力し、駆動パルスO2、O3を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6bからコイル端子6aに向かってチョッパ駆動電流が流れ、また同様に、コイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに向かってチョッパ駆動電流が流れる。
この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4はN極に励磁され、第3ステータ磁極部5はS極に励磁される。これにより、ロータ2のS極は第1ステータ磁極部3のN極によって引き寄せられ、また、ロータ2のN極は第1ステータ磁極部3のN極によって引き離されると共に第3ステータ磁極部5のS極によって引き寄せられるので、ロータ2は更に左方向(正転)に回転を継続して、タイミングAの無励磁の初期状態から1ステップ(すなわち180度)回転する。また、ロータ2が1ステップ回転すると、ロータ2のS極は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4のN極によって両方から引き寄せられてブレーキがかかり、また、ロータ2のN極は第3ステータ磁極部5のS極に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ回転したところで停止し安定する。
次に、タイミングDの期間は再び無励磁の期間であり、駆動パルスO1〜O4は共に論理“1”とされ、コイル6と7には駆動電流が流れず、ロータ2は停止状態が継続される。例えば、可逆ステッピングモータが1秒間に1ステップ毎に駆動されているとすると、このタイミングDの期間は1秒からタイミングBとタイミングCの期間を差し引いた時間となる。
次に、ロータ2をタイミングDの位置から更に左方向(正転)に1ステップ回転させる動作を説明する。タイミングEはコイル7に対して反転第1駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P5、P6を論理“1”とするので駆動パルスO3は論理“0”となり、更に制御回路11は駆動制御信号P7、P8を論理“0”とするので駆動パルスO4は論理“1”とされて、コイル7のコイル端子7bからコイル端子7aに駆動電流が流れる。これにより、コイル7は駆動コイルとされて第2ステータ磁極部4はS極に励磁され、第1ステータ磁極部3と第3ステータ磁極部5はN極に励磁され、ロータ2は再び左方向(正転)に回転を開始し、前記タイミングDの位置より90度以上回転する。ここで、第2ステータ磁極部4はロータ2のS極を引き離す方向に励磁され(すなわちS極に励磁)、また、第3ステータ磁極部5はロータ2のN極を引き離す方向に励磁される(すなわちN極に励磁)。
また、タイミングEに於いて、制御回路11は駆動制御信号P1を論理“1”、駆動制御信号P2を論理“0”とし、インバータ12のP−Tr12aとN−Tr12bを共にOFFして駆動パルスO1を高抵抗状態とする。同様に制御回路11は駆動制御信号P3を論理“1”、駆動制御信号P4を論理“0”とし、インバータ13のP−Tr13aとN−Tr13bを共にOFFして駆動パルスO2を高抵抗状態とする。ここで、AND回路20は駆動制御信号P3と駆動制御信号P4の反転出力を入力しているので、その出力であるバイアス制御信号P14は論理“1”となってアナログスイッチ23をONし、バイアス回路22の出力であるバイアス電圧P15を高抵抗状態となっている駆動パルスO2に供給して駆動パルスO2をバイアス電圧P15と同電位とする。すなわち、タイミングEに於いて、駆動パルスO2はバイアス電圧P15の電位に等しい約1/2VDDの電圧とされ、駆動パルスO1は高抵抗状態とされる。
ここで、駆動パルスO1、O2は前述の如く、コイル6のコイル端子6a、6bにそれぞれ接続されているので、コイル端子6aは高抵抗状態、コイル6bは約1/2VDDとなってコイル6は誘起電圧を検出する検出コイルとされる。すなわち、ロータ2が駆動コイルであるコイル7によって回転を始めると、ロータ2の回転によって生じる磁束の変化が第1ステータ磁極部3と第3ステータ磁極部5を介してコイル6に伝達され、この磁束の変化によって発生した誘起電圧がコイル6のコイル端子6aとコイル端子6bの間に現れる。ここで、前述した如く、コイル端子6bに接続されている駆動パルスO2はバイアス電圧P15と等しい電位(すなわち約1/2VDD)を有しているので、他方の端子であるコイル端子6aに接続されている駆動パルスO1には、駆動パルスO2の電位(すなわちバイアス電圧P15)を基準として誘起電圧が発生する。すなわち、該誘起電圧は、バイアス電圧P15の電位を中心に磁束の変化の方向に応じてプラス方向、又はマイナス方向に均等に発生するので、ダイナミックレンジの広い誘起電圧を得ることが出来る。尚、前記タイミングBに於いては、磁束の変化を起こすロータ2の磁極はN極であったが、タイミングEに於ける磁束の変化を起こすロータ2の磁極はS極であるので、図示するように誘起電圧の極性は反転し、誘起電圧はバイアス電圧P15を基準としてマイナス側に発生する。
ここで、電圧検出回路16は駆動パルスO1を入力して誘起電圧を検出し、該誘起電圧が所定の電圧に達したならば、検出信号P9を出力する。AND回路18は、検出信号P9とマスク信号P11を入力して論理ANDを実行し、動的制御信号P12を出力する。制御回路11は動的制御信号P12を入力すると、タイミングEである反転第1駆動パルスを直ちに終了する。尚、電圧検出回路16が検出する所定の電圧は、タイミングBと同様にバイアス電圧P15に略等しい電圧が好ましく、誘起電圧がバイアス電圧P15に達する付近で、ロータ2はタイミングDの無励磁状態から約90度回転した位置となる。ここで反転第1駆動パルスの終了は、誘起電圧がバイアス電圧P15に達したときから若干遅れるので、ロータ2の回転はタイミングDの位置から90度+αに達することになり、図3で示すタイミングEでのロータ2の回転位置は、タイミングEの終了時点での回転位置を示している。
ここで例えば、モータの負荷が軽い場合、ロータ2は素早く回転するので、反転第1駆動パルスであるタイミングEが開始されてから誘起電圧がバイアス電圧P15に達するまでの時間は短くなり、この結果、反転第1駆動パルスの駆動時間は短く調整される。また、モータの負荷が重い場合、ロータ2はゆっくり回転するので、反転第1駆動パルスであるタイミングEが開始されてから誘起電圧がバイアス電圧P15に達するまでの時間は長くなり、この結果、反転第1駆動パルスの駆動時間は長く調整される。すなわち、反転第1駆動パルスのパルス幅は、制御回路11により誘起電圧が現すロータ2の回転角度に応じて動的制御される。尚、反転第1駆動パルスのパルス幅は、前述の第1駆動パルスと同様に通常状態に於いて2mS〜4mSの範囲で制御されるが、図3に於いて、タイミン
グEの反転第1駆動パルスのパルス幅はタイミングBの第1駆動パルスより短く記しており、第1駆動パルス及び反転第1駆動パルスがモータの負荷変動等によって動的制御されることを示している。
次に、タイミングFは反転第1駆動パルスの終了後、直ちに反転第2駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P3、P4と駆動制御信号P5、P6を短時間に論理“1”と論理“0”を繰り返し、駆動パルスO2、O3を図示する如くチョッパ駆動する。また、制御回路11は、駆動制御信号P1、P2、P7、P8を論理“0”として出力し、駆動パルスO1、O4を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6aからコイル端子6bに向かってチョッパ駆動電流が流れ、また同様に、コイル7のコイル端子7bからコイル端子7aに向かってチョッパ駆動電流が流れる。
この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4はS極に励磁され、第3ステータ磁極部5はN極に励磁される。これにより、ロータ2のN極は第1ステータ磁極部3のS極によって引き寄せられ、また、ロータ2のS極は第1ステータ磁極部3のS極によって引き離されると共に第3ステータ磁極部5のN極によって引き寄せられるので、ロータ2は更に左方向(正転)に回転を継続して、タイミングDの無励磁状態から1ステップ(すなわち180度)回転する。また、ロータ2が1ステップ回転すると、ロータ2のN極は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4のS極によって両方から引き寄せられてブレーキがかかり、また、ロータ2のS極は第3ステータ磁極部5のN極に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ回転したところで停止し安定する。以上のように、タイミングA〜タイミングFまでを繰り返すことによってロータ2は2ステップ(すなわち360度)ずつ左方向(正転)に回転する。
尚、タイミングBに於いて、前述した如く駆動コイルであるコイル7により、第2ステータ磁極部4はロータ2のN極を引き離す方向に励磁され、また、第3ステータ磁極部5はロータ2のS極を引き離す方向に励磁されるので、検出コイルであるコイル6はロータの発生する磁束を引き込む方向に配置されることになる。この結果、コイル6に発生する誘起電圧のレベルが上昇し誘起電圧の検出精度を向上させることが出来る。また同様に、タイミングEに於いても、前述した如く駆動コイルであるコイル7により、第2ステータ磁極部4はロータ2のS極を引き離す方向に励磁され、また、第3ステータ磁極部5はロータ2のN極を引き離す方向に励磁されるので、検出コイルであるコイル6はロータ2の発生する磁束を引き込む方向に配置されることになる。この結果、コイル6に発生する誘起電圧のレベルが上昇し誘起電圧の検出精度を向上させることが出来る。
また、タイミングCによる第2駆動パルスとタイミングFによる反転第2駆動パルスの期間は通常1mS位であることが好ましく、またチョッパ周期は200μS〜250μS程度であることが好ましい。また、第2駆動パルス及び反転第2駆動パルスをチョッパ駆動とする理由は、第1駆動パルス及び反転第1駆動パルスよりも駆動エネルギーを小さくして、ロータ2に対する過度のブレーキ効果を無くし、ロータ2の回転動作をスムーズにさせるためである。また、第2駆動パルス及び反転第2駆動パルスの駆動エネルギーを調整するためにチョッパ波形のデューティを可変しても良い。また、第2駆動パルス及び反転第2駆動パルスはチョッパ駆動に限定されず、フル駆動パルスであっても良く、また、駆動エネルギーの調整のために、駆動電圧や駆動電流を調整しても良い。
次に、可逆ステッピングモータ1のロータ2の逆転方向の回転動作を図4に基づいて説明する。尚、説明を分かり易くするために、前述の図3と同様に各動作をタイミングA〜タイミングFまでの6段階に分けて説明する。また、正転方向の回転動作を説明した図
3と重複する箇所は一部説明を省略する。図4に於いて、タイミングAは無励磁状態であり、コイル6、7には駆動パルスが印加されず、駆動パルスO1〜O4は共に論理“1”(VDD)であり、第1ステータ磁極部3、第2ステータ磁極部4、第3ステータ磁極部5は共に励磁されず、ロータ2は初期状態として図面上N極が上、S極が下の状態で停止している。
次に、タイミングBはコイル6に対して第1駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P3、P4を論理“0”とするので駆動パルスO2は論理“1”となり、更に制御回路11は駆動制御信号P1、P2を論理“1”とするので駆動パルスO1は論理“0”(VSS)とされて、コイル6のコイル端子6bからコイル端子6aに駆動電流が流れる。これにより、コイル6は駆動コイルとされて第1ステータ磁極部3はN極に励磁され、第2ステータ磁極部4と第3ステータ磁極部5はS極に励磁され、ロータ2は右方向(逆転)に回転を開始し、90度以上回転する。ここで、第1ステータ磁極部3はロータ2のN極を引き離す方向に励磁され(すなわちN極に励磁)、また、第3ステータ磁極部5はロータ2のS極を引き離す方向に励磁される(すなわちS極に励磁)。
また、タイミングBに於いて、制御回路11は駆動制御信号P7を論理“1”、駆動制御信号P8を論理“0”とし、インバータ15のP−Tr15aとN−Tr15bを共にOFFして駆動パルスO4を高抵抗状態とする。同様に制御回路11は駆動制御信号P5を論理“1”、駆動制御信号P6を論理“0”とし、インバータ14のP−Tr14aとN−Tr14bを共にOFFして駆動パルスO3を高抵抗状態とする。ここで、AND回路24は駆動制御信号P5と駆動制御信号P6の反転出力を入力しているので、その出力であるバイアス制御信号P16は論理“1”となってアナログスイッチ27をONし、バイアス回路26の出力であるバイアス電圧P17を高抵抗状態となっている駆動パルスO3に供給して駆動パルスO3をバイアス電圧P17と同電位とする。すなわち、タイミングBに於いて、駆動パルスO3はバイアス電圧P17の電位に等しい約1/2VDDの電圧とされ、駆動パルスO4は高抵抗状態とされる。
ここで、駆動パルスO3、O4は前述の如く、コイル7のコイル端子7a、7bにそれぞれ接続されているので、コイル端子7bは高抵抗状態、コイル7aは約1/2VDDとなってコイル7は誘起電圧を検出する検出コイルとされる。すなわち、ロータ2が駆動コイルであるコイル6によって回転を始めると、ロータ2の回転によって生じる磁束の変化が第2ステータ磁極部4と第3ステータ磁極部5を介してコイル7に伝達され、この磁束の変化によって発生した誘起電圧がコイル7のコイル端子7aとコイル端子7bの間に現れる。ここで、前述した如く、コイル端子7aに接続されている駆動パルスO3はバイアス電圧P17と等しい電位(すなわち約1/2VDD)を有しているので、他方の端子であるコイル端子7bに接続されている駆動パルスO4には、駆動パルスO3の電位(すなわちバイアス電圧P17)を基準として誘起電圧が発生する。すなわち、該誘起電圧は、バイアス電圧P17の電位を中心に磁束の変化の方向に応じてプラス方向、又はマイナス方向に均等に発生するので、ダイナミックレンジの広い誘起電圧を得ることが出来る。
ここで、電圧検出回路17は駆動パルスO4を入力して誘起電圧を検出し、該誘起電圧が所定の電圧に達したならば、検出信号P10を出力する。AND回路19は、検出信号P10とマスク信号P11を入力して論理ANDを実行し、動的制御信号P13を出力する。制御回路11は動的制御信号P13を入力すると、タイミングBである第1駆動パルスを直ちに終了する。尚、電圧検出回路17が検出する所定の電圧は、バイアス電圧P17に略等しい電圧であることが好ましく、誘起電圧がバイアス電圧P17に達する付近で、ロータ2は初期の無励磁状態から約90度回転した位置となる。ここで第1駆動パルスの終了は、誘起電圧がバイアス電圧P17に達したときから若干遅れるので、ロータ2
の回転は初期状態から90度+αに達することになり、図4で示すタイミングBでのロータ2の回転位置は、タイミングBの終了時点での回転位置を示している。
ここで例えば、モータの負荷が軽い場合、ロータ2は素早く回転するので、第1駆動パルスであるタイミングBが開始されてから誘起電圧がバイアス電圧P17に達するまでの時間は短くなり、この結果、第1駆動パルスの駆動時間は短く調整される。また、モータの負荷が重い場合、ロータ2はゆっくり回転するので、第1駆動パルスであるタイミングBが開始されてから誘起電圧がバイアス電圧P17に達するまでの時間は長くなり、この結果、第1駆動パルスの駆動時間は長く調整される。すなわち、第1駆動パルスのパルス幅は、制御回路11により誘起電圧が現すロータ2の回転角度に応じて動的制御される。尚、第1駆動パルスのパルス幅は、通常状態に於いて2mS〜4mSの範囲で制御されることが多い。
次に、タイミングCは第1駆動パルスの終了後、直ちに第2駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1、P2と駆動制御信号P7、P8を短時間に論理“1”と論理“0”を繰り返し、駆動パルスO1、O4を図示する如くチョッパ駆動する。また、制御回路11は、駆動制御信号P3、P4、P5、P6を論理“0”として出力し、駆動パルスO2、O3を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6bからコイル端子6aに向かってチョッパ駆動電流が流れ、また同様に、コイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに向かってチョッパ駆動電流が流れる。
この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4はN極に励磁され、第3ステータ磁極部5はS極に励磁される。これにより、ロータ2のS極は第2ステータ磁極部4のN極によって引き寄せられ、また、ロータ2のN極は第2ステータ磁極部4のN極によって引き離されると共に第3ステータ磁極部5のS極によって引き寄せられるので、ロータ2は更に右方向(逆転)に回転を継続して、タイミングAの無励磁の初期状態から1ステップ(すなわち180度)回転する。また、ロータ2が1ステップ回転すると、ロータ2のS極は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4のN極によって両方から引き寄せられてブレーキがかかり、また、ロータ2のN極は第3ステータ磁極部5のS極に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ回転したところで停止し安定する。
次に、タイミングDの期間は再び無励磁の期間であり、駆動パルスO1〜O4は共に論理“1”とされ、コイル6と7には駆動電流が流れず、ロータ2は停止状態が継続される。
次に、ロータ2をタイミングDの位置から更に右方向(逆転)に1ステップ回転させる動作を説明する。タイミングEはコイル6に対して反転第1駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P3、P4を論理“1”とするので駆動パルスO2は論理“0”となり、更に制御回路11は駆動制御信号P1、P2を論理“0”とするので駆動パルスO1は論理“1”とされて、コイル6のコイル端子6aからコイル端子6bに駆動電流が流れる。これにより、コイル6は駆動コイルとされて第1ステータ磁極部3はS極に励磁され、第2ステータ磁極部4と第3ステータ磁極部5はN極に励磁され、ロータ2は再び右方向(逆転)に回転を開始し、前記タイミングDの位置より90度以上回転する。ここで、第1ステータ磁極部3はロータ2のS極を引き離す方向に励磁され(すなわちS極に励磁)、また、第3ステータ磁極部5はロータ2のN極を引き離す方向に励磁される(すなわちN極に励磁)。
また、タイミングEに於いて、制御回路11は駆動制御信号P7を論理“1”、駆動制御信号P8を論理“0”とし、インバータ15のP−Tr15aとN−Tr15bを共
にOFFして駆動パルスO4を高抵抗状態とする。同様に制御回路11は駆動制御信号P5を論理“1”、駆動制御信号P6を論理“0”とし、インバータ14のP−Tr14aとN−Tr14bを共にOFFして駆動パルスO3を高抵抗状態とする。ここで、AND回路24は駆動制御信号P5と駆動制御信号P6の反転出力を入力しているので、その出力であるバイアス制御信号P16は論理“1”となってアナログスイッチ27をONし、バイアス回路26の出力であるバイアス電圧P17を高抵抗状態となっている駆動パルスO3に供給して駆動パルスO3をバイアス電圧P17と同電位とする。すなわち、タイミングEに於いて、駆動パルスO3はバイアス電圧P17の電位に等しい約1/2VDDの電圧とされ、駆動パルスO4は高抵抗状態とされる。
ここで、駆動パルスO3、O4は前述の如く、コイル7のコイル端子7a、7bにそれぞれ接続されているので、コイル端子7bは高抵抗状態、コイル7aは約1/2VDDとなってコイル7は誘起電圧を検出する検出コイルとされる。すなわち、ロータ2が駆動コイルであるコイル6によって回転を始めると、ロータ2の回転によって生じる磁束の変化が第2ステータ磁極部4と第3ステータ磁極部5を介してコイル7に伝達され、この磁束の変化によって発生した誘起電圧がコイル7のコイル端子7aとコイル端子7bの間に現れる。ここで、前述した如く、コイル端子7aに接続されている駆動パルスO3はバイアス電圧P17と等しい電位(すなわち約1/2VDD)を有しているので、他方の端子であるコイル端子7bに接続されている駆動パルスO4には、駆動パルスO3の電位(すなわちバイアス電圧P17)を基準として誘起電圧が発生する。すなわち、該誘起電圧は、バイアス電圧P17の電位を中心に磁束の変化の方向に応じてプラス方向、又はマイナス方向に均等に発生するので、ダイナミックレンジの広い誘起電圧を得ることが出来る。尚、前記タイミングBに於いては、磁束の変化を起こすロータ2の磁極はN極であったが、タイミングEに於ける磁束の変化を起こすロータ2の磁極はS極であるので、図示するように誘起電圧の極性は反転し、誘起電圧はバイアス電圧P17を基準としてマイナス側に発生する。
ここで、電圧検出回路17は駆動パルスO4を入力して誘起電圧を検出し、該誘起電圧が所定の電圧に達したならば、検出信号P10を出力する。AND回路19は、検出信号P10とマスク信号P11を入力して論理ANDを実行し、動的制御信号P13を出力する。制御回路11は動的制御信号P13を入力すると、タイミングEである反転第1駆動パルスを直ちに終了する。尚、電圧検出回路17が検出する所定の電圧は、タイミングBと同様にバイアス電圧P17に略等しい電圧が好ましく、誘起電圧がバイアス電圧P17に達する付近で、ロータ2はタイミングDの無励磁状態から約90度回転した位置となる。ここで反転第1駆動パルスの終了は、誘起電圧がバイアス電圧P17に達したときから若干遅れるので、ロータ2の回転はタイミングDの位置から90度+αに達することになり、図4で示すタイミングEでのロータ2の回転位置は、タイミングEの終了時点での回転位置を示している。
ここで例えば、モータの負荷が軽い場合、ロータ2は素早く回転するので、反転第1駆動パルスであるタイミングEが開始されてから誘起電圧がバイアス電圧P17に達するまでの時間は短くなり、この結果、反転第1駆動パルスの駆動時間は短く調整される。また、モータの負荷が重い場合、ロータ2はゆっくり回転するので、反転第1駆動パルスであるタイミングEが開始されてから誘起電圧がバイアス電圧P17に達するまでの時間は長くなり、この結果、反転第1駆動パルスの駆動時間は長く調整される。すなわち、反転第1駆動パルスのパルス幅は、制御回路11により誘起電圧が現すロータ2の回転角度に応じて動的制御される。尚、反転第1駆動パルスのパルス幅は、前述の第1駆動パルスと同様に通常状態に於いて2mS〜4mSの範囲で制御されるが、図4に於いて、タイミングEの反転第1駆動パルスのパルス幅はタイミングBの第1駆動パルスより短く記しており、第1駆動パルス及び反転第1駆動パルスがモータの負荷変動等によって動的制御され
ることを示している。
次に、タイミングFは反転第1駆動パルスの終了後、直ちに反転第2駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P3、P4と駆動制御信号P5、P6を短時間に論理“1”と論理“0”を繰り返し、駆動パルスO2、O3を図示する如くチョッパ駆動する。また、制御回路11は、駆動制御信号P1、P2、P7、P8を論理“0”として出力し、駆動パルスO1、O4を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6aからコイル端子6bに向かってチョッパ駆動電流が流れ、また同様に、コイル7のコイル端子7bからコイル端子7aに向かってチョッパ駆動電流が流れる。
この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4はS極に励磁され、第3ステータ磁極部5はN極に励磁される。これにより、ロータ2のN極は第2ステータ磁極部4のS極によって引き寄せられ、また、ロータ2のS極は第2ステータ磁極部4のS極によって引き離されると共に第3ステータ磁極部5のN極によって引き寄せられるので、ロータ2は更に右方向(逆転)に回転を継続して、タイミングDの無励磁状態から1ステップ(すなわち180度)回転する。また、ロータ2が1ステップ回転すると、ロータ2のN極は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4のS極によって両方から引き寄せられてブレーキがかかり、また、ロータ2のS極は第3ステータ磁極部5のN極に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ回転したところで停止し安定する。以上のように、タイミングA〜タイミングFまでを繰り返すことによってロータ2は2ステップ(すなわち360度)ずつ右方向(逆転)に回転する。
尚、タイミングBに於いて、前述した如く駆動コイルであるコイル6により、第1ステータ磁極部3はロータ2のN極を引き離す方向に励磁され、また、第3ステータ磁極部5はロータ2のS極を引き離す方向に励磁されるので、検出コイルであるコイル7はロータの発生する磁束を引き込む方向に配置されることになる。この結果、コイル7に発生する誘起電圧のレベルが上昇し誘起電圧の検出精度を向上させることが出来る。また同様に、タイミングEに於いても、前述した如く駆動コイルであるコイル6により、第1ステータ磁極部3はロータ2のS極を引き離す方向に励磁され、また、第3ステータ磁極部5はロータ2のN極を引き離す方向に励磁されるので、検出コイルであるコイル7はロータの発生する磁束を引き込む方向に配置されることになる。この結果、コイル7に発生する誘起電圧のレベルが上昇し誘起電圧の検出精度を向上させることが出来る。
また、タイミングCによる第2駆動パルスとタイミングFによる反転第2駆動パルスの期間は通常1mS位であることが好ましく、またチョッパ周期は200μS〜250μS程度であることが好ましい。また、第2駆動パルス及び反転第2駆動パルスをチョッパ駆動とする理由等は、図3の正転動作で説明した内容と同様であるので省略する。
次に図5に基づいて本発明の実施例1の可逆ステッピングモータの検出コイルに発生する誘起電圧と電圧検出手段の動作を説明する。説明の前提として、可逆ステッピングモータのロータ2が正転動作をしているときに発生する誘起電圧を基にして説明する。ここで、該誘起電圧は前述した如く、ロータ2の正転動作に於いて第1駆動パルスの期間に高抵抗状態とされた駆動パルスO1に発生する。電圧検出手段としての電圧検出回路16は、第1駆動パルスの期間を誘起電圧検出期間として前記駆動パルスO1を入力し、誘起電圧が所定の電圧としてのバイアス電圧P15に達するかどうかを判定する。そして該誘起電圧がバイアス電圧P15に達した場合(すなわち、ここではバイアス電圧P15以下となった場合)は、検出信号P9を出力する。尚、誘起電圧には外部などから図5に示すような電気的なノイズが発生することがあり、検出信号P9a、P9bは誘起電圧に発生した
ノイズを検出した結果であり、また、検出信号P9cは誘起電圧がバイアス電圧P15以下となったことを検出した正しい検出信号である。
ここで、ノイズによって検出された検出信号P9a、P9bがそのまま制御回路11に入力されると、制御回路11は検出信号P9a、又は検出信号P9bによって誘起電圧が所定の電圧に達したと誤認識して第1駆動パルスを終了させてしまい、結果として、ロータ2の回転が停止してしまう等の危険性がある。このような誘起電圧に発生するノイズの影響を最小限に抑えるために、本実施例では電圧検出回路16の後にAND回路18によるマスク回路を備え、電圧検出回路16の誘起電圧検出期間に所定のマスク期間を設ける対策を実施している。
すなわち、図5に示すように、マスク信号P11は第1駆動パルスの期間の開始に同期して論理“0”となり、第1駆動パルス期間の途中で論理“1”に戻る信号である。検出信号P9は、このマスク信号P11とAND回路18によって論理ANDされるので、マスク信号P11が論理“0”期間、すなわち、マスク期間に於いては、誘起電圧のノイズによって検出信号P9が発生しても、AND回路18の出力である動的制御信号P12には図示するようにノイズによる動的制御信号P12はマスクされて出力されず、マスク信号P11が論理“1”とされた期間に発生した検出信号P9cが動的制御信号P12cとして制御回路11に入力される。このように、本発明に於いては電圧検出回路16の誘起電圧検出期間中にマスク期間を設けることが出来るので、マスク期間内に誘起電圧に発生する電気的ノイズによる誤動作を防止し、駆動パルスの動的制御の信頼性を向上させることが出来る。
また、前述した如く、電圧検出回路16はヒステリシス回路16aを内蔵し、誘起電圧の検出にヒステリシス特性を設けている。すなわち、該ヒステリシス回路16aは電圧ヒステリシス手段として機能し、図5で示すように誘起電圧がバイアス電圧P15から更にヒステリシス電圧分下がったときに、検出信号P9を出力する。これにより、例えば誘起電圧に振幅の小さなノイズ成分が重畳されているような場合、ノイズによる検出信号P9の誤動作を防止し、駆動パルスの動的制御の信頼性を向上させることが出来る。尚、ヒステリシス電圧は電源電圧に対して1%〜10%の範囲であることが好ましい。また、ヒステリシス回路16aは誘起電圧がバイアス電圧P15に達してから一定時間経過後に検出信号P9を出力する時間ヒステリシス手段として機能しても良い。
すなわち、誘起電圧がバイアス電圧P15以下になってから一定時間の経過内で誘起電圧がバイアス電圧P15以下を継続したときに、検出信号P9を出力させる機能を用いても良い。尚、動的制御信号P12が出力されると、制御回路11は直ちに第1駆動パルスの期間を終了し第2駆動パルスの期間に移行するが、以降の動作の説明は重複するので省略する。また、図5での説明は、ロータ2が正転動作していることを前提に説明したが、逆転動作に於いては、誘起電圧が駆動パルスO4に発生することを除けば、他の基本動作は同じであるので説明は省略する。
次に図6に基づいて本発明の実施例1の可逆ステッピングモータの第1駆動パルスの別形態を説明する。説明の前提として、可逆ステッピングモータのロータ2が正転動作をしているときの第1駆動パルスの形態を説明する。図6に於いて、駆動パルスO1には、第1駆動パルスの期間、図示するように誘起電圧が発生する。マスク信号P11は、第1駆動パルスの期間の開始に同期して論理“0”となり、所定の時間後、論理“1”に戻る信号である。そして、マスク信号P11が論理“0”の期間が前述した如く、誘起電圧の検出をマスクする期間である。駆動パルスO4は、前記マスク信号P11によるマスク期間に同期して論理“1”と論理“0”を一定周期で繰り返すチョッパ駆動期間を有し、マスク信号P11のマスク期間の終了に合わせて論理“0”が継続するフル駆動パルス期間
となる。
すなわち、第1駆動パルスのチョッパ駆動期間に於いては、駆動パルスO3、O4が接続されているコイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに向かってチョッパ駆動電流が流れ、また、第1駆動パルスのフル駆動パルス期間に於いては、同様に駆動パルスO3、O4が接続されているコイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに向かってフル駆動電流が流れる。ここで、チョッパ駆動期間中に於いては、駆動パルスO1に発生する誘起電圧には、コイル7に流れるチョッパ駆動電流の影響で、図示するようなノイズ成分が重畳される可能性があるが、チョッパ駆動期間は、前述の如く、マスク信号P11によるマスク期間でもあるので、ノイズ成分はマスク信号P11によってマスクされ、駆動パルスの動的制御は誤動作せず信頼性は維持される。
またこのように、第1駆動パルスの一部をチョッパ駆動する理由は、駆動コイルに流れる駆動電流の一部をチョッパ駆動電流とすることにより、モータ駆動の低消費電力を実現出来るからである。また、マスク期間以外の期間に於いて第1駆動パルスをフル駆動パルス期間とする理由は、フル駆動パルスでの駆動電流は直流電流に近いためにノイズ成分が発生し難く、誘起電圧にノイズが重畳されないので電圧検出回路16の誤動作を防ぐことが出来るからである。また、図6での説明は、ロータ2が正転動作していることを前提に説明したが、逆転動作に於いては、誘起電圧が駆動パルスO4に発生し、駆動パルスO1がチョッパ駆動となることを除けば、他の基本動作は同じであるので説明は省略する。
次に図7に基づいて本発明の実施例1の可逆ステッピングモータの高速駆動動作を説明する。尚、高速駆動動作とは1ステップの駆動周期が非常に短い(例えば10mS以下等)駆動動作を言い、また、説明の前提として、1ステップの駆動周期が固定である固定駆動周期方式の高速駆動動作であり、且つ、ロータ2の回転方向が正転動作であるとする。図7に於いて、駆動パルスO1〜O4は、図3で前述した駆動動作に準じた動作を行っており、フル駆動パルスによる第1駆動パルス期間、その次にチョッパ駆動による第2駆動パルス期間、その次にフル駆動パルスによる反転第1駆動パルス期間、更にその次にチョッパ駆動による反転第2駆動パルス期間と動作が継続する。
ここで前述した如く、1ステップの駆動周期は固定であり、その駆動周期は一例として5.5mSであるとする。ここで、図示するように第1駆動パルスの期間が4mS経過した時点で駆動パルスO1に発生する誘起電圧がバイアス電圧P15に達するので直ちに第1駆動パルスの期間は終了し、第2駆動パルス期間が開始される。第2駆動パルス期間が1mSの固定であるとすれば、第1駆動パルスと第2駆動パルスの合計期間は4mS+1mS=5mSである。ここで、駆動周期は5.5mSであるので、駆動周期−(第1駆動パルス期間+第2駆動パルス期間)=0.5mSとなり、図示するように第2駆動パルス終了後に0.5mSの無励磁期間が存在し、駆動周期の固定が維持される。次に反転第1パルス期間では、何らかの原因によりモータ負荷が重くなりロータ2の回転が遅いために、反転パルス期間が4.5mSを経過しても誘起電圧がバイアス電圧P15に達しない状態を示している。
ここで、前述した如く、1ステップの駆動周期は5.5mSと決められているので、第2パルス幅が1mSの固定であるならば、反転第1駆動パルス幅の最大値は、5.5mS−1mS=4.5mSとなり、反転第1駆動パルス幅は、この最大値である4.5mSまで確保される。すなわち、駆動パルスの駆動周期が固定周期である場合は、第1駆動パルス(又は反転第1駆動パルス)は駆動周期と第2駆動パルス(又は反転第2駆動パルス)の幅の差まで確保されることになり、第1駆動パルス(又は反転第1駆動パルス)のパルス幅がそれ以上延長されることはない。但し、高速駆動は固定駆動周期方式に限定されるものではなく、第1駆動パルス(又は反転第1駆動パルス)に発生する誘起電圧がバイ
アス電圧P15に達するまで第1駆動パルス(又は反転第1駆動パルス)のパルス幅を延長し、駆動周期を可変とする可変駆動周期方式であっても良い。
また、第1駆動パルス(又は反転第1駆動パルス)のパルス幅の延長を誘起電圧がバイアス電圧に達するまでではなく、所定の時間を限度として延長する時間制限付き可変駆動周期方式であっても良い。ここで、高速駆動に於ける各駆動方式をまとめると、図7で示した固定駆動周期方式は、第1駆動パルスのパルス幅を駆動パルスの駆動周期で決まる最大パルス幅まで確保するので、負荷変動等の外乱に対して信頼性の高い可逆ステッピングモータを提供出来る。更に、高速駆動のステップ送りを常に一定に送ることが出来る大きな効果があるが、モータの負荷変動や電源電圧等に比較的大きな変動が生じた場合、第1駆動パルスが強制的に終了されるので駆動トルクに余裕が無くなる可能性がある。
また、可変駆動周期方式は、モータの負荷変動や電源電圧の変動に対して駆動周期を可変し、必要な駆動トルクを確保出来るので極めて信頼性の高いモータ駆動を実現出来る。また、該可変駆動周期方式に於いては、電源電圧が十分に高い場合は駆動トルクが大きいので第1駆動パルス幅は短くなり、これに準じて駆動周期も短くなる。また、電源電圧が低い場合は駆動トルクが小さいので第1駆動パルス幅は長くなって駆動トルクを確保し、これに準じて駆動周期も長くなる。従って可変駆動周期方式では、モータの負荷変動や電源電圧等の変動に応じて駆動周期が変化するので、常に一定の高速駆動を行うことは出来ない。
また、時間制限付き可変駆動周期方式は、固定駆動周期方式と可変駆動周期方式の中間的な方式であり、モータの負荷変動や電源電圧等の変動に対して必要な駆動トルクをある程度確保出来ると共に、モータの負荷変動や電源電圧の変動に対する駆動周期の変化に制限をつけて可変量を抑制することが出来る。このように、各駆動方式は、それぞれ効果に特徴があるので可逆ステッピングモータの仕様を考慮して各方式を選択すれば良い。尚、図7はロータ2の正転動作を前提として説明したが、ロータ2の逆転動作に於いても同様であり、その説明は省略する。以上のように本発明の実施例1によるならば、モータの負荷変動、電源電圧変動等の外乱に対して駆動パルスを動的制御し必要な駆動トルクを調整出来るので、安定したモータ駆動を実現する可逆ステッピングモータを提供することが出来る。また、モータ駆動の低消費電力化を可能とし、高速駆動にも十分対応出来るので、様々な用途に適した信頼性の高い可逆ステッピングモータを実現出来る。
次に図8に基づいて本発明の実施例2としての可逆ステッピングモータの正転駆動方式について説明する。実施例2の駆動方式は、駆動パルスが第1駆動パルスと第2駆動パルスと第3駆動パルスによって成ることを特徴とする。尚、説明を分かり易くするために、各動作をタイミングG〜タイミングNまでの8段階に分けて説明する。また、実施例2の可逆ステッピングモータと駆動回路は実施例1と同様であるので説明は省略し、可逆ステッピングモータの構成は図1を参照し、駆動回路の回路ブロック図は図2を参照する。図8に於いて、タイミングGは無励磁状態であり、実施例1の図3で述べたタイミングAと同様であるので説明は省略する。次にタイミングHはコイル7に対して第1駆動パルスが出力されるタイミングであり、コイル7に駆動電流が流れてロータ2は図示するように左方向(正転)に回転を開始するが、駆動パルスの形態及びロータ2の回転動作は実施例1の図3で述べたタイミングBと同様であるので詳細な説明は省略する。
次に、タイミングIは第1駆動パルスの終了後、直ちに第2駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1〜P8をそれぞれ出力して駆動パルスO1、O3を論理“0”とし、駆動パルスO2、O4を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6bからコイル端子6aに向かって駆動電流が流れ、また、コイ
ル7のコイル端子7bからコイル端子7aに向かって駆動電流が流れる。この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3はN極に励磁され、第2ステータ磁極部4はS極に励磁され、第3ステータ磁極部5はS極とN極が打ち消し合って無励磁となる。これにより、ロータ2のN極は第1ステータ磁極部3のN極によって引き離され、また、ロータ2のS極は第2ステータ磁極部4のS極によって引き離されるので、ロータ2は更に左方向(正転)に回転を継続する。尚、タイミングIでの第2駆動パルスのパルス幅は固定であり、1mS程度が好ましい。
次に、タイミングJは第2駆動パルスの終了後、直ちに第3駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1〜P8をそれぞれ出力して駆動パルスO1、O4を論理“0”とし、駆動パルスO2、O3を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6bからコイル端子6aに向かって駆動電流が継続して流れ、また、コイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに向かって駆動電流が流れる。この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4はN極に励磁され、第3ステータ磁極部5はS極に励磁される。これにより、ロータ2のS極は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4のN極によって両方から引き寄せられてブレーキがかかり、また、ロータ2のN極は第3ステータ磁極部5のS極に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ(すなわち180度)回転したところで停止し安定する。尚、タイミングJでの第3駆動パルスのパルス幅は固定であり、1mS程度が好ましい。
次に、タイミングKの期間は再び無励磁の期間であり、駆動パルスO1〜O4は共に論理“1”とされ、コイル6と7には駆動電流が流れず、ロータ2は停止状態が継続される。次にタイミングLはコイル7に対して反転第1駆動パルスが出力されるタイミングであり、コイル7に反転した駆動電流が流れてロータ2は図示するように再び左方向(正転)に回転を開始するが、駆動パルスの形態及びロータ2の回転動作は実施例1の図3で述べたタイミングEと同様であるので詳細な説明は省略する。
次に、タイミングMは反転第1駆動パルスの終了後、直ちに反転第2駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1〜P8をそれぞれ出力して駆動パルスO2、O4を論理“0”とし、駆動パルスO1、O3を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6aからコイル端子6bに向かって駆動電流が流れ、また、コイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに向かって駆動電流が流れる。この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3はS極に励磁され、第2ステータ磁極部4はN極に励磁され、第3ステータ磁極部5はS極とN極が打ち消し合って無励磁となる。これにより、ロータ2のS極は第1ステータ磁極部3のS極によって引き離され、また、ロータ2のN極は第2ステータ磁極部4のN極によって引き離されるので、ロータ2は更に左方向(正転)に回転を継続する。尚、タイミングMでの反転第2駆動パルスのパルス幅は固定であり、1mS程度が好ましい。
次に、タイミングNは反転第2駆動パルスの終了後、直ちに反転第3駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1〜P8をそれぞれ出力して駆動パルスO2、O3を論理“0”とし、駆動パルスO1、O4を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6aからコイル端子6bに向かって駆動電流が継続して流れ、また、コイル7のコイル端子7bからコイル端子7aに向かって駆動電流が流れる。この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4はS極に励磁され、第3ステータ磁極部5はN極に励磁される。これにより、ロータ2のN極は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4のS極によって両方から引き寄せられてブレーキがかかり、また、ロータ2のS極は第3ステータ磁極部5のN極に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ(すなわ
ち180度)回転したところで停止し安定する。尚、タイミングNでの反転第3駆動パルスのパルス幅は固定であり、1mS程度が好ましい。
次に図9に基づいて本発明の実施例2としての可逆ステッピングモータの逆転駆動方式について説明する。尚、逆転駆動方式は前述した図8での正転駆動方式に対し、駆動パルスO1と駆動パルスO4、及び駆動パルスO2と駆動パルスO3が入れ替わった動作であるので、一部重複する説明は省略する。図9に於いて、タイミングGは無励磁状態であり、実施例1の図4で述べたタイミングAと同様であるので説明は省略する。次にタイミングHはコイル6に対して第1駆動パルスが出力されるタイミングであり、コイル6に駆動電流が流れてロータ2は図示するように右方向(逆転)に回転を開始するが、駆動パルスの形態及びロータ2の回転動作は実施例1の図4で述べたタイミングBと同様であるので詳細な説明は省略する。
次に、タイミングIは第1駆動パルスの終了後、直ちに第2駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1〜P8をそれぞれ出力して駆動パルスO2、O4を論理“0”とし、駆動パルスO1、O3を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6aからコイル端子6bに向かって駆動電流が流れ、また、コイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに向かって駆動電流が流れる。この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3はS極に励磁され、第2ステータ磁極部4はN極に励磁され、第3ステータ磁極部5はS極とN極が打ち消し合って無励磁となる。これにより、ロータ2のS極は第1ステータ磁極部3のS極によって引き離され、また、ロータ2のN極は第2ステータ磁極部4のN極によって引き離されるので、ロータ2は更に右方向(逆転)に回転を継続する。
次に、タイミングJは第2駆動パルスの終了後、直ちに第3駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1〜P8をそれぞれ出力して駆動パルスO1、O4を論理“0”とし、駆動パルスO2、O3を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6bからコイル端子6aに向かって駆動電流が流れ、また、コイル7のコイル端子7aからコイル端子7bに向かって駆動電流が継続して流れる。この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4はN極に励磁され、第3ステータ磁極部5はS極に励磁される。これにより、ロータ2のS極は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4のN極によって両方から引き寄せられてブレーキがかかり、また、ロータ2のN極は第3ステータ磁極部5のS極に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ(すなわち180度)回転したところで停止し安定する。
次に、タイミングKの期間は再び無励磁の期間であり、駆動パルスO1〜O4は共に論理“1”とされ、コイル6と7には駆動電流が流れず、ロータ2は停止状態が継続される。次にタイミングLはコイル6に対して反転第1駆動パルスが出力されるタイミングであり、コイル6に反転した駆動電流が流れてロータ2は図示するように右方向(逆転)に再び回転を開始するが、駆動パルスの形態及びロータ2の回転動作は実施例1の図4で述べたタイミングEと同様であるので詳細な説明は省略する。
次に、タイミングMは反転第1駆動パルスの終了後、直ちに反転第2駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1〜P8をそれぞれ出力して駆動パルスO1、O3を論理“0”とし、駆動パルスO2、O4を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6bからコイル端子6aに向かって駆動電流が流れ、また、コイル7のコイル端子7bからコイル端子7aに向かって駆動電流が流れる。この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3はN極に励磁され、第2ステータ磁極部4はS極に励磁され、第3ステータ磁極部5はS極
とN極が打ち消し合って無励磁となる。これにより、ロータ2のN極は第1ステータ磁極部3のN極によって引き離され、また、ロータ2のS極は第2ステータ磁極部4のS極によって引き離されるので、ロータ2は更に右方向(逆転)に回転を継続する。
次に、タイミングNは反転第2駆動パルスの終了後、直ちに反転第3駆動パルスが出力されるタイミングであり、制御回路11は駆動制御信号P1〜P8をそれぞれ出力して駆動パルスO2、O3を論理“0”とし、駆動パルスO1、O4を論理“1”とする。これにより、コイル6のコイル端子6aからコイル端子6bに向かって駆動電流が流れ、また、コイル7のコイル端子7bからコイル端子7aに向かって駆動電流が継続して流れる。この結果、二つのコイル6、コイル7は共に駆動コイルとして機能し、第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4はS極に励磁され、第3ステータ磁極部5はN極に励磁される。これにより、ロータ2のN極は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4のS極によって両方から引き寄せられてブレーキがかかり、また、ロータ2のS極は第3ステータ磁極部5のN極に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ(すなわち180度)回転したところで停止し安定する。
以上のように、実施例2の駆動方式は、第1駆動パルス(又は反転第1駆動パルス)の後に第2駆動パルス(又は反転第2駆動パルス)が出力されることにより、ロータ2は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4によって引き離される力が働くので、ロータ2は更に回転トルクが増加する。また、第2駆動パルス(又は反転第2駆動パルス)の後に第3駆動パルス(又は反転第3駆動パルス)が出力されることにより、ロータ2は第1ステータ磁極部3と第2ステータ磁極部4、及び第3ステータ磁極部5に引き寄せられてブレーキがかかり、ロータ2は1ステップ(すなわち180度)回転したところで停止し安定する。このように、実施例2の駆動方式によれば、第2駆動パルス(又は反転第2駆動パルス)によってロータ2の回転トルクが増加し、第3駆動パルス(又は反転第3駆動パルス)によってロータ2の引き寄せとブレーキを確実にするので、実施例1の駆動方式と比較して、駆動トルクが大きく耐衝撃性等が向上して信頼性の高い可逆ステッピングモータを提供することが出来る。
尚、実施例2でのモータ駆動は、例えば、1秒に1ステップを駆動する低速駆動を前提に説明したが、1ステップの駆動周期が非常に短い高速駆動であっても同様な駆動を行うことが出来る。すなわち、実施例1の図7で説明した1ステップの駆動周期が固定である固定駆動周期方式の高速駆動動作は、第1駆動パルスの後に図8で示した第2駆動パルスと第3駆動パルスを挿入することにより、実施例2の高速駆動を実現することが出来る。また、高速駆動に於いて、実施例1で説明した可変駆動周期方式や時間制限付き可変駆動周期方式についても同様に実現することが出来ることは言うまでもない。尚、図8及び図9で示した第2駆動パルスと第3駆動パルスは、フル駆動パルスとしたがこれに限定されるものではなく、第2駆動パルス又は第3駆動パルス、もしくはその両方の駆動パルスをチョッパ駆動としても良い。
また、実施例1や実施例2の可逆ステッピングモータ1の高速駆動に於いて、可逆ステッピングモータ1の始動時は、ロータ2に十分な回転トルクを与えるために第1駆動パルスと第2駆動パルス、もしくは、第1駆動パルスと第2駆動パルスと第3駆動パルスで駆動し、連続駆動時はロータ2に慣性が付いているので駆動消費電力を削減するために第1駆動パルスのみで駆動する駆動方式を採用しても良い。また、同様に実施例1や実施例2の可逆ステッピングモータ1の高速駆動に於いて、連続駆動時は第1駆動パルスのみで駆動し、ロータ2の停止時にはロータ2に十分なブレーキをかけるために第1駆動パルスと第2駆動パルス、もしくは、第1駆動パルスと第2駆動パルスと第3駆動パルスで駆動する駆動方式を採用しても良い。